例えば娘。メンでかまいたちの夜みたいに雪山のペンションに行くとするじゃん 4夜目 [転載禁止]©2ch.net

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1名無し募集中。。。@転載は禁止
過去スレ
例えば娘。メンでかまいたちの夜みたいに雪山のペンションに行くとするじゃん
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1402040049/

例えば娘。メンでかまいたちの夜みたいに雪山のペンションに行くとするじゃん 2夜目
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1402811413/

例えば娘。メンでかまいたちの夜みたいに雪山のペンションに行くとするじゃん 3夜目
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1404027356/

例えば娘。メンでかまいたちの夜みたいに雪山のペンションに行くとするじゃん 3.1夜目
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1405953785/

推理スレ
例えば娘。メンでかまいたちの夜みたいに@推理スレ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1402484756/


※注意

殺人ミステリーを主としたサウンドノベル風の小説スレです
メンバーが殺人犯になったり被害者になったりします
悲惨な描写は控えるようにしてますが
気分を害される恐れのある方は読まないことをお勧めします
2娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 19:40:11.41 0
桜満開の峠道を1台の小型バスが走っている
すれ違う車は1台も無い
人里から遠く遠く離れたこの地は赤目山と呼ばれている
ここはもう譜久村家の私有地だった

赤目山の峠道を登り山を越えて下った所に譜久村家の別荘がある

この地を訪れたのは今回が初めてではない
去年の冬、卒業した道重と9期から11期までの10人で一度訪れていた

あの時は小田に異変が起き地下室から白骨死体が見つかるという出来事があった
遺体は「桜」という少女のもので
同じ名前で当時の年齢も近かった小田に自分を見つけて欲しいと願った(※娘。たちの夜小田編参照)

あれから1年と少し経ち
冬が明け春になるのを待って再びこの地を訪れた

目的は桜のお墓参りだった
桜の墓は別荘の庭の一角に建てられていて
薄暗く寒い地下室から暖かな陽が射す場所に桜の墓石は建てられた

小田が見た桜の記憶は皆聞かされていた
小田以外のメンバー達は白骨化した桜しか知らないが
小田は生きているときの桜の顔や声を桜の記憶を通して知っている
その為か今回桜の墓参りが決まったときの小田の喜び様は人一倍だった

残念ながら今回道重は参加できなかった
何度も来て欲しいと懇願したがどうしても予定が合わず
しかし今回は新たに12期の4人が参加した
3娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 19:41:08.43 0
12期の4人も桜の話は小田に聞かされて知っていた
去年あの場に居なかったので他人の思い出話しなのだが
初めてのメンバーでの旅行という事で気持ちは高ぶっていた

そしてもう一人「前藤真希」という今年入ったばかりのマネージャーが付き添いとして参加している
歳は29歳で最近結婚したらしい
まだ入ったばかりのせいかメンバー達にきつい事を言ったりすることは無く
フレンドリーに接しているようだった

そしてこのバスを運転しているのは今回も譜久村の父だった
別荘の近く・・・と言っても車で数時間かかるが親戚が経営するホテルがあり
メンバー達を別荘に送り届けたあとはそのホテルに宿泊し
翌日迎えに来ることになっている

石田「見てっ!凄い桜!」

小田「ホントだ!綺麗!」

桜の花びらのシャワーが降り注ぐ中バスは進んだ
4娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 19:41:42.49 0
・・・・・


別荘に到着するとバスを降りるなり建物に目が移った

工藤「あれ?なんか去年と変わってません?」

譜久村「そうなの、桜ちゃんのお墓を建てるときに別荘もリフォームしたの」

鞘師「すごく綺麗になってるね」

譜久村「中も大改造して間取りも変わって、まるで新築みたいになったんだよ」

譜久村父「またみんなが来ることになったとき喜んでもらえると思ってね
     聖もリーダーになったことだしそのお祝いも込めてね」

初めてここを訪れた12期の4人も浮かれ気分で飛び跳ねて喜んでいる

小田「あっ!桜ちゃんのお墓!」

建物を正面に見た右側の庭の一角に桜の墓はあった
墓の後ろには綺麗な桜の木があり桜の墓に花びらを降らせていた

佐藤「あそこならもう寂しい思いしなくて済むね」

鈴木「ずっと暗くて寒い土の中だったもんね
   桜ちゃん喜んでくれてるといいな」


今野「お待ちしておりましたお嬢様」

別荘の玄関扉が開き中から一人の女性が現れた
5娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 19:44:35.50 0
譜久村「あ、今野さん」

今野は譜久村家の使用人で今回メンバー達がこの別荘を訪れる事になり
前日から泊りがけで清掃や食料を買い揃えてくれていた
敷地の片隅に赤い軽自動車が止めてあり
今野はこの車で前日に別荘に来ていた

譜久村父「ご苦労さん、突然で申し訳なかったね」

今野「いえ、私もこんな素晴らしい所でお仕事できて嬉しかったです」

佐藤「ねぇ!早く中に入ろうよ!」

石田「うん!早く中も見てみたい!」

今野「既に清掃も終わってますのでどうぞお入りください」

メンバー達はなだれ込むように玄関に群がり
我先にと中に入ると全員から驚きの声が上がった
以前の面影はまるで無く本当に新築のように改装されていた


別荘の中をすべて見終わったあとに部屋割りを決めた

2階も間取りが変わり寝室の数が増えていて
12期が入りメンバーが増えていてもまったく問題なかった
http://i.imgur.com/33HTm5I.jpg  (間取り画像)
6娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 19:45:19.27 0
譜久村・生田のポンポンコンビ
佐藤・工藤のまーどぅコンビ
一向に仲良しを認めない石田・小田のだーさくコンビ
鈴木・飯窪の組み合わせは珍しいかもしれない
鞘師は安定のひとりほりほ
収納庫の関係で多少狭くなっている2つの部屋には12期が入った
廊下の中央には吹き抜けがあり下を覗くとリビングが見える

1階は以前大きなリビングが1つだったが3つに分けられている
主に皆が集まるのは中央のリビングだ
北側の壁に大きなテレビがあり
中央には長方形の高価なテーブルがある
両側に3人掛けのソファが置かれ
長手には3人掛けと2人掛けのソファが並べて置かれ5人が座れる
テーブルをコの字に囲むように合わせて11人が座れるようになっている

応接間には6人掛けのテーブルと椅子がある
西側に大きなテレビもあり
応接間となっているがここでくつろぐ事も出来るようになっている

応接間の隣には和室がある
この建物に和室は似つかわしくないのだが譜久村の父の意向だろうか

リビングの西側に扉がありその先は小さな廊下になっていて
バス・トイレ・洗面・2階へ登る階段がある
7娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 19:46:04.76 0
キッチンには最新のシステムキッチンが配備されていた
北側に勝手口
そして地下へ降りる階段もある
以前は地下へ行くには食器棚を動かさなければ行けないようになっていたが
今回のリフォームで地下には自由に行けるようになっていて
地下は大きな物置となっていた
しかし地下への階段の扉は一見普通の壁になっていて
壁を持ち上げると上がる隠しシャッターのようになっていた


一通り別荘の探検が終わるとリビングに集まった

譜久村父「じゃあそろそろ父さんは叔父さんのホテルへ行くことにするよ」

譜久村「うん、ありがとうお父さん」

メンバー達も礼を言いながら頭を下げた

譜久村父「今野君はこのまま東京に戻ってくれ」

今野「はい、かしこまりました」

譜久村「今野さんももう一泊されてはいかがですか?」

今野「いえ、折角のお嬢様達のご旅行ですからお邪魔しては申し訳ございません」

譜久村「そんな事気にしなくても大丈夫ですよ」

生田「ウチらは全然気にせんとよ」

譜久村父「今野君、聖達が言うなら構わんよ?」
8娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 19:46:47.93 0
今野「いえいえ、お気持ちだけで充分です
   東京の本宅のお仕事もありますし・・・」

譜久村「そうですか・・・残念」

譜久村父「じゃあ父さんはまた明日迎えに来るから」

譜久村の父はそう言うと別荘を出て小型バスに乗り込み親戚のホテルへ向かった

今野「では私もそろそろ・・・」
   
譜久村「はい、ありがとうございました
    車の運転気をつけて下さいね」

今野「はい、皆様も存分にお楽しみください」

今野は一礼すると荷物を持って別荘を出た


それから前藤を入れた14人で桜の墓参りを行った

小田はあの時の事を思い出していた

メンバー達が殺された女の子達に見えてしまうという恐怖は
今思い出しても恐ろしかった

でもそうまでしても桜は小田に存在を気付いて欲しかった
150年もの長い間、土の中で心を通わせる事が出来る相手をずっと待っていた
あの時小田に気付いてもらうことが出来なければ
次はいつ見つけてもらえるチャンスが訪れるか分からない
だから桜は小田にあれほどの恐怖を与えながらも存在に気付いて欲しかった
9娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 19:47:41.12 0
小田は桜の願いに応えた
いや小田だけじゃない
メンバー達が不可解な現象について必死に調べ
桜を見つけ出すことが出来た

小田はうっすらと涙を浮かべた
生田はそれに気付いてそっと肩を抱いた

小田「桜ちゃん、ずっと来ることが出来なくてごめんね・・・」

佐藤「桜ちゃんは喜んでるよ、見つけてくれただけじゃなくて
   明るくて暖かい場所に寝かせてくれてありがとうって言ってる」

石田「まーちゃん声が聞こえるの?」

佐藤「ううん、聞こえないけどなんか頭の中に言葉が浮かんできた」

飯窪「あゆみんももっと素直になれば桜ちゃんの言葉が聞こえるかもね(笑)」

小田「石田さん素直じゃないから・・・」

石田「小田?」

鈴木「それにしても桜の木の下に桜ちゃんのお墓とか聖のお父さんも粋なことするね」

鞘師「散った桜がお墓にくっ付いてピンクのお墓みたいになってる」

工藤「春には必ず来たいですね」

譜久村「桜ちゃんもきっと待ってるしね」

小田「桜ちゃん 安らかにお眠りください・・・」
10娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 19:48:27.70 0
墓参りのあとはメンバーそれぞれ自由な時間を過ごした

まだ加入したばかりの12期の4人とも
距離を縮めることが出来たいい時間だった
マネージャーの前藤もメンバー達と子供のようにはしゃいでいた

楽しい時間はあっと言う間に過ぎ

時刻は22時になろうとしていた
11名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/04(水) 19:53:32.08 0
祝復活age
12娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 20:01:36.78 0
まるでパーティーでも行われているかのように賑やかだった
一箇所に留まっている事はなくリビングから応接間へ行ったり
応接間から和室に行ったり
1階と2階を行き来したり
誰が今どこに居るのか全く分からない状態

今の時点でリビングには譜久村・鈴木・小田がいる
テレビを見ながら談笑していると西側のドアが開いた
鞘師が髪をタオルで拭きながら現れた

鞘師「お風呂上がったよ、次の人どうぞ」

鈴木「あ、じゃあ私入ろうかな いい?」

譜久村「うんいいよ」

鈴木「じゃあお先に〜」

小田「ごゆっくり〜」

鈴木は着替えを取りに一度2階に向かった


応接間には10期の4人がいた
椅子に座って紅茶を飲みながら談笑している
リビングとは違うテレビの番組が映っているが
ほとんどテレビは見ずに笑い話しで盛り上がっている

ガラガラとリビングとの引き戸が開いた
30センチほど開いたその隙間から鞘師が顔を覗かせた
何やってるの?そう言いたげな顔をして10期の4人を見たあと
何も言わずに戸を閉めた
13娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 20:02:10.31 0
石田「何なんですか鞘師さん!(笑)」

飯窪「何か凄く言いたそうな顔してたけど」

工藤「行くところがなくて彷徨ってるのかな?」

佐藤「またひとりほりほ?」

石田「もう鞘師さん面白い」

工藤「もう完全にネタ化してるからね」

飯窪「旅行に来てまでネタしなくていいのに」

佐藤「鞘師さん寝る部屋も一人」

石田「ネタの為に自分から一人選んでたよね」

工藤「徹底してるね」

飯窪「流石としか言えないね」


和室には牧野と羽賀がいた
新しい畳特有の良い香りがする畳に二人はゴロンと寝転がっていた

ガラガラとリビングとの引き戸が開いた
30センチほど開いたその隙間から鞘師が顔を覗かせた
何やってるの?そう言いたげな顔をして牧野と羽賀を見たあと
ニヤっと笑って戸を閉めた
14娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 20:02:53.96 0
羽賀「え!?鞘師さん怖い・・・」

牧野「笑ってたね・・・」

羽賀「うん・・・笑ってた」

牧野「鞘師さん行くところが無くて困ってるのかなぁ?」

羽賀「え?だってあれはネタでしょ?」

牧野「実はネタじゃなくて本当に一人ぼっちなのかも」

羽賀「一人ぼっちはイヤだよ・・・」

牧野「そうだね、私たちはそうならないように気をつけようね」

羽賀「うん」
15娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 20:03:37.10 0
譜久村「りほちゃん何やってんの?」

鞘師「みんな楽しんでるかな〜って見回り
   一人ぼっちの子はいないかな〜って」

小田「ぼっちキャラは渡さないって事ですね」

鞘師「そうだね」

譜久村「それで、みんな楽しんでた?」

鞘師「私の調査によると衣梨ぽんと尾形ちゃんと野中ちゃんそして前藤さんが2階だね」

小田「へ〜・・・ご苦労様です」

鞘師「いえいえ」


30分後鈴木も風呂から戻り次は工藤が風呂に入ることになった
工藤リビングから出て行くと入れ違うように野中が廊下のドアからリビングに入ってきた

野中は一度リビングを見回した

リビングには譜久村・鞘師・鈴木・小田が居る

野中「あの、春水ちゃん1階に来てませんか?」

譜久村「尾形ちゃん?来てないよね?」

小田「来てないですね、春水ちゃんがどうかしたの?」
16娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 20:04:08.95 0
野中「ずっと戻ってこなくて」

鈴木「え?」

鞘師「どこかに行ったの?」

野中「いえ、あの・・・前藤さんにメールで呼び出されたみたいで
   部屋に向かったきり戻ってこなくて」

譜久村「じゃあ前藤さんの部屋に居るんじゃないの?」

野中「それが誰も居る気配がなくて・・・」

小田「気配?部屋は訪ねてみたの?」

野中「訪ねたっていうかあの・・・ドアに耳を当ててみたんですけど何も声がしなくて」

鞘師「直接前藤さんに聞けばいいじゃない」

野中「いやあの、大事な話しなのかなと思って呼ばれても無い私が行っちゃダメかと思いまして・・・」

譜久村「じゃあはっきり居ないって確認したわけじゃないのね?」

野中「はい・・・」

鈴木「尾形ちゃんが前藤さんの部屋に行ったのっていつ頃?」

野中「えっと・・・多分21時半頃だと思います」

鈴木「もう1時間か・・・」

小田「私、前藤さんの部屋行ってみます」
17娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 20:04:38.99 0
譜久村「うん、お願い」

3分もかからないうちに小田は戻ってきた

小田「誰も居ません・・・」

鈴木「え!?どういうこと!?」

鞘師「尾形ちゃんも前藤さんも居ないの?」

小田「はい・・・」

譜久村「電話してみたら?」

野中「メールはしてみたんですけど返事がなくて」

小田「前藤さんに電話してみますね」

野中「春水ちゃんにかけてみます」

小田「・・・・・・電源入ってないみたいです」

野中「・・・・・・繋がるんですけど出ないです」

譜久村「どこ行ったんだろう」

鞘師「どこかに行ったなら必ずここを通るはずでしょ?
   誰か見てないの?」

小田「私は見てないです、でもリビングに居たのはここ30分くらいで
   その前は私も応接間とか和室とか行ったり来たりしてたんで」
18娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 20:05:20.64 0
譜久村「聖もそんな感じ、でもリビングに居る間は見てないかな」

鈴木「私もお風呂入ったりしてたし」

小田「ちょっと他のみんなにも聞いてみましょうか」

鞘師「そうだね」

小田は応接間や和室にいるメンバーをリビングに集めた

譜久村「どぅーはまだお風呂入ってるんだね」

鈴木「今さっき入ったばかりだよ」

小田「あっ生田さん」

鞘師「あ・・・きっと2階の部屋だね」

野中「私・・・呼んできます」

野中は小走りで階段を駆け上った

生田は野中に呼ばれて部屋を出てくると
リビングの上の吹き抜けから声をかけた

生田「どうしたん?なんかあったと?」

リビングに全員が集まっている異様な光景に生田は驚いた

譜久村「ちょっと聞きたいことがあるから降りてきてくれる?」

生田「分かったぁ」
19娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 20:05:56.55 0
入浴中の工藤以外の全員がリビングに集まった

