今日の('A`)の勇者的行動

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194('A`)
駐車場にある自販機でセブンスター買って、店内に入ったら、
小学3,4年くらいの女の子がいてさ、お菓子ずーと見てるの。
で、意を決したかのようにポッキーを手に取ったかと思ったら
凄い勢いで駆けてっちゃって。
おいおい豪快な万引きだな、とか思いつつ目で追ってたら
厨学生の子(制服きてた)に抱きついてた。
「おねーちゃん、これかってー!」って。
オレもガキの頃はお袋にようせがんでたよなー。
ああ、なんか微笑ましい光景だなぁ、
なんてノスタルジーに浸ってたら、すげえ冷たい声で、
「絶対ダメッ!!」って。
あんまりピシャッというもんだから思わずまじまじと見てしまった。
直前のやり取りのせいか、お姉さんはちょっときつそうな顔つきに見えた。
メガネを掛けてて学級委員とかやってそうなかんじ。
いかにも男子に煙たがられてそうって言うか…。
で、妹さんの方はオレが多少、ロリ傾向にあるのを差っ引いてもかわいかった(w
そんな妹さん、ずっと下向いて黙っちゃってる…。
泣き出しちゃうかな?とちょっとハラハラしたんだけど、
「うん、………ごめんなさい」なんて謝って、箱を元の棚に戻してた。
けどその子、戻した後もお菓子見てんだよ、じ〜って。
なんか見てらんなくて、お姉さんの方に視線戻したら、下向いてるんだよ。
…ちょっと唇、噛み締めて。
それでオレ、その姉妹がちょっと気になっちゃって、
お総菜のコーナーで再び発見したとき隣に行ってみちゃった。
フライとか、揚げ物類を自分でパックに入れて持っていくやつ。
姉妹二人であれだこれだって選んでる。
でも妹さんがエビフライとかチーズ豚カツとか指さすと、
「それはダメ!」ってな感じでお姉さんが許さない。
よく見るとスーパーのかご、妹さんが重そうに持ってる。
かごぐらい姉貴が持ってやれよ、とか思いつつお姉さんを見ると、

……筆算してた。

…………しかも、馬券のマークカードの裏面使って。

一生懸命ひっ算してたお姉さん、ため息ひとつ吐いて、
「コロッケにしようね…」だって。
明らかに不満顔の妹さん、気持ちは分かる(w
あーだ、こーだ、とだらだら選んで結局コロッケかよ。
なんて、声に出ないように心の中でツッコミ入れてたら、
「ごめんね……」と、今度はお姉さんが謝ってる。また、軽く唇を噛みながら。
そしたら妹さん、かごを床においてパックにコロッケ入れ始めた。
コロッケ四つ入れて、蓋がちゃんと閉まらないパックに輪ゴムをかけながら、
「のぞみ、ころっけすきだよ!まいにちだってたべれるもん!
 おねいちゃんはきらい?」って、笑顔で。
「ワタシは…」って一寸言いよどんだ後、にっこり笑って、
「お姉ちゃんも好きよ。…のぞみ、いこっ」
妹さん促して、またマークカードの裏で計算しながら歩いていくお姉さんを、
買い物かご抱えた妹さんがトコトコ追いかけてった。
その時のお姉ちゃんの笑顔、当然心から笑ってたわけじゃ無いと思ったけど、
すげえ魅力的に見えた。なんか、そこで笑える彼女が無性にかわいく感じた。
何となくオレもコロッケを三つ買っちまった。
195('A`):2005/10/18(火) 22:08:02 0
で、他にも食料を色々物色した後、会計しようと思ってレジの列に並ぼうとしたら、
発見!いました、例の姉妹。迷うことなく後ろにならんでしまいました(w
お姉さん、並んでるあいだもマークカード見て金額を確認してる。
テスト終了3分前に答案を最終確認するみたいに。
よく見えなかったけど、マークカード三枚くらいがびっしり数字で埋まってた。
なんか、いつまでも盗み見してるのも悪いと思って、
なにげに妹さんが持ってるカゴに視線を移したら、入ってた。イチゴのポッキー。
なぜか、ホッとしてる自分に気づいて苦笑い。
そのまま、その姉妹のレジも観察してた。
その子らの買い物は材料ばかり。ジャガイモとか大根とか、魚とか。
調理しなくても食えそうなのは、コロッケとポッキーと醤油くらい。
おいらの買い物とは大違い。酒のつまみみたいなのしか入れてない自分に
ちくと呆れつつ姉妹の会計が終わるのを待った。
そしたら…、やっちゃったみたい、お姉さん。
計算ミスか?なんか懸命にババ臭い財布あさってるんだ。
レジの受け皿の金を見ると小銭がいっぱい。
遠目からざっと数えてレジの会計表示とで暗算してみると46円(!)くらい
足りないみたい。(こんなに脳味噌フル回転させたの何年ぶりだ?
レジのババア、苛ついてる。お姉さん、焦りまくり。妹さん、泣き出しそう。
オレ、正直アタマ抱えちまったよ。あーって。
結局お姉さん、何か一品ブツを返すことに決めたようだが、なにを諦めるか迷ってる。
どうも候補はコロッケか醤油だった様だが、最終的にはコロッケに決定。
「あの、これ、一つ戻してきます…」
消え入りそうな声でババアにコロッケの入ったパックを見せるお姉さん。
うむ!ナイスチョイス! オレは思わず心の中で膝を打った!(いや、まじで)
ここのコロッケは50円。実に現実的かつ合理的な選択だとおもった。しかし…。
「パックに入れたモン、売りモンにならんでしょー!
 そんなモン返されたって困るわぁー!」と、ババァ。
あぅ。言い方はともかく正論だ。どうするのかと思ってお姉さんを見てみたら…。
……泣いてる。涙なんか一粒も流しちゃいないが、
俯いて唇を噛んでる彼女はオレの目には泣いている様にしか見えなかった。
そして見た。お姉さんがカゴに戻したコロッケのパック。
コロッケが三つしか入ってないパック。
そこに、妹さんの一言。
「ねえ、おねいちゃん。のぞみやっぱりおかしいらないっ。
 おかしたべるとむしばになっちゃうもん!」

