1 :
最後の巨匠:
「暗殺の森」「ラストタンゴ・イン・パリ」「1900年」
「ラストエンペラー」「シェルタリング・スカイ」等
名場面の宝庫、ベルトルッチ映画を語ろう。
私は、「シェルタリング・スカイ」の3人の登場シーン
に、痺れました。その、絶妙なタイミング。
2 :
名無シネマさん:2001/07/08(日) 05:26
森田芳光が生涯のベスト1と言っていた
「暗殺の森」日本初公開時のポスター
あります、誰か買いませんか?
3 :
名無シネマさん:2001/07/08(日) 13:39
「暗殺の森」 懐かしいな。
ドミニク・サンダが色っぽい。
印象的なシーンが多かった。
これは、森田の言うとおり、傑作。
森田よ、ベルトルッチを目指せ。
4 :
名無シネマさん:2001/07/08(日) 17:14
森田とベルトルッチか。
月とスッポ〜ン。
5 :
名無シネマさん:2001/07/08(日) 17:27
シェルタリング・スカイの凄さって、
いまひとつ文章にしにくいな。
だがあんなに圧倒された事ない。
頭いい奴、あの映画の凄さを解説して。
6 :
名無シネマさん:2001/07/08(日) 17:30
月といえば、小品だけど「ルナ」が好き。
あの光と色に陶然とした。
ベルトルッチ作品といえば
V・ストラーロのことも語らないと。
ベルトルッチが月で。
森田がスッポ〜ン。
誤解なきよう。
月といえばルナか。
6の人、GOOD。
8 :
名無シネマさん:2001/07/08(日) 19:22
やっぱベルトリッチ最高傑作は「リトル・ブッダ」だろ。
9 :
名無シネマさん:2001/07/08(日) 19:47
>>8 ネタ?
いや、あのキアヌ・リーブスは極彩色の映像に見合うだけの美しさだったし、
シッダールタ王子の無垢さ、苦行時の凄まじさなど、ベルトリッチ好みの端正な美貌で頑張ってたと思うよ。
ただ「ラストエンペラー」もそうだけど、西洋人が描く東洋の世界ってどこかやっぱり甘い、というのか表層的。
溥儀の東京裁判での弁明など、もっとマイナス面も出して良かったのに。
「シェルタリング・スカイ」はリアルタイムで劇場で見たんだけど、
実は、全く覚えていない・・・・。
10 :
名無シネマさん:2001/07/08(日) 20:11
「リトル・ブッダ」は、期待はずれ。
ガリガリに痩せた釈迦には、感動したが。
SFXも、上手くなかったし。
「ラストエンペラー」は良かった。
西洋人が、よくあそこまで、違和感なし
の中国が描けたなと。
見事な、歴史絵巻になっている。
しかも、溥儀の目線で。
溥儀が、歴史という波に翻弄された、
木の葉のように見えた。
11 :
名無シネマさん:2001/07/08(日) 23:43
暗殺の森は、列車でのラブシーンが最高。
夕暮れから夜になっていって。列車の外
の窓から撮っている。ストラーロの功績大。
12 :
雀鬼:2001/07/09(月) 00:22
新作とらないの?
13 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 00:40
シャンドライ〜は良かった。
旧来のファンにしてみればハァ?てなもんだろうけど、
演奏会に集まった子供たちが前衛的なタッチに退屈して
庭に散ってしまい、その先生が仕方なくお手玉をする場面、
じつに美しい!
ああした珠玉の瞬間を創出するから巨匠なんだなぁ、と感嘆した。
ラストの朝まだきの情景も素敵。
詩だ。
『シェルタリング・スカイ』は、”愛はない”と思い込んでいた
夫を、病気によって失った妻が荒野に放り出され、
それまで纏っていた文明なる虚飾を剥ぎ取られた挙句、初めて
一個の魂として自身の実存に向き合わざるを得ない
話だと思うが、
やはり最後の場面、作家自身が登場して語る月の美しさに
関する警句が難解。
あの台詞の意味さえわかればなぁ…。
へたっぴ文章でスマソ
14 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 00:49
暗殺の森でわ
ステファニア・サンドレッリ 萌え。
15 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 01:04
確かに素晴らしいけど厳しい映画でした
「シェルタリングスカイ」は。
生きてるのツラくなるような映画。
私は、どちらかといえば芳醇で優しい作品のほうが好きです。
最近は年令のせいなのか、
優しい映画が多くなってきたようですね。
でも、それが続くと、硬派の作品もみたくなる。
ところで、最近はストラーロと組んでいないようですが・・
ケンカでもしたんでしょうかね?
16 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 01:11
「暗殺の森」では、ドミニク・サンダ 萌え。
彼女のトウ・シューズ欲しかった。
J・ルイ・トランティニアン、シューズ触ってた
記憶がある。
後、クワドリ教授がトランティニアンに暗殺されるが、
教授の電話番号は、ゴダール監督の当時の番号だった
のは、有名な話。ヌーベル・バーグへの絶縁状ともとれる。
17 :
最後の巨匠:2001/07/09(月) 01:26
13さん15さん 「シェルタリング・スカイ」の私なりの
解釈。考えをまとめて数日中に発表します。
しばらく、お待ち下さい。
「暗殺の森」の雪の白樺林での暗殺シーン、怖いけど
名場面ですね。
18 :
名無シネマさん :2001/07/09(月) 01:28
終わった人間について語ったところで虚しいだけだ。
19 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 01:32
でも30で「暗殺のオペラ」とか「暗殺の森」撮ってるんだ。
60になりゃ多少は枯れるさ。
「1900」とかすごかった。
肉食人種はちがうぜ、とか思ったよ。
20 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 01:39
「ラストエンペラー」の英試写会で
ベルトルッチがダイアナか誰か王族と握手したりする写真があったね
あれには違和感感じたよ
21 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 01:51
「シャンドライの恋」はベルトルッチの若作り映画だけど、
ベルトルッチくらいになると、若作りをしても素晴らしい。
オリエンタル三部作なら、やっぱり「シェルタリングスカイ」が一番。
22 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 01:52
まるでキャメラが
登場人物や、物語そのものと
戯れるように流麗に動きまわるのが、とても好きです。
そこに
あの時間が閉じ込められたような光線と
体温をも感じられる色彩が加わる時、
ベルトルッチの映画をみる悦楽を味わってます。
これってストラーロがすごいともいえますが、
2人のコラボレーションの結晶だと思っています。
23 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 02:28
「ラストエンペラー」、ガキの頃観て、メチャ感動した。
そして社会人になった今、初ボーナスでDVDプレーヤーと
ラストエンペラーのDVDソフト買ったよ。
24 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 07:14
オリエンタル三部作。
西洋人を描いた「シェルタリング・スカイ」が、いいに
決まっている。
久しぶりに「ラストタンゴ・イン・パリ」の世界に
戻ってきた感じがして、嬉しかった。
25 :
名無シネマトン:2001/07/09(月) 07:22
『魅せられて』については誰も語らないのですか?
