★なぜ★田口ランディ嫌われてるの?★教えて★

このエントリーをはてなブックマークに追加
55613@暇なのか その1
NHK すくすくネットワーク 1月号 日本放送出版協会

田口ランディ の すくすく日記
第三回
赤ちゃんをせかしすぎた私

 娘がアトピー性皮膚炎であると認めてから、いったいこの病気は
何なのだろうとようやく勉強しはじめました。でも、正直なところ
さっぱりわかりませんでした。食物アレルギーとも違うようだし、
症状も人によってまちまちだし……。
 わが家の娘の場合は、皮膚がすれる部分に炎症を起こすようで、
ひざの裏、ひじ、太もも、おしり、首筋、パンツのゴムのところ
などに湿疹ができます。そこをかいてしまうので、皮膚が破れて
炎症が広がり、とびひになってしまうのです。
55713@暇なのか その2:02/12/16 03:51 ID:6AM0/6nx
 でも、皮膚がすれない顔などには出ません。人によっては顔や
からだ全体がカサカサになってかゆみで炎症を起こしてしまう人も
いるようでした。実際に皮膚科の待合室にはそういう症状の人も
たくさん来ていました。子どもだけでなく大人も発症するようで、
不思議な病気だなあと思いました。
 病院で最初に指導されたのは食事でした。絶対にダメと禁止
されたのは「もち米」でした。意外でした。なんでもち米?
そんなもの食べないよ、と思ったのですが、実はけっこう食べて
いました。娘の好物のおせんべいの原料はほとんどがうるち米、
またはもち米だったのです。
 それから、えび、いか、かに、赤身の魚、化学調味料が多量に
使われているもの、チョコレートもダメ。柑橘系のジュースも
よくない。油は良質の植物油を使うように……などなど。
55813@暇なのか その3:02/12/16 03:52 ID:6AM0/6nx
 産院の看護師さんから紹介していただいた皮膚科の先生は、
漢方薬の塗り薬とのみ薬しか使用しません。私は最初にかかった
先生がそういう方針で、その先生の治療で娘の症状はずっと安定
しているのでほかのお医者さんにはかかったことがありませんでした。
ですから、ほかの病院でも似たような治療なのだろうと思って
いました。
 でもあとになって、アトピーの治療には多くの皮膚科の先生が
ステロイドという薬を使うのだ、ということを知りました。
最近はステロイド剤についてはいろいろな本が出ていて研究も
されていて、その副作用なども一般的に知られるようになってきて
いますが、それでもステロイドを使う先生は多いようです。
55913@暇なのか その4:02/12/16 03:52 ID:6AM0/6nx
 すごいなあステロイド剤ってそんなに効くのか、とびっくり
しました。でも、ステロイド剤を使っていた人たちからは
「リバウンドのようなものがあって、またかゆくなると以前よりも
もっとひどくなる」という話も聞きます。
 私はたまたま偶然に漢方の先生にめぐり会ったので、ステロイド
とは無縁で今日まで来ました。が、別の苦労はありました。
なにしろ先生がものすごく怖くて厳しいのです。私もかなり気の
強いほうなので、2回くらい大喧嘩をしました。先生が怖くて
通うのをやめてしまったという患者さんもいらっしゃるようです。
あんなに叱られたらイヤになるよなあ……と思うときもあります。
なにしろ待合室まで怒鳴り声が響いてきますから。でも、先生は
それだけ真剣なのです。病気は自分が治すものであって、他人に
治してもらうものではない。そのことを先生はいつも怒っています。
私もだんだん自分が受け身であったことに気づいていきました。
56013@暇なのか その5:02/12/16 03:53 ID:6AM0/6nx
 私の興味はいつしか「いったいアトピーってなんだ? その原因は
どこにあるのだ?」ということに移っていきました。なぜうちの
娘はアトピーになったのか。体質なのか。遺伝的なものなのか。
それとも私の育児に問題があったのか。
 自分なりに勉強していくうちに、いくつかの反省点が見えてきました。
もちろん、これは仮説であって、アトピーになった本当の理由が
何なのかはわかりません。あくまで仮説として聞いてください。
 1つに、私は離乳食を急ぎすぎたと思います。私のなかでは
