★'40−50年代フィルム・ノワールを語る★

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1名無シネマさん
 一応、作っておきます。

この手のジャンルの作品について語る場がないのも不便なので・・・
2名無シネマさん ◆ZByGv7M6 :02/02/23 23:13 ID:T/jzhpRQ
2をこそっとゲット
3名無シネマさん:02/02/24 00:34 ID:OXnqJjOu
「フィルム・ノワールが観たい」スレ落ちたのか。
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/movie/1008606491
4名無シネマさん:02/02/24 00:38 ID:U2Ji5Z0P
最近、倉庫に行くのが早すぎると思います。分割賛成。
5名無シネマさん:02/02/24 01:17 ID:I2uHlC8s
 最近見たノワールもののレヴュー(by 暇人)

『死の接吻』、1947年。
 V.マチュアは見ての通り大根。フリッツ・ラングの『死刑執行人もまた死す』や、
ヘンリー・キングの西部劇に出ていたブライアン・ドンレヴィーはのっぺりした
二枚目で、コリーン・グレイの演技に関してはもはやコメントのしようがない。

 1995年のB.シュローダーのリメイクの元ネタ。リメイク作品はくそなので観る価値なし。

 ヘンリー・ハサウェイは前作(?)『Gメン対間諜』で、犯罪映画史上、初めて
セミ・ドキュメンタリータッチを導入した例として知られている。この作品でも
冒頭に「映画の舞台となった場所はすべて実在の場所で撮影した」というテロップがわざわざ流れる・・・

 R.ボルドとE.ショームトンの有名な定義によると「フィルム・ノワール」と
「クライム・ドキュメンタリー」は違うらしいが、この作品は如何なる理由で前者に入るのか・・・?
 何となくJ.ダッシンやE.カザンのこの頃の作品が、<フィルム・ノワール>とは違う、
というのは分かるのだが、職人監督H.ハサウェイの作品についてそんなカテゴリーは
どうでもいいような気がする。。。この作品もノワールもの、というより
現代のアクション・サスペンス映画の系列に連なる作品かな...という気もした。

 驚きなのは、R.ウィドマークがこの作品でデビューした事。
いつもヘラヘラ笑いながら、車椅子の老婆を階段の上から突き落すシーン(有名らしい)には
さすがに戦慄を覚えた。若い! この頃から彼はいかにもアクの強い個性派
悪役スターとして売っていたんだなぁ・・・と妙に納得。併せて『刑事マディガン』も見たらなんだか悲しくなった・・・
6名無シネマさん:02/02/24 11:57 ID:6Ub5kh1N
R・ウィ度マークって死んだ婆さんそっくりなんだよな…
7名無シネマさん:02/02/24 12:06 ID:SRDqmhor
>>5
あんた、最初から飛ばしすぎ。
マターリと語ればいいのよ、マターリと。

ところで「死の接吻」にはマットディロンとショーンヤングが出てくるやつもあったけど、
あれとは話がちがうのか?あれもサスペンスだったけど?
8名無シネマさん:02/02/24 12:15 ID:NaS8zEj3
>>5
えっ?『Gメン対間諜』が映画史上初のセミ・ドキュメンタリー・タッチの作品
なの?オレ、ダッシンの『裸の町』かと思っていたよ…。

それと関係ないけど、ブライアン・ドンレヴィは2枚目ではないでしょう(笑)。
小悪党を得意とした脇役だよ。主演はラングの『死刑執行人〜』とスタージェス
の『偉大なるマッギンティ』ぐらいだよ。あとは脇役ばっか(笑)。
『大平原』『バーバリ・コースト』『地獄への道』…とか、どれも悪役。

大好きな脇役さんです。
9名無シネマさん:02/02/24 15:51 ID:FXKn0DBT
a
10名無シネマさん:02/02/24 16:00 ID:FXKn0DBT
>>8さん

『Gメン対間諜』・・・ '45年
『裸の町』・・・ '48年

...だよ。それからB.ドンレヴィは「悪役顔」なんて言われているけど、
けっこうかっくいいと思う。まあ『死刑執行人〜』とこの作品の地方検事補役が
印象に残っているからかも知れないけど。
11:02/02/25 01:05 ID:25PGmEsl
>>7
M.ディロンの出てくる「死の接吻」は、原作が
アイラ・レヴィンのものでしょ?『ローズマリーの赤ちゃん』や
『デス・トラップ』も書いた、
12名無シネマさん:02/02/25 13:12 ID:BoHduLrq

バーベット・シュローダーって、
金持ちで映画狂で、ヌーヴェル・ヴァーグの連中に制作費を
出してやっていたそうだな。評論も書いていたし、それで古い映画のリメイクを考えたのかもしれん
13名無シネマさん:02/02/25 20:26 ID:olhURf3s
ろーらさつじんじけんあげ
14名無シネマさん:02/02/25 21:02 ID:bgCmP2ZP
 『ローラ殺人事件』・・・ いい! イイ!! モー最高!!!

...プレミンガーの作品でも物凄く初期の作品だよね
フィルム・ノワールの作品としても最上の部類じゃないか・・・?
プロットは複雑に入り組んでいて、登場人物は誰一人として
本当のことは語らず、観客は観ていて何が本当で何が嘘なのか、
さっぱり分からなくなる...
 しまいに観客は本当にでんぐり返しを喰らわされ、
あっけに取られているうちに急展開して、謎が解け終了。
この小気味よさがよかったな。
ダナ・アンドリューズはこの作品では最高の仕事をしているのではないか...?
ジーン・ティアニーは、いつも濡れたような睫毛に、潤んだ瞳を湛えて最高に美しかった!!!(私のお気に入り)

なおこの作品ではヴィンセント・プライスが、いつになくシリアスなドラマをやっていて、
その存在感と演技がすごく不気味だった、、、
15名無シネマさん:02/02/26 02:40 ID:UPhf9Viv
この映画では、D・ラクシンの作曲した美しいテーマ曲「ローラ」が
アカデミー音楽賞を受賞しているね。
後にジョニー・マーサーが歌詞を付け、ジャズスタンダードとして
現在もしばしば歌われている。
16名無シネマさん:02/02/26 02:51 ID:lDaXTfin
>>15
当然、西城秀樹の「傷だらけの〜」とは違いますよね。(って、ごめんなさい、
ただ言って見たかっただけなんです...)
17名無シネマさん:02/02/26 03:34 ID:JVrBsfY0
「ローラ殺人事件」、良いね。俺もヴィンセント・プライス好きね。
>>14、アンタチト熱く語り過ぎね。>>5と同一人物じゃないか?

フィルム・ノワールにはテーマ音楽も欠かせないだろう。
1940年代のワーナー映画では、マックス・スタイナーが音楽担当の
ことが多い。「風と共に去りぬ」のテーマを作曲した人物だ。
例を挙げれば「三つ数えろ」のテーマ曲が彼の作だが、
あのデタラメな筋にも構わずカコイイ雰囲気だけで押し切った怪作に
ふさわしい、ハミングするにも記憶困難な怪メロディだった。
この映画に限らず、当時のフィルム・ノワールのサントラは入手困難。
ビデオからピックアップして録るしかなさそうだ。
オーケストラ演奏をバックにモノクロ画面のタイトルロールで
始まるフィルム・ノワールってエレガントだと思うが、どうか?
18名無シネマさん:02/02/26 10:33 ID:nhL+Bi/8
はくねつあげ
19名無シネマさん:02/02/26 11:05 ID:3Pui7E21
あがってるの見たいけどビデオ屋に置いてないだろうな
20名無シネマさん:02/02/26 11:17 ID:tW7vKZNx
>>14はとっても味があって出来損ないのハスミンみたいで面白いのだが…、

ヴンセント・プライスはシリアスな演技の方が多いよ。「赤死病の仮面」とか
「蝿男の恐怖」とかね。
「赤死病の仮面」をただのB級ホラーとか言っているような奴はダメだと思う。
記憶を頼りに書いているんだけどユーモラスな役といったら「忍者と悪女」と
あと数本あるかないかじゃない?「いつになく」ってのはプライスに失礼だ。

ノワールっていったら「孤独な場所で」とか「深夜の告白」はどうよ。

21名無シネマさん:02/02/26 11:18 ID:qvN6HV8E
他人のいえあげ
225、14その他:02/02/26 11:37 ID:Oqa4IYrF
 マックス・シュタイナーが映画音楽のスタイルを
確立した、偉大な映画音楽作家だということは認めるが、
<フィルム・ノワール>を代表する映画音楽家だとは
到底言えないんじゃないのかね? 彼はあらゆるジャンル
を手掛けているからね。彼がRKOに居た時に知り合った
セルズニックの紹介でワーナーに移ったわけで、その関係
で『風と共に去りぬ』の音楽を担当したんだよ。

『男の敵』ではすでにフォードと組んでオスカーもらっているし、
ホークスとは『ヨーク軍曹』ですでに一緒に仕事をしているからね。
 つまり、彼はスタジオ・システムの中で働いていた極めて
優秀な音楽家だった、ということだよ。

>オーケストラ演奏をバックにモノクロ画面のタイトルロールで
>始まるフィルム・ノワールってエレガントだと思うが、どうか?

って、当たり前じゃない? 別に「モノクロ画面」である必要はないけど。

はぁー、ところで私はもう疲れた。『白熱』のレヴューは誰かやってください。
あの映画の、最後のコーディ・ジャレットの科白ってよく聴き取れないんだけど
“Top of the world! Mama!! ”であっているんだろうか...
235、14その他:02/02/26 11:52 ID:Oqa4IYrF
>>20
「出来損ないのハスミン」......か(泣。

...まあいいや。私が「いつになく」と言ったのは
「赤死病の仮面」といい、「蝿男の恐怖」といい、
ヴィンセント・プライスの演技は見ていて、プププと笑って
しまうようなところがある、ということ。たとえ彼が
大真面目な顔をしていたとしてもね。逆に『ローラ・・・』では
そういうヒューモアがなくて、本人は生真面目に、ただ無心に演じているの
だろうけど、観客にしてみればうさん臭く、不気味に思えた、
ということでーーす。

『深夜の告白』に関しては、いつかレヴューを書くよ。
24名無シネマさん:02/02/26 12:04 ID:pExEhe1b
>22
マックス・スタイナーはRKO、ワーナーの「音楽部部長」だったから
実質自分が100%仕事してなくても、代表でクレジットされてんだよ。
面白いのは「カサブランカ」。これフォードの「肉弾鬼中隊」と
全く同じ曲使ってる。自作のパクリというより、流れ作業でじゃん
じゃんやってるのが、ハッキリわかる。
25名無シネマさん:02/02/26 12:11 ID:Oqa4IYrF
>>24
なるほど。
26名無シネマさん:02/02/26 16:36 ID:vi26hzyp
5、14、あんた、一々引っかかる物言いをするなあ。
まあ漏れの揶揄が先だからそれは詫びるし、あんたの知識には敬意を表する。
漏れは当時の映画音楽作家の中では、スタイナーよりもヴィクター・ヤング
が好きだ。ヤングは40年代、RKO所属だっけ?

