【執念】映画バカなエピソード【つーか怨念】

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551名無シネマさん
スレ違い気味だけど何回か出ている「スター・ウォーズ」ネタ。

一作目でデス・スター攻撃隊のパイロット達にブリーフィングするシーンで
当時としてはまだ珍しかったCGが使われた。
プロデュースしたのはご存知、ダン・オバノン。
『エイリアン』『トータル・リコール』『ブルー・サンダー』等の脚本を書いた人物だ。

このシーンでディスプレイに写されるCGは合成ではなく
撮影現場でスクリーンに投射して撮影されるため、納期は撮影当日。
遅れたら撮影そのものが出来なくなってしまう。
製作スケジュールの短さに不安になったオバノンは監督のジョージ・ルーカスに
「もし製作が間に合わなかったらどうなるのか?」と尋ねるとルーカスは二コリともせずに
「スクリーンに" ダン・オバノンが愚図なのでここはお見せ出来ません "と投影されるだけさ」
と真面目に答えたと言う。

重大な責任を負わせられたオバノンは、寝食を忘れてプログラマーのラリー・キューバと制作に取り組んだ。
何しろ、専門のCGツールは無いに等しく、コンピューターも遅い当時のこと。
制作はなかなか進まない。しかし何とか設定を完了し、プログラムを実行すれば
ギリギリで出力が間に合うところまで漕ぎ着けた。
が、「実行」のボタンを押した瞬間、コンピューターがフリーズ。
絶望したオバノンとキューバは、酒をあおるとコンピューターを消さずにフテ寝してしまった。

次の朝、目を覚ましたオバノンは信じられないものを目にする。
開けっ放しだった窓から入った夜の冷気が、コンピューターを熱暴走から蘇らせ
CGアニメーションを完成させていたのだった。

「執念」ならぬ「あきらめ」が好結果を生んだと言う例。

ちなみに、このCGアニメは立体の向こうが透けて見えるローテクな仕上がりだったが
実は当時の技術でも立体の向こうのエッジを見せない処理は可能だった。
当時の観客のCGに対する認識に合わせて、わざとローテクな処理がされたのである。
ルーカスはこれがCGである事を観客に認識してもらう事を選んだのであった。