【女性専用車両】クラウドミスターK【賛成する会】

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■二重権力構造

 「鳩山(由紀夫代表)君の足りないところは岡田(克也幹事長)君が全部持っている。岡田君の足りないところは
鳩山君が全部持っている」

 5月26日夜、都内の料理店で開かれた最高顧問、渡部恒三の誕生会で渡部はつぶやいた。2日前に77歳を迎えた
渡部を囲んだのは、岡田をはじめ、副代表の前原誠司、予算委員会理事の枝野幸男ら、前代表の小沢一郎の辞任に
伴う代表選では、1人を除き岡田を担いだ中堅議員だった。

 渡部は西松事件以降、小沢に辞任を求める発言を繰り返していた。それだけに小沢が身を退き、反小沢勢力が支持した
岡田が幹事長に就く思惑通りの展開にいかにも満足げだった。

 だが、その鳩山新体制においては、選挙にかかわる「一義的」(岡田)な権限を握った小沢と鳩山との「二重権力」構造は、
強化されるとの見方が少なくない。

 鳩山と岡田は、反小沢−親小沢の構図で争われた代表選のしこりを残さないよう、今後の党運営は「挙党態勢」「全員野球」
だとともに強調している。とはいえ、2人にのしかかる小沢の重圧は変わらない。

 ■三種の神器

 「選挙は小沢ですけど、最終的な決済は代表と幹事長です」

 5月25日に党本部で開かれた会合で、広報委員長の奥村展三(てんぞう)は鳩山、岡田、新代表室長の平野博文、幹事長代理
の野田佳彦(よしひこ)ら幹部を前にこう言ってのけた。

 奥村は小沢に近く、小沢が代表当時の代表室長を務めていた。奥村の言葉からは、選挙の実務は小沢が全面的に担い、
鳩山、岡田は追認するだけだとの党内の空気が読み取れる。

 小沢周辺も「小沢は選挙資金の出し入れで、鳩山、岡田に『相談』なんかしない。『報告』だけする」と明言する。
全国行脚の訪問先も小沢が独自に判断しているといい、役員室中心に遊説先を決める鳩山、岡田とはまるで異なる。

自民党、新進党、自由党…の各時代を通し、小沢が党を率いて戦った選挙の結果は「勝ったり負けたり」(党関係者)。
前回参院選の勝利にしても、「年金問題を追及した政調会長代理の長妻昭(ながつま・あきら)のホームランの結果であり、
小沢はヒットも打っていない」(長老議員)との見方もある。

 それなのに、「小沢神話」が唱えられ、選挙が小沢の政治力の源泉となっているのはなぜなのか。

 小沢は代表時代、党独自の世論調査結果に、全国に「10人以上」(ベテラン秘書)も派遣する自身の秘書や
日本労働組合総連合会(連合)などの情報を加味し、衆院選挙区すべての情勢を分析していた。その資料をたたき台に、
接戦が予想される選挙区に重点的に選挙資金を注入している。

 党選対幹部は「この仕組みは小沢が代表代行になっても変わらない」と明かす。自由に使える豊富な資金力、全国に散り、
候補者らを指導・監視している秘書軍団、彼らから報告される情報と党の調査を合わせた詳細な選挙データが、小沢の「三種の神器」だ。