ところで漏れも>>5も、事によると>>20も、勘違いしてなかったか?
「ローラ殺人事件」でワルデッカーを演じたのは、
プライスじゃなくて、クリフトン・ウェッブだった!
キザな中年紳士風で印象が似てるんで、漏れもつい混同してたよ。
リン・ベルベディアを思い出して気付いた。修正しとく。
>>5の「深夜の告白」のレビューを楽しみにしてるぞ。
27名無シネマさん:02/02/26 16:59 ID:VolPUx7f
>>14

プレミンジャーの最初の作品だよ。

そもそも『ローラ殺人事件』の企画は、当時プロデューサーであったプレミンジャー
が熱烈に推進していた企画。本人としては、監督をやりたがっていたのだが、当時の
制作部長ザナックは、プレミンジャーをあまり買ってなくて、代わりにルーベン・マ
ムーリアンに監督させた。
ところが、マムーリアンの演出部分にザナックがダメ出し、仕方なくプレミンジャー
に監督させたというわけ。ちなみにブロードウェイ役者であったウェッブの出演を
実現させたのはプレミンジャーの功績。ウェッブの初映画出演作でもある。

……というようなことを以前、洋書で読んだ事がある。記憶違いがあったらゴメンね。
28名無シネマさん:02/02/26 17:07 ID:VolPUx7f
>>14

ゴメン。大ウソ書いちゃった。
プレミンジャーはそれまでに4本も撮ってたわ(笑)。最初の作品じゃないよ。
記憶だけで書いてスマソ!
29名無シネマさん:02/02/26 23:11 ID:Vk9ReYes

いつのまにかこのスレ、情報レベルではめちゃめちゃレベル高くなっているなぁ...
こうなると、ウカツなことは書けないね。

>>26
気を悪くしたらゴメンなさい。相手が見えないのでつい語勢が荒くなってしまったようで...
そうです。あなたの言う通り、「ローラ〜」でカギとなる人物(この意味分かりますよね)、
ライデッカー(だと思うんだけど)を演じていたのはC.ウェッブです。
華奢で気取った紳士の、狂言廻しみたいな役で嫌味な冗談を言ったりする人物です。
しかしこれに対して、最初にローラの“婚約者”として登場してくる人物がいるのですが、
それがまだ若い頃のヴィンセント・プライスなんですね(まだ脇役です)。
今調べてみたらデビューからまだ数年しか経っていないようです...
このあとジーン・ティアニーとはなぜか「哀愁の湖」、「呪われた城」と三本連続して共演作が続いております。
大柄な体格で、C.ウェッブをなぎ倒すのではないかと恐れられる青年の役ですね。。
どうもホラー映画への出演は、プライスのキャリアの後半になってからのようです。
ちなみに彼はF.ラングの「口紅殺人事件」にも出てますね、脇役で。

と、いうわけで、どこかでテクニカラーの『哀愁の湖』観られないかな・・・
 
30名無シネマさん:02/02/26 23:14 ID:Vk9ReYes
ああ、ごめんなさい、>>29は5、14を書いた者です
31名無シネマさん:02/02/27 01:41 ID:Y9KMcgVr
あすふぁると・じゃんぐるあげ
32名無シネマさん:02/02/27 05:54 ID:2Tf/XpfI
>>29
そうだそうだ、確か役名はワルドー・ライデッカーだったっけ? 間違ってた。
ヴェラ・キャスパリの書いたハヤカワポケミス版の原作がどこかに
あった筈だから後でチェックしとこう。古い訳でめちゃくちゃな訳文だったが、
映画の方がうまくコンデンスされていて面白かったな。
こちらこそよろしく。あ、>>26です。
33名無シネマさん:02/02/27 11:19 ID:2Tf/XpfI
早起き早仕事、早めの昼休みだ。一っ走り書き込む。
「ローラ殺人事件」、朝飯前に原作読み直してみた。一言で言うと、
ゴシックとハーレクインのどっちつかずだ。女性向けの超甘口メロドラ。
やっぱり映画の方が出来がいいし、原作は今の時代だと読んでて辛いよ。
プライス、そうでした。一見怪しい婚約者の役だったよね。
漏れはあの映画を、C・ウェッブのキザっぷりと「あの」ローラの肖像画
(実は写真に色を塗ったとか)で強烈に記憶している。主役の印象は薄い。
ジーン・ティアニーは、自分の肖像画に負けてた気がする。
>>15が言ってるテーマ曲の「ローラ」、後付けの歌詞も映画のストーリーを
踏まえたロマンティックなものだった。漏れもジュリー・ロンドンのCDで
よく聞いてるけど、とてもいい歌だよ。ジャズ板で尋ねればわかると思う。
ちなみに、ヒデキのアレとは関係ない(当たり前だ)
>>5氏、「呪われた城」は「呪いの家」とは別の映画だっけ?
テーマ曲つながりで気になってるんだけど。怪奇物はRKOのお家芸だったね。
(どっちかから、V・ヤング作曲の名歌「星影のステラ」が出た記憶が)
最後に、はいしえらあげ(藁
これいつの間にかお約束化したな。
3426:02/02/27 11:23 ID:2Tf/XpfI
ばかー、>>26をわすれてる。逝ってきます!
3514:02/02/27 13:40 ID:4BTZti3h
>26
 あなたタフですねー 私は遅寝・遅起きで、だらしない生活を送っております。
『ローラ殺人事件』の原作小説が翻訳されているとは知らなかった。不勉強ですみません。
『呪われた城』っちゅうのは、もちろん『呪いの家』とは違う映画で、
マンキーウィッツが一番最初に監督した作品です。
 残念ながら私もスティール写真でしか見たことはありません(アメリカでもヴィデオ化されてないらしい)。
ちょっと「ジェイン・エア」に似た話らしいです。同じマンキーウィッツ&ティアニーの
『幽霊と未亡人』の方なら見ているんですけどねー。

「星影のステラ」は間違いなく、『呪いの家』からですね。
 けど我々の世代だと、ずーっとあとの『悪魔の棲む家』で同じ曲が使われていたの
が印象的なんですけど。うちにもパーシーフェイス楽団によるレコードがありますよ。

 私、G.ティアニーという女優さんは割りと好きで、「天国は待ってくれる」、
「タバコ・ロード」、「剃刀の刃」とかは見ているんですが、これ(「呪われた城」)は見てないんですよねー

 肖像画といえば、F.ラングの「飾窓の女」を思い出します。あのエンディングには
私も驚きましたけど、あれはラングが後から付け加えたものなんですか?
なんか原作にはなかった結末らしいですけど。
36名無シネマさん:02/02/27 17:17 ID:bA2klVRW
「飾窓の女」「ローラ殺人事件」
ともにハヤカワ・ポケット・ミステリから出てた。
両方とも2年位前に復刊されたので、あるところにはまだあるでしょう。
あたりまえか・・・
アメリカのポケットブックのような形で、紙のところが黄色くなってる本。
37名無シネマさん:02/02/28 02:02 ID:EtBoOHCl
あげとくか。
38名無シネマさん:02/02/28 14:53 ID:b+6m6xm6

エドワード・ドミトリクの『欲望の果て』(“Murder, my sweet”)
のビデオを借りてきて、何度も観てみた。
しかしよく出来てるなー、この映画。

「大鹿マロイ」も出て来て、なんか楽しい。けどちょっと、
原作とは違っているのかな?ずい分前に読んで、ストーリーは忘れた。
3926:02/02/28 19:17 ID:h9CsK5vx
>>38
同じ『さらば愛しき女よ』なら、時代が新しくなるけど、
75年のディック・リチャーズ版も良かったね。これもラスト近くは
だいぶ端折ってるけど、その端折り方が実に上手だった。
マーロウ役のR・ミッチャム、C・ランプリングのグレイル夫人、
ジャック・オハロランの大鹿マロイ(原作読んだ時のイメージそっくり!)。
三人揃って、よくもこれだけ濃ゆいはまり役を充てたものだと感心する。
チンピラ役で下積み時代のシルベスター・スタローンが出てるのは有名な話。
4038:02/02/28 23:19 ID:OXuqWDqE
>>39
いやあ、理解者がいるというのは嬉しいもんですね。

ドミトリク版の、マーロウ=ディック・パウエルもなかなかのハマリ役でしたよ。
クレア・トレヴァー(「駅馬車」)はいつものように勝気で、癇の高ぶったような女性で。
マロイ役の俳優、マイク・マズルキは元・レスラーで、J.ダッシンの『街の野獣』の中で
リチャード・ウィドマーク演ずるハリーを殺すために差し向けられる殺し屋の
役をやっていたんですな。以前TVで見たときには気付かなかったですが。

...一つ疑問があるのですが、映画の中では(あくまでドミトリク版ですが)、
マロイが探していた女(ヴェルマ)は、夫のグレイルによって射殺されるんですが、
小説の中では、マロイを殺してどこかへ行方をくらました後、酒場で警官に見つかって
警官を撃ったあと自殺するんですよね? 小説の中では最後まで夫のグレイル氏を愛している
ように描かれているのに、映画では相当のワルのように描かれているんですな。
映画ではグレイル氏は大活躍で、マーロウを撃とうとした彼女をそのマーロウを庇って
撃ってしまうんです。変だと思いませんか?

 まあ映画と原作小説とは大分違いますから、別にいいですけど。
あ、あと映画では小説のアン・リアードンという人物が、グレイルの実の娘
ということになっているんですけど、これって小説でもそういう設定でしたっけ?
ところでこの人物は映画ではとても魅力的に描かれております。役を演じた
アン・シャーリイがなかなかカワユい。
4138:02/03/01 00:05 ID:VMbQsPYo
E.ドミトリクの演出は、『十字砲火』の時もそうだったけれども
非常に工夫されていて見所がたくさんある。
特に「不安」を感じさせる表現をさせるとこの監督はピカ一なのではないか?

作中、三回はマーロウは殴られて気を失うのだが、
2回目のアムサーの家で強制隔離されて、薬物を打たれるシーン。
意識が朦朧とした中で見るマーロウの幻覚のイメージは、
後に作られる他の各種の幻覚シーンを先取りしたような“シュール”な
イメージになっていて、先見性を感じさせる。

アルフレッド・ヒッチコックの『白い恐怖』は翌年の'45年
公開になっているが、このときの「夢」のイメージは、
やはりこの映画の幻覚シーンに触発されて(あるいは当時の流行に
乗って?)作られたものなのだろうか?
42名無シネマさん:02/03/01 00:57 ID:AYWzUU8c
正直こんだけ為になるスレは自分初めてです。
43名無シネマさん:02/03/01 08:16 ID:LIs5sI+J
書き込みたい気もあるんだけど、
「フィルム・ノワール」の定義・範囲はどーなってるの?
古いフランスの犯罪映画、暗黒映画とも言うのかな?だと思ってきたんだけど。

ヒッチのは幻覚に意味を持たせてるから、ちょっと違うと思うんですけど。
触発されてというのとは。
44名無シネマさん:02/03/01 13:08 ID:3HUF9jEP

今、ちょっと時間がないので。
あとで、また何か書きやしょう。
45名無シネマさん:02/03/01 20:30 ID:TbXMnra2
 ようやく復帰。
>>43
 必ずそのテの疑問は出てくるとは思いましたが、
以前にもそれに類する議論はありました。皆さんはそれが≪キモ≫のような
質問のごとく思っていらっしゃるようだけれど、私には正直まったく不毛な議論のように思われましたので、
少し説明させていただきます。<フィルム・ノワール>の語は一般には広範囲に使われております。
少なくとも、<フィルム・ノワール>には二種類の用法があります。
一つは一般名詞として、もう一つは固有名詞としての用法です。

 一般名詞としての用法は、フランス語で「セリ・ノワール(黒双書)」という
のと同じ使われ方をします。これは1945年以来フランスのガリマール社が刊行している
黒い表紙のミステリーものの叢書の総称です(フランスにはもうひとつ『マスク』という
ミステリの叢書があります)。ここからジェームズ・M.ケインや、ダシェル・ハメット
などの翻訳が出版されていました。(もちろん、この叢書はその後A.シモナンや
ルブルトンといったフランス人作家も輩出するようになります。)
そしてこの叢書の名前から、≪ミステリー=ノワールもの≫という方程式ができます。
(「ロマン・ノワール」という語の用法などは一般的にこれに当たりますね)

 だがしかし、<フィルム・ノワール>という語はもっと特殊な出自を持っています。
第二次大戦の戦中・戦後直後にかけて、ハリウッドではある種の傾向をもった
一群の作品が一時流行します。この「ある種の傾向」というのの定義が難しいのですが、
これを指して、フランスの映画評論家ニーノ・フランクが「フィルム・ノワール」
と呼んだことにその名称の由来があります。その後レーモン・ボルドとエティエンヌ・
ショームトンという二人の評論家が『アメリカのフィルム・ノワール展望』という本
を出版して、<フィルム・ノワール>というジャンルの定義を試みています。
 つまり映画の世界におけるこの語の用法は、ある一定の期間に「ハリウッドで」制作された、
ある種の傾向を持つ作品、ということになるんですね。だからといってこの定義を
一般に押し付けようという気はさらさらありませんが。
 ここら辺の事情を誤解されるといけないので、スレッドのタイトルには「'40−50年代の……」
という「但し書き」をわざわざ付けておいたのです。ですからこのスレは
一応アメリカ映画のスレッドです。

 詳しくはE/Mブックス「フィルム・ノワールの光と影」(エスクァイヤ・マガジン)をどうぞ。

わたしの稚拙な説明よりも、もっと詳しいインフォメーションが得られますよ。
46名無シネマさん:02/03/01 20:32 ID:TbXMnra2


ついでに。フランスでは「セリ・ノワール」叢書が発刊される前に、
ミステリ(当然、英米の)愛好者の間では、≪ミニュイ≫叢書
というシリーズが出ていた(1941年〜)。これにはレオ・マレなども
含まれてたが、実はすべてアングロ・サクソン風に名前を変えた
純粋なフランス人作家たち(!)が書いていた!。

またフランス映画の代表的なギャングもの、『現金に手を出すな』の
原作(アルベール・シモナン)が刊行されたのが1953年(映画も同年制作)。
ルブルトンの『男の争い』(後にJ.ダッシンによって映画化)も同じ年に
ガリマールの「セリ・ノワール」から刊行されている。

