474 :
可愛い奥様:
(3-1)
昔付き合ってた彼が一人暮らしだったので、たまに料理をしてあげてた。
仕事帰りに材料買って行くのは重かったから、ビールとかはケースで送ることにした。
鍋から調味料のたぐいまで、一から用意しなきゃいけなかったから、いつも凄い荷物だった。
でも今回はビールはあるから買わなくてOKって思って行くと、一週間で飲みつくしてた。
気を取り直して今度は2ケース送ったら、また余裕で一人で飲みつくしていて無かった。
毎回手の込んだ料理もしんどいから、たまには簡単なものにして
後の時間をまったりしようと2個買い置きして帰ったカップ麺も
行ってみると2個とも彼が食ってて無かった。
彼は食が細いのではなく、面倒くさいから食わないだけなんだということが
だんだん分かってきた。私が作れば食うし、カップ麺なら自分でも食うわけだから。
475 :
可愛い奥様:03/10/17 06:04 ID:zW8Gjtya
(3-2)
ある日、試しに台所に洗い物をそのままにして帰ってみた。
結婚してもずっと仕事を続けるつもりなので
何もしない、する気もない男なんかとは結婚できないからだ。
翌週行くと、台所はそのままになっていた。それを見て、ものすごく疲れた。
彼は時間はある人だった。なのにお皿一つ洗ってはいなかった。
ひょっとして彼は私が来て料理をすることが嫌で迷惑なのではとも思い聞いてみた。
すると「ううん、そんなことないよ」と平然と答えた。
迷惑だから無言の抗議のために洗い物を放っているわけではないようだった。
ただ、嫌なことはしない人のようだった。
別に頼まれてもいないのに、勝手に料理を作ったわけだから彼を責めるのは筋違い
だと思ったし、これ以上何かをする気力も失せたので私ももう放っておいた。
その後、彼が引越しをする日まで台所はそのままだった。彼は汚れたままの食器を
そのまま詰め込んで実家に帰った。付き合いきれないのでだんだんとスルーしていった。
476 :
可愛い奥様:03/10/17 06:04 ID:zW8Gjtya
(3-3)
その後、何年もたったある夜中に、彼が突然実家に尋ねてきたらしい。
これほど都合のいい女は他で見つからなかったのかもしれない。
しきりに私の所在を尋ねていたそうだ。
すでに嫁した娘を訪ねてきた男に、母親が本当のことを
言うはずもなく、適当に言って追い返したと聞かされた。
以前実家まで送ってもらったことがあり、その時の記憶を頼りに来たのだろう。
彼は泥酔していたそうだ。
もしもあの時、彼が洗い物をしていたら、
低収入も気にならなかった若くて馬鹿だった私は
どうしていただろうか。
考えたが今更どうでもいいことだとすぐに思い直し
母に、今度来たら警察を呼ぶようにとだけ言って
それきり、その男の話はしていない。
長くてすまんかった。