939 :
可愛い奥様:2006/07/30(日) 01:02:11 ID:odMuH1Se
娘子に、義母からもらった浴衣を着付けてから、
嫁子はわたあめコーナーに向かった。
娘子は、後で友達を連れてわたあめを買いにいくと言って、
笑顔で出かけていった。
やるときゃやる!娘子に勇姿をみせねばっ・・・きりりとエプロンを締めた。
ミキハウス婦人を見た瞬間、この人には逆らってはならない、と
嫁子の動物的直感が働いたため、呼び込みなどの簡単な役は
彼女に譲り、嫁子は機械の前に立った。
940 :
可愛い奥様:2006/07/30(日) 01:11:06 ID:odMuH1Se
>>938 うわー被った。スマソ・・・
ではつなげます。
ミキハウス婦人はなかなかこなかった。
せっかく楽な役を譲ったというのに・・・そのころ嫁子は
彼女の役が変更になったことを知らなかったのだった。
親切な高橋さんが、顔色を変えて知らせに来てくれたのだが、
その瞬間、嫁子はそこにへなへなと座り込みそうになった。
結局、空いている時間に高橋さんが手伝ってくれることになったが、
基本的に嫁子は一人でわたあめを売ることになった。
がんばれ嫁子。・・・・プロジェクト エックス!
941 :
可愛い奥様:2006/07/30(日) 01:55:33 ID:y00vxZOl
(被りついでに進めておきます…)
意外にもワタ飴売りは楽だった。
50円のワタ飴は飛ぶように売れ、
浴衣を着付けてあげた娘子も、友達を連れて笑顔で買いに来てくれた。
やるときゃやる!きりりとエプロンを締め娘子にワタ飴を売る母の勇姿を見せることにも成功した。
ミキハウス婦人は変更を聞いた瞬間、内心ひどく怒りをはらんでいるようだった。
この人には逆らってはならない、と嫁子の動物的直感が働いたため、
ワタ飴売りが早々に完売した嫁子は、呼び込みなどの簡単な役を彼女に譲り、鍋の前に立った。
一方、鈴木さんは金魚すくいのコーナーでひどく手間取っていて機嫌が悪そうだった。
嫁子は天罰が下ったと思っていたが、この後の打ち上げで遅刻した林さんに
鈴木さんが八つ当たりしてひと悶着起こるとはこのときはまだ知る由もなかった。
942 :
可愛い奥様:2006/07/30(日) 13:11:02 ID:hT7bwSui
「今日はよく働いた」打ち上げ会場に向かいながら嫁子は自分もやれば出来ると
思った。
「この勢いで言うぞ!」と嫁子は決心した。
鈴木にバザーに出品してなかったエルメスのスカーフを返してもらうのだ。
エルメスが偽者か本物かは問題ではない。あれはオークションに出品するための物だ。
それに気になっているのが他に鈴木が持っていった物の中に出されていない品が二つ三つある。
毎年似たような事があるがスルーしてきた。でも今年は聞いてみよう。
そもそもバザーの収支が明らかにされていないのがおかしいのだ。
嫁子は打ち上げ会場の居酒屋「2ちゃんねる」のドアを開いた。
943 :
可愛い奥様:2006/07/31(月) 23:52:58 ID:p25jvmDD
鈴木はすでに来ていた。
嫁子は目を閉じて深い深呼吸してズンズン鈴木に詰め寄った。
「ちょっと鈴木さん!エルメスの品はどーなっているの?
娘の浴衣はどーなっているの?出していなかったじゃない!」
鈴木は目を白黒させた。
しかし腹黒い鈴木。
とっさに逆切れして「あんた!私がネコババしたとでもいうのかい!」
すごい剣幕でいいかえしてきた。
しかしそれを一部始終まわりの人はみていたのだ。
いつもバザーに多額の寄付をしてくださる元締会社の社長の奥さん嫁ゑが
みるにみかねて2人の間に入ってきた。
944 :
可愛い奥様:2006/07/31(月) 23:57:00 ID:p25jvmDD
嫁ゑは厳しい表情でピシャリと言った。
「ちょっと鈴木さん!不満があるのなら今までの役員が全員集まって
鈴木さんを真ん中にして話しあいの場をもちましょうよ!