 一方、ダシェル・ハメットの処女長編作『血の収穫』がアメリカで
出版されたのが1929年(大恐慌の年)。『マルタの鷹』が出版された
のが翌年の1930年。チャンドラーによる第一作『大いなる眠り』は
もちろん1939年。つまり、フランス人がフランス固有のミステリ=
「ロマン・ノワール」を手にしたのは、英米に比べてじぇんじぇん
遅かったのですな。その間、フランスのミステリ好きは、英米の作品を
むさぼるように読んで予行演習していたわけなのです。なので、1946年に
フランス人が映画を指して、<フィルム・ノワール>と呼んだ時、
それがハリウッド映画であったのは実に当然のことだったのです....
47名無シネマさん:02/03/02 13:07 ID:e3BwbvKZ

大サービスでこれも書いておこう。初期ロマン=ノワールの三羽鴉と
言われた、シモナンとルブルトンのもう一人の片割れ、J.ジョヴァンニ(!)
の処女作、『穴』が出るのはずっと時代が下って1957年のこと。
「セリ・ノワール」叢書からではないが、ガリマール書店からである。
ベッケルがこの作品を映画化した時(1960年)、ジョヴァンニに
アドヴァイザーとして応援を頼みそのままジョヴァンニは映画界に居付いてしまった。

ジョヴァンニが'60年に書いた小説、“Les aventuriers”は
ご存知のとおり1967年にR.アンリコによって映画化された(『冒険者たち』)。
が、しかしジョヴァンニはアンリコ作品が気に入らなかったらしく(?)、
すかさず自分でもメガフォンを取って『生き残った者の掟(La loi du survivant)』
というタイトルで小説を映画化した。これがジョヴァンニの最初の映画監督作品になったとさ。

なお、河出文庫の解説で内藤陳が触れているように小説『生き残った者の掟』
(仏語原題はいつも“Les aventuriers”)には、盟友・A.ルブルトンと同じ
名の人物が登場してくる。
48名無シネマさん:02/03/03 04:02 ID:r7Z+dYLi
すいません。あげさせてください。
49私の映画日記:02/03/03 11:07 ID:detphEeR
はい。みなさん、お元気ですかー。サイコーですかー
ますます隔離スレの様相を呈してきているこのスレ。
それでも私は私の関心が薄れるまで続けるゾ。

さて話は戻って>>35、何故F.ラングは『飾窓の女』をあのような形で終わらせたのか、
という件についてですが、原作ではあの主人公は殺人罪で逮捕されて、死刑になるんですね。
F.ラングはその結末を拒否して、映画のように○オチでカタを付けようとします。
実際に映画を見れば、一応結末に向けて幾つか布石が置かれていて、決して取って付けた
ようなエンディングではないのですが、それでも少し居心地の悪いオチですな。

F.ラング自身は、原作の終り方を「論理的な」終り方「敗北主義的な」終り方
と呼んで、そんな無益な「否定的な解決」の仕方でこのような悲劇を
終わらせるべきではないと断言しております。しかし考えてみると、
もともとこの映画の出発点が「肖像画の女性が実際に目の前に現れる」という
夢幻的なオープニングから始まるものなわけで、それを再度「それは夢だった」
とオチをつけることはその方がよほど「論理的」なのではないかと思われるのです....

したがって、私はF.ラングはあの映画のエンディングで致命的なミスを
犯していると考えます。F.ラングはドイツ時代、『ジーグフリート』シリーズや
『メトロポリス』など、いわゆる表現主義の現実を歪めた様式の映画を
撮っていました。この映画もせっかくあのような始まりを持っておきながら
最後に夢だとバラすことによって途中経過をいかにも散文的で現実主義的なもの
のように印象付けてしまうのは下手なやり方です。
せっかく夢幻的な出発点があるのですから、それを続けて全編すべて
夢幻的な作品に仕上げればよかったんですね。「" 現実 "と" 夢幻 "の境界が
曖昧になること」も、<フィルム・ノワール>の特徴のひとつであるとすれば、
そうすればよかったのです。ハリウッド時代に於ける夢幻的な作品は『ムーン・フリート』
ぐらいなものじゃないですか?『飾窓の女』も、あのようにすれば良かったのです。
50名無シネマさん:02/03/03 19:59 ID:H+9Jdww4
50ゲト。
51私の映画日記:02/03/03 20:16 ID:H+9Jdww4

正直、こんな所に書き込んでいるよりも、
映画を見ている方がよほど有意義なような気がしてきた...

今日観たノワールものの作品。
ドン・シーゲルの最初期の2作。『仮面の報酬』(1949年)
と『暗黒の鉄格子』(1953年)。D.シーゲルは計40年近くも
映画監督をしていたのだからすごい。

前者はロバート・ミッチャム主演でメキシコが舞台なのだが、
ただの型どおりのプログラム・ピクチャーで、
この時期『過去を逃れて』だの『月下の銃声』だのといった傑作群に
出演し、ミッチャムのキャリアとしては前半のピークの時期のはずなのに、
この作品はエラくしょぼい。(汗
共演のウィリアムベンディクスはヒッチコック作品や、W.ワイラーの
『探偵物語』にK.ダグラスの同僚として出ていた人か。

シーゲルという人が、いかにB-picture から出発した人かがよく分かる一本。
52私の映画日記:02/03/03 20:17 ID:H+9Jdww4

一方、

『暗黒の鉄格子』は撮影がジェームズ・アルトン。
ありがちだが、牢獄の鉄格子の影が、廊下に長く延びたり
人物の顔にデコボコに映ったりするのは見事だ...

主演はテレサ・ライトとマクドナルド・ケリー。
特に不安に慄く演技をさせるとテレサ・ライトは抜群にうまい。
この数年の間にD.シーゲルが演出の技術をめきめきと
向上させたことが窺える作品。
変質者の殺人鬼や、その色情狂のようなイカレた女の連れあいなど、
その後の作品を彷彿とさせるアイテムもすでに出てきている。

なおマクドナルド・ケリーはヒッチコックの『疑惑の影』の
刑事役の役者さんなので、テレサ・ライトとは二度目の共演となるだろう
(いや、もっとかな?)。
53私の映画日記:02/03/03 20:41 ID:H+9Jdww4
ま、正確にはD.シーゲルはB級活劇の人なので、<フィルム・ノワール>とは言えないのかもな、昔から。。。
たとえ『ボディ・スナッチャー』にしてもね。

強いていえば、『暗黒の鉄格子』は...
けど、あんまり面白くないのね。ただ資料的な意味としてだけでね
54名無シネマさん:02/03/04 19:20 ID:eiHPWvib
あげげ
55名無シネマさん:02/03/05 02:13 ID:q4qM5xOp

現在、一人で勝手にロパート・ワイズ(初期)映画祭を敢行中・・・

上映作品。
『生まれながらの殺し屋』
『月下の銃声』
『罠』
『地球が静止する日』....
56名無シネマさん:02/03/05 08:17 ID:eMwoqUtf
↑ 一人で勝手にやるな!俺にも見せろ、見せてくれ、見させてください・・・
57名無シネマさん:02/03/05 20:43 ID:hLxHtQXR

 いやあ〜 『罠』は面白いニャー。結構悲痛な話なんですけどね。モーパッサンか、
O.ヘンリーみたいな。けどあんなに面白い映画はちょっと他にはないんじゃないか??
八百長試合とは知らずに、最後のチャンスを賭けてリングに立つ老年ボクサー、ロバート・ライアン。
アメリカの貧困層を扱ったリアリズム小説みたいなところがありますねえ。あと『街の野獣』みたいな
<スポーツ・マネジメント>ものというか。
いつも思うんですけど、ロバート・ライアンって巨漢ですよね。パッと見、ウドの大木みたいな。
あのデカい肩越しに男の哀愁を感じるのね、観客は。リー・マーヴィンよりロバート・ライアンかな、
私は。
試合の後、ライアンが奥さんのいるはずのホテルの部屋の明かりを見上げて、ほっと安堵の
表情を見せた瞬間、彼の目の前に現れる黒いチンピラどもの影・・・、というシーンが好きでした。


『生まれながらの殺し屋』っていうのもちょっと面白いんだけど、こちらは精神異常者
(サイコパス)同士が自分たちの気狂い度を競い合うような作品。相変わらずC.トレヴァー
が癇に響くような頭の固い女性の役で出ています。単なる犯罪ものになっていないのが
ミソかな。

ロバート・ワイズって確かに上手くってその上、実験精神もあるんだけど(『罠』における
時間経過とか)、どこか“熱狂”に欠けていて作りが平板になり易いのね。そのいい例が
『私は死にたくない』。あれはドラマが平板になってて面白くない。しかもいたずらに長いし。
58名無シネマさん:02/03/06 03:54 ID:uEkxo9VL
なんか、フィルム・ノワールっちゅうよりあの時代の
B級C級のアメリカ映画を語るスレになってきた気が……
59名無シネマさん:02/03/06 13:22 ID:rQqcxxnl
 ええーっ!! ロバート・ワイズの『月下の銃声』などは、
フィルム・ノワール(FN)の傑作ですよ! 京大の
加藤幹郎先生もお墨付きです。
たしかに「地球の静止する日」はB級SFなんですけどね。
それがR.ワイズの持つ、もう一つの顔です。

…てか、私は「三つ数えろ」だの「マルタの鷹」だののメジャー作品には
あまり興味ないもんで...モチ重要なんですが。すみません。
60名無シネマさん:02/03/07 09:43 ID:HRfv92M/
「私は死にたくない」あげ。
61名無シネマさん:02/03/07 14:39 ID:SG7ZzA7n
>>60
ジョニー・マンデルのジャジーなテーマ曲が好きだ。
スーザン・ヘイワードの狂ったような熱演が強烈だった。
この映画、実話が元らしいね。
62名無シネマさん:02/03/07 18:38 ID:2I9zHzsw
>>59
このスレ、FNでもメジャーな作品はあんまし出てコナイ。
ならそれはそれでもっとディープな話題に流れるをキボンヌ。
その方が読んでてもオモシロイ。このスレの常連は話題も知識も濃いらしいから。
ミナサーン、どっからVTRソフト手に入れたんスか? まさか本国版の字幕レス!?

カルトなとこで、チャールズ・ロートンの『狩人の夜』なんかいかがデショ?
リリアン・ギッシュおばーちゃんはカコヨクてステキ!でしたヨ。
63名無シネマさん:02/03/07 19:09 ID:I4ZiNM2Y
50年代のフィルムノワールの代名詞(?)アルドリッチ監督作品の「キッスで殺せ」をどうしても見たいんですが、これってビデオ化されてるんですか?見た感想やリバイバルの上映なども含めて情報ください。
64名無シネマさん:02/03/07 19:14 ID:P44n5YHS
>>63

一昨年だったか、シネセゾン渋谷で、『キッスで殺せ 完全版』がリバイバル
上映されたよ。その後、WOWOWで2度ほど放映もされた。でも、日本版ビデオ
は未発売。
アメリカでは、ビデオとDVDが出ているよ。
65名無シネマさん:02/03/08 08:59 ID:WgzUzqA+
66名無シネマさん:02/03/08 13:55 ID:fQlc/l28
おーもっとみなさん情報ください。

>>61
あの音楽のせいで、全編ジャズのリズムというか反抗精神が漲っていて
スーザン・ヘイワードの演技もノッていたと思う。これで彼女は'58年のオスカーを受賞。
けど普段の彼女はそんな激しい演技をする人じゃないと思うんだけどね?