全部で11人、ソファの数はピッタリだった

野中が生田を呼びに行っている間に簡単に話しはしたが
全員が集まったところでもう一度詳しく説明した

しかし尾形と前藤がどこかへ行く姿を見た人は居なかった

石田「でもおかしくない?
   確かにずっとリビングに居た人はいなくても
   誰かしら必ずリビングに居たよね?」

飯窪「うん、応接間も和室も人は変わっても誰かしら居たし・・・」

鈴木「でも玄関に行くにはリビングを通らなきゃ行けないわけで」

佐藤「2階の他の部屋に居るのかも?」

鞘師「そっか、その可能性もあるね」

譜久村「みんな一度自分の部屋を確認してきてくれる?」


皆が2階に行き各自部屋を確認し、またリビングに集まった
しかしどの部屋にも2人は居なかった
2つの収納庫にも2人の姿は無かった

そこに風呂を出た工藤が戻ってきた

工藤「どうしたんっすか!?みんな集まって」
20娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 20:06:23.78 0
譜久村が工藤に説明した

羽賀「工藤さんここ座ってください」

座る場所が無い工藤に席を譲ると羽賀は応接間から椅子を持ってきて座った

鞘師「ねぇ、地下室は?」

小田「そっか、もう誰でも自由に行けるようになったんですよね」

譜久村「行けることは行けるけど・・・」

石田「地下室ならリビングに来なくても洗面所から抜けて行けますよ」

鈴木「ちょっと待って、何のために地下室に行くの?」

小田「それは分かりませんけど」

飯窪「でも理由は分からなくても一度調べてみたほうがいいと思いますよ」

譜久村「じゃあちょっと見て来ようか」

生田「衣梨も行こうか?」

譜久村「うん、お願い」

工藤「ハルも行きますよ」

3人は立ち上がって地下室の入り口に向かった
21娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:00:21.17 0
譜久村が壁を持ち上げるとシャッターのように壁が上に動いた
入り口のすぐ横に電気のスイッチがありスイッチを入れた

工藤「まえは電気無かったですよね?」

譜久村「うん、リフォームのときに電気も繋げたみたい」

3人は地下への階段を降りた


生田「床、コンクリートになっとるやん」

工藤「まえは土でしたもんね」

地下室は倉庫に変わっていた
倉庫といっても物で溢れ返っているわけではなく
壁際にいくつか使ってない家具とダンボールが積まれている

工藤「桜ちゃんが埋まってたのこの辺でしたよね」

生田「うん、たしかそうやね」


譜久村「やっぱり居ないか」

尾形と前藤の姿は見当たらなかった

生田「んーどこ行ったんやろ」

工藤「戻りましょう、ここ寒いっす」
22娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:01:08.82 0
3人はリビングに戻って地下には誰も居ないことを報告した

飯窪「どこ行ったんでしょうね」

鞘師「みんなが尾形ちゃんを最後に見たのっていつ頃?」

佐藤「多分ですけどリビングで見てます
   そのときマサはリビングで21時から始まったテレビ番組見てて
   見てる途中で尾形ちゃんが来た気がします」

石田「あーその時私もいたかも
   でもその番組あまり面白くなくて途中で見るのやめたよね」

佐藤「そうだっけ?」

石田「うん、21時30分にはなってなかったと思う」

生田「衣梨は21時頃部屋に戻ったんだけどその時2階の廊下で尾形ちゃんとすれ違ったっちゃ」

小田「私は21時から21時30分の間だと思うんですけど和室で見てます
   和室にいたら尾形ちゃんが来て二言三言話してすぐ出て行きました」

鞘師「私はお風呂入ろうとしたときだから21時30分くらいかな
   応接間からお風呂に行こうとしたとき
   リビングと応接間のドアの所ですれ違った気がする」

鈴木「そうそう私も応接間に居たんだけど
   里保ちゃんと入れ違いで尾形ちゃんが入ってきた
   他愛も無い話ししてすぐどこかへ行ったけど」

野中「春水ちゃんが前藤さんの部屋に行ったのは21時30分より前だったと思います」
23娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:01:54.35 0
譜久村「どっちが先なんだろう
    前藤さんに会った後に1階に来たのか
    それとも逆なのか」

鞘師「おおよその時間だからはっきりとは分からないよ」

譜久村「そうだよね」

飯窪「尾形ちゃんと野中ちゃんはずっと一緒にいたの?」

野中「はい、そのときは2階の部屋に居たんですけど
   春水ちゃんに前藤さんからメールが来て
   何故かすぐには行かずに10分以上経ってから前藤さんの部屋に向かいました」

石田「なんですぐに行かなかったんだろう」

野中「何度も行かなくていいの?って聞いたんですけど
   もうちょっと、もうちょっとって言ってなかなか行かなかったんです」

小田「なんでだろう・・・何か訳があるんですかね」

譜久村「21時30分以降に見た人はいない?」

工藤「リビングで見たんだけど・・・ごめんなさい時間は分からないっす」

鞘師「前藤さん見た人は居ないの?」

鈴木「前藤さんはずっと部屋に居たと思う」

飯窪「夕食のときに皆さんで居るときに見たのが最後ですね」
24娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:02:31.53 0
生田「夕食が終わったのが多分20時くらいやろ
   それからずっと部屋におったと思う」

野中はあれから何度も尾形に電話をかけている
しかし呼び出しはするものの電話に出ることは無かった

石田「ねえ野中ちゃん、電話呼び出してはいるんだよね?」

野中「はい」

石田「じゃあどこかで着信音なってるはずなんだよね」

小田「マナーモードにしてなければ・・・」

野中「マナーモードにはしてないと思います
   今までもしてるの見たこと無かったです」

石田「ちょっともう一回電話してみてくれる?」

野中「はい・・・」

石田「何も喋らず静かにしてみません?」

石田が口の前に人差し指を当てた
メンバー達も息を殺すようにして静粛な空間になった
野中が尾形に再度電話をかける

野中「・・・もう呼び出してます」

全員が耳を澄ませるがやはり着信音は聞こえない
25娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:03:14.64 0
工藤「やっぱりもう別荘の中には居ないんじゃないかな」

飯窪「でも出て行った形跡がないんだよ?」

工藤「はっきり言ってあれだけメンバーがごちゃごちゃして
   行ったり来たりしてたら出て行っても分からないんじゃない?」

飯窪「前藤さんはどうなるの?
   尾形ちゃんは何度か見かけられてるけど
   前藤さんは部屋から出てきてないんだよ?」

佐藤「待って、2人一緒って考えるから分からなくなるんだよ
   別なの、2人は別々に居なくなったんだよ」

鞘師「どういうこと?」

佐藤「だから尾形ちゃんはしっかり玄関から出て行ったかもしれないってことです」

工藤「ただ偶然その姿は誰にも見られなかったってことね」

佐藤「そう、だから外に探しに行ったほうがいいと思います」

鈴木「でもそうなると前藤さんは?」

佐藤「知らないです」

鈴木「いやちょっとまって(笑)」

佐藤「だって分からないですもん」

鈴木「そりゃそうなんだけどさ」
26娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:03:42.46 0
その時それまでずっと口を閉ざしていた牧野が立ち上がった

羽賀「どうしたの?」

牧野は何も言わずにリビング東側の窓の前まで歩いて窓を開けた

牧野「外に行ったなら窓を開けたら聞こえるかもしれません」

工藤「え・・・外なら聞こえないでしょ」

野中「もう一回かけてみます」

メンバー達は再度耳を澄ませる

工藤「・・・・・・ほら聞こえないよ」

石田「シー!静かに!」

佐藤はそっと立ち上がって牧野の隣に立ち
牧野と一緒に外の音に集中した

佐藤・牧野「あっ!」

鞘師「え!?」

佐藤「ちょっと聞こえたかも!」

牧野「聞こえましたよね?」

佐藤「ちょっとだけど聞こえた気がする!」

全員が一斉に立ち上がった
27娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:04:37.26 0
生田「外行くっちゃ!」

飯窪「行きましょう!」

全員が外に飛び出す
そしてさらに耳を澄ませる

小田「ホントだ!聞こえます!桜ちゃんのお墓の方です!」

皆が桜の墓の方向へ走る

着信音は徐々に大きくなってくる

街灯も無い山奥
別荘から漏れる明かりだけが頼りだった


牧野「きゃああああああああ!!!!!!!」

初めに墓に着いた牧野が悲鳴を上げた

『きゃあああああああああああああ!!!!!!!!!』

そして次々と悲鳴が上がる

桜の墓の右側で墓に背中で寄り掛かるように前藤が座り
ぐったりと下を向いている
後頭部から血が出ている

そしてその墓の後ろにある桜の木に背中で寄り掛かるように尾形が座っていて
前藤と同じようにぐったりと下を向いていた
額から血が流れていた
28娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:05:27.07 0
石田「なんで!?どういうこと!?」

譜久村「前藤さん!前藤さん!!!」

飯窪「尾形ちゃん!尾形ちゃん!!!」

メンバー達は体を揺すってみたが反応が無い

2人とも死んでいた・・・

顔を背ける者 その場に座り込んでしまう者 立ったまま全く動けない者
メンバーの反応は様々だった

ずっと鳴っていた着信音が止まった
野中がやっと我に帰り電話を切ったようだ

佐藤「ねぇ・・・あそこに何かある・・・」

佐藤は尾形の足元を指差した
そこには1枚の紙が置いてあった

尾形の一番近くに居た牧野がその紙を拾った

牧野「何か・・・書いてあります」

牧野は隣に居た鈴木にその紙を渡した

鈴木「『鼠が牛に乗り 虎を喰う』・・・なにこれ」

近くのメンバーがその紙を覗き込む
29娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:06:24.40 0
鞘師「汚い字・・・なんだろうこれ」

その字は筆跡を分からなくするかのように意識して汚く書いた、そんな字だった

工藤「鼠が牛に乗って虎を食べるってなんすか?」

生田「さぁ・・・」


メンバー達はとりあえず一度別荘に戻ることにした


さっきと同じ位置にメンバーは座った
誰も何も話さない・・・

二人の人間が死んだ
こんな大変なことが起きているのに不思議と実感が無かった

本当は泣きたいほど悲しいのに何故か涙が出てこない

それどころか不思議なほどメンバー達は冷静だった
30名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:14:45.99 0
前藤さんは まえとう で良いの?
31作者@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:21:23.08 0
まえとう ですね
続きは22時から貼りますね
32名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:27:47.39 0
復活すごく嬉しいわ
あと細かいけどズッキのふくちゃんへの呼称は聖ちゃんだな
33名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:28:04.28 0
ありがとう 続きまってまぁす
34名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/04(水) 21:28:35.28 0
はーちんとまっちんが・・・
35娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 22:00:08.03 0
しばらくの沈黙の後 初めに口を開いたのは生田だった

生田「これからどうするん?」

鞘師「とりあえず警察に電話しなきゃ」

石田「待って下さい!」

全員が石田を見た

石田「こんなとき道重さんならどうしますかね・・・」

飯窪「道重さん?」

石田「このまま警察に電話したらモーニング娘。はどうなります?」

鞘師「どうって・・・メンバーの尾形ちゃんとマネージャーの前藤さんが死んだって報道されて」

石田「死んだじゃなくて、殺害された・・・ですよね」

鞘師「そう・・・だね」

石田「道重さんだったらまだ電話はしないと思うんです」

譜久村「どうして?」

石田「はっきりと犯人が外から来た他人って分かってからにすると思うんです」

生田「よくわからんっちゃけど」

鞘師「犯人が他人じゃなかったらどうするの?」
36娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 22:00:49.27 0
譜久村「里保ちゃんそんな事」

鞘師「分かってる、例えばの話し」

石田「多分ですけど、何とかして犯人は外から来た人の犯行って見せかけると思います」

工藤「モーニング娘。を守るために?」

石田「うん、そう 多分ですけど」

飯窪「でも実際犯人は知らない誰かですよね」

佐藤「通り魔とか?」

工藤「この山一帯が譜久村さんの家の土地だよ?
   街からもかなり遠く離れてるしウチら以外に人なんていないよ」

生田「何が言いたいん?あの2人を殺したのがウチらの誰かってことかいな」

工藤「いや、そういう訳じゃなくて」

鈴木「ウチらが犯人のわけないでしょ、ずっと別荘の中に居たんだよ?」

飯窪「そうですよね」

小田「それとこの紙 どういう意味なんでしょう」

石田「鼠が牛に乗って虎を食べる・・・」

牧野「逆に虎に食べられちゃいます」

石田「そうだよね・・・」
37娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 22:01:30.36 0
小田「この言葉の意味もそうですけど
   これを尾形ちゃんの足元に置いた理由も気になります」

鞘師「前藤さんじゃなく尾形ちゃんの足元にあったって事に意味があるのかな?」

小田「なにか意味があるんだと思うんですよね」

羽賀「あの・・・」

譜久村「なに?羽賀ちゃん」

羽賀「あの、足元で思い出したんですけど
   春水ちゃんは靴履いてたんですけど前藤さんは裸足でした」

生田「どういうこと?」

工藤「じゃあ尾形ちゃんは自分で外に出たってこと?」

譜久村「やっぱり誰にも見られないうちに外に出たのかな」

鈴木「でも何のために?」

佐藤「前藤さんに会うため?」

石田「前藤さんが外に居たとは分からなくない?
   それに靴履いてないって事はさ」

鞘師「誰かに無理やり連れ出された?」

生田「誰に?」

鞘師「・・・尾形ちゃん?」
38娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 22:02:02.95 0
飯窪「そしたら流石に誰か気付くと思いますよ」

鞘師「うーん」

野中「あの・・・勝手口とか」

生田「勝手口・・・そっか!」

譜久村「勝手口ならここからは見えない」

石田「キッチンの入り口に一番近いソファに座っても
   勝手口はギリギリ見えないです」

生田「階段を下りてきて洗面所を抜けてキッチンに出れば
   誰にも見つからずに外に出れるやん」

譜久村「だから裸足だったんだ」

小田「でも待って下さい
   勝手口にサンダルが一つ置いてありますよね
   なんでそれを履かなかったんでしょう」

生田「サンダルなんかあったん?
   キッチン一度も入ってないから分からん」

小田「確かあったはずです」

小田は立ち上がって勝手口に向かった

小田「あれ・・・」

勝手口から小田の声が聞こえる
39娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 22:02:35.63 0
譜久村「どうしたの?無くなってる?」

小田は勝手口から戻ってきてリビングで立ち止まった

小田「いえサンダルはあるんですけど
   向きが逆になってる気がするんです」

石田「どういうこと?」

小田「さっき見たときはすぐに履けるようにつま先が外を向いてた気がするんですけど
   今はつま先がこっち向いてるんです」

飯窪「つまり誰かがサンダルで外に出て戻ってきて脱いでそのままって事ですね」

石田「小田ちゃんの勘違いって事ない?その記憶は確かなの?」

小田「そう言われるとちょっと自信ないですけど・・・
   でも見たとき違和感を感じたのは確かです」

石田「うーんあてにならないなぁ・・・」

鞘師「でもそれって前藤さんが裸足な事と関係あるの?
   もし前藤さんがサンダルを使ったとして
   戻ってきてるなら何であそこで死んでるのって事になるよ?」

佐藤「サンダル使ったのは前藤さんじゃないなら誰なの?」

鈴木「誰か勝手口から外に出た人いる?」

全員がクビを横に振る
40娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 22:03:27.42 0
工藤「でも前藤さんが勝手口から出たのは確かですよね
   だってリビングで誰も前藤さんを見てないんですから
   外に出るなら勝手口しかありません」

石田「裸足ってことは誰かに無理やり連れ出されたわけで
   連れ出されたってことは前藤さんともう1人居たわけじゃないですか
   サンダルは1つしかない
   だから前藤さんともう1人の方がサンダルを使ったって事ですよね」

鞘師「ちょっと待ってよ、その連れ出した人っていうのは
   ウチらの中の誰かしかいないわけだよね?」

石田「そうなりますよね・・・
   ここには私達しかいませんから」

メンバー達は顔を見合った

譜久村「ねえみんな待って!もしかして前藤さんと尾形ちゃんを殺したのが
    メンバーの誰かだと思ってるの!?」

生田「前藤さんを連れ出した人が居て
   その人はそれを黙って隠しちょる
   隠すって事はやましい事があるからっちゃろ?」

鈴木「待って待って!そもそも連れ出したかどうかなんてまだ分からないでしょ」

石田「じゃあなんで前藤さんは裸足なんですか?
   無理やり連れ出された以外に裸足になる理由ってあります?」

鈴木「んーそれは分からないけど」

野中「春水ちゃんが連れ出したってことはないですかね・・・」
41娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 22:04:14.30 0
鞘師「尾形ちゃんは靴履いてたから玄関から出たんでしょ?」

