■代表戦も視野
党内の各グループが互いに牽制(けんせい)し、腹の内を探り合う中で、局面を転換させるキーマンとみられているのが最高顧問の渡部恒三だ。
渡部は、小沢とともに自民党を飛び出す一方、平成9年には雑誌のインタビューで「新進党は小沢一郎の私党ではない」と苦言を呈したこともある。
周囲には「代表はだれでもいい。オレだっていいんだ」と漏らすが、意中の人はどのグループにも属さず、「クリーン」なイメージのある
副代表の岡田克也だとされる。
その岡田は現在、小沢の秘書逮捕を受けて党政治改革推進本部長として、企業・団体献金の規制強化に取り組んでいる。26日の会合では、
パーティー券収入の規制も検討すると決めた。
また、岡田は17日、党所属議員全員に世襲に関するアンケートを配布した。世襲制限と、資金管理団体を利用した事実上の政治資金相続の
廃止について、党内の意見を聴取し、まとめていきたい考えだ。
「世襲というと、小沢代表も2世だから現議員には適用しない。仮に代表が岡田に交代した際に、こういう点をバッと打ち出せば、
民主党は変わったという印象がつくれる」
岡田に近い議員はこう狙いを解説する。また、別の議員によると岡田は最近、周囲に「もし小沢さんが辞めたら無投票で次の代表選出となる事態は避け、
代表選を行わないといけない」と話しているという。明確に小沢辞任を視野に入れていることがうかがえる。
ただ、アンケートは10日後の今も3割程度しか回収されていない。浮き足立った議員らは、真面目に答える余裕をなくしているのかもしれない。(敬称略)