**STYLE TO KILL:鈴木清順について**
4/26、「ピストルオペラ」DVD発売
ビクター・エンタテインメント
・監督、撮影スタッフによる音声解説
・メイキング映像 約30分
・監督、江角マキコへのインタヴュー
・リージョン2、5.1chドルビーサラウンド
2ゲット!!
ズザーーーーッ
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あんまり悲しいのでジサクジエンしてみました...
4 :
名無シネマさん:02/04/14 00:09 ID:8+VE6u8z
資源再利用!!!!!!!!
リサイクルって大切でしょ? 鈴木監督も。
5 :
清順初心者:02/04/14 00:43 ID:8+VE6u8z
当方、鈴木監督作品の初心者です。
これから清順作品を観まくって、立派な≪清順マニア≫になりたいと思っています。
つきましては、まずどの作品を、どういう順番で観ればよいのか教えてください。
一番よい清順へのイニシエーションの入り口はどれですか?
併せて、貴方の清順作品のベスト1とワースト1も教えてください。
6 :
名無シネマさん:02/04/14 00:51 ID:G80qf8Z1
>>5 清順は日活時代に尽きる。可能な限り、全部観なさい。
撮影所量産期時代の監督は、つまらないものも含めて観ないと、本当の面白
さはわからない。「ツィゴイネルワイゼン」あたりから始めるのは、最悪。
オレ的ベスト1は「野獣の青春」 ワーストはナシ。
7 :
清順初心者:02/04/14 01:50 ID:EGrMI9Eg
>>6 迅速なレスポンス、どうもありがとうございます。
やはり「ツィゴイネルワイゼン」から見るのは邪道ですか。一番近づきやすい
作品であることは確かなんですけどね。
「ピストルオペラ」関連で、「殺しの烙印」は観ました。しかし何と言いますかねー
意表をつくその創作上の仕掛け・美意識が、作家の自意識として
観客の目の前に顕然としすぎていて映画世界の中に入り込んで行きにくい、
というかまるで紙芝居を見ているような気分になってくるんですよねー
観ている、「観る」意識が異化されすぎて、意識のレベルが作品の内奥に
までトンでいかない、というかトリップしてゆかない、というか。
登場人物もマリオネットみたいに動くし。(もちろんそれは狙いなんだろうけど)
鈴木監督の「様式美」にはそんな危険もあるように思います。
物語自体が極限まで削ぎ落とされているので、たぶん映像力で勝負しよう
とした作品なんだなという印象は持ちましたけれども。正直、若干退屈した部分も
ないわけではありませんでした。
日活時代と、日活を離れたあとの時代では、ずいぶん作風が違うような
気もするのですが、これは何か理由があるんでしょうかね? やはり日活時代
は、建前上、プログラム・ピクチャーを撮らなければならないという
要請があったわけで、そうした所与の条件との格闘の中で鈴木美学が獲得されて
いった、と。しかしその抑制がなくなればなんでも好きなことができる
ようになったので想像力の飛翔はリミットが拡大したが、創作上の緊張感は
多少落ちたような気がします。「夢二」には正直、?な部分もありました。
8 :
名無シネマさん:02/04/14 09:41 ID:9ISyZJVy
俺のベスト(もっともお気にな作品) → 『関東無宿』
ワースト → 『ルパン三世・バビロンの黄金伝説』(藁)
9 :
名無シネマさん:02/04/14 18:03 ID:LNxt2qDD
>>8 「関東無宿」、最高だよね。
顔に傷のある小林旭、サイコー
ピンチになるとヨヨと泣き崩れる松原智恵子もいつもながらヨイ
小林旭の唄う主題歌(「関東無宿」)もハマりそう・・・
10 :
名無シネマさん:02/04/14 20:44 ID:JQaHv98Z
>>9 バカヤロ
あの映画は、年不相応な松原智恵子のセーラー服姿に萌え萌えする映画なんだよ
あとお姉さん役みたいな、旅廻りの女いかさま賭場師役の伊藤弘子も艶っぺえーなぁ
本当に、
「ルパン三世・バビロンの黄金伝説」
はスズキ清順が監督しているんですか??
12 :
どうせ男の逝く道は、赤きキモノか白きキモノだ!!:02/04/15 00:03 ID:2u0y6a7A
思いっ切りガイシュツネタでスマンが、この映画の後半、
小林旭が他人様の賭場で二人のテキヤをたたっ斬るシーン。
斬られた一人が倒れて込んでふすまを蹴破ると、ふすまが全部倒れて
そこには真っ赤な照明で照らされたホリゾントが!!!
…なかなか視覚的にも強烈で鮮烈なシーンだが、これはいかにも鈴木清純的な映像センス。
ここ一番!、というところでコレをやられると、観客としてはやはりマイッてしまうね。
しかし、簡単にヤクザを好きになってしまう娘の役名が“山田花子”だとは...(チョット藁)
あ、もちろん ↑は「関東無宿」についてね。
14 :
ふぎー:02/04/15 00:23 ID:CyltVgHY
「けんかえれじい」ですな。
モノクロで色彩美学は見られませんが,
あのセリフ回しがたまりません。
15 :
ワタクシ的評価:02/04/15 01:03 ID:n49SPhcm
「野獣の青春」・・・原作が大藪だけあって、正統派のギャング映画。
復讐を誓った元・悪徳警官が、身分を偽り崩壊させるべく組織の内部に入り込んで
敵対する組織と対決させるというストーリーは言って見ればありがちだが、
宍戸錠の魅力的なキャラクター設定のおかげで内容の重々しさが軽減されている。
ただいまいち常軌をはずれたところがないので、いわゆる“清順タッチ”を
期待して行ったお客さんはちょっとがっかりするかも。
「殺しの烙印」・・・いわゆる“ヘンな”映画。プログラム・ピクチャーを
逆手に取って、映像実験のために会社のお金を使って作品を作ったのは、やはり
というか非難されても仕方がないかも。ところどころゴダールの(間接的な)影響が(?)。
とくに宍戸錠と小川万里子の夫婦が、自宅アパートでダラダラちちくり合うところ。
無意味な会話と仕草のやりとりが多いような気が。小川が惜しみなく裸を見せるのは
「恋人のいる時間」(ゴダール)のモノマネ? けど、こんなんで日活解雇されたら
可哀想だよね?「日活には訳の分からん映画を撮るやつがいる」と言われたのは
まあ仕方がないと思うけど。
若々しい感性が読み取れるスレ(←悪口)
17 :
名無シネマさん:02/04/15 13:07 ID:15O30+Mj
「若々しい感性」って何よ?まあ、リアルタイムで見てないから、
どうしても客観的な目で見てるとは思うけどね。
時代に対してミョーな思い入れがないから、情念には流されないで作品を見ることができると思う。
18 :
名無シネマさん:02/04/15 23:41 ID:pJqAdBGo
上品な色気が出せる貴重な監督
19 :
名無シネマさん:02/04/15 23:45 ID:pJqAdBGo
「東京流れ者」渡 哲也が窓からふと見上げる大木の映像
劇中何度となく意味も無い?あのシーンが何気に好きだ!
20 :
名無シネマさん:02/04/16 01:38 ID:2fTJ5eqW
『東京流れ者』最高!
>>19 ああ、渡哲也だけじゃなくて、松原智恵子もなぜか見上げる
“倉田の親分”の屋敷の木の映像のことね。
あれは最後に切り倒されるシーンがはずの木の映像だったらしいけど、
けっきょく会社のOKがもらえずそのシーンはカットされたらしいけど
その詳細について知っておられる方、いらっしゃいますかー できたら教えてちょ
21 :
20:02/04/16 01:42 ID:2fTJ5eqW
>>20 >…切り倒されるシーンがはずの…
じゃねーや
>…切り倒されるシーンがあるはずの…
だね。
22 :
名無シネマさん:02/04/16 01:46 ID:2fTJ5eqW
つか、真理アンヌ 最高ー!