飯窪「玄関から出て勝手口に回って前藤さんを連れ出して・・・」

鞘師「なんでそんな事するの?」

飯窪「どうしても前藤さんと一緒に外に出る所を見られたくない理由があった
   だから勝手口で待ち合わせしてそこから二人で外へ・・・」

生田「それなら前藤さんサンダル履けるやろ?
   裸足で行く必要ないやん」

飯窪「それもそうですね・・・」


佐藤「前藤さん死んでから運ばれたのかな?
   それなら靴履いてないのも分かる気がする」

石田「死んでから・・・」

鈴木「ちょっと待ってよ!それこそこの別荘に居る人が犯人ってことになっちゃう」

工藤「死んでからって事は階段を降りながら運ぶって事でしょ?
   それに誰にも気付かれないように洗面所を抜けて勝手口から出る
   そして桜ちゃんの墓まで運ぶ
   そんな事出来る?」

小田「流石に無理だと思います」

鞘師「無理だとは思うんだけど
   じゃあ前藤さんが裸足の理由はなんだろう」
42娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 22:04:58.90 0
石田「誰かに無理やり連れ出された
   死んでから運ばれた
   他に何かあります?」

誰も何も言わなかった


譜久村「そういえば尾形ちゃんは前藤さんからメールで呼び出されたんだよね?」

野中「はい、そうです」

譜久村「メールの詳しい内容とかは聞いてない?」

野中「話しがあるみたいで呼ばれたとしか言ってなかったです」

譜久村「尾形ちゃんのメール見たら何か分かったりしないかな?」

鞘師「人のメール勝手に見るのはいい気はしないけど・・・
   こんな事態だししょうがないか」

飯窪「そうですね、それで何か分かるかもしれませんし」

生田「じゃあ衣梨持ってくるけん待っといて」

小田「私も行きます1人じゃ危ないですし」


数分後尾形の携帯を持って外から2人が戻ってきた

ソファに座ってから生田が尾形の携帯を操作する
その姿を全員がじっと見ている
43娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 22:06:14.43 0
生田「無理っちゃ・・・ロックかかっとう」

鈴木「ロックか・・・」

石田「じゃあ前藤さんの携帯は?」

生田「また取りに行くんかいな」

小田「一緒に持ってくれば良かったですね」

工藤「ハル持ってきますよ、まーちゃん行こう」

佐藤「やだぁ・・・」

工藤「何でだよ!」

佐藤「見たくないもん・・・」

石田「じゃあ私が途中まで一緒に行ってあげるよ」

工藤「何で途中・・・まぁいいや、行こう!」


数分後2人は外から戻ってきた

工藤「携帯無いっす!」

鞘師「え?」

石田「前藤さん携帯部屋に置いてません?」

工藤「どこ探してもないんっすよ」
44娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 22:07:17.46 0
鈴木「私部屋見てくる!」

鈴木は小走りで階段を登った
そしてすぐに降りて来た

鈴木「ありました」

そう言ってテーブルの真ん中に携帯を置いた
その携帯を生田が手に取った

生田「やっぱり電源切っとったちゃね」

生田は携帯の電源を入れて操作した

生田「見れた、ロックかかってないっちゃ」

鞘師「本当!?」

生田「あった、メール・・・これやね
   21時10分 尾形ちゃんにメールしとう
   話しがあるから部屋に来て 必ず1人で」

石田「必ず1人で・・・なんでだろう」

小田「尾形ちゃんは話しの内容が何となく分かってたんじゃないですか?
   しかもそれは嫌な内容でだからなかなか前藤さんの部屋に行かなかった」

鈴木「10分くらい行かなかったんだっけ?」

野中「はい、だいたい10分くらいだったと思います」

譜久村「じゃあ21時20分頃に前藤さんの部屋に行ったんだね」
45名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/04(水) 22:20:32.65 0
このスレの1スレ目が立った時をリアルタイムで見ていた俺がこのスレ発見!
このドキドキワクワク感たまんねえええええ
46名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/04(水) 22:34:30.73 0
今日中に第一話終わるのか?
47名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/04(水) 22:48:52.11 0
おぉぉっ!!娘たちの夜復活
48娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:00:23.48 0
飯窪「21時30分に1階で尾形ちゃん見てるので
   前藤さんに会ってから1階に降りてきてみんなに目撃されたんですね」

生田「もしかして尾形ちゃんが前藤さんを?」

工藤「可能性はゼロでは無いですけど
   さっきも言いましたけど外に運ぶなんて無理っすよ」

石田「仮に何とかして運び出したとして
   じゃあ尾形ちゃんは誰に殺されたの?」

鈴木「それこそ通り魔とか?」

工藤「死んでる前藤さんを尾形ちゃんが運んで
   そこを通りがかった通り魔に尾形ちゃんが殺されて
   しかも変な言葉が書かれた紙まで置いて
   もう意味分からないっすよ」

鞘師「尾形ちゃんは前藤さんに会った後に1階に来て21時30分に私とすれ違ってる
   その後私はお風呂に入ってる
   前藤さんを運んだとするならバスルームの前を通らなきゃいけない
   バスルームの扉って曇りガラスになってるじゃない?
   人が通れば顔は分からなくても誰かが通ったことくらいは分かる
   でも誰も通らなかった」

石田「でもずっとバスルームの扉見てたわけじゃ無いですよね?」

鞘師「もちろんそうだけど
   犯人の立場からして曇りガラスの前を通るなんて危ないことする?」

石田「うーん言われてみればそうですね」
49娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:00:50.87 0
佐藤「でも前藤さんが外に出るにはそこを通るしかないんですよね
   だってリビングは絶対に通ってないんですから」

鈴木「里保ちゃんの後 22時くらいからは私がお風呂入ってたけど
   もちろん誰も通らなかったよ」

牧野「あの、窓から出たって事はないですかね?」

石田「窓って2階の窓?」

牧野「はい、もし前藤さんが死んでいたとするなら
   窓から落とすってことも出来るんじゃないかなって」

工藤「前藤さんの部屋はバスルームの上だよ
   窓から落としたら必ず音がするし
   気付かれちゃうんじゃないかな」

鞘師「音は何もしなかったと思う」

鈴木「私も音は何も聞いてない」

小田「じゃあ仮に音がしてもたまたま気付かなかったとします
   尾形ちゃんは玄関から外に出て前藤さんを落とした場所に向かい
   そこから桜ちゃんのお墓まで移動した
   部屋の窓にはカーテンがしてありましたし中から見られることは無いです
   問題はこの後ですよ」

石田「その尾形ちゃんが桜の木の前で死んでいた」

小田「そうです、しかも謎の紙まで置かれているということは
   殺人に間違いありません」
50娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:01:51.46 0
生田「勝手口からサンダルを使って出た人」

鞘師「ここまで尾形ちゃんはサンダルを使ってない
   他にサンダルを使って外に出た人がいるんだよね」

鈴木「でもサンダルはさくらちゃんの勘違いって可能性も」

石田「良く思い出して!小田っ!思い出すんだ!」

小田「・・・初めに感じた直感を信じます
   違和感を感じたという事はやはりそういう事なんだと思います」

譜久村「みんなちょっと待ってよ
    さっきからこの中に犯人が居ること前提で話してる」

生田「状況的にしょうがないやろ」

鞘師「確かに尾形ちゃんを殺したのは他の誰かという可能性もある
   でも前藤さんは無理でしょ?」

メンバーの中に犯人がいるかもしれない
信じたくないけど状況的にそうとしか考えられない
今まで一緒に頑張ってきた仲間を今は疑いの目で見ている
そんな自分に嫌悪感を感じるが
でもやはり状況的にそうとしか思えない・・・

そしてメンバーの中に犯人がいるとすれば
モーニング娘。は確実に終わる
石田が言っていた道重ならどうするというのは
この事態を恐れての事だった
51娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:02:23.59 0
この最悪の状況で最善の方法は何か
それは2人とも被害者とする事
被害者となればモーニング娘。が終わるという
最悪な結果だけは逃れられるかもしれない

人としてやってはいけないことかもしれない
でもモーニング娘。としてやらなければいけない事がある
17年続いた看板
それほどに重みのあるもの
自分達の代で終わらせることは絶対にしてはいけない
その為に間違っててもやらなければいけないことがある


鈴木「ねぇ思ったんだけどさ」

譜久村「なに?」

鈴木「この紙に書かれた言葉」

飯窪「鼠が牛に乗り 虎を喰う」

鈴木「鼠・牛・虎
   何か気付かない?」

石田「ねずみ・・・うし・・・とら・・・
   ね・・・うし・・・とら・・・
   子丑寅!干支!」

鞘師「そっか!なんで気付かなかったんだろう!」

小田「でも・・・何の意味があるんですかね?」
52娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:03:05.78 0
鈴木「2人は桜ちゃんのお墓で死んでる
   これに何か意味があるんじゃないかな」

佐藤「ねぇオダベチカ、あんまりはっきり覚えてないんだけどさ
   桜ちゃんの記憶がオダベチカに見えたときの話し
   もう一回聞かせてくれない?」

小田「あの話しを今ですか?」

佐藤「ちょっと気になることがあって」

石田「何か関係あるの?」

佐藤「あるかも、ねぇ早く!」
53娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:03:47.73 0
小田「わかりました・・・
   桜ちゃんの記憶が見える前に2度おかしな夢を見て
   その夢に出てきた村と全く同じ村が桜ちゃんの記憶にも出てきて・・・
   ・・・・・・・
   またあの集落だった

   そしてまた違う女の子

   何故か分からないけど私にはその子の名前が分かった

   「桜」という名前みたい

   年は10代半ば 私と同じくらい

   古いお屋敷にお父さんとお母さんがいる

   10歳くらいの妹もいる

   そこにまた赤い目の山賊がやってきた

   桜は腕を掴まれ連れて行かれた

   父「やめてくれー!」

   母「桜ー!」

   妹「おねーちゃん!」

   桜はその山賊達に家族と無理やり引き裂かれ
   何時間もとても酷いことをされ続けた挙句

   子の刻になった頃外に連れ出された」
54娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:04:32.54 0
佐藤「そこっ!」

小田「え?」

佐藤「子の刻になってその後に桜ちゃんは殺されちゃうんだよね?」

小田「そうです」

佐藤「次に丑
   前藤さんって干支はなに?」

工藤「えっと・・・前藤さんは確か29歳だから」

鈴木「29ってことは・・・丑?」

佐藤「やっぱり!マサ凄いかも!それでね
   鼠が牛に乗り を 子が丑に乗り に変えて
   そして乗りって言うのは乗り移るって意味」

譜久村「乗り移る?」

佐藤「霊が乗り移るって言うでしょ
   だから子は桜ちゃん 丑は前藤さんで
   桜ちゃんが前藤さんに乗り移り 寅を喰う」

鈴木「そして寅というのは寅年の尾形ちゃん」

佐藤「桜ちゃんが前藤さんに乗り移って尾形ちゃんを殺した」

石田「待って!尾形ちゃん寅じゃないよ」

鈴木「だって私と同じ年・・・」
55娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:05:54.66 0
石田「尾形ちゃん早生まれだから卯年だよ・・・」

鈴木「あ・・・そっか」

石田「あ・・・でも桜ちゃんが勘違いしてって事もあるよね」

鞘師「学年は寅の学年でもあるわけだし・・・ね」

飯窪「もし桜ちゃんの呪いというなら仕方ないっていうか・・・」

生田「2人とも呪いの被害者ってことやね」

小田「ちょっと待って下さい!桜ちゃんがそんな事・・・」

『小田っ!』


A 小田「・・・」                          ルートAへ  ←
B 小田「桜ちゃんはこんな事しませんっ!!!」     ルートBへ
56娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:06:52.70 0
鈴木「しばらくお墓参り来れなかったから怒っちゃったのかな・・・」

飯窪「これからは半年に1回くらいは来ましょうね」


桜の呪いということでメンバー達は全員が納得した
いや納得したことにした

これでモーニング娘。を守れる
加入したばかりの尾形が呪いの犠牲者になってしまったことは本当に悲しい
しかし尾形の分もこれから頑張って行く
特に12期メンバーは強く心に誓った

翌朝に2人が死んでいるのを発見したという形で警察に連絡した
警察にはこれはきっと呪いだと強く訴えかけた

しかしそんな事が通用するほど甘くは無かった・・・

                                      BAD END
57作者@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:09:12.76 0
今日はここまでにしますね
ルートBはまた明日ということで
58名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:09:15.76 0
うぉぉぉぉ
ってまぁそりゃそうなりますよねw

楽しみにしていたスレが復帰してめっちゃ嬉しい
59名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:15:17.26 0
ご苦労様でした これで明日の楽しみが増えたw 今後もお願いします
60名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:18:35.01 0
おっつううううううううううううううううううう
61名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/04(水) 23:20:14.05 0
怪しいのはズッキかな?お風呂のタイミングや携帯とりに行ったりでと...?
でも余り推理はしんにしとく
62名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/05(木) 00:56:02.19 0
絶賛前スレ読み返し中
63名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/05(木) 07:23:22.40 0
朝のかまいたち
64作者@転載は禁止:2015/02/05(木) 08:25:19.74 0
読んでくれた方ありがとう
今回は小田編の続編という形になってます
興味ある方は是非小田編も読んでみてください

ルートAまで終わりましたがまだまだ続きます
夜になったらルートBから再開しますね
65名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/05(木) 12:17:50.94 0
昼上げ
66名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/05(木) 17:22:35.07 0
夕上げ
67娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/05(木) 20:03:27.93 0
A 小田「・・・」                        ルートAへ
B 小田「桜ちゃんはこんな事しませんっ!!!」   ルートBへ   ←


石田「小田っ!モーニング娘。のためなの!」

小田「イヤです!桜ちゃんをこんな事に利用しないで下さいっ!」

佐藤「小田っ!言うことを聞け!」

小田「イヤです!絶対イヤです!」

生田「じゃあどうすると?
   このままじゃメンバーの中に犯人が居ることになるとよ?」

小田「・・・」

飯窪「でも私達がそう納得しても警察が信用してくれるとは思えませんね」

鞘師「まぁ・・・確かに」

生田「結局どうすると?犯人探し続けるん?この中に犯人居るのは確実やけんね」

譜久村「お願い、正直に言って!
    もし犯人がこの中に居るなら正直に言って!
    私達力になるから、何とかするから!」

しかし誰も何も言わなかった

生田「言うわけないか・・・」

生田は突然立ち上がった
68娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/05(木) 20:04:07.17 0
石田「どこ行くんですか?」

生田「部屋に戻るとよ」

工藤「なんでですか?」

生田「もうここに居ても意味ないやろ、もう推理ごっこもし尽くしたし
   それに犯人がもしこの中に居ても鍵しとけば安全っちゃろ
   モーニング娘。の為に何とかしよう思っとったけどそれも出来ない
   もう終わりっちゃね」

そう言うと生田は2階の部屋に戻った

牧野「あの、私達も戻ります、すいません」

牧野と羽賀は手を繋いで2階に戻った

・・・・・・

鈴木「どうするの?」

譜久村「どうしよう・・・」

鞘師「私はどっちでもいいよ」

佐藤「マサも戻ろうかな、眠くなってきた」

工藤「よくこんな時に寝れるな」

石田「このまま起きててもしょうがないけどね
   話してたってもう犯人分かりそうに無いし」
69娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/05(木) 20:04:56.29 0
小田「ごめんなさい・・・私のせいでバラバラに」

飯窪「気にしないでいいよ、呪いのせいなんてはっきり言って無理があったし」

小田「でもみんなの仲が壊れちゃったら・・・」

鞘師「大丈夫だって、私なんかいつも1人だよ」

石田「それとこれとはまた違う気が・・・」

鈴木「ねぇ聖ちゃん、衣梨ちゃんのところ行ったほうがいいんじゃない?」

工藤「ですね、1人にするのは危険かもしれません」

譜久村「うん・・・でもみんなはどうするの?」

工藤「うーん、1回部屋に戻りますか
   鍵掛けてれば大丈夫だと思いますし」

佐藤「早く寝たい・・・」

飯窪「こうなったらしょうがないですね」

譜久村「じゃあ絶対鍵をかけて 誰か来ても開けないように」

小田「分かりました」

野中「あの・・・」

鈴木「ん?」

野中「私1人なんです・・・」
70娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/05(木) 20:06:14.15 0
鞘師「そっか、じゃあ私の部屋においでよ、私も1人だし」

野中「ありがとうございます・・・」


メンバー達は全員部屋に戻った
野中が鞘師の部屋に移動して部屋割りはこうなった
http://i.imgur.com/JWWaUEp.jpg


メンバー達が部屋に戻って数時間が経った
時刻は3時を過ぎていた

部屋に戻ってからすぐに寝た者もいれば
2人で再度推理を重ねていた者たちもいた

メンバー達はLINEでグループを作っていた
メンバー達全員でチャットができる

3時を過ぎた頃メンバー全員にLINEの通知がきた

譜久村<起きてる人いますか?


