石田「も、漏れちゃう!!おへその国からこんにちはしちゃうぅ!!!」 [転載禁止]©2ch.net
1 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:
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あれからちょうど1年になるのか。
それは2015年の春、仙台サンプラザで起こった、私の中の記憶───
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2 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:06:31.43 0
なんだこの固定はw
3 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:06:36.07 0
以下↓好きな中島卓偉の名曲
5 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:07:22.94 0
私は凱旋コンサートということもあって高揚していた。
聖地である中野サンプラザでの公演など、地元公演に比べれば大したことは無い。
仙台市民、いや、宮城県民のファンが私のために来てくれる公演だからこそ失敗は許されない。
いつも以上に全身全霊で望む次第であった。
"それ"が来るまでは……。
6 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:08:07.78 0
最初の異変はリハの最中に起こった。
ワクテカの位置確認の時、腹部に鈍痛が走りはじめた。
最初は月よりの使者かと思ったが、違う、これはなんだ?
痛みは次第に強くなり、世界がぐらつき始める。私は立つのも精一杯になってしまった。
「あゆみちゃん大丈夫?」
7 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:08:55.95 0
「すいません、ちょっと立ちくらみしてしまって……もう大丈夫です。すいません」
声をかけてくれたのはリーダーの譜久村さんだった。
あの時は知らなかったのだが、後で譜久村さんから聞いた話では、
それは空も紅く見えてしまうほどの青ざめた顔で滝汗を流していたそうだ。
ちなみに、大丈夫とはいったものの虚言であるのはメンバーから見ても一目瞭然であっただろう。
8 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:09:38.07 0
「シェキラッ だまってキスでもしろー シェキラッ だまって安心させろー」
腕のグルグルに合わせて腹部もグルグルと鳴っている気がした。
何故だろう、悪い物を食べたつもりはない。ケータリングに問題は無かったはずだ。
しかし、待て、そういえば1つだけ食べたものが…もしかしたら…。
「石田さん、このマシュマロ食べてみてください。とても美味しいですよ」
9 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:09:38.67 0
なんだよこの糞コテ
10 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:11:21.31 0
「あれ?ケータリングにそんなのあったっけ?」
「私が家から持ってきたやつです」
───小田さくら、奴が持ってきたマシュマロに何か入っていたのだろうか?
あいつは私と特別仲が良いわけではない、かといって悪いわけでもない。微妙な関係だ。
そんな奴が悪意を持って菓子に細工などするだろうか?それは善意だと思いたかった。
そんな事を考えてる間に、リハと痛みは進んでいく。
11 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:12:23.35 0
「どぉしてそぉんなぁにやさしいのぉー 一人がさぁみしいじゃない」
小田のパワーボイスが下腹部に響く。まるで大腸をノックされているようだ。
…一瞬、ほんの一瞬だが何かが出そうになった。
リハといえど本番さながらにやるところは評価すべき部分なのだが、今はやめてほしい。本当に。
痛みと何かが出てきそうな感覚に耐えられなくなった私は、
鞘師さんのソロリハのタイミングを見計らい洗面所に走った。
12 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:12:57.03 0
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…しかし出ない。何も出ない。
顔を真っ赤にして息んではいるのだが、一向に出そうな気配がない。
10分ほど経過して、痛みも治まり始めたので私は洗面所を出た。
「あゆみちゃん、大丈夫?」
不意に声をかけられたので少しだけびっくりした。
私の体調を心配してくれた生田さんが、洗面所の前で待っていてくれたのだ。
13 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:13:28.85 0
トリップすげえwwwwwwww
14 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:13:47.95 0
「だいぶ良くなりました!心配かけてごめんなさい」
長年連れ添った夫婦とはこういう感じなのだろうか。
先輩ではあるが年齢は一緒なので、生田さんとはとても仲が良い。
今ではお互い困ったことがあったら、何も言わなくても察してあげられるような関係だ。
だから、生田さんが心配してくれたことがとても嬉しかった。
15 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:14:01.31 0
石田は糞ブス性悪
16 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:14:50.82 0
「じゃあえりが治してあげる。ちちんぷいぷい魔法にかーかれ!あ、治っちゃった!!」
いつもなら一言ツッコミをかます場面だけど、この時の私は微笑んでいたと思う。
腹痛も大分治まった気がした。やっぱり魔法はすごい。
