【ネタバレ禁止】今日見た映画の感想 その60

このエントリーをはてなブックマークに追加
938名無シネマさん
【WXV パトレイバー・ザ・ムービー】(2001)   ※「グエムル」のネタバレあり

グエムルがこの作中の「廃棄物13号」のパクリと騒がれているようなので観てみた。

まぁ、確かにパクリといわれても仕方ない造型w
ただ内容はかなり違うと感じた。
こっちは基本的に日本の伝統的怪獣映画の系譜上にある。
あくまでも怪獣の出自のミステリーとそれにまつわる人間ドラマ。
だから大抵、倒す側が完全な正義でないことを自覚しつつ殺さねばならない哀切さがある。
他方、グエムルは欧米のモンスターパニックの方に近いかな。
主人公たちの人間性の回復のため(いうなれば一発逆転)に敵を倒すという感じ。
だからよく身内が殺されて復讐に燃えることで恐怖を忘れ馬鹿力が出るパターンに。

第一印象としては、アニメである必然性を感じなかった(原作と金という問題をのぞけば)。
丹念なロケハンによる背景が印象的だったし、所謂アニメ絵でもなかったし。
ただ超近代的なアイコンとドメスティックな風景という掛け合わせは、
押井に限らず繰返し使われ続けて今更という感がある。
実写では必ず特定されてしまう背景の具体性を恣意的に捨象して
「昭和の東京」という抽象的なトポスにしてしまうにはアニメが好都合だったのかも。
それって少々センチメンタルすぎやしないか?