それを受けて、4月11日に発足したのが当委員会である。委員会発足にあたって、委員会の独立性・客観性を重視する観点から、議論すべき点、
議論の方向性などは民主党側からは明確には示されなかったため、4月11日の初回会合では、委員会の目的自体について議論するところから活動を始めた。
そこで、健康上の理由で欠席した服部委員を除く3 委員で「当委員会は、民主党小沢代表(当時)秘書の政治資金規正法違反事件に関する
小沢代表(当時)および民主党の対応、説明責任について検討するとともに、政治資金問題をめぐる検察およびメディアのあり方について
議論を行うことを目的とする」こととし、名称も「政治資金問題を巡る政治・検察・報道のあり方に関する第三者委員会」とした
(なお、このことは、この後、服部委員から了解を取った)。また、事務局は、新日本パブリック・アフェアーズ株式会社が担当し、
民主党から独立した第三者委員会として活動を続けてきた。
また、民主党としても事態の把握に苦慮していることを踏まえ、当委員会の役割としては、事態の把握にかかわる論点の整理が重要であると考えた。
そこで、当委員会の活動は、捜査機関ではない以上、個別具体的な事案の実態解明には限界があるので、むしろ、民主党が政党として取るべき対応を
中心として、法的問題の整理も含め、関連する事項についての問題点を指摘することとした。
問題は広く民主党の運営体制そのものにもかかわってくるが、代表の進退などに具体的な示唆を与えるような検討の仕方は避け、多角的な観点から、
今回の事件および対応に関して、どのような問題点があるのかを検討した。
検討の方法としては、本件に関する問題を全体的に検討するため、関連する事実の調査・確認、関係当局への書面による質問やヒアリング、ゲスト有識者
との懇談・意見交換、当事者である小沢代表(当時)や民主党側を代表する鳩山幹事長(当時)などから書面による質問やヒアリングを行う一方、
委員会内部において議論を重ねてきた。
本報告書は、それらの議論・検討の結果を取りまとめたものである。