【マジキチ】男女逆転の大奥が気持ち悪すぎる件

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921名無シネマさん
Q.男女逆転の大奥ってなんだよ

A.江戸時代初期に「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」という男子だけが発症し、
致死率もかなり高い病が蔓延したことによって世の中の男女比が著しく偏り、
社会が女性中心で運営されることになった結果こうなりました。

Q.赤面疱瘡なんて病気、本当にあるのかよ

A.実際にはありません。ただ、男性だけが発症して女性はなんともない、
またはその逆という病気は現実にもそれなりに存在します。
しかし社会情勢が大きく変化するほどの猛威を振るうような病は、現在確認されておりません。

Q.実際には存在しないような病気を、話の中に盛り込むってありなのかよ。

A.架空の病気ではありませんが「江戸時代末期に現代の医療知識を持った医者がタイムスリップ」なんて、
普通ではありえない現象を話の中に盛り込んだ漫画原作ドラマもあったじゃないですか。
フィクションの世界ならなんでもありですよ。
922名無シネマさん:2012/11/08(木) 18:10:35.25 ID:iDHTcN4u
Q.男性が少なくなっているのに一人の女性に多くの男性を独占させる大奥なんて組織、
無意味じゃね? 男一人に多くの女性をあてがう形になるのが普通だろ。


A.大奥を設置した春日局の目的は「人口の増加を促して社会体制を維持」ではなく、
「徳川家(特に徳川家光)の血筋を保つことによって徳川家支配体制を維持し、それによって社会の安定を保とう」
とするものです。
男性人口(ひいては社会全体の人口)が少なくなることによって、社会がどれだけ衰退するかという影響を、
体系的な社会学もない時代に生まれた一介の女性が正確に洞察できるわけもありません。

そもそもこの時点で、赤面疱瘡がこの後ずっと流行しつづけると予想していた人すらいません。
そのうち流行が終息するだろうと楽観的に考え、男性人口もそのうち勝手に元に戻っていくだろうと考えていたのです。
だから男性人口の減少に対応する、という発想にも至りませんでした。春日局が考えていたのはあくまで「徳川家の維持」です。

戦国時代を生きてきた春日局は、血筋による以外の権力移譲が全て戦争を伴うことを実体験として見てきました(本能寺の変、北の庄の戦い、大阪夏冬の陣)
ここで徳川家の血筋が絶えたと全国の大名に知られてしまったら、徳川家に取ってかわろうとする大名が現れ、
その大名が権力を握るための証明には大きな合戦に勝利して実力を見せつけることですから、また戦さが起こります。
それをさせないためには徳川家光の死を隠し、隠している間に世継ぎを作って、家光からその子に権力が移譲されたと取り繕うことで、
徳川家の継承および血筋の継承につけいる隙がない、と全国の大名に見せる必要がありました。

そして本物の家光が死去した時点で、徳川家の血を引く人間は家光の遺児である一人の少女のみでした(多部の演ずる女家光)
少女しかいないのですから、その子孫を増やそうと思ったら男性をあてがうしかありません。
一人の男性に多くの女性をあてがって子孫を増やすという方法は、「徳川家の維持」に関しては取れない方法だったのです。
その男が徳川家に関しては既にいなかったのですから。
923名無シネマさん:2012/11/08(木) 18:55:24.31 ID:5pH6mse3
Q.徳川家の男子がいないなら、適当な男を代わりにして女を侍らせて子供を作らせた方が効率的では?