リブタイラーたん目当てで借りてみたら
ベルトルーチが監督だったのでビクーリ。
26 :
13:2001/07/09(月) 11:52
シェリタリングスカイの解釈、期待。
「魅せられて」もいい所あるけど、
やっぱり以前の仕事振りが凄いからなぁ…。
27 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 12:25
「魅せられて」はリブ・タイラーが若くてピチピチしてる内に
彼女を映像に納めておきたかったんじゃないかと思ってる。
だから映画としてはどうか。
それでも随所にみられる絵の美しさはさすがと思いました。
28 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 16:51
「魅せられて」は、邦題を見ただけで、駄目だと思った。
ジュディ・オングの歌じゃないんだから。
宣伝部の気合がはいらない程度の映画。
これは、駄作。
29 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 17:00
>27
でもさ、リブ・タイラーに恨みはないが、しょせんはリブ・タイラーだろ?
ドニミク・サンダ(大好き)とかステファニア・サンドレッリなんか、
もっとずっと素晴らしかったんだぜ。
30 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 18:11
「暗殺の森」のステファニア・サンドレッリ。
白と黒の縞のドレス。西日が格子の窓から射してきて。
ジャン・ルイ・トランティニアンと抱擁するシーン。
陶然とした。
31 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 18:31
「リトル・ブッダ」はイタかった。東洋文化に半端な理解を
示すな。
「ラスト・エンペラー」も冷静になってみると、変な所いっぱい
あるんだけど、中国の美術とか文化自体がド迫力で重みがあるから
なんとなくそれに圧倒されて終わってしまう。
32 :
名無シネマさん :2001/07/09(月) 19:20
「リトル・ブッダ」、仏陀の出生地がインドになってるトンデモ映画だった。
ネパールの人が製作前に抗議したにも関わらず無視したそうな。
おまけにチベットの活仏と無理やり絡めてあるし。なんでクンドゥンが白人のガキなんだ?
スコセッシの足元にも及ばぬクズ映画だな。
33 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 19:28
>>5 「ラスト・エンペラー」を1分見て「つまんない」と切り捨てた私の妻をも
「シェルタリング・スカイ」はとりこにした
こんなんじゃだめか。。。。
34 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 19:36
>>32 おや? 仏陀の出生地って現在ネパール領なのか。しらんかった。
35 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 20:07
「シェルタリングスカイ」のあの最後のボウルズ本人の警句って、俺ッちは、
「人生において時間や存在っていうのは、限りあるものなのだが、人はそれを
無限と思い込みたがる。しかし無限と思っていたものを有限と感じたり、有限
と思っていたものが無限のように思える。そんな境目のない状態を、人は漂っ
て生きているんだ」っておもったんですが、どうなんすかね?
確かボウルズ本人がデブラ・ウィンガー演ずるキットに「迷ったの
ですが」と訊き、キットは「はい」と答える。
そしてボウルズが「(細部失念ご容赦)人は人生を、絶えることのない
井戸のようにに考えがちだ。そして人生では時として、子供の頃の何
でもない昼下がりの思い出が、とても重要であったりする。あなたは
残りの人生の中で何度満月が昇るの見るだろうか。十数回、二十回。
がしかし、そんなことも全て無限のように思えてくる」
って感じで結んでいたとおもうのですが。
36 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 22:10
↑う〜ん…。たしかに台詞はそういう内容だったと思う。
でも、なぜ?何故に最後にそんな台詞で締めくくったのか。
生を有限であるが、つい無限と考えがちな人の状態を表わしている、
それもあるだろう。
だがもっと何かありそうなんだよなぁ…。
37 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 22:36
ベルトリッチなら、ラストタンゴ・イン・パリが一番だと思う。あのマーロン・ブ
ランドが裸にされたと(もちろん内面的に)、恨んでいたぐらい。
何故かここでは人気のシェルタリング・スカイを、淀川があれは3人のホモの話と
語っていたが、イマイチよくわからない。(原作はホモの話なのか?)
そもそも、あれをホモの話と思って見ると、印象が変わるのだろうか?
この点も、誰か解説して下さい。
38 :
最後の巨匠:2001/07/09(月) 22:57
「シェルタリング・スカイ」
約せば、閉じられた天幕。
でも、本当に、人間を保護してくれる様な天幕などあるのだろうか。
不毛の丘で、ポールとキットが愛し合う場面。 物悲しい。
ベルトルッチは、天幕などないと考えている。
世界は、生存競争の支配する厳しいもの。
いや、もっと、混沌とした、不条理なものかも。
キットはポールを失うことによって、それを思い知る。
放浪の旅。
「シェルタリング・スカイ」の主題は以上だと思う。
ところが、映像詩人ベルトルッチの手にかかると、
この物語が、厳しいだけでなく、暖かい感触がでてくる。
何故か、立ち去りがたい。母の胎内にいるようなぬくもり。
このあたりが、感動的なのだと思う。
39 :
名無シネマさん :2001/07/09(月) 23:01
まさか原作読まないで語ってるんじゃないだろうなコイツら…
40 :
最後の巨匠:2001/07/09(月) 23:02
原作者のポール・ボウルズ。
キット。
放浪者の二人。
彼らにみえる月は、我々とは違う。
これが、私の見解です。
41 :
名無シネマさん:2001/07/09(月) 23:03
1900年だけはよかった。なんか思想的に感動できたのかもしれない。
他の映画はぜんぜん面白くない。大仰なだけだ。スマソ。
42 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 00:00
いやー詳しい人がいて嬉しい!
「ルナ」の少年の踊りに感動したやついねーか?
43 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 00:50
>>41 「1900」はあのコントみたいなラストで醒めた。
44 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 00:52
デ・ニーロとドパルデューのどつきあいな。珍奇なラストだな。
45 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 00:56
そういやぁエンペラーのラストもひどかった!
46 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 01:01
こいつラストエンペラーあたりから完全にボケてんじゃん。
47 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 01:02
>>35,38
大変、興味深く読ませてもらいました。
『シェリタリング・スカイ』については
やはり皆さん深く考えていらっしゃるようですね。
35さんや38さんを読んで考えたのは、
ベルトルッチにしても、
ほかの名匠といわれる人たちにしても、
「生きてると、素晴らしいこともあるし、酷いこともある。
どうしてなの?わかんない。」
って認める誠実さが彼等にはあるということです。
「わたしにはわからないことが沢山ある」
といえる勇気とでもいうのでしょうか。
一方で、
「マグノリア」って面白い映画だったけど、
「人生ってさー、こんな感じでしょっ?」
っていいきっちゃおうとする不遜さ、臆病さが感じられました。
所詮、こんなことじゃん、という開き直りというか...
