暇だしドラクエ3の主人公になった妄想をする3

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1('A`)
前スレ
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/motenai/1179032442/

まああれだ
ガンガンいこうぜ
2('A`):2007/12/09(日) 15:10:47 0
3 ◆OW4jDecrBQ :2007/12/10(月) 02:09:32 0
とあるスレを読んで、自分にはこんな精神を抉る様な文は書けないだろうな・・・と感じました。
って、んなことはどうでもいいねww
・・・このスレに、勇者ニートは帰ってきてくれるだろうか?

↓前スレ976の続きです


ロマリアは、かすかに雲の走る空模様。
国民の心模様とは裏腹の、澄み切った空気が流されている。

(カンダタ、ねえ・・・)
もちろん少年は、その男に対する義憤など感じていない。
少年は、もはや偉大なる勇者の子として生きてはいないのかもしれない。


ロマリアに着いてから、今日で1週間になる。
ここでは、大した情報は得られていない。が、定期的に冒険者が集まりそうな場が立っているようだ。
カンダタ討伐隊。

以前からロマリア〜カザーブあたりで暴れまわっている盗賊団、カンダタ一味・・・

*窃盗、強盗、人攫い・・・何でもやりますカンダタ一味*

*人品の売買(難あり品もどうぞ)、暗殺もおまかせ*

噂では、ロマリア王の金の王冠さえも易々と盗み出したという。
・・・まさにやりたい放題な彼ら盗賊団の壊滅を目的に、討伐隊が幾度も召集されている。
と、いうことはつまり・・・まるで成果が出ていないことを意味している。
前回の第8回討伐隊も、あっさりと交信が途絶えた。カンダタによって殲滅されたのだろうという見方がほとんどのようだ。
国民にも、まるで期待されていないのがよくわかる。
それほどの力を持った一団を相手にできるほどのパーティなど、そうはいない。
もちろん、そんな力は俺にもない。
だが、数が揃えば強気になるのが人間というものらしい。
次回の討伐隊にも、すでに近隣の冒険者たちが何人も登録しているという。
ご苦労な話だ。
知らぬ間に芽生え、育った正義感に踊らされているだけだと、死んでも生まれても気付かないのだろう。
正義感・・・そんな物、いくら集めても。
そんな者たちを、いくら集めても。

俺は彼らとは違う。
あくまでも、別の目的のために参加するだけでしかない。
危なくなったら、逃げるだけだ。・・・いや、逃げ出してでも生き延びなければ。
こんなところで頓死するわけにはいかない。まだ、俺は死ねない。

俺は城の兵士が係を務める受付で名簿に記帳し、集合の日を待つことにした。
名簿を見た限り、今回もそれなりの規模になりそうだ。よく集まるものだ。
これなら、一人くらいは何か知っているんじゃなかろうか。兎に角今は、情報を集めないとどうにもできない。

集合は5日後の正午。それまでは、どこかブラブラしていようか。
俺は城を出て、武器屋地下の闘技場に入った。

・・・・・・

碌に当たらない予想屋の予想に殺意を覚えつつ外へ出た。
通りを横切り、宿屋へ入ろうとするとぬいぐるみのようなものを抱えた少女が佇んでいるのが見えた。
珍しい。カンダタ一味の所為なのか、ロマリアには女の姿自体少ないのだが。
10歳ほどに見える可愛らしい少女も俺に気がついたらしく、こちらに走り寄ってきた。
「ねえ、パパがどこか行っちゃったの。おにいちゃん知らない?」
・・・知るはずがない。俺は首を振って立ち去り、宿の一人部屋で寝転がった。寝転がったまま、袋から取り出した酒瓶に口をつけた。
4('A`):2007/12/11(火) 16:58:09 0
書いてくれる人がいる限り保守しつづける。
5('A`):2007/12/11(火) 19:24:13 O
  人  人  人  人
 ('A`)('A`)('A`)('A`)
6('A`):2007/12/11(火) 20:35:22 0
スライムが現れた!!!
7('A`):2007/12/12(水) 05:05:29 O
   。
。゚。'A`。゚。
  ゜
8('A`):2007/12/12(水) 15:35:52 0
 └('A`)┘
┏( ^ω^ )┓ 喪スターク
  /  \
9('A`):2007/12/12(水) 20:03:46 0
10('A`):2007/12/12(水) 20:07:09 0
トルネコ3クソゲーすぎる
11('A`):2007/12/12(水) 23:44:33 O
  _
 < ~\
 _r=二フ
  ( 'A`)
  ( ノ
   )ノ
12('A`):2007/12/13(木) 12:18:31 O
>>3
改めてまとめで最初から通しで読んできた
続きが気になるぜ
13('A`):2007/12/13(木) 23:04:31 0
>>10
君は何もわかってないようだ
14('A`):2007/12/15(土) 16:37:06 0
  人 
 ('A`)
15('A`):2007/12/16(日) 01:15:52 0
勢いがないぞ
ほしゅ
16('A`):2007/12/16(日) 15:33:49 0
このスレ速度遅すぎね?
17('A`):2007/12/16(日) 17:15:30 0
書き手がおって、なんぼのスレやからしょうがあらへんな
18('A`):2007/12/16(日) 19:40:26 0
勢いがないぞ
ほしゅ
19('A`):2007/12/16(日) 19:58:38 0
>>17
868 :('A`):2007/12/16(日) 13:36:08 0
確かにこういう場であえて関西弁を使うやつはキモい
自己顕示欲丸出しだろ


869 :('A`):2007/12/16(日) 13:37:47 0
自演すんなカス


870 :('A`):2007/12/16(日) 13:39:02 0
関西人乙
20 ◆OW4jDecrBQ :2007/12/17(月) 03:07:50 0
今年のクリスマスは、サンタに文才と時間をくれって頼み込んで、断られるんだ・・・
中止でもいいけど。

↓遅いわりに短いし、冗長な感もあるけど続きです


体温を奪いきった汗が、全身をじとりと包んでいる。
久々に、あの辛い夢で目覚めてしまった。

まだ辺りは薄暗かったが、俺は一口酒を飲んで外に出た。
外に出たはいいが・・・何もすることがない。
ロマリアには酒場がないので、冒険者が集まるような場がなく、城下の人々以外と会う当てがない。
どのみち、昨日の予想屋の所為で、もう遊んでいる余裕も無い。
あと4日…ここで待つのは、あまりに退屈だ。
仕方がない、北のカザーブにでも行ってみるとしようか。
俺は袋に薬草が入っていることを確認してから、城下を立ち去った。

急ぎの旅でもない俺は、草原を歩いてみたり森に入ったりしながら少しずつ北上した。
草原側は特に変わった様子はないのだが、森の中ではときおり元人間と思しき白骨や腐乱死体が転がっている。
自分はこうはならないようにと思ったが、俺が標的になる理由もなかった。
カンダタ一味、か。

夜も大分更けた頃、山あいのカザーブ村に辿り着いた。
大した苦労もなく着いたはいいが、すぐにここも暇を潰せる場所ではないことに気付く。
夜だというのに閑散とした、一人客が来ただけで嬉しそうに接客しだす酒場。
しかもここの酒は、きついばかりでうまみや香りに乏しいものだった。
カンダタ一味の所為でいろいろと苦労があるのだろうが、この酒の味では心地よく酔えそうにもない。
宿をとり朝を迎えたが、村人の話もさほど面白いものではなかった。
カザーブの名物だという鉄の爪も、俺には扱えない代物で、みやげ物とするにはあまりに無骨な代物。
ここにいても、得られるものもなければ楽しい時間が過ごせるわけでもない。
できる事といえば、適当に経験を積んでおくくらいか。

俺は村を出て、山道をブラブラしていた。
鞭を持つ右腕の肩に近い部分に、熱く痺れるような感覚があった。

後になって思えば、周囲への警戒がやや散漫だったと反省せざるを得ない。
低空を滑るように俺の背後に這い寄り、襲い掛かってきたのはキラービーの群れ。
21('A`):2007/12/18(火) 04:07:32 O
 人
('∀`)
22('A`):2007/12/18(火) 05:43:15 0
1人旅は麻痺したら終わりってのが辛いな
23('A`):2007/12/18(火) 06:06:45 0
ルイーダの酒場ネタが出ないとは、
ジェネレーションギャップか・・・

「〜さーん、勇者モダンさんがお呼びよー」
「あれ、おかしいわね、こないわ・・・」

「ここはルイーダの酒場よ、
でも貴方に紹介する仲間はいないわ帰って頂戴」

というわけでお城に行き、そのまま家に帰る。
アリアハン城の外を見たことは無い。
別にバラモス攻めてこないしー、お父さんは裏の世界だしー

('A`)ハァ
24('A`):2007/12/18(火) 14:09:43 O
>>20短くはないぞ

家族を殺され復讐の過程で関係無い他人を殺して
心境・性格がドライにスレてく勇者にゾクゾクする
25 ◆OW4jDecrBQ :2007/12/19(水) 18:06:19 0
>>22
一人旅ってSFC版でしかやったことないんだけど、もしかしてSFC版は一人だと麻痺しない?
3,4周は一人旅したんだけど、麻痺はしたことがない。

>>24
1週間空いてあれだと、なんか短いような気がしたので。


↓続きです(ネタバレになっちゃうけど、これで終わりではないです)


俺は慌てて肩を刺すキラービーを振り払い、周囲を見渡す。
背後から、4,5匹のキラービーが飛びかかってきていた。
俺は何匹かを盾で制しつつ、1匹ずつ右手の鞭で打ち落とそうと身構えた。
が、右腕が思うように動かない。それどころか、俺の右手はすでに鞭を手放していた。
このままではまずい。
そう感じた瞬間、俺は走り出していた。
追い縋るキラービー共を盾で振り払い、また時々メラを放って牽制しながら走る。
ひたすらに走る。
俺は、まだ死ねない。
こんなところでは、死ねない。

俺は息も絶え絶えになりながら、必死に逃げ回った。
だが、キラービー共もしつこく追って来ていた。
そして・・・ついに捕まった。
前方に回りこまれ、足を止めたところで腿を突き刺された。
刺された腿が熱を帯びる。

もはや、逃げることもかなわないようだ。
この数では、メラで追い返すのも難しい・・・
俺は死ぬのか。
体の自由を奪われた俺は、このまま体を貪られていくのか。

何が勇者だ。
その器でない自分が、こんなところで死ぬのも道理なのかもしれない。

俺は死を・・・体中を捕食される苦痛を受け入れながらの死を覚悟して、俺は目を閉じた・・・

ごめん、爺ちゃん・・・
26('A`):2007/12/20(木) 17:19:49 0
27('A`):2007/12/20(木) 17:29:09 0
otu
28('A`):2007/12/22(土) 16:42:41 0
  [ほ]    [し]    [ゅ]   
  ‖∧∧  ‖∧∧ ‖∧,,∧
  ∩・ω・`) ∩・ω・`) ∩・ω・`)
   (    ). (    ). (    )
   `u-u´  `u-u´   `u-u´ 
29('A`):2007/12/22(土) 22:27:37 O
>>6
カイシンの一撃
30('A`):2007/12/23(日) 13:04:45 0
>>29
ミス!!
スライムはひょいんとかわした!

コマンド
31('A`):2007/12/24(月) 12:55:33 0
  [ほ]    [し]    [ゅ]   
  ‖∧∧  ‖∧∧ ‖∧,,∧
  ∩・ω・`) ∩・ω・`) ∩・ω・`)
   (    ). (    ). (    )
   `u-u´  `u-u´   `u-u´ 
32 ◆OW4jDecrBQ :2007/12/24(月) 12:56:10 0

俺は、まだ生きている。


「あー、この人!」
「知り合いかい、ミリア?」
「こんな「びしょうじょ」がこまった顔ではなしかけてるのに、むしして行っちゃった人」

動かない体を少しずつ齧られていたそのとき、風の音が聞こえた。
それは、自分が思っていたよりもずっと強烈な、標的を切り刻む魔法の旋風。
体は動かなかったが、肉を貪る餓鬼共が引き剥がされたことは知覚できた。

「ほっといて帰ろーよ、こんな人」
「こんな人だからこそ、助けるんだよ。こういうときに助けられて、涙ながらに感謝して…
 もしかしたら、これからはやさしい人になれるかもしれないだろ?」
「ふーん、どうでもいいや」

どうやらこの二人…いや、この男が助けてくれたようだ。
見覚えのある可愛い女の子と、どこかで見たような理知的な顔つきをした頑強そうな男。

男は呪文で麻痺を解き、回復もしてくれた。
俺は涙も流さないし、善人になる気などさらさらないが、命を救ってくれたことには感謝せねば。
俺が感謝の言葉を口にするより前に、男は話し出した。

「一人旅は、どんな危険も見逃さないよう常に気を張ってなければ危ないぜ?
 切羽詰まったときは、キメラの翼で逃げるとか…常にリスクを回避できるように考えろ」
「ああ…ありがとう、助かりました」
「パパぁ、早く帰ろうよぉ」

二人は北へと歩き出した。
俺は20代半ばと見えるこの男が「パパ」と呼ばれていることに違和感を感じながら、頭を下げた。
違和感を感じながら、何かを忘れているようでもあり…
俺は慌ててリストに目を通す。
男とよく似た顔の下に、細かい字で注意書きがされていた。

「絶対に怒らせるな!」

そう書いてあった気がしたが、俺は人相書きを見た時点で居ても立ってもいられず、二人を追いかけていた。
33('A`):2007/12/25(火) 15:44:59 0
クリスマスだからひとがいないってことなないよな
34 ◆OW4jDecrBQ :2007/12/25(火) 16:43:02 0
おれに もっと クオリティがあれば・・・
35('A`):2007/12/25(火) 18:26:48 O
十分おもしろいよ
頑張って完結させてくれ
36('A`):2007/12/25(火) 18:26:58 0
いやそれはあまり気にしなくていい
37('A`):2007/12/25(火) 18:28:54 0
おお10秒差で俺の前にレスしやがって
これじゃ完結しなくていいって言ってるみてーじゃん
完結はしてくれ質云々よりそれが大事
38('A`):2007/12/27(木) 03:04:24 0
あああああああああああ
39('A`):2007/12/27(木) 06:45:56 O
>>34
自分に物足りなさを感じているなら
それは見る側にとってありがたい事だ

勇者の末路、楽しみにしてるぜ
40('A`):2007/12/27(木) 17:04:15 O
やっぱり完結するって事が大事だよな
小説スレで短編以外で完結したのは見たことがない
41('A`):2007/12/28(金) 13:15:41 0
今年も1/3はベッドの上

残りの約2/3はパソコンの前で過ごすような1年だった


後悔はない・・・わけはない
42('A`):2007/12/28(金) 13:34:33 O
池沼みたいな生活だな
43('A`):2007/12/28(金) 13:40:14 0
俺なんてベッドの上にパソコンだぜ
44('A`):2007/12/29(土) 19:28:23 O

45('A`):2007/12/31(月) 00:59:35 0
 
46('A`):2007/12/31(月) 13:33:17 0
今年中に完結させたら股間うpする
47('A`):2007/12/31(月) 18:45:34 0
ちゃんと完結することは少ないのか…
おk、完結できるようがんばるよ

だが、>>46の股間うpは阻止せざるを得ない


↓続きです


俺は、自分の遥か前を行く二人を追いかけている。
前の二人は、こちらに気が付きつつもあえて無視しているかのようだった。
仲良さそうに手をつなぎ、のんびりと歩いているのが遠目に見える。

そろそろ日が落ちるかという頃、二人は北の森辺りに差しかかっていた。
俺は二人に追いつき、なにか話を聞き出そうと走り出そうとした。
その時右目の端に映ったキラービーをはたき落とし、そのまま追いかけようと…
鞭がない。
先ほど逃げ回っていたときに失くしてしまっていたことを、忘れていたのか。
自分の軽薄さには、全く呆れ返る。
しかし幸いにも、咄嗟に唱えたメラ一発でキラービーは怯んだ。
少し手間取ってしまったが、早く二人に追いつこう。