17 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:15:22.52 0
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リハは終わったが、その日は昼公演前に握手会があった。
200から300ほどの人数が日も登らない時間から私たちのために
待ってくれていると考えるだけで、胸に込み上げるものがあった。
ただでさえ地元公演だから、私のファンの人は多いであろう。
がんばらなくちゃ……気を引き締めて、私はホールの扉を開けた。
18 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:16:10.86 0
握手会は好調だった。
青色のTシャツを着てニコニコしてる人、蚊が飛ぶような声でぼそぼそと喋る人、
まったく喋らない人、「金返せ」とわけのわからないことを言う人、
大人、学生、子供、色んな人がいる握手会は、私は苦ではなかった。むしろ楽しんでいたと思う。
その日のメンバーは尾形ちゃん、まりあちゃん、はるなん、鞘師さん、譜久村さん、そして私の6人だった。
19 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:17:03.22 0
12期の2人は慣れてないながらも一生懸命やっており、あどけない一面がファンの心をぐっと掴んでいるようだった。
はるなんはいつものように、どんなファンの人にも笑顔で手を振って、私へパスをしていた。
左隣の鞘師さんは「ありがとう」と「本当ですか」を一定のリズムで繰り返している。まるで鹿威しのようだ。
20 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:17:30.70 0
年齢同じじゃないだろ
21 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:19:25.66 0
譜久村さんは伝家宝刀のフクムラロックを駆使してトリを務めていた。
色っぽい笑顔、というのだろうか。テレビで見るのと変わらない等身大で、
決して嫌な顔をしないで握手をこなしていく譜久村さんはすごいなぁと思わされた。
そんな風に関心をしていると譜久村さんがこっちを見た。少しだけ、目があった。
体調の悪い私を心配してくれているのだろうか──
そう考えながら握手をしていた、その時だった。
22 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:20:28.39 0
─────私はいつも石田を見ているなの
甘く、そして妖艶なその女性の声が私の全身を包んだ時、自分が上の空であったことに気が付いた。
──いけない。すぐに顔を上げる。しかしそこにいたのは2週目の男性ファンの方だった。
向こうもクエスチョンマークを頭に掲げながら「小田ちゃんとの関係はどうですか?」とファンらしい質問をぶつけてくる。
絶好調ですよ、と言うとそのままその人は流れていった。すかさず次の人の番になる。
一体あの声はなんだったんだろう?すぐにそんな疑問は消え、気が付けば忙しそうに握手にをしている自分がいた。
23 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:21:01.61 0
握手会が終わりつかの間の休息。私は先ほどまで一緒に握手をしていた鞘師さんに聞いてみることにした。
「鞘師さーん、中盤ぐらいですごい声キレイな人いませんでした?」
「そんな、何人も握手してたらわからないよ」
想像していた通りの答えが返ってきた。至極当然だな。私だって顔は覚えていても声を覚えるのは無理だ。
はるなんに聞いても同じ答えしか出なさそうなので、私は忘れることにした。
ただ、すごく懐かしい声だったことと、鞘師さんが少し寂しそうな顔をしていたこと、
それだけが気がかりだった。
24 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:21:41.72 0
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「まりあちゃんも好きだねぇ、ウヒヒwwwww」
「えー!佐藤さんも好きじゃないですかぁ」
楽屋に戻ると珍しい光景が目に入った。まーちゃんとまりあちゃんがお菓子を食べながら談話していたのだ。
私もはるなんも自分から12期に絡んでいくことはないので、流石まーちゃんだなと思った。
「あゆみん、チョコ食べる?」
25 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:22:19.37 0
まーちゃんが駆けてきて私にチョコを差し出した。
お腹のこともあるし、何より茶色を想像するものは見たくもないし、腹に入れるなどもっての外だった。
「もうすぐ本番だしいいよー。2人とも良く食べれるね」
「いいから食ぁべてぇ!!」
そういう気分ではないのにぐいぐいとまーちゃんが迫ってくる。
ふとまりあちゃんの方を見ると、いいから食べろと言わんばかりの眼差しを向けられた気がした。
26 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:22:44.76 0
「いや、ホントにいいから!」
「い"い"か"ら"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!」
「ちょ、ちょっとまーちゃん…やめて!!」
あまりにも鬼気迫るまーちゃんに、何故か私は恐怖し仰け反った。
その時だった──
「ちょっと、何やってるの!!」
27 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:23:11.36 0
ピシッ、という乾いた音が楽屋に響く。
私の声を聞いて駆け付けた鈴木さんが、まーちゃんの持っていたチョコレートを叩き落としたのだ。
「あゆみちゃん大丈夫?」
すぐそばで涙目になっているまーちゃんを睨みながら、鈴木さんが私の方に寄ってきた。
私は呆気にとられていた。
「な、なにも、大丈夫ですよ!いつものまーちゃんですし…」
確かにまーちゃんは怖かったがそれにしては鈴木さん、やり過ぎではないのだろうか?