>>62
今までのはネタ振りですよ。誰かがディープな話をしてくれればいいんですがね...
67名無シネマさん:02/03/08 17:55 ID:mdfGNQPz
んじゃ、めじゃーになるけどげんなまにからだをはれあげ
68名無シネマさん:02/03/08 22:56 ID:yb1KB7O9
覗いてみたけど、このスレはディープだな。
俺的には幻の傑作「GUN CRAZY(拳銃魔)」が観たいんだけどなぁ。
69名無シネマさん:02/03/09 01:15 ID:21QvrSTY

 ・・・ひさびさにゴダールの『メイド・イン・USA』を観た...(なんかバレバレだな・・・)
(…てか、この作品、一応DVDソフトも持っているんだけど)

 Mr.ティフュス、ダヴィッド・グーディス、リシャール・ウィドマーク、
ドナルド・ダック、ドリス溝口、マリアンヌ・フェイスフル、アルドリッチ刑事、、、、

 作者本人が「ハンフリー・ボガートによって演じられたディズニー映画
」と呼ぶ当作品は、明らかに'50年代ハリウッド・スリラーへのオマージュ
を捧げた作品なのだが今見ると名シーン・名ゼリフの連続ではある、、、
 しかし、よくまあ当時こんなクズ鉄みたいなフィルムを撮れたなと思う、、、
 話はデタラメだし、セリフも行き当たりばったり、「彼女について・・・」
の直前に撮られたこのフィルムは政治的にも中途半端。後半、カリーナと
ラズロ・サボが二人同時にカメラに向かって喋り続けるシーン。明らかに
二人はカメラの前のカンペを見ながら喋っているのがモロ分かりなんです
けど...
 この映画がフィルム・ノワールの「枯渇形態」なのかどうかはどうも
よく分からんのだが、ゴダールが'50年代の犯罪小説・犯罪映画をこよなく
愛し、それらを批評的にリメイクしようとしたことだけは分かる。しかし、
作品としては破綻しているような・・・
 ただ、作中でガリマール社刊・黒い表紙の“セリ・ノワール”の一冊、
ホレス・マッコイの『明日に別れの接吻を』(仏題: Adieu la vie,
Adieu l'amour)が画面で引用されているのが見えた時はちょっと嬉しかった。。。
この叢書、ゴダールも愛読書だったんだね。(ちなみに『アルファヴィル』
ではチャンドラーの『大いなる眠り』、ついでにP.エリュアールの
詩集『苦悩の首都』が引用されている。)
 
70名無シネマさん:02/03/09 06:54 ID:mLcrjWKr
ホレス・マッコイの書いたハードボイルドは、
フランスでは一種の文学的作品として評価されているからね。
フランス人一流のスノビズムによるものなのかも知れないが、
アメリカ本国でよりも評価が高かったのは事実。
71名無シネマさん:02/03/09 10:48 ID:BmKE07hG
??
>>70
>ホレス・マッコイの書いたハードボイルドは、
>フランスでは一種の文学的作品として評価されているからね。

なんだか知ったような口ぶりだな...

“セリノワール”初期に好んで紹介されたのは、P.チェイニー、
ジェームズ・ハドリー・チェイス、ホレス・マッコイ、J.M.ケイン、
R.チャンドラーだよ。そんなのは一部の愛好家しか読んでなかった。
しかしもし「文学的」な価値があったとしたら、それらがフランスの
一部の“一流”文学者(マルセル・デュアメルや、ボリス・ヴィアン夫妻)
らによって翻訳されたからだ。ある意味、この手のミステリが真の意味
で「フランス的な」文学性を獲得するのはアルゴを自在に操るシモナンや
ルブルトンが登場してからだよ。ゴダールの趣味は日本人がチャンドラー
の小説を崇め奉って読むのと同じぐらいキッチュな趣味だ。
72名無シネマさん:02/03/09 11:40 ID:S8s0TuvD
あげ
7370:02/03/09 14:08 ID:n1wn9Auy
>71
私の>>70でのレスは、>>69さんの話題に合いの手を入れた、
その程度のものです。それとも私は雰囲気を壊したのでしょうか?

ホレス・マッコイは30年代から40年代にかけて長編小説3作を書いたが
(有名な「彼らは廃馬を撃つ」もその中に含まれる)長く不遇であった。
彼の作品が戦後1946年にフランスで翻訳された際、
「実存主義文学」「プロレタリア文学」として当時のトレンドで評価され、
この事が米本国に伝えられてアメリカでの再評価、再判のきっかけとなった。
マッコイの代表作「明日に別れの接吻を」(1949)は、上の再評価が
なければ世に出なかったであろう。

上の史実に従って>>70を書いたつもりです。
「実存」「プロレタリア」という評価が、デュアメルやヴィアンの存在
だけによって為されたものとは考えにくいのですが。
(サルトルら当時のオピニオンリーダーとヴィアンらの関係が
極めて深かった事実は認めますが)
風俗・俗語を活かしたユニークな小説を書いたことでシモナンや
ル・ブルトンが文学的に評価されているという事実認識には同意します。

>>71さん、あなたの教養の深さはわかりました。
それにしても、なぜそんなに反感を買うような表現をされるのでしょうか。
前の「フィルム・ノワール」スレッド末期、
また今回のスレッドでも、映画音楽関係で似たような
やり取りがあったようですが、掲示板上で無益な叩き合いをしても
得るところはないでしょう。駄スレにする気は誰にもないはずです。
>>71さんの真意を疑わざるを得ません。
ディベートで勝負しているのではないのだから、
言葉尻を捕まえて難癖を付けるのはやめていただきたいです。
それともあなたが、ボリス・ヴィアンのシャンソンさながらに
「J'suis snob」だから、野暮な書き込みがお気に召さなかったのでしょうか。
気に入らなければ、私のような田舎者のレスは無視して下さい。
別に争いたくて書き込みしているわけではないのですが、
筋の通らない嫌味を言われるのは納得できなかったのです。

――長文書き込みをしている自分がデムパみたいです。
フィルム・ノワール本題と関係ない長文を、みなさんにおわびします。

マッコイは「明日に別れの接吻を」、
ヴィアンは「墓に唾をかけろ」の映画化がそれぞれありましたね。
未見ですので、ぜひ観てみたいです。
7471:02/03/09 15:19 ID:ke50H/pw
>>73
おおっと、もし私の書き込みで不快な気分をされたようでしたらお詫びします。
何分、相手が見えないもので相手の言葉の真意を取るのが難しいものですからね、、、
>>73ぐらいに丁寧に説明していただいて、ようやく書き込みの意味が理解できました。

ホレス・マッコイに関する記述は、上記のものでほぼ間違いないのでしょう。
(よく分かりません。たぶん調べてみればすぐ分かると思う。)

ただフランスで、サルトルやボーヴォワールによって評価された作品が
「明日に別れの接吻を」以前の「彼らは廃馬を撃つ」などの作品だとして、
あなたが「文学的作品」として評価されている、とおっしゃっているのも
それらの作品だとすれば、私の考えていた事とはちがいます。H.マッコイは
'30年代の大恐慌時代に極貧の生活を体験して、さまざまな職業に就いた人です。
生計を立てるために安っぽいパルプ誌に探偵ものの短編小説なども書いていました。
しかしその時代に、彼がそれらの苦しい経験を元にして書いた「彼らは廃馬を撃つ」は、
単なる「ハードボイルド」の枠に収まるものではない。あなたが
「ホレス・マッコイの書いたハードボイルドは・・・」という実にざっく
ばらんな言い方でおっしゃっていたので、違和感を表明しただけです。


ちなみに、「彼らは廃馬を撃つ」もすでにS.ポラックによって映画化されています
「明日に別れの接吻を」は1950年にゴードン・ダグラス監督・ジェームズ・キャグニー主演で
映画化されています。
7570:02/03/09 15:42 ID:TmnEnApU
お話、承りました。
確かにマッコイの作品の多くはハードボイルド系であるために、
シリアスな悲劇である「彼らは廃馬を撃つ」までもハードボイルドとして
混同されている事が多いようですね。
76名無シネマさん:02/03/09 16:01 ID:ke50H/pw

うん。まあ「彼らは廃馬を撃つ」も、「シリアスな悲劇」というよりは
当時のいわゆるダンス・マラソン大会の汚い内幕をあばいた、
犯罪物っぽいところもあるんだけどね。。。
77zasiki-わらし:02/03/09 20:14 ID:VNQGpATT

J・キャグニーの"Kiss Tomorrow Goodbye"もなかなかよい映画じゃぞい
78名無シネマ:02/03/09 20:57 ID:vdrlhs/W
『彼らは廃馬を撃つ』の映画化邦題は、
『ひとりぼっちの青春』ということは、いちおう書いとこうよ。
お若い人のために。
79名無シネマさん:02/03/09 21:09 ID:VNQGpATT
正直、原作の「彼らは廃馬を撃つ」と映画「ひとりぼっちの青春」は違うと思うぞ。
だから映画の題名は書いてないんだよ。

映画の方はストーリーが凡庸な青春映画みたいな扱いがされているからなぁ・・・
80名無シネマさん:02/03/09 21:43 ID:VNQGpATT
なんだか残念だなぁ・・・なんかケチをつけられたみたいで。

しかもなんか初心者みたいな人に。
81名無シネマさん:02/03/09 21:51 ID:TCspantF
>>73>>74>>77
ワード・ボンドとバートン・マクレーン(「マルタの鷹」の警官コンビ)が
悪徳警官役でやはりコンビ出演。そのワルどもを出し抜くキャグニーの
極悪ぶり。いやはや、ナントモわーなーぶらざーずだねえ。
それにしてもイイ題名だねェ、「明日に別れの接吻を」ってのは。
82名無シネマさん:02/03/09 22:11 ID:VNQGpATT
そうか!ウォード・ボンドか!J.フォード映画常連の。それには気付きませんでした。
私も初心者ですね。

「長い灰色の線」、「ミスタア・ロバーツ」、「捜索者」、「リオ・ブラボー」...
うわぉぅっ、ナツカシィー
83名無シネマさん:02/03/09 22:14 ID:VNQGpATT
age
8478:02/03/09 22:59 ID:31D4Ndmo
>>79

そういうことですか。
実は「彼らは廃馬を撃つ」は読んでません。
すんません。逝ってきます。
85名無シネマさん:02/03/10 08:37 ID:nl22iUHW
んだばキャグニーつながりで、49年の「白熱」行きましょか。
キャグニー扮するは、ド外道残虐無比変態マザコンキ○ガイ凶悪犯・コーディ。
このヤヴァい設定の一部は、キャグニー自身のアイデアによるものだという。
職人ラオール・ウォルシュ監督の切れ味のいい演出と、
ガスタンクの壮絶なラストシーンで余りに有名な一作。
こいつら、「いちごブロンド」じゃコメディやって、
今度はバイオレンスか。役者も監督も芸域が広いちゅうか無節操ちゅうか・・・
「母さん、世界のてっぺんだ!」
あの顔であの声で・・・ドカーン・・・ホント狂ってるよなあ。

無冠の女優ヴァージニア・メイヨのベスト・アクティングかな。
86名無シネマさん:02/03/10 09:46 ID:40Iq/HeI
>>79
「ひとりぼっちの青春」未見なんだけど、出来のほうはどうなんでしょうか。
いまでも観る価値あり?

「彼らは廃馬を撃つ」は「フリークス」のトッド・ブラウニングが
映画化する企画もあったらしいですね。
見世物小屋の話という意味では似ているかな。

FNの話じゃなさそうなのでsage
87名無シネマさん:02/03/10 11:46 ID:g9oC/QCg
>>86
確かコンテストの最中、参加者一人一人の過去や未来に思い描く夢が
描き出され、各々が自分の悲惨な事情を抱えていることが語られる。
ラストは主人公に当たるダンスカップルは競走をあきらめて、
パートナーの女が、パートナーの男に自分を殺してくれと頼む。
そして男がなぜ女を殺したのかが小説の最大の謎となる。こんな感じだったかな?

