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諸君7月号:
戦没者慰霊への尽きせぬ思い
・いまや終戦直後に生まれた人でさえ還暦を越え、現役世代のほとんどは戦争を知らない。
陛下はそこを心配なさっている。戦争がいかに悲惨で、平和がいかに尊いものかを、国民に
わかってもらうために、陛下にしかできない大きな仕事があた。
・サイパンにある慰霊碑は、日本の軍人、民間人、アメリカの軍人、現地住民、朝鮮出身者、
沖縄出身者のものもあり、さらにバンザイクリフもある。陛下は御自分の意思でその全てを
回られた。
・戦後、陛下は戦争のことや昭和天皇のご苦労について心を込めて勉強された。それらの
ことから、戦争で亡くなった人々の霊を慰め、同時に遺族を慰め続けることこそご自身の課
題であると、思い定めておられるのではないか。
---補足:陛下は、日本でどうしても記憶しなければならない4つの日付をあげておられる。
8/15の終戦記念日、8/6,9の広島、長崎の原爆記念日、6/23の沖縄戦終結の日で、これらを
御慎みの日としている---
・平成六年の訪米の折、サンフランシスコに立ち寄られたのは、沖縄慰霊の日である6/23
であった。
出発前、陛下は、沖縄で追悼式典が何時に行われるか時間を調べるようにお命じになった。
それはちょうどサンフランシスコ市長が開催する晩餐会が始まる時刻と重なっていたため、
市長に晩餐会の開始を遅らせてもらうように頼み、その時刻、両陛下は御二人でホテルの部
屋で黙祷を捧げられた。