別にそこまでしなくても良かったのに……。
28 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:23:40.81 0
SSはスレタイにSSとか小説とか入れてね
おじいさんからのお願いです
29 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:23:54.94 0
「まりあちゃん、行ごっ!」
同じく呆気に取られてるまりあちゃんの手を強く引っ張り、まーちゃん達は楽屋を出ていってしまった。
そんな2人を目にも止めず、鈴木さんは私に話しかける。
「あゆみちゃん本当に大丈夫?また今みたいなことがあったらすぐ言ってね?」
「わ…わかりました…」
このほんの数分の出来事のせいか、私はまた腹の調子が悪くなったような気がした。
もうすぐ本番だというのに大丈夫だろうか……一抹の不安がよぎる。
とりあえず、衣装を着替えることにし、楽屋を出た。
30 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:24:37.43 0
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衣装があるステージ裏に着くと、9期の3人が何か話しているのが聞こえた。
「……今日のライブは辞めといたほうがいいんじゃ……」
「……あの調子だといつ───てもおかしくないよ……」
「……えり、やりすぎたんやろか……」
「……えりぽんのせいじゃないよ…でも…あゆみちゃん──」
確かに今、あゆみちゃんという言葉が聞こえた。
向こうの3人はまだこちらに気が付いていない──気になった私はもう少し近づこうとした。
31 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:25:28.00 0
「あゆみんまだ着替えてないの?」
その時、後ろからどぅーの声がした。
振り向くと、すでに最初の衣装を持ちながら着替え始めているどぅーがいた。
「な、なんだどぅーか。びっくりした」
「なんだってなんだよー。ほら、さっさと着替えなよ」
ぶつぶつ言いながら、どぅーがラックから私の衣装を取り、渡してくる。
ありがとう、そう言って振り向くと、3人はもういなかった。
32 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:26:02.50 0
その時、私の頭の中に1つの考えが浮かんできた。
なんだろうこの既視感……何か、私の知らないところで、私の知らない何かが進行しているような…。
もしやこれはと思い、どぅーに探りを入れる。
「ねぇ…もしかしてまたドッキリとかしかけられてない?」
「何言ってんのさー!ドッキリなんてあったらハルが最初に気づくよ」
33 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:26:24.95 0
嘘は付いてないと思う。確かに、ハロコンを除けば実質12期のお披露目コンサートなのだ。
心霊ドッキリとはまた違う興行目的のツアーで、普通ドッキリなど仕掛けるだろうか?
しかし今日だけで色々な出来事があった気がする。気になった私はさらに言及する。
「もしかして私だけドッキリかけられてたりして。なんかわからないけど今日ずっとお腹痛いんだよね」
「え?そうなの??あゆみん大丈夫?」
どぅーの額に汗が溜まる。まだ動いてもいないのに汗かきなやつだ。
これ以上追及しても何もでてこなさそうだったので、他愛の無い話でもしながら服を着替えることにした。
34 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:27:13.75 0
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「がんばってー」
「「「「「「「「「「「「「いきまっしょーい!!」」」」」」」」」」」」」
開場40分前、エンジンがかかりはじめる。
そんなステージ裏での待機時間、それぞれ仲の良いメンバー同士で談話していた時のことだった。
ふとステージカメラを見てみるとピンク色のTシャツが見えた。結構な数だった。
そういえば握手会の時にもいたと思った。年配の人が多かったことが記憶に残っている。
35 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:27:45.51 0
「うふふ……嬉しいことだね」
「まりあもとっても嬉しいです」
はるなんとまりあちゃんも、にやにやしながらモニターを見ていた。
ピンクTのことが気になった私は話しかけてみた。
「なんか今日ピンクのTシャツ多くない?嗣永さんのファンかな?」
「あゆみん何を言って……あぁ、そっかー。そうだったそうだった」
36 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:29:04.49 0
突然、はるなんの顔がぐにゃりと歪む。そしてまた、あの腹痛が襲ってきた。
しゃがみこみながら重くなった瞼を開けて見てみると、まりあちゃんの顔も湾曲している。
─────もうすぐ──もうすぐなの
遠くからまた、あの懐かしい声がした。
それは私を引きずりこもうとする、闇からの"何か"であった。
怖い──そんな感情の渦の中、そのまま取り込まれてしまいそうな自分がいた。
37 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:30:04.02 0
「あ、ごめんなさい!」
どんっ、という衝撃で目が覚めた。顔をあげると2人はもういなかった。
はっとして後ろを振り返ると12期の3人がいた。
「ダメだよーはーちん、前見て歩かなきゃ」
「せやな。石田さん大丈夫ですか?」
38 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:30:36.50 0
野中ちゃんと尾形ちゃんが心配そうに私を見つめている。
「いや…いや、大丈夫だよ」
うたかたの夢──今のは一体なんだったのだろうか……。
私はこれ以上心配されても困るので、つらっとした顔で立ち上がる。
すると、あかねちゃんが私の腹部を見てつぶやいた。
「……キレイなおへそですね」
一体何を言っているんだろうこの子は。
私のヘソは昔からぷくっと膨らんでいる。俗に言う出ベソというやつだ。
39 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:31:01.91 0
>>20 これが日本語のややこしいところで
学年は違うけど1997年生まれで歳は同じなのよね
40 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:31:27.12 0
「あかねちゃん何いってるのさー」
笑いながらへそを見てみると、私は冷めてしまった。
そこにあったのは、のっぺりとした引っ込んでいるヘソがあったのだ。
おかしい……出ていないのだ……ヘソが。背筋がぞくぞくする。
「……ごめんなさい、今のことは忘れてください」
あかねちゃんは気まずそうにその場をそそくさと去っていってしまった。
残った2人も私に一礼をすると、小走りであかねちゃんの下に行ってしまった。
41 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:32:12.19 0
ぽつんと1人佇む私。時計を見ると、開演まで既に20分を切っていた。
最終確認をしなければ……私はその場を去った。
色々と疑問は残るが集中しなければ……地元公演だぞ!