23 :
名無シネマさん:02/04/16 01:54 ID:r4CswK43
>>20 確か渡哲也が木を日本刀で斬ると、切り口が五色に光り輝くというラストだったはず。
その頃から、堀久は清順にキレ気味だったらしい。
>>5 ベストは『悲愁物語』だと思うけど・・・初心者には勧めにくいな。
ま、『東京流れ者』『殺しの烙印』『野獣の青春』から入るのが一番エッセンスがつかめて良いと思う。
あるいは和泉雅子が奇跡のように可愛い『刺青一代』とか、
何かの間違いのように泣ける野川由美子主演の三部作『肉体の門』『春婦伝』『河内カルメン』のような作品もオススメ。
ワーストは・・・個人的には『カポネ大いに泣く』がちょっとノレなかったかな。
・・・実は裏ベストは『家族の選択』だったりするの。
>『東京流れ者』『殺しの烙印』『野獣の青春』
…まさに"STYLE TO KILL"って感じね。
25 :
名無シネマさん:02/04/16 02:14 ID:r4CswK43
>>24 そうですね。にもかかわらず3本とも色彩が全然違うのが凄い。
『東京流れ者』は陰謀劇なのに透き通るように爽やか。
『殺しの烙印』は悪夢の連鎖と言った趣のフィルムノワール。
『野獣の青春』もノワール色が強いけど全然違って、ドロドロしている。
その違いはおそらく、同じ悪女でもどこまでも空虚で謎めいた真理アンヌと
計算高さと天然フェロモンがハイブリッドに混ざった渡辺美佐子の違いにもよるのでしょう。
物凄い個人的な感覚で言えば、それぞれ順番に青、白、黒って感じですね。
26 :
名無シネマさん:02/04/16 02:45 ID:jVTcFk45
>>25 『東京流れ者』は、ギャング映画としてではなくて歌謡映画+任侠もの、
という清順のセンスに素直に驚嘆すべき映画だと思うね。
明らかに『パリの恋人』ほか、ハリウッド製ミュージカルを
パクったような舞台装置といい、書き割りのセットといい、チープながら
そのセンスだけで押し通すような強引さがよい。強引さだけで映画が
撮れるのならプロデューサーだの、会社重役だのは要らないのだが。
『野獣の青春』はみごとな極彩色といった感じ。渡辺美佐子の悪女ぶり
は今いち弱いなぁ。あれは“偶然の悪役”という感じだったからなあ。
真理アンヌが映画においてまるで記号のように振る舞っている、という
のは同意。ただ「どこまでも空虚」だとは思わないね...... あれには
肉体を使って、「空虚さ」の殻を喰い破るような量的な質感がある。
27 :
名無シネマさん:02/04/16 03:16 ID:r4CswK43
>>26 渡辺の悪女ぶりなら今村昌平『果しなき欲望』とかの方が凄いですよね。
ただ、やっぱり“可哀想な女”的情感は付随しますけど・・・それが魅力だからしょうがないか。
真理は確かに肉体の存在感はありますけど、
それが常にスクリーンやスコープの向こうに置かれて、異化されているのが面白い。
逆に言うとそうした意図に耐えうる肉体を清順が欲したと言えるかも知れませんね。
28 :
名無シネマさん:02/04/16 03:27 ID:f/xiXNAy
>>27 で、その意図を受け止めるには女優の力量が無さすぎたのが『悲愁物語』だと思います。
29 :
名無シネマさん:02/04/16 03:47 ID:jVTcFk45
>>27 すんません。渡辺美佐子って、キャスティングでいつも三番目か、
四番目にリストされてるような俳優さんですよねえ......
わたしは他には『TATOO<刺青>あり』で、宇崎竜童の母親役をやっていた
のぐらいしか思い出せないや・・・
30 :
名無シネマさん:02/04/16 04:02 ID:f/xiXNAy
>>29 確かに大女優ってほどの格も無いですが、わりと好きな女優さんです。
加藤泰『真田風雲録』で霧隠才蔵を演じているのが一番印象に残ってます。
31 :
29:02/04/16 04:10 ID:jVTcFk45
おお、なるほど。どうもです
32 :
名無シネマさん:02/04/16 22:39 ID:FTki65wD
渡辺美佐子って、清順作品だとほかにも『青い乳房』ってのに出ているね。
特にエッチっぽい映画じゃないらしいけど。
33 :
名無シネマさん:02/04/17 00:27 ID:S7h/cavS
そもそも宍戸錠、高橋英樹、川地民夫、和田浩治など、
清順が起用した俳優はみんな日活の主流から外れた俳優ばかりだしね。
大物と言えば小林旭ぐらい。
金看板の裕次郎はゼロ、吉永小百合は『すべてが狂ってる』にチラッと出演する程度。
34 :
19:02/04/17 00:29 ID:14Zpsq6g
「殺しの烙印」の殺し屋2?の真理アンヌの棒読み気味の言い回し
あれは監督のリクエストだそう
この監督の映画って露骨にタイアップの映像出ているよね
「東京流れ者」→ドライや(メーカーどこだったけ?)「殺しの烙印」のパロマ(炊飯器メーカー)
宍戸錠演じる殺し屋の設定(飯の炊けた匂いフェチ)はスポンサーがパロマだったかららしい
(監督のインタビューより)正直がっかりというか本当あのオヤジ(監督)はタヌキだと思う。
35 :
名無シネマさん:02/04/17 00:48 ID:S7h/cavS
>>34 「東京流れ者」のクラブシーン、
渡哲也が、ある歌手の名前と曲のタイトル(失念!)をはっきりと口にしてるよね。
あれもタイアップ?
36 :
名無シネマさん:02/04/17 00:57 ID:C7WooDg1
37 :
名無シネマさん:02/04/17 01:00 ID:C7WooDg1
>>35 あれはどうなんだろう?
単に当時流行してたから、とか監督がその歌手と仲が良かったから、
とかそんな感じじゃないの?
38 :
名無シネマさん:02/04/17 01:22 ID:C7WooDg1
「けんかえれじい」......
あれがやはりカラーで撮影されなかったのは残念だと思う
とくに旧制中学校生の着ている制服の色だとか
ケンカに出かける時にガキどもが乗ってゆくトラックだとかは
清順ならば、色彩を計算して画面上に見せてくれたと思う
(たぶん旧制中学の学生の制服は浅葱色、というか
紺っぽい色だったんだろうけど)
高橋英樹のスッとぼけた役どころがよい。
...ケンカを繰り返し、最後に本物のケンカ(2・26事件のクーデタ)に
向かって行ってしまうラストは、監督の軍国主義に対する忸怩たる
思いが込められているのだな、と思った
_ _∧ ∧_ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(,,゚Д゚) \ < 映画作品・映画人板ができました!
/ つ| ̄|つ\ \_______________
 ̄ ̄ ̄|新| ̄ ̄|
|板| |
___|_|__|
映画板が分割され、新しく映画作品・映画人板が出来ました。
こちらの板は「映画のジャンルごとの話題、雑談、議論」専用となります。
「映画作品・映画人板」
http://cocoa.2ch.net/cinema/index.html へ引っ越すなら、このスレのレスがまだ全文コピペ可能な規模の今の内に
やるのも一手かと思われ。ご一考を。
>>39 どうしても移動しなきゃ駄目かな...?
あっちとこっちで、重複するスレ立てるのは無駄っぽくない?資源の無駄だよ。
「全文コピペ」なんて、めんどうくさいことしないよ!!
まあもう少し様子見てから、ということで。
原則どおりこっちのスレを使い切ってから移動ということでいいんじゃないかな?
(というか“使い切る”なんてことがあるとは思わないけど。)
41 :
名無シネマさん:02/04/17 19:03 ID:SSM1Z0Hj
なんだ嫌がらせかよ、、、
「けんかえれじい」、脚本は新藤兼人が担当してたんだね。
知らなかった...
>>35 「東京流れ者」のクラブシーン、
渡哲也が、ある歌手の名前と曲のタイトル(失念!)をはっきりと口にしてるよね。
あれもタイアップ?
あの歌って,確か野上由美子の「河内カルメン」でも流れますよ。
清順監督のお気に入り?なわけないけど,
タイトルは「ハートを握りしめろ」か?
CD化希望!
自分が清順監督で好きな作品は,掘り出し物的には「俺に賭けた奴ら」
っていう和田浩治が主演の映画。まだ日の当たらない頃の高品格さんが
よかったです。でも,まだ鈴木清順らしさは希薄な感じ。
普通に答えるなら,やっぱり「東京流れ者」です。
44 :
名無シネマさん:02/04/17 21:31 ID:rOW7+xBL
45 :
名無シネマさん:02/04/18 12:17 ID:KZm16Z3Y
なにげに「殺しの烙印」でガスライターって
重要な小道具だな・・・
46 :
19:02/04/18 23:52 ID:9ueiK2AF
この監督、他の監督みたく主義主張を論う姿勢全くなし!
映画が撮れればそれでいいやという職人気質(日活だから当然か)
それにしても昔は清順の映画はこう見ろ!みたいな評論集が多かったが
それを一番面白がっていたのは清順監督本人だったりして。
47 :
名無シネマさん:02/04/19 01:34 ID:ienl/Dyx
...そうそう、「くたばれ悪党ども 探偵事務所23」というのも
なかなか面白かったな。「野獣の青春」とほぼ同じ傾向、ほぼ同じ時期の
公開で。出演者も川地民夫、金子信夫、江角英明・・・とかなりカブっているし。
初井言栄のコメディリリーフ的な探偵事務所助手役も良かったね。
あと誰でも言及する星ナオミとのミュージカル・シーン。ここはかなり
ハリウッド・ミュージカル映画へのコンプレックスも感じるけど、よく出来て
いるし何より、制作者全員が楽しんで映画を作っているのが感じられてよかった。
ところでこの作品でもそうだが、宍戸錠は最初、出自が不明瞭なまま
作品に登場してきて、劇中で彼の身元調査が他人によって行なわれ、それが
引き金となってまた事件が発生する、というような“ファミリー・プロット”
ものみたいな話が多いような気がする(この作品では彼は身分を偽って組織に
潜入して、その身元調査そのものがまたギャグになっているのだが。)
皆がみんな、宍戸錠の正体を知りたがっている。一方宍戸は彼らを煙に巻き、
それらの前で正体不明の不在の中心として行動し、振る舞う……(藁)
ある意味すべての作品が宍戸のルーツ(起源)捜しの物語になっている
と言えば言えなくもない、…かな?