小田<起きてますよ

工藤<全く寝れません

生田<聖と一緒に起きてる

鈴木<私も寝れない
71娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/05(木) 20:07:32.34 0
返事が来たのはこれだけだった
譜久村のチャットの既読数から起きているのはこの5人で間違いないようだ

譜久村<寝れる人がうらやましい

工藤<ホントですね

小田<石田さんグッスリです

工藤<まーちゃん戻って3分で寝たよ(笑)

生田<流石やね

その後も起きている5人で30分以上チャットを続けた

工藤<そろそろ眠くなってきたかも 寝るっす

小田<おやすみなさーい

鈴木<おやすみー

譜久村<おやすみ〜

生田<バイバイ

その流れでチャットはお開きになり夜が明けた
72娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/05(木) 20:08:26.42 0
朝8時 大きな声でメンバー達は目を覚ました

佐藤「どぅー! どぅー!! どこー? ねぇどぅー!!!」

2階の廊下で佐藤が工藤を探して叫んでいる
吹き抜けから下を覗いて1階に向かって呼びかける

その声に気付いて最初に部屋から顔を出したのは石田だった

石田「まーちゃん朝からうるさいっ!」

次々とメンバー達が部屋から出てくる

鈴木「どうしたのよ」

佐藤「どぅーがいないんです」

生田「1階にいるんやろ?」

飯窪「ちゃんと探したの?」

佐藤「今1階も見てきたもん、でもどこにもいないの」

メンバー達に一瞬不安がよぎった
まさか工藤も・・・

最初に動き出したのは鈴木だった
鈴木は部屋の中に戻り東側の窓のカーテンを開け
勢いよく窓を開けて外を覗き込んだ

鈴木「・・・うそ・・・なんで」
73娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/05(木) 20:09:35.57 0
同室にいる飯窪は鈴木の言葉を聞いて駆け寄り
窓から外を見た

飯窪「きゃああああああああ!!!!!!!」

飯窪の叫び声を聞いてメンバー達が部屋に群がる

鈴木と飯窪が外を見ている事が分かると
4つの東側の部屋にメンバーが散り窓から次々とメンバー達が顔を出す

生田「うそやん・・・」

羽賀「工藤さん・・・」


数分後、メンバー達は桜の墓の前にいた

工藤が尾形と同じように桜の木に寄り掛かるように座っていた
しかし頭はぐったりと下を向いていた
首には絞められたような痕が残っている
靴は履いていなかった

そして不思議なことに墓石の右側に居た筈の前藤が
左側で背中で寄り掛かるように座っていた

工藤の足元にまた1枚の紙が置いてある
生田がその紙を拾った

生田「鼠は牛に乗り 兎を喰う」

鞘師「今度は兎・・・」
74娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/05(木) 20:10:22.92 0
鈴木「どぅーは卯年・・・」

譜久村「もう正直に言って!誰がこんな事したの!」

メンバー達はお互いの顔を見る
名乗り出る人はもちろんいなかった

・・・・・・

別荘に戻ったメンバー達はリビングに集まっていた

鈴木「ねぇ・・・やっぱり本当に呪いなんじゃ・・・」

生田「呪いの件は尾形ちゃんが寅年じゃなかったことでもうありえんやろ」

鈴木「じゃあこれを続ける理由はなんなの?」

鈴木は工藤の足元に置かれていた紙を摘んでペラペラと揺らせた

鈴木「干支が間違ってた時点でもう呪いに見せかける工作は失敗したわけでしょ
   なのにさらに続ける理由なんて無いでしょ
   でも本当に呪いだとしたら・・・」

小田「でもなんで工藤さんなんでしょう」

鞘師「卯年だからでしょ?」

小田「そうじゃなくて卯年は佐藤さん工藤さん私
   そしてチェルにもう死んでしまっていたけど春水ちゃん
   春水ちゃんを抜かしても卯年は4人いました
   その中でなぜ工藤さんなのかなって」
75娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/05(木) 20:11:33.98 0
石田「どぅーだったことに何か意味があるってこと?」

小田「なのかなーって・・・」

譜久村「どぅーである理由・・・」

鈴木「呪いだったら偶然4人の中から選ばれたって事じゃないの?」

生田「だから呪いはもうありえんって」

鈴木「じゃあさっき私が言ったことに答えてよ
   呪いに見せかけることに失敗したのに続ける理由」

鞘師「どぅーは何かに気付いたのかな?」

飯窪「何かって、犯人についてですか?」

鞘師「うん、それでどぅーの事だから犯人に問い詰めたんじゃないかな」

石田「どぅーなら確かにやりそうですけど」

小田「でもそれだけじゃ鈴木さんが言ってることに対しての答えにはならないですね」

譜久村「でもどぅーは3時30分くらいまでLINEでチャットしてて
    眠くなったから寝るって言って寝たんだよ」

石田「LINEなんかしてたんですか?」

生田「みんなにもLINE通知行ってるはずっちゃ」

LINEに参加せず寝ていたメンバーが携帯を確認する
76娘。たちの夜 赤目山編@転載は禁止:2015/02/05(木) 20:12:39.40 0
鞘師「本当だ」

牧野「3時30分で終わってますね」

小田「3時30分で自分から寝るって言ってますから
   そのあと犯人を問い詰めるっていうのは考えにくいかと」

石田「まーちゃん、寝てるとき何か物音で目が覚めたとか無かった?」

佐藤「ううん、朝までずっと寝てて一度も目は覚めなかった」

鞘師「寝てるときに首を絞められたのかな?」

生田「隣に優樹ちゃんおるんやで?」

石田「もしまーちゃんに気付かれたら・・・」

小田「すぐ大声で叫ばれちゃいますね」

鈴木「私が犯人でも優樹ちゃんの隣ではしないわ・・・」

野中「でもどこかで殺されてしまったのは確実ですよね
   だって工藤さん裸足でしたし」

飯窪「だからといってまーちゃんの隣で犯行を行うとは考えにくいですし
   と言う事は、どぅーは寝ると言ってから自分で部屋を出たって事ですか?」

石田「誰かに呼ばれたって可能性もあるけどね」

鞘師「何かに気付いて犯人を問い詰めに行ったんだとしたら
   自分からその犯人の所に行ったんだろうね」
77娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 21:02:06.13 0
生田「でもみんな2人で部屋に居たんよ
   もし犯人がこの中の誰かだとしても
   その人も誰かと部屋に居たわけやん」

譜久村「そこで問い詰めたりは出来ないよね
    ってことはどこかに移動して話したとか?」

生田「2つ空いてる部屋あったやろ?
   そこに移動して話したとか」

石田「それが一番説明がつきますね」

鈴木「あとさ、前藤さんが移動してたのはどう考えてるわけ?」

鞘師「あ・・・それもあったね」

佐藤「自分で動いたのかな?」

飯窪「怖いこと言わないでよ・・・」

佐藤「子が丑に乗り移って動いたのかも?」

生田「また呪いの話しかいな」

譜久村「桜ちゃんに乗り移られた前藤さんが
    今度はどぅーを殺して桜の木に運び
    そして墓石の反対側に座ったってこと?」

鈴木「そうだよ、きっとそう!やっぱり呪いなんだよ」

生田「アホくさ・・・」
78娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 21:02:53.95 0
佐藤「じゃあ前藤さんが移動してる理由教えてください」

生田「犯人が動かしたんやろ」

譜久村「何のために?」

生田「呪いに見せかけるためっちゃろ」

鈴木「じゃあ呪いに見せかけるためにどぅーは殺されたってわけ?」

石田「いやそれは違うと思います
   きっとどぅーは犯人が分かったんです
   だから殺されて偶然卯年だったのを利用されたんだと思います」

鞘師「私もそう思う
   首を絞められたっていうのが犯人が咄嗟の行動だったんじゃないかなって」

石田「そうですよね
   突然問い詰められた犯人は凶器なんて持っている筈も無く
   仕方なく手で首を絞めた・・・」

飯窪「凶器か・・・
   そういえば尾形ちゃんと前藤さんを殺した凶器は何だったんでしょうね」

鞘師「尾形ちゃんは額、前藤さんは後頭部から血が出てたね
   何か鈍器のようなものだと思う」

譜久村「前藤さんも鈍器で・・・
    そっか、やっぱり呪いって言うのは無理があるよ
    乗り移られた前藤さんが後頭部を殴られてるのはおかしいもん」
79娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 21:03:55.70 0
鈴木「うーん・・・」

佐藤「そっかぁ・・・」

石田「その鈍器探してみます?」

鞘師「それが見つかれば犯人に結びつく何かが分かるかもしれない」

鈴木「みんなで探そうか」

生田「待って、みんなバラバラに探すん?
   この中に犯人がいるなら探すフリして違うどこかへ隠されてしまうやん」

石田「あ・・・そうですね」

鞘師「じゃあ11人だから3・3・3・2で4つに分かれて探す?」

生田「じゃあ衣梨がランダムで組み合わせ決めるけん」

生田が決めた組み合わせは
鞘師・飯窪・羽賀
鈴木・石田・牧野 
譜久村・佐藤・野中
生田・小田

生田「必ずこのグループで行動して」

譜久村「分かった」

生田「単独行動した時点で犯人とみなすけんね」

メンバー達は4グループに分かれて別荘内や庭を捜索した
80娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 21:05:16.74 0
建物の周りを捜索していたのは鞘師グループだった

北側のキッチンの外を捜索しているとある物を見つけた

羽賀「あの、これ見て下さい」

飯窪「それは、農作業用の一輪車?」
http://i.imgur.com/2FMCOKr.jpg (イメージ)

鞘師「それがどうかしたの?」

羽賀「もしも別荘からお墓まで運んだならこれ使えませんか?」

飯窪「引きずって行くよりはラクだし時間もかからないね」

鞘師「ちょっとやってみようか、はるなん乗ってみて」

飯窪「え!?私ですか?」

鞘師「だってどぅーと身長近いし」

飯窪「は、はい
   どっち向きに乗ればいいんですかね」

鞘師「頭を進行方向にしてみて」

飯窪は言われるがままに一輪車に乗った

鞘師「いい?じゃあ進んでみるね」

鞘師一輪車を進ませた
81娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 21:07:46.09 0
飯窪「わっ!わっ!怖いです怖いです!」

羽賀「出来そうですね」

鞘師「これはラクだね、これを使ったのかもしれない」



譜久村グループは建物の南側の庭にいた

別荘の門から玄関まで飛び石が置かれている
http://i.imgur.com/RqI83a8.jpg (イメージ)
そのある箇所に血痕を見つけていた

佐藤「見て下さいこれ」

野中「血・・・」

譜久村「何でこんなところに」

佐藤「誰の血だろう」

譜久村「尾形ちゃんか・・・前藤さんか・・・」

野中「なんでここだけなんでしょか?」

佐藤「どういうこと?」

野中「お墓に運んでる途中に付着したなら
   他にも血が付いてる所があるはずなんですけど」
82娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 21:08:35.45 0
譜久村「運んでる途中じゃないとしたら
    ここで殺されたって事?」

佐藤「ここで襲われて倒れてこの石に頭を打ったってこと?」

野中「外で襲われたってことは靴を履いていた春水ちゃんでしょうか」

譜久村「そうかもしれない」


生田グループは前藤の部屋にいた

生田「さくらちゃん何見てるの?」

小田「前藤さんのノートです
   何か手がかりが書いてないかなって思って」

小田はペラペラとページをめくる

小田「特に何も書いてないですね・・・」

そう言ってノートを閉じようとしたとき

小田「あれ?」

生田「なにか見つけた?」

小田「ノートを切り取った形跡が・・・」

生田「それがどうかしたん?」

小田「あの紙切れですよ」
83娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 21:09:26.87 0
生田「あ、鼠が牛に乗りってやつか」

小田「しかも2枚分切り取ってあります」

生田「ペンもここに置いてあるっちゃ」

小田「ここで書いたんですね・・・」

その時外から声がした
生田は北側の窓を開けて外を覗いた
すると鞘師が飯窪を一輪車に乗せて遊んでいた

生田「何やっとん・・・」

小田も外を覗いた

小田「もう・・・真面目に探してくださいよ・・・」

生田は窓を閉めようとすると窓のレールが擦れて傷になっていることに気付いた

生田「これなんやろ?」

小田「新しい傷ですね」

生田「何か付いとうよ」

生田はそれを摘んだ

小田「何かの繊維ですか?」

生田「黄色と黒があるっちゃ」
84娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 21:11:15.67 0
小田「黄色と黒・・・黄色と黒・・・」

生田・小田「あれだ!」

2人は部屋を飛び出した


鈴木グループは2階の廊下を走っていた

すると前藤の部屋から出てきた二人と衝突した

石田「きゃああ!!!」

牧野「痛い・・・」

生田「なんね・・・」

小田「ビックリしたぁ・・・」

4人は尻餅をついているが鈴木だけビクともしていなかった

鈴木「何やってんのよあんたたち」

小田「あ!それ!」

小田は鈴木が持っている虎ロープを指差した

石田「もしかして小田ちゃん達も気付いた?」

生田「そのロープや!」
85娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 21:12:01.92 0
牧野「このロープ北側の収納庫にあったんですけど
   新しいのに凄く痛んでるんです」

小田「絶対このロープを使ったんですよ
   窓のレールに擦れた痕があって
   このロープの繊維が付いてたんです」

生田「こっちや」

5人は前藤の部屋に入った

石田「このロープで前藤さんを下に降ろしたんですね」

鈴木「この下はバスルームで窓の無い北側」

小田「全く音を出さずに降ろすのは無理だとしても
   このまま下に落とすよりは音は出ません」

生田「前藤さんを外に運んだトリックはこれやったんやね」

牧野「工藤さんもこのやり方ですかね?」

石田「どぅーの場合はみんな寝てて1階には誰もいなかったと思うし
   堂々と運んだってことも考えられるけど」

小田「でも2階から運ぶならここからロープで降ろしたほうがラクかもしれませんね」

鈴木「なんか色々と分かってきたね」


10分後全員がリビングに集まった
各グループで分かったことを報告した
86娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 22:00:09.57 0
小田「ってことは、ロープで降ろした前藤さんを
   一輪車でお墓まで運んだってことですかね」

鞘師「そうだね」

生田「一輪車で遊んどったんかと思っとった」

飯窪「し、失礼な!検証してたんですよ検証!」

石田「前藤さんに限らず尾形ちゃんもどぅーも
   一輪車を使ったのかもしれないですね」

譜久村「でも一輪車ってガタガタ音がしない?」

鞘師「空身だと凸凹で跳ねて音がするけど
   でも重さが掛かってると跳ねないから音はしない」

飯窪「ですね
   私を運んでみたときも音はしませんでしたね」

小田「別荘の中に居る人に気付かれずに
   一輪車を使うことは可能って事ですね」

譜久村「次は玄関先の飛び石の血痕だけど
    おそらく尾形ちゃんのものだと思う」

石田「だとすると外に出た理由が気になりますよね」

飯窪「靴を履いてるって事は自分で出たんだもんね」

鈴木「誰かに呼ばれたのかな」
87娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 22:01:02.31 0
鞘師「前藤さんを運んだのが尾形ちゃんって可能性は?」

石田「前藤さんを運んだ後に玄関から戻ろうとしたところを
   誰かに襲われたって事ですか?」

鞘師「その誰かっていうのが勝手口のサンダルを使った人だね」

生田「でもそれなら前藤さんを殺したのは尾形ちゃんってことやろ?
   尾形ちゃんはなんで殺されたん?」

飯窪「その誰かは尾形ちゃんが前藤さんを運ぶところを見てしまった
   そして玄関先で口論になり殺してしまった」

佐藤「どぅーはその事に気付いて殺されたの?」

譜久村「そういうことになるのかな」

石田「どぅーは何に気付いたんだろう」

小田「何か工藤さんにしか分からないことがあるんですかね」

佐藤「どぅーにしか分からないこと・・・」

飯窪「どぅーはあゆみんと一緒に前藤さんの携帯を取りに行ったじゃない?
   その時に何か見たのかな?」

鞘師「あゆみちゃん何かどぅーが言ってたりしてなかった?」

石田「いえ特に何も・・・
   それに私お墓の5メートルくらい手前で待ってたので」

佐藤「つかえねー」
88娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 22:01:37.67 0
石田「まーちゃんは行きもしなかったでしょ!
   だから私が代わりに行ったのに!」

飯窪「他にどぅーだけがした事って何かあるかな?」

小田「初めに春水ちゃんが居ないってなってリビングにみんなが集まったとき
   工藤さんはお風呂に入ってて遅れて来たんですよね」

生田「あーそうやったっけ?」

譜久村「お風呂で何かに気付いたのかな?」

佐藤「もしかして、前藤さんをロープで降ろしたときの音が聞こえたとか?」

鞘師「あの時は確かどぅーがお風呂に行ったのとすれ違うように
   野中ちゃんが降りてきて尾形ちゃんが居ないって言ったんだよね」

石田「だからどぅーがお風呂に入る前から尾形ちゃんは居なくなってて
   前藤さんも既にロープで降ろされていたって考えるのが普通だよね」

鞘師「野中ちゃんがリビングに来た時には既に尾形ちゃんも前藤さんも
   お墓に移動させられてたはず
   だからどぅーが音を聞いたって言うのは無いと思う」

飯窪「ちょっと時系列を整理してみません?」
89娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 22:02:17.66 0
21時     生田が部屋に戻り2階の廊下で尾形とすれ違う
21時10分  前藤が尾形にメール
21時20分  尾形が前藤の部屋へ
〜21時30分 リビング、応接間、和室で尾形が目撃されている
21時30分  鞘師が入浴 
〜22時    メンバーは部屋を行き来している
22時     鈴木が入浴
22時30分  工藤が入浴 野中が1階へ降り尾形が居ないと報告
〜23時    生田が1階へ来る 全員で尾形を探す
23時     工藤がリビングで合流