子どもといっしょに早く食事をしたい。子どもと食事を楽しみたい、
という気持ちがありました。いつまでもミルクを飲んでいる
赤ちゃんにしておきたくない。早く離乳させる方がかっこいい、
みたいな発想です。
56113@暇なのか その5:02/12/16 03:54 ID:6AM0/6nx
 それはとても多くのお母さんにあるのではないでしょうか。
育児雑誌にも離乳食の特集が載っているし、スーパーにはたくさんの
レトルト離乳食が売られている。私は育児中、常に目新しいことを
していたいような気分でした。ミルクだけじゃなくて、アルカリ
イオン飲料とか、みかんジュースとか与えたくてたまりませんでした。
 ほかの子が離乳の準備を始めると、そうか!とばかりに私も
離乳の準備を始めました。子どもも新しい味に出会った方が楽しい
だろうと思っていました。食べる喜びを教えたかった。
 しかし、その発想はまちがいだったみたいです。子どもの離乳を
急ぐあまり、子どものからだの準備ができていないのに食物を
与えてしまった。そのことで子どもはその食物アレルギーに
なってしまうことがあるのだそうです。子どもは生後1年くらいは
ミルクが主な栄養源でもよく、大人の人間と比べるとからだの
仕組みが未熟です。特に生えびなどは、早く与えすぎると子どもの
からだにとてもよくない影響を与える可能性のあることを知りました。
562可愛い奥様:02/12/16 04:01 ID:p92lVI/g
56313@暇なのか その7:02/12/16 04:02 ID:6AM0/6nx
 ほかのお母さんたちと競うようにして、離乳食を与えてしまったこと、
ものすごく反省しました。と言っても、もう後の祭りなのですが。
 それから、おしゃぶり。私はおしゃぶりというものがキライでした。
なんだかカッコ悪いなあと思っていたのです。だからおしゃぶりも、
なるべく早めに取り上げました。要するに、私は娘に早く赤ちゃんから
幼児になってもらいたかったんですね。本当に傲慢だったと思います。
 おしゃぶりをしゃぶらせる理由は、子どもの精神面の安定のため
だと思っていました。
 ですが、おしゃぶりは、子どものあごを鍛えて、さらに口を
閉じさせておくことで鼻で呼吸することを覚え込ませる、という
役割もあったのです。大人でも子どもでも、鼻で呼吸したほうが
病気になりません。口を開きっぱなしにして呼吸をしていると、
口の中が乾燥して口の中でいろんな菌が繁殖しやすくなります。
それがさまざまな病気の原因になったりするのです。
56413@暇なのか その8:02/12/16 04:03 ID:6AM0/6nx
 鼻で呼吸することによって、空気中のチリなどを鼻が濾過します。
でも口で呼吸していると悪い物質もそのまま肺に入ってしまって
とても健康に悪いし、ぜんそくの原因のひとつになったりする
らしいのです。
 娘はよくテレビを見ながら口を開けていました。寝るときも
口を開けて口で呼吸していました。そのくせを直して口を閉じさせて
鼻で呼吸するように習慣づけたら、扁桃腺を腫らすかぜをひかなく
なりました。
 赤ちゃんから幼児になっていく過程は本当に大切だな、と
いまごろになってつくづく思うのです。

参考文献:『内臓が生みだす心』西原克成著(NHKブックス)
56513@暇なのか 最後:02/12/16 04:04 ID:6AM0/6nx
 アトピー性皮膚炎について〜編集部より〜
アトピー性皮膚炎は、さまざまな原因や誘因がくさりのように
つながって発症するため、原因を1つに特定することは難しいと
言われています。年齢によって症状が異なりますが、アトピー性
皮膚炎の人は、皮膚のバリア機能が生まれつき弱い体質だと
いうことがわかってきました。アトピー性皮膚炎と診断されたら、
長期の治療になる可能性もあるので、信頼でき、長くつきえる
医師を選ぶことが大切です。

たぐち・らんでぃ
東京生まれ。広告代理店、編集プロダクションの仕事を経て、
独自のメールマガジンを発行。ネットコラムニストとして
注目され、作家となる。
著書に『根をもつこと、翼をもつこと』(晶文社)、
『7days in BARI』(築摩書房)など多数。5歳の女の子がいる。