イケメンの力を思い知った瞬間

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750('A`)
ブサメン俺とイケメンA(幹事・遊び好きのB系)と
イケメンB(クリスマス近くて飢えてる)と普通メン。
俺とAとBは大学の友達。
Aの開く合コンに呼ばれるのは4回目で、
どうせまた人数あわせだろうなとは思いながらも
わずかな期待を胸に抱いて飲み屋の個室に行った。
女の子4人(Aの知り合い)はどの子も遊んでそうだけど可愛かった。

Aは本当に女の子達を盛り上げるのが上手で5分もたたないうちに場はテンション↑。
30分ぐらいたった時Aがトイレにいく。
それと同時に酒が入ってる女のひとりD(過去に合コンで俺とも面識ある)が俺に
「そういえばさー、前の(合コンの)ときあったじゃん。
あれから○○(俺)クン、E子にキモメル送ったっしょー?」
E子はDの友達で、過去の合コンの時に俺が唯一メルアドをゲットした女の子だった。
(ちなみに昨日の合コンにはいなかった。)
確かにメールを何回か送ったのは事実だったが、
内容もたいしたことないし向こうも普通に返信していてくれた。
俺はキョドリながらDに「E子なんか言ってたの?」と聞く。
「E子怖がってるからマジやめといてやってね。」と答えるD。

そこから地獄の始まりだった。そのメール内容に場は興味深々で、
E子から聞いたらしいDが大げさに装飾して
ベラベラしゃべり、場は笑いと引きと俺への嫌悪のまなざしの渦。
その時点で今までは「クリスマス」やら「バイト」やらが中心だった
話のネタが「俺という人間」にシフト。Aもトイレから帰って来て
「なになに?盛り上がってるじゃん!?」と興味津々。
Bが俺が普段学校でいかに挙動不審でキモイかを笑いのネタとしてしゃべりまくる。場は大笑い大笑い。
D以外の3人の初対面の女も俺のことを【完全に見下していい人間】
だと判断したらしく容赦なく俺の容姿を笑いのネタにする。
場は大笑い大笑い。はじめは「うっせーなー」と笑いながら返していた俺も、
だんだんと頭が真っ白になっていき涙が出そうになった。

心の中で(ここで泣いたら俺は終わりだ)を繰り返しながら踏ん張っていたら、
トイレから帰って来て以来なぜか盛り上がりの輪に入ってなかったAが
「おめーらマジうぜーって」と一言。場は一瞬「はぁ?」といった感じで凍りつく。
「なんかマジ最低だな。つか人間じゃねぇって。」と言いながら席を立って店を出て行こうとするA。
ポカーンとしてる俺に向かって「おい○○早くこいって。」と言うAに促され、俺
は混乱しながらも席を立った。
席を立ってAの後を追う俺の後ろからは沈黙の後の
「はぁ?」だの「わけわかんねー」だの「かっこつけ?w」だの
場に取り残された男女の声が聞こえた。

751('A`):04/08/15 21:12
店を出てからの俺は頭を整理するのでイッパイイッパイでAの後ろについていった。
んで自分がどういう目にあったかをひとつひとつ整理していったら、
堪えてた涙が嗚咽と一緒に出てきた。自分が情けなくてしょうがなかった。
Aは歩きながら「マジムカつくよな」とか「マジおちるって」とか言ってたけど
独り言なのか俺に同意を求めているのかわかならかったので俺は何も返さなかった。
とにかくAは街をどこ行く当てなどなく早足で歩き、俺は後についていった。
今思えば、この時のAは俺とは比べ物にならないぐらい頭を整理するのでイッパイイッパイだったんだと思う。
自分が言っちゃったこととか怒りとか今後あいつらとどうなるのかとか。
歩いてる途中、Aの携帯の着信音が何回か鳴ってたけど、Aはそれを無視してた。

ずーっと歩き回ってAはそばにあったコンビニに入った。俺も続いた。
Aは飲料コーナーに行って、「飲みたらねーから俺んち来て飲まねー?」
と聞いてきた。俺は断った。そのうちAがはっと思いついたように
「そういや俺幹事のくせに金払ってねーじゃん!!」と言った。
俺は「俺もだよ。食い逃げじゃん俺ら」と返した。二人してコンビニで爆笑した。
「食い逃げだよギャハハハハハ!!」と二人してコンビニで腹がよじれそうになりながらずーっと爆笑してた。

今日になって、俺は到底学校に行ける気分じゃなく家のベッドであれこれ考えていた。
夕方にAから電話があった。
必修科目のテスト範囲発表が授業であったらしく、休んだ俺を心配したようだった。
俺が「コピらせろ」と言ったらAは「100円な」と返してきた。
普段どおりの会話に俺はすごく安心した。

(俺を呼ぶのはどうせ人数あわせだろ。)

とAに対して思っていた自分を本当に殴ってやりたくなった。
思えばAの交友関係は広いし、
わざわざ俺なんかを呼ばなくてもいいはずだったんだ。
ブサイクでキョドってばっかで彼女一人できない俺をほんとに心配して、
Aは毎回合コンに呼んでくれたんだと思った。
「なんかマジ最低だな。つか人間じゃねぇって。」
と言ってくれたAの声は結構震えていたのを覚えている。
Aみたいに誰とでも気軽に話すチャラけた男でも
勇気を振り絞って言ってくれたんだと思うと、なぜか気が楽になった。
こいつとはずっと友達でいたいと思った。