25 :
可愛い奥様:
「天国からのラブレター」94ページより
手紙を書き始めてから、1時間が過ぎた。時が過ぎるのは本当に
早いね。今日はエリザベス女王杯だ。絶対に大穴が来る。大金持
ちになってやる。……それはそうと、木曜日、酔っぱらっちゃっ
たね。弥生、酔うと甘えだしたり、泣きだしたりして大忙しだ。
でも、それがとっても可愛い。「守ってあげなければ」と、い
つも思う。
門司港駅から家に帰る途中で、弥生が「私の大事な人、みーんな
どっかに行く」って泣き出した時、すごく弥生が好きだと思った。
俺のために弥生、いっぱい友達なくして、つらい思いをして、そ
れでも、俺と付き合ってくれる。だから余計に「弥生を幸せにして
あげよう、大事にしよう」って思う。
26 :
可愛い奥様:2007/06/01(金) 19:19:50 ID:RPQNIxL20
「天国からのラブレター」158〜159ページより
買い物をすると、私達は決まって『OCM』というサンドイッチ屋
さんで昼食をとるのでした。おしゃれな店で、雰囲気もよく、2人
のお気に入りの店でした。そして、いつもの決まったメニューを注
文して席に着きます。席に着くと弥生はすぐに、今日買った物を包
装から出してチェックするのでした。そして弥生は、「どう、可愛
い?」とか「いいでしょ」などと私に意見を求めたり、自慢したり。
時には「うーん、やっぱり私はセンスがいいね」と自画自賛してい
ることもありました。
「買い物をここまで喜べる人がいるのか」と思うほど、嬉しそうに、
幸せそうにしている弥生が大好きで、その姿を見ているとこっちま
で幸せな気持ちになりました。私にとって買い物は、どちらかとい
うと退屈そのものなのですが、しかし、その後の弥生の嬉しそうな
顔を思い浮かべると、どうしても断ることが出来ず、いつもいつも
弥生の買い物に付き合ってしまうのでした。
弥生と夕夏がいなくなってしまい、今はひとりで買い物に行かなけ
ればならなくなりました。買い物が終わると、私はあの頃のように
『OCM』にひとり、足を運んでしまいます。そして、いつものメニ
ューを注文し、ひとりで時を過ごすのでした。あの頃の、あの弥生
の、嬉しそうな笑顔を脳裏に思い浮かべながら……。