★『エイリアン2』アルティメット版(FOXビデオ)
音声解説は10数名という大人数が参加しているけど、録音はバラバラに行われているようだ(会話がない)。
だけど、うち何人かは集まっているらしく、お互いに突っ込んだり掛け合いを楽しみながら進めている。
ランス・ヘンリンクセン他、出演者たちのパートは当時の思い出がかなり鮮明なようで
「誰それは私のことがあまり好きではなかったようだ(ヘンリンクセン・談)」など、暴露的な話が良い。
J・キャメロンは相方に誰もいないようで一人で喋っているけど、
自分が創作したキャラを、3作目でフィンチャー監督が全員殺しちゃったことや
シリーズ物の作品作りの姿勢などにコメントしているところは面白い。
★『死霊のえじき・完全版』(ハピネット)
ロメロやサビーニ、主演のロリ・カーデルなどが全員集まって録音。
ロケとセット撮影とを編集で組み合わせている場面ではロメロたちが
「ああ、ここは××の野外ロケで…(カットが切り替わると)もうここは別の場所だ」という感じで
画面にあわせながら解説。こんな血まみれのゴア・ホラーでありながら
それまで舞台やテレビでの小さな仕事ばかりだったカーデルは、いきなり主役に抜擢してくれたロメロに
心から感謝しているようで、しきりに「この映画に参加できて本当に良かった」「誇りよ」と繰り返している。
エンドロールの時には、ロメロもサビーニも「終わった。あっという間だったな」「他のみんなも呼べば良かった」と
かなり楽しげだった様子。ゾンビを銃で蜂の巣にするシーンでは「わお、ひどい(笑)」とか
みんなで大笑いながら突っ込んでいる。
★『死霊のしたたり』SPECIAL EDITION (ハピネット)
製作総指揮のB・ユズナ以下、ジェフリー・コムズ、バーバラ・クランプトン他、キャストが勢ぞろい。
B・クランプトンが全裸でヒル教授の生首に舐めまわされるシーンは彼女自身が
「ここは私の母が大好きな場面なの」とか、自分が登場するカットの直前に「間もなく大物が出るわ」など
大笑いしながらテンションが高い。ユズナはいかにもプロデューサーらしく予算が足りずに
ここはこうしたかったのに出来なかった、という金銭面のグチ多し。
役者陣のコメントは全体的に当時をよく覚えていて聞き応えがある。
全裸のマッチョゾンビは、シュワのスタント役をやっていた男だったという裏話も出る。
★『ラスト・サムライ』(ワーナー)
エドワード・ズウィック監督が画面のドラマ進行に沿って演出論や作品解説をする。
主に登場人物の心情を説明。知的好奇心は満たされるが、全体的には真面目過ぎの感がある。
出陣前に家の縁側でトムが男の子と語り合う場面で「オールグレンはこの子がとても好きだったんだ」とか
亡き夫の着物を、小雪がトムに着せながらそっとキスするシーンでのお互いのもどかしい気持ちなんかを
詳細に語っている。他には渡辺謙や真田の演技の素晴らしさや、クライマックスの合戦シーンでの苦労話等。
★『テキサス・チェンソー』(ヘラルド)
製作のブラッカイマーや監督、メインキャストほぼ全員(レザーフェイスも含む)が参加。
だが録音は全員バラバラな上、画面進行を無視した一人語りを編集でツギハギしたもの。
コメント前に必ず「○○○だ」と、自分の名前を名乗ってから話すように編集しているのがいちいちウザい。
「○○○だ」の箇所は同じ素材を使いまわしている。無名俳優ばかりで
DVD購入者が、声だけ聞いても誰だか分からないだろうといった配慮でメーカー側がやったのだろう。
話の内容もブラッカーマーの映画論、監督の演出論、役者たちは演技プランの自画自賛など
陳腐極まりない進行で非常に退屈。特典ディスクは良い中身だけど、コメンタリーは最悪の出来。
★『キャット・ピープル』(ユニバーサル)
監督のポール・シュレイダーが一人で解説。撮影当時、主演のナスターシャ・キンスキーと恋仲になったこと、
そして完成前後に破局になったあと、彼女は自分のヌード場面を全部カットしてくれと言ってきたとか、
この映画のプロモーション活動(=宣伝)に全然協力してくれなかったことなどを
かなり赤裸々に暴露している。まぁ20年前のことだからこそ、なのかも。
★『さよなら、クロ』(ハピネット)
犬童監督以下、メインキャスト(妻夫木、伊藤歩、新井浩文など)がスタジオに集合。
撮影からだいぶ経って録っているせいか、同窓会的な盛り上がりで楽しそうな進行。
新井の学生服姿に「帽子が小さく見える〜!」「なんかすげー、変!」と爆笑しつつ
共演者が突っ込みまくり。クロが画面左に向かって歩いてゆくシーンなんかでも
「これは左の門の影にドッグトレーナーがいるんだよ」と、メイキングて的な解説をしている。
ガヤガヤしているけど、笑いが絶えない、なごやかで明るいムードのコメンタリー。
★Vシネマ版『呪怨』『呪怨 2』(東映ビデオ)
2作とも清水崇と豊島圭介の対談で進行。伽椰子が階段を這って登場する場面は
本作でのもっとも怖いシーンのはずなのに、コメンタリーの2人が大爆笑をしている。
伽椰子を演じる普段の藤 貴子を知っていると、すごいギャップがある場面だそうで…
このVシネマ発売当時の、周囲から寄せられた感想に対してのアンサーも多い。
★『修羅雪姫』(パイオニアLDC)
佐藤監督、樋口特技監督、一瀬プロデューサーの3人が集まってコメント。
主演の釈の頑張りについての談話が多い。白雷(嶋田久作)の右腕を演じる長宗我部蓉子が
雪との死闘で敗れたあと、百雷が彼女の遺体をじっと見る場面で佐藤監督が
「長宗我部さん、全部脱いでもらって裸になっているんですが、
シーツかぶさっているから全然分からないですね」って……それはあんまりだと思うぞ。
★『下妻物語』(東宝)
監督、フカキョン、アンナの3人で。フリートークが苦手な3人が集まって
一体なにが出来るというのか? 画面を見入ってしまい、しばらくコメンタリーが無音になる所が多い。
コメンタリーのサウンドにわざわざ5.1chサラウンドを使っているが、全くの無駄。
深田もアンナも小声でテンションが低い。本編はおもいっきりハジけていて面白いけど
これも音声解説がダメダメで損しているソフト。
連投でスンマソン。
しまった、『さよなら、クロ』の監督は犬童じゃなくて松岡錠司だったね。
妻夫木が出ている『ジョゼ虎』とゴッチャになってしもたわ。
★『ジョゼと虎と魚たち』(アスミック)
監督の犬童一心、キャストの妻夫木聡、池脇千鶴で進行。
切ないドラマなのだが、コメンタリーは明るくて笑いがいっぱい。
『クロ』もそうだったけど、妻夫木はこういう雑談風のフリートークのコメンタリーが上手い。
池脇チーちゃんとのボケ突っ込みも快調。
妻夫木はキスのことを、日ごろから「チュー」と言っているようで
この解説部分でも何度か「チューした」という言葉使いをしているのがオモロイ。