そう自分に言い聞かせ、精神を集中しはじめる。
前から集合の声がかかり、私も走った。
そしてコンサートが始まった──忘れられない、あの運命のコンサートが───
42 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:33:38.33 0
------------------------------------------------------------
お待たせいたしました。それでは開演いたします───
その声が消えるのと同時に照明が落ちた。
続けてテクノ音が走る。 博する喝采、浮かぶシルエット。
激しくなるサウンドはやがてある曲へと変貌を遂げる。
──Passwaord is 0
ファーストナンバーにはふさわしい1曲。
軽いジャブではなく最初から全力のワンツー。これで会場に火を付ける。
オイオイの声と共に照明が私たちを照らす。ここからだ……。
そう思いながら、しゃがんだ瞬間だった。
43 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:34:39.61 0
ぐるるるるるるるるるるるるるぷすっ
激しい痛みと共に轟音を伴う"何が"が出てきた気がした。
向かい合っている鞘師さんが一瞬だけにやりと笑った。
ヤバい……これは……。
すぐさま立ち上がりダンスに身を入れる。しかし、頭をよぎるのは最悪の事態。
あぁ神よ…何故1曲目で、しかもこんなハードな曲で私に試練を与えるのですか。
そんなことを思いつつ、曲は最初のパートに入る。
44 :
从*■ 。.■从@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:36:06.73 ID:BgKbTgEs0
やばいおもろい
45 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:36:21.58 0
──でろ でろ でろ ぜんぶでろ でろ でろ でろ もれなくでろ
呪詛の言葉が耳を犯す。
鞘師さんはきっと普通に歌っているつもりなんだ。きっとこれは私の聞き間違いに違いない。
そんな呪いを掻き消すべく、全力で叫ぶ。
「ぜろ!ぜろ!ぜろ!ぱずわぁいずぜろ!!」
しかし、これがよくなかった。
46 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:36:51.03 0
まーちゃんの声をまるごと潰す雄叫びが、イヤモニと下腹部に響く。
そしてジャンプからの着地。考えてもいなかったダブルパンチ。自爆である。
ぎゅるるるるるるるぎゅるる
三千世界の鴉を殺すかの如く腸内に電流が走る。
まだ開始から1分経っっていない、そんな時間に電光石火の二択。いけるか。もれるか。
47 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:37:35.87 0
──生まれてくるのになんの理由もない
そんな切迫の最中、酷い歌詞が聴こえる。
鞘師さんはきっと、私に嫌がらせをしているのだろう。
今、私から生まれようとしているものには理由がある。
私の憂事と、何者かの悪意だ。
48 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:38:10.67 0
──君には何にも隠し事なんてない
譜久村さんまで私を欺こうとしているのか。
私は疑惑の迷宮に迷い込ませられる。
きっと…きっと私がステージ上で大参事を起こして、それをみんなで笑いものにしようとしているのだ。
49 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:38:51.08 0
──うぐいすが鳴いている 夢目指し輝けと
鳴っているのはうぐいすよりもおぞましいものだ。
そして、それは夢という希望じみたものではなく、私の、体の出口を目指しているのだ。
──心の全てを見抜いてるように
小田のパワーボイスが胴体を貫く。
小田…きっと小田が主犯なのだ。
マシュマロに下剤かなにかを仕込んだのはこいつだ。
私はお前の全てを見抜いているぞ──。
そんな考えはすぐに消えた。2度目のジャンプがやってきたのだ。
50 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:43:04.97 0
「ぜろ ぜろ ぜろ ぱすわーいずぜろ…」
今度は声もジャンプも控えめにした。
それを待ってましたと言わんばかりにまーちゃんの声が被さる。
──でろ でろ でろ のこらずでろ
今度ばかりは絶対にそう聞こえた。
ふとジャンプですれ違ったまーちゃんを見ると、邪悪な笑みを浮かべていた。
何故スタッフは気づかない?観客のみんなは?
しかし、どこに視線を送っても、何も間違っていない熱気が漂っている。
51 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:43:42.51 0
──チャンスが来たのに 断る理由も
なぁい!!
疑惑を向けている隙に、はるなんのエコーが会場に響き渡る。
チャンス……?今の私の状態を、私をピエロにするチャンスだと言っているのか?
いつもより声に気合いが入っているのはそういうことなのか……?
そんな私の思いを引き裂くかのように、ついにその瞬間がやってきた。
52 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:44:19.25 0
ハケろよw
53 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:44:57.04 0
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こ の 世 は 和 津 後 皿 鴨 座 ラ ン ド
どくん──心臓が脈打つ
どくん──大腸が連動る
どくん──そして、私の穴からそれは顔を出した
54 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:45:55.54 0
「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
音と光が消えた。
観客がざわめく声が聞こえた。
刹那の中、譜久村さんの声が聞こえた。
「あゆみちゃん、ど、どうしたのいきなり大声出して」
55 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:47:31.95 0
「なんでもな────」
シャバダバァドゥッドゥッドゥシャバダドゥッドゥッドゥドゥドゥッドゥドゥゥ!!!!!!シャバダバァドゥッドゥッドゥッシャバダドゥッドゥッドゥドゥドゥッドッシャァバダァ!!!!!!!
