ジェラルド・クロワゼット氏スレ 伍

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 これは、ヤラセでは有り得なかった。
 生放送なので編集もされない映像がお茶の間に流れた。
 発見できなかった時の為にか、スタジオには日本の霊能力者も出演していた。
 しかし、生放送中に発見できてしまった。
 番組中、霊能力者にコメントが求められた。
「何か、首から下が冷たいような……」
 彼女は話し始めたがスタジオが慌しく、話し終わらないうちに司会者が話しを切り替えて行く。
 この番組が終了した後の国営放送のニュースで、その行方不明の少女が発見されたという事を報道していた。
「……通行人により発見されました」
 ニュースのアナウンサーは、そう言っていた。
 国営放送のアナウンサーは嘘をついている。通行人ではなく、探して、見付けたのだ。
 NETテレビの番組を見ていた人は、皆そう思った事だろう。仮にアナウンサーが他局での出来事を正直に伝えたかったとしても、国営の放送局としてはそれを許可出来なかったのかも知れない。


 報道管制が布かれたのか?


 こんな風に考えるようになったのは、成人してからの事だ。
 現在同民放局では「なんとかバトル」とかいう番組を放映している。
 毎回、超能力肯定派は自分達の主張を認められないまま終わる。
 あの時の番組録画を見せれば、否定派も一発で皆信じるのではないかと思うのだが、それをしない。
 何故なのか、封印してしまったかのようにも思える。


 それを憶えているのは私だけではないとは思うのだが、もしかしたら、それは言ってはいけない事、憶えていてはいけない事なのかも知れない。
だから皆、それを知っているのに敢えて言い出さないのだ。
 もしかしたら記憶を消されてしまったのか!!
 超能力でテレビを観ていた人の記憶を消してしまったのだ。
 そりゃあ大変だ。
 こんな事をホームページに書こうとしている私も、いずれ何らかの処置をされてしまうに違いない。
 そう言えば、なんだか頭痛がしてきたぞ。
 むむむ、吐き気を伴う頭痛だ。性質が悪い。
 私の身に何かあったら、きっとこの件のせいだな。
 間違い無い。