決算についても、あなたの今までの参加も、議題はたくさんあるのよ!」
鈴木の顔が見る見る青ざめていった。
鈴木は自宅に電話をかけると子供に向かえに来てもらっていた。
鈴木ジュニアはダンボールを抱えてやってきた。
その箱を床に叩きつけると、反動で嫁子のスカーフがこぼれおちた。
鈴木たちはすれ違いざまに凄い眼で嫁子を睨みつけて立ち去った。
鈴木はこの短い間に車が当て逃げされていた。
フロントガラスにはシソ入りカレーがぶちまけられていた。
犯人は捕まらなかったが、祭りに遅刻した人が鈴木にイヤミを言われ、
逆上してやったのではないか?という噂が後日街に流れた。
何はともあれ、嫁子のオク出品予定の品は返ってきたのだ。
嫁子の勇気にメンバーは感動し、残りの鈴木のネコババ商品も嫁子が引き取ることになった。
嫁子の7月はこうして暮れていった。
945 :
可愛い奥様:2006/08/01(火) 07:32:59 ID:sT6ISHf5
八月になった。
嫁子はあせりはじめた。
浴衣は季節商品だ。急いで出品しなくては。
スカーフだってこの際1000円スタート、真偽不明で出品しよう。
嫁子はスカーフと浴衣を出品した。
その後ダンボールに封をし押入れに隠した。
あの場では「全部どうぞ」と言ってくれたがネコババされた人の中には
返して欲しい人もいるだろう。あとでこっそり返却を求めてくるかもしれない。
今回のことで近所付き合いの大切さがわかった嫁子は慎重に行動していた。
すでに自分は鈴木に攻め寄るといった大人しい奥達からみれば信じられないような
行動をしているのだ。
自分は賢くもないし、特技があるわけでもない。
取り柄といえばごくまっとうな人間であるということぐらいだ。
近所での評判を落とすようなことをしてはいけない。
嫁子は自信に命じた。
946 :
可愛い奥様:2006/08/02(水) 10:10:43 ID:npaxZApV
国井雅比古アナはいつの間にか、
団扇を手に持ち、法被に鉢巻き姿、夏祭りのコスプレをしていた。
「嫁子さん、どうぞ」
947 :
可愛い奥様:2006/08/03(木) 23:38:53 ID:z0/ZTJWj
メンバーは今、ここで何が一番大事かを考えた。
やがて決断したメンバーは静かに言った。
「保守だ。そして上げるぞ。」
・・・手が震えた・・・。
948 :
可愛い奥様:2006/08/04(金) 00:57:40 ID:5aGczsuJ
(浴衣姿の嫁子さん登場)
国井雅比古;
「この1ヶ月余り、法事から夏祭りまで、本当にめまぐるしい日々でしたね。」
嫁子:「ええ。でも当時は無我夢中でしたから、それほどつらいとは感じなかったのですが、
ただ、10円禿げが次第に増えていくことが、日々悩みの種でした。」
膳場貴子:「黒マジックくらいではごまかせなくなりそうだったと…」
嫁子:「はい。でも夏祭りも終わって、鈴木さんが オランダにお住まいの
娘さんの所へ旅立たれた頃から徐々に生えてきたので、ホッとしました。」
949 :
可愛い奥様:2006/08/04(金) 01:59:40 ID:95S2vqHz
膳場貴子:「あれから鈴木さんから何か連絡はありましたか?」
嫁子:「船便で私宛に荷物が届きました。
皆様によろしく と、怪しげなチョコレートと、草と、セクシーランジェリーが入っていました。
とりあえず、嫁ゑさんの所に持っていきました。
すると嫁ゑさんは、その場で火をつけて燃やしてしまいました。
私が驚いていると、燃えカス一つ残さず、鳩を出しました。
私が驚嘆して拍手をすると、勝ち誇ったかのような笑顔を残して立ち去ろうとしました。
私がせめてお名前を…を尋ねると、振り向きもせず「セザ〜ル〜〜」といって、馬に乗ってどこかに行ってしまいました。
きっと何もかもが終わったことを告げる、彼女なりのパフォーマンスだと思っています。」
国井雅比古:「なるほど なるほど。
さっ、そんな一安心した嫁子さんに、この後またしても新しい試練が待ち構えていました。
続きをご覧ください。」
〜VTRの再現フィルムに戻る〜
950 :
可愛い奥様:2006/08/04(金) 02:22:01 ID:Es+uvkka
めまぐるしい毎日の中、嫁子は心の余裕を失っていた。
余裕。
そう、人間余裕を失うと信じられない過失を犯してしまうものである。
嫁子もまた、例外ではなかった。
嫁子は落札した浴衣のメールに返信をしていなかったのだ。
951 :
可愛い奥様:2006/08/04(金) 10:48:19 ID:7NgKpj9e
なにしろ(北)軽井沢に行くための荷造りがうまくいかず
部屋という部屋に着替えやら歯ブラシやらドライヤーやらが散乱している状態で
メールどころかパソコンをたちあげる余裕すらなかったのである。
952 :
可愛い奥様:2006/08/05(土) 19:44:13 ID:x4I19QWm
音沙汰なしでかれこれ1週間か?
