358 :
('A`):
ねえ君 生きてるのって楽しいかい?
人はさ 無意識のうちに闇を照らすのを避けてるんだ
照らされざる闇はより暗く深くなっていくって知ってたかい?
闇なんてさ 抱えてないような顔をして日々を生きて
そんな君の中はとても居心地が良いんだ
ねえ君 生きてるのって楽しいかい?
どんな闇を用いても闇の深さは測れないんだ
でもその事に気づいたときにはもうそこまで届く光は描けないのさ
たとえば君がいなくなったって誰も困りはしないんだよ
ただ忘却と喪失の狭間で揺れるだけ それだけなんだ
奪い続ける物語を 忘れ続ける物語を 失い続ける物語を
幻想の名を騙りそこにある現実を
ねえ君 生きてるのって楽しいかい?
君はさ自分ひとりで生きているつもりなんだろうけど
君が生きるためにどれだけの命が奪われるのか知ってるかい?
そしてそれはこれからも続いてゆく物語
気持ち悪いよね?
それってすごく気持ち悪いよね?
どうしたらいいのかって?
そんなの簡単さ
君はまだ分からないのかい?
そうさ いなくなっちゃえばいいんだよ
逃げるのかい?
どこまで逃げたって無駄さ
僕は君の中にいる
そして彼の中にも彼女の中にもね
喪失の地平線は第三の幻想を纏い何処にでも現れるんだ
君が生きたいと願い続ける限りここからは逃げられないのさ
ねえ君 生きてるのって楽しいかい?
記憶とは澱まないよう流れ続ける水のような歌なのさ
たとえその流れがとまったとしてもそこは終わりの場所じゃないのさ
君の中の円盤が回りだせば水は再び流れ幻想を語りだす
そして君は何度でもここに戻ってくる
ねえ君 生きてるのって楽しいかい?