森へと駆け込んだ俺が目にしたのは、盗賊の群れ、それと対峙する男、そして盗賊に捕らえられた少女だった。
「やだっ! はなしてよっ!」
「ウへへへ…」「お前嬉しそうだな、そういう趣味だったのか?w」
「おにーさん、今なら身包み剥ぐだけで許してあげちゃうよ〜?へっへっ」
「その金の腕輪、高く売れそうだねぇw」

大小さまざま、されど誰も例外なく小ずるそうな顔をした者達が十数人で男を囲んでいた。
彼らに見つからないように、木々の陰から慎重に近付いていく。
その途中で聞こえた男の声には、まるで動揺の色が感じられなかった。
「…その子が人質のつもりなら、さっさと離したほうがいいと思うんだ、俺は」
「あぁ?うるせーよ、お前。逆らうってんなら、殺るだけなんだけど?」
「男の相手なんかめんどくせーよ、そんなのより俺は早くこの子と…ハァハァ」「おいおいww」
「早いってww」「盛りすぎだよお前ww」

…あまり話がかみ合っていないようだが、どちらも余裕綽々なことだけは感じ取れる。
盗賊たちは数を頼みにしているのだろうが、男の真意はどうにも理解し難い。
なぜ、なぜそうまで余裕を持っていられる?
打つ手があるが故の冷静さなのか?
それとも、弱みを握られた男の精一杯のブラフなのだろうか?
俺は蚊帳の外で、ゆっくり考えをめぐらせようとしていた。
48 ◆OW4jDecrBQ :2007/12/31(月) 18:46:19 0
名無しで書き込んじゃった、スマン
49('A`):2008/01/01(火) 14:13:10 O
どどどどうなる!?
50('A`):2008/01/02(水) 05:01:59 0
>>49
我ながら、正直月並みな感。


↓続きドゾ(先に断っておきます、文中で「悪人正機」と言ってますが本来の意味とは違います)



「ぁぁ…可愛いねぇ…」
少女の胴に盗賊の手が伸びる。
「なぁ、いい加減そろそろ離」
「っ…さわんないでよぉぉ!!」
少女の叫び声、それとほぼ同時に薄暗い森全ての目を眩ませるような閃光が走った。


何も見えない。
何も見えない中で、周囲の空気が少し熱く、乾いたものに変わっていた。
息を吸えば、やや息苦しく感じるとともに、遠巻きに焦げた臭いがする。
耳を澄ませば、盗賊たちから漏れた、たじろいだような声が聞こえる。

徐々に視力が戻る。
眼を凝らすと、倒れこんだ少女を囲うように、むき出しの土が円形を成している。
円の縁では、焼け焦げた草が黒い仕切りを形作っている。
仕切りの外には、彼女の近くにいた盗賊らしき黒い塊が2つ転がっている。
嫌な光景だ。
そして彼女を捕らえていた盗賊は哀れ、跡形もなく燃え尽きてしまったようだ。

「あーあ…だから言ったのに」
男はそう言いながら、意識を無くした少女を優しく抱きかかえた。
もはや、彼を妨げようとする者もいない。盗賊たちはみな恐れ慄いている。
「悪人正機という言葉もある、抵抗しないなら見逃してやる…と言いたいところなんだが」
男は静かな口調を崩さぬまま、続ける。
「この子のことが、街で噂になりかねんのは少し困る。悪いがここで死んでくれないか?」
呪文の素養に乏しい俺にすら分かる、強烈な魔力の濃縮。
爆風と轟音が木々を薙ぎ倒す。
距離をとって隠れていた俺でさえ、その衝撃に押し倒された。
盗賊たちの命運は、完全に尽きたようだ…
51 ◆OW4jDecrBQ :2008/01/02(水) 05:02:25 0
↑またやっちゃった・・・orz
52('A`):2008/01/02(水) 14:23:00 0
まあ気にすんな
53('A`):2008/01/03(木) 01:03:00 0
うん。気にすんな
54('A`):2008/01/03(木) 01:32:41 0
そして、気にすんな
55('A`):2008/01/04(金) 05:32:27 O
半端に新しさを求めて続きが書けなくなる事もあるようだし

面白いから問題無し
56('A`):2008/01/05(土) 08:29:24 0
あけおめ保守
57('A`):2008/01/06(日) 15:04:09 0
ことよろほしゅ
58('A`):2008/01/07(月) 15:37:06 0
勇者ニートはヤッパリいないか
59('A`):2008/01/08(火) 19:51:20 0
勇者ニート復活祈願あげ
60('A`):2008/01/09(水) 19:20:01 0
勇者ニートもだが密かに前スレ757の復活を待ってる俺ガイル
61保守:2008/01/10(木) 17:32:11 O
>>50
おいおいまさかこれにてドロンなんてやめてよね

べ!別に続きが気になるわけじゃないんだけど
巡回スレが賑わってないとなんてゆうかアレなだけなんだから・・・
勘違いしないでよねもう!
62('A`):2008/01/10(木) 23:02:42 0
勇者ニート期待 保守
63ほしゅ ◆OW4jDecrBQ :2008/01/11(金) 21:39:54 0
>>61
修論で忙しくて、今月はほとんど書けないかもしれません・・・申し訳ない
もし書いていたら、「現実逃避乙」とでも思ってやってくださいw
64('A`):2008/01/12(土) 09:13:04 O
なんか書きたくなってきた
65('A`):2008/01/12(土) 13:54:19 O
ではどうぞ
66('A`):2008/01/13(日) 12:36:19 0
>>64
書けよ
67('A`):2008/01/13(日) 20:36:53 O
張り切ってどうぞ
68('A`):2008/01/13(日) 20:55:09 0
ホシュはあはぁ
6964:2008/01/14(月) 22:56:20 O
やっぱりやめとこうと思います・・・
70('A`):2008/01/15(火) 05:09:56 0
いいじゃん書けば
初代スレ主と◆OW4jDecrBQがたまたま
ハイクオリティなだけで、別に高いクオリティを
求めてるわけじゃないし
7164:2008/01/15(火) 17:15:30 O
携帯でぽちぽちやるのもアレなんで、やめときます。
真面目っぽい文章も苦手ですし。
5ヶ月くらい前に、ショートショートくらいの長さの話のあらすじを思いついたんですけど、
あまりにナンセンスな上にいろいろ変なところもあって、くだらない限りですのでとりあえずやめておきます。
72('A`):2008/01/15(火) 21:52:48 O
ほすあげ
73('A`):2008/01/15(火) 22:22:24 0
じゃあ上手く書こうと思わなければいいのに
どうせ過疎だし駄作が来ても構わない
74('A`):2008/01/17(木) 00:44:37 0
文章が変だからおもしろくない、ってわけでもないしな・・・

そもそも、ここは元々きっちりした物を書かなきゃいけないっていうスレじゃないし
今は◆OW4jDecrBQしか書いてないからそう見えるのかもしれないけど
75('A`):2008/01/17(木) 09:26:13 O
気が向いたら投下してくれ
76('A`):2008/01/19(土) 09:27:50 0
保守(`・ω・´)
7764:2008/01/20(日) 01:29:27 O
すいません、携帯でぽちりぽちりやるのが最近面倒なもので・・・

実は自分は前のスレッドで短編をひとつ書き上げたんですが
正直言って今自分で見てもあまりおもしろくなかったです。
文章もまずかったですし。
78('A`):2008/01/20(日) 23:18:50 0
童貞ばんざぁあぁあぁあぁあぁあい!!! 保守
79('A`):2008/01/20(日) 23:33:27 O
( ´;゚;ё;゚;)・・・
80('A`):2008/01/21(月) 22:11:03 O
とりまあげほす
81('A`):2008/01/22(火) 22:32:35 0
82('A`):2008/01/22(火) 22:35:11 O
83('A`):2008/01/23(水) 05:37:19 O
早く2月にならないかな
84('A`):2008/01/24(木) 18:00:30 0
ほすあげ
85('A`):2008/01/24(木) 19:10:34 O
喪vsバレンタイン
86('A`):2008/01/26(土) 10:22:59 0
保守
87('A`):2008/01/27(日) 04:13:08 0
あげてみる

誰か,書かないかなぁ・・・
88('A`):2008/01/28(月) 12:47:57 0
さらに人減った?
もうここもおしまいなのか?
89('A`):2008/01/28(月) 19:49:38 0
まだだ、まだ終わらんよっ!
90('A`):2008/01/28(月) 20:26:11 O
スレタイ検索で来たんだがこの板の住人じゃなきゃ書いちゃダメ?
この板て結構毒々しいよね
91('A`):2008/01/28(月) 21:43:09 0
>>90
そんなこと言わずに書けばよかったのに

その手の話題を出さなければ問題ないと思うけど
92('A`):2008/01/28(月) 22:58:38 0
とりあえず書いてくれよ。
93('A`):2008/01/29(火) 02:13:30 O
言葉が悪かった。スマソ。まとまったら投下してみる。ペースが遅いんで期待はしないでください。
94('A`):2008/01/29(火) 16:09:56 0
95('A`):2008/01/29(火) 22:19:46 0
 
96('A`):2008/01/31(木) 02:35:24 0
>>93の投下祈願あげ
97('A`):2008/02/01(金) 02:31:20 O
オルテガの息子に期待あげ
98('A`):2008/02/02(土) 07:56:11 0
保守しておくか
99('A`):2008/02/03(日) 19:42:13 0
保守だぜ
100('A`):2008/02/04(月) 07:45:38 0
誰も来てないけどあげるお
101('A`):2008/02/05(火) 16:41:10 O
保守
102('A`):2008/02/07(木) 01:16:09 0
保守しておく
103 ◆OW4jDecrBQ :2008/02/08(金) 02:31:11 0
お久しぶりです。
修論書いてたら、続きの流れをどうするか忘れちゃいました・・・
思い出しつつ書きました。
既に2月も1週間過ぎてるし、その割に短いですが、保守がてらということでひとつ^^;



倒れ来た木々の下敷きになっていた俺は、男に気付かれないようゆっくりと倒木を押し退けていく。
「そろそろ出てきたらどうだ、少年」
・・・お見通しか。
観念して出て行こうと、力いっぱい目前の障害物を跳ね除けた。
俺の眼前が開ける頃、戦慄きが聞こえた。
「ぅ、ひ、ひぃぃ」
ガサガサと草木を擦る音が聞こえ、蒼ざめた男がこちら側に走ってくる。
「・・・ちっ、やりにくい」
視界の奥では,赤く輝く火球が既に練り上げられている。
呟きとほぼ同時に現れた、俺のメラとは比べたくもない大きな火球が。
盗賊が近づく。
俺はとっさに、盗賊の足を引っ掛けた。
いかに敏捷で目ざとい盗賊といえど、肝をつぶして潰走するさなかに足払いをかわす事など・・・足元を見る余裕さえ無かっただろう。
「・・・!」
綺麗に転げた盗賊に、火球が迫る。
思わず視線を逸らし、息も止めていた自分がいた。

「少年、手を借りてしまったな」
少女を抱きかかえたまま十数人を容易く蹴散らした男が、淡々と語りかけてきた。
「こんな所まで尾けてくるとは、何か用でもあるのかな?」
「あ、ああ・・・訊きたい事がある。差し障りのない範囲でいいんだ」
「ふーん・・・ま、若者は迷走してこそだ」
困った相手だ、なにしろ力の差が大きすぎる。
最悪の事態を考えると、あまり核心を突くような質問はできない。
こちらの意図を察知されるようなことがあれば、向こうは簡単に口を封じることができる。
仮に、この男が何か関係しているとすれば、だが。
「手伝ってもらった恩もある・・・もう夜だし、家に来いよ」
104('A`):2008/02/08(金) 02:37:38 0
前回の展開を忘れてたから戻って読んできた。
GJ
105('A`):2008/02/08(金) 04:08:19 O
1ヶ月も中断してたのにまた書き始めてくれた
これはブラボーを贈らざるを得ねーし
106('A`):2008/02/08(金) 05:25:20 O
毎回毎回続きが気になるのう。わしゃうれしゅうてクソもらしたわ


勇者ニートの富樫病が早く癒えますように
107('A`):2008/02/08(金) 13:23:15 0
文系院生スレかと思った>修論とか書くから
108('A`):2008/02/09(土) 19:48:39 0
賢者から転職した勇者の俺。
109('A`):2008/02/11(月) 01:25:54 O
ホッシュ大統領
110('A`):2008/02/11(月) 14:09:38 0
ほっしゅん
111('A`):2008/02/11(月) 15:24:22 0
 [[ †]
ノリノ)リ)
!サ!'ヮソ|<ありえん(笑)
i‖†|J
‖__|
||
112('A`):2008/02/11(月) 21:18:49 0
ニコニコにもあがってたなぁ>ありえん僧侶
113('A`):2008/02/12(火) 20:38:41 O

114('A`):2008/02/14(木) 14:05:47 O
 

115('A`):2008/02/15(金) 03:56:04 O
最近ドラクエ3を始めた!
116('A`):2008/02/15(金) 10:40:01 0
書け
117('A`):2008/02/16(土) 00:39:45 O
もち勇者はしょこたん!
118('A`):2008/02/18(月) 02:29:23 0
勇者しようこはほしゅした!
119('A`):2008/02/19(火) 03:06:25 0
あげてみるお
120('A`):2008/02/19(火) 04:10:01 O
女勇者がお姉ちゃんだったら?
121('A`):2008/02/19(火) 08:25:52 O
オルテガが親父かよ
122('A`):2008/02/20(水) 03:25:02 O
ときたらガイアとマッシュ
123('A`):2008/02/20(水) 22:29:55 O
じゃあガイルとナッシュ
124 ◆OW4jDecrBQ :2008/02/21(木) 05:23:52 0
ご無沙汰しています。
修論発表も無事に終わり、今の俺を悩ませるものは某ゲームのバージョンアップくらいですw


>>107
そのスレは見たことありますが、いまいち内容はわかりません。
ま、D進しないし、そもそも書き込んでもスレ違い。

>>111
「馬車内の空気が最悪です」のほうが好きだってさ

ありえん(笑)


>>115
>>120
書かないか


書いててなんか微妙な気がしますが、続きを貼ります
125 ◆OW4jDecrBQ :2008/02/21(木) 05:25:41 0
森の奥はすっかり暗転しきっている。
男は少女を抱きかかえ,その横を俺が松明を持って歩く。
(どうやって話を進めていくか・・・)
その一点が思考を支配しきっているせいか,俺は口を開かなかった。
男も,特に何かを喋る事もなく歩き続ける。

「ま,入れよ」
気が付くと,やや開けた草むらの奥に家が建てられていた。
二人の住まいにはやや大きな,簡素な木造の家。
見た目にはそれだけの印象だったが,どうも妙な感覚がしてならない。
といっても,それはこの男と会った時、感じたものとよく似ているが。

「随分無口なんだな,不味かったか?」
ひとまず少女を寝かせ,二人で夕食を取っていた。
考えが纏まりかけのところで悩み続けている俺には,飯の味はよくわからない。
飯の味など知らないが,言葉が聞こえたのをきっかけにこちらの考えは纏まった。
「・・・いや,こんな味の肉を食った事がなくて」
今は兎に角,この男と友好を深めるのが最善だろう。
そう・・・首尾よくこの男の力を借りられれば,大抵の事を難なく為せるはずだ・・・
「昨日焼き殺したバリイドドッグの・・・冗談だw 東で獲れる熊の肉だ,この辺りでは珍しいかもしれんな」
淡々と話す男の表情からは,そんな俺の思惑などはどうでもいい,そう言っているかのような印象を受けた。

「なぁ,1ついいかな? 何でこんな所に住んでるんだ?」
大方飯が片付いたあたりで,話を切り出した。
「あー、ここより西に変な村があるのは知っているか?」
話を逸らされたか? この程度のことで?
「知らないか・・・村があるんだが,そこの人間は何故か皆眠っているんだ。普通に起きて、何かをしている体勢のままで」
・・・どうでもいい。俺からすれば実にどうでもいい話だが,付き合わざるを得ないか。
「やれるぜw」
「何を?」
「・・・歳のわりに,冷めてるんだな」
俺の反応にはご不満だったらしい。一呼吸置いて,話を続ける。
「その村,見たところ相当強力な呪がかけられていてね,興味が湧いたから近くに住んで調べてるんだ。それだけだよ」
「なるほど・・・それにしてもあんた、随分呪文に詳しいみたいだな」
「詳しいだけじゃないぜ、魔力を持ったものは大体感じられる。人でも物でもな」
「どうりで」
「お前がいたのもお見通し、というわけだ」

これ以外にも、いろいろな話題で語り明かした・・・というよりは、話を聞いていただけといったほうが適切かもしれないが。
西の島国、エジンベアにあるという名酒、はるか南の滅んだ村、肉の美味い魔物・・・
男の話す様子、またこれまでの態度から推し量るに、この男が理由もなく人に危害を加える人物ではないように思えた。
もちろん、表面的な付き合い一日で全てが理解できるはずもないことはわかっているが。

(・・・のお・・・の・・・おい・・・る!)