どこかに常盤新平訳の本があるから捜してみるといいと思う。結構メジャーな本だから。
8886:02/03/10 12:05 ID:40Iq/HeI
>>87
どうも。小説のほうは一応読んでるんですよ。
J・M・ケインの『郵便配達夫は二度ベルを鳴らす』と
相似形の作品だと思っています。
(作中テキストの位置付けも共通するかな)
8987:02/03/10 12:49 ID:GJxroQTO
>>88
どうも。映画もほぼ同じ内容だったと思います。
最初に、草原を走る馬の思わせぶりな映像があった後、
マイケル・サラザンが逮捕されるシーンが映し出されて、それから
フラッシュバックでこれまでの経緯についての物語が始まる。

出演者はジェーン・フォンダ、スザンナ・ヨーク、ギグ・ヤング、
ブルース・ダーン。結構豪華なキャストですね。たしかギグ・ヤングが
軽薄で非情なコンテストの司会役を演じていたような気がする。。。

シドニー・ポラックはこの頃「大いなる勇者」とか「出逢い」とかで
すっかり社会派づいていて、その関連で見たような気がする...
この映画で面白いのは、参加者の(コンテストで勝った後の)夢の将来が、
具体的な映像として示されるところ。時間軸が行ったり来たりする。

あとはよく覚えていない...
あんまり「悲痛」という印象より、ダンスマラソン大会の持つ「滑稽さ」と
「陽気さ」が入り混じって一種異様な会場になっていたような?
「壮絶な青春映画」というのとはちょっと違う感じ
90名無シネマさん:02/03/11 10:20 ID:VkWEP96A

これは一体何のスレ?
91名無シネマさん:02/03/11 10:57 ID:xII3zRK1
とりとーりぶたぶたかつおぶし〜♪
92名無シネマさん:02/03/12 02:02 ID:gDPdL9yp

 …では話は戻って、>>59、何ゆえ見かけ上は“西部劇”の結構を
もっている『月下の銃声』が、フィルム・ノワール的な要件によって
侵されていると言えるのか、その幾つかの条件について考えてみよう。
一つはFNは単純に闇夜のシーンが多くなくてはならない。
『月下の銃声』は冒頭の雨夜のシーンから、深夜に牧場主に闇討ちを
仕掛けるシーン、ミッチャムがロバート・プレストンを殴り倒すシーン、
W.ブレナンの小屋でのラストの銃撃戦のシーンと、すべて争いのシーンは
夜に設定されている。闇の中に浮かび上がるR.ミッチャムの顔は、観客が
慣れ親しんだ数々のFNの中での彼の姿を思い出して眩暈を感じさせることだろう。
93名無シネマさん:02/03/12 02:07 ID:gDPdL9yp

 二つ目は、FNははっきりしたモラル的規範が揺らぐ瞬間をフィルムに
記録しなければならない。今まで真面目だった保険の外交員が出来心を起こし
て依頼人の妻と共謀して依頼人を殺害したり、人が殺されているのを目撃した
のに知らんふりをした女が、のうのうと生き延びたりしなければならない。
FNには明確なヒーローはおらず、各人物はなんらかの点でモラル的に
曖昧な存在である。『月下の銃声』でもR.ミッチャムは最初ニュートラルな
存在として登場するが、すぐに悪徳肉牛業者であるR.プレストンの親友だ
ということが明らかになり、さらにプレストンが悪どい業者と分かると
敵側のトム・チュリーの方の味方に就く。観客にはどちらが悪でどちらが善なのか
は最初判然としない(T.チュリーの登場はいかにも“悪”という印象を与える)。
さらにミッチャム演ずる人物自体が悪なのか善なのか、観客には判然としない
ままドラマは進む。チュリーの味方についても、相変わらずチュリーの娘の
一人は彼が敵の廻し者だと信じて疑わないのである...
9492:02/03/12 02:13 ID:gDPdL9yp

 第三に、FNは戦後の現代社会についての、一種の社会批評的な性格を
持たなければならないので、当然それを表象するイコンとしての闇の都市の
姿が画面に映し出されなければならない。しかし『月下の銃声』には
それがない代わりに、土地利権に関わる所有者同士の醜い抗争や、肉牛の
価格を不当に操作して引き下げるなどといった現代的な主題が盛り込まれている。
最後に、決定的なFN的要素は冒頭のミッチャム登場のシーンに暗示されている。
都市を舞台にしたFNには必ず「雨に濡れた舗道」(もちろんアルトマン
へのアリュージョンを含めて)が映し出されなければならないが、この映画の
冒頭ではミッチャムが土砂降りの雨の中、トレンチ・コート(?)を羽織って
ショットガンを抱えた姿で登場してくる。これはちょうど伝統的なFNの多くの
作品で、前方に待ち構える不吉なストーリーを暗示するかのような土砂降りの
雨でドラマが幕を開けるのと一致している(たとえば『飾窓の女』で女のアパート
の前をウロウロするE.G.ロビンソンはどうか?)。そしてこのイメージは、
現代のフィルム・ノワールとも言うべき、『ブレード・ランナー』にまで引き継がれ
ているのである。『月下の銃声』も『ブレード・ランナー』も、典型的なFNとは
到底呼べないだろうが、そのスタイルと美的意識において無意識のうちにFNを
トレースしている混淆ジャンルの傑作だと言えるであろう。
9592:02/03/12 02:14 ID:gDPdL9yp

(゚∀゚)アヒャ!
96名無シネマさん:02/03/12 09:31 ID:X69PI2xs
言ってることはわかるが、小難しいな。
このスレらしいと言えばその通りなのだが。
>>93での例は「深夜の告白」と、あと何だい?

誰か過去レスで「深夜の告白」を論じていただろうか。
97名無シネマさん:02/03/12 10:44 ID:Ypum6XRY

そろそろこのスレもネタギレか・・・
旧作のレヴューをいちいちしてゆくのもつらいしなぁ。
98名無シネマさん:02/03/12 10:45 ID:Ypum6XRY
98
99名無シネマさん:02/03/12 10:48 ID:Ypum6XRY
99(ウェーーン、「2重カキコですか?」って出たよ〜(泣)
100名無シネマさん:02/03/12 10:49 ID:Ypum6XRY

100かなぁー? ゲト。(゚∀゚)アヒャ!
101名無シネマさん:02/03/14 01:38 ID:2CRK5QfP
キャー ダレカタスケテエー
102名無シネマさん:02/03/15 02:12 ID:W49CfXG4
前に誰かもいってたけど俺もGun Crazy見たい
103名無シネマさん:02/03/15 04:00 ID:fx/lazvm
>>29
亀レスですが、ジョン・M・スタール「哀愁の湖」は5月のWOWOWの放映ライン
ナップに入ってるよ。

>>59
「地球が静止する日」がB級とは・・・
フィルムノワールの定義のほかにもB級映画の定義もせにゃイカンのか。。。
104名無シネマさん:02/03/15 04:26 ID:fx/lazvm
連続カキコでスマンが、
「哀愁の湖」はペドロ・アルモドバルがベストフィルムに挙げている、ジーン・ティアニー狂気のフィルムノワール。
輸入ビデオで見たけど、すごいんだわ、これ。

「拳銃魔」も輸入ビデオで見た。「暴力団」もね。
という具合にフィルムノワールのスタイルは低予算向きだから、B級映画が多い上、日本で未公開の作品も多いので、
こうして輸入ビデオに頼るしかないんよ。ところで撮影はジョン・オルトン(アルトン)でなかったっけ?
アレフレッド・ワーカー監督(実はアンソニー・マン)の「夜歩く男」、ルドルフ・マテ「都会の牙」が日本でセット
発売のDVDで出ているんだが(Hollywood Club)、プリントの出自がいかがわしいので迷っているんだが。
105名無シネマさん:02/03/15 04:43 ID:fx/lazvm
これがそのHollywood ClubのHP

ttp://www.him-dvd.com/hollywood/index.asp
106名無シネマさん:02/03/15 23:39 ID:OHSancFE
>>103,104,105
いやぁー 貴重な情報、アリガトウございます。
こういう本格派の人がいると、スレがピリッとしますね。
ところで>>105のHP、3/20をもってWeb販売を終了します、ってそんな〜

私も以前見たアルドリッチの『キッスで殺せ』をもう一度観たくて
輸入ソフトに手を出そうともしているんですが、なかなか踏み切れなくて、、、
107名無シネマさん:02/03/15 23:41 ID:4oPMBqE+
Hollywood Clubは知らないどアンソニー・マン監督、ジョン・オルトン撮影の超絶
コンビによる「T MEN」,「RAW DEAL」,「HE WALKED BY NIGHT」の北米版3枚組DVDなら
買ったよ。画質はビデオ並のひどいものだけど「RAW DEAL」なんてホント素晴らし
かったよ。フィルムのどこを切ってもフィルムノアール!という感じ。
「暴力団(BIG COMBO)」も北米版DVDでてるけど、これは画質もいいよ。
ここら辺の作品が劇場でみれればいいんだけど。300人劇場あたりで
やってくれないのかな?


108名無シネマさん:02/03/15 23:54 ID:OHSancFE
>>107
おお、さっそく情報サンクス。
あの、、前から気になってたんですけど、A.マンの『ひどい仕打ち』
(“Raw Deal”)ってのは、'86年A.シュワルツェネッガーの『ゴリラ』
の元ネタなんですかね...? 当時は全然気にしていなかったんですけど。
109名無シネマさん:02/03/16 02:38 ID:K36dj4Eh
ついでに>>104には
「拳銃魔」と「暴力団」のレヴューをやってもらいたいところだったな...

つーか、「拳銃魔」は北米でもヴィデオ出てないんだけど?
110名無シネマさん:02/03/16 03:07 ID:K36dj4Eh
よく見てみると、

ペドロ・アルモドバルが「哀愁の湖」を推薦していることも、
「夜歩く男」、「都会の牙」が日立IMからDVDが出ていることも、

グーグルで調べてみるとあっさり出てきた...
こいつ、こうやって情報集めているんだな...なさけねぇーー

大方、「哀愁の湖」や「拳銃魔」「暴力団」を「輸入ビデオで見た」というのも
まるっきりの嘘なんだろうなあ・・・

なぜこんな嘘をつくのだろう? よくワカラン。ホントなさけねえ野郎だな。

まあ、よく見ると、
>フィルムノワールのスタイルは低予算向きだから、B級映画が多い上、・・・

とか、訳の分からない断定とかしているし。
111名無シネマさん:02/03/16 03:19 ID:Cnahgdak
>>109
そうか? じゃ俺の持っているのはなんだ? 廃盤になったのかな。
やっぱ伝説的なワンカット=ワンシークエンスの銀行を襲う場面はすごいぜ。
でもそればかりで語られすぎ。ペギー・カミングスとジョン・ドルーが知り合う場面の曲芸撃ちの
場面もめちゃくちゃいい。

それとWOWOWで放映された「悪徳警官」。これは石井輝男も映画化してるね。「親分(ボス)を倒せ」。
CSでは「街の野獣」が放映されたな。リメイクより断然いい。
アテネで「無謀な瞬間」という題でよく上映されたオフュルスのは「レックレス・モメント」の題でWOWOWで放映。
シオドマクは代表作のほとんどがWOWOWや深夜劇場で放映された。リトヴァック「私は殺される」もWOWOWでやったな。
ディターレの「蛇の穴」は輸入LDで買ったが、これもちゃんとWOWOWあたりで放映してほしいな。
ジョン・ファローの唯一の佳作「大時計」はテレビで見た。リメイクよりおもしろいぞ。
「ひどい仕打ち」も輸入ビデオで見た。陰惨な印象ばかりでストーリーは不可解だったな。
ポロンスキーの「悪の力」なんかもストーリーがよく分からなかった。俺の語学力では限界が。。。
112名無シネマさん:02/03/16 03:21 ID:Cnahgdak
>>
113名無シネマさん:02/03/16 03:29 ID:Cnahgdak
>>110
お前、正真正銘のアホだな。アルモドバルが「哀愁の湖」を推薦してることはエスクワイアの
「映画監督お気に入り映画」に載っているし、カイエの特集アンケートでも答えていることだ。
日立IMなんかキネ旬にも広告出してるだろ。
そもそもどこから情報を拾ってこようが、その真贋を極める目があるかどうかだろ。
とりあえず「FILM NOIR AN ENCYCLOPEDIC REFERENCE TO THE AMERICAN STYLE」(THE OVERLOOK PRESS)
つう入門書程度ぐらいを読んでから文句言えや! くされチンポ野郎!!
114名無シネマさん:02/03/16 03:32 ID:Cnahgdak
文句たれてないで、B級映画の歴史的発生と定義を書いてみいや。くされチンポ野郎!
115名無シネマさん:02/03/16 03:32 ID:K36dj4Eh
うちCATVに入っているけど、真剣にケーブルでWOWOWを
見られるように契約しようかと思った...
116名無シネマさん:02/03/16 03:36 ID:K36dj4Eh
>>114
なんで? 蓮実のハリウッド映画史講義だけじゃダメなの?

ロバート・フローレーとか?
117名無シネマさん:02/03/16 03:40 ID:Cnahgdak
>>116
はいはい、あんた、ハスミン小僧ね。「ハリウッド映画史講義」は優れた本だけど、
物事はほかの人の書いた他の文献もあたってつきあわせてみなければ分からない
って基本、あんたに分かる?
で、ロバート・フローレー見たことあんのか、お前。
118名無シネマさん:02/03/16 03:51 ID:Cnahgdak
こうしてまたひとつ心無い、そして無知な煽りのために良識派が去っていく
のであった。「哀愁の湖」「暴力団」「拳銃魔」、この北米版ビデオのうち
コピーガードが入っているのはどれでしょうか?
119名無シネマさん:02/03/16 03:56 ID:K36dj4Eh
>>117
ふむふむ。ジェームズ・ホエールの『フランケンシュタイン』第一作は見たことあるよ。
『モルグ街の殺人』('31)も日本でDVDが出ていると思う...
『仮面の裏の素顔』以下に到っては、カリフォルニアにでも行かないと見れないのかな・・・
そこまで専門的にはできないな...

