喪男がドラクエの主人公だったら

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321('A`)
竜王「よく来たドクオよ。ワシが王の中の王、竜王だ。
ワシは待っておった。そなたのような若者が現れる事を…
もしワシの味方になれば世界の半分をお前にやろう。」

('A`)「王女に嫌われ、町人から蔑まれ、王からは捨て駒扱いな俺を待っていたのか。」

竜王「そうとも、お前が勇者であるがゆえにワシは待っておった。」

('A`)「期待外れだっただろう?期待してたあんたにも、ローラ姫にも、悪い事をしたよ…」

竜王「ならば、なぜ人のために戦う。王女を助け、我が同胞を倒し同胞に倒され、何故ここまで来た。」

('A`)「勇者だと言われたから。気休めの嘘だって知っていたけど、俺は、勇者だって。」

竜王「世界の半分を手に入れれば、そなたを馬鹿にした者どもは皆かしづくだろう。
あの王や王女さえも、そなたの手の中だ。さあ、ワシと共に世界を手にしようではないか。」

('A`)「いいえ、世界なんかいらないよ。嫌われるだけだし、俺なんかすぐイケメンに倒されるよ…。」

竜王「愚か者め…!」

そうぜつで れきしにのこる たたかいが あった。
しかし それは こどくな たたかいだった。
てんが ふるえ ちが さけ ついに…。

竜王「クッ…さあ、殺せ!ワシを殺して、賞賛され語り継がれる本物の勇者になるがいい!」

('A`)「…世界なんかいらないから、俺の友達になってくれないか。」

竜王「戯言を言うなッ!勝者の余裕か、人間め。」

('A`)「初めて…なんだ…。」

竜王「何?」

('A`)「俺を差別せず、俺を疑わず、俺を認めて、俺を勇者として扱ってくれた奴は、アンタが…初めて…。」

竜王「…馬鹿者。魔王に泣かされる勇者があるか。さあ殺せ。殺して故郷へ帰るがいい。」

('A`)「殺せないよ。それに俺の故郷はもう…。」

竜王「………。」

りゅうおう が なかまに なった。
りゅうおう は みがわり を のこして かれら は はるか とおい ちへ たびだったと いう…。

エピローグ。

身代わり「女王は何処かに旅立ってしまった…私が、私が早く生まれてさえいれば…」

イケメン「諸悪の根源め!再び王女をさらい、民を苦しめた罪!俺が許さん!」

身代わり「お前が勇者か…そうだ、人を裏切れば、世界の半分をお前にやろう。」

イケメン「ハハハ、そんな手に乗ると思うか。俺は貴様を倒して伝説に残る。
そして、俺に心酔した王女と結婚して俺が世界を手中に収めてやるのさ!」

身代わり「ワシとて竜王の一族に連なり、現竜王としての矜持がある!来い、勇者!」

その後、イケメン勇者は姫と共に国を造り子供を作り、幸せに暮らしたという―――畜生、死ね。