A.実子である稲葉正勝に対して「自分の事を母と呼ぶな(≒自分は家光のためだけの存在である)」と言ったり、
家光の徳川家継承が危うくなった時、当時存命だった家康に直訴してそれを防いだという逸話を持つほど、
家光に全てを捧げていた春日局が、家光とは何の縁もゆかりもないどっかその辺の男を、
徳川家の人間であると偽装する動機も理由もないです。

Q.だからって女一人に美男三千人ってやりすぎだし無意味

A.三千という数字は誇張というか、定番の表現方法の一つです。
「白髪三千丈」「三千大世界」のように、単に大きかったり多かったりする状態を示すために
「三千」という語句が使われているだけで、本当に三千人ではありません。
「八百万の神」や「八百八町」「八百八橋」が本当にその通りの数字ではないのと同じです。
924名無シネマさん:2012/11/08(木) 18:55:57.43 ID:5pH6mse3
Q.じゃあ女家光にあてがわれた男性って実際には何人?


A.女家光の相手として候補にあげられたのは、角南重郷、和田正隆、勝田頼秀で、
亡くなった父家光の代わりとして無理矢理江戸城に連れて来られて以来、
すっかりきかん気に育っていた女家光は誰に対しても首を縦に振りませんでした。

それでも春日はめげずに前述の三人とは違うタイプの万里小路有功(女家光が付けた仇名がお万)を連れてきて、
これは女家光に気にいられたのですが、この二人の間には子供ができず、即座に有功は外されました。
そして代わりに捨蔵(女家光がお楽と命名)という男があてがわれたものの、これも不慮の事故により脱落。
じゃあしょうがないというので、さらに春日が連れてきたのが溝口左京(お夏と命名)で、
この時点でお役目から外されてかなり複雑な心境にあった有功が、せめてもの自分の代わりとして、
自分の側仕えの玉栄(お玉と命名)を推薦しました。

ですから最終的には角南、和田、勝田、有功、捨蔵、左京、玉栄の七人です
(たまたま出会った女家光に不埒な振る舞いをした男性がもう一人いましたが除きます)
しかも最初の三人に至っては顔を合わせた程度の段階でお断りしています。
さらには七人一度というわけでもなく、女家光の好みや周囲の状況の変化に合わせて、
あれでもないこれでもないと試行錯誤の結果の男七人状態です。
最初から男ハーレムありきというわけではありませんでした。

春日としては一夫一妻を想定していたものの、条件に合う男がなかなか現れないので、
条件に合う男が出てくるまで男を試しては捨て、試しては捨てというように、
結果的に男ハーレム状態になってしまったという感じです。
925名無シネマさん:2012/11/08(木) 18:58:06.63 ID:OGC7Ij5N
Q.結果的にと言う割には、ドラマの画面上では大奥は男ばかりだけど?

A.女家光の婿候補はあくまで前述の七人です。それ以外に大奥に集められた男たちは、兵力としての需要から集められました。
この時点では江戸時代初期であり、戦国時代はついこの前までの現実であって、本物の男家光が既に死去している状態では、
いつ何時戦国時代に逆戻りするかわからないという危機感が春日局らにあり、それに対する備えのために少しでも多く男を集めようとしていたのです。
そしてそういった焦りを外部に悟られるのもまずいので、男家光の男色趣味の噂を隠れ蓑に、男達を集める場所として大奥が使われました。
どうせ男家光が死去した時点で女はいらなくなり、空いた空間になっていたから丁度よかったようです。
ちなみに作中で明言されてはいませんが、居なくなった女達は男家光が死去したことがばれないように、
口封じに全員殺されてしまったのではないかという見方が有力です。

Q.兵力のために大奥を隠れ蓑に男達が集められたのなら、太平の世になっても大奥が存在しつづけたのはなぜ?

A.一旦設置した部局がその役目を終えても、廃止するには相当の労力を必要とし、結局無駄に存在し続けるのはよくあることです。
大奥も最初の意味が忘れ去られ、権力者の側に近しく仕えられる旨みによって志願する男達が絶えない以上「もう大奥廃止ね」とは言いづらく、
ずるずる残ってしまったのではないでしょうか。
徳川吉宗の時代(前作劇場版)では、江戸城に多くの男達を集めるのは「将軍に許された贅沢」として権威付けの一つくらいにしか思われておらず、
家光時代の事情や必要性を覚えている者すらいない様子でした。
926名無シネマさん:2012/11/08(木) 19:01:39.43 ID:0EsHcOUN
Q.男女比4対1になるまで人口が減ったということは、江戸時代の人口はおよそ2000万〜3000万。
間を取って2500万として、その半分である男の4分の3が死んでいたら、死者数950万人? これって大丈夫?