頭の血が一気に下へ落ちていくのがわかった。
もう駄目だ…
嫁子は埃を被ったパソコンを呆然と見つめていた。
953 :
可愛い奥様:2006/08/06(日) 18:50:18 ID:3wJgqk1N
残された50足らずのレス、それが嫁子に与えられたすべてだった。
自分ひとりで解決できる自信はなかった。
しかし、バザーが終わりプロジェクトのメンバーは既に散り散りになっている。
時は休日の夕方、メンバー達が買い物や夕食の支度に追われる最中だ。
戻ってきてくれるのだろうか?----嫁子の心を不安が包んだ。
954 :
可愛い奥様:2006/08/06(日) 21:49:29 ID:8j1vVIB4
そして嫁子はひそかに感じ始めていた。
メンバー…、そう、メンバーたちは…
飽きてきている!
に違いないと…
955 :
可愛い奥様:2006/08/06(日) 22:30:04 ID:PsSbtcOT
プロジェクトエッーーークス
956 :
可愛い奥様:2006/08/07(月) 01:26:24 ID:lyr7glpE
嫁子のスカーフは1050円、浴衣は1300円の値がついていた。
嫁子は正直な事情のメールを送信し、スカーフは嫁子が送料を負担することで話しがついた。
浴衣の人には、電車に乗って田町まで持っていって手渡しをした。
嫁子は売り上げたお金の一部でクランベリージュースを買った。
そして明日こそは旅の荷造りをしなくては…と
やる気よりも先にめんどくささが先にたち
考えただけで疲れてきた。
957 :
可愛い奥様:2006/08/07(月) 15:23:26 ID:/JldRy+z
その瞬間、
嫁子は思った。
いま、自分が行動を起こさなければ、
これまでの努力はどうなるのだ。
とりあえず、ケイン・コスギが
崩れた橋や危険な岩場で宣伝している
ドリンクを冷蔵庫から出し、
一気に飲み干して、叫んだ。
○ぁあいとぉーっつ ○っぱぁあああぁぁっつ!!!
958 :
可愛い奥様:2006/08/07(月) 16:13:03 ID:xKq8UVJd
(エプロン姿の嫁子さん登場)
国井雅比古;
「見事な切り替えの早さでピンチを乗り越えましたね」
嫁子:「ええ。何がなんでもr落札者に迷惑をかけてはいけないと必死でしたから。
ただ、この先の事を思うと不安でたまりませんでしたね。」
膳場貴子:「散り散りになったメンバーが戻ってきてくれるかどうかと・・・ 。」
嫁子:「はい。飽きられているのは自分でもよくわかっていましたから。」
国井雅比古:「なるほど なるほど。
さっ、不安を抱えながらも気合いを入れ直して再び立ち上がった嫁子さんをどんな試練が待ち構えていたのか!!
続きをご覧ください。」
〜VTRの再現フィルムに戻る〜
959 :
可愛い奥様:2006/08/07(月) 16:56:19 ID:6srTRZpf
とうとう軽井沢出発の日が来た。
戸締りも、ガスの元栓も完璧だ。
少し弾む気分で嫁子は玄関の鍵をしめた。
これで無事軽井沢で楽しく過ごせそうだ。
軽井沢で起こる惨事をしらぬまま嫁子は旅立った。
960 :
可愛い奥様:2006/08/07(月) 19:40:02 ID:mvlrRRGW
オットーと運転を交替しながら、緑の中を走っていく。
はしゃいでいた子どもたちが静かになった。
後ろのシートを覗くと、肩をもたせ合って眠っている。
子どもたちが寝ている隙についてしまうのだ。
軽井沢へ。否!北軽井沢へ!!