B-picture に関しては、Robin Cross、Wheeler W. Dixon とかの著作を
読めばよいのかな...?
120名無シネマさん:02/03/16 04:00 ID:2i64kmjZ
>>109
ちょっと通りかかったんだけど、指摘があったので調べてみました。
『拳銃魔』は大丈夫。北米でビデオ出てます。
Imdbのデータは以下の通り↓
http://amazon.imdb.com/Title?0042530
タイトルが二つあるんですかね?「GUN CRAZY」で検索したら、この
タイトルへのリンクが出てきた。
アマゾンでは「GUN CRAZY」で出てきます。通常1〜2日で発送だから
手に入れにくいタイトルじゃないみたい。

手に入れにくいっていえば「キッスで殺せ」。つい5日前は残り3本
だったのが、さっき見たら在庫切れになってたよ。すぐ配送できます
ってのが1本だけあったんだけど、今日だけセールの「過去を逃れて」
とセットのヤツ(34ドルもすんの)で、危機感を覚えたから買っちゃい
ました。大枚はたいたから月末まで「拳銃魔」買えないよ。
ま、コケオドシばかりが鼻についた映画であんまり好きじゃないから
いいんだけど。
121 :02/03/16 04:01 ID:yjBuCydG
クロエたんハァハァ
霧香たんハァハァ
ミレイユ死ね
122名無シネマさん:02/03/16 04:07 ID:2i64kmjZ
>>121
アラシ君にマジレス。

あれがノワールだってんだから泣けるよね。日本のアニメ屋のセンスってのは。
でも俺はミレイユはキャロル・ベーカー似で好きだよ。
123 :02/03/16 04:09 ID:yjBuCydG
>>122
このアニメ、深夜のこの時間帯ぐらいにやってたからよく見てたんだけど
最後まで意味不明でした。わけわかりませんって

ノワールってなんか意味あるんだ。へぇ。
124名無シネマさん:02/03/16 04:12 ID:K36dj4Eh
廃盤ビデオの Auction 物かよ......
125名無シネマさん:02/03/16 04:30 ID:7pE3HIiO
ID:K36dj4Ehクン、君、その横柄な性格直した方がよいよ。少なくとも多少知識はあるようだから。
でもフローレーの「モルグ街の殺人」は日本ではDVDは出てないと思うよ。そのへんどうよ?
126名無シネマさん:02/03/16 04:35 ID:K36dj4Eh
過去を失った主人公・夕叢霧香(ゆうむらきりか)と、
ヨーロッパの暗黒街を舞台に「裏の仕事」に生きる
仕事人・ミレイユ・ブーケ。とある事件がきっかけで
二人はコンビを組み、裏社会の仕事人として仕事を
始めることになる。

ユニットの名は「ノワ−ル」。

実は、その名前には彼女たちの思いもつかない深い意味が隠されていた。
天性の戦士としての才能を持った霧香と、コルシカマフィア
の血をひく孤独なプロフェッショナル・ミレイユ。
世界各地で「ミッション」をこなすうち、二人は互いに
相手を相棒と認めるようになる。しかし、そんな二人に
忍び寄る謎の組織「ソルダ」の影...。ソルダの正体・目的は?
そして「ノワ−ル」の名が持つ真の意味とは?


↑ 何、これ?
127名無シネマさん:02/03/16 04:39 ID:2i64kmjZ
>>126
腹とマムコが真っ黒な女だからノワール。

ってか、どっからのコピペだよ(ワラ
128名無シネマさん:02/03/16 04:59 ID:K36dj4Eh
>>125
ああーー、確認してみたけど確かに日本版ソフトは出てないみたいだなー
どこかで見たような覚えもあるんだがな(特にHollywood Club関係で)...

記憶違いだったようだ。ごめん
129名無シネマさん:02/03/16 05:24 ID:K36dj4Eh
“Kiss Me Deadly”のDVD(2001年発売)なら
比較的手軽に購入できるみたいじゃない。↓

ttp://s1.amazon.com/exec/varzea/search-handle-form/002-3327565-3574441
130名無シネマさん:02/03/16 15:56 ID:V32gb9LM

 ...ふむ、それでは、
>>114
>B級映画の歴史的発生と定義

について考えてみよう・・・そもそも、「B級映画」の歴史というものは
さして面白いものではない。というのもB-pictures そのものが、
作品としてはプログラムを円滑に回転させるための、“添え物”的な
役割を果たしていたに過ぎなかったからである。注意を要するのは、
この語の語感から、この語が作品そのものの価値評価(「二流」とか
「三流」とか、)を含むものではなく、歴史上のある一時期に存在し得た
ハリウッドの製作システムの一部に組み込まれた、歯車のような存在で
あったことを意味する、という事実である。
131130:02/03/16 15:58 ID:V32gb9LM
 そもそも事の発端は、1930年以来続いたアメリカ経済の大不況状態
にある。'20年代後半にトーキーに移行しえた映画は、'30年代初頭には
まだ客の足を繋ぎ止め得たのであるが、'33年には確実に観客動員数を
減らし(全劇場の三分の一近くが休館し、入場料も三年前と比べて
三分のニになっていた)、多くのハリウッドのメジャー級の映画会社は
経営状態の危機に陥っていた。そこでそれらの会社は興行形態自体に
“構造改革”を行い、客を繋ぎ止めておく方策を模索しはじめた。
その方策はプログラムを多彩なものにして、客を飽きさせないことで
あった。こうして“本編”の前には、かならず“添え物”プログラム
を上映する、あるいはその長編2本の他に、短編コメディー(例えば
チャップリンなど)を上映して、上映プログラムは時には週に三度も
変更する、といった量産体制が成立する(この辺りの実情はW.アレン
の『カイロの紫のバラ』を見るとよく分かるのかもしれない)と、
必然的にすべての作品に製作費を懸けられないので、A班とB班に、
製作チームは分かれてゆく。

132130:02/03/16 15:59 ID:V32gb9LM

 主にB班は低額予算の早撮りで、あまり芸術的志向性の薄い作品
を濫造し、これを一括して映画館に買い取らせ、その差額収入を
増大させてその収益をA班の制作費として注ぎ込む、という構造が
ハリウッドスタジオ内で出来あがる。蓮実の記述によると「B」作品
の予算は「A級」に比べておよそ十分の一、撮影期間は「A級」の
六週間に対してほぼニ週間、中には二日あるいは五日で撮りあげられる
ことも「稀でなかった」。上映時間は60分から70分、長くて
80分というのが、「その基準である。」うんぬん・・・とある。
B作品はA級作品とは違って、劇場による買取り制だったので、
映画会社としては確実な収入を見込めたわけだ。これは今でいうと
「抱き合わせ販売」であるが、これが当時可能だったのは、合衆国
司法当局がこうした映画会社によるカルテル的な映画産業全体の独占を
容認していたからである。事実、こうした映画会社の独占状態が終わる
とともに「B級映画」の歴史も終わる。蓮実は「B級映画」の歴史の
区切りを「1932年から1947年までの十五年間」、と断定しているが、
この時期はまさにハリウッドの「スタジオ・システム」が正常に機能し、
繁栄を謳歌した黄金時代であるし、
この1932年という年号は上記の二本立て興行が一般化する時期、
1947年は1938年来争われて来たアメリカ司法省によるハリウッド・
メジャー映画会社に対する反トラスト訴訟、いわゆる「パラマウント
訴訟」で最高裁による決定がなされる時期に当たる。「B級作品」は
こうした「黄金時代」にしかあり得なかった、いわば“裕福の証”と
もいうべき制作システムと制作物だったのである。
133130:02/03/16 16:01 ID:V32gb9LM

 ...以上のように、「B級映画」は当時の映画会社における
制作システムの「下部構造」を担っていた、とも言えるわけだが
「作家」的な意識を持ったフィルム・メイカーにしてみれば、“ダーティ・ワーク”
だったと言えるだろう...... にもかかわらず、時にそれらの作品が
無類の輝きを帯び、観客のわれわれに迫ってきて感銘を与えるのはなぜなのか?
またゴダールが処女作を代表的なB級制作会社、モノグラム・ピクチュアに捧げ、
その『ゴダールの探偵』をエドガー・G.ウルマーに捧げ、
上映時間1時間30分にこだわるのは何故なのか?
 もちろん「B級作品」は劣悪な制作環境の下、制作条件にもさまざまな
制限が課せられている。だがそこには時に‘貧困’とも紛うべき
「単純さ」があり、身動きの軽いフットワークのよい機動性があり、
貧しい制作環境の下に於ける創意工夫に満ちた、利発的なアイデアがある。
ゴダールら、多くの映画作家たちがそれらをこよなく愛し、オマージュを捧げてきたのは間違いないことである。
一方で豪華なハリウッドのA級作品を賛美しながら、その陰で「B」作品を
賞賛する態度は決して矛盾するものではない。「B」作品を賞賛することは
ハリウッドの制作能力の根底を賛美することであるし、「スタジオ・システム」
という畸形的ながらも幸福な制作環境システムと体制があったことを賛美する声となるだろう。
 ……今やハリウッドは合衆国との闘いに破れ、如何ともしがたい不毛の裡に
陥ってしまったわけだが、かつての「B」的な活力があるかぎり、いつの日か復活して
われわれの前に目の覚めるようなアクロバット的な作為力を見せてくれることだろう......
134名無シネマさん:02/03/16 16:11 ID:8ce5F1kK
(´・ω・`)ノアゲ!
135名無シネマさん:02/03/17 15:56 ID:SkX2tg+F
保全 age。

(´・ω・`) ショボボーン
136名無シネマさん:02/03/18 12:30 ID:mqO76Avm
今昼テレ東で放映される、『成功の甘き香り』。
これはかなりの秀作だったような気がする・・・

題名とトニー・カーティス出演、というとまるで楽観的なミュージカル映画か
何かかと想像されるが、内容はまったく逆。陰湿で醜い芸能ジャーナリズムの内側を描く。
英語題名はまんま(Sweet Smell of Success)だが、フランスでの公開タイトル
は確か“Le grand chantage”(大いなる恐喝)で、この方が作品の内容には合っている。
トニー・カーティスはひたすらバート・ランカスターの“いぬ”の役を演じる。
冷たいメガネかけっぱなしのB.ランカスターは正直言ってコワい。ランカスターの
異能ぶりを再発見できる作品。監督はイギリス系の人で、『マダムと泥棒』を撮った人
(この人はかなりの策士)。C.オデッツの脚本、バースタインの音楽、ともに
素晴らしいが、特筆すべきはJ.ウォン・ハウの撮影。実際のブロードウェイで
行なったとおぼしき夜外ロケは「素晴らしい」、の一言。M.リットと組んだ作品とともに、
ウォン・ハウの仕事を代表するような作品。

しかし、あんまりTVでは見たくないかも...
137名無シネマさん:02/03/18 15:06 ID:mqO76Avm
「私は猟銃で虫けらを撃ったりはしない」というJ.J.のセリフに萌え〜

英語シナリオでは、“I don't see shooting a mosquito with an elephant gun.”
らしい...
 
138名無シネマさん:02/03/18 15:10 ID:mqO76Avm
いよいよ Set-Up が始まるな、、、
139名無シネマさん:02/03/18 15:22 ID:mqO76Avm
最後はあっさりシドニーを切り捨てるJ.J....
140名無シネマさん:02/03/18 15:23 ID:mqO76Avm

そしてけっきょく妹に見捨てられるJ.J....
141名無シネマさん:02/03/18 15:28 ID:mqO76Avm
いつものことながら、広川太一郎のトニー・カーティス燃え〜
142名無シネマさん:02/03/18 15:33 ID:mqO76Avm
明日は「マーティ」だって。
E.ボーグナインの醜男ぶり萌え〜
143名無シネマさん:02/03/19 02:14 ID:i8J76I+4
「成功の甘き香り」は、やはりノーカット&吹き替えなしで見るべきだと思う。
その方が、B.ランカスターの持っている特有なイントネーションが聴けて
あの辛辣さが増すと思う。
144名無シネマさん:02/03/19 23:59 ID:GckskaGp
「マーティ」はやはり他愛のない話なのだが...

