皇室御一行様★part1618

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169可愛い奥様
前スレでちょっとでていましたが、転載します。

私の履歴書「芦田 淳」2009.8.20
『浩宮さまの背広 初仕事』
 ある朝、高島屋に出社すると婦人服部長が血相を変えて駆け寄ってきた。「おい芦田さん。
大変なことになったよ。実は宮内庁から電話があって、浩宮さまの背広を作ってほしいと依頼されたんだ」
とまくし立てる。「えっ、何だって」私は思わず聞き返した。
 宮内庁の関係者が「少女服」を見て気に入り、推薦してくれたのだという。欧州土産から発展した「少女服」が、
思わぬ幸運を運んできてくれた。「とにかく、東宮御所に伺って、皇太子妃の
美智子さまと面会してほしい」婦人服部長の顔も心なしか上気していた。
 身に余る光栄だった。でも美智子さまと面会なんて、一体どんな服装をして、何を話せばいいのだろう。
皆目、見当がつかなかった。とりあえす黒いスーツに地味目のネクタイを身に付け、高島屋が
用意した黒塗りのハイヤーに乗って、東京・元赤坂にある東宮御所に向かった。
 警備員が敬礼し、ガラガラと門が開くと、鬱蒼とした林の中をなだらかなアスファルトの坂道が
続いている。私は身が引き締まるような緊張感を覚えた。東宮御所に入り、仮縫い室に案内された。
10畳ほどの室内には大ぶりの鏡や応接セットなどが置かれ、静寂の空気に包まれていた。
 しばらくすると、ドアがゆっくりと開き、美智子さまが入ってこられた。
「芦田でございます。このたびは浩宮さまのお洋服を仕立てることになりました。お目にかかれて
光栄です。」
 私が深々と頭を下げると、美智子さまはやさしい笑みをうかべながらうなずかれた。その瞬間、
清楚なバラの花のような気品が漂い、私は目がくらみそうになった。(続く)