【「恩を仇で返された」】
結局、別居から2年後の'73年にAさんと幸さんは離婚。同棲をしていた由紀夫氏と幸さんは、その2年後の'75年に結婚した。
「幸は私に挨拶もしないで出定期増した。もちろん由紀夫君からの挨拶や謝罪もありませんでした。ああいう政治家の世界で生きる人は、一般の感覚とはズレているんでしょう」(Aさん)
Aさんの姉のBさんは、由紀夫氏の母・安子さん(86歳)が、ふたりの結婚が決まったと挨拶に訪れた時のことを今も鮮明に覚えている。
「弟は留守でした。対応をしていた夫から、私も来るようにと言われたのですが、私はごゆっくりどうぞ≠ニ言うのが精一杯で、すぐにキッチンに戻りました。
だって、弟の妻を奪われたんです。あまりに腹が立って、弱めていた火を強くして料理したのを覚えています。
思えば、由紀夫くんはうちへ食事に来ても、代金やチップを払ったことはありません。お金にあまりに不自由せず育ったからそういう常識すらなかったんでしょう」
Aさんは幸さんと離婚後ほどなく日本人女性と再婚した。
「妻は前の妻が幸だと知っていましたので、テレビでふたりを見るとこの顔は見たくない≠ニ目を背けていました。
その妻も昨年がんで亡くなり、私もようやく気持ちの整理がついたんです。
今でも、恩を仇で返されたという気持ちに変わりはありません。
由紀夫くんが何の挨拶も謝罪もなく去っていったこと、そしてそういった人格の人間が首相になることについては、やはり思うところがあります。
私は自分の妻を奪われたことを言っているのではなく、自分が来るべきところを母親を挨拶に来させるような男だということを言いたいのです」(Aさん)
由紀夫氏は「妻と一緒にならなかったらぼくは政治家にはならなかった」と公言するなど、折にふれて幸さんとの仲を微笑ましいエピソードとして語る。
それに対し、34年間憤りの気持ちを抱き続けてきたAさんやBさんは、テレビの中で友愛≠掲げる由紀夫氏、
そんな夫を支えていきたいと微笑む幸さんの笑顔の仮面の下に忘恩や不実がみえるのだという。
「女性セブン」9月17日号(VOL.33)
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