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■沈静化に躍起

 記者会見でも、小沢の姿勢は揺るがなかった。小沢の「自信」はなぜか。

 東京地検特捜部の捜査に道理がないとの怒りに加え、自らの陣頭指揮で政権の座を手元にぐっと引き寄せた自負がある。
「次期衆院選で政治生命をかける」と明言してきた小沢にとって、麻生政権を打倒し自民党解体に道筋をつける「最後の大仕事」
を投げ出すわけにはいかなかった。

 副代表、石井一も平成21年度予算案が5日から参院審議に入ることを踏まえ「こうなったら全面対決だ」と息巻いた。
3日の段階から小沢周辺や党執行部は「小沢続投ありき」の立場を早々と固め、「小沢降ろし」の動きを封じた。

 小沢に距離を置く副代表、前原誠司や元政調会長、枝野幸男らの若手・中堅グループは3日夜、都内のホテルで対応を協議
しようとしたが、急遽(きゅうきょ)中止した。

 ■閉ざされる口

 将来の「ポスト小沢」への意欲を隠さない菅は同夜、自ら主宰するグループの所属議員に「余計な動きをするな」と指示した。

 待望論が強い副代表、岡田克也は、自身の8〜13日の東南アジア行きを見送るよう、複数の若手・中堅議員から要請されたが、
首を縦に振らなかった。「ポスト小沢」をめぐる党内の動きから距離を置こうとしたのだ。

 3日夜に「小沢はもう終わり。岡田体制で総選挙だ」と息巻いていた若手・中堅議員たちも4日には口を閉ざした。

 「自分たちが代表を引きずり降ろしたといわれたくない。小沢の周囲が鈴をつけるべきだろう」。小沢と一線を画す中堅の言葉には無力感がにじむ。


 小沢擁護派には「小沢が政権交代の指揮を執るしかない」という空気が強い。一昨年夏の参院選で勝利をもたらした小沢は、
小沢流の選挙戦略で政権交代への足場を固めてきた。小沢が全国行脚して候補者にハッパをかけ、地道な日常活動で人間関係を構築するよう説いて回った。

 一方で、政界有数の集金力を誇る小沢は、過去にも政治資金の処理をめぐり問題が発覚している。

 逮捕された公設秘書が会計責任者を務めていた「陸山会」をめぐっては政党助成金を含む政治資金で、都内の一等地などに計10億円相当の
土地・マンションなどの不動産を購入し、登記簿上の名義はすべて小沢となっていた事務所費問題が露見している。

 「小沢は自民党元副総裁の金丸信を擁護したときも、ああいう対応だった。記者会見のやり方は間違いで、特捜部を燃え上がらせた」。
幹部の一人はこう指摘する。

 ■執行猶予付き

 幹事長、鳩山由紀夫は4日夜、都内の党所属議員の会合で「この難局を乗り越えてこそ、真の強い民主党に脱皮できる」と述べ、
政権交代に向けた党内の結束を訴えた。しかし、現実には執行部も含めて党内の大勢は当面、捜査の推移を見守るという姿勢だ。

 「地検は本気だ。もうひと山ある」。中堅議員は小沢辞任の「Xデー」に向けて「待ち」を決め込む。党内の小沢続投容認はいわば
“執行猶予付き”の判断にすぎないのだ。

 民主党のあるベテラン議員は、「結果的に『壊し屋』の小沢に民主党もつぶされることにならなければいいが…。
いまは小沢の説明を信じるしかない」とため息をついた。

 元民主党衆院議員の埼玉県知事、上田清司は4日、同党が失策により政権交代を頓挫させてきた歴史を例に引き、こう語った。

 「ホップ、ステップ、肉離れになっては何もならない」(敬称略)