「なんでこんな映画が...?」というのは、誰もが持つ疑問だと思う。
ところでそれでもこの作品には一種サスペンスめいたところもあって、
それは最後マーティが前夜に出会った不美人の恋人・クララ(ベッツィ・ブレア)
のことを母親からも仲間からも反対されて、彼女に電話を掛けようか、掛けまいか
迷うところ。家で彼からの電話を待つ、B.ブレアの表情の
哀しそうなことと言ったら!! 息子夫婦に嫌われて追い出される姑の話といい、
通常、社会から“嫌われている”or“除け者にされている”人々にスポットを
当てたこの作品は、好戦的でぎすぎすした現代の競争社会の風潮に
一石を投じた作品なのでした。おわり。
145名無シネマさん:02/03/20 00:03 ID:u6waHyAU
hage
146名無シネマさん:02/03/20 01:25 ID:rPSr3hL4
「成功の甘き香り」を見たあとに「ダイナー」を見る映画ファンの楽しみ方もあるぜ。
147名無シネマさん:02/03/20 21:25 ID:o3eu/s5Q
>>146
む、難しい......
すみません、私は「ダイナー」の方は見てないもんで、、、

どういう関係があるんでしょうか? 劇中で引用されているとか?
148名無シネマさん:02/03/21 00:12 ID:QV+TWOoz
この二日の間に、文芸坐でフリッツ・ラング観た人、感想おねがいしやす
149名無シネマさん:02/03/21 00:51 ID:r4DoI9EF
>>147
説明するより見てもらった方が早いんだけど。
劇中で「成功の甘き香り」のファンというかオタクが登場する。出てくるたびに「成功の甘き香り」のセリフ
を暗誦して主人公をうんざりさせる。
150147:02/03/21 01:04 ID:QV+TWOoz
>>149
おお、ありがとうございます!!今度観てみます。
151即席メン:02/03/21 01:08 ID:QV+TWOoz
 ↓
「ビッグ・ヒート/復讐は俺にまかせろ」・・・

きわめて簡潔にして、カッチリとしたドラマトゥルギー...
ほぼ古典的と言っていい、何やら硬質な鉱物のような質感...
(しかしF.ラングの映画ってこんなにクロース・アップが多かったっけ?)
モラル的にも、登場人物の行動においても、宿命論的な“ハード”さ
と非情さがこの映画からは漂っている...
 映画の主人公であるG.フォードは、途中警察バッジを取り外して
一市民としてシンジケートおよび腐敗した警察機構に闘いを挑んでゆく。
往々にして「運命に対する戦い」を描くと言われているF.ラングの作品は、
なにもそれがナチス政権成立直後にドイツを脱出したこの監督自身の“運命”
を二重写しにしているわけではない。
 F.ラングの映画は、常に巨大な権力組織によって抑圧された
個人の自由を救うドラマを描くのである。その戦いがいかに非情なもの
であろうと、いったん個人が運命の仮借のない歯車に巻き込まれると、
何かが決着され、絡んだ糸が解きほぐれるまで登場人物たちはそこから
脱出できず、のたうち廻り駆けずり廻らなければならない。
 その過程を映し出すのがラングの映画なのである。故に、
この映画もまた現代に移し替えられた一種のギリシア悲劇なのである。

 
152名無シネマさん:02/03/21 10:12 ID:LrSGtywY

 うー、G・フォードが子供の作った積み木の塔に触れて、崩して
倒してしまったとたんに家に悪漢から電話がかかってくる辺りとか、
非常に古典的でスムーズな演出のテクニークを感じたよ!!

 あと、いつもノースリーブを着て腕を強調しているG・グレアムが、
腕を押さえ付けられてL・マーヴィンに痛めつけられるところとか
153151の続き:02/03/21 23:43 ID:AxQoO41W

 ・・・しかし、そこにはこの作品の“近代性”も同時に潜んでいる。
題名どおり主人公のG.フォードは、“ビッグ・ヒート”に駆られた
復讐鬼と化しているのだが、劇中一人も人を殺すことはない。妻を爆死させた
当の殺し屋にすら、直接自分で手を下さない。身内が殺されているのに
自分は手を下そうとしない、この非対称性は何なのか?
 もちろんバッジを外して単独行動をするフォードを、最後に無事に
警察へと復帰させるための理論上のへ理屈のようにも見えるが、
ここにはラングの倫理観が表われているとも考えられよう。つまり
醜い殺し合いをするのは、邪悪な意識と関心に駆り立てられている
悪人どもだけだということである。悪人たちの仮初めの調和は
一人の女の気まぐれな行為からほころび始める。誤解が憎しみを呼び、
その憎しみがまた憎しみを呼ぶ。顔半分を熱湯で焼かれたG.グレアム
は、まるで自分で自分を罰して眼を潰したオイディプスのように荒野を彷徨い、
懺悔を果たすべくおのれを取り囲む悪の円環を断ち切るため
組織全体を崩壊に導くだろう...ここでは正常に“歯には歯を”という
不文律が有効に機能しているのである...唯一、近代的な“法”を遵守
するG.フォードだけが、この悪の円環からは外れており、殺戮の
悪循環から免れているのである。

 
154名無シネマさん:02/03/22 00:14 ID:FF5whxbe
hoge
155名無シネマさん:02/03/22 23:58 ID:nel4qA1D
hogehoge
156名無シネマさん:02/03/24 02:05 ID:xVeLc9nl
 映画の前半、グロリア・グレアムが出て来て、顔の表情をまったく
変えずに喋り、操り人形のような動きなので、あれっG.グレアムって
こんなに演技がヘタクソだったっけ...と思っていたら、あの残虐シーン・・・
 あれで前半は演出だったのだと分かった・・・
157名無シネマさん:02/03/25 01:36 ID:uuStFdbs
 ハァー このスレも大分ツカレてきたな...
私も性格的に「自作自演」というのができないタチだしなあ...

 ・・・相変わらず「ビッグ・ヒート」に拘るようだけど、
G.フォード(バニオン巡査部長)の奥さん(ケイティー)役を
演じていたジョスリン・ブランドーというのは、マーロンの実姉
だったんだね(5歳違い)。マーロン・ブランドーの家庭が
どんなものだったかはよく知らないけど、マーロンが
ジョスリンをNYのアクターズ・スタジオに連れてきたのかな?
あまりパッとした仕事はしていないみたいだけど。
158一日一回アゲ!:02/03/26 00:58 ID:5EOKFeC+

 そーいえば、冒頭のバニオン家の夕卓の場面で、
グレン・フォードが二種類の缶ビールを取り出して来て
「これを交互に飲もう!」とかと、奥さんに向かって言うシーン。
あれは今から思うと、この作品に2人のヒロインがいることを暗に示していたんだな、
と気づく、、、
159名無シネマさん:02/03/26 16:48 ID:UFP9Q3r7
>>157
どのレスがあなたのレスれすか?
ディープでハイブロウなお話がイパーイ、オモシロイよ。
がんばってね。
160157:02/03/27 13:30 ID:8MRv5MZU
>>159
「ハイブロウ」なんて言葉、久しぶりに聞きましたよ。ハハハ

 基本的にこのスレは人気がないので、スレ立て人(私?)ほか、数人
しか書き込んでいないはず。現在はほとんど独り言スレッドになっています。
 これで荒らされてないのが不思議...

スレ立て人にもう少し技術があればねぇ・・・
161名無シネマさん:02/03/28 14:37 ID:8ZcGbHVm
サガりすぎだなぁ。

何度目かの「暗黒街の弾痕」を観ながら、シルヴィア・シドニーが
似ているのはチャウチャウではなくて、「カエル」なのだと確信した。

あとH.フォンダが刑務所から強引に脱獄するシーンで、
スモークの焚き方などは、「ニーベルンゲン」二部作などの
ドイツ時代の幻想的な作品を思い起こさせた...
162名無シネマさん:02/03/30 00:47 ID:grArm766
age
163名無シネマさん:02/03/30 21:13 ID:grArm766
とうとうB.ワイルダーが亡くなってしまいましたね
このスレからも、お悔やみの言葉を贈っておきたい。

 実は'80年代にヒッチコック、ウィリアム・ホールデン、イングリッド・バーグマン、
グレース・ケリーらが連続して亡くなったとき(特に1982年は酷かった。
夏の一ヶ月の間に、H.フォンダ、I.バーグマン、G.ケリーらが連続して逝って
しまった。)、さらに遅れてデヴィッド・ニーヴン、そしてロック・ハドソンが
エイズで亡くなった時は正直ビックリしたし、ホモの噂もあったケーリー・グラントが
亡くなった時も、彼のいろんな作品が追悼上映(放映)されていた記憶がある...

 そんな頃、アーヴィング・サルバーグ賞を受賞してアカデミー賞の舞台に
出て来たビリー・ワイルダーは、(確かすでに杖をつきながら登場してきた
ような印象がある…… )すでにヨボヨボのお爺さんで、「ああ、もう再起不能
だな」というか、「もうオワッた人」、という雰囲気をプンプンさせていた。
だからあんな名誉賞のようなものを手渡されていたんだろう...

 その後、ジャック・レモンも、ウォルター・マッソーも健在だったけれども、
いつの間にか俺の中ではB.ワイルダーはすでに鬼籍に入られた人、
という認識で済まされていた。監督業からは引退したと聞かされていたし、
作品も届かないのですっかり音沙汰を聞かなかったのである。そして
そこへ来てウォルター・マッソーとジャック・レモンの連続した訃報...'40年代−
'50年代を中心にハリウッドで活躍した世代、というのはもはや絶滅して
しまったかのような幻想を抱いていた...しかしところがどっこい、
あの仏頂面をしたメガネのオジさんはまだ生きていたんだね!!
この事自体、俺には驚きだったが100歳近くまで生き延びた生命力、
というのには率直に賞賛したい...入国許可のヴィザを発給した
アメリカ領事館の職員の人というのも、偉いことをやったと思うよ...
あれでワイルダーがドイツで死んでいたら、その後のアメリカ映画の
歴史も大きく変わっていたことだろうからなぁ・・・
164名無シネマさん:02/04/01 21:32 ID:/VpndArI
二日ぶりあげ
165名無シネマさん:02/04/01 21:36 ID:E2dL5MRF
久しぶりに「深夜の告白」を借りてきて見よう...
166名無シネマさん:02/04/02 22:45 ID:/I2bdM/G
 旧スレ(一つ前のスレ)をつらつら見ていたら、
「ビリー・ワイルダーの『深夜の告白』・・・ウディ・アレン曰く、
『史上最高の映画』だそうな」
という発言がありました。この発言の典拠は何処に?

 あと同じく旧スレに、「フィルム・ノワール」についての
秀逸な定義 ↓があったのでここに転載しておきます(文責者の方、御免なさい)。

>学術的解釈でも、それぐらいしか包括的な定義は無いと思います。
>付け加えるなら《視覚的・説話的・主題的な曖昧さが生々しく露呈した映画》。
>その曖昧さに怒り、アクションを空転させるか(ホークス、ラング、ウォルシュ)
>打ちのめされ、そのムードに陶酔するか(ウェルズ、ワイルダー)が、
>とりあえずの分類だろうけど、しかしニコラス・レイなんかは収まりが悪いし・・・
>いくらでも定義が生み出され、すぐさま反証され霧消するそんなジャンルですな。
>《人物が風景に対して無防備であること》とごく簡潔に定義しうる西部劇などに比べ、
>なんともややこしい。

167名無シネマさん:02/04/03 23:52 ID:FygJzUB5
age
168名無シネマさん:02/04/04 00:54 ID:6alzhaiw

『深夜の告白』(脚本=B.ワイルダー&R.チャンドラー)は、
いわゆる「フィルム・ノワール」の代表作として夙によく知られている
作品だけれども、B.ワイルダー作品はやはり脚本が素晴らしいと思う...
手許に伝記などの資料がないので、この作品(「深夜の告白」)で
ワイルダーとチャンドラーがどのように共同作業したのかは分からないけれども、
この作品におけるF.マクマレーのヴォイス・オーヴァーと、
前半から後半にかけてのカップルの破綻ぶりの描き方は凄いと思う...

ちょっと>>166 で言っている「フィルム・ノワール」における「モラル的な曖昧さ」の例が観察できる。

特に凄いな、と思ったのは、この作品のラストで
フレッド・マクマレーは明らかにB.スタンウィックのことを「殺しに」
彼女の家にやって来て(科白でもそのことを匂わせている)、その若い情夫を
家におびき寄せて彼にスタンウィック殺しの罪を追い被せようと計画していたのに、
スタンウィックを殺したあと、何故かその若い男を救って
(自分でも気がある)若い恋人のところへと向かわせ、自分はオフィスへ
戻って「深夜の」罪の告白を始める、というところだな...
 もし最初から裁判で助からないと分かっていたのなら(保険外交員の彼なら
助からない事は分かっていたはず)、何故スタンウィックを殺す必要があったのか?
そして殺したのなら、なぜ最後まで偽装工作を貫徹させなかったのか?
どこかの時点でF.マクマレーは最初の意志決定を翻しているのだけれど、
それがどこで、何の理由でなのかはよく分からない(つまりマクマレーの
意志は最後まで決定的にあやふやであるということだ。)
 このマクマレーとスタンウィックの最後の対決シーンは、犯罪によって結ばれ、
その後にっちもさっちも行かなくなったカップルの間の、互いの愛情と
利己心とが絡まり合って打算に満ちた「感情のあがき」のようなもの
が描かれていて、まさに「出口なし」の見事なラストだった...
ジェームズ・ケインの原作小説、『倍額保障』とともに素晴らしい作品だな。。。
169名無シネマさん:02/04/04 18:37 ID:/P3RMc39
>>168
解析お疲れ。
『深夜の告白』のシナリオは先頃翻訳されたので図書館で借りて読んだよ。
ビデオで見たのはかなり前だが、好きな映画だな。
脇役のE・G・ロビンソンがいい味を出してた。
ラスト、マクマレイとの友情に満ちたやり取り(特に「ドア」のくだり)
にはちょっと泣けたよ。
ケインの原作は新潮版『殺人保険』で読んだ。原作のラストは、ジム・トンプソン
の作品にも似た異様さで、これはこれでよかったけど、映画の方が好きだな。
ともあれ、ワイルダーに黙祷。週末、ビデオ屋に行ってこようかな。
170168:02/04/04 22:38 ID:6alzhaiw
>>169
どんも(お知り合いの方でしたっけ...?ちょっと、見当が付かないのですが)。私、「解析」らしきことは何もしてませんが...