48 :
名無シネマさん:02/04/19 01:41 ID:6UwU6jQD
ちんぽでピアノを弾く行為って、エロいよね。
匂いの付いた鍵盤ひくんだぜ。。白くて細い少女の指がよ、ヒヒ。
なんか、人のモノマネして作品観て、
さも知っていそうな口ぶりで語る奴とか多すぎ。
(ま、おれも含めて)
......せめておれの前に作品見てコメントしろよ...
51 :
名無シネマさん:02/04/19 14:33 ID:91KAGpD3
>>47 「くたばれ悪党ども」には江角英明は出てこなかったと思うが……
そこんとこ、どうよ?
52 :
47:02/04/19 22:27 ID:gAQo9th+
>>51 ゴメンなさい。江角英明は「くたばれ…」には出てなかった。
「くたばれ…」にカブッて出ていたのは、しゃくれのおっちゃん・信欣三さんでした。
53 :
47:02/04/20 00:41 ID:lCVLawJw
「くたばれ…」後半のオイル・トラックのトリックは
J・キャグニーの『白熱』からのイタダキかいな?
同様に、「くたばれ…」の冒頭にもスポンサーのタイアップ映像が
流れる… ペプシコーラのトラック映像がそうね
54 :
名無シネマさん:02/04/20 18:49 ID:SQ2HoVZ9
今日の22時半からNHK教育「美と出会う」に出るぞage
55 :
名無シネマさん:02/04/20 22:39 ID:oGumCcIN
清順キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)`Д´)ノД`)・゚・。 ' ρ`) `_ゝ´)━━━!!!!
56 :
名無シネマさん:02/04/20 22:59 ID:lCVLawJw
うぐう・・・、見逃した
東奔西走して美と出会ってたね。そいだけ。ナメとんのか>清順
でも好き(w
58 :
名無シネマさん:02/04/20 23:57 ID:5D/kAN/Q
しかもすごくあっけなく終わったのでワラタ。
でもとりあえず見られてよかった。
59 :
56:02/04/21 01:01 ID:9iPRfjT3
>>57、58
そうだったのか? 見なくても良かった?
いやぁー 実はその時間は、偶然にも清順の『刺青一代』を見ていたところだった…
冒頭の人力車を使った人斬りシーンのアクションもすごいが、
伝説のラスト15分。健次が斬られてからあとの展開は凄い…
こりゃあ本物のポップアートだわ。
…なぜか真っ赤に染まる空。鳴り響く雷鳴。割れるレコード。
討ち入りを決意したとたん、歌舞伎の花道のようにパッと進む行く手が照明に照らし出されて
その中でスッと人夫の上っ張りを脱ぎ捨てる英樹。赤い朱肉のどアップ。
並び立つ敵たちの刀の切っ先。
…まるでマトリョーシカ人形のように開いても開いても続く五色の襖。
暗闇の中に煌めく拳銃の火花。
(「おうブタ野郎ども! やっこの鉄が相手になってやらぁ ・・・束になってかかってきやがれ!」)
なぜか下から透けて見える、畳の上での立ち回り(藁
敵の親分を一突きにして引き抜いた時の英樹の表情…
…そして砂浜に一枚一枚投げ捨てられてゆく花札の札・・・
最後は女版フェリーニの『道』か?と思わせるような和泉雅子の号泣で終わる
のだが、たとえ即興としてもこの一連のシークエンスを考え出したのはまさに天才技・・・
黒沢清が以前、清順を神に擬していたことがあったが、まさにこの時
「神」が清順に乗り移っていたに違いない・・・
と、思わせるような凄絶なラストでやんした。
>>59 まぁ、本人に言わせれば単なる思いつきでやってんだろうけどね。
それが天才の天才たる所以か。
61 :
名無シネマさん:02/04/21 17:36 ID:qbo+YNes
>54
花火のところでなぜ「ツィゴイネルワイゼン」の話しが出んのだ?
62 :
名無シネマさん:02/04/21 18:02 ID:/xgLdJhM
「美と出会う」途中からみた。
まだ元気そうでなにより。もう一本華やか映画を
作ってほしい。
63 :
名無シネマさん:02/04/22 00:57 ID:AWlFsvAS
>>59 この夜中に猛烈に見たくなるだろ!
んもうッ。
64 :
名無シネマさん:02/04/22 18:17 ID:8UEcvGCo
で「ピストルオペラ」ってどうよ。
DVD買おうかどうか迷うとる。
65 :
名無シネマさん:02/04/22 23:53 ID:xztUdtaV
>>42 DVDで確認すると、渡哲也が口にする歌手の名前は「さっさ かずお」
で、歌のタイトルは『ハートを握りしめろ』なんですね。
でこの名前で検索しても何もヒットしてこないんです。
『河内カルメン』のクレジットタイトルには名前出てくるのかな?
66 :
名無シネマさん:02/04/23 23:07 ID:YanQKYjL
んで、『河内カルメン』の佐野浅夫(勘造)・・・ な、泣ける…
67 :
名無シネマさん:02/04/25 10:53 ID:jQFuXMeT
「仙子、ウチは大阪いくで」
「なんで大阪いくねん」
「河内が嫌になったからや」
「そうか。ほな行きいな」
「おおきに」
68 :
名無シネマさん:02/04/26 10:01 ID:bBRZmkQf
表面的に見ると、鈴木清順という人は明らかに実に≪シニック≫な人なので、
女性(女優)を深く愛する、ということがなかったのではないか、
と思わせる節がある。たとえば『関東無宿』や『刺青一代』における伊藤弘子、
『野獣の青春』における渡辺美佐子、まして『東京流れ者』における松原智恵子などなど……
たとえば、なるほど増村保増が若尾文子を選び、惚れ込んで使ったように、
鈴木清順は女(優)に惚れて映画を撮ったことがあったのか、という疑問は残る。
それは女優・野川由美子との場合も同じではないかという気がする。野川という
女優はワシ鼻・厚目の唇・ギョロ目という個性的な容貌だが、どこか心を掴む
ような魅力的な俳優的な個性をもった女優だと思うが、清順&野川由美子と
いう組み合わせが一世一代の名コンビかというと、そうはちょっと思えない。
鈴木清順には『悲愁物語』など“女性映画”の系譜、というのもあるわけだが、
どれもうまくいってないのは何故なのか?(いや、もちろん『肉体の門』『河内カルメン』
は明らかに傑作なのだが…)それでも『河内カルメン』は前半の佐野浅夫が
絡む部分は最高に素晴らしいが、後半になると≪視覚効果≫の方がメインの
映画になってくるのはなんでなのか?(特に山伏みたいな坊主が滝壷に落ち込む
シーン。しかしこれは『刺青一代』で、すでに見ている映像のはず。)
鈴木清順という人はまっとうに撮るとすごく上手い人だと思うが、それで
飽き足らないというか、すぐに飽きてしまう人なのかもしれない。野川由美子の肉体
というのはそれだけで充分魅力的なのだが、それを異化させ、物語の出汁にして
しまわなければ済まない、というか、その物語自体が脱臼している…
それは一見自由に見えて実は鈴木清順の不自由さであるし、鈴木清順の
“奇抜さ”にカモフラージュされた古典性の露われだと思うが、どれだけの
人がそれに気づいているのか… 甚だ疑問ではある。
69 :
鈴木清順:02/04/26 23:43 ID:jRUGmM7Q
そんなことは知りませんね
どっちだっていいじゃないですか
70 :
名無シネマさん:02/04/27 00:44 ID:X/s/0ahn
あげ。
>>69 がホンモノの鈴木清順だったら藁える…
というか、モノホンの清順がまぢで言いそうなことだからなおさらこわひ・・・
71 :
名無シネマさん:02/04/27 14:38 ID:HBdlDczQ
>>28 白木葉子は決して貧弱な肉体の持ち主ではない。むしろ豊満なほうなのだが…
ま、「女優の力量」というのは肉体の「力量」のことでは
ないのだから当然のことなのだが(ワラワラ
>70
つーか清順の決り文句じゃん。
おれ、赤坂で清順目撃したことある。雨の日で、黒いゴムの長靴はいてた…。
東京の町でゴム長はいてる人初めて見たよ。
73 :
名無シネマさん:02/04/28 00:43 ID:FnHA9A9k
ふーん。東京の都心で黒のゴム長か・・・ ちょっと笑える (^^;
ところで「悲愁物語」は“どうしちゃったの?”と思えるほど
ÅΨΦΩ∬♪ζ・・・なかんじなんだけど、ブランク明け復帰第一作としては
あまりと言えばあまりな作品のような気が……(いや、二度見てやっと
好きになれそうな気がした)
実は清順さんの本質というのは、こういうところにあるのかもな、
と思わせるところが、また奈落の底を見せられたような気がして憂鬱な気分にさせられた...