飯窪「この21時〜23時の間に何かが起こってるんです」

生田「さっきサンダルを使った人が尾形ちゃんを殺したって言ったやんか
   勝手口に行くにはキッチンから行ったらリビングの人に見つかってしまう
   だから洗面所を抜けて行ったと考えるのが普通やろ
   多分時間的に里保か香音ちゃんが入浴中に通ったと思うんよ」

鞘師「でも昨日言ったけど誰か通ったら気付くと思うけど
   誰も通らなかったよ」

鈴木「私も気付かなかった」

生田「でも実際サンダルに使った形跡があるわけやし
   玄関からじゃバレてしまうやろ」

石田「でも尾形ちゃんが外に出たのは誰も気付かなかったですよね」

佐藤「靴は玄関にあるんだし勝手口から出たら靴は履けない
   やっぱり気づかれないうちに玄関から外に出たんだよ」
90娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 22:02:56.29 0
生田「でもサンダル使った形跡があるなら
   誰かが勝手口から出たのは確実やろ?」

鈴木「サンダルの件は絶対じゃないんじゃない?
   もしかしたらさくらちゃんの勘違いって可能性もあるよ」

譜久村「そうなんだよね・・・」

小田「春水ちゃんが前藤さんを殺したってなってますけど
   もしそうなら犯行を行ったのは21時20〜30分の間じゃないですか
   でも同時刻に1階の各部屋で春水ちゃんが目撃されてます
   おそらく犯行後に1階に降りて来たと考えるのが普通ですよね?」

鞘師「それは分からないんじゃない?
   1階で目撃された後に2階に戻ったのかも」

小田「それならいつ外へ出たんです?
   1階に来て偶然誰にも見られていない数秒の間に出て行ったんだと思うんです」

鞘師「うーんそっかぁ」

小田「外へ行くために1階に降りて来たんならなんで和室や応接間に顔を出したんでしょうか」

佐藤「外へ行く以外になにか目的があったってこと?」

小田「思うんですけど、誰かを探していたんじゃないかなって」

生田「なるほど・・・」

小田「あの時は誰がどこの部屋にいるか分からない状況でした
   だから各部屋を回るしかなかった」
91娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 22:04:05.24 0
石田「前藤さんを殺してロープで下に降ろした後に誰かに会う
   もしかして共犯者がいる・・・?」

飯窪「たった10分の間に前藤さんを殺してロープで下に降ろして
   1階に来て誰かと会うなんてできますかね?」

野中「本当に春水ちゃんが前藤さんを殺したんでしょうか・・・」

生田「実際の所それも分からないっちゃけどね」

鞘師「じゃあ尾形ちゃんが前藤さんが死んでるのを見つけてしまったっていうのはどう?」

小田「メールで呼ばれて部屋に行ったら前藤さんが死んでいた」

石田「それでそのことを伝えに1階へ降りて来て誰かを探した・・・
   ん?・・・なんでその人だけに伝えようとしたんだろう」

鈴木「普通みんなに伝えるよね」

佐藤「もしかしてその時点でもう殺した人が分かってたとか」

譜久村「そっか、だからその人に会って事実を確かめようとした」

小田「事実を知って春水ちゃんは玄関から外に出た
   そこを追われて殺された」

生田「それだとまだ前藤さんは部屋で死んだままっちゃけど」

小田「その後2階に行ったんじゃないでしょうか」

石田「21時30分以降に2階に居た、若しくは行った人・・・」
92娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 22:05:24.54 0
飯窪「2階に居たのは生田さんと野中ちゃんの2人」

生田「ちょっと待って!衣梨じゃないけんね!」

野中「私も違います・・・」

飯窪「分かってます、尾形ちゃんは1階にその人に会いに来てるんです
   2階に居る2人ではないと思います」

石田「21時30分以降に2階に行った人・・・」

飯窪「お風呂に入るために着替えを取りに部屋に戻った
   ・・・鞘師さん・・・鈴木さん・・・」

鞘師「ちょ・・・ちょっと待って!わたし!?」

鈴木「まじでありえないから!なんで私がそんな事」

小田「もう一ついいですか
   工藤さんは3時30分にLINEで寝ると言いその後に犯人に会って殺されてます
   つまり工藤さんは犯人がまだ起きてることを知っていた
   あの時まだ起きていると確認できたのは
   工藤さんを除けば私・鈴木さん・譜久村さん・生田さんです」

鈴木「ねぇちょっと待ってよ!」

小田「さらにもう一つ
   工藤さんが気付いたことが分かったかもしれません」

石田「本当?」

小田「工藤さんにしか分からないことが1つだけありました」
93娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 22:06:20.73 0
譜久村「なに?」

小田「工藤さんは鈴木さんの後に入浴してます
   もし鈴木さんが犯人だとした場合どうなると思いますか?」

生田「香音ちゃんが犯人だったら・・・」

佐藤「どういうこと?分からないよ・・・」

小田「22時に鈴木さんは入浴するために一度2階に行きその時に前藤さんをロープで降ろします
   前藤さんの部屋でノートを切り取って例の呪いの紙を作ります
   降ろした後1階に降りて洗面所を抜けて勝手口から外に出ますが
   この時入浴してる人は誰も居ないので気付かれません
   一輪車を使い前藤さんと春水ちゃんをお墓まで運び、勝手口から戻ってきて洗面所に入ります
   22時30分には鈴木さんはリビングに戻ってます、もう入浴してる時間はありません
   おそらく洗面所の化粧台で髪だけ濡らしたんだと思います」

石田「鈴木さんならそれが出来るのは分かったけど
   どぅーは一体何に気付いたの?」

小田「入れ替わりで入浴したらバスルームの床は濡れてますよね
   でも鈴木さんは入浴してません
   床が乾いていたんじゃないでしょうか」

生田「確かにそれはどぅーにしか分からんね・・・」

鞘師「あ・・・そういえば・・・」

譜久村「どうしたの?」

鞘師「私が21時30分にお風呂に入ろうとして応接間から出たとき
   応接間とリビングのドアのところで尾形ちゃんとすれ違った」
94娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 22:07:46.01 0
石田「はい、言ってましたね」

鞘師「その時応接間に居たのは香音ちゃんと私
   そこに尾形ちゃんが来て私が居なくなった」

石田「鈴木さんと尾形ちゃん・・・2人きり・・・」

生田「応接間から直接玄関にいけるやん」

飯窪「尾形ちゃんが外に出るところを目撃されてないのはこういう事だったんですね」

譜久村「香音ちゃんどうなの?正直に言って!」

全員が鈴木の顔を見る
95娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 22:08:51.09 0
鈴木「・・・もう無理か」

石田「認めるんですか!?」

鈴木「ちょっと違うところはあるけどね、大体合ってる」

生田「どうしてこんな事したん!」

鈴木「前藤が・・・みんな前藤に騙されてたんだよ」

飯窪「どういう事ですか?」

鈴木「衣梨ちゃんが21時に部屋に戻った数分後、実は私も2階に行ったの
   みんなゴチャゴチャしてて気付かなかったみたいだけどね
   階段を登りきったら尾形ちゃんが前藤の部屋のドアに聞き耳立ててた
   声かけたら尾形ちゃんは口に指を当ててシーってやったの
   尾形ちゃんはトイレに来た時に偶然前藤が電話してる声が聞こえたみたい

   その内容は
   前藤はマネージャーとなってモーニング娘。に近づき
   スキャンダルやスクープを週刊誌の記者に売ろうとしていると言うことだった
   前藤が記者と電話しているところを尾形ちゃんが聞いてしまった

   私は尾形ちゃんを部屋に戻した
   そして私は前藤の部屋に入った」
96娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:00:13.86 0
・・・・・・

鈴木「話は聞きました、何かいいネタ掴めましたか?」

前藤「え?何言ってるの?」

鈴木「私結構あなたの事好きだったのに・・・
   すごく仲良く優しく接してくれてたし・・・
   でもそれも全部記者にネタを売るための作戦だったんですね」

前藤「意味が分からないんだけど」

鈴木「絶対に許さないから!全部会社に言ってあなたの事クビにしてもらうから!」

前藤は突然カメラのシャッターを切った

前藤「怖い顔ね、アイドルがこんな顔しちゃダメじゃない」

鈴木「おい!ふざけんな!そのカメラよこせ!」

2人はカメラの取り合いになった

そして鈴木が前藤を突き飛ばすとバランスを崩して後ろに倒れ
テーブルの角に頭を打って動かなくなった

鈴木「え・・・うそ・・・」

鈴木は前藤の体を揺するが何も反応が無かった

鈴木「どうしよう・・・死んじゃったよ・・・」

ここで鈴木は自分でも不可解な行動に出た
97娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:00:41.48 0
前藤の電話を使って尾形にメールした
なぜこんな事をしたのか自分でも分からない

前藤の秘密を知ってる尾形にこの事を知らせたかったのか
尾形に助けて欲しかったのか
もう大丈夫だよと尾形を安心させたかったのか

鈴木はすぐに1階に降りて応接間に入った
そこには鞘師がいた
何とか平常心を保ちつつ鞘師の話しに相槌を打つ

21時30分になり鞘師がバスルームに向かった
そして入れ違うように尾形が入ってきた
尾形は鈴木を見つけるなり怯えた表情を浮かべた

他のメンバーに声が聞こえないようになるべく小さい声で話した

尾形「鈴木さん!前藤さんが・・・」

鈴木「うん・・・」

尾形「何であんな事しはったんですか!」

鈴木「つかみ合いになって前藤さんが倒れて頭を打って・・・」

尾形「どないするんですか!」

鈴木「何とかするから
   でもこれで裏切り者は居なくなった」

尾形「それが・・・もしかしたら聞き違いだったかもって思ってしまって・・・」
98娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:01:37.15 0
鈴木「は!?聞き違いって・・・今更何言ってんのよ!」

尾形「ごめんなさい・・・」

鈴木「謝って済むと思ってんの!?私は・・・人を殺したんだよ!」

尾形「本当にごめんなさい・・・」

鈴木「どうしてくれんの?あんたのせいで私の人生終わりよ!
   私だけじゃない、モーニング娘。も終わり!もう全部終わりよ!
   全部あんたのせいよ!!!」

尾形「ごめんなさい・・・」

尾形は泣きながら応接間から玄関へ行き外へ出た

鈴木は追いかけようと思ったがタイミング悪くリビングから10期の4人が応接間に入ってきた

石田「鈴木さん?どうかしたんですか?」

鈴木「ううん、何でもないよ あ〜なんかお腹空いちゃったぁ」

工藤「さっき夕飯食べたばかりじゃないですか」

鈴木「そうだっけ?なにかキッチンで探してこよ〜っと」

それから22時までリビングで過ごしたが尾形の事が心配で仕方が無かった
それだけじゃない、2階で死んでいる前藤も何とかしなければならないと考えていた

鞘師が風呂から戻りこれがチャンスだと思った
真っ先に次に入ると手を挙げた
99娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:02:10.96 0
2階に戻って収納庫からロープを取り出して
そのロープを使って前藤を窓から下に降ろした
テーブルと床に付いている血痕は部屋にあったティッシュで拭いて
2階のトイレに流した

何とかして罪を免れる方法を考えた
でも何も思いつかない

こうしてても時間は過ぎていく
とりあえず下に降ろした前藤をどこかに隠さなければならない

1階に降りて洗面所を通って勝手口からサンダルを履いて外に出て
前藤からロープを外して回収した

前藤を引きずりながら移動してると一輪車を見つけた
それに乗せて建物の東側を南側へ移動した
窓にはカーテンが掛かっていたので中から見られることは無かった

建物の南側へ来るとそこに尾形が倒れていた
尾形は飛び石に額をぶつけて死んでいた・・・

何が何だか分からなかった・・・

そこで思いついた
前藤が尾形を殺したことにできないかと・・・

とりあえず前藤を桜の墓の方へ運んだ

桜の墓を見たとき小田の話を思い出した
何度も聞かされていたのではっきりと覚えていた
桜は子の刻に殺された
100娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:03:11.91 0
前藤の干支を年齢から計算すると偶然にも丑年だった
子丑・・・これを利用しない手は無いと思った
この偶然に気が舞い上がって冷静さを忘れた
自分は寅年、自分と同じ学年の尾形も寅年、そう思い込んでしまった
子丑寅・・・これを使って桜の呪いという事にしよう
そう考えた
今考えればこんな馬鹿げたことが通用するはず無いのだが
こうするしか他に方法が無かった

急いで尾形も桜の木まで運んだ

それから勝手口にから別荘に戻って2階に上がり
回収したロープを収納庫に戻して
前藤の部屋に戻って呪いの文章を作りまた墓まで走った

ようやく戻ってきたときには22時30分近かった
時間を気にせず長風呂という事にして入浴してもよかった
しかしその時は長風呂をしたら怪しまれるんじゃないか
そんな事思われるわけも無いのにそう思ってしまった
早くみんなが居る場所に戻ってアリバイを作りたいと思ったのかもしれない
犯罪者の心理というものなのだろうか・・・

入浴をしたと思わせるために化粧台で髪を濡らした
そしてリビングに戻った

・・・・・・

生田「ちょっと待って、尾形ちゃんが死んでたってどういう事なん?」

鞘師「香音ちゃんが殺したんじゃないのね?」
101娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:03:57.88 0
鈴木「多分だけど暗い中を走って飛び出して
   飛び石で躓いて倒れて頭を打ったんじゃないかな」

石田「事故だったんなら隠さず言ってくれれば・・・」

鈴木「言えないよ、前藤さんを殺してしまった事は事実だし
   それに呪いって事にすればモーニング娘。も
   最悪の結果にはならないんじゃないかって思ったし」

小田「工藤さんの件はどうなんですか?」

鈴木「どぅは・・・」

・・・・・・

LINEでのやり取りが終わったあと工藤から鈴木に個人メールが届いた

『ちょっと話しがあるんで出てきてもらえないですか?』

鈴木は部屋を出ると既に工藤は廊下で待っていた

工藤「ここじゃアレなんで下に行きましょうか」

工藤は鈴木の返事を聞く前に歩き出した

工藤は洗面所に入った
続いて鈴木も入ると工藤が洗面所のドアを閉めた

鈴木「なに?」

工藤「鈴木さん、お風呂入ってないですよね?」
102娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:04:35.43 0
鈴木「え?何言ってんの?ちゃんと入ったけど」

工藤はバスルームのドアを開けた

工藤「床が乾いてました
   鈴木さんのあとすぐに入ったのに」

鈴木「換気扇回してたからでしょ」

工藤「ありえません、そんなすぐには乾かないです」

鈴木「・・・」

工藤「風呂に入らず何してたんですか?」

鈴木「入ったから!」

工藤「入ってません!
   もしかして尾形ちゃんと前藤さんを・・・」

鈴木「違う!私じゃない!」

工藤「じゃあ風呂に入らず何してたのか説明してください」

鈴木「だから入ったってば!」

工藤「・・・入ってません」

すると鈴木の手が工藤の首を掴んだ

工藤「ちょ・・・なにを・・・」
103娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:05:19.74 0
鈴木の力に工藤では敵わずそのまま息が止まった

偶然にも工藤は卯年だった
尾形が卯年と言うことで呪い説は否定されていたが
もしかしたら考え直してくれるかもしれない
そう思った

前藤の部屋で紙に呪いの言葉を書いてから
工藤を勝手口から外に出した
前藤と同じように一輪車で墓まで運び
部屋に戻って朝を待った

・・・・・・

小田「やっぱり工藤さんに気付かれたんですね」

鈴木「まさか・・・だよね」

譜久村「でも・・・殺さなくたって・・・」

飯窪「前藤さんは争いの上での過失 尾形ちゃんは不慮の事故
   でもどぅーは殺人です
   どぅーさえ殺さなければまだ何とかなったかもしれないのに・・・」

佐藤「どぅーは鈴木さんに協力しようとしたんじゃないのかなぁ」

鞘師「協力?」

佐藤「モーニング娘。を守るために何とかしようと思って
   でもその為には真実を知る必要があって・・・」

石田「だから鈴木さんから本当の事を聞きたかった・・・」
104娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:06:13.37 0
鈴木「そんなわけ・・・」

佐藤「真実を知ったらそりゃどぅーも怒るかもしれないけど
   でも怒った後はモーニング娘。をこれからもやっていけるように
   一緒に考えてくれたと思う、そういう奴だよどぅーは」

生田「香音ちゃんがもし警察に捕まればモーニング娘。がどうなるか分かるやろ?
   人としてやってはダメな事かもしれんけど
   モーニング娘。として守らなきゃならんことがあるったい」