A.赤面疱瘡に感染するのは10代から20代の若い男のみという設定ですので、
赤面疱瘡が突然流行り始めた頃に既に30代以上になっていた男性はほぼ安全圏に入っています。
この人達はまず死ななかったと考えていいでしょう。
そして年代別人口がどれくらいかは不明なので仮定ですが、1250万人中の10代20代が200万人くらいとすれば、
その4分の3は150万人くらいとなります。全人口2500万人中150万人の病死者というのは
確かに大変な危機ではありますが、歴史上に例が無いわけではありません。ヨーロッパのペスト禍などは
これよりもっとひどかったくらいですが、現在まで社会が続いています。社会体制が崩壊して維持できないほどの危機では無いでしょう。

Q.総人口2500万人(仮定)男女比4対1の状態で、どうやって人口を増やして社会を繋げていくの? 女の人がかなり余るよ?

A.計算上は女4人で一人の男を共有すれば女性があぶれることはないですし、その4人それぞれが子孫を残していくことは可能です。
男女比の不均衡による極端な人口減少には繋がらないでしょう。
ただしこれによって一夫一妻の結婚の形態は、計算上は4人のうちの1人くらいにしか許されない特権的な贅沢、という方向に変質していきます。
927名無シネマさん:2012/11/08(木) 19:04:56.64 ID:hUR0FYiP
Q.そんなに貴重な男なのに、なぜ男中心社会にならなかったの?


A.原作の記述曰く「いわゆる一夫多妻のハレム化を進めて大名家の統合を進めれば、
必然的に残った少数の大名家が所有する領地は広大なものとなり徳川家の脅威となってしまう」
「そして『家』を存続させることが士農工商どの身分においても最重要課題であるこの国特有の事情ゆえに、
世帯数が極端に減少する(つまり多くの『家』が潰れる)事を意味する一夫多妻化は進まなかったのである」
と説明されています

例えば5軒の農家があって5軒中4軒の農家は女の子しか残らず残り一軒にしか男の子がいない状態だったとします。
4軒の農家は女の子をお嫁に出してしまえばその家系は消滅します。そもそも嫁に出す先もありません。
男の子がいる家は一軒だけですから。
こういう状況になった時の発想として自然なのは「女の子しかいないのならば女の子に跡を継いでもらおう。
男子は4軒の家で共有しよう」ということになります。

こうして家長は女子に、男子は共同体の共有物になるので、どの家にも属さないすなわち家長にはなれないという状態が作られていきます。
そうやってどこもかしこも女の子に跡を継いでもらうようになれば、社会が女性中心になっていくのは必然でしょう。


Q.そんな貴重な男子を一人の女性が大奥で独占していて、民衆は不満を持ったり暴動起こしたりしないの?


A.「大奥美男三千人」というのは「白髪三千丈」「三千大世界」のような決まり文句の一つであり、
本当に三千人もいるわけではなく実際には下働きも含めて800人くらいだと前作劇場版で明言されています。

そして総人口が仮に2500万人、男女比が4対1で男子が500万人、10代20代の人口がその1割の50万人と仮定すれば、
800人程度の男を独り占めしていても大した比率ではありません。
そもそも武士階級というのは「5公5民」とか、ひどいと「8公2民」とかいって、
収穫の大半を税金として持っていくのが当然とされた階層です。独り占めが当たり前のように思われている階級なので、
庶民の周りに男が一人もいなくなるくらいの寡占状態でもなければ民衆の暴動などの事態には至らないでしょう。