74 :
名無シネマさん:02/04/28 19:16 ID:FnHA9A9k
・・・目を離さないでいてね。あなたの思い通りのところに飛んでいくわ、、、私。
ヴィクトリー!! 私は、私自身ボールだ。自分の意志のままボールは飛ぶ!!
>>72 そーいえば、「東京流れ者」の中で
渡哲也が庄内に流れていった時、ヤクザたちは雪の中を
ゴム長履いて争っていたような気がするんだけど、俺の記憶違い?
76 :
名無シネマさん:02/05/01 00:40 ID:eOe/L4Z9
救出あげ
77 :
名無シネマさん:02/05/01 00:50 ID:BIX/VHD/
『悲愁物語』は、最初は“いかにも”な梶原一騎風のスポ根もの(それ
だけ??なシュールな展開あり)なのに、途中からどんどん作品自体が狂っていって
メディアによって作り上げられた女子プロゴルファーの栄光が
妙なレズビアンのストーカーや、周囲の好奇な第三者たちによって
食い潰されてゆくさまを描く(江波杏子が…コワーイ)。
そこへ主人公の弟の中学生の、近所の女子への淡い恋心が絡む… ラストは
まさに“なんじゃこりゃ??”な世界で、泣いていいのか怒っていいのかさっぱり分からない。
「メディアによって作り上げられた虚像である新人タレントの栄光と破滅を描く」
と一口に言ってしまえば理解もしやすいが、内実は全然違う。テレビ媒体を始めとする
ブランク中にお世話になった各種業界のコマーシャリズムに対する批判の意図は明らかなのであるが、
テーマが分散していて分かりにくい(「幸せって何?」などベタな会話がやりとりされたりもする)。
脚本は大和屋竺。これが大和屋スタイルというものなのか? 正直ゼンゼン分からん。
いきなり原田芳雄の車がオープンカーになったり、浴室や会話のシーンでの
鏡の使われ方など、清順節もちらほら見受けられる。
特にラスト。良くも悪くも『ツィゴイネルワイゼン』以降の暴走を予感させるような作品。
「シネマの記憶装置」で蓮実シゲピコが結構褒めていたような記憶が...
78 :
名無シネマさん:02/05/01 00:53 ID:+drEKD3v
『刺青一代』でとても好きなのは、
高橋英樹が閉じ込められている物置には実は鍵がかかってなかったって場面。
山内明もアッサリ入ってくんなよw。
>>77 まあ、ありていに言えば、清順流『裁かるゝジャンヌ』。
81 :
名無シネマさん:02/05/01 07:02 ID:cb1leoP/
「悲愁物語」は高橋尚子に見てもらいたいな。
83 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/05/01 11:33 ID:MUKACWnh
>>77 「夢二」の頃、「リュミエール」に載っていた原田芳雄のインタビューがワラタ
84 :
名無シネマさん:02/05/01 12:11 ID:+YXRP1zR
ルナちゃんって誰?
…そろそろ70年代以前の作品の復習は終えて、
80年代以降の“Deep Seijun”について語ることにしますか
んんで、今回のDVD買った人の感想は?
(漏れはまだ買ってにゃい。)
85 :
名無シネマさん:02/05/01 12:19 ID:J6xCYPkb
79のIDがイイ!おれは田舎で電気屋を見かけると、まだ置いてないか
探しちまうYO.
86 :
名無シネマさん:02/05/01 12:26 ID:+YXRP1zR
あー、渋谷のHMVには置いてあったね。間違いなく。
漏れ商品見たけど二の足踏んじまったよ。税込みで5000円かァー
邦画のDVDってなぜこんなに高いのか
87 :
名無シネマさん:02/05/02 17:26 ID:BSPgOZTq
健気に頑張る白木葉子萌え萌え
88 :
名無シネマさん:02/05/03 13:05 ID:ExsmvkNr
『悲愁物語』は、面白いな
このビデオ、レンタビデオで借りてくるの3度目くらいだよ
特に前半の展開は最高だね
―― 三宅さァン〜、開けてェ… 三宅さんったらァ… お願い開けてったらァ…
―― つめてえ男だなあ… おめえって奴ぁ
>>88 俺なんてビデオ買っちゃったよ。レンタル用しかないのに。
馬鹿な台詞の量が本当に多いんだよ。
「クールクールで夏が来る」
「トップレス・・・ボトムレス!」
大和屋って天才?馬鹿?
90 :
名無シネマさん:02/05/03 17:47 ID:aJHZGec6
「クールクールで夏が来る」
・・・あれワロタ。本気なんだかフザケてんだか
分からない感じで呟くんですよねえ、岡田真澄が。(だっけ?)
レンタ用ビデオカセットで買っちゃったんですかあ?
高かったでしょうね。メーカーに尋ねれば購入できるみたいですけど、
返品が利かないって言われましたよ。中古レンタル落ちとかで見つかりませんかねえ?
91 :
89:02/05/03 18:13 ID:DmXwLCKU
原田芳雄ですよん。岡田真澄に水ぶっ掛けられて、一言。
>レンタ用ビデオカセットで買っちゃったんですかあ?
1万チョイですか・・・高かったですけど、モノがモノですから。
ダビングすりゃ良いんですけど、まあこういうビデオが一本ぐらい(w
92 :
名無シネマさん:02/05/04 12:15 ID:R1yfZ7YS
>>91=89
あー、そうそう思い出した
原田芳雄が岡田真澄を出し抜いて、岡田の企画を
盗んで勝手にプロモータの仕事をしようとしたときのセリフね
この前後のダイアローグもなかなかイカシてるなあ
―― おいチンドン屋、クールな奴が仕事に勝つとは限らないんだよ。
女と商売やる時ゃあなあ、セックス手当て払わなきゃ駄目なんだよ。
金、太鼓叩くだけじゃあ
―― いよぉ、コソ泥。
―― クール、クールで夏が来るか…
書き写してみると、最後の科白がいかにナンセンスかが分かる(藁)。
岡田真澄ふんするキャラクターが「クール」だということと、
岡田からウィスキーらしきものをぶっかけられて、「クール」だと
いうのが二つ掛けられているわけか。そういえば前半で"桜庭れい子"
のキャッチ・フレーズを考えるシーン(『…ときめきへの挑戦』、
『真夏・フェアウェイのあなた』『初夏の風、バーディチャンス!』)
とかも、いかにもな広告代理業をやっていたセンスという
のが作品にも現われているのかねえ…
あーしまった。↑92=90ですね。
ちなみに「悲愁物語」。佐野周二の遺作だったりもする・・・
95 :
名無シネマさん:02/05/05 08:58 ID:hDpySycT
『だ・め・だ・よ』
『悲愁物語』のサントラが欲しい。あったら、だが。
主題歌のとみたいちろうは、♪おーい、おーい、北海道〜♪というCMソングが有名。
>>96 ついでに言うと、とみたは元々がエレック出身のフォーク系歌手。
数少ないLPを聞いたことがあるが、
バックがスモーキーメディスン一派だったのでちょっとビックリした。
せがた三四郎のCMソングもこの人だし、特撮物の主題歌も結構歌ってる。
98 :
名無シネマさん:02/05/05 10:14 ID:SAGWK4xD
煙草のぉ〜〜 ケムリがぁっ!
最初あの歌、原田芳雄が唄っているのかと思った…
100 :
名無シネマさん:02/05/05 16:39 ID:PozazD0s
>>94 高木のおやっさんですね...
しかしこの映画の岡田真澄、若いなあー
仲谷昇もいい加減若いが。
逆に老けたなあー、と思ったのが、
和田浩治・・・(サングラスかけて、煙草吹かしてエロ親父っぽく見える)
野呂圭介・・・(かつての鉄砲玉みたいなところは無くなって、ストライプの背広に花束を抱えたグルーピー役をこなしている)
玉川伊佐男・・・(この人は昔からいつも同じに見える)
小池朝雄・・・(この人は清順映画の常連ではないはずだが、いつも通りの精力絶倫エロおやじで文字通りヒロインをいただいてしまう)
>>100 岡田真澄はいつから恰幅良くなったのだろう?
かまやつひろしはいつからズラなのかと同じぐらい“いつの間にか”だ。
・・・ところでこの映画のラストにおける野呂圭ほど清順的身振りを体現した人物はいないと思うがどうか?