鞘師「だから誰も殺人犯にならないように
   そんな事できるか分からないけど
   でも私たちはそれをやらなきゃならない」

石田「私たちを待っててくれる人たちがたくさん居ますからね」

小田「工藤さんは鈴木さんを助けたかった
   鈴木さんを助けることは、結果的にモーニング娘。を助けることになるんです
   だから真実を鈴木さんの口から聞きたかったんだと思います」

鈴木「そんな・・・」

譜久村「香音ちゃんもモーニング娘。を救いたかったんだよね
    だから前藤さんを・・・」

鈴木「事故だったのよ・・・本当に事故だったの・・・」

飯窪「分かってます、だからこそその時にすぐにみんなに言って欲しかったです」

鈴木「動揺しちゃって訳分からなくなって・・・
   なんであんなメールしちゃったんだろう・・・」
105娘。たちの夜 赤目山編 ルートB@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:06:43.80 0
鈴木はその場に泣き崩れた・・・

モーニング娘。を想うが故の悲劇だった

尾形は本当に前藤の会話を勘違いで鈴木に伝えてしまったのか
それはもう今となっては分からない

しかし鈴木のとった行動は間違いなくモーニング娘。を想っての行動だった
それは紛れもない事実

モーニング娘。はこれからどうなってしまうのだろうか・・・

17年の歴史がここで途絶えてしまうのか・・・

                                    BAD END
106名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:08:29.91 0
うわぁぁぁっズッキだと予測はしたけどどうかハッピーエンドになってくれ
107名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:09:47.94 0
うおおおおおおお
おっつつううううううううう
108作者@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:12:17.87 0
BADENDなのでまだ別ルートがあります
それはまた明日という事で
109名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:16:25.40 0
AルートもBルートもバッドエンドかい!
まぁ最初に尾形ちゃんが死んでる時点でどうやってもBADではあるが
110名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:26:10.98 0
乙です
尾形の死の真相もわかるのかな
111名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:27:45.75 0
明日も楽しみにしています
112名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/05(木) 23:32:58.16 0
>>26辺りで分岐つくれば全員死ななくていいのか
113名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 01:03:52.69 0
復活待ってたよ
114名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 01:04:23.71 0
復活乙です!
115名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 06:17:40.94 0
作者さんの博多弁の上達っぷりにまずビビったw
116名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 12:34:46.03 0
お昼の良スレ保
117名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 17:14:54.59 0
わくてか
118名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 19:09:47.84 0
超絶期待アゲ
119名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 19:18:48.27 0
今日は何時ごろに始まるのかな?
120名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 19:40:59.57 0
しかし風物詩だった勘違いで殺されるさゆが見れなくなったのは少し寂しいなw
121娘。たちの夜 赤目山編 ルートC@転載は禁止:2015/02/06(金) 19:41:25.02 0
>>70より分岐


3時を過ぎた頃メンバー全員にLINEの通知がきた

譜久村<起きてる人いますか?


小田<起きてますよ

工藤<全く寝れません

生田<聖と一緒に起きてる

A 鈴木<私も寝れない              ルートBへ
B 鈴木は起きていたが返事はしなかった   ルートCへ  ←

小田<既読が多いですよ もう一人誰か起きてますね

工藤<寝たフリしてるのはだれだぁ!

譜久村<寝れる人がうらやましい

工藤<ホントですね

小田<石田さんグッスリです

工藤<まーちゃん戻って3分で寝たよ(笑)

生田<流石やね

その後も4人で30分以上チャットを続けた
122娘。たちの夜 赤目山編 ルートC@転載は禁止:2015/02/06(金) 19:42:14.78 0
工藤<そろそろ眠くなってきたかも 寝るっす

小田<おやすみなさーい

譜久村<おやすみ〜

生田<バイバイ

ここでLINEでのグループチャットは終わった


コンコン

ある部屋で小さなノック音が鳴った

コンコン

この部屋以外には聞こえない程の小さなノック音

ガチャ

ドアのロックが外れる音がした
そしてゆっくりとドアが開いた

中から出てきたのは鈴木だった

工藤「やっぱり起きてたんですね」

鈴木「どうして・・・」

工藤「きっと寝れる心境じゃないだろうと思って」
123娘。たちの夜 赤目山編 ルートC@転載は禁止:2015/02/06(金) 19:43:01.26 0
鈴木「こんな事があればそりゃ・・・」

工藤「ちょっと話しません?」

鈴木「え?」

工藤「下に行きましょう」

工藤は鈴木の返事も聞かずに歩き出した」

鈴木「え?ちょっと待ってよ・・・」


工藤は1階に降りると洗面所に入った
続いて鈴木も入ると工藤はドアを閉めた

鈴木「なに?」

工藤「鈴木さん、お風呂入ってないですよね?」

鈴木「え?何言ってんの?ちゃんと入ったけど」

工藤はバスルームのドアを開けた

工藤「床が乾いてました
   鈴木さんのあとすぐに入ったのに」

鈴木「換気扇回してたからでしょ」

工藤「ありえません、そんなすぐには乾かないです」

鈴木「・・・」
124娘。たちの夜 赤目山編 ルートC@転載は禁止:2015/02/06(金) 19:43:49.47 0
工藤「風呂に入らず何してたんですか?」

鈴木「入ったから!」

工藤「入ってません!
   もしかして尾形ちゃんと前藤さんを・・・」

鈴木「違う!私じゃない!」

工藤「じゃあ風呂に入らず何してたのか説明してください」

鈴木「だから入ったってば!」

A 工藤「・・・入ってません」     ルートBへ
B 工藤「・・・助けたいんです」    ルートCへ  ←

鈴木「え?」

工藤「力になりますから・・・」

鈴木「・・・」

工藤「鈴木さんだけの問題じゃないんです
   これはモーニング娘。の問題でもあるんですよ」

鈴木は下を向いて目を閉じた

工藤「鈴木さん・・・
   犯人は鈴木さんなんですよね?」

鈴木は下を向いたまま小さく頷いた
125娘。たちの夜 赤目山編 ルートC@転載は禁止:2015/02/06(金) 19:44:52.74 0
工藤「詳しく聞かせてもらえませんか?」

鈴木「分かった・・・」

鈴木は一部始終を工藤に説明した

・・・・・・

工藤「そうだったんですか・・・」

鈴木「尾形ちゃんを殺したのは私じゃない
   これは信じて欲しい」

工藤「信じますよ
   前藤さんも殺意があった訳ではないんですね」

鈴木「うん、倒れた場所が悪かっただけなの」

工藤はしばらく考えた

工藤「もしかしたら何とかなるかもしれない」

鈴木「本当?」

工藤「はい、尾形ちゃんはおそらく転倒して飛び石に額を強く打ったんですよね」

鈴木「うん、そうだと思う」

工藤「まずは尾形ちゃんを倒れてた位置に戻しましょう
   変な工作はせずに転倒して死んでしまったそのままの状態にするんです」

鈴木「なるほど」
126娘。たちの夜 赤目山編 ルートC@転載は禁止:2015/02/06(金) 19:45:57.96 0
2人は工藤の作戦を実行に移した

玄関から外に出て桜の墓に向かった

工藤「鈴木さん反対側持ってください」

鈴木「オッケー」

2人で尾形の体を持ち元々倒れていたいた場所まで運んだ

工藤「これでよし」

鈴木「あとは何をすればいい?」

工藤「前藤さんに靴を履かせましょう
   裸足なのはやっぱり不自然ですから」

鈴木「そうだね、私前藤さんの靴持ってくる」

工藤「お願いします」

鈴木は玄関に戻って前藤の靴を持って戻ってきた

鈴木「持ってきたよ」

工藤「じゃあもう一度桜ちゃんもお墓へ行きましょう」

鈴木「うん」

2人は再度桜の墓へやってきた

そして鈴木が前藤の足に靴を履かせた
127娘。たちの夜 赤目山編 ルートC@転載は禁止:2015/02/06(金) 19:46:43.14 0
鈴木「よし、これでオッケー」

工藤「これで桜ちゃんの呪いで殺されたって事に出来るはずです」

工藤は何故か少し離れたところに立っていた

鈴木「でも前藤さんの頭の傷はどう説明するの?」

鈴木はそう言いながら工藤に近づいた

工藤「あの言葉を新しく作り直しましょう
   鼠が牛を食う 鼠が兎を喰う」

鈴木「なるほど・・・でも虎が抜けてるの不自然じゃない?」

工藤「もちろん虎も新しく作ります」

鈴木「どういうこと?」

工藤「あれを見て下さい」

工藤は鈴木の後方に目をやった
鈴木はそれを見て振り返った

鈴木「え?なに?」
128娘。たちの夜 赤目山編 ルートC@転載は禁止:2015/02/06(金) 19:47:21.68 0
ゴンッ!

鈍い音が響いた

鈴木はその場に倒れた

工藤は足元にあった大きな石で鈴木の頭を殴った
少し離れたところに立っていたのはこの大きな石を拾うためだった


工藤「これで虎もできました
   3人とも桜ちゃんの呪いで殺されたなら
   モーニング娘。から殺人犯が出ることは無い・・・
   みんな・・・安心して・・・
   ハルがモーニング娘。を救ったよ・・・」


                                BAD END
129作者@転載は禁止:2015/02/06(金) 19:51:05.12 0
もちろんまだ別ルートありますw
連投規制の関係で20時から始めますね
130娘。たちの夜 赤目山編 ルートD@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:01:40.30 0
>>9より分岐


A 小田「桜ちゃん 安らかにお眠りください・・・」                 ルートAへ
B 小田「桜ちゃん モーニング娘。をこれからも見守っていて下さいね」   ルートDへ  ←

小田は去り際に桜の墓石に触れた

その時突然、映像が小田の脳内で再生された

小田(これは・・・桜ちゃんの記憶・・・?
   
   ううん違う、この別荘・・・
   
   ここは2階・・・生田さんが部屋に戻るために歩いてる
   
   向こうから春水ちゃんが来て生田さんとすれ違った
   
   春水ちゃんがドアに耳を当てて何か聞いてる
   
   そこに鈴木さんが来て2人で何か話してる
   
   そして春水ちゃんが部屋に戻った
   
   鈴木さんがその部屋に入った・・・前藤さんの部屋?
   
   鈴木さんと前藤さんが何か話してる
   
   前藤さんが写真を撮った
   
   鈴木さんと前藤さんが掴み合っている
   
131娘。たちの夜 赤目山編 ルートD@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:03:10.99 0
   前藤さんが後ろに倒れテーブルの角に頭を打った

   ・・・何これ?この映像はなに!?)

そして小田は現実に戻った

石田「小田ぁ〜おいてくよ〜!」

みんなは既に別荘に戻るため歩き始めていた

小田「待ってくださーい!」


墓参りのあとはメンバーそれぞれ自由な時間を過ごした

時刻はあと数分で21時になろうとしている

小田は和室で寝転がっていた
新しい畳がとてもいい香りで心が落ち着いた

しかし小田は桜の墓参りで頭に浮かんできた映像の事が気になっていた

小田(桜ちゃんのお墓に触れた瞬間あの映像が浮かんできた
   前藤さんが死んでしまうという恐ろしい映像・・・
   しかも前藤さんを死なせてしまうのは鈴木さん・・・)

牧野「小田さんどうかしたんですか?」

羽賀「考え事ですか?」

和室には他に牧野と羽賀がいた
一点を見つめて動かない小田を不思議そうに見ている
132娘。たちの夜 赤目山編 ルートD@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:04:11.30 0
小田「え?・・・ううん、何でもないよ大丈夫」

牧野「そうですか・・・」

それでも牧野と羽賀は訝しげに小田を見ている

小田(ひょっとして予知夢のようなもの?
   桜ちゃんがこれから起こる出来事を私に教えてくれた?
   と言う事は・・・)

小田はいきなり立ち上がった

羽賀「え?どうしたんですか?」

しかし小田は何も答えずにリビングに続くドアを開けた

リビングには譜久村と10期の4人がいた

小田「あの生田さん今どこに居ます?」

譜久村「衣梨ぽんなら今お風呂だよ」

工藤「どうかした?」

小田「いえ、なんでもないです」

その時丁度生田が風呂から出てリビングに戻ってきた

飯窪「あ、次わたしお風呂入っていいですか?」

石田「いいよ」
133娘。たちの夜 赤目山編 ルートD@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:05:20.07 0
佐藤「長風呂すんなよー」

飯窪「分かってるってばぁ〜」

飯窪は着替えを取りに2階へ上がった

小田(生田さんはいつ2階へ行くんだろう・・・)

生田「さくらちゃんどうしたん?そんなところに突っ立ったままで」

小田「あ・・・あああ、そうですよね、座ります」

小田はソファに座った

佐藤「なんかオダベチカおかしい」

石田「おかしいのはいつもだけどねっ!」

小田「なんでですか!」

飯窪が階段を降りてくる音が聞こえた
そしてそのままバスルームへ向かった

生田「じゃあ衣梨一回部屋に戻るわ」

譜久村「わかったぁ」

小田(え!?戻るんですか!?きっとこれからアレが始まるんだ!)

生田はリビングを出てゆっくりと階段を登った

そしてちょうど21時からのテレビ番組が始まった
134娘。たちの夜 赤目山編 ルートD@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:06:18.31 0
小田「私も一度もどりますね」

佐藤「何しに来たんだよ小田」

石田「もう小田ちゃん意味わかんない(笑)」

小田「アハハ 自分でもよくわかりません(笑)」

小田は生田の後を追うように2階に向かった


階段を登ると廊下の中ほどで生田と尾形がすれ違っていた
笑顔で手を振り合っている

生田は自室へ、尾形は階段の方へやってくる
そして小田と尾形は目が合った

小田は笑顔で手を振った
すると尾形も笑顔で手を振り返す
そして尾形は階段の左にあるトイレに入った

小田(予知夢と一緒・・・
   確かこの後尾形ちゃんは前藤さんの部屋で何かを聞くはず)

小田は急いで自分の部屋に戻った
そしてドアを少しだけ開けて廊下を覗いた

尾形がトイレから出てきた
3歩ほど自室の方へ歩くと突然後ろを振り返った
するとトイレの方に戻った・・・と思いきや
前藤の部屋のドアに耳を当てた
135娘。たちの夜 赤目山編 ルートD@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:07:24.45 0
小田(一緒だ!予知夢と一緒!そして鈴木さんがくるんだよね)

1分程すると予知夢通り階段を登ってくる足音が聞こえた
鈴木だった

鈴木「尾形ちゃん何やってんの?」

尾形は口に人差し指を当てた

そして2人は小声で何か話している
小田にその声は聞こえていない

話し終わると尾形は自室に戻った
そして鈴木はノックもせずに前藤の部屋に勢いよく入った

小田(ダメ・・・ダメです鈴木さん・・・この後前藤さんは・・・)

小田は部屋を出て前藤の部屋に近づいた
ドアが少し開いていたため声が聞こえてきた

鈴木「絶対に許さないから!全部会社に言ってあなたの事クビにしてもらうから!」

小田(クビ?何のこと?)

前藤「怖い顔ね、アイドルがこんな顔しちゃダメじゃない」

鈴木「おい!ふざけんな!そのカメラよこせ!」

小田(ダメ・・・止めないと前藤さんが死んじゃう!)