突然男が不似合いな、慌てた様子で叫んだ。
「まずい、間に合わん! 伏せろっ!」
衝撃を感じた。そしてそれに気付いた時には既に、家の枠組みが崩れ落ちて来ていた。

「・・・大丈夫か?」
暗がりの中、瓦礫を押し退けて伸びをする。
語りかける声は、やはり淡々としていた。
「済まんな。最近こいつも落ち着いてたから、家組みに防御を施してなかったんだ」
「大丈夫だけど・・・こいつ? 外から襲われたんじゃないのか?」
「いや、こいつの癖というかなんと言うか・・・とにかく済まなかった」
家屋全壊の犯人が眠ったまま男にしがみ付いている、その姿に何故か少女の、肉親への思慕とは異質な何かを感じた気がした。

夜も遅く、家を直すのも面倒だということで3人でロマリアの宿屋に飛んだ。
スケールが違う、と言ってしまえばほんの一言だが・・・
一体なんなんだ、この二人は。
126('A`):2008/02/22(金) 15:40:58 0
先が読めぬ
127('A`):2008/02/23(土) 13:06:54 0
ほっしゅ
128('A`):2008/02/24(日) 15:19:14 0
129('A`):2008/02/24(日) 20:34:37 O
わくわく
130('A`):2008/02/25(月) 05:49:59 0
遊び人 32レベルだけど
賢者になれるかな
131('A`):2008/02/25(月) 05:55:03 O
レベル32だったら競馬とかスロとかボロ勝ちだろ
ドラクエの世界ではレベル≠年齢な
132 ◆OW4jDecrBQ :2008/02/26(火) 06:00:09 0
>>126
先が読めないってのは、必ずしもいいことなのかな?
もしかしたら、話がきちっとまとまってないために混乱させてるだけなのかもしれない


↓続きですよ


ロマリアの宿。
いろいろなことがありすぎて混乱しているのか、部屋のベッドの中でもなかなか寝付けなかった。
「眠れないのか・・・ひとつ、話に付き合うか?」
俺は男の側を向いて頷く。男は続ける。
「お前さん、なにか思いつめてることがあるな? すぐに感じたよ、昔は占いなんぞもよくやってたからな」
俺は答えない。
答えなくとも、この男は続けるだろう。
「何があったのかまでは知らんが・・・そうだな、大抵の物事には理由があるものだ」
「・・・だが、理由などなくとも酒は美味い」
そう言って、小瓶を投げて寄こす。
「美味い酒を飲んで、今日は終わりにしよう」

・・・甘みが舌に胸に溶け込んで、そこからじんわりとした痺れが拡がっていくような。

「そういえばお前、もしかしてアリアハンの出か?」
まだ俺が眠れないでいることを解っているかのような言葉。
「そうだけど、それがどうかしたか?」
「そうか・・・いや、お前が昔の知り合いに似てる気がしてな。ポカパマズって奴なんだが」
それがどうかしたのか。
「そんなことはどうでもいいか、今日はもう寝よう」
男がそう言い終わるやいなや、俺の意識は遠のいていた。

・・・

「おい、こんな時間まで寝ようとは言ってないぞw」
声が聞こえた気がしたが、俺はまだ眠っていたい・・・
!?
眠っていたかったはずの頭、体・・・いや、俺そのものが急激にその欲求を失った。
「相当疲れていたのはわかるが、流石に寝すぎだ」
男はそう言いながら、窓の外、既に南西に移っている太陽の光を指差す。
「ちょっとこいつが心配になってきたから、俺は帰るよ。明るいうちに家も直さないと面倒だ」
と、凶暴な眠り姫を抱きかかえ、立ち去ろうとした。
「待ってくれ!」
「お? 宿代なら払っておいたぞ、心配ない」
「いや、その・・・」
俺はかしこまりながら、いつの間にか口走っていた。
「アンタを見込んで、頼みたいことがあるんだ・・・」


 ニア 「強くなりたい・・・俺を強くしてくれないか」
     「俺にはやるべきことがあるんだ、俺に力を貸して欲しい」
     「どうしても聞きたいことがある、帰る前に教えて欲しいことが」
     「占いが得意だって言ってたよな、ひとつ頼む」



久しぶりに、選択肢を用意してみました。
よろしければ反応ください。
133('A`):2008/02/26(火) 18:08:39 0
「その娘を僕にください」
134('A`):2008/02/26(火) 21:09:40 0
無難に
「強くなりたい・・・俺を強くしてくれないか」
135 ◆OW4jDecrBQ :2008/02/27(水) 00:41:28 0
>>133
ワロスwww

じゃあこれもありで >「その娘を僕にください」
136('A`):2008/02/28(木) 02:09:02 O
ニア「〜聞きたい事がある〜」
137('A`):2008/02/29(金) 11:06:54 O
 ニア 「強くなりたい・・・俺を強くしてくれないか」
     「俺にはやるべきことがあるんだ、俺に力を貸して欲しい」
この二つを一つに纏めて下さい。
138 ◆OW4jDecrBQ :2008/03/01(土) 09:48:07 0
回答ありがとう


なんかバラバラぽ?
とりあえず、続きをまとめてみます。
139('A`):2008/03/01(土) 13:52:56 O
楽しみである
140('A`):2008/03/01(土) 13:54:57 0
ゾーマさま日記
【7:12】キングヒドラの鳴き声で起床。まだ眠い。顔を洗う。俺の体温は低いから水が冷たくなる。軽く震える。
【7:22】朝食だ。今日も人間の絶望ををすする。苦い。イヤになる。
「石化解けやコラ」ルビスの言葉だ。うるさいんだよ。俺に逆らうからこうなったんだろ。
「解けオラ」うるせぇんだよこのルビスが。ヒゲを書いて黙らせた。
【7:35】ダルい勇者待ち。城ではうるせぇキングヒドラがわめいている殺すぞ。
【7:43】「助けて〜!」バラモスBが叫んでいる。俺にどうしろっていうんだよ。
【7:50】バラモスB救出。ルビスに軽い呪いをかけられたらしい。うだつの上がらない奴だ。
【8:03】今日も真っ暗だ。気分が盛り上がらない。早く魔界へ帰りたい。
【8:46】ルビスがニヤニヤしている
【9:30】早朝勇者待ち終了。
【9:40】休憩。
【9:45】お腹がすいた。人間の憎しみを喰らう。また歯並びが悪くなる。
【10:11】みんなで談笑。ルビスの笑い声にみんながいらつく。
【11:20】自称勇者 登場。
【11:22】「覚悟しろ、大魔王ゾーマ!」 なにこのふくめんぱんつ。
「わが いけにえの さいだんへ よくぞ きた!」本当はどうでもいい。三下に任せたい。
【11:40】ふくめんぱんつのバギクロスだ。臭い。なんか臭い。
【11:42】「ゾーマしねカス」ルビスだ。うぜえ。俺がぱんつごときに負けるわけないだろうが。
【11:43】「しねっしねっボケ」まじうぜぇ、軽くノイローゼだ。ルビスがニヤニヤしている。
【11:45】「マヒャド」大魔王なのにマヒャド。でもこれがいいんじゃね?
「むねん・・・ぐふっ」このセリフには飽き飽きしている。
【11:49】戦闘終了。ふくめんぱんつを海に投げ捨てた!
【11:53】バラモスBが来た。「ゾーマさま!助けに来ましたぞ!」遅すぎる。帰れ。うだつの上がらない奴だ。
【12:30】就寝。祭壇前でキングヒドラがウンコ垂れ流していた。ルビスがニヤニヤしてこっちを見ている。
いやがらせか?殺すか
141('A`):2008/03/02(日) 19:04:44 O
「くそイラッてーな!!誰も平和に出来ないなら俺がやってやんよ!!」
俺は母ちゃんにそう告げた。母ちゃんはそんなの無理だって言ってたけどもう我慢ならん!!
今まで自分の部屋に閉じこもって外のことなんてどうでも良かった。
でもこないだ僕の好きな娘がモンスターに食われた話を聞いたんだ。

学校?んなもん関係ねぇ!!勉強したって死んだら意味ねーっつーの!!
勉強するなら平和にしてからしろやクズ共がぁぁ!!

俺は準備を整えた。
おにぎりを蓄え、武器は包丁、トンカチ、防具は鍋の蓋、これで十分だろ。

さっそく俺は学校に乱入した。

「おいテメエら!!ミカちゃんがモンスターに食われたんだろが!!
 何のんきに机に座ってられんだ!!ブッ殺すぞテメエら!!」
久しぶりに見たクラスメイトの面々。
予想外の出来事に奴らはぽかーんとしてただ俺を見ているだけだった。
俺のことなんて忘れてると思ってたが一人が俺の名を口走った。
「ジュン!!」
「うるせぇ!黙れ!先公!てめえも動くな!いいから黙れ!!」
静かになった教室。俺に注目が集まる。緊張する。

「テメエらいいか!?俺は今日モンスターに復讐しに行く!!一匹じゃねぇ!!全殺しだ!!」
俺はテンションを上げるために教壇を思い切り叩いた。バシン!と静まり返った教室にその音は鳴り響く。
手が痛かった。
142('A`):2008/03/02(日) 19:12:53 O
「テメエらには失望したんだよ!!ムカツクっちゃねーぞこの野郎!!お前だお前!!」
俺は一番前の中央の席に座っている一人の男を睨み付けた。
そいつの名はアルス。かつてこの国の勇者と呼ばれたオルテガの息子だ。
「おい。テメエはこんなところで何やってんだ!」
「…何が。」
「何がじゃねえだろ!!悔しくねえのかお前!!お前の仲間が死んでんだろが!!」
「だから…なんだよ。」
俺はそいつの胸ぐらをつかみかかる。
「それでも勇者の息子かお前?」
その前に先公が止めに入ろうとしたので俺はアルスを吹っ飛ばした。
「動くなつったろうが!!ブッ殺すぞお前!!」
俺が先公に包丁を突き付けた瞬間だった。

「メラ!!」

誰かが唱えた。
包丁を握っている手に火の球を浴びせられてしまい、反射的に持っていた包丁を落としてしまった。
すぐさま替えの包丁を取り出した。
「誰だ今やりやがった奴は!!熱いじゃねえか!!」
全員が座っている中、右端列の2番目の席で立っている女がいた。
「悔しくないわけないじゃない!!いきなり何しに来たのよアンタ!!」
そいつは俺が大好きだった娘の親友だった女だ。
名前はミハル。家系は魔法使いらしい。ついに魔法を覚えやがったようだ。
「てめえも魔法が使えるならこんなところで勉強してんじゃねえよ!!」
「うるさいわね!!私だってやろうとしたわよ!!でも…私一人で戦えるわけないじゃない!」
「あぁ!?一人だぁ!?いるじゃねえか!!ここに仲間が!!」
俺はアルスに向かって包丁を差し向ける。
「テメエ勇者の息子だろうが!なんか言えコラ!!」「僕は…。」
口ごもる勇者の息子。その姿を見るのは非常に腹立たしかった。昔の俺を見ているようで。
「ったく!久しぶりに会ったら少しは勇者らしくなってんのかと思えば!!相変わらずだなテメエは!」
俺は今度はミハルに包丁を差し向ける。
「俺は行く。俺は変わったんだ。お前らとは違う。お前はどうすんだ?」
「…行きたいけど…。でも無理よ。今みたいな魔法しか出来ないもの。私だけじゃあ…」
「へっ!!来て失敗だったぜ!!じゃあな糞共!!」
「待てやテメエ!!誰が糞だ!」
そいつはクラスで威張りくさってる調子こき野郎だった。俺はそいつに言ってやったんだ。
「テメエなんか学校でいきがってるだけの糞野郎だっつったんだ。」
「あぁ!?お前みたいなヒキ野郎がモンスターと戦って死ぬだけだろーがよ!」
「死んだら死んだだ!!テメエらはただ怯えてるだけの俺以下じゃねえか!!」
「テメエちっとこいや!!」
その調子こき野郎が俺に向かって椅子を投げ付けてきた。
体に当たってとても痛かった。
さらに俺をボコにしようととんでくる。でも俺には包丁がある。勝てる!!
「待ってよ!!」
一人の男が割って入ってきた。
「んだよアルス。」
「先生。僕、モンスターやっつけに行ってきます。」
「アルス君。あなた…」
「テメエどけよ今それどころじゃ…」
「だったら君もジュン君とモンスターやっつけに行こうよ。」
「あぁ?……だっ誰が行くか!テメエらみたいな特殊人間じゃねぇんだよ俺は!」
「私は行くわ!!」
ミハルだった。カバンの中に入っている教科書類を投げ出しカバンだけを持って駆け寄ってきた。
「ミハルさんごめん。今まで僕は…」
「ううん。私も同じよアルス。これもあなたのおかげだわ、ジュン。ありがとう!」
「う、うるせえな!!さっさと行くぞボケ共!」

俺、勇者の息子アルス、魔法使いミハル。
俺たち三人は学校に別れを告げ、旅に出る。
143('A`):2008/03/02(日) 20:09:58 0
しかし主人公はなんもないんだろ。
144('A`):2008/03/03(月) 21:18:06 0
145('A`):2008/03/04(火) 20:51:27 0
>>142
おつだお
つづきまってるお
146141:2008/03/05(水) 07:10:47 O
アルスとミハルは一旦支度を整えに家に戻り、それからルイーダの酒場で落ち合うことになった。
俺は先に酒場に行って待つことにした。

ルイーダの酒場。こういう人々が集まる場所にはあまりきたくは無いが待ち合わせ場所だ。仕方ない。
俺は店内に入った。にぎあう店内。見渡したがテーブル席はいっぱいだったのでカウンター席に腰掛けた。

「あら少年。今日は学校はどうしたのかな?」
店の人か。カウンター越しに小綺麗なお姉さんが話し掛けてきた。
「別に…。」
ったく、だからカウンター席なんて嫌なんだ。
「その格好、家出かなぁ?ダメヨ少年。お母さんが心配してるわよ。」
心配?まさか。でもそんなもの関係ない。俺は大好きだったミカちゃんがいないこの世に未練などない。
「とりあえずなんか飲みもん頂戴。」
「そこにメニューあるから、なんでも頼んでね。」
「じゃあオレンジジュース。」
「ふふ。わかったわ、ちょっと待っててね。」

なんだ。なぜこいつは笑いやがったんだ。
147141:2008/03/05(水) 07:18:10 O
(親との別れに涙でも流してそうだなアルスの奴は…。ミハルはどうだろうな…。)
出されたジュースを飲みながらそんなことを思い、俺はただひたすらあいつらを待っていた。