「深夜の告白」シナリオが小学館から翻訳が出ていたことは不覚にも見落としてました。
(目撃したことはあったんですけどね。)しかしこの本、なかなか図書館にないみたいだな...
自分の手許にあるジェームズ・ケインの原作も新潮文庫版の『殺人保険』ですよ。
しかし英語原題とは若干違うような? 原題に含まれた意味もありますしね。
しかしケインの原作の小説は、何かささくれ立った、ハードな乱暴さがあるな...
実にそっけない、吐き棄てられた言葉、というか。
そこらへん、ミッキー・スピレインとは違いますね。対象の把握の仕方がね。

 J.トンプソンは「ゲッタウェイ」原作や「内なる殺人者」ぐらいしか思い出せませんが...
どういうところが似ているんでしょうか? また教えてくださいね。。
171168:02/04/04 22:41 ID:6alzhaiw
ああ、そうだ「グリフターズ」というのがあったな。
172名無シネマさん:02/04/06 12:58 ID:hecNlXX2
age
173名無シネマさん:02/04/06 13:03 ID:BdsGGJmu
いきなり匿名掲示板で馴れ馴れしい口調で話しかけられることほど、
困惑させられることはないよなぁ・・・

そういうことをする“神経”、もよく分からん。
174名無シネマさん:02/04/06 16:27 ID:cMPdYXL3
そんなに馴れ馴れしいかしら?
脳内あぼーんで行けば?
175名無シネマさん:02/04/08 00:04 ID:RVEBLLvj
bakaage
176名無シネマさん:02/04/09 23:34 ID:1lxiCJ//
なんとなく、あげておこうかな・・・

>>151(『ビッグ・ヒート』)
 ハリー・コーンが、お尻がむずむずして「きっちり19分けずれ!」
と言ったというエピソードはおかしかった。
177名無シネマさん:02/04/11 23:46 ID:/ZrzqTzT

 『ビッグ・ヒート/復讐は俺にまかせろ』の中で最も有名なシーンは、
やはりリー・マーヴィンがG.グレアムに沸騰したコーヒーをぶっかけて
顔半分に火傷を負わせるシーンだと思うのだが、同様にF.ラングは
ゾラを下書きにした『人間の欲望』の中でも、B.クロフォードが
G.グレアムに対して激しい暴力を振るうシーンを撮っていたはずである...
 ここからG.グレアム=真性マゾ女説のような俗説も生まれかねない
土壌もあるわけであるが、確かにグロリア・グレアムは'50年代を通じて
いつも殴られてばかりいる女のイメージを持っていた・・・(ような気がする)
178名無シネマさん:02/04/12 00:55 ID:6P2ckBcU
『人間の欲望』は数あるラングの作品の中でも傑作中の傑作だと思うけど、
輸入版でもヴィデオやDVDはでてないよね?
もう一回みたいなぁ。
179名無シネマさん:02/04/12 01:13 ID:Ld3iONdd
>>178
アテネで上映されたこと、ありませんでしたっけ...
180178:02/04/12 01:21 ID:6P2ckBcU
そーなんです。学生のころアテネで見たっきりなんで
もう一回みたいんですけど、アテネをチェックするしか
ないんですかね?
181名無シネマさん:02/04/12 01:27 ID:Ld3iONdd
>>180
多分。
182名無シネマさん:02/04/12 22:50 ID:d5045ZjN
[177の続き]
 …しかしこれは何もグロリア・グレアムにのみ限られたことではない。
フィルム・ノワール(殊に犯罪映画)の歴史の中では、女性に対する過剰な
暴力が極めて特徴的に描出されてくる。これはFNのもう一つ重要なテーマ
である、「女性悪」あるいは「宿命の女(ファム・ファタール)」といった
テーマ群とほぼ軌を一にしつつ、表裏一体の関係にあると言えるだろう。
FNを「逃れがたい過去に抗して、宿命的な運命の争いを繰り広げる人間
たち」を描く映画、と定義すると、男たちはFNの中で抗い難い宿命を
もたらす女たちと、絶えずジェンダー的な闘争の中に巻き込まれること
になる。男を破滅にみちびく女はそれ自体が「宿命」であり、人格という
よりはむしろ神格に近づいている。女は男が象徴する男性的な、直線的な
物事の進展を妨げ、捩じ曲げて正常な結末からは遥か遠いところへと
押しやってしまう、wicked で邪悪な「宿命」原理となるのである...

 その wickedness が、FNに本質的な“不安感”や“奇形性”を根底に
おいて規定しているのである。男の側によるそうした「宿命」に対する闘争
はしばしばそれに対する鬱憤晴らしとして、女性に対する急激な暴力となって
噴出されることだろう。FNにおける女性に対する暴力は、抗い難い運命を
前に翻弄される男たちが見せる「いやいや」のポーズ、どもりやしゃっくり
と同様な生理現象を表わしていると言えるのである。フィルム・ノワールの
歴史は女性に対する過剰な暴力の歴史であると言っても過言ではない。

(以下、続く)
183名無シネマさん:02/04/12 22:53 ID:q93uClpW
今日のBSの「三つ数えろ」は上映時間が116分あったゾ!
もしやこれがFCで上映された「プレリリース版」なのか!?
誰が一般公開版と違いがわかった人いる?
184名無シネマさん:02/04/12 23:20 ID:d5045ZjN
>>183
そうそう今日の放映やたら上映時間長かったですよね? 公式には
この映画、114分? すみません、「プレリリース版」って何でしょうか?
劇場公開される前に会社関係者たちの前で上映されたヴァージョンの事でしょうか?
けど話によると、J.ワーナーは試写のあとでボギーとローレン・バコール
のシーンをいくつか付け加えるようにホークスに言った、という事なんですが...
185名無シネマさん:02/04/13 00:28 ID:KtjW+kGn
あの、まぢで、「プレリリース版」について教えてください!!
本国で一般公開される前にGI向けに(?)公開されたヴァージョンのことでしょうか?
そんな版って今でも残っているんですか? それで、「鍵」となるシーンは今回の
放映で確認できましたか?(つか、今回の放映、ビデオに録ってないYO!!!)

・・・というよりもこの映画また見直さなきゃぁ。ぜんぜんストーリーを忘れていた&理解できなかったよ...
186名無シネマさん:02/04/13 02:26 ID:4EA2WdL8
187名無シネマさん:02/04/13 02:59 ID:KtjW+kGn
>>186
いやぁー、ありがたい。読み耽ってしまっただよ。
全体的にはプレヴューヴァージョンに比べて一般公開版の方が、
プロットの説明的な部分を省いてロマンティックなシーンを増やした、
みたいな事が書かれているね。

あと、要するにDVD買え、ってことかな、、、
188名無シネマさん:02/04/13 09:35 ID:GGv59ab7
そういやBSで「赤い河」を放送したときは、これも今、滅多に見れない
「ブックバージョン」だった。うーむ、何度も見ている映画だからといって
あなどれんな。昨日の「三つ数えろ」も信じられないくらいピカピカの
プリントだったし。
189名無シネマさん:02/04/13 13:17 ID:0XFT3cZT
てか、今発売のDVD(ワーナー・ホーム・ビデオ)、両ヴァージョンの『三つ数えろ』
が収録されてるし、両ヴァージョンとも99年「ハワード・ホークス映画祭」で上映さ
れたし…。別に驚くほどのことでもないと思うけど。
『赤い河』も同様。以前出ていたLDが>>188さんのいう「ブック・ヴァージョン」だっ
たし、今、FOXから出ているDVD(以前のワーナー版も同様)は「オリジナル・バージョ
ン」だよ。
190名無シネマさん:02/04/13 14:09 ID:zguVAhQp
そんなにあれもこれも買い込めるほど大金持ぢゃねーんだよ。
191名無シネマさん:02/04/13 15:55 ID:eJi1Ej9T
>>189
スレの主旨からは逸れるけど、「赤い河」の「ブック・ヴァージョン」と
「オリジナル・バージョン」って、どこがどう違うの?
192名無シネマさん:02/04/13 16:29 ID:olpTz7Lm
>>191
ウォルター・ブレナンのナレーションが入るバージョンと、ナレーション部分が
全てブレナンの日記として画面に出て来る「ブックバージョン」があって、
編集が若干異なる程度なんですが、音楽の付け方がカナーリ違ってます。
193名無シネマさん:02/04/15 01:26 ID:n49SPhcm
なんだ、けっきょく「三つ数えろ」のDVD買っちまったよ。まあ
以前何度も見てたから、必要ないと思ってたんだけどね。
けど、DVDっていうのは便利なメディアだよなあ。両面1層で
SIDE Aには1946年ヴァージョンが、SIDE Bには1945年ヴァージョン
が収められているね。テープじゃ、こんなこと考えられん。
ヴァージョンの差異についての特典映像も付いているし、
あとでゆっくり研究(?)させてもらうよ...
194名無シネマさん:02/04/16 22:14 ID:FTki65wD
保全age。
195名無シネマさん:02/04/16 22:19 ID:8RSj4OL1
>>188
何年か前にBSNHKで放送された際にビデオにとっておいたのと見比べると、確かに今回放送された方がプリント状態いいみたいです。
今回のビデオとらなかったのが惜しまれる・・・。
196名無シネマさん:02/04/17 11:24 ID:jiqDOT2S
NHK-BSってどこから作品のプリントを調達してくるんだろう...?
197名無シネマさん:02/04/17 23:55 ID:rc8brIea
age
198哀しい女優の物語…:02/04/18 00:08 ID:O0SenZhv

 先日、ちょっと機会があってひさびさに
『大いなる別れ』("Dead Reckoning" J.クロムウェル監督)を
観ることができた(原題は「(濃霧など、荒天時の天体によらない)
船位算定、推測航法」とかそんなふうな意味?)。

この作品は、オールド・ファンには人気のあるリザベス・スコット
が出演しているのでビデオも出廻っているが、やはり
“二流”の印象は拭えない。H.ボガートはすでに前年公開の『三つ数えろ』
で≪ハードボイルド・スタイル≫を確立していたし、
その作品の撮影中に知り合ったL.バコールとはすでに四度目の結婚を
していたから、別の、新たな伴侶を必要としてはいなかったわけだ。
哀れにも、リザベス・スコットはひたすらL.バコールの
安いイミテーションをさせられている(特に帽子とか髪型とか、腕まで
ある長い手袋とか煙草をくわえるシーンとか)ような印象を受けた。
 
199哀しい女優の物語…:02/04/18 00:09 ID:O0SenZhv

一応この作品も以前のFNの名作群の付けた轍を踏襲して、
悪漢から逃れてカトリック教会に逃げ込んだボギーが、
そこの神父にまるで“告白するように”、それまでの事件の経過を
語り始めるという回想&ヴォイス・オーヴァー形式で始まるのだが、
これはどうもうまく機能しているように思えない。
気取った会話も科白も、作品の格調に比べるとやはりちょっと
浮いているような気がする。ボギーはこのあと、
『黄金』や『キー・ラーゴ』といった傑作群に出演しているので
なおさら一層そういう印象を持ってしまうのかもしれない・・・

 ただこの作品で、スコットが独特のハスキーヴォイスで唄う“There Is No-Between”
(だっけ?)とかいう曲は名曲かも。始め警戒していたボギーを
たらしこんだところでスコットの悪辣ぶりが露見する、という
展開は、それまで善人役が多かったスコットを典型的な“ファム・ファタール”役
に転向させた役柄と言われているが、残念なことに、
彼女は映画俳優のキャリアにおいてけっしてトップクラスに跳ね上がることは
なかったのであった……
 
200哀しい女優の物語…
ついでに200げっと!!!