前藤の部屋に走って踏み込むと2人は掴みあっていた
136娘。たちの夜 赤目山編 ルートD@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:09:21.25 0
小田「やめてください!!!」

突然入ってきた小田に驚き二人は動きを止めた

小田「やめて下さい!この後鈴木さんは前藤さんを殺してしまいます!」

鈴木「ちょっと・・・いくらなんでも殺したりしないわよ」

小田「この後前藤さんは後ろに倒れてそのテーブルの角に頭を打って死んでしまうんです!」

鈴木「いやいや・・・何言ってるのさくらちゃん」

前藤「鈴木、あなた私の事殺しに来たの?」

鈴木「そんなわけないじゃないですか!そりゃ腹は立ってますけど」

小田「でも、もう大丈夫です 未来を変えることが出来ました」

鈴木は小田の額に手を当てた

鈴木「うーん熱はないみたい」

前藤「やっぱり小田って不思議な子ね・・・」

鈴木「小田イズムってやつです、でも今回は重症みたいですね」

小田「それで鈴木さんは何故そんなに怒ってるんですか?」

鈴木「あっ!そうだ!前藤さん!正直に言ってください!」

前藤「だから何をよ!さっきからまったく意味が分からないわ!」
137娘。たちの夜 赤目山編 ルートD@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:10:30.88 0
鈴木「まだ白を切るつもりですか!
   週刊誌の記者に私たちのスキャンダルやスクープを売るつもりですよね!」

前藤「え?・・・あははは(笑)
   もしかしてさっきの電話聞いてたの?」

鈴木「そうですよ!」

前藤「さっきの電話は旦那よ
   旦那がふざけて『モーニング娘。のマネージャーになったからって
   変な写真売り飛ばしたりするなよ』なんて言うもんだから
   ちょっとスパイになりきって冗談言っただけよ」

鈴木「え・・・」

前藤「もしかして私が本当にそんな事してると思ったの?」

鈴木「え・・・いや・・・そういう訳じゃないんですけど・・・」

前藤「だとしたらごめんね、ちょっと演技が上手すぎたのかな(笑)

鈴木「おーーーーーーがーーーーーーーたーーーーーーーー!!!!!」

鈴木は部屋を飛び出した

小田「す、鈴木さん!」

鈴木は尾形の部屋に行くと勝手にドアを開けて中に入った

鈴木「尾形っ!そこに座れ!!!」

尾形「はっ!はいっ!」
138娘。たちの夜 赤目山編 ルートD@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:11:22.43 0
一緒に部屋にいた野中も驚いて何故か一緒に正座している

鈴木「あんたのせいで私が大恥かいたじゃない!どうしてくれんのっ!」

小田「ちょっと鈴木さん!」

鈴木「なんでもっとちゃんと聞いてから私に言わないの!」

尾形「ごめんなさい・・・」

野中「ごめんなさい・・・」

小田「いやいや、チェルは謝らなくていいよ(笑)」

鈴木「あーもう!ほんと恥ずかしかったわ!」

小田「でも鈴木さん、勘違いで逆に良かったじゃないですか
   本当に前藤さんがスパイだったらやばかったですよ」

鈴木「まぁ確かにそうだね」

小田「ここは私に免じて春水ちゃんを許してあげてください、お願いします」

尾形「お願いします」

野中「お願いします」

鈴木「まぁ・・・いっか 笑い話のネタが増えたわ(笑)」

小田「それでこそ鈴木さん!」

鈴木「そうそう、私携帯取りに来たんだった」
139娘。たちの夜 赤目山編 ルートD@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:12:31.64 0
そう言うと鈴木は自室に戻った

小田「よかったね 本当なら鈴木さんあのまま前藤さんを・・・」

小田(これは言わないほうがいいか・・・)

尾形「どうしはったんです?」

小田「ううん、なんでもない!じゃあ私も戻るね」

尾形「はい、ありがとうございました」

野中「ありがとうございました」

小田は部屋を出てドアを閉めた

小田(そっか、あのままなら鈴木さんは勘違いで前藤さんを死なせてしまってたんだ・・・
   しかも鈴木さん本人じゃなく春水ちゃんの勘違いで鈴木さんが・・・
   本当に良かった・・・
   それもこれも桜ちゃんのおかげだね

   ありがとう・・・桜ちゃん)

桜のおかげでモーニング娘。は救われた

メンバー達が桜を想い続ける限り

これからもきっと桜はモーニング娘。の守り神になってくれるだろう

そしてこの赤目山の地で新しい素敵な思い出の1ページが書き綴られるのであった

                                                                終わり
140名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:18:39.20 0
おっつうううううううううううううう
おもしろかったよおおおおおおおおおおおおお
141作者@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:20:02.25 0
本編はこれで完結です
ここまで読んでくれた方ありがとう

しかしまだ別ルートあります
まだ完成していないので少しお待ち下さい
142名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:33:31.66 0
良かったぁぁ(´;ω;`)別バージョンも楽しみにしてます
143名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:34:53.17 0
はーちんほんまにこけて死んだんかいw
144作者@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:42:59.28 0
>>143
はいw
いや真相は闇の中という事にしておきましょうかw
145名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:47:53.01 0
>>124-128
この工藤編が秀逸だった
>>103-105があっただけに
まさかこうくるとはまったく読めなかった
146名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 20:51:01.05 0
このシリーズのみんな基本的に頭おかしいんだけど
モーニング娘。愛だけは物凄いんだよなw
147作者@転載は禁止:2015/02/06(金) 21:10:05.57 0
>>145
そう言っていただけると嬉しいです
いかにもサウンドノベルらしい大どんでん返しですねw

>>146
愛ある故に間違った選択をしてしまうってやつですかねw
殺人ミステリーにするにはそうなってもらわないと話が書けないのでw
148名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 21:47:52.08 0
これをメンバーに演技させたら面白そうだな
149名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 21:52:15.50 0
過去にメンバー同士で罪を擦り付け合う展開があったけどああいう頭脳戦をまた読んでみたいな
150作者@転載は禁止:2015/02/06(金) 22:02:22.82 0
南国編の2話ですかね?
書いてても自分の頭混乱した思い出w

もしストーリーがひらめいたら頑張りますw
151名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 22:06:30.51 0
>>150
楽しみに待っています
152名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 22:40:13.10 0
おお続きが来てた!! 良かったぁハッピーエンドがあってw
お疲れさまでした
153名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 23:04:54.43 0
おさらい

道重…不憫
譜久…だいたいふくちゃん(家の別荘)のせい
生田…豪快イケメンキレやすい
鞘師…キチガイ
鈴木…流されやすい
飯窪…腹黒い
石田…ハンガー
佐藤…オカルトアイテム万能+直感
工藤…生存率ナンバー1
小田…推理するキチガイ
154名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 23:13:39.65 0
だーいしもうちょっと何かあるだろw
155名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 23:20:27.88 0
石田はギャグパートもあるが比較的ヒロイン的立ち位置も多かった気がするw
156娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/06(金) 23:54:54.05 0
>>10から分岐


墓参りのあとはメンバーそれぞれ自由な時間を過ごした

まだ加入したばかりの12期の4人とも
距離を縮めることが出来たいい時間だった
マネージャーの前藤もメンバー達と子供のようにはしゃいでいた

楽しい時間はあっと言う間に過ぎ

A 時刻は22時になろうとしていた        ルートAへ
B 時刻は21時30分になろうとしていた     ルートEへ   ←

鞘師は2階への階段を登っていた
入浴するために着替えを取りに来たのだ

階段を登りきって右を向いた正面が鞘師の部屋になっている

部屋はすべて2人用の部屋になっているがメンバーは13人と奇数
当然誰かが1人になるが鞘師は率先して1人を選んだ

メンバーが嫌いな訳ではない
これはある種の使命感だった

最近は『ひとりほりほ』というキャラが定着してネタになっている
ここで鞘師が2人部屋になることは許されない空気感があった

実際誰も鞘師に同じ部屋になろうと声を掛けてくるメンバーはいなかった

でもそれでよかった
折角頂いたキャラ、とことんやってやろうと鞘師は心に決めていた
157娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/06(金) 23:55:46.25 0
鞘師は部屋に入ると大きな旅行バッグから着替えの下着やバスタオルを取り出した
そしていざバスルームへと部屋を出た

部屋を出て正面を見ると階段の降り口がある
その先にはトイレがあり突き当たりは前藤の部屋になっている
前藤も鞘師と同じ1人部屋だった

その前藤の部屋のドアが半開きになっている

A 特に気にせず階段を降りた              ルートAへ
B 鞘師は廊下から前藤の部屋を覗いてみた     ルートEへ   ←
158作者@転載は禁止:2015/02/06(金) 23:57:19.07 0
ルートEのさわりの部分です

続きはまた明日
159名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/06(金) 23:57:47.82 0
おっつううう!
160名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 06:32:33.37 0
娘。たちの朝
161名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 09:12:09.17 0
おはよう 今夜も楽しみだ
162名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 11:54:40.04 0
乙です
続き楽しみ
163名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 14:16:01.21 0
復活きたー!やっと追いついた…続き楽しみー!
164名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 15:45:41.26 0
ハンガー待ち
165名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 19:27:29.57 0
ハンガーw
うっかり忘れてた
166娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 20:09:55.40 0
すると前藤の足が見えた

鞘師(前藤さん?床で寝てるの?)

半開きのドアをさらに開けて部屋の中を見た
すると前藤が床に仰向けになっていた

鞘師(やっぱり寝てる、風邪引いちゃいますよ・・・起こしてあげよう)

前藤に近づいてポンポンと肩を叩いた

鞘師「前藤さん、起きてください」

しかし気付く様子は無い

鞘師「前藤さん、前藤さん」

やはり気付かない

鞘師(ん〜、もういいや)

諦めて部屋を去ろうとしたとき前藤の頭の下の床に血があるのを見つけた

鞘師(え!?・・・血!?)

慌てて前藤の体を強く揺すった

鞘師「前藤さん!前藤さんどうしたんですか!?」

しかし反応が無くここで寝ているわけではないと分かった

皆を呼ぼうと思い部屋を飛び出して2階の吹き抜けから声をかけた
167娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 20:11:04.04 0
鞘師「みんな大変!前藤さんが!・・・前藤さんが!!!」

下には何人かメンバーがいた

譜久村「前藤さんがどうしたの!?」

鞘師「頭から血を出して倒れてるの!お願い早く来て!」

鞘師の声に応接間や和室からも次々とメンバーが出てきた
2階の各部屋から生田と野中も廊下に出てきた

生田「里保どうしたん?大きい声出して・・・」

鞘師「前藤さんが倒れてるの!」

生田「なんでなん?」

前藤の部屋の前までやって来た生田と野中は部屋の中を覗いた
倒れている前藤を見て生田は何度も前藤の意識を確認している
野中は口に手を当てて驚いている
そしてなぜかキョロキョロと辺りを見回している

1階にいたメンバーも全員2階に上がってきた

『前藤さん!』『何があったの?』『大丈夫なの!?』

鞘師は状況を説明した

生田「死んでる・・・」

『いやあああああ!!!!!!』
168娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 20:12:01.30 0
メンバー達は叫んだ
そして混乱した

その混乱の中でヒソヒソと何かを話してる二人がいる

尾形と野中だった

そしてその2人をじっと見ている鈴木の姿がある

しかし他のメンバー達はその事に気付いている様子は無かった

石田「ねぇ・・・前藤さんの傍にデジカメが落ちてる」

皆が石田が指差した方向を見る
そして前藤ののすぐ傍にいる生田がそのデジカメを拾った

生田「何か撮ろうとしてたとかいな」

慣れた手つきでデジカメを操作する

生田「え?・・・香音ちゃん?」

鈴木「え?」

生田「なんで香音ちゃんが映っとるん?
   しかもめっちゃ怖い顔しとるっちゃけど」

生田はデジカメの画面を皆に見せた

小田「いつの写真ですか?」

鈴木「えーと、いつだったかな・・・」
169娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 20:13:07.57 0
生田が再度画面を見る

生田「30分前やん!」

鞘師「香音ちゃん?30分前ここにいたの?」

佐藤「30分前はまだ前藤さん生きてたんですか?」

飯窪「そういう事になるね」

工藤「とりあえず警察に連絡しませんか?」

するとメンバー達の後ろで野中とヒソヒソ話しをしていた尾形が出てきた

尾形「待って下さい!鈴木さんが前藤さんを殺してしまったとさっき言ってはりました」

鈴木は『何で言うのよ!』という顔と尾形に対する怒りが混じった顔で睨みつけている

譜久村「香音ちゃん本当なの!?」

メンバー全員が驚き鈴木の返答を待っている

鈴木「・・・ごめん」

皆驚いた表情で固まったまま動けなかった

尾形「このまま警察を呼んだら鈴木さんが・・・」

尾形はただ鈴木の犯行を皆にバラしたい訳ではなかった
モーニング娘。の事を考え警察を呼ぶのはまだ待って欲しかった

鈴木は事の成り行きを説明した
170娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 20:13:55.34 0
鈴木「だから殺すつもりがあったわけじゃなくて事故なのよ」

尾形「私にも責任あるんです・・・」

生田「でも何ですぐに言わなかったん!すぐに手当てしてれば助かったかもしれんやん!」

鈴木「ごめん・・・気が動転してて」

生田「ごめんじゃ済まんやろ!」

鈴木「・・・ごめん」

生田「どうするん!この状況・・・もう終わりやん!」

小田「生田さん・・・今はもうそれ以上は・・・」

譜久村「このまま警察に連絡したら香音ちゃんも、モーニング娘。も・・・」

石田「前藤さんが1人で転んで頭を打ったという事にできませんかね?」

佐藤「それいいかも!」

工藤「でもどうやって?」

鞘師「とりあえず香音ちゃんが前藤さんの携帯を使って
   尾形ちゃんに送ったメールは消したほうがいいんじゃない?」

石田「尾形ちゃんも送られてきたメール消したほうがいいね」

小田「待って下さい!確か消したメールも復元できるって聞いたことがあります
   そしたらメール消してること自体怪しまれますよ」
171娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 20:14:58.99 0
飯窪「じゃああのメールは前藤さん本人が送ったことにしたら?」

工藤「それがいいね」

鈴木「みんなごめんね・・・それとその携帯には私の指紋も付いてる」

生田「そっか!じゃあ拭かな!」

テーブルの上に置いてある前藤の携帯を生田が持った

鞘師「待って待って!前藤さんの指紋まで消えてたらおかしいよ」

生田「そっか・・・」

譜久村「でも香音ちゃんの指紋付いてたらバレちゃうよ」

小田「それにいま生田さんの指紋も付きましたね」

生田は思わず携帯を手放して携帯が床に落ちた

生田「どうするん!」


しばらく沈黙が続いた


そしてついに譜久村が決断した

譜久村「・・・隠そう」
172娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 20:15:58.26 0
石田「携帯をですか?」

譜久村「前藤さんも」

『え!?』

皆が驚きの声を上げた

譜久村「前藤さんは行方不明ってことにするの
    気が付いたら突然いなくなってたことに」

工藤「行方不明・・・」

鞘師「でも隠すってどこに?」

譜久村「この辺りはこの別荘以外は全部森だよ
    隠すところならいくらでもある
    森のずっと奥の方に埋めよう」

小田「それって・・・死体遺棄・・・ですよね」

鈴木「そんなことしたらみんなが犯罪者になっちゃう!
   やめようよ、私のためにこんな事」

譜久村「これは香音ちゃんだけの問題じゃない
    モーニング娘。の問題なの!」

生田「本当に見つからないって言い切れると?
   もし見つかったらもっと大変なことになるとよ」

石田「そうですよね・・・全員が犯罪者に」
173娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 20:16:47.16 0
譜久村「じゃあ香音ちゃんだけに責任取らせる?それでいい?」

鞘師「そんなのだめだよ!みんなで香音ちゃん助けてあげようよ!
   今までみんなで頑張って来たじゃん!」

小田「もちろん助けてあげたいです、でも埋めただけじゃ・・・
   警察犬とか使われたら絶対バレると思うんです」

工藤「埋めるのがダメなら他に何か方法あります?」

しばらくその方法を皆で考えた

譜久村「あ・・・」

生田「何か方法あると?」

譜久村「地下室・・・」

鞘師「地下ってもう誰でも出入りできるじゃない」

譜久村「ううん、あの地下室さらに奥があるの」

工藤「そうなんですか?」

譜久村「リフォームしてから地下室行ってないから
    今どんな状態になってるか分からないけど」

飯窪「一度見に行ってみませんか?」

佐藤「うん行こう!」

メンバー達は一度地下室に行ってみる事にした
174娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 20:17:48.21 0
石田「凄い、綺麗になってる」

工藤「床も土のままじゃなくてコンクリートになってる」

壁も古いコンクリートの上にグラデーションという
塗装でコンクリートの打ちっぱなしの様に見せる技術が使われ
まるで新しくコンクリートを打ち直したかの様になっていた

しかし地下室は360度その壁に覆われていて奥があるようには見えなかった

生田「奥ってどこから行くん?」

譜久村「これを使うの」

譜久村は1枚のカードを取り出した

鞘師「それなに?」

譜久村「聖もまだ使ったことないんだけど
    これが奥に行く扉の鍵らしいの」

鈴木「カードが鍵?」

譜久村「確か・・・この辺だったはず」

譜久村は壁にカードをかざしている
するとピッと機械音がなった

佐藤「なんか音がした!」

譜久村「これでロックが外れたはず」
175娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 20:19:09.64 0
そう言うと壁を押した
するとコンクリートの壁に見えた一部分が開いた
扉の部分にもグラデーションが施されていて
見た目にはコンクリートと同じように見えた
コンクリートの壁には必ず型枠のジョイントが90センチ間隔である
扉の隙間もジョイントに見間違えるように工夫されて取り付けられていた

牧野「え!?凄い!これなら分からないです!」

鞘師「しかもそのカードが無いと絶対に開かないんだよね?」

譜久村「うん・・・でも・・・」

石田「でも?」

譜久村「さっき警察犬の事言ってたけど
    匂いで気付かれたらここも開けなければならなくなる」

小田「そうですよね、警察に言われたら開けないわけにはいかないですよね」

工藤「森に埋めるか、この地下室に隠すか・・・どうします?」

鞘師「・・・ここにしよう、ここに賭けよう」

譜久村「本当にいい?」

石田「鞘師さんが言うなら私はそれで構わないです」

飯窪「私も同じ意見です」

譜久村「他のみんなは?」
176名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 20:27:30.05 0
今日もきましたわ!
177娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 21:04:37.61 0
全員が頷いた

