【雑談OK】今日観た映画の感想【ネタバレ注意】13

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525名無シネマさん
『心の指紋』
タイトルとジャケット画像で損してる。どちらも例の古代遺跡インチキ本を想起させるので。
二人の逃避行モノ。いわゆるミッドナイトランとかテルマ&ルイーズとかノッキングオンヘブンズドアとか。
二人は既に時代遅れな産物となってしまっているガス食いアメ車トランザムに乗って突っ走り、
車名に等しく文字通りアメリカを横切っていく。
一人はアメリカン・ネイティブの血を引く末期ガンで余命幾ばくもない不良少年。
もう一人はその少年に無理やり拉致された出世主義のセレブな担当医。
おんぼろトランザムは不運な二人を乗せて駆け続け、国を横切り米国社会の各層が活写されていく。
ここらは風刺や皮肉に満ちていて小気味良いのだが、評価が分かれるかも。
ナイフのようにキラリと光って鋭く毒が効いてると思えれば吉。少し紋切り型でコントじみていると思ってしまえば凶。
私は前者だったので楽しめた。

二人の逃避行は最後に少年の魂の故郷であるアメリカン・ネイティブ(インディアン)の聖地へと辿り着き、
その短くて長い旅が終わる。二人が走り尽くしてみせたのはアメリカ社会と、そして二人それぞれの中にあった心のしこり。
極論するなら、これはアメリカン・ネイティブ(インディアン)から奪ったものを返しその魂を解放し、そしてそれによって
開放される米国白人の話な訳である。
物語を最終的に支えるのはインディアンの伝説であり幻想であるのだが、この映画はアメリカン・ネイティブから見て
どのようにみえるのだろう?その点は余りにも都合よすぎる夢に過ぎず、物語の整合性を支える役を無理に押し付けられて
噴飯モノだったりもするのだろうか。
都合よく作られた感動なのかもしれないが、テンポ良く心地良いこの作品は私を元気にさせた。結構オススメ。