アンダーソン監督はいわゆる若い「ヒップな」監督なので
それでいいのでしょう。
『シェリタリング・スカイ』や、最近のベルトルッチ作品は、
彼が若いころつくった作品にくらべて、
「わからない自分」を受け入れるようになってきたように思えます。
ベルトルッチも青年期はマルクス主義に傾倒していたから
当然、ラディカルで、いろいろ許せなかったんでしょう。
その辺は歳を経るごとに変化せざるをえなかったのだろう、
というのが近年の作品の選びかたをみていても感じられます。
作品の題材の中心が、社会主義や革命やデカタンから
宗教や恋愛や子どもに移って来ていますから。
この変化を『円熟』ととるか、歳とって『保守化』したととるか...
ただ、私にとってベルトルッチの変わらない魅力は
「なんだかんだいっても人生は素晴らしい!」
と最後にはいってくれる楽天的なイタリア人気質にあるようです。
48 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 01:02
タンゴのラストも女々しかった・・・
49 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 01:06
「ラストエンペラー」の日本公開の宣伝のため、ベルトルッチが
来日した。[徹子の部屋]に出演。黒柳徹子に、彼が「私の呼び方は
ベルトルウチが正しい。」と、しつこく主張していた。
でも、ベルトルッチのほうがインテリ臭くて良い。
温厚な紳士の印象。
50 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 01:07
どうもラストがショボイよね。
大好きな監督さんなんですが、ラストがいつも尻つぼみみたいな感じありませんか?
51 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 03:58
一概には言えないと思えます。
「ラストタンゴ・イン・パリ」 縦の構図で。マリア・シュナイダーが「名前も
知らない。」との台詞と、燃え上がる音楽で終わるシーンは、鳥肌ものの
名ラストシーン。
「ラストエンペラー」の少年とコオロギのシーンも幻想的で洒落たラスト。
観光用ベルの音が、切ない。
ベルトルッチは、わざと、名ラストシーンを撮らないのではないだろうか。
あまりにもの名ラストシーンは、映画自体が自己完結してしまい、通俗的。
「暗殺のオペラ」の線路が、無くなって行くラスト。遮断された町。
ボルヘス的で余韻が残る。
あれだけ才能のある監督の事。名ラストをこしらえ過ぎないのも芸のうち。
52 :
だから:2001/07/10(火) 04:59
ボルヘスって何よ
53 :
にじゅうなな:2001/07/10(火) 11:43
>>28 原題は「STEALING BEAUTY」。どんな邦題にするよ?
>>29 しょせんってったって、んなもの監督が決めたんだろ。
かーちゃんもミューズと言われたらしいし、あの子にも
なんかあるんだろうな、と思うことにしてる。
「シェルタリング・スカイ」原作も読んだけどやっぱわからんかった。
まず倦怠期の夫婦が若い男を同伴して旅行する気持ちがわかるような
わからないような、、、倦怠期を経験してないと分からないのか。。。
あと10年したら分かるかも。
54 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 11:59
>>53 >>28 「魅せられて」は、「ラスト・アーティスト」でよし
「1900年」も、最初「ラスト・タイク―ン」じゃなかったか
55 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 12:08
>16
じゃあ、「サザエさんの魚屋」のように
しばらくはゴタールの家にはイタ電が鳴り止まなかっただろうな。
56 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 12:19
ラスト・タンゴ・イン・パリのラストは、
あれ以外ないんじゃないかな。
物凄く整合性のある、図式的なラストだと思うが。
1900年のオチについて賛否両論あるのは分かる。
だけど、階級や思想を超えて線路に横たわった、
あの少年の頃に戻った二人の人間回帰の姿として見たから、
俺は不意打ちを食らった。落涙した。
老残の醜さ滑稽さを100年の歳月が温かく肯定しているような、
そんな実に優しいラストシーンだったと思う。
ラストエンペラーのラストも、実に映画的。
幼い頃に消えたコオロギを見せる事で、溥儀の長く数奇な人生が
鮮やかに浮かび上がる。直後の観光案内のアナウンスは、
真摯だった政治や人生や戦争が、現代においては、
観光と言う浅薄な商業に呑みこまれてしまった、
という無常観の表出だと思う。
シェルタリングスカイの解釈、まだ決定的なのがないなぁ。
俺も概ね、現代文化人の、あやふやな実存の彷徨を追った作品だということで
納得しているのだが、それだけでは言い尽くせない、不思議な感銘がある。
嘗てないような映画の奥行きと広がりを感じてしまう。
もっと色んな解釈希望〜〜〜。
57 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 14:30
「ラストタンゴ・イン・パリ」のマーロン・ブランドと、
「ルナ」の少年、同じ仕草をする。
手すりの裏に、チューインガムを引っ付ける仕草。
何か、印象に残ったが、意味がわかりません。
ワカル人、教えてくんなまし。
58 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 15:58
意味はないよ。
監督がすきなんだよ。
そういうしぐさが。
あまり細かいところまで意味を求めすぎると、頭いたくなっちゃうよ。
どんな映画でも。
つくっているほうは、パーツ、パーツで表現したがっているわけでは
ないんだから。
59 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 17:01
「シェルタリング・スカイ」
確か原作の後書きだったと思うけど(訳者の)、スランプの作曲家の
倦怠期にある夫婦が、今の生活の停滞感に一石を投じようと当時流行
していた未開の地詣でに若い男を伴って出かけ、文明の無意味さや
人間のひ弱さを知る。とか書いてあったような。
その文面だけで捕らえると、最後のセリフも解ったような気になる
(
>>38さんが言ってるみたいな)
でもね、そうするとまるで無力感に苛まれながら死にたいと願う
かのように奥地へ奥地へ移動しますね、あれが謎。
ここで冒頭の「ツーリストですか?」と問われてポールが「いや
トラベラーだ」と答えるのが印象的に浮かび揚がる。
(ツーリスト=旅行客 トラベラー=放浪者 だ、とポールが
後で解説する場面がある)
ふつうの物見遊山と取られたく無い文化人のプライドなのか、
最初から戻るつもりの無い旅にでていたと取るかで随分と解釈が
変わってくるような。。。気がするのですが。
全然まとまってなくてすいません。
60 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 19:05
>>35 を投稿したモノですが、
>>39 原作は読んだのでご心配なく(<心配してもいないだろうけど)
で、原作より映画のほうが、好きで、しかも良いとおもっている。
実際にサハラ砂漠にも、この映画をみて、旅行いってしまった。
やはり映像の力は凄い。そして
>>38 >>59 の両氏のコメント、興味深くよませてもらいました。
で、なぜ映画が凄いかっていうと、原作では両氏が言っている
ところまでしか語っていないんだけど、映画は、キットの放浪と
いうか失踪と生還の物語でそれら原作のテーマを語り、例の最後
の場面で、この世を取り巻く時間、存在、あらゆるものは、その
永続性と非永続性を混在させ、背中合わせでいるという、いわゆる
平家物語の始まりにある、例の「世界は無常なんだ」っていう
考えを提起しているからだと思っている。
61 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 19:29
1900年、
はじめて見た時、こんな長い映画退屈したらどうしよう
なんて思ったけどまったく杞憂だった。
あのラストには唖然としたし、やっぱり何故か泣けた。
ファシストなんてものがどうして生まれたか
わかったような気がした。
暗殺の森、
凄い!、の一言。
あの森で、追いかける男たちの手から手に投げられた
拳銃を、カメラが揺れながら追いかける!