961 :
可愛い奥様:2006/08/07(月) 20:07:29 ID:Y6a+cI6k
と思った嫁子とオットーは甘かった。田舎の羊羹並みに甘かった。
高速道路の出口前からずっと某ホテル方向への渋滞が続いていた。
ほかの抜け道はなく、ただダラダラのその列に並ぶしかなかった。
その上、嫁子たちは大渋滞の軽井沢を通り抜け、浅間山のほうを目指さなければ
ならなかった。
962 :
可愛い奥様:2006/08/07(月) 21:08:33 ID:xKq8UVJd
突然に子供達が目を覚まして震える声で言った。
「お母さん、おしっこ。」
嫁子の背中に衝撃が走った。
963 :
可愛い奥様:2006/08/08(火) 09:39:46 ID:v8vMNOR9
そして、つられて嫁子までトイレに行きたくなってしまった。
964 :
可愛い奥様:2006/08/08(火) 10:27:49 ID:CawWJGg3
これまで、幾多のピンチを乗り越えてきた。
このピンチが乗り越えられないはずがない。
嫁子は自分にそう言い聞かせた。
いい方法はないか?
そのときである。
遠くにコンビニの灯りが見えた。
業界最大手のコンビニ。
ここはトイレを貸してくれる。
しかし駐車場は満車のように見られた。
駄目か?
その瞬間、いっばいの駐車場から一台の車が出た。
今だ。
今をおいてチャンスはない。
決断は瞬時に下された。
すかさず嫁子一家の車はそのスペースに止まった。
965 :
可愛い奥様:2006/08/08(火) 11:13:54 ID:9w0CvmXF
トイレのことばかりが頭と心と体を支配していた。
「さあ、車を降りて」とシートベルトをはずす行為をしていたその時に
車全体を何かの衝撃が襲った。
嫁子一家には何が起こったのかとっさには判断が出来なかった。
966 :
可愛い奥様:2006/08/08(火) 22:12:28 ID:gTwjx1pm
熊であった・・。
山から下りてきた熊が嫁子の車に体当たりしてきたのである。
受難・・・。
でも大丈夫。
熊は嫁子の落とした小さなイヤリングを届けに来たのである。
嫁子は熊に礼をいい子供たちとトイレに行き
無事、北軽井沢に到着し楽しい時を過ごし
そして家に戻った。
嫁子にまたいつもの日常が訪れた。
「夕食は何にしようかしら・・・。
それにしても野菜がこんなに高くなっちゃって・・。」
頬に手を当てスーパーで夕食の献立に悩む嫁子であった。
967 :
可愛い奥様:2006/08/08(火) 23:06:04 ID:CReGbRNb
嫁子は,スーパーで野菜を眺めながら,旅行の日々を思い出していた。
思えば,北軽井沢で子どもたちはご機嫌だった。
いつでるかと気が気ではなかったブーイングも全く無く,子どもたちは
自然と戯れていた。
嫁子は,どんな場にも順応する子どもたちの逞しさに感動の日々だった。
なかでも,娘子とお揃いのスカートをはいて蓮華のネックレスを作ったのは
よい思い出だ。熊に襲われそうになったのも今となってはよい思い出だ。
なんせ地元の新聞に載ったりもしたのだ。
嫁子はすっかり優しい気持ちになった。
「野菜の値段には負けない!あたしには家族がいるもの!!」
がしっと野菜をつかむと次々に買い物かごにほおりこんでいった。
きゅうり,トマト,ナス,レタスはもちろんのこと,普段はためらう
ブロッコリー,アボカド,カリフラワーまで。
968 :
可愛い奥様:2006/08/09(水) 01:17:57 ID:ce0C10WO
嫁子は勢いついでにいつもは買わないミョウガにまで手を出した。
「薬味ごときに200円も誰が払うの?」と
そうやって素通りしてきたミョウガに・・・。
嫁子の心は決まっていた。
今日は素麺だ。
サラダと素麺だ。
お盆も近い。
今夜は精進料理だ。
嫁子の決意はゆるぎないものだった。
969 :
可愛い奥様:2006/08/09(水) 01:26:59 ID:YiMR3Ui4
嫁子はひときわ立派な茄子を目にした時
北軽井沢での夜の思い出が蘇ってきた。
嫁子 「ねぇあなた、プロジェクトエックスって知っているかしら?」
オットー(眠そうに)「うん?知らないな〜」
嫁子 「あのね、平凡な主婦が家事や生活を、どんなを災難が降りかかってきても
諦めず黙々とこなしていく集団プロジェクトなのよ。
そしてね、ウフフ、私、この1ヶ月で随分成長したのよ」
オットー …スゥー スゥー(複式呼吸音)
嫁子「ちょっと聞いてる?あなた??