神戸ファッション美術館にストローブ&ユイエの全作品上映があったとき、
合間に図書館で『鈴木清順全映画』(立風書房)を見掛けたのでひもとき、
スチール写真を眺めているとそのシーンに突き当たって、悶絶した思い出がある。
《緑はキチガイの色なんですよ》by清順(記憶曖昧)
102 :
名無シネマさん:02/05/05 19:09 ID:o8EGLD7r
>>101 そうそう、ヒロインの部屋の壁は緑色なんですよねえ。
それで清順映画には、天井から吊るされる、という一連のイメエジがあって
もちろん典型的なのは『野獣の青春』『殺しの烙印』、『肉体の門』
とかなんですけど(最後のはちょっと≪清順的≫とは呼べないかもしれんけど)、
『肉体の門』でヒロインの野川由美子が着ている衣装が“緑”なんですよね。
あれで、清順映画における“緑”色、って何か意味があるのかな、と思いまして。
…あと蓮実によるとヒロインの部屋へ縄はしごを伝って降りてくる弟は
“垂直の暴力”を示していて、距離や密着といった水平の運動を廃棄する力
としてあるらしいんですけど、“吊るされる”という行為はその垂直の暴力が
中途半端に遮られてしまう運動ですよねえ。「落ちる」というイメエジも
清順映画特有のものがあって、いろいろ「垂直の暴力」を示しているんだなぁ
と思うわけですが、『陽炎座』ではたしかに子供がバラバラと数人落ちて
きたりする…(藁)
103 :
名無シネマさん:02/05/05 19:15 ID:86kJAH+c
age
>>102 全く馬鹿馬鹿しい話だし、弟も姉もただのDQNだとは思うんですが、
あのラストシーンはやはり人を戦慄させますし、
場合によっちゃ涙を流させるものだと思うんですよ。
宙吊りの男、内面をまるで反映しちゃいない笑みを浮かべる女、
桜の花弁の形に滲む血、燃え盛るテレビジョン、
ブッチブッチ途切れる音声、そして全てを切り裂く暴発&爆発・・・
ああ、やばい。これが映画だ、とか言っちまいそうになります。
ちなみに蓮實の文章は「身振りを欠いた手招き」だと思いますが、
自らを打ち消す行為/身振りといったものは清順に限らず、
例えば中川信夫作品とかにも感じるんですよね。
「東海道四谷怪談」「地獄」なんかの反復移動するカメラワークなどがそうですが、
戦後すぐの「深夜の告白」なんかでも、平然とやってのけてるんですよね
(ちなみにこれ幽霊映画でもなんでもない、一種の美談メロドラマなんですが、
登場人物のふとした動きがゾクっとするような霊気を放つ名品です)。
およそ、映画史的な先行者が想像できない清順ですが、
中川のあり方はどこかで意識していたのでしょう。
確か、中川の「妖艶毒婦伝」を讃美した文章もあったと記憶します。
そういや金井美恵子も「悲愁物語」を誉めてましたね。
日活時代もツィゴイネルワイゼン以降もそんなに好きじゃないけど、
これだけは大好き、ってな感じで。
「悲愁」観るまではひねくれたババアだな、と思いましたが、
今はちょっとだけ納得する部分もあります(私は日活時代も好きですが・・・)。
106 :
名無シネマさん:02/05/05 21:12 ID:o8EGLD7r
なるほど、中川信夫なのか…
不勉強で申し訳ないのですが、中川信夫の作品で泉鏡花を原作とした
作品などはあるのでしょうか? それなら納得いきますね。
清順に「毒婦もの」のようなジャンルがあるのは確かですね(大楠道代などはその典型)。
私も、『悲愁物語』で、満開の桜の下で相対する弟と少女が
カットバックで交互に映し出され、少女だけがスーッと引いていくに随って
横移動するカメラワークにはびっくりしました。あれは『陽炎座』で楠田枝里子の
葬列のシーンと同じくスーっと横移動してゆくカメラワークに匹敵しますね。
いつも不思議に思うのは、『悲愁物語』から『ツィゴイネルワイゼン』へと
どうやって清順はジャンプしたのか?、ということなんですね。
いわば≪視覚≫の映画から、≪身振り≫の映画へというシフトチェンジですね。
>およそ、映画史的な先行者が想像できない清順ですが、
まったくそのとおりで、鈴木清順というのはよく言われるとおり、
「常に振り出しに戻る監督」だと思うんですよ。映画史的知識というのは
最低限しか持っていないんじゃないか?、大体、他の人の映画を見ているのか?、
と思わせるような…。
無時間的、というか段階的発展というのが全然想像できない監督なんですよね。
だから突然、『悲愁物語』みたいなのができちゃう、というか。ある意味、
だからこそいきなり“始源の映画”のようなワン・シーンが撮れてしまう、
ということなのか…
ああ、すみません。107は106の続きですね
>>106 鏡花原作は無いと思います。
>>107 まあ、「悲愁物語」に関しては
ドライヤー「裁かるゝジャンヌ」とゴダール「女と男のいる舗道」なんかが
念頭に置かれている気もしますが・・・両者に似ているかというと全く似ていない。
・・・どなたか清順の作風に影響を与えたと思しき映画作品をご存知の方、ご教授下さい。
私も不勉強なもので、思い浮かびません。
とりあえず、このスレッドで挙がったので言えば・・・
>>15 「恋人たちの時間」→「殺しの烙印」
>>26 「パリの恋人」→「東京流れ者」
>>53 「白熱」→「探偵事務所23・くたばれ悪党ども」
>>59 「道」→「刺青一代」
・・・あと、あまりに凡庸で恐縮ですが、
「用心棒」(つーか、「血の収穫」)→「野獣の青春」
ちなみに104=105さんは、109=110さんなのですか?
112 :
109:02/05/05 22:11 ID:tZozQrEw
>>111 そうですよ。やっぱり、そういうこと書かないとダメなんですかね?
113 :
111:02/05/05 22:34 ID:lp6DzI5J
>>112 いや、別に。ただの好奇心からです。
>>15 「恋人たちの時間」→「殺しの烙印」
>>26 「パリの恋人」→「東京流れ者」
>>59 「道」→「刺青一代」
…ここら辺りは冗談のように思えますが、清順は果たして「裁かるゝジャンヌ」を見ていたかどうか…?
燃え盛るTV受像器の画面に映し出されるヒロインの姿は充分それを予測させますが。
『悲愁物語』は脚本の大和屋竺とともに10年越しで暖めていた企画らしく、
ホンのもともとの題名は「魔女狩り」だったそうです…。だからそれ様に過去作品を
参照していたことは十分に考えられますが。
>>113 >『悲愁物語』は脚本の大和屋竺とともに10年越しで暖めていた企画らしく、
そうなんですか。梶原一騎の持ち込みじゃないんですね。
まあ、蓮實の言い種じゃないですけど、構想何年とか関係ないですけどね、清順には(w
115 :
111:02/05/05 23:02 ID:lp6DzI5J
>>114 >構想何年とか関係ないですけどね、
まったくその通りですね。
なんか、「映画芸術」のバックナンバーに大和屋の記事があるらしいです・・
116 :
名無シネマさん:02/05/06 01:25 ID:iEI7cNSK
そうそう構想何年とか映画的記憶とかが何ら意味を持たないのが
清順の魅力だよね。今日『ピストルオペラ』のDVD買って確認(w
しかしこのDVDクライテリオン並の画質(誉めすぎ?)と
無駄な5.1chドルビーサラウンドがイイ。無理にはすすめんが
オーディオコメンタリもついてるのでファンは買いかも。
これから『悲愁物語』や日活作品もドンドンだしてほしい。
清順のテレビ作品折り詰めDVD誰か出してくれ。
「穴の牙」観てえ!
118 :
名無シネマさん:02/05/07 11:29 ID:EKjjzQwm
おもしろいじゃん age
119 :
名無シネマさん:02/05/07 15:08 ID:4oI457uN
つーか、ここ数日は「悲愁物語」スレッドになってたぞage
・・・まあ、今まで余りにも語られてなかったからね。
去年の回顧上映でも、ビックリするほどひっそり上映されてたし・・・
「悲愁物語」の宍戸錠が何故あんな格好をしてるのか、
今ではよくわからなくなったな。
121 :
名無シネマさん:02/05/08 16:45 ID:UPawmdBU
>>120 >「あんな格好」
すみません、あそこに暗示があるならどういう意味か教えてください
たしかあのカウボーイハットは原田芳雄の持ち物ですよね。
あのカウボーイハット・スタイルに何の意味が?
122 :
名無シネマさん:02/05/08 17:24 ID:KfvdH7cv
´Д⊂ 悲愁物語見たいよう・・・
よ〜し!今晩はビデオで「悲愁物語」実況だ!
124 :
120:02/05/08 20:36 ID:9y1LG2qk
>>121 当時人気のデニス・ウィーバー主演のテレビドラマ「警部マクロード」の吹き替えを、
宍戸錠がアテていました。その主人公がモロにカウボーイ・スタイルで、
つまりはちょっとしたお遊びなり。
125 :
121:02/05/09 04:54 ID:TeoOjLuG
>>124 なるほどどうもです。
ミョーににんまり笑う、宍戸の表情が気になったもので。
しかしこの作品、妙ですよね?登場人物が「熱中時代」の主題歌とか、
当時の流行歌を口ずさんだり、左時枝が電線音頭を踊ったりねえ… なんだこりゃあ?
もう一つ分からなかったのは同じく後半、左時枝らが主人公の屋敷で
ファッション・ショーらしきものを開くシーン。一人だけ黒いサングラスの
小汚いオヤジが混じってますけど、あれって誰??それまでに出て来た人物で
したっけ? ワ、ワカラナイ…
126 :
名無シネマさん:02/05/09 10:52 ID:mc/FHUhW
「殺しの烙印」DVD買ったんです。観たんです。
が、殺しに失敗した宍戸と真理が逃走した後すぐ(チャプター5から6)で画面が一瞬消えて、
一時停止状態になるんですよね。
これって不良ディスク?皆さんのは如何ですか?
