分水嶺は24日
しかし、逮捕された秘書の起訴か不起訴が確定する「24日」が大きな分水嶺(れい)になるとの空気が、党内では支配的になりつつある。
「秘書が起訴されたら小沢は自発的に辞任するしかないだろう。小沢が居座るようだと、小沢降ろしの動きに一気に火がつく」。
ある党幹部はこう予測する。
民主党の若手衆院議員、長島昭久は5日、「身に覚えがないということ(説明)がひっくり返るような事実があれば、
別の判断にならざるを得ない」と述べた。
小沢側近は「裁判まで断固戦う」と、検察との全面対決の道を選んだ小沢の決意を代弁する。小沢の思いは、「オヤジ」と慕った元首相、
田中角栄と自身を引き立てた元副総理、金丸信が東京地検の標的になったことと無縁ではない。
しかし、今回の事件を「国策捜査」と断じる小沢に異を唱える声も党内から出始めている。副代表、前原誠司は5日、
「国民に検察のあり方で疑義をもたれるような物言いはあまりすべきではない」と語った。
独自の選挙手法で党を政権交代の手前まで押し上げた小沢が選挙前に退場するマイナスと、疑惑で「傷」を負った小沢で選挙に臨むマイナスとでは、
どちらが大きいか−。双方をてんびんにかけて戸惑う議員も党内には少なくない。
中堅議員はこう言い切る。「小沢でなくても選挙は戦える。そのときが来たら、われわれが引導を渡す」。
「小沢降ろし」は静かに始まった。(敬称略)