「おまたせ〜。まだアルスは来てないみたいね。」
そう言いながら隣の席に見覚えの無い一人の女が腰掛けてきた。
言動から察するにミハルとしか考えられないが聞かずにはいられなかった。
「…誰?」
「誰って失礼ね。アタシよアタシ。」
「ミハルかよ!なんだその魔法使いみたいな格好は!」
「みたいな、じゃなくて魔法使いよアタシは。どう?」
とんがり帽子に黒マントにとんがりブーツ。ついでにやや短めなスカートに黒めの網タイツの組み合わせが実に妖しい。
「み、見た目だけは大まどうしだな!」
「なっなによその言い方ぁ!」
くそっ…、何をドキドキしているんだ俺は。俺はミカちゃん一筋だったハズじゃないか。
それがどういうことだ。ちょっとミニだからって、黒の網タイツだからって…。
「あっあんまりヘンナとこジロジロ見ないでよねっ!」
「み、見てねーよ!」

俺はジュースを一気に飲み干してしまった。
148141:2008/03/05(水) 07:37:54 O
未投下の長文削除してしまったorz

レスd。主人公にも付加価値考えてますが、まだ考えてないので曖昧な感じになってしまいました。
文才無くてスマソ
149('A`):2008/03/05(水) 09:27:25 O
>>141
おもしろい
150 ◆OW4jDecrBQ :2008/03/06(木) 04:21:01 0
>>141
イイヨイイヨー


負けじと投下

昼下がり、宿屋に力を願う声がか弱く木霊する。
少年に力は無く、少年は力を欲する。
偉大なる勇者の面影を残す少年、彼は勇者と呼ばれはしない。
心に真っ直ぐな熱を持たない者を、誰が勇者と呼ぶものか。


「俺は、強くなりたい・・・俺を強くしてくれないか」
その言葉を聞いていたのかいなかったのか、男は黙って俯いて・・・少女の寝顔を見つめていた。
その視線を外さぬまま、男は呟き、歩を進めた。
「強い・・・とは、どういう状態を表すのか? 如何な基準を以って、強いと言うのか?」
「ち、ちょっと待って」
「あたっ!」
宿の客を突き飛ばしてしまったことにも気付いていないのか、未だ男は視線を移していない。
「おい、どこ見て歩・・・ん? み、水鏡先生?」
「・・・ん、誰だっけ?」
「いやいや、以前息子のことで世話になった者ですよ」
「覚えてないな・・・用があるので、済まないが」
言い終わると、男は片手で少女を支えつつ、もう一方で俺の手を掴んで飛んでいた。

「捕まると面倒だから、勝手に帰らせてもらったよw」
バギ系の呪文の応用なのか、瓦礫の中に小さな竜巻を起こし、そこから丸太だけを取り分けている。
作業のさなか、男が話し始める。
「強くなりたい、ね・・・理由とかは後の話題にするとして、まずは質問だ
 お前の欲しい「強さ」ってのは何だ。晩飯までに考えて、答えろよ」

日が沈む。
草むらに、住むには困らないだけの小屋ができ、そこで食事を摂っている。
「俺には、やるべきことがある」
俺が力を求める理由、勿論それはひとつしかない。それを、思い切って男に洗い浚い話すことにした。
この男の力を借りるだけでもできれば、上出来なのだが。

・・・酒の味もわからない、重い時間が流れていた気がする。

「俺にもっと力があれば・・・いや、力を持たなければ、今の俺じゃ」
「つまり、お前が欲しいのは物理的な、単純な力・・・か、考えも単純だな
 試験としては惜しくも落第ってところだが、友の頼みだ、受けてやろうw
 だが、実際にお前を強くできるかどうかは疑問だな」
途中、男はグッと酒をあおって、
「ふぅ・・・はっきり言うと、お前に高度な呪文を扱う素養は期待できない。
 かと言って、武器の扱いくらいはもう覚えてるんだろ? ここいらで一人旅してんだからな・・・
 となると、あとは実戦経験を積むのが一番だろうな」
と、どこか諦めたような口調で締めた。
「鍛えてはくれない、と?」
「どれだけ死線をくぐり抜けたか、というのも冒険者には大きな要素な」
男は立ち上がり、ついて来るよう促す。
151 ◆OW4jDecrBQ :2008/03/06(木) 04:23:34 0
まだ肌寒い風の中、二人で外のガラクタを漁っている。
「俺に出来るのは、良い武具をやることと、実戦の手助けをすることくらいだろうな」
「・・・手助け? ついて来てくれるのか?」
「やっておかなければいけないことがあるから、少し待ってもらうがな
 それはそれ、さっさと剣を見つけようか」
ありがたい話だ。
この男程の力があれば、この世に不可能なことのほうが少ないくらいだろう・・・
と、それはそれ。
今はまず、男の言う剣を見つけ、さっさと小屋に戻ろう。
なんでも、以前拾った剣の中に魔力を宿した業物があったらしい。
今では瓦礫の中に押し込まれているその剣を、俺にくれてやると言う。
・・・・・・・・・
「んー、この辺だな・・・それはそうと、訊きたい事があるって言ってたよな。俺に何を訊きたかったんだ?」
「さっきの話なんだが、あの日あんたもアリアハンに、酒場にいたんだろ? 何か知らないかと思って」
ダラダラと雑談しながらの作業。その話題は、場の空気とは似付かぬ重大なものになっていた。
何かの切っ先が指先を刺す。
薄く血が滲むのを感じながら、その原因となったものを慎重に掘り出してみる。
剣としては見慣れない、奇妙な形に膨れた刀身を持つ、鍔の無い剣。
「お、それだ。形は不恰好に映るかもしれないが、切れ味は保証するよ・・・どうだ? 格好悪いから嫌、か?w」
「いや・・・ありがとう、使わせてもらう」

簡素な寝室で、軽く酒を酌み交わす。
「あの日は、昔の知り合いに会いに行ったな。ついでに、酒をいろいろ貰ってきたw
 元気そうだったし、昔とはまるで感じが違ってたな。なんだか、本当に安心したよ」
「そうだったのか」
「元は器量のいい女なのに、昔は暗〜く悲愴な感じがプンプンしてて勿体無い感じだった・・・良い女になってたよ」
男の言う「知り合い」が酒場のお姉さんのことのような気がして、それが俺の中で勝手に確信めいたものに変わった時・・・
何かが左胸を少し捩った気がした。
「じゃ、俺はやることがあるから・・・お前は先に寝ててくれ」

変な夢を見た。
どこかの建物の裏、逞しくなった俺と、お姉さんが恋人同士のように佇んでいる。
二人は誰に急かされるわけでもなく、自然に振り向いて互いを見つめる。
俺は目を閉じた。きっと、お姉さんもそうしていると信じながら。
暖かいものを真直に感じる・・・触れるのか、俺は。
体全体から湧き上がるその心地良さに身を委ねようとした刹那。
「ちょ・・・アンタ、何やってんのよっ!!」
現実に身を引き戻された心地。声の向きに目をやるが、誰もいない。
・・・この声、どこかで聞いた気がするが・・・誰だっけか?
それを思い出すことができないまま、目覚めを迎えた。
152('A`):2008/03/07(金) 13:34:49 O
おうおう
絶妙な切り方しくさって
何がどうなったか気になるじゃないか
153('A`):2008/03/08(土) 22:13:11 0
期待しつつ保守
154('A`):2008/03/09(日) 18:39:34 0
>>148
主人公は何もなくてもいいよ
155('A`):2008/03/09(日) 22:46:35 O
>>148
面白い!

気長に続き待ってます。
156('A`):2008/03/11(火) 10:56:16 0
ho
157('A`):2008/03/12(水) 22:30:02 0

158('A`):2008/03/13(木) 22:12:52 0
・・・
159('A`):2008/03/15(土) 14:57:53 0

160('A`):2008/03/16(日) 06:45:11 O
いったんあげ
161闇 ◆YkJvkFbBEo :2008/03/16(日) 06:49:06 O
屑は喪板を引退したのだろ
162('A`):2008/03/17(月) 01:23:51 O
忘れる前に早めにage
163('A`):2008/03/18(火) 17:30:24 O
164('A`):2008/03/21(金) 08:07:33 0

165('A`):2008/03/22(土) 06:35:39 0
ほほほほほしゅ
166('A`):2008/03/23(日) 02:49:34 0
あげてみる
167('A`):2008/03/24(月) 12:09:05 0

168('A`):2008/03/25(火) 12:36:06 0

169('A`):2008/03/25(火) 22:11:55 O

170('A`):2008/03/27(木) 13:35:05 0

171('A`):2008/03/30(日) 01:02:18 O
まだ?
172('A`):2008/03/31(月) 00:41:24 0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2201772
ダイの大冒険
ドラクエ3 サントラ
173('A`):2008/03/31(月) 07:26:21 O
おーい、オルテガの息子ヤァーイ
174 ◆OW4jDecrBQ :2008/03/31(月) 20:33:48 0
ごめんなさい(´;ω;`)
「もうすぐ就職」のストレスなのか長文が書けなくなってました。
mixiの仲間内日記ですら,しばらく書けませんでした・・・ひたすら遊んで現実逃避してましたよw

会社こわいお・・・欝だお・・・


・・・そんなこと,このスレでは関係ないですねww
↓もしかしたらおかしな所があるかも・・・続きです


別段変わりなく目を覚ました俺の傍には、声の主は居ない。
横にいつもの男が寝ているのみ。

部屋のテーブルの上には朝食らしきサラダとパン、紙切れが置かれている。
紙切れに目をやる。
『もりもりたべやさい』
無心で握り潰して、朝食を平らげる。
随分クセのある、ドレッシングの味付けが気になった。

それにしても、妙な夢だった。
あれは、誰だ? どこかで聞いた声なのに、とんと思い出せないのがもどかしい。
「夢は過去や未来を映し出すことがある、まぁ頭に角が生える夢でもなければ気にするな」
何を言っているんだ、この男は。寝ぼけるようなタマでもない癖に。

「で、どこか行く当てはあるのかな? 行き先は任せるぞ、俺はただの保護者だからな」
いつもの男が話しながら、小屋の周りに奇妙な粉を振りかけて回る。
男の目つきから察するに何か重要な作業のようだが、それなら何故俺に話しかけるのだろう。
どうでもいいことだが。
「しばらく寂しい思いをするんだ、それなりに面白いものを見せてもらわないとなw」
「・・・カンダタの討伐隊に参加する」
それにしても、やけに体が軽い・・・気がする。


「・・・我が王国の面子にかけて、是非とも賊どもを討ち果たし、我が黄金の冠を奪還して欲しい! 諸君らの奮闘に期待する!!」
王の演説を聴く数十人のやや後ろに、目立たぬように立っている。
「どうも、無理してるように見えるな」
男の言葉を無視して、辺りの冒険者たちの顔ぶれを確かめる・・・
周囲にリストの人間は見当たらない。
とはいえまだハズレと決まったわけではない。機を見て尋ねてみれば、少しは情報も得られるだろう。
そう楽観的に考えていた。

「ええと・・・アレンさんと、バヤンさんだね。パーティを組む相手を呼んでくるから,待っててくれ」
どうやら,城側で編成を決めていたらしいが,誰が来ようと構わない。
俺はただ,情報が欲しいというだけでここにいるのだから。

しばらく俯いていた俺の背後から,足音と兵士の声が聞こえた。
「この4人で組んでくれるかな」
「えっ・・・なんでアンタがここに」「久しぶりだね,アレン君」
この声は。
175('A`):2008/03/31(月) 21:17:48 0
mixiですらコミュニケーションを恐れる喪もいるんだ
自信をもて
176('A`):2008/04/01(火) 17:12:28 O
あげ
177('A`):2008/04/03(木) 17:00:23 O
>>174
そんな時でも話を投下してくれるなんて嬉しいね
君に安息が訪れるよう祈るよ

しかし、この先主人公がどうなるのかゾクゾクするぜ
話の繋げ方ウメェし
178('A`):2008/04/04(金) 09:32:55 O

スライムベスがあらわれた
http://blog81.fc2.com/a/absinthe902/file/200705027_18.jpg
179('A`):2008/04/06(日) 01:40:19 O
そうゆう生き物小さいからまだ可愛げがある

ほんとにゲームみたいにデカかったら嫌だなぁ
てかなんでいないんだろ
食物連鎖のバランスが崩れるから大きさを自重してるんだろうか
180141:2008/04/06(日) 06:14:44 O
>>147の続きです。

ミハルがルイーダの酒場に来てから10分も経っていないだろうか。飲み干したオレンジをお代わりしようかどうか迷っている時だった。
アルスが酒場に入ってきた。辺りを見渡し俺達のことを探している。俺はその動向をただ黙って見ていた。
それに気付いたミハルが手を挙げここだとアルスに合図を送る。
「あんた何黙ってんのよ。教えてあげなさいよね。」
「いや、あいつアルスっぽくねーからさ。違う奴かと。」

髪をおっ立て背中に剣を差しマントを纏った姿は、いつも見る頼りなさそうなアルスでは無くそれはもう勇者だった。

つーかなんだよコイツら。ミハルも完璧魔法使いの格好だし。実は旅に出る気満々じゃねーか。
…でも何かは知らんが独りで背負い込んでた物がすっと外れたような気がした。

「お、おまたせ。待たせちゃったかな?」
「あぁ。1時間は待ったぞコラ。罰として後でオレンジおごりな。」
「何言ってんのよ。そんなに待ってないわよ。」
「つーかオマエラなんだよその格好は。俺普段着だろが。自重しろよ。」
魔法使いと勇者に挟まれた一般人の俺は明らかに浮いている。
「アンタが普通すぎんのよ。」
「そういえば手を振ってくれなきゃミハルさんて気付かなかったよ。」
「ふふふ。驚いた?アルスも似合うわよその格好。」
「そ、そうかな。」
「お前そのマントよこせ。格好付けやがって!」
「え?ちょっ!ジュン君やめてよっ。ちょっ、痛いってば!」
「ほれっ!どうやって外すんだこれ!っく!もういい!脱げ!」
「ほらほら何してんのアンタ達。皆揃ったんだしさっさと行くわよ。」
席を立つミハル。こいつやっぱりスカート短けぇな。って何見てんだよ俺。そっち目線やんな馬鹿。
「んぁ?お前が仕切る気か?」
「別に。リーダーはアルスでしょ?」
「それもそうだな。」
「ぼ、僕が?」
「ふぬけた返答してみろ。そのマントと剣は俺のものになるからな。」
「…わかったよ。」
意を固めアルスは握りこぶしを作り俺達を沸き立たせた。
「行こう!ミカさんの仇を討ちに!世界の平和を取り戻しに!」

俺達はついにアリアハンに別れを告げ未知なる世界に足を踏み入れる。
181('A`):2008/04/06(日) 13:20:39 O
なんかドタバタ具合がおもしろいw
182('A`):2008/04/08(火) 11:29:33 O
軽いエロがいい
183('A`):2008/04/09(水) 02:15:26 O

184 ◆OW4jDecrBQ :2008/04/11(金) 00:11:25 O
携帯からこんばんは、お久しぶりです。
会社は、なんとかやって行けそうです…かろうじて。

いろいろと妄想はしているものの、形にする時間が足りなくて時間がかかりそうです(´・ω・`)
…クオリティも心配ですがw



↓つづき


あの二人だ。
今の俺に、再会を喜ぶような心などはないが。
「この4人でパーティを組んでもらうので、しばらくここで話でもしててください…おっと、あなたたちはチームωですので、よろしく」
それだけ言い終えて、兵士は去っていった。

「で、こんな所で何してるの?」
「あ、いやその」この女、いきなり返答に困る質問をしてくれる。
すぐさま口を開いてフォローを入れてくれる、いつもの男。
「修行だよ、修行…それ以上の理由が必要なのかな?」
そうすると、ここでも
「はい? あなたは、アレンとどんなご関係で?」
と冷たく突っかかる。
「まあまあ。パーティを組んでるうちくらい、仲良くしようよ、レンちゃん。…気持ちはわかるけど」
彼女の言う通りだった。ここでも、終端に刺々しさを感じるが。

