埼玉県在住のA子さん(32)は、こう話す。
「3年ほど前に実家がリフォームしたことをきっかけに温水洗浄便座を使い始めました。最初
はおそるおそるだったんですけど、一度使い始めると洗い流せる爽快感が病みつきになって、
『大』のときはもちろん、おしっこのときはついでに膣を洗うビデを毎回使用するようになりました」
変化が表れたのは“温水洗浄便座フリーク”になって1年がたったころだった。
「オリモノの量が増え、膣から魚が腐ったようなにおいがしてきたんです。彼氏にも
『性病? 浮気したの?』と疑われるほどでした」(A子さん)
心当たりのないA子さんが産婦人科に行ったところ、細菌性膣症と診断された。
厚生労働省の科学研究班が2007年度から09年度にかけて、早産のリスク解析として
主に細菌性膣症の実態を調査した。
「その一環として、温水洗浄便座使用と細菌性膣症との関連を検討したんです」
そう話すのは、国立国際医療センター戸山病院産婦人科の荻野満春医師(59)だ。
荻野医師(研究指導者・箕浦茂樹部長)と飯野病院の飯野孝一院長との共同調査によると、
習慣的に温水洗浄便座を使用している人は、使用していない人に比べ、膣内の善玉菌である
乳酸菌が著しく消失し、腸内細菌などによる汚染が目立った。そして、細菌性膣症にかかり
やすいことも明白だったという。
(週刊朝日 2010年02月26日号配信掲載) 2010年2月18日(木)配信
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20100218-01/1.htm