サンダ=白、サンドレッリ=黒のコントラスト。
62 :
名無シネマさん:2001/07/10(火) 19:34
>>43 あれをコントと取るか、微笑ましいととるか。
たしかにコントといってしまえばそれまでだが。
ああやって、個人の時間の流れと国家の時間の流れ
を一つの物語により上げて、そして最後に時間を
再び始点に戻すという、時間を自由に移動できる
映画の特性を存分に堪能させてもらったぞ、おれは。
63 :
フェミニスト:2001/07/11(水) 00:04
上記カキコの半分以上は女性だと思うが、違う?
「シェルタリング・スカイ」は、女性に受ける映画だと思ってるんで・・・
64 :
名無シネマさん:2001/07/11(水) 00:42
俺男。
65 :
名無シネマさん:2001/07/11(水) 00:55
↑きもいぞ。(一応反応しとく)
66 :
名無シネマさん:2001/07/11(水) 10:12
ながーいカキコ入れているけど、オレ、ティムポはついているぞ。
67 :
名無シネマさん:2001/07/11(水) 12:25
>>60 おうよ!「シェルタリング・スカイ」「シャンドライの恋」ともに
原作から受けるイメージ、テーマを遥かに超える物を撮っていると
思うぞ!
68 :
名無シネマさん:2001/07/11(水) 13:09
>>67 映画の表現と小説の表現の違いを心得ているよな、ベルは。
以前、もう7年くらい前、NHK教育のETVで、二夜連続インタビュー
を受けていてた(リトルブッダ公開直前のころ)
そこで、「小説の時間進行ってのは直線的で、過ぎ去ったページにある
イメージと、今読んでいるページに展開するイメージが絡み合うことは
ない、いわば死の現在進行形。一方映画の時間進行は乱反射する曲線で、
全ての時制が同じ時間に存在しえる。冒頭のシーンと最後のシーンは
常に観客の頭の中で結びついている、いわば生の現在進行形」
だってよ。ってこれきいて、「1900」や「ラストエンペラー」、
「シェルタリングスカイ」のラストシーンがよーくわかたよ。
69 :
名無シネマさん:2001/07/11(水) 23:17
ベルナルド・ベルトルッチ (1940年〜 )
フィルモ・グラフィー
1 殺し 1962年
2 革命前夜 1964年
3 石油の道 1966年 (ドキュメンタリー)
4 運河 1966年 (ドキュメンタリー)
5 臨終 1967年 (オムニバス映画、第二話「愛と怒り」)
6 パートナー 1968年
7 暗殺のオペラ 1970年
8 暗殺の森 1970年
9 ラストタンゴ・イン・パリ 1972年
10 1900年 1976年
11 ルナ 1979年
12 ある愚か者の悲劇 1981年
13 ラストエンペラー 1987年
14 シェルタリング・スカイ 1990年
15 リトル・ブッダ 1993年
16 魅せられて 1996年
17 シャンドライの恋 1998年
70 :
名無シネマさん:2001/07/11(水) 23:31
ストラーロの影像は凄いの一言だよね。
ヨーロッパ映画の粋ってなもんですか。ベルトリッチと組んだのは
希代のコラボレーションかもしれない。
71 :
名無シネマさん:2001/07/11(水) 23:37
>>70 ストラーロ撮「青い体験」だってね。
しかし、あの映画見てストラーロだって分かったか?
72 :
名無シネマさん:2001/07/11(水) 23:58
ストラーロと組んだ作品。
「暗殺のオペラ」「暗殺の森」「ラストタンゴ・イン・パリ」
「1900年」「ルナ」「ラストエンペラー」「シェルタリング・スカイ」
ベルトルッチの傑作のすべては、ストラーロと組んだ作品に含まれる。
と、いえる位の充実度。
73 :
72:2001/07/11(水) 23:59
「リトル・ブッダ」もストラーロでした。
漏れ、スマン。
74 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 00:02
ストラーロの特徴を明示してくれ!
セピアのフィルターよく使わないか?
75 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 00:27
光と影の効果を誰よりも理解している。
76 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 00:30
あの砂漠の画にがっかりしたのは私だけか
77 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 00:34
シェルタリングスカイは原作のほうがいいにきまってんだろボケ
78 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 00:51
ベスト3挙げるのしたら?
俺は
1 1900年
2 シェリタリングスカイ
3 殺し
79 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 04:54
○ビットリオ・ストラーロ撮影監督
「撮影とは、光で書くこと。」
夕暮れの光(橙色)で撮る-------「ラストタンゴ・イン・パリ」
日没直後の光(深い青)で撮る---「暗殺の森」
ことを、確か、始めてやった撮影監督
橙(だいだい)色の撮影なんて、今では、よくある手法だが。
夕暮れ時は、人間が一番感傷的になる時間帯。その時間帯を映画に
とりこんだ。
流麗なカメラ・ワーク
得にクレーン撮影での上下移動が、絶妙。
80 :
校正です。:2001/07/12(木) 05:01
得に→特に
あと、ポール→ポート
すまん。
81 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 05:09
>79
マジックアワーのこといってんのか?
82 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 08:08
いや、シーン及び内容によって、青色やオレンジなどのフィルターをかけてしまう。
ラストエンペラーは、子供時代・皇帝時代・戦後などの時代別に画面の色を変えて
いる。 暗殺の森でも、シーンごとに色・トーンを変えて、その色彩が映画や登場
人物の感情の流れを表現するという、撮影と演出が一体化した画期的な試みだった。
また、スタラーロなどのヨーロッパの撮影監督は、カメラというよりは、照明により
光をあてる・影をつくる、そして色をコントロールするという作業により、まさに
『撮影とは光で書くこと』(79より)を行なっている。
スタラーロと組まないベルトリッチ作品がつならなくなるのは、多分に、撮影に
負うところが多いから。 バーナード・ハーマンの音楽がないヒッチコック作品が
つまらないのと同じ。
※名前は、ストラーロより、スタラーロの方が正しくないのかな? どっちだろ?