運が悪いことに、マイクにのせられた奇怪な"それ"の音は、地獄の蓋が開けられたことを現していた。
そして、痛み、恐怖、何もかもが、同時に私を襲った。
56 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:47:36.87 0
57 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:48:07.47 0
シャバッ──ダバッ──
私のおへそから小気味よく"それ"が飛び出していく。
ドゥッ──ドゥッ──ドゥッ──シャバッダァ──
それはこの世の終わりか、少なくとも、私の命が終わるであろうことは予測することが出来た。
ララッ──ピピッ──
数秒経っただろうか。もう何が何だかわからない"それ"は全て出終わった。
58 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:49:16.79 0
私は息も絶え絶えな中、これ以上何かが出ないようお腹を押さえながら、薄ら眼で前を見た。
"それ"は、懐かしいあの人だった。
「───やっと封印が溶けたなの」
その姿を見た瞬間、私は全てを思い出した。思い出してしまったのだ。
「…み……道重さん……!!」
59 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:50:03.35 0
www
60 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:50:04.78 0
「りほりほ、はるなん、まーちゃん、まりあちゃん、ありがとうなの!」
どういうことなのだろう…というより、何故私は忘れていたのだろうか。
私たちのリーダーだった人、道重さゆみさんという伝説を───。
「ファンの皆さんもお待たせしたなのー!」
ピンクTが叫び、飛び始める。その光景はまさにトビウオの大群のようだ。
他のファンの人たちはどよめき始めていた。一体、今何が起きているのかがわからないかのように。
61 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:50:47.87 0
「道重さん、お待ちしておりました。」
はるなんが道重さんに駆け寄る。まーちゃんとまりあちゃんもそれに続く。
「なんてこと……」
譜久村さんがうろたえながら悲嘆の声を上げる。
生田さんと鈴木さんも決して良いことが起きたような表情はしていなかった。
どぅーと12期の3人は滝のような汗を流しているのが見えた。
鞘師さんは……つぶらな瞳でただ見つめていた。
そして、道重さゆみの形をしたそれは話し始めた。
62 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:51:59.51 0
なんてこと・・・
63 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:52:24.79 0
「私は絶対変態神・さゆみランドール……。
可愛い子とキャッキャウフフするため、現世に蘇ったものなの!」
「……は???」
64 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:52:29.80 0
アホカw
65 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:52:30.77 0
ヘソから道重出てきたのか
66 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:53:39.26 0
私は正直、何言ってんだコイツと思った。
いきなり私のお腹から飛び出してきて、コンサートを中断させて、何を言っているのか。
「私は道重さんを復活させるべく、さゆロスに悲しむヲタを洗脳し、
復活させるためのパワーを集める役目。その名も、うさピ教幹部・メシクボオン=ハルナン!」
「まさきこと幼帝マサキングはー、道重さんの封印を弱めるためにあゆみんにストレスを与えてたよ??」
「まりあ、とってもとってもファンです。それだけです。」
「いやいやいや!!何やってんの!?」
67 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:54:14.00 0
思わず腹を押さえながらツッコんでしまった。
だって、いきなり出てきて、変態とか、幹部とか、まさきんぐとか、何言ってるの?
というか、まりあちゃんに至ってはただのファンってお前。
「…これ以上変態の申し子をこの世に残さないために、あゆみちゃんのお腹に封印したのに…!!」
「え?私のお腹??」
68 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:54:51.69 0
「そう。あゆみちゃんの出ベソの修正がてら、GMMLが終わった後に封印したんだよ。
OGになって、いろんなイベントに招待されたりして、娘。外部から変態を作るのを阻止するために…。」
「いや、出ベソのこと言わないでくださいよ!って、え?腹痛の原因ってそれ??」
「まだ半年しか経ってないのにもう封印が解けるとは……。
あなたの存在はみずキングダム女王である私が拒絶します!!」
「いやちょっと、みずキングダムってなんですか!?」
譜久村さんはキッ!と道重さんに憎しみの眼差しを向ける。
私の質問には全然答えてくれそうもなさそうだ。
69 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:55:50.88 0
「道重さん!今度こそ永遠にあゆみちゃんのお腹の中に封印したるけん!
この魔法使い・エリー=イクターの名にかけて!!」
「え?生田さん魔法ってなんですか??
というかまた私のお腹にいれるんですか!?しかも道重さんを!?!?」
「あゆみちゃんのお腹が最適なんだよ。ついでにまた会場の人たちと
一緒に記憶も消したげるからね!!」
いや、そういう問題じゃないでしょ…。
というか、覚えてなかったのは生田さんに記憶を消されてたからなのか。
私の知らないところでこの人たちは何をやっているんだよ、ホント。
70 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:56:46.41 0
「先手必勝!!食らえ!!」
突如、鈴木さんが虚空に張り手をかます!。
いくつもの衝撃波が道重さんに襲い掛かった。何コレ?