↓このAA観ると、ガチンコより「悲愁物語」を思い出す(w
,,,,,,..;;.,,,, ,-'";;;;;;::`ヾ
r' `-, l;;r'"`'"``;;;l
! i ,ゞ: ニ.. ..ニ .ソ ,---.,.--,,
l ,..,,..ソ,,ノ `l .・・ i / `.、
.!,!./ _,.. _,..l' ` .'~`/ ( |
/`、 ゝ/,.-'"┌. .∨ `--y,,..,,...,,,...,,..,ノ
/ l `ー-'ヽ. l。 i -' `- ..ソ ちょ、ちょ、ちょ、止めて下さい
/ l \l' y l。 / lヽ. '__ ./ `ヽ
r'─-、 ̄`ー` i .l。 / | \-' , ,,\
/ `l `l / l l。 .l ヽ i .ヽ ちょ、神輿(Mikoshi)やないねんから
:==;i i/、 ∧. l。 i`, `i ,, /; `、
:三;_,,..-''"i_,,,/ i-=========-∧,..~`-' /_, `..、
.l i l _,,.-'" ,.-,', , / , i ちょっとー
.L____`、-' ヽ ノ ,.///ノ.く / \ ヽ `l
l:::::::::,.-'" l `、..__..,' `'`'`' .\/ ヾヽ / l
l::::r'" ,. /. \ ヽ /
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`:::l 「ヾヽll `、 / ll,ー /:::::∧::::::::::::/
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;::::::::::::/ミ /' `、 i ゝ::::l::::::::::::::l
ヽ::::::::i__/ \ `,;:::l:::::::::::::l
`ー' ヽ `ー'ソ::::::::::l"
128 :
名無シネマさん:02/05/11 00:53 ID:rqzrJwNF
129 :
名無シネマさん:02/05/11 00:58 ID:XtT8gEt8
「殺しの烙印」と「悲愁物語」を見て、大和屋竺という人に興味を持ち、
彼の代表作である「荒野のダッチワイフ」を見ました。
なんだありゃあ?・・・まんま「殺しの烙印」じゃん!
大和屋による名ダイアローグの一部を再現。
――お前の心臓が透けて見えるぜ。
――どんな色してんだ。
――真っ青だ。
――色盲だったな、おめえは。
131 :
名無しシネマさん:02/05/11 01:32 ID:T6PNdVUQ
正直、ピストル・オペラは駄作だと思った
<…>
――もう鬼ごっこには飽き飽きしたぜ。
――てえしたもんだぜ。よくこれまで逃げ延びられたもんだ。
何か秘訣でもあんのか。
――匂ったんでなあ。おめえが5キロ先に近づくと、プンプン匂って
飯が不味くなったもんだ。
――俺は腋臭なんかじゃねえぜ。
――屁の匂いだよ、おめえの。
――そうだったなぁ。一発やると、俺は5キロ吹っ飛んでお前の
目の前に現れたもんだ。そんときのおめえのツラは見ものだったぜ。
糞も小便も垂れ流しだったんだろ、ええ?
――臭せえ話はやめようぜ。
――いいとも。
――もうかくれんぼはゴメンだってことよ…
<…>
>>129 「毛の生えた拳銃」は観た?どっちかつーと、こっちの方が大好きなんだけど。
麿赤児と大久保鷹の台詞の応酬がいちいちバカバカしくて良いし、
妄想と現実が入り混じって時間の流れが乱れに乱れまくるのがたまらん。
「殺しの烙印」の時の具流八郎が、主に大和屋の脚本だったらしい
ことは有名なので、別段不思議でもないのかもしれないが、
「荒野の〜」は「殺しの〜」にクリソツ。ついでに女主人公らの
肌の露出度が高いことも(ただしポルノではない。この作品は)。
なんつーか、「新宿系」っつーの? アングラとジャズ喫茶文化
と往年の学生運動っぽいアナーキーさのハイブリッドなごたまぜ。
若松孝二一派の匂いがプンプンするね。なぜか照明には小栗康平
の名前も…
この作品見て思ったのは、ある意味、清順さんの弾け方は作品の
脚本家にも因るのかな、ということ。日活アクションの最後の作品と
「悲愁物語」が大和屋の脚本だったのに対して、「ツィゴイネル…」
と「陽炎座」は田中陽造だということ。「鈴木清順」にはいろいろな
水脈からさまざまな傾向が流れ込んできて出来上がっていると思うが、
「清順」という人は無味無臭、そのホンに合わせて姿を変えるカメレオン
みたいな人なのかもな、ということ。ちなみにわたしは大和屋系の方が
好きだけどね
135 :
129:02/05/11 02:38 ID:ariO2nz6
>>133 ごめん。
>毛の生えた拳銃
は、見てないや
「殺しの烙印」が曽根・陽造・大和屋の共同脚本であることは有名だけど、
その役割分担の詳細はそのうち二名が映画界から消えた今となっては不明。
でも、明らかにここはこいつにしか書けねえ、って箇所はある。
例えば、宍戸錠と南原宏治の奇妙な対話は恐らく大和屋。
ご飯の匂いに興奮するというのエピソードは、
画面に突然視覚以外の知覚が侵入してくるという意味で曽根の発案だと思う。
南広と大和屋の対決シーンなどは、トンネルを舞台にしているからいかにも陽造っぽい。
・・・などなど。誰かその辺を詳細に分析してくれないかな。
137 :
名無シネマさん:02/05/11 19:01 ID:f3Bj73Xe
今日の深夜1:45〜からNHK教育の「美と出会う」の再放送で
清順特集やるみたいです。
誰か見た人いる?
138 :
129:02/05/11 21:32 ID:rqzrJwNF
>>136 >南広と大和屋の対決シーンなどは、トンネルを舞台にしているからいかにも陽造っぽい。
さすが、ス、スルドイ…
>詳細に分析
というのは面白いと思うんだけど、いかんせん具体的な資料と本人たちに対する取材が…
大和屋には暴力へのセンスが… というか拳銃への偏愛を感じる。女に
対する侮蔑と逆ギレ的憎悪、いかにも男根中心主義的な、余計な感傷を廃した
ハードボイルドでありながら滑稽すれすれのコケ威かしなケレンの世界。
と、その中で動く操り人形のような男たち。それをベケットばりのナン
センスなダイアローグに、ボルヘスばりに時間軸が揺らめく複雑な劇構成
によって描く。大和屋がテクニシャンであることは間違いない。
田中陽造にはねっとりと絡みつくようなエロスが…。77年にロマンポルノで
「肉体の門」をリメイクした時はちゃんと脚本を担当してたから、きっと
大和屋よりはよりメジャー向けの感性を持っていたんだろうな…。今では
すっかり大御所に…
曽根中生にはクロストロフォビックな感性の中に、五感が開かれていく
エロスを…。「天使のはらわた・赤い教室」はさすがに戦慄を覚えた。降り
注ぐ雨と都会の汚濁。男と女の関係がこれほどまでに悲しいとは…
>>139 大和屋の場合、唐十郎を通してのベケット体験でしょうね・・・
麿と鷹が出てるから言うわけじゃないですが(w
一方の台詞や身振りがもう一方の反復でしかなく、
映画が進行すれば進行するほど、語られている内容や演じられている情感が雲散霧消する。
だから滑稽は滑稽なんですけど、砂を噛むような違和感が残るんですね。
男根中心主義の否認、というのはまさにその通りで、
「毛の生えた拳銃」なんてアンビバレンツなタイトル、同性愛的な戯れもそうですが、
殺害をギリギリまで忌避しようとする殺し屋という人物造型が最も典型的でしょう。
>>139 それと時間についての御指摘で思い出しましたが、
大島渚の「帰って来たヨッパライ」も破局の瞬間を延々と先送りするという意味で、
「毛の生えた拳銃」と似た構造をしていますね。
この二作品は同じ年(1968年・・・清順解雇の年)に撮られているのですが、
二人を同時期に同じテーマに赴かせた時代のうねりにも興味がそそられます。
142 :
139:02/05/12 01:11 ID:gbpU+TQA
>>140、141
やあ、どうも。時間軸の乱れについては『荒野のダッチワイフ』を
念頭において考えていたんですよ。この作品は、不動産屋に頼まれた殺し屋
の男が、組織の殺し屋4人組と対決する話なんですけど、翌日の
「午後三時」に決闘の約束をするんですよね、けど組織は男のところへ
淫売女を送り込んで、男はこの女と交渉を持ちながら夢かウツツか
分からぬ心境に陥って、一度は敵を撃ったと思ったところがそれは夢で、
きっかり午後三時には敵に撃たれて死んでしまうわけです。その間、男は
背広に着替えて、部屋の外へ出て行ったりしているのに実際には時間は
経過していないんですね。いったいこれは何だ、と。いくつもの時間の流れ
と、妄想と現実が入り乱れてどれが本当の時間・空間なのか、分からなく
なっているわけですね。それでラストシーンはまた冒頭のシーンに戻ってくると。
どうも大和屋の志向していた作劇術というのはこういう冒険的な構成の
作品だったようなのですが、大衆には受け入れられないでしょうねえ…『荒野の
ダッチワイフ』というタイトルの付け方自体も随分乱暴ですよね(笑)。
正直このタイトルのせいでかなり損をしていると思います、大和屋は。
“男根主義”というか、“男根”そのものに興味があったような気がしますね彼は。
