―冬、私がペットにしていたテンジクネズミを池で泳ぐかと思って泳がしました。そうしたら心臓マヒを起こして
死んでしまいました。ちょうどその時父がそこを通りかかりました。「何をしているんだ?」と「泳がしたら
死んじゃった」と私が言ったのです。そうしたら次の瞬間わたしは池に放り込まれていました。(笑う)ええ、
次の瞬間、私がテンジクネズミのようでした。「秋篠宮さま」(江森 敬治 著)より
あれから40年近くの歳月が流れ、葉山では両陛下と秋篠宮ご一家‘水入らず’の和船の舟遊びが行われた。
秋篠宮夫妻の気がかりは悠仁親王のことである。
この子は生まれてから一度もまともな言葉を発したことがなかった。
男の子は言葉が遅いもの、個人差があるからと慰められてはいても、やはり無理な懐妊をしたせいではないかと
心は晴れない。
海面を見つめる悠仁のか細い後ろ首を見つめていた秋篠宮は、振り向いた悠仁の口から生まれて初めての思い
がけない言葉を聞いた。
「お父さま、今度は落とさないでね」