83 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 09:44
私は10代後半から20代前半にベルトリッチを見て(当時はビデオなんてないから
名画座などでね。)、作品に満足していた記憶があるのに、最近未見だった
「暗殺の森」を借りたら・・・つまらなかった。
俳優の演技もクサイし、ストーリー展開もよく分からなかったよ。
若い時は、「ベルトリッチ」という名前にただ魅かれていただけなのかな?
「1900年」も劇場公開ってことでもの凄い楽しみにして行って、面白かった記憶が
あるけど、今見るとどうなんだろう。
オリエント3部作は好きだけど、60年代、70年代のものは私には理解できない。
ヴィスコンティは今でも好きなんだけど、若いときあんなにたくさん見た他の古い
作品を時々借りて見ると・・・、面白くない、というのが正直な感想です。
84 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 10:02
>>77 まだいるんだね、こういうバカ。
原作は小説。文字の表現の世界なんだよ。
映画は映像。光と影と音の世界。
それを比べて、いいと悪いとか論じるバカ、逝ってよし。
原作モノの映画は、その原作の世界をどう解釈し、広げて、
更にことなった価値観や世界観を取り込めたかで判断しろよ、ボケ。
85 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 10:08
>>83 確かに「暗殺の森」はあまりにも図式的で、ベルトルッチも若かったんだなあ
と感じ、その青臭さと直線的激情が、鼻につくし、またストーリーテリング
の面でサスペンスの昂揚ってのを感じない。
「ラストタンゴインパリ」も同様に。
いい意味でも悪い意味でも、60年代に心酔していたヌーベルバーグと共産主義
のリクツっぽさを引きずっている。
でも、それでも「暗殺の森」の盲人のダンスの場面や、「ラスト・・・」の
最後のタンゴダンスの場面などは、うっとりするほどの流麗さ。
86 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 17:06
オリエンタル3部作、
異文化をわかったような気になって撮ってるとか上で挙がってたけど、
私はそうは感じないがなあ。
自分の美意識でもって見て美しいと思ったものを撮ってるだけで、別に
西洋文化の優越意識も感じないし。←これが凄い所だと思っとるが。
87 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 18:29
>>86 そういうことっすね。
中国人の友達が「ラストエンペラー」をバカにしていたけど、
中国人がとったら、ぜーッたいにNHKの大河ドラマみたいなのに
なるとおもう。
第三者、異邦人の目を通して描くからこそ、その対象との距離の
おき方や、建物、人物に対する視線や美意識が、逆に東洋人に
とって新鮮なこともあるのだ。
88 :
名無シネマさん:2001/07/12(木) 20:41
86,87さん
全く、賛成です。
誠実なところがある。ベルトルッチは。
89 :
名無シネマさん:2001/07/13(金) 08:25
「革命前夜」、観なおしました。ベルトリッチの自伝的作品です。
叔母との近親相姦も描かれている映画です。
ブルジョア階級に属する主人公が、共産主義思想である欺瞞に、
苦悩する、初々しく、郷愁に満ちた、青春映画の佳作でした。
この時、ベルトルッチ弱冠24歳。
優れた芸術の創造のためには、自己の恥部のすべてをもさらけ出さ
ないといけないといった気概、決意、潔さを感じました。
90 :
名無シネマさん:2001/07/13(金) 08:41
この決意こそが、後に「暗殺の森」、「ラストタンゴ・イン・パリ」、
「1900年」、「ルナ」、を生み出したポイントだと思います。
私のベルトルッチ作品BEST3
T 「ラストタンゴ・イン・パリ」
2 「シェルタリング・スカイ」
3 「暗殺の森」
後 「1900年」、「ラストエンペラー」も映画史上に燦然と残る。
91 :
名無シネマさん:2001/07/13(金) 09:44
皆さん・・・
ほんとに、ほんとにベルトリッチって面白いとか思ってるんですか?
凄いですね。
「暗殺の森」とか「ラスト・タンゴ〜」とかあーゆーの、ストーリー
一度見ただけで分かります?
「ラストエンペラー」くらい、軽いけど絢爛豪華な娯楽作にしてくれる
と私でも分かるんですけど。
92 :
名無シネマさん:2001/07/13(金) 09:49
93 :
名無シネマさん:2001/07/13(金) 09:51
>>91 その場ですぐに「おおっ、凄い」といったたぐいのものではないと思うよ。
記憶に残る影像だと思う。実際、(映画の)歴史的なページに残る仕事だと
思う。
94 :
名無シネマさん:2001/07/13(金) 09:52
>>91 を受けて、
>>85 でも言ったけど、「ラストタンゴ・・・」までのベルトルッチ作品は、
ストリー運びの上で、かなり難点がある。
はっきり言って独り善がり。
彼自身のインタビューで、それまでは壁に向かって叫ぶような映画
をつくっていた、と。
でもそれはディスコミュニケーションであって、自分の作品を介して
観客と対話というものをしていなかった、と反省していた。
でもああいう時代を経たからこそ、その後の「1900」に始まる、
まさに彼なりの世界観を語れるつくり手となった、と理解しては
どうかな?
95 :
名無シネマさん:2001/07/13(金) 12:13
小説と散文や詩が違うように、音楽にもメロディのきれいなものやリズムが魅力的
なものがあるように、映画もストーリーがおもしろい作品もあれば、主張やテーマ
が重要なもの、映像や音楽を楽しむ映画などいろいろある。映画は総合芸術(かつ
商品)だが、その中で、全ての要素が同じぐらいの比重でバランスをとるのが理想
かもしれないが、そんな作品は稀。
96 :
名無シネマさん:2001/07/13(金) 18:28
ちょっと「シェルタリング・スカイ」がわかったような気になってきました。
ところで「シャンドライの恋」はどーよ?