それでね、ゲヘへ、今夜は夏季訓練よ!えっ?なにかって?
それはプロジェクトセックスのだよ!特訓だよ!」
嫁子はタマッていた。
970 :
可愛い奥様:2006/08/09(水) 01:39:29 ID:YiMR3Ui4
考えてみたら日々の生活に追われ
嫁子の女の本能の活動はスッカリ忘れ去られていた。
しかし開放的な北軽井沢が嫁子を大胆な夏の夜の蝶にさせた。
嫁子は蝶のように舞い、オットーに蜂のように刺される…はずだったが
オットーに「やめてくれえ〜オレは疲れている〜」と嫌がる処女のような抵抗にあい
なんとなくへまをいした男子学生のような気持ちになり
「わかったよ…もうお前を泣かせたりすることはしない!」と肩を抱き寄せ
オットーのデコに優しいチュウをして2人は朝まで抱き合って眠った。
嫁子はいつの間にか手にとった茄子を見て我にかえり
「いやだわ 私ったら」と独り言をつぶやき
唐辛子のような色の舌をぺろっとだし、頬をプチトマト色に赤らめた。
嫁子はわざと意識をそらすように、一度は心を決めたメニューではあるが
この材料なら家にある使いかけのルーで夏野菜のカレーもできるなと思った。
でもこのクソ暑い中、茄子を揚げるのが面倒なのでやはり素麺にすることに再び心に誓った。
プロジェクト・エーックスー
971 :
可愛い奥様:2006/08/09(水) 02:38:51 ID:sOQVuM7C
970・・・
メンバーの一人である嫁美は感慨深くその意味をかみ締めていた。
たしか970を超えて書き込みのないスレからデータ落ちになるのでは
なかったか?
このスレは面白かった。
面白かったが家事の範囲は広いとは言え、とんでもないところまで
行ってしまった。
次スレで仕切り直しができるのか?
それともこのまま解散してしまうのか。
今、メンバー達が試されていた。
972 :
可愛い奥様:2006/08/09(水) 07:25:39 ID:rFgoa1Qn
世界中にちりぢりになったメンバー達には、
リアルでの夏祭り、
リアルでの家族旅行
リアルでの帰省
そして
リアルでの家事の数々が待ち受けている。
誰もがその現実の重さに押しつぶされそうになっていた。
973 :
可愛い奥様:2006/08/09(水) 16:17:57 ID:sYSItlul
ここにメンバー達を必要とする930がいた。
このスレをしばしばのぞきつつも、ヤフオクの知識がなかったために
参加し損ねていた嫁香であった。
嫁香は昨日の子供会の夏祭りで金魚すくいの係りをしていた。
このスレでその係は避けるべきと注意を受けていたにもかかわらず、である。
「生臭い・・・。」
洗濯して乾きあがったタオルを前にして嫁香は愕然とした。
金魚のたらいからこぼれた水をふいたタオルが、娘のお気に入りのものだと
気付いたのは既に洗濯物を干す段階であった。
タオルには金魚のフンであろうか、褐色のシミまでついている。
「助けて欲しい・・・」
メンバー達の(想像上の)顔が心に浮かんだ。
974 :
可愛い奥様:2006/08/09(水) 16:20:14 ID:sYSItlul
930ではなく、973であった。
貴重な一レスを無駄にして、嫁香は再び絶望におそわれた。
975 :
可愛い奥様:2006/08/09(水) 17:40:13 ID:mkqwpoSi
長い沈黙の後メンバーの一人がつっと前に出て言った。
「たぶん、たぶんなんですが、臭いにも重曹がいいはずです。」
それはメンバーの中でもひときわ人見知りが激しい嫁江だった。
「ぐぐってみたのですが・・・ 。
まずしっかりと水洗いします。次に 晴天のお日様が出ている時に
そのタオルに熱湯を掛けてそのまま 天日干しをします。
部分的に 尿、便が付いた時の対処方法としては、 その部分をぬるま湯と石鹸を使い
もみ洗いが ブラシ洗いをしてその後しっかりとすすいで下さい。
それでほとんど落ちるはずです。これも なるだけ早めの処置が ポイントです。」
「それでもだめな時は重曹の出番です。私がぐぐった結果を貼っておきます。
ttp://www.hpmix.com/home/showadry/F54.htm ここのやり方でやってみてはどうでしょうか。」
嫁江はそれだけを言い残し、静かに973の元から去って行った。
