【雑談・質問禁止】今日見た映画の感想 その59

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847名無シネマさん
「誰も知らない」

子供の純粋さばかりが強調されて邪気が隠されてしまった。
作り手が描きたい物だけを描いた結果、リアリティを失いファンタ―ジになった。
物語上の弱いリアリズムをドキュメント的演出で補う手法はそれなりに機能してる。
子役たちの感情の動きが部分的に本物なだけに、心を打つ場面もある。
しかし付け焼刃的な表現の域を出ていないし、なにより偽物に本物を混ざり込ませ
本物らしく見せようとするような手法に嫌悪感を感じる。
そうまでして隠そうとしたのがこの家族自身の「罪」であり「責任」であるのだからなおさらの事。
作中で観客に犯人探しをさせたくない作者の意図がそこを曖昧に描写している。
しかしそこを掘り起こさないと人間の心の動きが描写されることはない。
人間の生命や情念よりも、自身の美意識や作品の空気感を優先させた結果だろう。
この作品はつまりは、こういう作家が作った作品となったわけである。