民主党総合スレッド

このエントリーをはてなブックマークに追加
105可愛い奥様


                    『“高福祉・低負担”の幻想』

  ★☆《民主党は負担が増えないで福祉だけが増えるという幻想を振撒き問題を先送りしている》☆★


上武大学大学院経営管理研究科教授 SBI大学院大学客員教授 池田 信夫

麻生首相が自民党のマニフェストを発表し、少し争点も見えてきました。
それは自民党が中福祉・中負担という言葉を明記し、民主党の高福祉・高負担路線を批判していることです。
これは重要な論点で、民主党の主張する「高福祉・低負担」などという幻想より正直なアジェンダ設定です。

高負担か低負担かという問題は、言葉を変えると、所得の再分配に政府がどこまで関与するかということです。
だから重要なのは、まず財政や年金会計のゆがみを是正して、福祉と負担を均等化することです。
その場合、負担を減らすことは政府の権限を減らすことと一体です。

民主党のいう様に「無駄づかい」を減らせば、公共サービスを減らさないで負担だけが減る等というフリーランチはありえない。
無駄づかいを減らすことは規制撤廃と一体であり、民主党が規制改革に言及しないのは
「小泉改革」を敵視する左派の影響でしょうが、政策の整合性が欠けています。

もう一つの問題は、これが若年層から老年層への再分配だということです。
今でさえ、生まれてくる子供が生涯で4000万円の純債務を負う世代間の不平等が世界一といわれる日本で、
これ以上、老年層を優遇すべきなのでしょうか。世代間でネットの再分配がどれだけ行なわれるか、
そして、どの程度が適正と考えているのかを示すべきです。

それをしないで、負担が増えないで福祉だけが増えるという幻想を振りまいて問題を先送りしていると、
10年とたたないうちに財政は行き詰まります。特に民主党が長期的な成長率の見通しも財政の見通しも示さず、
「4年間は増税しない」という約束しかしていないのは無責任です。