互いに簡単な自己紹介をしていると、先程の兵士が学者風の男を伴って戻ってきた。
「チームωの皆さん、皆さんには最も重要な
185 ◆OW4jDecrBQ :2008/04/11(金) 00:40:35 O
ミスった(´・ω・`)



「チームωの皆さん、皆さんには最も重要な役に回っていただきます」
学者風の男がそう切り出すと、彼の言葉は水流のように絶え間なく続いていた。
「他のチームが、あなた方に先だって正面から攻撃を仕掛けます。賊軍の目が完全に正面に向いた辺りで裏口から進入し、直接カンダタを叩いて下さい。
…2チームをカンダタ強襲に振り向けていますが…『ω』の名が示すように、あなた方にこそ期待しています。
彼らに終末を、悲劇的結末を与えるのは最終文字を冠するあなた方です」
「つまり、大勢で陽動して隙を作るから、なんとかカンダタをやっつけてこい、と」
そう言うマリエの表情が、辺りに柔らかい光を向ける。
「そうです。…もし敵いそうになければ、出来る限りカンダタを足止めしてもらえれば十分です。
私の見立てでは、真正面からぶつかってもなんとか勝てるだけの戦力が今回集まってくれています」

皆がその言に納得するだろう空気が形づくられ、それを切り裂く言葉が生まれる。
「甘いな、甘過ぎる推測だ」
そう言ったように聞こえたが、俺にははっきりとは届かなかった。

あまりにまずい状況になっていたようだ…何の収穫もないかもな、このままでは。
よりによって、本隊と離れてしまうとは…ついてない。



(ここで、一旦視点を変える。)


「おれ、シャーマン、なまえ、オバンドー」
けだもの達の拠る、シャンパーニュの塔。
けだもの達の首魁たるカンダタの許に、風変わりな男がやってきた。
「おれ、カンダタに、あう。サマンオサおう、おれに、たのんだ。おまえ、よろしく」
186('A`):2008/04/12(土) 13:59:00 0
GJ
187141:2008/04/13(日) 07:28:05 O
>>180の続きです。レスくれたかた感謝です。


町の外へ出た俺達。
まずはここから北にあるレーベの村を目指す。その村に住む老人が魔法の玉を持ってるからどーたらこーたらとミハルは話し出した。
なぜそんなことを知っている?
と、聞こうと思ったがミハルは話し続けているので最後に聞いてみるとする。アルスはしっかり聞いて胸に刻み込んでるようだし。
だが思うに、その前にまずモンスターだ。モンスターを殺せなければレーベの村に行ったところで意味はない。
しかし俺はまだモンスターと戦うどころか生で見たことすら無い。
図鑑などで見たことはあるが実際見てみないといまいち形や大きさが掴めず、どんなに狂暴そうなのが載っていても恐怖は沸かなかった。
まぁこのアリアハン大陸では狂暴なモンスターは生息してはいないようなので、命の危険をさほど感じてはいないが。

「〜以上よ。」
「んでなんでそんなことを知っている?」
「調べたの。私だってミカが殺されてただ悲しんでただけじゃないの。」
「あ、ああ…そうか。」
「なにか?」
「なんでもない。」
ただただモンスターをぶっ殺そうと思っていた俺とは違って冷静沈着に物事を考えられるようだ。

「んじゃ行くかレーデの村へ。」
「レーベの村ね。」
「どれくらいで辿り着けそう?」
「そうね、半日くらいかしら。日が沈む前には着けると思うわ。」

半日か。まぁ1時間も歩けばモンスターと遭遇出来るだろう。まずはそれからだ。
188141:2008/04/13(日) 07:51:36 O
地図上ではレーベの村はここより北東よりだが真正直に進むと森の中に入ってしまう。
さすがに初めて外の世界に出たばかりの俺達にそんな勇気はない。比較的平地で辺りが見渡せる草原を迂回しレーベの村へと向かった。
遠くからモンスターを発見出来ればいろいろと準備が出来る。そう考えていたがまさにその通りだった。
離れた茂みの影で何かが跳ねたのが見えた。スライムだ。
「ついに出たな!」
「どどどこ!?」
「ほらあそこ!スライムだろアレ!マジでぷにぷにしてんのな!」
「小さくてよく分からないよ。」
「こっちへ来るわ!」

その距離まだ約15メートル。数は1匹。リンゴ大くらいの大きさだが初めてのモンスターとの対面に俺は身体の奥底から興奮した。包丁を持つ手が震える。
こんな相手に命の危険は無いだろうが、目の前にいるモンスターは俺達を殺そうと言うのかその弾力性のある体を弾ませながら向かってくる。
「俺がやる。お前ら下がっとけ。」
「気をつけなさいよね。」
包丁で刺すか足で踏み潰すか蹴飛ばすか。考えている間もスライムは不気味に笑みを浮かべながら坦々と近づいてくる。
こいつ何も考えていないのか?感情は?恐怖は?情は?本当に悪い生物なのか?いやいやいや何考えてんだ俺。今の今まで憎んできたモンスターじゃねえか。
逃げてんのか俺。今更にもほどがある。
スライムとの距離約2メートル。
斬り殺そうと決めた瞬間。今まで一定のリズムで跳ねてきたスライムが立ち止まる。正確には地面に体全体を沈み込ませ、反動をつけ俺の顔面に体当たりをしてきた。

「ジュン!」

……!?なんだ?

ドッヂボールで顔面に球を受けた時に一瞬何が起こったのかわからなくなるような衝撃を受けた。鼻から出血していた。だがそれだけだ。
「何も痛くねえ。やっぱ殺すぞ。」
躊躇いは無くなった。今の一撃で相手はモンスターだということを再認識させてくれた。
スライムはまた反動をつけて体当たりしてくるのがわかった。
俺は鍋の蓋で体当たりしてくるスライムを弾き飛ばし、体勢を崩した所を包丁で切り裂いた。
飛び散るスライムの眼、体液。原形が無くなるほどドロドロと流れ出た所でようやくスライムが死んだことを確認した。

「殺っちまった。」
「…やったじゃないのよ。」
「ジュン君怪我は?」
「大丈夫だ。ちょい鼻血でてっけど。」
俺は鼻から垂れる血を手で拭った。その時包丁にスライムの体液が付着していることに気付き草の葉で拭き取った。

ついさっきまで跳ねていたスライムが今は見るも無惨な姿で横たわっている。
蝦や蝿でさえ殺すことを躊躇する俺がモンスターとは言えリンゴ大ほどの生物を殺した。
あれほど殺したがっていたモンスターというのになんだこの感情は。……本当今更だな。なにが全殺しだ。馬鹿じゃねえのか俺。

「馬鹿ね。」
「何?」
「鼻血、止まってないわよ。はいコレ。」
ミハルがハンカチを取り出し俺に差し出す。
「随分可愛いらしいハンカチだな。」
「うるさいわね。いいから早く使いなさい。」
「あ、ああ。ありがと。」
「洗って返しなさいよね。」
「ああ。」
俺はピンクの花柄の可愛いハンカチで鼻を押さえた。ハンカチからは甘い香りがした。
189('A`):2008/04/13(日) 12:18:28 O
>>188
おもろい、待ってて良かった。
気長に待ってます、焦らないでじっくり頑張って下さい。
190('A`):2008/04/13(日) 20:46:44 O
なんと言うか、テンポが好みだ
大槻ケンヂと町田コー足して半分引いたみたいな
191('A`):2008/04/15(火) 11:15:18 O

192('A`):2008/04/16(水) 11:11:15 O
期待あげ
193('A`):2008/04/18(金) 02:00:40 O

194あや ◆AYA/AYX6F. :2008/04/18(金) 02:13:01 0
ぱーてぃにいれてくださいお
195('A`):2008/04/18(金) 03:43:51 0
あやかわいいちゅぱちゅぱしたい
196('A`):2008/04/18(金) 15:07:31 O
>>194
氏ね
197('A`):2008/04/18(金) 15:19:49 O
まだあったのか
ブリトニーはどうなったんだ
完結したのか?
198('A`):2008/04/19(土) 07:28:26 O
勇者ニートはいわゆる富樫病にかかってる
199 ◆OW4jDecrBQ :2008/04/20(日) 21:43:08 0
>>188
いいなぁ
自分のペースで書いていってください、ゆっくり待ってます。
いつか、勇者ニートも帰ってきてくれないかな・・・

楽しい休日も、もう終わり


↓つづき

「おまえ、よろしく」
なんだ、この男は・・・?
何を言っているのかどうにも理解しにくいが・・・ひとまずおかしらに取り次ぐ。

「このつつ使う、まもの出てくる。このぼう、シタイあやつる。コレヤルー」
奇妙な小筒をいくつかと、小枝とを差し出す。
「おぉ、これがサマンオサ王の援軍か! ありがてぇ、王様によろしく言ってくれ」
筋骨隆々の肉体を躍らせて身を乗り出し、相手の手を取る覆面の男。

唯一俺の居るべき場所、唯一俺の拠るべき王。

サマンオサ王からの贈りもの。
向こうの地方に棲む、強力な魔物たちを封じ込め、使役できるようにした魔法の品らしい。
・・・数日中に、あのロマリアの軟弱者共がまたぞろ攻め寄せてくるという情報が入っていた。
先日からフリッツの一団が行方知れずになって、人が足りないという時に・・・
そんな厳しい状況を打破する運の強さが、おかしらにはあるのかもしれない。
しかし、なぜ人間の王がそのような代物を?
かの遠国の情報を掴むのには、俺たちでも苦労させられる。
この近辺のことなら、造作もなく知れるのだが。
今回の討伐隊の件も、日時から大まかな人数、そして作戦の概要にいたるまで全て俺たちの知るところだ。
王の助けを得られ、戦力も十分だ。恐れることはない。
「おかしら、ロマリアの件ですが・・・」
奴らの、筒抜けの作戦を逆用させてもらうとしよう。

まず魔物たちを正面で戦わせる。
おかしらはじめ主力を予め塔の外に伏せておいて、機を見て正面の奴らを挟み撃つ。
そうすれば、主力を叩きつつ塔内の別働隊に肩透かしを食わせられる。
主力を潰してから、別働隊とゆっくり遊んでやろうじゃないか。

「ほぉ、名案だな! よし、おめぇに任せる」
手下を潜り込ませておいた甲斐があったというものだ。
的確な情報と、適切に対処できる組織力があれば怖いものはない。
ロマリアには、そんなものはなかった。

無骨な料理と酒で、客人をもてなしている。
「そういえば、支城の件はどうなってる?」
「ケニーとジャンに行ってもらってます、そろそろ根拠地とできるだけの物資が用意できているはずですが」
「そうか、ジャンならしっかりやってくれるだろ」
気に入らないな、あの若造は。
いくら可愛いとはいえ、あんな若造をこうまで贔屓にされてはいい気分にはなれない。
だが・・・失敗を繰り返させれば、少しは見る目も変わってくるだろう。
放っておけば、気が済むまで女の尻を追っかけている連中だ。
物資の調達など、奴らだけでは予定通りに進められないだろう・・・
200 ◆OW4jDecrBQ :2008/04/20(日) 21:55:33 0
「おれ、帰る。カンダタ、ありがとう」
塔の外、奇怪な姿の救世主を見送る。
「おれ、おまえのことうらなう。おれい。」
救世主はそう言って、両手に赤と青の珠を乗せた。
男が何かを念じると、両の珠はゆるやかに浮上していく。
珠を浮かせたままにして、男は懐から透明な、丸いもの・・・髑髏のようなものを取り出した。
それをふわりと上に投げると、それは中空で鉛色に色を変えて鈍く輝いた。輝きながらそれは赤と青の珠に向かって速度を
上げていく。両の珠にかなり接近したあたりで鉛色の球体が分裂し、それぞれが赤と青の珠に衝突した。
赤の珠と、それにぶつかった鉛の球が空中で砕け散る。注視していると、砕けた赤と鉛のかけらが地に墜ちて、それは
自然と眼の貌をなしていた。もう一つの珠の存在を思い出して目をやると、衝突したはずの鉛色の球体は跡形もなく消え失せている。
対して青の珠は、その輝きを一層強めて昇天していった。

この場に居合わせたシャーマン以外の全ての者が、この不可思議な術に見入っていた。そんな雰囲気を気に留めず、
シャーマンは眼を貌づくる赤と鉛のかけらに歩み寄る。彼は、眼の貌をしたかけらの数と、色の配列を確かめているようだった。
しばらくして、彼はこちらに近づいてきた。どうやら、彼の占いは完了したらしかった。

「カンダタ・・・なん日かのうちに、おまえ百のめをもつものに会うかもしれない。
 もし会ってしまったら、おまえタイヘン。会わなかったら、おまえ、シヌまでだいじょうぶ」
「百の眼? 聞いたこともねぇな・・・本当に百の足を持つ火吹きムカデなら知ってるが」
なるほど、ありもしないものに遭遇しなければ大吉・・・それはつまり、強運そのものだという意味か。

「百の眼って、そんなバケモノと出くわしたら誰だって危ねぇよなww」
「そんな奴おらへんやろ−」
見送りに出てきていた皆が、同じ解釈に行き着いたようだった。
「うらないは、うらない。カンダタ、みんな、ありがとう。
 ゲンキでな」
帰り支度を終えて背を向けた奇妙な男・・・だったが、突然何かを感じたかのように振り返り
「カンダタ、こまったとき、これつかえ」
と、先刻の小筒とは色違いの、二回りほど大きな筒を手渡す。
そして、男は去って行った。

また、いつものカンダタ一味の空気が俺を心地良く包み込んでいく。
201('A`):2008/04/21(月) 05:54:18 O
うほ、久々の更新キタ!
どう繋がっていくのか異常にwktk感がある
202('A`):2008/04/23(水) 06:34:50 O
ほしゅ
203('A`):2008/04/24(木) 11:44:54 0

204('A`):2008/04/26(土) 01:15:17 0

205('A`):2008/04/26(土) 01:33:07 0
>>200
GJ
206('A`):2008/04/27(日) 11:54:02 0

207('A`):2008/04/27(日) 13:16:00 O

208 ◆OW4jDecrBQ :2008/04/27(日) 15:49:33 0
以前の書き込みを見る限り、携帯からでも存外うまく改行できてるんですね・・・安心しました

↓続きです


それは、随分歪なものであったかもしれないが、少年の許には仲間が集っていた。
偉大なる勇者・オルテガの風あり・・・とまではいかずとも、ひとかどのリーダーとしては見做されていたのだろうか?