97 :
名無シネマさん:2001/07/13(金) 18:31
>>96 いいんでないの。
70近くにもなって、ああいう映画を演出できるってのは、
おれはうらやましいねえ。
普通は枯れちゃっているよ。
98 :
名無シネマさん:2001/07/13(金) 21:03
「シャンドライの恋」は、ベルっち58歳の作品です。
99 :
名無シネマさん:2001/07/13(金) 21:06
>>98 スマソン。大島渚の歳とごっちゃになっていた。
100 :
名無シネマさん:2001/07/13(金) 22:14
100ゲット♪
101 :
名無シネマさん:2001/07/14(土) 04:10
>>94 さんは、ベルトルッチ自身が「1900年」前の作品が
ディスコミュニュケーションの作品と認めていたと、言われる。
私は、「ラストタンゴ・イン・パリ」の世界観に浸りました。
性の孤独、人間の孤独を描き切った傑作です。
この作品を理解した人間はいくらでもいます。
理解した人間は、この映画のタイトル・クレジットから
泣きます。ベーコンの男と女の2枚の絵からです。
「ラストタンゴ・イン・パリ」は、即興演出と、音楽と、
見事な撮影が渾然一体となった傑作です。
決して、ディスコミュニケーションではない。
「ラストタンゴ・イン・パリ」は、当時(現在も?)イタリア
で公開禁止だった。「暗殺の森」も今日ほどの名声はなかった。
そういった、事情から、ベルトルッチの変節の発言と思います。
「1900年」は制作費のかかっただろうし、上記2作に比べれば
大衆的だし。
「ラストタンゴ・イン・パリ」に感動した人、レス入れてください。
102 :
革命大分前夜:2001/07/15(日) 00:16
「ラストタンゴ・イン・パリ」
感動して昔、ビデオをヨーロッパで入手。日本(NTSC)と方式が違うため
寝かせておいたが、いつしか、日本でもノーカット版?出たみたいね?
音楽をリミックス?アレンジ?してますよね?
マリアやブランド―のドライでヒョウキンなところが新鮮だった。
その新鮮さ、未だ、新鮮なのな。。
103 :
名無シネマさん:2001/07/15(日) 21:54
「ラストタンゴ・イン・パリ」
タンゴのシーン、ラスト・シーンは、もちろん名場面。
その他、GOODなシーン
○掃除夫の箒を、マリア・シュナイダーがひょいとまたぐシーン
○マリア・シュナイダーが、アパートメントを見上げるシーン
○コトが終わって、二人がアパートメントから出てくるシーン、融和的。
○マーロン・ブランドが雨降りから帰って、タップを踏むシーン
○マーロン・ブランドが感電して、橋の撮影シーンに切り替わる、開放感。
104 :
ラストタンゴ・イン・大分:2001/07/15(日) 23:30
その他、GOODなところ
○ブランドの自殺?した嫁さんの遺品に「大人の玩具」というセリフ
○ブランドが最初、パリの空を眺める→電車のカットの鬱な表情(記憶違いかも)
とシュナイダーの「ゴダール的」マネキン顔の対比が世代の違いを表現
105 :
名無シネマさん:2001/07/16(月) 09:49
>>101 >そういった、事情から、ベルトルッチの変節の発言と思います。
日本のテレビ局の取材で、日本人のインタビュアーを相手に、そこまで政治的
配慮を尽くした発言をするかな?
いくらなんでも、そりゃ「ラスト・・・」が好きなあなたの贔屓の引き倒し、
ではないの?
>「1900年」は制作費のかかっただろうし、上記2作に比べれば大衆的だし。
って、もともとが反ファシズム、共産革命の成就を、2人が辿った人生に
なぞらえ映画なんだから、「大衆的」でなければならないのは宿命なのであって、
それを作品のキズととらえるとは、浅薄笑止。
>>104 >○ブランドが最初、パリの空を眺める→電車のカットの鬱な表情(記憶違いかも)
おれもこれ大好きなショット。
106 :
名無シネマさん:2001/07/16(月) 11:18
俺も「ラスト・タンゴ・イン・パリ」が一番好きだし、傑作だと思っているが、
ベルトリッチが言うように、ディスコミニケーションの作品というのは事実だろう。
特に「ラスト…」自体が、登場人物のディスコミニケーション・対話をしない関係を
主題の1つにしていたし、実際何がベルトリッチの意図だったのかは、本人以外は
分からないかもしれない。そもそも、M・ブランドの演技、ベルトリッチの演出両
方に即興性が強いのだから、元々の主題に沿って映画を創ったのではなく、出来あ
がったものに解釈を与えているだけではないか。それをさらに、観客側が自分勝手
に解釈して楽しむ。という事であの映画は十分良いと思う。
何と言っても、映像・音楽・マーロンブランドの3つが混ぜんとなって楽しめるの
だから、俺には十分。あの撮影の時には、パリからならほどんどどこからでも見え
ると言う、エッフェル塔を写さないように苦労した、というエピソードすら微笑ましく
て、映画を見ながら楽しめる。
107 :
名無シネマさん:2001/07/16(月) 11:40
>>106 >ベルトリッチが言うように、ディスコミニケーションの作品
えーと、彼がいったのは、作品の主題が「ディスコミュニケーション」
であると言ったのではなく、当時の自分の演出の姿勢が、観客との
対話を楽しむものではなく、もっと直線的な、いわば「壁に向かって
絶叫しているような(=ディスコミュニケーション)」ものだった、
ということです。
言ってみりゃ、「オレも若かったな」的発言。
決して、作品の主題としての孤独や他者との交わりの断絶と、演出
方法というか作品のトーンを、意図してシンクロさせるようにした
とは、ベルトルッチ本人は発言しておりませんので、誤解なきように。
で、「ラスト・・・」は、本人としては「愛とはお互いの存在の
理解なしに、出合った瞬間から成立するものなのか」という実験を、
映画を通してやってみたかった、とのこと。
だそうです。はい。
なので106さんの言う
「元々の主題に沿って映画を創ったのではなく、出来あがったもの
に解釈を与えているだけではないか。それをさらに、観客側が自分
勝手に解釈して楽しむ。という事であの映画は十分良いと思う。 」
だけど、主題はあった、がしかし(ある意味、どの映画に共通する
ことですが)そういう鑑賞の姿勢って、おおいにアリでしょうね。
108 :
106:2001/07/16(月) 15:55
>107
大丈夫、誤解していません。
主題と言っても、『…という実験を映画を通してやってみたかった』という
のがおもしろい。やっぱり、映画の製作過程で、その主題(実験ならば仮説か?)
がどのような結果になる観察して、それを考察してみた、という事ですね。
撮影前の脚本(有ったのかな?)と実際の映画はどれぐらい同じ、又は違って
いたのか、知りたいところです。(私の予想では、半分以上即興ではないのかと
思っています。)
109 :
名無シネマさん:2001/07/16(月) 18:01
>>108 だからこそ、たとえエッフェル塔はうつっていなくても、
当時のパリの空気(当時すんでいたわけではないけど)
というか、そのフィルムが撮られたまさにその瞬間の
空気が濃厚に漂ってくる。そんなところが、この映画の
醍醐味、いや、ベルトルッチ+ストラーロの魅力
110 :
名無シネマさん:2001/07/16(月) 18:07
ベルトリッチって今何歳だろう。
もう引退してんの?
