喪「キミはふたなりかい?」
女「?……ふた、なり?」
喪「はあ!?ふたなりも知らないのかい!?」
よくそんなんで僕のこと好きだなんて言えたね!?頭大丈夫?」
女「え、あの、ちゃんとその言葉調べてき――」
喪「キミが調べてくるかどうかなんて聞いてないんだよ!!!」
キミがふたなりかどうかを聞いてるんだ僕は!!ホントに頭大丈夫か?」
女「……」
喪「答えられないのか。好きだって言っておきながら、
自分がふたなりかどうかってことさえ教えられないのか。
……キミの気持ちは信じられないね」
女「ホントに好きなんです。……信じてください」
喪「うるさい!うるさい!うるさい!!
僕は話の通じない頭のおかしな女と一緒にいるのは耐えられないんだ!!
さっさとこっから消えうせろ!!!!」
走り去っていく女
それを見つめながら喪は一人囁く
喪「……ごめんね。でもいつか気が付くよ。あの男と付き合わなくて良かったって。
きっと、今みたいな辛い気持ちも、そう長くは続かないはずだよ。……ガンバレ」
小さくなっていく女に背を向け、軽く伸びをしながら、
何かを振り切るように明るい声を絞り出す
喪「さあ!ふたなり娘でも探しに行くか!」