「ちゃんまーバリア!!」
衝撃波がまーちゃんと道重さんの前でかき消された。
まりあちゃんだけステージの袖までふっとばされていた。
「…宇宙相撲界の雷電爲右エ門と呼ばれた私の一撃をやり過ごすとは、やるねまーちゃん!」
「鈴木さん!?宇宙相撲ってなんですか!!?」
「ふふっ、今度チケットあげるよ。とりあえず離れて!くらえぇぇぇっ!!」
71 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:57:16.25 0
「えりも手伝うけん!氷結魔法・客席凍結<スベリーズ>」
「そんなもの、さゆには効かないなの!
客席のみなさーん!ラララーラーのピピピピー!カワイイ子はー?」
\せーの!さゆみいいいいいいんんん!!!!/
鈴木さんの張り手ラッシュが容赦なく放たれた。
生田さんもなんか魔法を唱えてる。
ファンの人たちもなんか叫んでる。なにか効果あるんだろうか。
というか今スベリーズって言った。絶対言った。え、私も何かしないといけない流れなの??
9期と10期は私以外アホなんだろうか。
72 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:57:46.40 0
「ウチも負けてられへん!!
臨・兵・闘・者・皆・陳・列・在・前!異出よ式神!!」
「え?尾形ちゃん!?」
後ろにいた尾形ちゃんが突如、一旦木綿的な何かを召喚した。召喚したであってるよね?
「ウチは安倍晴明の子供の子供の子供の友達の子供の子供の子供の子供の子供の子供の子供!
尾形家7代目当主…陰陽師・尾形春水(おがたのはるみず)や!!」
まさか12期の中にもアホがいるとは……。
73 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:58:44.94 0
ちょっとまって、この流れだと残りの2人も絶対こんな感じだ。
まともなのきっと私だけだ。
そう思って残った2人の方を振り返ると、羽賀ちゃんが習字に使う半紙に何か書いている。
「羽賀ちゃん…何書いてるの?」
74 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:59:18.06 0
「文字には不思議な力があります。
『火』という文字は、二つ合わさると『炎』になり、三つになると『火炎』となります。
これを静めるには、"水"を意味するサンズイを加えれば、『淡』。更に『水』を加えると『淡水』。
火を食い止める方法はたった一つ。水をかけて、かけて、かけまくればいいのです!」
これTRICKだ。TRICKで見たやつだ。
書道ネタをこういう風に持ってくるとは予想外だったよ。ハハハ、っておい。
そして、その横で野中ちゃんがスマホを持ち、誰かと通話している。
75 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 20:59:29.34 0
ワチャワチャしてきたw
76 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 20:59:56.35 0
「オバマ久しぶりー。ハローハロー。ちょっとお願いあるんだけどさ、
ボタンポチってよ。うんうん、そう。核。ちょっと緊急事態なんだよね。
うん、1発でいいから。あとSWATにも連絡しておいて(英語)」
何を言ってるかわからないけど、「オバマ」って単語が出た時点できっとドエラいことしてる。
ドエラい外交してるよこの子。何者だよ。
77 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 21:00:15.34 0
野中ちゃんお母さんからの電話に出たあああああああああ
78 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:00:18.08 0
あれ、そういえば忘れてる奴がいる……。
ふと横を見てみると小田ちゃんがいた。
「……小田ちゃんもなんかするの?」
「いえ、私は見てるだけですよ」
良かった。小田ちゃんだけはまともだった。
これからの時代はだーさくだよ、だーさく。
79 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:01:20.28 0
「私は記録者。全てを保存し、アカシックレコードを刻む者……。」
「おっ、小田ァ……」
ダメだ、だーさく終了のお知らせだ。
なんだよ記録者って。保存しとくのはスマホの自撮りだけにしといてよ。
これで全員かな?あと誰残ってたっけ…あ!どぅー?
80 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:01:55.94 0
「え、えぇっと…えぇっと…ハルは……」
「ハ、ハルの演奏を聴けぇ!
幻想曲・魂の譜流血餌<ソウル・フーズ・フルーチェ>!!」
どこからともなくトランペットを取り出してがむしゃらに吹き始めた。
え?トランペットってなに?そんな特技あったっけ……。
……あった。オフィシャルサイトのプロフに書いてあった。
ってか見たことないよどぅーがトランペット吹いてるの!!
もうネタないならないで私と一緒に黙って見てようよ!!
81 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:02:50.78 0
そんな中、次第に戦闘?的な何かは激しくなる。
そして私と同じように、1人佇んでる人がいた──鞘師さんだ。
「くっ…やるなの!鞘師!鞘師も手伝うなの!!
あなたはこっち側だと思うなの!!」
「道重さん…私は…私は……」
鞘師さん!鞘師さんはそっち側に行かないで!
ってそっち側とかよくわからないけど、私と一緒のノーマルであって!!
「…私、道重さんのこと好きでした。
好きだからこそ、もうこれ以上変態を増やしてほしくないんです……。」
いいぞ鞘師さん!変態のくだりは置いといてまともでいい流れだよ!
82 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:03:32.13 0
「だから道重さん、あなたがこういう風に暴走した時のために、私がいたんです!
一重封層解除!S A Y A - S Y S T E M !!
