ジェラルド・クロワゼット氏スレ 伍

このエントリーをはてなブックマークに追加
27('A`)
海外における透視

ジャーナリストのピート・ハイン・フーベンス(Piet Hein Hoebens)の調査(文献6)によると、クロワゼットが超能力探偵として有名になったのは、
ユトレヒト大学のウィルヘルム・ハインリッヒ・カール・テンヘフ(Wilhelm Heinrich Carl Tenhaeff)教授の後ろ盾による。クロワゼットの研究報告はほとんどTenhaeffの独占状態であった。
また、英語圏でクロワゼットが有名になったのは、アメリカ人ジャーナリストのJack Harrison PollackがTenhaeffの監修のもとに書いた「Croiset the Clairvoyant」の影響が大きい。
Pollackはオランダ語はできなかったようで、クロワゼットの透視結果の信憑性を独自に裏づけ調査できる立場になかった。
よって、Pollackの著書の内容はほとんどTenhaeffから得た情報だと考えられる。

Tenhaeff教授は「超心理学界のジークムント・フロイト」として名声を上げたかった野心家で、彼がクロワゼットを「超能力界のモーツァルト」や「絶対に失望させない透視者」として売り出した、
と見るのが妥当なようだ。Tenhaeffは言葉の壁をうまく利用して、クロワゼットを宣伝したようで、クロワゼットの母国のオランダとそれ以外の国の文献では内容が若干異なることがある。
つまり、オランダ語以外の文献には、クロワゼットの能力について大げさな誇張がある。

たとえば、文献2にも紹介されている1979年のウォドリヘン地方の放火魔について「放火魔は男だ。制服を着る仕事をしていて、アパートに住んでいる。
そしてオモチャの飛行機となんらかの関係がある」と透視し、模型飛行機を趣味とする警察署の主計係が犯人だったという事例がある。
この時のクロワゼットの証言は録画され、警察のイーコフ署長のサイン入りで調書になったとされている。この話は、ドイツの月刊誌「Esotera」(文献7)に書かれた記事がもとになっているが、
オランダ語で書かれた研究報告(Tijdschrift voor Parapsychologieに掲載)には、「制服」も「サイン入りの調書」も出てこない。フーベンスがこの件について問い合わせるまで、
イーコフ署長は「Esotera」の記事など聞いたことも読んだこともなく、その記事には「完全な欺瞞」が含まれていると証言した。(文献6) この「欺瞞」の詳しい内容については、
「超常現象の謎解き」内の「ジェラルド・クロワゼット」のページ(文献1)や文献2を参照のこと。
また、Pollackの著書「Croiset the Clairvoyant」にも事実とは異なる誇張された話が収録されている。よって、フーベンスはクロワゼットに関するTenhaeffの報告はまったく信用できないとしている。