【つこうた】生活費月50万の馬鹿嫁の旦那★5

このエントリーをはてなブックマークに追加
一面識もない昭和女子の校長にメロン送るのが気持ち悪い。
しかも学生の身分で。

まだ拝眉の機を得ませんが、突然のお手紙を差し上げることをお許しください。
私は早稲田大学政治経済学部政治学科4年の岡田賢治と申し上げるものです。人見校長のご健康がおすぐれで
ないと聞き、いてもたってもいられなく、筆を取った次第であります。昨日も東京に真白な雪が降り、余寒厳し
い折柄ですが、お加減の方はいかがでしょうか。私の安い生活費のなかから奮発して、メロンを買いました。ど
うぞご賞味いただきたく、また元気になっていただきたく存じ上げます。
 私は早稲田大学で、図書館学の授業を履修するかたわら、昭和女子大学の大串夏身先生に師事を受ける機会が
ありました。その折にも昭和女子大学の校則や教育姿勢を伺い、大変興味を抱きました。今時にない、個性的な
教育に感心しました。学校の教育に対する理念を持つだけでも大変なのに、それを実践されていることは本当に
素晴らしいことです。他の学校では実践することは極めて困難な状況があります。
 私の知人にも昭和女子の卒業生の方が何人かいらっしゃいますが、彼女たちの人柄から察するに、なるほど素
晴らしい学校を卒業されたなと、話していて間接的に感じます。ひとえに人見校長のご尽力によるところが非常
に大きいと感じます。なかでも、それぞれの生徒が、みんなそれぞれ白雪姫である、というご訓示は胸を打たず
にはいられません。教育の現場において決して色褪せることのない理念とも言えましょう。文化祭の折りにお見
かけしたのですが、池でお飼いになられている鯉に痛く感心したことを思い出します。大切に育てれば、あんな
に大きく育つのかと、なるほどそれは人の心のおおらかさや寛容さといったことにもあてはまるのかも知れませ

れは社会科の教師になりたく考えておりますゆえ、生徒に接するという観点から、ことさら校長の理念に共感い
たします。
 
敬具
2月12日
岡田賢治
人見校長殿
侍史


追伸 今庭先を見ると、梅の芽の便りが届いたようです。もう春がそこまで来ています。