キューブリックも最後の作品は時代に取り残されてるって感じが見えて
たから、ベルトリッチももう撮らないのかな。
アカデミー賞も取ってるしね。
出きれば彼の歴史大作が見たいけど、期待できそうにないね。
111 :
名無シネマさん:2001/07/16(月) 19:24
まあ、ベルトルッチ監督本人が、自己批判をしようとも、
「ラストタンゴ・イン・パリ」は怪物的作品。
傑作である。彼のベストかも。
直感でわかる程のレベルの高さ。
ベルトルッチは、今、61歳位。
健康の方はどうなんでしょうね。
歴史大作、私も観たいけど、ベルっちの体力が。
死んでしまうよ!
「ルナ」みたいな、小品で、まったりとイタリアを
描いたものでも観たい。
112 :
名無シネマさん:2001/07/17(火) 02:25
上に賛同。歴史大作はハリウッドに任せて「暗殺の森」や「殺し」方面を充実させて
ほしい。暗殺の森の枯葉と車と老婆のシーンで一瞬静脈止まった。
113 :
111:2001/07/17(火) 03:34
112>>
114 :
111:2001/07/17(火) 03:54
112さんへ、
「暗殺の森」の、枯葉が舞い上がるあのローアングルのショット。
詩的でしたね。 後、冒頭のラジオ局での、三人娘の歌のシーン。
鳥肌ものでした。
112さんのベルトルッチ・ベスト3何ですか。是非教えてください。
78さんとは別の人ですよね。
115 :
名無シネマさん:2001/07/17(火) 10:21
>>111 悪いが彼の最高傑作は「シェルタリングスカイ」だって。
ごめんね、でもこれだけは譲れない。
「ラスト・・・」にはない、宇宙というか、ある種の世界観、
哲学といったものが、「シェルタ・・・」にはある。
116 :
名無シネマさん:2001/07/17(火) 11:01
ベルトリッチ以外に好きな監督か映画教えてたもれ
117 :
名無シネマさん:2001/07/18(水) 00:36
112です。
1 暗殺の森
2 ラストタンゴ・イン・パリ
3 シェルタリング・スカイ
シネアミューズのレイトでラストタンゴインパリをやってた時、
カップルというカップルが帰りのエレベーターで神妙になってて
おもしろかったです
118 :
名無シネマさん:2001/07/18(水) 11:15
age
119 :
名無シネマさん:2001/07/18(水) 14:44
俺よく此処にカキコしてるんだが、
115さんよ、おれもあんたに同意見なんだ。
あの映画って宇宙的なんだよ。
でもその宇宙的、と言う感覚を言葉に出来ないんだ。
どうにかしてくれ。
120 :
名無シネマさん:2001/07/18(水) 15:05
「暗殺の森」が好き人にとってコーエン兄弟の「ミラーズ・クロ
シング」ってどうですか?
なにせ私は見た順番が逆だったものでコーエン兄弟はこういうの
をやりたかったんだって単純に感激しました。
121 :
名無シネマさん:2001/07/18(水) 16:48
>>119 119さんよ、
>>60 あたりを読んでくんねーかな?
おれ、「シェルタリングスカイ」の世界観について、
>>60で言い切ったと
思ったんだが・・・。
反論、発展、なんでもおーけーよ。
122 :
名無シネマさん:2001/07/19(木) 00:37
シェルタの女も男も魅力なかったね。ルックスも性格も・・・
123 :
名無シネマさん:2001/07/19(木) 00:49
「ルナ」がいちばん好き。
124 :
菊が咲き・・・:2001/07/19(木) 00:57
たけしも「ルナ」の小僧くらいハイレベルな小僧を探せばいーのにサッ
125 :
名無シネマさん:2001/07/19(木) 06:31
「シェルタリング・スカイ」で、ツーリスト(旅行者)とトラベラー(放浪者)の
違いの話が出ていた。
ベルチルッチの遍歴は、見事なくらいトラベラー(放浪者)。
詩人から映画監督への転向、ヌーベルバーグへの決別、「ラストタンゴ・イン・パリ」
で物議・公開禁止、「1900年」で作風転換、「ラストエンペラー」で復活・東洋へ、
「シャンドライの恋」で瑞々しく。
西欧の粋の塊のようなベルトルッチが中国歴史大作を撮るなど、誰が想像しましたか。
彼がトラベラーであったからこそ、「シェルタリング・スカイ」の小説に深く共鳴し、
新たな傑作が生まれた、のであろう。
126 :
名無シネマさん:2001/07/19(木) 07:12
じゃあ、「シェルタリング・スカイ」のラストは、
ボウルズの後に、ベルトルッチがしたり顔で
「わたしもさすらいました。」とかいいながら
でてきて、ボウルズとベルトルッチが肩を並べて
去っていくバージョン有りか (笑)
淀川長治先生、怒るだろうな (笑)
127 :
名無シネマさん:2001/07/19(木) 18:01
なんで怒るの?
128 :
名無シネマさん:2001/07/19(木) 19:46
淀川長治は、「シェルタリング・スカイ」を絶賛していたが、
ラストシーンに、ボウルズをだすのは余分、と指摘していた。
ので。
129 :
名無シネマさん:2001/07/20(金) 00:18
「シェルタリング・スカイ」
一度見たが、ほとんど記憶に残らなかった。
お好きな人にとって、記憶に残る場面や絵柄ってどこなんでしょう?
淀川さんは、「砂漠が女性的に描かれている・・・」とか
訳のわからない事をおっしゃってましたね。
130 :
128:2001/07/20(金) 07:19
「シェルタリング・スカイ」
港のシーン、多数の子供たちがどこからとなく集まる。
クレーン撮影が絶妙、夕暮れ前の光が良い。軽い倦怠感。
カフェのシーン
青年のボーイが、移動するとふと、少年のボーイに代わっている。
リンクしたような世界観。
コップの水に、赤チンを垂らすシーン
まず、詩的で美しい。
病原菌の存在を意識させる。
ポートの将来の死を、赤で暗示するようで恐い。
マザコン親子
この映画の隠し味。醜いけど、いいスパイスになっている。
逃げても追ってくる西洋文化の象徴。
キットが書きかけの小説?を、アラビア風の切り紙にして飾るシーン
淀川先生も指摘していた。下手な脚本だと崖の上から
放り投げるような描写になる、と。
キット自らの精神が、根底から崩れていくみたいで恐い。
撮影の光が暖かだったので、余計に恐かった。
こんなところです。 つたない文章ですけど。129さんへ。
若い人たちには、是非『革命前夜』も
観ておいてほしい。
132 :
名無シネマさん:2001/07/20(金) 10:23
「殺し」も観ておいてください。21歳の作品です。
133 :
名無シネマさん:2001/07/20(金) 10:29
あと、この3連休を利用して、「ラストタンゴ・イン・パリ」や
「1900年」、「ラストエンペラー」などの大作の1本の見直しも
いいかと思います。絶対、損なし。
134 :
名無シネマさん:2001/07/20(金) 10:37
「1900年」はマジお薦め。笑うべきなのか泣くべきなのか・・
あのラストってどうなんよ?ん?