俺たちは明日、ロマリアを発たねばならなかった。先だって塔の近くに移動して、身を潜めていなければいけないためだ。
討伐隊の会合が一時解散した後、ロマリアに残っていた冒険者たちから情報を聞き出そうとしてみたが・・・まるで手がかりはなかった。
もはや、掴もうと手を伸ばすべき雲さえ見つからない。

俺は、どうすればいい? 俺は、どこに行けばいい?
爺ちゃん・・・

次に気が付いた時には、安酒を片手に地下へ降りていた。
モンスターに賭けるあぶく銭も無く、無為に闘技場の空気だけを吸っている。
濁った空気を肴に呑んで、気を紛らわせているのかもしれなかった。

「こんなトコで何やってんのー」
この聞き覚えのある声にはいささか、不似合いな調子。
そんな声に、答える気もなかったが。
「おーい」
続く声とどちらが早いか、肩の辺りを引っ叩かれる。
少しひり付く肌の感触を捨て置いて、声の主に応えた。
「・・・そういうお前こそ」
「とーぎじょーでこづかい稼ぎ〜w なんか文句あんのぉ?」
片手に高価そうな酒ビンを持ったまま、酩酊を疑いようのない口調でレンは答える。
「そんな酔ってて予想できるのかよ」
「まーだ酔ってないよw 次はスライムが勝つよ〜」
俺たちの声の届く辺りから、苦笑の音の漏れるのが感じられた。
「お、おい、さすがにそれは」
「きっちりスライムに賭けますぅ」
ご機嫌な彼女には、もう誰の声も聞こえないのかもしれない。

「お酒買ってくるから、ちょっと見てて〜」
スライムの投票券を押し付けて、彼女はフラフラと階段を登っていった。
また独りになった俺には、爺ちゃんのことを頭から切り離すことができなかった。
同時に、そう強く想いながら何もできない無力な自分に苛立ちを感じずにもいられなかった。
自分で自分の心を苛みながら無言で佇んでいる俺の周りは、ざわめいている。
「あの嬢ちゃんは、何者なんだ」
「次はあの子に乗ってみましょうか」

「はい、おかわりあげる」
買って来てくれた酒を受け取り、二人して端のテーブルについてゆっくり飲んでいる。
「なんか、簡単すぎて飽きてきちゃった」
「そんな台詞、一度言ってみたいよw」
「にしても、一人ってのも珍しいよな」
「相方、可愛い寝顔して寝ちゃってるからねー・・・アレンから見ても、やっぱり可愛いよね?」
「ん、ああ・・・可愛いと思うよ」
「・・・だよねー、私じゃいい引き立て役だからねー」
普段の彼女とはできそうもない、力の抜けた会話。

・・・・・・

「前より、たくましくなったよね。アリアハンにいた頃よりずっと」
「そろそろ、違う服も着てみたいなぁ」
何気ない、他愛も無い談笑のなか、少しは気が紛れたような心地がしていた。
無論それは、気休め以上の何物にもなりえないと解ってはいるが。
209('A`):2008/04/29(火) 08:58:38 0

210('A`):2008/04/29(火) 14:12:51 O
なぜか勃起した
211('A`):2008/04/30(水) 00:55:39 0
いいじゃないか
212('A`):2008/04/30(水) 01:18:56 O
ハードボイルドというかストイックというか
へへ、オルテガの息子さんよ、アンタ・・・ロクな死に方しませんぜ
213('A`):2008/05/01(木) 08:16:53 O
 
214('A`):2008/05/01(木) 12:45:32 O
ツンデレミハルたんまだー?
215('A`):2008/05/03(土) 11:06:57 0

216('A`):2008/05/04(日) 18:31:49 O

217('A`):2008/05/05(月) 01:19:15 O
勇者ニートすっかり伝説になっちまったな
218 ◆OW4jDecrBQ :2008/05/05(月) 18:30:21 0
未完のまま、そして伝説へ・・・
いやそれは悲しい


↓続きですよ



「随分盛り上がってるな、お二人さん」
この男は、酒を携えていなかった。
「そー見えるぅ? だったら邪魔しないでよ〜w」
やはり、平生の彼女とは違っている。
「楽しげなところすまないが、そろそろ休んだほうがいい」
「たしかに」
3人連れ立って宿に戻り、各部屋に別れる。
「あの子、お前に似ているな」
気持ちよく意識を失いかけていた俺の脳裏に響いた一言。
「・・・いや、こう表現すべきかな。お前もあの子も、どこかp―――」
ちょうど意識が切れていた。


目覚めは最高だったが、結局のところ意義に乏しい出発の朝。
いつ雨が降り出すか、といった感じの雲模様と同様の険しい表情を見せるレン。
「朝からどうかしたのか? まだ眠い、とか」
「頭痛い・・・べっ、別に心配は要らないから」
「そうそう」
いつもの調子に戻っているようだ。
そう感じた時には既に、相槌を打っていたマリエが呪文をかけ、親友の不調を取り去っていた。
「ね、心配しなくても大丈夫でしょ?」
こちらもいつもの調子。
俺たちとは少し離れた場所の男は、少し嬉しそうに雲を仰いでいる。
この天気の、何が嬉しいのだ。脇に抱えている、その絨毯は何だ。
・・・言ってしまえば、彼もまたいつも通りなのだが。

危険な魔物に出くわすこともなく、雨に降られることもなく、俺たちは塔の近くまで歩き続けた。
塔の北西に伸びる海岸で適当な空き地を見つけ、そこで一夜を明かすことにした。
「別に寒くもないし、ここでいいだろ」
「多分ね。誰か、毛布持ってきた?」
「・・・」「・・・」「必要ないな」
「・・・ま、焚き火でいいか」
「レンちゃん、枯れ木は?」
「・・・」
「アレン、アンタ少しは準備してないの!?」
おいおい。俺に振るのかよ。
219 ◆OW4jDecrBQ :2008/05/05(月) 18:31:10 0
「まあいいじゃないか、ここなら酒の肴には困らない」
「はぁ??」
可愛らしいマリエの面に、濁った感情が表れる。
「さっきから・・・あなたには緊張感ってものがないんですか!?」
「過度の緊張は心身を固くするだけだな」
「口だけは随分ご達者なんですね」
3人の間に険悪な空気が流れ出した。やれやれ、まったく面倒な連中だ。
「まぁまぁ・・・この人の腕は俺が保障する、揉め事はよそう」
「腕とかどうでもいいの、兎に角こいつはムカつくの」
「・・・雛が五月蝿いな・・・そもそも雛は喚くものか」
「なっ・・・」
何がそこまで腹に据えかねたのか、いつの間にかマリエは足元の杖を掴み、男に向けている。
「さっきからウザいってば!・・・このぉっ!!」
値打ち物らしき杖に暗い祈りを込めて、振りかざした。
杖の先に狂風が巻き起こり、それはうねりながらバヤンに向かっていく。
しかし、標的の男は一顧だにせず、迫る風の刃を微風に触れるかのように受け流した。
「いつものこととは判っているが・・・あまり調子に乗るんじゃない、小娘」
そう溜息混じりに吐き捨てた男の眼に、並みの言葉では言い表せない濃密な殺気が滲む。
殺気に覆われた眼は、目の前でまなこを震わせる少女を冷たく射抜いている。

「待った待った待った!!」
すぐにでも止めないと、カンダタにも会わないうちに死人が出る・・・女の死体が一つ転がる。
「十分わかっただろ!? この人の力が・・・頼む、あんたもここは抑えてくれないか」
男は無言で10歩ほど離れて、酒ビンを取り出して座った。
女はその場で力なく座り込み、昏く定まらない視線で男を追っている。

何はともあれ、最悪の事態は避けられた・・・
パーティを組み、纏め上げるのがこうまで大変なことだったとは。
まったく煩わしい限りだ。こんな仕事は、さっさと終わりにして自由になりたいものだ。
「投げ出そうと思わない辺り、立派な心がけだな」
「え、あ・・・」
「これでも飲んで、ゆっくり寝るといい」
近づいてきた男が酒を手渡す。
「俺のほうは気にするな、もう慣れてる。もし心配なら、向こうを見て来い」
「え、慣れてるって・・・」
「たいていの物事には、理由がある」
その言葉に何故か納得してしまった俺は一言礼を言って、女二人のもとへ足を向けた。
220('A`):2008/05/06(火) 23:41:45 0
221141:2008/05/07(水) 00:25:05 O
お久しぶりです。ペース遅すぎですすみません。俺もやりますです。

>>188の続きです。

「おい!どうみてもアレやっぱり村だろ!常識的に考えて!」
なだらかな小高い丘の上を歩いていた俺達は、はるか遠くに見えた集落らしき所に
段々と近づいて行くに連れて期待が確信へと変わった。
「どうやらレーベの村に間違いないようね。」
「僕ちょっと疲れたよ。早く休みたいな。」
「だな。村着いたら早いとこ宿探そうぜ。魔法の玉は明日でいいだろ。」

アリアハンを出発して約6時間ほどで村にたどり着くことが出来たが、思った以上に疲労していた。
常にモンスターを警戒しながら歩き、戦い、神経を擦り減らした俺達は心身共に限界に近かった。
でもまぁ、旅に出た初日はこんなもんだろう。
俺もアルスもミハルも、最低レベルのモンスターだろうけどなんとか倒すことが出来た。
これから少しずつ強くなっていけばいい。


レーベの村着。
村の中に入る頃には陽が沈みかけていた。
村の入口にいた女性が「レーベの村へようこそ。」なんて言ってたから間違いないようだ。
それとあの村人の態度、旅人なんて別に珍しくないって感じか。
宿の場所を聞くまでも無く、俺達はこの小さな村でただ一軒の宿屋で今日の疲れを癒すことにした。

…。

で、今日はもう後は寝るだけだと言うのに突然ミハルが怒りだす。
「あんたたちなんかと同じ部屋で一緒に寝れる訳ないでしょ!絶対嫌よ私!出ていってよね!」
「冗談だろ。疲れてんだからゆっくり休ませてくれ…。」
「知らないわよそんなこと!男共がいたら私がぐっすり眠れないじゃないのよ!」

つーわけで部屋を追い出された俺とアルス。
と言っても別の部屋に泊まる金も無いのでミハルが中に入れてくれるまで部屋の前で座り込みだ。
「おーいミハル。疲れてんだ。いい加減開けてくれ。」
「イヤ。」
「イヤってお前なぁ…。他に休むとこ無ぇんだぞ。ここで寝ちまうぞ。この冷たい床で。」
「どうぞ〜、おやすみ〜。」
「ったく。だれもお前なんか襲うわけねーのに。女と旅に出るとこれだから困るよな。アルス。」
「え?え、えと…。」
突然扉が力強く開いた。
ミハルの手の平から溢れ出さんばかりの火の玉が、表情を伺うまでもなく怒り度合いを現していた。
つーかまだそんな余力あんのかよと。
「なにする気だお前、家の中でメラなんて放ったらあぶねえだろ。落ち着け。」
「うるさいぃぃぃぃ!!!」
なだめる間もなく発狂したミハルはメラを放っていた。
疲れきってくたくたの俺は避けることも出来ずに直撃。熱い、だめだ、死ぬ。
「なっ何しやがんだお前!!死んじまうだろが!」
「ふんだっ!気絶くらいしたら部屋に入れてあげなくもないわよ!」
「なっ何様だおま…っく、やっぱだめだ…。死ぬ…。」
その場に倒れ込む。意識が遠のいていく。
まさかモンスターではなくミハルに殺されるとは思いもしなかった…。
222141:2008/05/07(水) 00:36:59 O
気が付くと俺はベッドの中にいた。
(あれっ…、どこだここ?あぁ…確かレーベの村の宿屋にいたんだっけな。それで…。)

「あっ!気がついたっ!」
目を開けた俺に気付いたミハルは幾分離れたベッドから起きて声を掛けてきた。
俺はミハルの顔を見た瞬間思い出した。
「お前な!!!」
「ちょっと!大声出さないでよ。アルスもう眠ってるのよ。」
「あぁ?……っ。今何時だ?」
「夜中の1時回ったくらいよ。」
やっぱりそのくらいの時間か。疲労の取れ具合からみてもまだいくらも寝ていないと感じていた。
アルスも死んだように眠っている。
「アルスもついさっきまで起きてたんだけど、寝ちゃったみたいね。」
「そうか。夜更かしだなお前ら。お前はまだ寝ないのか?」
「え?ち、ちょうど今寝ようと思ってたところよ。ア、アンタも起きてないでしっかり寝ておきなさいよね。」
「あ、ああ…。ってかお前、野郎とは同じ部屋で寝ないんじゃなかったか?」
「気絶した人を廊下で寝させておくなんて出来るわけないでしょ?
 あんたが眠ったの確認したら私も寝るから早く寝てちょーだい。」
「わかった。んじゃ寝る。」
眼を閉じる。疲れきった体は睡眠を欲している。1分あれば眠りにつけるな…。
「…大丈夫なの?」
「何が?」
再び眼を開ける。
「だから、気絶したじゃないのよ。」
「疲れてただけだ。寝れば治るだろ。」
「そ、そう。ならいいけど。」
「なんだ?心配してくれてたのか。」
「ちっ違うわよっ。べっべつに心配なんて全然してないんだからっ。
 ただ私のせいで旅に出れなかったら困るじゃないのよ。」
「そうかい。んじゃマジで寝る。」
「ええ。」

………。

「くかー、くかー…。」
「…寝たの?」
「寝ました。」
「寝てないじゃないのよバカ!さっさと寝ないとメラ撃つわよ!」
「そんなすぐ寝むれっかよ!」
223('A`):2008/05/08(木) 08:16:19 O
GJ

相変わらずドタバタってるなw
224('A`):2008/05/09(金) 08:08:18 O
楽しいラブコメだw
久々に健全な笑い方をした
225('A`):2008/05/09(金) 14:53:52 O
こういう妄想するよなw
226 ◆OW4jDecrBQ :2008/05/10(土) 15:22:48 0
>>222
健全な妄想だなぁw
何か自分が暗すぎる気がしてくるwww


↓続きです


特に心配というわけではなかったが,二人の許に向かってみた。
一人は上着を被って蹲っている。
もう一人は,上着を貸した所為か少し寒そうに焚き火に寄っている。
「どうかした? もう寝かせたけど・・・心配?」
「ん,あぁ・・・」
「ヤな事があったときは,さっさと寝るのが一番」
「そう思ってこれ持って来たけど,ムダ足だったな」
踵を返して立ち去ろうとする俺を呼び止める声。
「訊きたい事もあるし,ちょっと座りなさいよ」
隣の地面を叩きながらレンは言う。

「で,早速だけど・・・あの人は何者なの? 確かに凄い力の持ち主みたいだけど,何か・・・
 マリエも言ってたけど,嫌な感じがするのよ。あの人は。言葉では,上手く説明できないんだけど」
確かにあの男には妙なものを感じるが,俺にとってはそう不快なものではないが。
「そもそも,あれだけの力を持ってて,なんでこんな所にいるの?
 あれなら,バラモスとだって十分戦えるでしょうに」
「それは・・・気になるんなら,直に訊いてみろよ。酒でもたらふく飲ませて」
そう,俺はあの男のことをあまり知らない。
確かに知らない。だが,俺にわざわいなすものではない。それだけは信じている。
「あの人は俺の命の恩人だし・・・危険ではないはず。確かに怪しいかもしれないけど」

「そう・・・じゃ,アンタに任せるからね。あの人は信じられないけど,アンタの事は信じてるから」
そう云い切って,レンは手土産の酒を呷った。
彼女の甘い溜息と,その一瞬の表情が酒の滋味のほどを雄弁に語りかけてきている。
次の瞬間の表情は,少しまずい顔。
「ん・・・あ〜,何言ってんだろ,私」
なにがだ?