976 :
可愛い奥様:2006/08/10(木) 17:06:53 ID:qiXPxH/y
ヘッドライト・テールライト♪の歌がバックに流れてきた。
メンバー達は皆、約二ヵ月にわたるこのプロジェクトを振り返っていた。
977 :
可愛い奥様:2006/08/10(木) 20:57:39 ID:8AzgG9D/
嫁子はいろいろなことを思い出していた。
家事と、近所付き合いと、それらにまつわる数々の夏の風物詩…
ついでにいつぞかの夏の風物詩
DQNの川流れのテレビ映像まで思い出してしまったいた。
危ないところに近寄ってはいけない。。。
親族はいまごろどのようにすごしているのだろう。。。
いろんなことを回想しながら
改めてわかったことは一つ
嫁子の真夏は充実していた。
978 :
可愛い奥様:2006/08/11(金) 09:01:02 ID:E4bl20bz
嫁子は、今夜の氏神様の夏祭りの夜店で彼らがお金を使い過ぎないように、
子供たちの昼食に、ソース焼そばを作っていた。
ttp://www5.diary.ne.jp/user/512033/ 北軽井沢から帰ってから、さらなる緊縮財政が必要になったのだ。
それにしても……高値のキャベツの葉を大事に丁寧にはがしながら嫁子は思った。
ありがとう、
全国の嫁美、嫁奈、嫁香、嫁沙、嫁里、真嫁、嫁江、嫁希
……メンバーたち。
嫁子は感謝の心でいっぱいだった。
979 :
可愛い奥様:2006/08/11(金) 22:09:57 ID:kLjCotAL
ヘッドライト・テールライト♪の音量が大きくなっていく。
こうして心温まる思い出を残して、プロジェクトはまもなく終了するのだと
メンバーの誰もが思っていたときだった。
980 :
可愛い奥様:2006/08/11(金) 22:13:24 ID:SZhvj1Tw
夢は〜まだ〜終わら〜ない〜〜♪
音楽が、止まった。
981 :
可愛い奥様:2006/08/12(土) 02:00:15 ID:3HFP6d4y
嫁佳は考えていた。
ここはまれに見る良スレだ。
とはいえ、
このまま継続させたところで、
某方言スレのように、
1のころは楽しく進行していたのに、純朴な人々が
荒らしに釣られてスレ住人同士が争うようになって消滅したり
史上最低彼氏スレのように
初期は爆笑ネタばかりで腹の皮を夜毎によじっていたのが
いつのまにかシャレにならないカス男の話で笑えなくなり
今では夜毎に連続コピぺAAがあらわれ
あぼーんされるまで読みづらいったらない。
そんな哀しいスレにならないという保証はあるのか?
そのあたりのメンバー達の躊躇と
盆期間突入とが相俟って進行が急に鈍化してきているのを感じていた。
だが、時間は止まってはくれない。
インストゥルメンタルで地上の星が流れはじめた。
次回予告?
982 :
可愛い奥様:2006/08/12(土) 05:12:37 ID:ww+EGBkU
メンバーの一人が言った。
荒し対策に、スレ番をつけずに、新スレを立ててみるのはどうだろうか?
983 :
可愛い奥様:2006/08/12(土) 13:41:31 ID:X3xn606p
また違うメンバーが言った。
sage進行にしてはどうだろうか?
984 :
可愛い奥様:2006/08/12(土) 18:08:43 ID:L/Y4bxrK
そのとき 一本の電話が 鳴り響いた
985 :
可愛い奥様:2006/08/13(日) 02:09:32 ID:/BtHPeh5
オットーからの電話であった
「次スレいらなくね?」
986 :
可愛い奥様:2006/08/13(日) 03:28:34 ID:Mo3zpeDf
確かに、このまま2ちゃんの歴史に残る名スレとして
朽ちてゆくのも美しいかもしれない・・・
だが、まだ迷いは残っている。
嫁子は、オットーに返す言葉がとっさにみつからなかった。
987 :
可愛い奥様:2006/08/13(日) 10:03:00 ID:qcVP+Z7V
嫁子はフト思った。
オットーはどこから電話してるんだ?
988 :
可愛い奥様:
そしてさらに思った。
ろくに家事をしない夫に口出しなどして欲しくないと。
ちょっと手伝っただけで家事を分担しているつもりになっているオットーに
何が分かるというのか。