135 :
名無シネマさん:2001/07/20(金) 13:48
既出かもしれないが、
「リトル・ブッダ」がオーム事件の頃にBSでやっていたのを見たので怪しさ爆発だった。
136 :
名無シネマさん:2001/07/20(金) 17:35
わし「リトル・ブッダ」好きです。
あんまここではみんなアンチなのかな。
きれいな映画だったと思う。
キアヌ・リーブスこの映画ではよかった。
「シャンドライ〜」はまだ見てないんだけど見る価値あり?
137 :
名無シネマさん:2001/07/20(金) 18:24
キアヌ美しかったね。
「シャンドライ」是非見てください。
全編に渡ってセリフが少ないのですが、映像が十分物語っていると
思います。考えるより感じろって映画ですね。
138 :
名無しシネマさん:2001/07/20(金) 21:43
>>137 申し訳ないが俺「シャンドライ」の映像には衰え感じたな。
演出家として若いことやたらと強調してる感じで押し付けがましかった。
あの撮影も編集も。まだ期待はしてるんだけど。
139 :
名無シネマさん:2001/07/21(土) 11:19
自分の年令に抗う、それもまたその監督の一段階として、
受け止めましたがね。
140 :
名無シネマさん:2001/07/21(土) 23:56
「ブルジョア左翼」の私生活ってどんなものでしょう。
139さんなら、面白おかしく、ネタにできるのでは?お願いします。
類似品に、
ヴィスコンティ、大島渚、ゴダール?、新藤兼人?
141 :
名無シネマさん:2001/07/22(日) 00:51
プラス、山田洋次。
142 :
名無シネマさん:2001/07/22(日) 01:06
ブルジョア左翼???
143 :
名無シネマさん:2001/07/22(日) 01:27
今井正あげ
144 :
名無シネマさん:2001/07/22(日) 03:36
ほいじゃ「シャンドライ」借りるかな。
145 :
名無シネマさん:2001/07/22(日) 06:34
ベルトルッチ+ストラーロで、ハードボイルド物が観たい。
「チャイナタウン」をもっと、芳醇にした様な。
絶対に合う。若返りの特効薬になる!
146 :
プチブル:2001/07/22(日) 23:43
147 :
名無シネマさん:2001/07/22(日) 23:46
>阪本善尚は日本のストラーロ!
はあ?なんで?
148 :
名無シネマさん:2001/07/23(月) 00:03
「ラストエンペラー」は面白かった!
自分の中のベスト10に入るね。
「暗殺の森」の映像ってマグリットっぽい?
149 :
プチブル :2001/07/23(月) 00:34
>>147 カメラやフィルムや照明のハードの知識においては阪本善尚の楽勝!
また、どちらも叙情的な映像を作る。
技法においても、ドーリー、パン、フィルターワークなどの多様性が共通!
150 :
名無シネマさん:2001/07/23(月) 13:23
151 :
名無シネマさん:2001/07/23(月) 18:37
>>150
たしかに、ボウルズがでない方がまとまりはよい。
しかし、ベルトルッチは、それを承知で幻の作家ボウルズを
出演させた気もする。
一種の記録として。
152 :
名無シネマさん:2001/07/23(月) 19:21
あげ
153 :
名無シネマさん:2001/07/23(月) 23:50
↑種明かし主義!
154 :
名無シネマさん:2001/07/24(火) 07:12
>>146 146さんには悪いけど。
坂本善尚って、大林宣彦と組んで「ハウス」、「時をかける少女」
「異人たちとの夏」を撮った人ですよね。
ストラーロと比較するには、どうかと。
「金融腐食列島 呪縛」の撮影は印象に残っています。
155 :
坂本:2001/07/24(火) 07:24
坂本善尚は大林と「マンダム」CMも撮ってるぞ!
私は現在世界一のカメラマン!と目しています。
見る人が見れば、坂本の方が上だ。そう信じています。
日本人の繊細さがイタリア?野郎に負けるわけねーよ!
156 :
名無シネマさん:2001/07/25(水) 00:13
トリュフォーも、日本人のカメラマンと仕事をしたがっていたな。
スレ違いの話題とはなったが、
日本のカメラマンは、監督より、海外で重宝されそうなのにな。
157 :
名無シネマさん:2001/07/25(水) 11:18
シャンドライのサンディ・ニュートンはいけますな。
159 :
157:2001/07/25(水) 14:14
ブーッ
160 :
名無シネマさん:2001/07/26(木) 10:06
そろそろ、「1900年」話題しようか。
10年ぶりに観たが、政治映画としても
美術品としても、最高だった。
5時間あまり、ベルトルッチ+ストラーロの映像に
酔った。贅沢とはこのこと。
161 :
名無シネマさん:2001/07/26(木) 11:15
>>160 異議なし。
これを「大衆的」と腐していた方がいらっしゃったが、とんでもない。
162 :
160:2001/07/26(木) 11:47
>>161 「大衆的」と、筆が走りすぎて。書きすぎました。
すみません。 マジで。
世界遺産に登録したいくらい良かったです。「1900年」
(この書き方も陳腐か。)
163 :
名無しシネマさん:2001/07/26(木) 14:39
「1900年」は物語の構想自体は「儀式」とそっくり。
しかし、「1900年」の豊潤さと「儀式」の(嫌いじゃないけど)下品さに
二人の監督の育ちの違いが出てると思った。
164 :
名無シネマさん:2001/07/27(金) 08:26
大島渚の父方は、士族の家系。父は6歳で死亡。
京都の母方の実家に移る。結構、幼いころから
苦労している。で、秀才を通して、京大法学部入学。
京大法学部でも、首席を争う位、優秀。
学生運動で名を売り過ぎた為のため、他の一流会社に
就職できず、たまたま受けた松竹に入社。
映画など、馬鹿にしていた。は本人の弁。
ベルトルッチは父親が高名な詩人・批評家。
パリで映画三昧するなど、非常に恵まれた環境で育った。
映画など、軽蔑していた、無知の大島が、
あれほど多彩な映画を撮った。
ベルトルッチ、大島渚、私は共に敬愛している。
でも、ベルトルッチの映画の方が、数段、美しい。
165 :
164の校正:2001/07/27(金) 08:29
為のため→為
166 :
名無シネマさん:2001/07/27(金) 17:37
あげ
167 :
名無シネマさん:
「1900年」を劇場の大画面で見たいなあ。どこかでやらんかな。
公開当時は劇場近くの弁当屋のカツどん弁当が飛ぶように売れたという
話を何かで読んだ。