「酒は置いていくよ,今日は早めに休もう」
「お,おやすみ・・・」
苦い顔のまま,手を振っている。
227 ◆OW4jDecrBQ :2008/05/10(土) 15:29:59 0
「戻ってくるのも一苦労スよ,マジ何とかしねーと」
疎ましい若造の声。
塔南部の森で息を潜めている俺たちに合流した若者の話には,いささか困った内容が含まれていた。
「前まで抜け道に使ってた東のトンネルに,変な親父が居着いてて通してくれないんスよ」
「殺っちまえばいいじゃねぇか」
「それが・・・いつの間にか変な仕掛けを作ったみたいで,抜け道自体が無くなってるんスよ・・・
 仕方ないんで,筏を組んで北の川を渡ってきました」
向こうでも面倒なことが起こっているらしい。
討伐隊の件が片付いたら,ひとつ探りを入れてみる必要がありそうだ。
「ま・・・よく帰ってきたよ,お疲れ」
おかしら自ら酒を注いで,二人で杯を交わした。
物資の調達が遅れていることは不問らしい。全く,甘いものだ。

「そういえば,さっきの連中は何だったんですかね」
「あぁ・・・見かけ倒しって感じだったがな」
「俺たちが強いってことスよw」
「マリウスさんはどう思うよ?」
先刻,ジャンと落ち合う前・・・


「しっかし,面倒臭ぇなあ」
「宝探しでもねぇのに,こんなところで野宿か・・・」
「また虫に食われてるよ」
「なぁ,酒飲んでもいいかー?」
下っ端たちは不満げな様子で歩いている。
だが勝敗は兵家の常,確実な勝利を狙うためにはこのくらいの苦労はやむを得ないものだ。
・・・不満を言いながらでも従ってくれる,こいつらは盗賊でありながら誇り高き戦士たちだ。
ロマリアにいた頃に,こいつらのような兵士たちに出会っていれば・・・俺はここに居なかったのかもな。


「・・・」
先頭を往く『梟』ノガレが振り返って両手を広げる。
奴の夜目が,何かを捉えた合図。
そうして俺たちを制しておいて,寡黙な猛禽類は身を屈めてにじり寄る。
森の深い闇の中,動きを止めて梟を待つ俺たちの許に戻ってくる。
228('A`):2008/05/10(土) 15:53:38 O
>>222
相変わらず面白いな〜。

是非最期まで読みたい。
このペースでも全く構わないです、続き楽しみに待ってます。
229('A`):2008/05/11(日) 02:03:24 0
おもしれえよここに投下するのが勿体ないくらいにw
続きwktk
230('A`):2008/05/12(月) 14:47:03 0
これは読みたいね
231('A`):2008/05/12(月) 21:17:39 0
hosyu
232('A`):2008/05/14(水) 21:16:10 0
 
233('A`):2008/05/15(木) 15:17:22 O
なんか書きたくなってきたけど、なんも思い付かない自分に腹がたったので保守してやる
234('A`):2008/05/16(金) 14:08:49 0
235('A`):2008/05/17(土) 18:24:59 0

236('A`):2008/05/18(日) 17:13:05 0

237('A`):2008/05/19(月) 16:47:55 0

238('A`):2008/05/20(火) 17:00:53 0

239 ◆OW4jDecrBQ :2008/05/21(水) 00:39:33 0
仕事だりー

↓続きです


「冒険者,手練と見える。戦士系3人,魔法使い系1人」
簡潔な報告。彼らしい,一切無駄の無い文言。
「どうします?」
「う〜む,下手に手出すのも危ねぇかもな」
手練の冒険者には,この辺りは用の無い地域だと思うが・・・
さらに修練を積みたいのなら東へ行くべきだし,財宝探しにしても他を当たるべきだ。
・・・
「ノガレよ,そいつらは辺りを警戒していたか?」
「いや,油断しきり」
「そうか・・・」

「念のため,殺っておきましょう,おかしら」
「念のため,だぁ?」
覆面の奥の眼が,俺を真っ直ぐに包み込んでいる。
おかしらは時々,こう・・・好奇の眼というか,純真な子供のような眼を向ける・・・
「はい,今日この場所で野営する手練ども・・・どうにも臭います。
 誰も来ないと油断しきっているのなら,この機に虚を衝いて殺しておくのが良策かと」
「むぅ・・・まぁ,取り越し苦労ならそれはそれで,色々と頂いておけばいいか」
俺は無言で頷き,翻って下っ端たちに指示を与える。

「俺はこいつらを連れて反対側に回り込みます。あの月が隠れた頃に奇襲をかけ,
 相手が身構え終えたら一旦様子を伺ってください。奴らがおかしら達に神経を向けたその頃に,
 後ろから俺たちが挟みにかかりましょう」
「よしわかった,そっちは任せる。死ぬんじゃねぇぞ」
「互いに」
「かしらは死なぬ,俺がいる」

数人の手下を引き連れて,おおよそおかしら達と対称の方角に回り込む。
奴らに気取られぬ距離,しかし迅速に襲いかかることのできる距離まで忍び寄る。
月はまだ出ている。

奴らは酒を飲んでいるのか,ゆったりした調子で雑談をしているようだ。
三人は酒を酌み交わし,あとの一人は浅い眠りに引きずり込まれている。
しばらくは様子見か。
月は位置を変えていた。

息遣いを殺して,時を待つ。
その中ふと思い起こされたのは,先日の占いだった。
占いの結果は別にして,俺はあのシャーマンの術そのものに魅せられていた。
奇妙で面妖で,それでいて有用な魔術。
俺たちの中に,あのような呪文の使い手はいない。
この先,俺たちが今以上に勢威を上げんとするならば,彼のような呪術に長けた存在が
必要なのではないだろうか・・・
俺たちのために,俺たちの王のために。
そして,俺のために。
月はその輝く裸体を,薄雲に包み隠した。
240('A`):2008/05/21(水) 22:06:40 0
>>239
GJ!

最近まとめを読み返してみたが、色々な勇者、色々な物語があって、あらためて感心した。
ドラクエ3って妄想の余地が大きいよな。
俺は仲間に友達の名前をつけて、「大丈夫か?」「「ここは俺が」とか考えながらプレイしてるくらいだったが。
それに比べて、このスレの神たちはとんでもない世界を見せてくれる。すげーわ。
241('A`):2008/05/22(木) 00:49:01 0
勇者トンヌラはルイーダの酒場に付き、仲間を募ってみた
ルイーダ:女戦士のアイラさんは食中毒で今は仲間に出来ないわよ
トンヌラ:じゃあ、空いている戦士を募ってほしいのだが
ルイーダ:むっつりスケベのヤマさんなら空いているわ
トンヌラ:…それなら、女武闘家のアリーナがいいな
ルイーダ:法事で今日はいないそうよ
トンヌラ:だれか頼りになりそうな武闘家はいない?
ルイーダ:筋肉馬鹿の男武闘家のコスギなら大丈夫そうよ
トンヌラ:強そうだな…お願いします
ルイーダ:女が続くわねえ…女僧侶のクレアさんは仮病、いや風邪で仲間に
トンヌラ:…もういい
ルイーダ:かわりに男魔法使いのメルビー爺さんを手配したわ
トンヌラ:文句は云わんが使えるの?
ルイーダ:大丈夫、メルビー爺さんは高名なブライ導師の従兄弟で腕利きの魔法使いよ
トンヌラ:う…そういうツワモノなら有り難い
ルイーダ:女遊び人のビビアンさんって…、アンタ!!バラモス討伐をなめてるの??
トンヌラ:す、すみません…
ルイーダ:私とした事がうっかりしていたわ、しょうがない! 特別サービスで何とかしましょう
トンヌラ:特別サービスって?
ルイーダ:敏腕女商人のヨネ婆さんがレーベで特別に合流してくれるそうよ、アナタ付いてるねえ!
トンヌラ:ハハハハ… クソ!冗談じゃねえ!! こんな糞パーティーでバラモス討伐なんかできるかっての!!
バラモスに世界の半分貰ってお前らを血祭りに上げてやるからな、覚えてろ!!
俺だってハーレムパーティーでワイワイしながらドキドキワクワクの冒険がしたかったんだよ!!!!
もういい、一人で何とかする!!
ルイーダ:あ〜あ、キモ勇者がいきがって一人で出ていっちゃったよ…
預り所の商人:明日には大ガラスの餌になっているんじゃないの? あのエロキモ勇者w
242('A`):2008/05/22(木) 09:17:48 0
>>241
翌日、レーべ東方で自称勇者喪トンヌラの死骸がモンスターに
啄ばまれるのであった
243('A`):2008/05/23(金) 23:17:02 0

244('A`):2008/05/24(土) 21:52:56 0
a
245('A`):2008/05/26(月) 03:00:59 0
246('A`):2008/05/27(火) 00:34:16 0

247('A`):2008/05/28(水) 21:51:09 O
 
248('A`):2008/05/29(木) 12:07:18 O
ツンデレミハルたんまだ?
249('A`):2008/05/31(土) 08:55:44 O
250 ◆OW4jDecrBQ :2008/06/01(日) 17:16:54 0
静かにミハルたんを待ちつつ投下

↓続きですがな


「そういえば、最近イシスにも帰ってないな」
「たまには帰ってやれよ、浮気されても知らねーぞw」
「そこのイケメン、お酒取ってよ」
無防備な宴がきこえる、淡く火照った月の夜。
爽やかな冒険者たちの安らぐ夜は終わる。
宴の安穏を踏み砕く、斧の一撃を待つ者たちの夜が始まる。

そう、俺たちの夜。

談笑する冒険者たちの影に、歪な笑みを浮かべるものたちが滲み込むように影を重ねる。
もはや、冒険者たちの命には猶予はない。
肉の集った両腕に巨大な斧を掲げ、今なお己が終末に気付かぬ戦士の肩口に斧を降ろす賊の頭目。
幅広の刃は、戦士の胴の中ほどにまで割り込んだ。
裂けた臓物を染めて舞い散る血飛沫と、激痛に染まる五体から搾り出される悲鳴が冒険者たちに急を告げる。
「なっ、何だよ!?」
「起きてっ、起きてよアリオン!」
不可解な敵意を向けて襲いかかる賊徒たちに狼狽しながらも身構えようとする冒険者たち。
戦士の一人が、手元の斧を掴む。
慌てて得物を手に取った戦士の豪腕から、それを剥ぎ取る猛禽の足の爪。
「今だ」
丸腰の戦士に、三方から迫る短剣。
三本の剣は狂い無く肉に突き刺さる。
「ぐぅっ…このザマとは、馬鹿げた話…だ」
悔悟の沁みた呟きを残しながら崩れ落ち、その不本意な結末を受け容れる戦士がいた。

「なんで、なんで人同士で殺しあわなきゃいけないのっ!?」
突然に仲間を喪った悲しみか、それとも分別無き賊徒たちに向かった怒りか。
震えた声で怒鳴りながら、女僧侶が魔力を練る仕種を始める。
…この女、どれほど悲痛な表情をしているのだろうか。
ふとそう思いながら、かすかに愉悦に似たものを感じている俺がいる。
いつ頃だろうか、そういうものを愛おしく感じるようになったのは。
この女の望みなき嗚咽を、諦念の混じった苦痛の呻きを、一筋の光も発さない表情を。
女の心を少しずつ剥ぎ取り、削り、生まれるそれらを愛でてやりたくなったが、
今は一個人の欲を膨らませているべき頃合でもない。
ここでもう一度虚を衝き、完全で安全な勝を為そう。

俺たちのために,俺たちの王のために。
そして,俺のために。
251('A`):2008/06/02(月) 12:40:16 0
良い
252('A`):2008/06/04(水) 23:34:39 0
GJ
253('A`):2008/06/06(金) 05:01:10 0
続きマダー
254('A`):2008/06/06(金) 14:42:48 0
kimoi
255('A`):2008/06/08(日) 19:57:11 O
キモくてすいません!
256('A`):2008/06/08(日) 20:22:09 O
妄想SSだぞ?受け入れられなければキモくて当然だ
257 ◆OW4jDecrBQ :2008/06/09(月) 01:25:02 O
読んでくれた上でキモいと言うのなら、悪くはない

↓続き行きます


「お〜怖い怖い、何大声上げてんの、カリーナちゃん?」
ゆっくりと体を起こす、酔いどれ戦士。
皮肉屋っぽい台詞を吐きながら僧侶に近づくその振る舞いに、まるで隙は感じられない。

「アリオン…」
僧侶の安堵を思わせる声に呼応するかのように、月は薄雲の着衣を解く。
木々の隙間から滲む裸の月の輝きが、互いの姿を晒させる。
「え…こんなに」
「さてと、まぁやるしかないかな」

相対する手下たちがうまく位置取り、戦士に得物を取らせない。
だが、戦士は表情を変えず
「俺をそこいらの戦士どもと一緒くたにしてくれちゃ困るねぇ、
 この『百式』アリオン、素手での闘いもお手のものさぁ」
と宣う。

その横では、僧侶が呪文を唱えようと魔力を練り上げる。
「…さよなら、アリオン」
小声でそう呟いて、魔力のこもった掌を戦士に向けた。
「ん? ほがっっ」
戦士の体が力強く持ち上げられる。
子供に抱きかかえられた仔犬のように、戦士は何処へか連れ去られた。
「…勝手なことして、ごめん。でも…
 私には判るから、こうするしかないの」
僧侶は誰に断ることもなく、誰に語りかけるでもなく独り言を続ける。
「大好きなアリオンにだけは、絶対に死んで欲しくないの。
 元気でね…今までありがとう」

俺には関係のないことだ。
関係のないことなのに、不愉快な何かが胸に棲み着く。
その感覚が薄れるのを待たずに、冷静でないまま前進する。
頭では理解できているはずだ。極力冷静でいろと。
だが、俺の体は頭が命ずるより疾く不愉快な胸の住人を排除せんと動き出していた。

…俺の体が剣を振るおうと近づいた時には既に、俺の目が倒れた僧侶の姿を認めていた。
その横に転がる、少し朱の染まった白い槍。
258('A`):2008/06/09(月) 10:20:10 0
うむ
259('A`):2008/06/11(水) 00:04:41 0
>>257
260('A`):2008/06/13(金) 15:05:47 0
保守
261('A`):2008/06/13(金) 19:37:52 O
こっちの世界に来てから
もう何年もの月日が流れたことか…
私の母は今でも元気にしているだろうか…
母は心配していないだろうか?母は病で倒れていないだろうか?
私は自分がいた元の世界に戻り
アリアハンのみんなに
会いたい
そして…何よりも私をここまで育て
旅立ちの前に不安な私を
勇気づけてくれた母に
会いたい
だが、私はこの世界で
やるべきことがある
そう、また、いつかは現れる
大きな闇が世界を襲う
その前に後世の人々に!
私の伝説を残すことだ。


262('A`):2008/06/15(日) 14:07:30 0
新作か?
263141:2008/06/16(月) 02:52:41 O
お久しぶりです。
ペース激遅ですが完結出来るようがんばりますです。

>>222の続き
「ん…。んん…。」

朝が来た。
いつもと違うベッドの中。しかし目覚めて第一に思うことはいつもと同じだった。
死んだあの子のこと。その想いで俺は一気に目が覚め、飛び起きる。

「なんだ。お前らもう起きてたのか。」
「起きてたのか、じゃないわよ。寝すぎよアンタ。ナジミの塔へ行くわよ。さっさと仕度して。」
「あぁ!?」
というわけで(どういうわけだか分からんが)レーベの村を出て南西にある…え〜っと、
ナントカって塔へ行くことになった。
魔法の玉を手に入れるにはその塔の最上階にある物をまず手に入れなければならない。

「盗賊の鍵?なんだそりゃ。」
「昨日説明したじゃないのよ。人の話し聞いてないのアンタ?」
「ヘヘヘ。」
「ヘヘヘじゃないわよバカ!」
「待ってよミハルさん。僕がジュン君に説明するから。落ち着いて。」
…まぁどうでもいい。冒険の行く先はミハルとアルスに任せておこう。
この旅がもし俺一人だけだったらどうするか考えるがこいつらは俺より頭がいい。
おバカな俺はただバッサバッサと現れるモンスターをぶち殺してやるんだ。そう、
少なくとも俺にとってモンスターは悪なんだ。昨日色々と考えちまったが馬鹿な俺は考えるだけ無駄だ。
復讐のために俺は殺る。それが俺の答え。

「〜て、わけなんだけどジュン君。わかった?」
「ん?おkおk。そんじゃ行くか。ナ…ナントカの塔へ。」
「いい加減人の話し聞きなさいよアンタ!!」
「痛え!」
メラは飛んでこなかったが檜の棒でぶったたかれた。
(…こいつ魔法使いなんかより戦士の方が向いてんじゃねえのか?)
そう思ったが口に出しては言わないでおいた。
264141:2008/06/16(月) 03:17:55 O
塔へ行くと言っていたのだがしばらくしてなぜか洞窟の中に入っていった。
しかしその洞窟を抜けると周りが海で覆われている小島に出た。そこに塔はそびえていた。
塔の中は人が住んでいるという雰囲気はまったく無く、獣やモンスターが散らかしばらまいた物の
臭いなどが漂うモンスターの塔と化していた。