けっしてホモというわけじゃないんですが、ホモってことで言えば『殺しの烙印』
の後半で、真理アンヌのアパートで一緒に共同生活を送るNo.3の宍戸と
No.1の南原宏治の関係は明らかにホモセクシュアルですよね。『荒野のダッチ
ワイフ』は『殺しの烙印』と同じ年、『ダッチワイフ』の方が四ヶ月ぐらい
遅れての公開ですから、大和屋は『烙印』でできなかったことを自前の
プロダクションで十全にやってみた、という感じですね… 第三者的にみると、
清順師はこういうワケのわからない悪いムシがくっ付いたせいで日活撮影所
を辞めさせられた、という見方もできるかと思います(笑)。
143 :
139:02/05/12 01:12 ID:gbpU+TQA
なんか、丁寧に書き過ぎですね、私。
>>142 でも、大和屋って清順が首になったという知らせを電話で聞いた時、
号泣してるんですよね・・・全く。てめえのせいだろが (w
・・・さて、男根そのものへの興味があったとしても、
それは常に銃のイメージとダブらせたりして異化されています。
逆に言えばその異化の身振りこそが大和屋の特質のような気がしますね。
要するにワンカットごとに違う映画に変化するような映画を、
大和屋は夢見ていたのではないかと思うのです。
そして、その夢は清順の夢でもないだろうかと・・・
ただ、それが亢進すると映画がバラバラに四散してしまうので、
いわば重しと言うか、かりそめの中心となるイメージ(=男根?)を導入していますね。
例えば、「荒野のダッチワイフ」ならば町外れにある木のイメージであるとか、
「悲愁物語」ならば垂直に移動し、銃を所有する弟・・・
ところでこの弟は、くだんの桜吹雪の挿話において対面する少女に向かって
この映画の要約を信じられないほどあっさりと語ってしまいます。
そしてさらに驚くべきことに、そのことを少女はとっくの昔から知っていたのです。
映画の人物でありながら、同時に映画を鳥瞰する位置にいる人物。
男根に先行し、男根を否認する人物・・・
蓮實が弟と少女の挿話に着目したのは、そう考えますと実に慧眼であったと思われます。
チャンネルNECOで特集してますな
146 :
139:02/05/12 13:34 ID:gbpU+TQA
>>144 …うーん、男根像の異化、というよりも男根そのもののような気がするん
ですよねぇ、大和屋の場合は。『ダッチワイフ』では「俺の真っ赤に燃えた
ダムダム弾が相手の体に喰らいついて・・・」云々など、あからさまに男根と
イメージをダブらせて語る台詞があります。その部分に関しては実に単純粗暴、
観客にダイレクトに分からせるような表現になっている。あまりに分かり易すぎて、
裏に何かあるんじゃないかと思わせるところはありますけどね。
大和屋が銃にこだわるのは、やはり男根対男根の戦いにこだわるから
ではないでしょうか? ま、その男根は『ダッチワイフ』冒頭の大木のように
いつか打ち倒されるんですけどね…「男根」は人間の持つ累乗された欲望や、
自己保存本能を示す突起物のようなものですね。 突起物を研ぎ澄まして
それを嬲り尽くすのが大和屋の目的じゃないかと思うんですよ。男根=欲望と
考えると、打ち倒される男根というのはほとんど神学的なモチーフだと思います。
『悲愁物語』に出てくる少年、あれは多分絶対オナニーしていると思います。
少女のことを考えながらだけでなく、自分の姉さんの事を考えながらね。
工場のお兄さんと一緒にモデルガンを作っていた、というのは少年とお兄さんが
最初から姉さんを陵辱しようという目的だったことを示していると思いますねぇ。
ここでも銃が出てきますが、これは少年の成熟しつつある幼い男根(だから"モデルガン")
をイメージしているんですな。だから江波杏子の夫妻に姉さんが犯されたとき、
純真とはかけ離れた自分の姉さんを自分の男根で撃つわけです。(笑)多分、
エレクトラとオレステースの神話が土台になっていると思うな・・・
147 :
名無シネマさん:02/05/12 14:49 ID:cla9W11l
あ、本当だ。今日チャンネルNECOで大正三部作の連続放映やってるね
148 :
名無シネマさん:02/05/12 23:40 ID:gbpU+TQA
ああ、大谷直子ってどことなく菊川怜に似ているような気がする・・・
あの丸顔が
顎が尖りぎみなところが似てるんじゃない?
>>146 男根と男根の対決というよりも、自らの鏡像に出会ってしまった男根の怯えというのを感じますね。
自分が何者かの模造であり、気付かぬうちに何者かに支配されていたことを知ってしまう恐怖。
そこから男根主義が導き出されているような気がします。
《僕は恐怖を何に感じるかといったらチンポの先に感じるんですよ》
《僕はまず、殺されることを思うんですよ》(対談「無頼と恐怖」での大和屋発言)
恐らく139さんは《男根への同一化→それが犯されることへの怯え》という道筋で大和屋作品を捉えておられ、
私は《本来的にあらゆる者に支配されているという妄想→男根主義》という道筋で捉えているというのでしょうが、
それは方向が逆なだけで同じ構造なのではないかと思います。
で、強引に清順に話を向けますと、
清順はそもそも映画の人物や事物、物語に同一性や独自性を与えることに
徹底して無頓着だったのではないかと思うのです。
《清順さんにシュールなんて言うと怒られますよ、映画がシュールなのは当然だと思ってるんだから》
そういう人物との遭遇のインパクトが大和屋をよりいっそう男根への執着に赴かせた・・・
というのは穿ち過ぎでしょうか?(とりとめのない長文、失礼します)
152 :
名無シネマさん:02/05/13 05:27 ID:T1aqZGbJ
>>150 きわめて怜悧な論理ですね、痛み入ります。
>清順はそもそも映画の人物や事物、物語に同一性や独自性を与えることに
>徹底して無頓着だったのではないかと思うのです。
…この部分ですけれども、清順氏が言葉の「男根」的な意味での“オリジナリティ”
というのを、徹底して無視というか度外視(するフリを)してきた経緯という
のには賛成です。清順氏には瞬間的な美の再発見というか、再認識にしか
興味がなかったのは異論のないところでしょう。そのオリジナリティ無視
の態度が、大和屋にいっそう大きなインパクトを与えたかどうかには
疑問もありますが、私が言いたかったのは大和屋がアイデンティティらしき
ものを託すのが「男根」だということですね。
…私は男根対男根の対決という言葉を使いましたが、
それは“恐怖”を前提にしているというよりも、ある種の“違和感”による
焦燥感のようなものだと思うんですよね。150さんは自己の鏡像と出会った
時に男根の感じる恐怖について仰っているわけですが、それは男根に自己を
ある程度投影していなければ起こり得ないはずなんですね。しかしですね、男根と
いうのは実はどれも同じような形をしているんですよね。
だからその男根に自己を同一化(投影)させる、という態度自体が倒錯している
ような気がしますね。大和屋が持ち出している“恐怖心”というのは
言い訳のような気がします。むしろ大和屋の抱いている矛盾(もし
そういうものがあったとして)は、なぜこのチンポはあのチンポと似ているのか、
ではなくて、なぜ俺はこのチンポに自己同一化するのか?、だと思います。
…知性でも、社会的地位でも、財力でも、容姿でもなく「男根」に
自己同一化することは誰にでもできることではないと思うんですよ。そこが
大和屋のヘンなところですね…(脈絡のない駄文になってしまってすみません)
〆⌒\
(c゜ 人゚З
.|゜ ゚。 ゚Ь
d゚。o 。|
(c ・∀・)
(つ旦ど)
と∴)∴)
 ̄  ̄
〆⌒\
(c゜ 人゚З ナニカイレータネ
.|゜#。゚。゚Ь
d゚。o 。| Λ_Λ
(c ・∀・) (´Д`∴)
(∵つ∴つ (∵つ つ
人∴ Y 人∴Y
じ(∴) じ(∴)
154 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/05/13 08:50 ID:G5aPPYcw
>>150 > 清順はそもそも映画の人物や事物、物語に同一性や独自性を与えることに
> 徹底して無頓着だったのではないかと思うのです。
独自性を与えることに無頓着って事はねーだろ。
どうやって毛色の違うのを作るか腐心しているように見えるぞ。
155 :
名無シネマさん:02/05/13 09:18 ID:G8Rj3LzV
見れないよん。
そんなの当たり前。別に清順に限らないだろ。
158 :
名無シネマさん:02/05/14 11:21 ID:Rxwu82FG
やはりこういう展開になったか… 悪ふざけしすぎた
…うーむ、私が思うに清順の場合、“オリジナリティ”と呼べるほどに
自己が持続的にフィルムに定着されるまえに、監督自身の瞬間的な関心の拡散・
移動のせいで「個性」が雲散霧消されてしまうという感じ。…あまりうまい説明じゃないな。
まあ「陽炎座」の冒頭で、大楠道代がいきなり「(お見舞いは)やめます」
とかと言い出す感覚に近いと思う
>>158 悪ふざけでいいでしょ。清順を真面目に語るなんて・・・阿呆らしい(w
ところで、阪神ファンの清順師。ごひいきの選手なんているんだろうか?