和津後皿 鴨座ランドに帰れえぇぇぇぇ!!!!」
ダメだ…眼からビームとか出し始めた。
あと、どうでもいいけどちゃっかり二重になってる。
もうアイプチでもすればいいじゃないですか……。
83 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:04:24.52 0
「うぅ…まーはもう持ちそうにないよー!」
「頑張ってください道重さん!!戦ってる道重さん、すごいカワイイですよ!!」
「はるなんのスキル<褒める>のおかげで頑張れそうなの!」
なんか最後に取ってつけたような能力出てきたよ。
なんだよ褒めるって。スキルでもなんでもないじゃん!!
84 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:04:59.71 0
「みんな!もうひと押しだよ!!」
「みずき、そろそろ使っていいと!!」
「わかった!みんな集まって!!」
譜久村さんがそう叫ぶと、道重さん側以外の全員が集合した。
私も行ったほうが…いやいいや。行かなくていいや。
85 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:05:39.44 0
「道重さん……これが私たち'15があなたに送る、最後の必殺技です!!
いっけええええええええええええええ!!!!!!!」
「「「「「「「HAPPY大作戦!!!!!」」」」」」」
86 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:06:24.36 0
------------------------------------------------------------
「…そんなこともあったねぇ。もう1年かー。」
物思いにふけていた私は、匂いと声で現実に帰ってきた。
「え?何の話ですか??」
「ん?なんでもないよ」
生田がトング片手にせっせと肉をひっくり返している。
87 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:07:00.80 0
「ほら、あゆみちゃんはまさきちゃんの相手しといてよ」
「あゆみんキャベツとってー!!」
はいはい、と言いながら席を移動し、
キャベツに肉を包んで佐藤に渡してあげる。
'16になった私たちはみんなで焼肉を食べに来ていた。
88 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 21:07:20.01 0
あ?
89 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:07:39.16 0
「あれからおへそのほうはどう?」
「今回はばっちし封印したからね。もうあの人が出てくることはなかとよ」
ぽんぽんコンビが何か話している。少し聞き耳を立てながら、私も肉を口に運ぶ。
「ただ…あの人の力は強いけん。表には出てこないかわりに
あゆみちゃんの意識を内側から乗っ取ってる可能性もあるけんね。
そうなったらえりにはもう何も出来ないよ…。」
90 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:08:17.45 0
「大丈夫だよ。ここ1年で特に変わったことなかったでしょ?
前はまさきちゃんやはるなんが裏で糸を引いてたけど、
あの2人の記憶もきっちり消えてるし……。」
「大丈夫だって!ほら、食べよ食べよ!」
本場所が近いといわんばかりにたらふく食べ続ける鈴木。
そうだねと呟き、ぽんぽんも箸を持つ。
91 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:08:52.52 0
「石田さん、最近キレイになりましたね。」
「え?そうかな?」
天気組のテーブルに移動すると、小田が褒めてきた。なんだか変な気持ちになる。
こっちのテーブルは10期だけで固まらずに12期も交えて座っているのを見て、成長したなと思った。
「工藤さんも、あれからトランペット吹いてないですよね」
「やめてよもう!あれは…あれだよ!もう、も、ほじくりかえすなよー!」
92 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:10:03.37 0
顔を真っ赤にしながら工藤が小田をこづく。
そんな2人の会話を聞きながら、飯窪と佐藤は頭にクエスチョンマークを浮かべる。
「え?どぅートランペットなんて吹くの?」
「いや、去年の春ツアーでさ……あっ」
「どぅー何言ってんのさ!そんなことなかったじゃん、もー適当だなぁ」
93 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:10:55.74 0
どうやら2人の記憶は消えているようだ。
それにまりあも便乗していく。
「前も言ったんですけど……まりあ、春コンの記憶がないんです」
「それはあれやん、まりあちゃんめっちゃ熱くなってたんやて。
アドレナリンぶわーって!」
尾形がいつもの関西弁でわちゃわちゃとノっている。
まりあだけは頭を打って倒れていたので生田は記憶を消さなくても大丈夫だろうと判断したのだった。
そんな談話を楽しみつつ、宴もいい時間になろうとしていた。
94 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:12:13.86 0
「そろそろ解散しよっか。タクシー呼ぶよ」
譜久村の号令と共に私は素早くLINEを打つ。
──今日来れる?