警戒する間もなく奥からモンスターが次々と現れた。
「グギュルル…。」
距離を置いてこちらを威嚇しているのだろうか。オオアリクイ3匹が現れた。
長い舌を伸ばしながら時折、フンッ、フンッと息を荒げている。あれか。人間の臭いに興奮しているのか?
「ギコギコ。」
!!!!!!!!。
オオアリクイに気を取られていた俺達は、横の通路から馬鹿でかいカエルが跳びはねてくるのに
気づくのが遅れてしまった。そのまま突き飛ばされるアルス。
「アルス!!」
すぐに体勢を直し銅の剣を抜くアルス。
大の人間を簡単に一飲みにしてしまいそうな巨大ガエルの突然の出現にアルスは震えた。
「ま、まままけるもんかっ!」
とは言うものの、まったくそうは見えない。手足は震え相手を迎え撃つ構えも出来ていない。
「っ!おいミハル!お前のメラでアリクイ共よせつけるな!俺とアルスでカエルぶっ殺す!」
「え?ちょちょっと!なによ!?」
おおがえるは強張っているアルスに向かって飛び掛かっていく。
300kgはあろうかという巨体を軽々と弾ませるおおがえるを俺は全力で追っかけた。
「…っ!あぁもう!迷ってるヒマは無いわね!」
ミハルは手の平に魔力を集中させ、今にも突撃してこようとするオオアリクイに向かって呪文を放つ。
「メラ!!」
265141:2008/06/16(月) 03:34:38 O
一方恐怖で固まってしまっているアルスは、飛び掛かってくるおおがえるを避けることも
切り返すことも出来ずにただ振り回しただけの銅の剣は、その巨体にかすり傷をつけただけだった。
ドグッ!!
その巨体にのしかかられたアルスはあまりの苦しさにカエルの鳴き声のような声を上げる。
「げぇっ!!」
「くそっ!」
俺は鍋の蓋を投げ付け包丁2本取り出し、アルスにのしかかっている巨体に包丁を突き立てた。
グジュリと突き刺さる。鈍い感触。刺さった包丁を抜いては何度も突き刺した。
「さっさとどけよテメエ!!」
しかし人間をはるかに上回る巨体。数回突き刺しただけでは致命傷には至らない。
頭だ!頭を破壊してやれば!
そう思った瞬間、背中の痛みを覚えたおおがえるは暴れ出し俺を突き飛ばした。
痛みもがき苦しみ始めたおおがえる。暴れるうちに突き刺した箇所から血が大量に溢れ出した。
「くそっ、トドメを差して楽にしてやりたいけど包丁が刺さったままだ。観念してくれ…。」
「う…、うう、っく!」
それを見たアルスが起き上がり、痛みながらも渾身の力を込めて銅の剣をおおがえる目掛けて振り下ろした。
「はあ…はぁ…。大丈夫?ジュン君。」
「ああ。ってかお前が大丈夫かよ?」
「う、うん…。それよりミハルさんを!」
そうだ。振り返るとミハルはしっかりとオオアリクイを食い止めていた。
既に2匹仕留めて最後の1匹を仕留めるべくメラを放っていた。
しかし相手も仲間がやられる度にメラを見続けたことによりこれを避けた。
呪文を連発し疲労したミハルの隙をついて突進してくるオオアリクイ。
「いやぁぁ!!来ないでよばかぁ!!」
「ミハル!」
「ミハルさん!」
ダメだ。助けようにも間に合わない!
ボグッ!という鈍い音が響き渡る。
「…まじかよオイ。」
倒れたのはオオアリクイだった。
ミハルは檜の棒で突進してきたオオアリクイの頭を見事に粉砕していた。
その場に力無くぺたりと座り込むミハル。

戦闘を無事に終え俺はほっとしながらも思った。
やっぱり魔法使いなんかより戦士の方が向いてんじゃねえのか。と。
口に出しては言わないでおいた。
266('A`):2008/06/16(月) 21:12:52 0
主人公熱いな。こういう奴結構好きだ。
267('A`):2008/06/16(月) 23:05:39 0
にしても戦闘がリアルに怖いな
268('A`):2008/06/18(水) 05:08:43 O
テンポがツボ
サクサク読めるし面白い
269('A`):2008/06/19(木) 18:01:12 O
いつも面白くていいね、
すっかり月一の楽しみになってしまった。
このままのペースで頑張って下さい。
270('A`):2008/06/21(土) 14:25:21 0
 
271('A`):2008/06/22(日) 08:21:18 O
ほすほすほす
272('A`):2008/06/23(月) 17:33:22 0
応援してるぜ
273('A`):2008/06/25(水) 23:12:18 0
 
274('A`):2008/06/26(木) 14:42:10 O

275('A`):2008/06/26(木) 14:48:04 O
絶えず妄想はするけど上手く文章化出来ないね
276('A`):2008/06/26(木) 16:46:55 O
勇者ニートが帰って来たのかとオモタ
277('A`):2008/06/26(木) 16:59:00 0

まあドラ糞信者の教養の無さは特筆すべきものがあるからなあ
ドラ糞は北米Dragon Warrior たったの17万本(笑)
ドラ糞信者はこの結果とともに沈んでください。

まあこのスレ一通り見たけどドラ糞信者が滑稽なほど必死に頑張ってるねww
ま、俺は言いたかったことはドラ糞信者は低脳で盲目で救い難い哀れな廃人だということだよ。

ドラ糞にFFよりも優れた点ってあるの? 狂信者は末恐ろしいですねww
全く面白くない糞ゲーを盲信しながらプレイしてると思うと可哀想で涙が出てくるね。

さーて、俺はこれからNDSのFF4でもやるかな。 お前らは何やるのw?
どうせ劣化移植糞ゲーのモンスター集めや糞嫁選びに必死になるんだろうなあ。


糞嫁選びに必死になるんだろうなあ 。
278('A`):2008/06/27(金) 02:15:06 O
3そろそろまた移植されねえかな
279('A`):2008/06/27(金) 12:48:47 O
◆OW4jDecrBQもペース落ちちゃうと淋しすぎるな
280('A`):2008/06/28(土) 02:26:46 O
作家じゃないんだからペース云々は気にする所じゃないと思うよ
面白いんだからいいじゃない
281('A`):2008/06/30(月) 00:25:29 0
ていうかシリーズを始めなければ書いちゃいけないわけじゃないし
他の妄想スレみたいに適当に欲望をぶちまけていいと思う
282('A`):2008/07/01(火) 21:41:17 0
 
283('A`):2008/07/02(水) 01:45:21 0
勇者ニートはまだ帰ってきていないみたいだな
http://blog-imgs-21.fc2.com/2/b/o/2books/1_20080629124849.jpg
284('A`):2008/07/03(木) 21:04:09 0
>>281
適当な妄想のぶちまけって
DQ3の女賢者のパンツの色について考えたりとか?
285('A`):2008/07/04(金) 00:27:44 0
各キャラのパンツ考察か
286141:2008/07/05(土) 10:43:47 O
レスどうもです。
短いけど>>265の続き。

塔の何階まで来ただろうか。
大分登ってきてはいるのだが依然モンスターが現れ、とても人が住んでいるような所ではない。
本当にこの塔に人が住んでいるのだろうか。

「…ちっ。包丁一本折れちまったな。」
度重なる戦闘を続ける内、包丁が折れて使い物にならなくなってしまった。
残る一本も先端がかけている。
「アンタ包丁なんかじゃなくてちゃんとした武器買ったら?」
「あぁ、そうだな。村に戻ったらなんか買うわ。とりあえずまだ一本は大丈夫だ。トンカチもあるし。」
「そう。でもアンタ達魔法使えないんだから武器ぐらいしっかりした物使わなくちゃね。」
「つってもなぁ、俺としては包丁がしっくりくるんだ。」
銅の剣のような長くて重い武器よりかは、短い武器で身軽さを生かした戦い方の方が俺は好きだ。
俺はどちらかと言うと戦士向きでは無いようだ。大して力があるって訳では無いし。
「ま、いざとなったら俺の拳で戦ってやんよ。」
「力無いくせに、何言ってんのかしらね。」
「うるせぇ。殴るぞ。」
などと、いつの間にか軽い冗談を交わせるくらいの余裕が持てるようになっていた。
この塔を登り始めた頃は、買いためておいた薬草が足りなくなるんじゃないかと心配していたが、
このままでいけば十分余りそうなくらいだ。
現れるモンスターをパパッと蹴散らして階を進むペースも上がり、俺達はどんどんと登っていった。
287141:2008/07/05(土) 10:51:47 O
次の階段を上るとフロアの雰囲気が一変した。
「なんだここは!?ここが最上階か?」
今まで上ってきた薄汚れたフロアとは違い、この部屋は綺麗でベッドやテーブルが備えてあった。
モンスターの巣窟と化したこの塔で、本当に人が暮らしている事をこの場でようやく信じる事が出来た。
「なんじゃお前さんらは?」
一人の老人がテーブルに座っていた。
この塔にわざわざ住むくらいの人だ。包丁や剣を手に持っている俺達を目の前にしても偉く落ち着いている。
俺達はすぐに武器をしまい、挨拶も早々に早速事情を話すミハル。
「ふむ…。そうか、よかろう。この塔を登ってきた勇気のある若者達じゃ。信じてみよう。」
老人はそう言うとあるものを手渡した。
「これが盗賊の鍵じゃ、これで魔法の玉も手に入るじゃろ。」
「ええ。ありがとうお爺さん。」
「気をつけてな。このアリアハン大陸は最も弱いモンスターしかおらんかった大陸じゃ。
 これからどんどんと過酷な旅となるじゃろう。」
「ああ、分かってる。だから俺達はそれ以上に強くなってみせるぜ。」
「ふむ、頼もしい言葉じゃ。では期待しておるぞ。」
「ああ。じゃあな爺さん。」

盗賊の鍵も無事に手に入り、魔法の玉を手に入れるべく俺達はレーベの村へと戻ることにした。
288武闘家はヒモパン希望:2008/07/06(日) 20:55:35 0
乙!
続きをゆっくり待つぜ
289('A`):2008/07/08(火) 18:51:41 0
GJだぜ
290('A`):2008/07/11(金) 12:45:22 O
ほしゆ
291 ◆OW4jDecrBQ :2008/07/13(日) 17:26:25 0
待っていた方がもしいたら、ごめんなさい(´・ω・`)
◆OW4jDecrBQです。
まあ言い訳は省略しますw

↓続きです


不運な戦士たちと、穢されることを厭んだ僧侶の死体。
それらに群がる賊たちの姿は、遠目に見れば死肉を貪る餓鬼達のように見えたことだろう。
獣の世に光を呼び込む勇者の姿は、まだ誰にも見えない。


血腥ささえ忘れてしまいそうな、ほのかな月明かりの下で冒険者たちの死体と野営の跡を漁ると・・・
大したものは持ってはいなかった。だが、金だけは随分貯めこんでいたようだ。
死体に金など、必要ない。

結局、ここで得られたものは1万ゴールドにやや満たないくらいの金のみだった。
「ま、これだけの金になったのなら悪かねぇな」
「連中、弱かったなぁ。楽な仕事だぜ、まったくw」
「何が『百式』だよww」
「逃げ方が百通り、てことスよ多分ww」

・・・


・・・百? あのシャーマンが、確か・・・まさかな。
「マリウスさん?」
「ん、あぁ・・・気に留めるほどの連中じゃないだろ」
無駄口を叩きつつ、森のもう少し奥へと足を進める。

「おやぶ〜ん、そろそろ休みましょうや」
「もうそんな時間か? ・・・そうだな、この辺で寝るとするか」
荷物持ちの当番が各人に毛布を配ってまわる。
「そういえば、塔には誰が残ってますか?」
「ん? 知らん」
「・・・チルクと、サングン」
『梟』、こういうときでも頼りになる奴だ。しかし、塔にいるのがあの二人というのは不安すぎる。
「・・・おかしら、俺が行ったほうが良さそうですね」
「いいのか? 今からじゃ寝る時間もなくなるぞ」
俺は黙って頷く。一日くらい、どうということはない。
俺たちの今後を考えるに、この一戦は重要な意味を持つ。
そんな時に、少しの無理も出来ませんなんて言ってられるものか。

「寝酒は程々にしろよ、明日は忙しいんだ」
「へーい」「うぃーす」
俺から下っ端たちに釘を刺す必要はなさそうだ。
「では、俺は塔に戻って万事整えておきます」
「おう、頼りにしてるぜ、マリウス」
292('A`):2008/07/13(日) 17:45:38 0
豚のグロ画像持ってきた
http://pict.or.tp/img/66307.gif
293('A`):2008/07/13(日) 17:46:11 0
スマン誤爆した画像は見ないでくれ
294('A`):2008/07/14(月) 19:32:59 0
分かったよ
295('A`):2008/07/15(火) 14:43:07 0
232 名前:名前がない@ただの名無しのようだ[] 投稿日:2008/07/13(日) 20:22:42 ID:EcFxVlTO0
183の画像が かわいそう
ブタの首がちぇんそーで切り落とされる。
っていうか、首切られても、
そのあと 足が 動いてるのが恐い。
296 ◆OW4jDecrBQ :2008/07/17(木) 23:09:55 0
おまいら今日はDS版ドラクエ5の発売日ですよ
俺は某アケゲーのうpデートがツボ過ぎて堪らないが


DS版5発売記念ということで、中途半端だけど続き↓


変な夢を見ている。
俺の目前には、ただならぬ何かを感じさせる金髪の女が立ちはだかっている。
どうやら俺は、この美しい女を打ち負かさねばならないらしい。
理由などは分かるはずもない、とにかく俺を殺そうとするこの女を退けなければ。

と、まずは得物を確認するか。
そう考えるうちに、無意識に視線が右手へと向く・・・
自分の手を見ているはずの俺が見ている手は、金色に輝いている。
指先には鈍い色の爪が鋭く生えている。
慌てて他へ目をやると、右手の金色は全身に伸びていることに気が付いた。
この姿は・・・子供の頃御伽噺に聞いてた竜、という奴だろうか?

俺は誰に教えられるでもなく、目の前の女に向けて器用にブレスを吐く。
視界の先が、全て光になる。


「そろそろ起きたら?」
瞼の向こうは、全て光になっている。
すべての生きものの眼を明るく刺す光に。

「ごはん食べようか」
少し眩しく感じる強い日差しの下、レンとマリエは弁当を拡げる。
・・・
「あれ? 食べないの?」
「あ、いや・・・」
「どうせ忘れてたんでしょ? まったく何やってんのよ」
「じゃあ私のを半分あげるよ」
マリエがにっこりと笑う。
「いいのか?」「うん♪」
にこやかな表情のまま頷いたマリエが、落ち着きなく何度かレンに目配せしているように見えた。
「・・・わかったわよ・・・ 
 えっと・・・わっ私のでもよければ半分くらい持っていっていいから! そうすれば一人分でしょ! 足りないの!?」
すこし乱暴に、自分の弁当を差し出す。
「あ、二人とも・・・ありがとう」
「れ、礼はマリエに言ってよっ」
「いいから、食べようよ^^ ロマリア城首席料理人直伝のレシピで作ったそうだから、きっと美味しいよ」
3人で、おいしくいただいた。

・・・なぜ、3人なんだろうか?
それを考え出すと、至極自然な時間だったようにも、あからさまに不自然だったようにも思えてくる。
「・・・1匹の蝶になった夢を俺が見たのか、俺になった夢を1匹の蝶が見続けているのか」
このひとときは、自然な時間。
今日の昼には、カンダタ一味との決戦・・・こんなときでも、至極自然に振舞える3人が少し羨ましい。
・・・いや、俺も同じなのだろう。
俺の目的は、カンダタの討伐なんかじゃない。あくまでも、爺ちゃんの笑顔が見たいだけ。
そのことを、少しも忘れていないのだから。
297('A`):2008/07/17(木) 23:34:05 0
続き乙
夜は長かったな。
298('A`)