そもそもなんであれほどこちとら江戸っ子でえ、箱根より西の野郎はこっち来んじゃねえ、
なんていってる人が阪神のファンになったのかが不思議だが(w
160 :
名無シネマさん:02/05/15 23:55 ID:I1V+VrJ6
きゃああああああああ
161 :
名無シネマさん:02/05/18 23:55 ID:aIBGQT5l
>>158 頼む、オナニーは別でやってくれ!
非常に迷惑!
>>163 だから、早く突っ込まないからダラダラしたもんになったんでしょ。
これぐらいの論議、論破できるでしょうが簡単に。
165 :
名無シネマさん:02/05/27 01:40 ID:PFZYAKDL
6月にCATVで『花と怒涛』をやるらしい
166 :
まさーし:02/05/27 02:42 ID:/cm+Dlk5
『東京人』No.64の木村威夫のインタビュー
−(清順と初仕事の後)『関東無宿』、『花と怒涛』がすぐ続きますが、
『花と怒涛』の浅草は全部セットですね。
木村 最後のほうに小林旭が祭りの雑踏野中を女を探して歩く場面があるでしょ
う。あの路地を全部作ったんですよ。もうステージに一尺の余地もないくらい。
十二階も本当はホリゾントに建てるんですが、狭いから入り口のすぐ横に建て
ちゃった。でも今やったら何億ですよ、あのセット。
小林と川地の対決のバックに浅草十二階塔。
167 :
名無シネマさん:02/05/29 10:04 ID:Tk/Z3LmQ
そろそろ圧縮がありそう?
>>166 ああ、あれは全部セットなのかぁ。
木村威夫の作るセットは奇妙なものが多い。
「肉体の門」の闇市の部分もあれセットでしょ?外部がぜんぜん感じられない。
女たちが住みつく洞穴みたいな住居は礼拝堂のようでもあり、
野生動物が棲みつく巣のようでもある
168 :
名無シネマさん:02/06/02 02:07 ID:/oluVV7s
保守アゲ
169 :
名無シネマさん:02/06/05 13:15 ID:cTy8ebJq
うーむ、下がっちまったな。
『花と怒涛』・・・。舞台が東京・浅草から、新潟(庄内)に移る、と
いうのは『東京流れ者』を思い出させるし、元・渡世人が飯場に紛れ込んで
働いているが、いつしか正体がバレて追い出され、満州渡航を考える
というのはそのまま『刺青一代』でもある・・。ただ『刺青・・』の
高橋英樹は捕まるが、この夫婦はどうやら脱出できたらしい・・・(
あとで書き直されたものらしいが)。ラストで玉川伊佐男が
突然良い人になってしまうのも如何なものかと思うが、
鈴木清順映画のエッセンスの詰まった作品と言えるんだろうな・・・
浅草のセットはいかにも狭いゴチャゴチャした下町の路地裏、という感じ
が出ていてよかった。飲み屋の親父の高品格も雰囲気出てましたね。
馬賊芸者役の久保菜穂子がヤクザに仁義を立てるために背中を見せる、
というシーンが印象に残った…。ところで快傑ゾロか、怪盗ルパンみたい
な格好をした川地民夫は、一体ありゃなんだ?
170 :
まさーし:02/06/07 08:09 ID:3ZYkoNqV
川地民夫は『東京流れ者』でも清順のおもちゃ…
それから『東京〜』でも『花〜』でもジェラードのような雪は一体何?
清順関係ないけど、久保菜穂子は『女王蜂の怒り』での
シャワーシーンも印象に残った…。
171 :
名無シネマさん:02/06/07 08:33 ID:i6b96nWO
…川地民夫って、ホモなの?
久保菜穂子ってさぁー 眠狂四郎シリーズでは常連ですよね。
はすっ葉な姐御肌なんだけど、セクシー。
うるおぼえでスマソだが、この人いつも背中を見せて脱ぐと
そこには見事な大輪の華が・・・(女妖剣?)
172 :
名無シネマさん:02/06/07 10:22 ID:ZUmoU1LP
スレタイいいね。
殺しのスタイル/必殺のスタイル
173 :
名無シネマさん:02/06/11 10:52 ID:98uUvKPb
鈴木清順、何でか知らないけどやっぱり好きなんですよね〜
たとえ根腐れ作家主義・個人崇拝と言われても。黒澤・成瀬・小津に比べても
やっぱり好き。趣味が多少保守的か(笑
清順さんの、歌舞伎みたいに見栄を張る部分の演出とか
チープなアイデアなのに昇華させて何やら美しいものに変えてしまう術とか。
セット崩壊、なんて普通にやったら本当はドリフみたいになりますよね。でも
清順師がやると絵になる。あの一念発起の神通力みたいな念力のヒミツを知りたい。
174 :
名無し:02/06/13 19:40 ID:JVwDkl4Y
でピストルオペラってどうなの?
175 :
名無シネマさん:02/06/13 20:25 ID:Xza1/2P5
いいよ
176 :
まさーし:02/06/15 15:50 ID:IuC0Bg7O
興業成績はどうよ?
177 :
名無シネマさん:02/06/24 18:50 ID:WXi53niQ
age
衛星(?)で鈴木清順特集をやる「殺しの烙印」も上映って言ってたんだが、
これって、どこでやるんでしょうか?ご存知の方教えてください。
179 :
まさーし:02/07/20 13:11 ID:etolX26y
180 :
ななし:02/08/04 15:48 ID:LXbakMLG
181 :
名無シネマさん:02/08/12 02:39 ID:6jBKeMsz
「らぶれたあ」っちゅ−作品を見ました。サイコーでした(w
182 :
名無シネマさん:02/08/12 07:39 ID:MAnnpG42
誰かが「野獣の青春」をベストに挙げていたが同感。
特に、オープニングシーンが好きですね。色彩とスピード感。
ぜんぜん関係ないが、このオープンニングを見ると、なぜか
移動大好きの 「おぼろ駕籠」を思い出す。
183 :
名無シネマさん:02/08/19 21:35 ID:0f6Zfggr
184 :
名無シネマさん:02/08/21 23:35 ID:ipHoWAjL
こないだやっとピストルオペラ見たんだけど、
途中、江角のシーンで音消えてて
最後に「不適当な音声」で云々とかでてきたんだが、あれホントはなんて言ってたの?
185 :
名無シネマさん:02/08/22 20:06 ID:w6W3DC+j
えっ、DVDで?
186 :
ナナシネマー:02/08/23 10:08 ID:F5TvgV6E
>>184 映画館での話なら、場面を言わないと分からないぞ…
それから、映画館で二回見たけど、入れ替えてあるシーンがあるね。
187 :
名無シネマさん:02/08/23 10:24 ID:bTgJPREG
清順てCMよくでてたよね
190 :
184:02/08/27 22:42 ID:EV8LV0Hn
>>186 俺が見たのはレンタルビデオです。
終盤、橋の上で江角がなんか「百眼の目がない、見えない見えない〜」
(スゲーうろ覚えスマソ)とかどうとか言うシーンのチョット前辺り。
>>189 あー。。。ナルホド。
セリフからするとそんな感じのこと言ってたのかも。
>>190 レンタルビデオでは、「めくら」がカットされていて、
「不適当な音声」なんて曖昧なお詫びがしてあるの? なんじゃそりゃ?
192 :
名無シネマさん:02/09/18 13:13 ID:gM9IS2ul
あの、清順監督って
『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』と
初期のほうのTVシリーズのルパン三世もたしか監督かなんかやってますよね
なんでですかね?たしかに清順はアニメっぽいし内容的にもわからなくはないけど
でも清順な理由がわからないのですが
誰か知ってたら教えていただきたいです
193 :
名無シネマさん:02/09/18 13:18 ID:P4R8QXkP
清順ってすこし話題になったポワトリンの神様役やってたな・・・
妙にノリノリだったのが印象的だった。
194 :
名無シネマさん:02/09/18 13:19 ID:FPueLOEX
言葉狩りを最も熱心に推進してきたのは、
北朝鮮を擁護し続けてきた朝日新聞です。
195 :
ナナシネマー:02/09/18 16:38 ID:s0fiulTJ
>>192 大和屋がやってたから、お声がかかったんでしょ。
あまり収入がなかったから。まあ荒唐無稽にやれるからいいわな。
本人は、
アニメーションは全部虚構だから、
現実味を持たせるために、筋の方は整合性を考えないといけない。
実写の場合は絵に重みがあるから、筋は荒唐無稽でも平気。
アニメーションが荒唐無稽にやれるというのは知らない人の勘違い。
と言っていた。ピストルオペラの時にも、
ゴジラやったことある脚本家について「理屈づけが多すぎる」と言っていたな。
196 :
名無シネマさん:
『関東無宿』DVD発売記念age