───もちろんです。
95 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:12:36.76 0
小さくガッツポーズをする。
「じゃあ野中ちゃんと朱音ちゃんはえりと一緒に帰るけん。2人はどうする?」
「ウチは鞘師さんと一緒にさせていただきますわ。」
「あ、まりあちゃん私と一緒に帰ろうよ。大丈夫?」
まりあはコクン、と頷いた。
96 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:13:45.27 0
------------------------------------------------------------
あるホテルの一室。
シャワーを終えた私はベッドの上に座る。
「まりあ、シャワー浴びてきていいよ」
「……」
まりあは黙っている。
「?? どうしたの?」
97 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:14:24.46 0
「まりあ……たまには一緒に入りたかったです」
「えぇ!?もっと早く言ってよー」
もう1年も経つというのに、奥手な奴だ。
「…気づいてあげれなくてごめんね。さぁ、キレイにしたらいいことしましょ──」
98 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:15:08.38 0
額にキスをする。
まりあは照れたのか、洗面所へ走っていった。
私は寝ころびながら灰皿を枕元に寄せる。
シュッというライターの音と共に、白煙が舞う。
生田をサブリーダーにしたのは成功だったな──。
ぽんぽんコンビはどこか抜けているところがあるのは知っていたが、
こういう方向へ作用するのは良い誤算であった。
99 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:15:40.86 0
「はぁ…まりあを囲うのは楽しいけど、そろそろ新規開拓もしなくちゃなぁ……。
そうだ、次はうたちゃんなんかいいなの……でもこの顔で釣れるかなぁ?」
ヘソは、少し出ていた。
100 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:19:14.11 0
おわりです
トリップはやっと手に入ったのでテストがてらつけました
ウザかったら次から外します
1,小田ちゃんのホラー物
2.りほりほがぼっちでオンラインゲームをする話
3..フクちゃんとはがねちんのエグいやつ
次どれか書きたいのですがウルファーに需要ありそうなのってどれでしょ
101 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 21:19:55.70 0
最後名字呼びになってたからもしやと思ったらやっぱりな
しかしこの顔でって酷いよさゆw
102 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 21:20:25.18 0
全部
103 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 21:20:54.92 0
乙!!!!!!
めちゃめちゃおもしろかったぞ!!!!!!!
104 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 21:22:33.04 0
面白かったねw
105 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 21:25:10.16 0
下人の行方は誰も知らない
106 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 21:27:30.79 0
107 :
◆ODASAKU/SHmo @転載は禁止:2015/03/02(月) 21:32:35.33 0
>>106 あらすじ:
性的欲求を満たすための羽賀朱音にそっくりなアンドロイドを購入した「わたし」は、
届いたアンドロイドに様々な要求を押し付ける。
だが、それは徐々にエスカレートしていき…。
エロいけどエグいと思う
108 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 21:43:39.66 0
109 :
从*■ 。.■从@転載は禁止:2015/03/02(月) 22:05:54.71 ID:BgKbTgEs0
ワロタ
おもしろかった
110 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 22:12:49.98 0
最後まで読んでよかった
111 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 23:20:08.03 0
おへそちゅぱちゅぱ
112 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 23:30:30.91 0
この作者さんの話はどれも好きだわ
単純に構成がうまいというのもあるけど
娘。ヲタで娘。好きじゃないと書けない内容なのがわかるから
これからもどんどん書いてくれ
113 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 23:33:58.30 0
114 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/02(月) 23:58:51.26 0
生田がハラ痛いらしいw
115 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/03(火) 01:21:12.22 0
从*・ 。.・)<生田のへそはいやなの・・・
116 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/03(火) 01:25:14.70 0
117 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/03(火) 08:45:21.82 0
こんな良スレあったとは!
小田ちゃんホラー読んでみたいな
118 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/03(火) 10:06:55.25 0
>>112 他の作品とやらを教えてもらおうじゃないか
119 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/03(火) 13:57:20.26 0
120 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/03(火) 14:02:35.31 O
面白かったッス
2は鞘師以外出て来ないのかな?
121 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/03(火) 18:25:07.92 0
3
122 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/03(火) 21:51:30.53 O
一気に更新すると読む側は有りがたいけど
レスが付きづらくてあまり人に知られないまま落ちそうで残念だな
123 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/04(水) 01:57:14.27 0
2がいいな
124 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/04(水) 02:00:24.32 0
鳩でやれ
125 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/04(水) 04:01:37.06 0
3希望
126 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/04(水) 04:03:21.57 0
ってか、はーちぇるの「えぇで!えぇで!」の作者さんかw
俺もこの作者さんファンだわw
127 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/04(水) 08:27:36.06 0
ゆかじょうずとひとりほりほの方か!
2面白そうだけど3も気になるw
128 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/04(水) 10:10:05.53 O
お前ら詳しいなw
129 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/04(水) 12:34:23.71 0
作者さんが書いてない間誰かが穴埋め作品を投下すればいいのよという無責任発言
130 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/04(水) 17:09:55.86 O
あげぽよ
131 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/04(水) 21:34:46.40 O
腹ポニョ
132 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/04(水) 21:45:36.60 0
面白かった
乙です
133 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/05(木) 05:47:37.75 0
うm
134 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/05(木) 09:18:58.37 0
はう
つまらん
136 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/05(木) 22:27:39.47 0
137 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/06(金) 01:31:45.45 0
はう
138 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/06(金) 13:49:33.39 0
はう
139 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/06(金) 14:08:12.27 0
はるちゃんカレーが食べたい ってお題で書いてほしい
140 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/06(金) 15:39:39.48 0
「ウチは安倍晴明の子供の子供の子供の友達の子供の子供の子供の子供の子供の子供の子供!」
ここで爆笑したわww友達の子供に変わってからは関係ないじゃんww
141 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/03/06(金) 19:43:49.78 O
小田ホラーが読みたい
面白そう
142 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:
はう