………すいません。もう我慢の限界です。
駐車場で買った、ポケットに入れっぱなしだったタバコのお釣り、
気づいたらレジに叩きつけてますた。
「釣りはいらねえ、これで文句ねえだろ!?」
とか、ババアにこっ恥ずかしい事ぬかしながら。ええ、はい。
お姉さん、なにが起きたか解りませんって顔して呆然としてた。
「会計済んだらどいてくれないか。オレが会計出来ない」
ってえらくぶっきらぼうに言ったのを覚えてる。
お姉さん、慌ててカゴ持って袋に詰めに行っちゃった。もそっと言いようも有ろうに…。
196('A`):2005/10/18(火) 22:08:47 0
で、ちょっと落ち着いて気づいた。
オレの会計すんのもババアだって。すげえ、気まずかったっス。
針のむしろの会計済ませてオレも袋に詰めようとしたら、
申し訳無さそうに姉妹が待ってた。
お姉さんは顔を真っ赤にして、何度も何度も頭を下げて謝ってきた。
最初に見たときの、きつい印象なんか微塵も残って無かった。
「気にしないでくれ、オレも気にして無い」と言うと、
姉妹で買い物を袋に詰めるのを手伝ってくれた。
妹さんのぎこち無さに比べ、お姉さんの手慣れた手つきを見つつ、
何倍もかわいく見える様になっちゃったなあと素直に思ってしまった。
さらに姉妹は荷物を車まで運んでくれると言い出した。
一応断ったんだけど、どうしてもって言うから運んで貰うことにした。
量は大したこと無いんだが、一升瓶入ってたから結構重かったと思う。
それでも自分らの荷物と一緒に、ニコニコしながら車まで運んでくれた。
一瞬、家まで送ってやろうかと思ったんだけど、
なぜか、絶対断るだろうなと思ってやめといた。
いきなりそこまでするのも、なんか、あやしいし。
別れ際、妹さんが「おじさん、これあげるーっ」って、
手に取ったオレの手になんか握り込ませた。

わ し ゃ あ ま だ 2 6 だ ぞ …!

何度も謝りながら姉妹が帰った後、駐車場に止まったままの車内でタバコをふかしつつ、
妹さんがくれた物を見てみると、古ぼけた安っぽいアクセサリーだった。
いろんな花でかたどった、ちょっと大きめなプラスティック製の月桂樹の様な。
後ろに錆びた安全ピンが付いてる。胸にでも着ける物なんだろうな。
ピンの下に「望美」って、なにかで掘ったか削ったかして書いてあった。
ピンの上にも何か書いてあったけど、削ってあって読めなかった。

タバコ吸い終わって帰る途中、信号待ってたら件の姉妹が横断歩道渡ってた。
お姉ちゃんが望美ちゃんの手を引いて。
おれの車に気づいた望美ちゃんがブンブン手を振ってくれた。
ちょっと嬉しくなって、軽くクラクションで返したら、
気付いたお姉ちゃんが、やっぱりペコペコ頭下げてくんの。
でも、表情は笑顔だった。…気がする。

最後に見た、アクセサリーの元持ち主は左手で妹の手を引いて、
右手にスーパーの袋を二つぶら下げてた。妹の左手は手ぶらだった。