鞘師「じゃあ前藤さんをここに運ぼう」

生田「おっけー!」

佐藤「待って!奥に何かある!」

地下室を一度出ようとしたとき佐藤が奥を指差した
皆が中を覗きこんだ

そこには小さな祠があり中に小さな石像があった

石田「なに!?・・・怖い・・・」

飯窪「こんなところに祠が・・・」

佐藤「目が赤く光ってるよ!」

石像の目には赤く光る石が2つ埋め込まれていた

譜久村「何なのこれ・・・」

生田「聖も知らんと?」

譜久村「うん、この先に隠し部屋があるのは知ってたけど
    中に入ったことは無かったし」

羽賀「なんか気味悪い・・・」

鈴木「大丈夫かなぁ、こんなところに隠して」
178娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 21:05:16.52 0
鞘師「大丈夫・・・だってここしかないもん」

その時工藤が頭を抑えてよろめいた

石田「ちょっとどぅー!大丈夫!?」

工藤「ごめんごめん・・・何か凄い嫌な気を感じて・・・」

飯窪「この石像から?」

工藤「うん・・・多分そうだと思う」

生田「何も感じんけど・・・」

佐藤「もしかして霊感?」

工藤「でも大丈夫、早く前藤さんをここに運びましょう!」


メンバー達は再度前藤の部屋に戻った

小田「収納庫にブルーシートがありました、これ使ってください」

匂いがなるべく外に漏れないようにシートで包み
ロープでそれを縛った

石田「携帯も忘れずに持って行ってください」

飯窪「前藤さんの靴も一緒に隠さないとダメですね」

鈴木や生田など力のある人が前藤を運び
他は部屋の血痕を徹底的に掃除した
179娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 21:05:45.04 0
全員の作業が終わるとリビングに集まった

ソファの数が足りないので
牧野と羽賀が応接間の椅子を持ってきてそれに座った

鈴木「ごめんね・・・みんなにこんな事させちゃって」

譜久村「香音ちゃん大丈夫だよ、みんなで決めたことなんだから
    それよりみんな、ちゃんと言ったこと忘れないで」

鞘師「分かってる
   前藤さんは夕食後に部屋に戻った」

尾形「メールで呼ばれて仕事の話しをしました」

工藤「朝になると前藤さんはいなかった」

飯窪「前藤さんは夜中のうちにいなくなった事にするんですよね」

佐藤「荷物を置いたまま夜中に外に出てどこかへ行っちゃったんですよ」

譜久村「明日の朝お父さんに前藤さんがいなくなったって電話するから
    それまではみんな普通に過ごして」

石田「分かりました」

何も気にせずに普通に過ごすのは流石に無理だった
会話をしていても今ひとつ盛り上がらず
笑顔もどこか作り笑顔のような
何をしていても前藤の事が気になって仕方が無い
180娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 21:06:43.25 0
時刻は深夜2時
既にメンバー達は部屋に戻っていた

こんな状況でもグッスリと眠れる者
考えすぎて眠りに付けない者
様々だった

そんな中、生田が部屋から出てきた

生田はそのままトイレに向かった
そしてトイレから出るとある部屋のドアが置いていることに気付いた

その部屋は鈴木と飯窪の部屋だった

部屋のドアは内開きのため
同じ東側に部屋がある生田は
部屋を出たときドアが開いていることに気が付かなかった

それともトイレに入っている間にドアが開いたのか
それは分からなかった

生田はトイレを出て真っ直ぐ進み鈴木と飯窪の部屋の前まで来た
するとトイレの位置からは見えなかった尾形と野中の部屋のドアも開いていることに気付いた

生田は不思議に思いながらもまずは鈴木と飯窪の部屋を覗いた

暗くてよく分からなかったがシルエット的におそらく鈴木だろうか
ベッドから転げ落ちたのか床に寝ている

生田(香音ちゃんそんなに寝相悪かったっけ?)

部屋の中に入り鈴木の顔を覗いた
181娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 21:07:30.44 0
すると鈴木の目がカッと見開いていた

生田「キャッ!」

生田らしからぬ声を出した

生田「香音ちゃん・・・?」

鈴木の体を軽く揺すってみるが反応が無い
死んでいると脳が認識した瞬間生田は後ろに飛んで尻餅をついた

鈴木は目を大きく見開いたまま死んでいた
何か恐ろしいものを見たままの表情の様だった

生田「なんで・・・香音ちゃん・・・
   はるなん!・・・はるなん!」

隣のベッドでは飯窪が仰向けで寝ている

生田「はるなん起きて!」

飯窪が寝ているベッドに近づいて起こそうとした

しかし飯窪も目を大きく見開いていた

生田「イヤァアアア!」

またらしからぬ悲鳴を上げた

飯窪も鈴木と同じような表情をしたまま死んでいた
182娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 21:08:21.64 0
生田「何なん!・・・どうなっとると!?
   聖・・・聖!大変っちゃ!」

部屋を飛び出して譜久村を呼びに行こうと思ったが
廊下に出たところで立ち止まった

同じ様にドアが開いているもう1つの部屋
尾形と野中の部屋が気になった

もしかしてあの2人も・・・
心に覚悟を決めて部屋を覗いた

やはり予想通りの光景だった

尾形が窓に手を掛けてあけようとしている状態でぐったりしている
左手で首を押さえている

部屋の奥の隅には野中がこちらを向いて座っている
そしてやはり目を見開き驚いた表情のまま固まっている

生田「なんで・・・なんでなん?何が起きとると!」

その時背後から気配がした
それに驚きすばやく振り返った

暗闇の中に赤い光が2つ見えた
それは目だった

生田「うっ・・・息が・・・できない・・・」

突然生田の呼吸が止まった
183娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 21:09:07.40 0
生田「や・・・め・・・て・・・」

助けを呼ぼうにも声が出ない

廊下の床に両膝を付いて前屈みになってうずくまる

生田「み・・・んな・・・逃・・・げ・・・」

前屈みの状態から横に倒れ生田はそのまま動かなくなった

そしてその両目は大きく見開いていた

・・・・・・

その瞬間工藤は目を覚ました

工藤(なんだろう・・・この感じ)

隣の佐藤を見るとぐっすり眠っている

工藤(この気・・・地下室で感じたものと同じ・・・)

ベッドを降りて廊下の様子を見ようとした
だがドアノブに手を掛けたところで躊躇した

工藤(今は部屋から出ないほうがいいような気がする・・・)

ドアノブから手を離すとそっとドアにロックをかけた

工藤(嫌な予感がする・・・とても嫌なことが起こりそうな気がする)

工藤はベッドに戻ると布団を頭まで被った
184娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 21:09:56.95 0
同室の生田が死んでしまった事も知る由の無い譜久村は
ベッドにうつ伏せになってヘッドフォンで音楽を聴いていた

隣の鈴木と飯窪の部屋で生田が悲鳴を上げたことに気付かない理由は
このヘッドフォンだった

しかもこのヘッドフォンは生田の物で
ついさっき生田に聴いてみてと言われた音楽を聴いていた

部屋の電気は消されていたが
ベッド横のナイトデスクの上にあるオレンジのスタンドライトが
部屋をほんのりオレンジ色に染めていた

譜久村(んー聖にはこの音楽合わないかも)

音楽を聴き終わってヘッドフォンを外した

譜久村(衣梨ぽんトイレにしては遅いな・・・)

その時ガチャっとドアが開く音がした

譜久村「おかえり、遅かったね」

譜久村はうつ伏せのまま振り返らずに言った

しかし返事は無い

さらに振り返らずに続けた

譜久村「さっきの聴いたけどさ、やっぱり聖の趣味じゃないかも」

やはり返事は無い
185娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 21:11:04.94 0
さすがに気になり譜久村は振り返った

譜久村「衣梨ぽん?」

しかし譜久村の視界に入ったのは生田ではなく
2つの赤い光だった

スタンドライトが付いていたためはっきりとその姿を確認できた

譜久村「前藤・・・さん」

そこには目を赤く光らせた前藤の姿があった

譜久村「何で!?何で生きてるの!?どうやって出てきたの!?」

前藤は部屋の中に数歩進んだ

譜久村はベッドから降りて部屋の一番奥へ逃げる

すると前藤の赤い目がさらに明るく光った

譜久村「う・・・息が・・・何で・・・」

目を見開いて驚いた表情で前藤の顔を見ている

譜久村「や・・・め・・・て・・・」

苦しさのあまり手足をバタバタと動かす

譜久村(死にたくない!まだ死にたくない!お父さん助けて!!!)
186娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 21:12:11.02 0
しかし次第に視界がぼやけ意識が遠くなり
やがて体は動かなくなった

その顔は目を見開いて前藤を恐怖の表情で見たままの表情だった
187名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 21:54:30.12 0
心霊編に突入か
188名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 21:57:30.49 0
このスレらしい展開やな
189娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 22:01:07.51 0
小田「あははは(笑)」

真っ暗な部屋の中で小田は笑っていた
ベッドでうつ伏せになりながら
イヤホンを付けて携帯で動画を見ていた

小田「あははは(笑)ウケル(笑)」

隣のベッドで寝ている石田に気を使い小声で笑っている

しかし隣の石田はまだ起きていた
何でも考えすぎてしまう性格のためか
前藤の事が気になって眠れなかった

石田(もう!なんだコイツはっ!)

石田は枕元にある携帯を手に取ると
波の音が流れる安らぎのBGMをかけた

小田は動画が終わるとイヤホンを外した
すると突然小田の耳に波の音が聞こえた

小田(何この音!?)

ベッドから立ち上がるとナイトデスクの上にあるラジカセが目に入った
停止ボタンを何度も押すが波の音は消えない

石田(ラジカセ押してる(笑)私の携帯だし(笑)
   いいや面白いからこのまま無視しちゃおう)

小田(あ・・・なんだ石田さんの携帯か)
190娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 22:02:04.35 0
その時ガチャっとドアが開く音がした

起きていた2人は同時に振り向いた

そこには2つの赤い光があった

石田はスタンドライトに手を伸ばしてスイッチを入れた

小田「前藤さん・・・」

石田「どうして・・・」

前藤は1歩ずつゆっくりと部屋の中に進んでくる

小田「・・・来ないで!」

石田「なに!?何なの!?」

前藤の赤い目がさらに光った

石田「なん・・・で・・・」

小田「石田さん!」

首を押さえて苦しむ石田に小田が駆け寄る

石田「くる・・・しい・・・」

小田「どうしたんですか!?石田さん!石田さん!」

石田は腕を掴む小田を押し返した
191娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 22:02:46.77 0
石田「逃・・・げ・・・て・・・」

小田「石田さんっ!」

石田は苦しみながらも手で『逃げて』とジェスチャーする

小田「でも・・・でも!」

それでも逃げない小田にさらに強くジェスチャーする
しかし息苦しさも限界に近くなると石田は暴れ始めた

小田「石田さん!・・・石田さんっ!」

苦しむ石田を見捨ててこのまま逃げるなんて出来なかった
でも小田にはどうすることもできなかった

石田「逃・・・げ・・・」

言い終わる前に石田の動きが完全に止まり床に倒れた
目を見開き恐怖の表情で天井を見ていた

小田「いや・・・いやぁ!」

前藤は次に小田を見た

小田「やめて・・・やめてっ!」

前藤の赤い目がさらに光る前に小田は部屋を飛び出した
192娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 22:03:46.85 0
工藤(小田ちゃん!?)

小田の叫び声と廊下を走る音が聞こえた
隣の佐藤は気付かずにまだ寝ている

工藤はベッドから飛び降りてドアのロックを外して廊下に出た
しかし既に小田の姿は無かった

そして石田と小田の部屋から2つの赤い光が現れた

工藤(・・・やっぱり!地下室の!)

廊下は暗かったため前藤とは気が付かなかった

工藤は部屋の中に戻り再度ロックをかけた
そして佐藤の体を掴んで揺すり起こした

工藤「まーちゃん!起きろ!まーちゃん!」

佐藤「ん〜」

工藤「早く起きて!」

佐藤「うっせーなっ!」

工藤「なんかヤバイ事が起きてる!早く起きて!」

佐藤「あ〜ん?」

工藤「早く起きろっ!!!」

佐藤「もうっ!なにっ!!!」
193娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 22:04:30.67 0
ガチャ・・・ロックが勝手に外れた

工藤「うそだろ・・・」

佐藤も何かを感じてそっとベッドを降りた

工藤がスタンドライトのスイッチを入れる

工藤「来るぞ・・・」

佐藤「なに!?・・・ねぇ何!?」

ゆっくりとドアが開いた
そして姿を現した

工藤「え!?・・・前藤さん!」

佐藤「きゃあああああ!!!!!!!」

佐藤の絶叫が別荘中に響き渡った

工藤「なんで・・・前藤さんが・・・」

佐藤と工藤は手を握り締めながら部屋の奥に逃げる

佐藤「やだ・・・やだぁ・・・」

工藤「来るなっ!」

前藤は1歩ずつゆっくりと部屋の中に入ってくる

佐藤「来ないでぇええええ!!!」
194娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 22:05:24.53 0
その時今までぐっすりと眠っていた鞘師・牧野・羽賀が廊下に出てきた
佐藤の絶叫で目を覚まさない者はいない

鞘師「どうしたの!?」

3人は部屋の前まで来た
しかし前藤の後ろ姿を見て後ずさった

鞘師「どうして・・・」

牧野「きゃあああ!!!!!」

羽賀「なんで!?・・・なんで!?」

前藤は更に部屋の中に進んでくる

赤い目がさらに光る・・・
と思いきや突然目の光が失われた

そして部屋の入り口にいる3人の方を向いた

鞘師「え!?・・・やめて!・・・来ないで!!!」

牧野「いやぁああ!!!いやぁあああ!!!!」

羽賀は牧野にしがみ付き震えている

工藤「逃げて!早く逃げて!!!」

その声を聞いて3人は階段を駆け下りた
前藤はその3人をゆっくりと追いかけた
195娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 22:06:23.25 0
工藤「助かった・・・」

佐藤はまだ下を向いて震えていた
そして手で何かを強く握り締めていた

・・・・・・

小田は桜の墓の裏に身を潜めていた

すると玄関から3人が飛び出してきた

鞘師・牧野・羽賀の3人だった

小田は墓の裏から飛び出して声を掛けた

小田「鞘師さん!」

鞘師「小田ちゃん!?」

牧野「小田さん!」

3人は小田の元に駆け寄った

鞘師「ねぇ!何が起きてるの!?」

小田「私にもさっぱり・・・でも前藤さんが!」

牧野「生きてました・・・」

羽賀「目が真っ赤でした」

鞘師「どうやってあの地下室から出てきたのよ!」
196娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 22:07:22.20 0
小田「分からないです・・・」

鞘師「他のみんなは?」

小田「石田さんは・・・死んでしまいました・・・」

3人は驚き声に詰まった

牧野「石田さんが・・・死んだ・・・」

鞘師「他のみんなは!?」

小田「分からないです・・・」

その時玄関から前藤が現れた

羽賀「いやぁあああ!!!」

鞘師「早く逃げてっ!」

4人は走り出した

しかし先頭を行く鞘師の足が突然止まった

小田「鞘師さん早く!」

鞘師は首を押さえて苦しそうにしていた

牧野「鞘師さん!」

鞘師「息が・・・」
197娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 22:08:18.14 0
小田「もうやめて!お願いだからっ!」

前藤は目を赤く光らせながら近づいてくる

鞘師「逃げ・・・て・・・」

小田「鞘師さんっ!!!」

その時また玄関から誰かが出てきた
佐藤と工藤だった

2人は前藤の後ろから声をかける

工藤「早く逃げて!」

羽賀「工藤さん・・・でも・・・」

鞘師は苦しさのあまりその場に屈みこむ

佐藤「逃げないとみんな死ぬ!」

鞘師は「私の事はいいから」と言いたげに皆を見て頷いている

小田「このままじゃみんな死んじゃう!!!」

工藤「早く逃げろ!」

小田・牧野・羽賀は少しずつ後ろに下がった

牧野「ごめんなさい・・・鞘師さん」
198娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 22:09:19.50 0
泣きながらその場を離れた
そしてその瞬間鞘師はその場に倒れた動かなくなった

小田は牧野・羽賀と違う方向に走った
向かった先は桜の墓だった
そして墓石に抱きついた

佐藤「小田ぁ!早く逃げろ!」

しかし小田は逃げなかった

小田「桜ちゃんお願い・・・私たちを助けて・・・」

前藤は小田に近づいてくる

小田「お願い・・・助けて・・・」

しかし前藤の目がさらに赤く光り始めた

小田「あ・・・息が・・・できない・・・」

工藤「小田ちゃん!!!」

佐藤「小田ぁ!!!」

小田「桜・・・ちゃん・・・」
199名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 22:14:48.62 0
おいおいお
200名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 22:37:32.27 0
全滅エンドくるか
201名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 22:41:45.62 0
ホラーな展開  どうなる
202娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:00:11.18 0
その時小田と前藤の間に誰かが立ちふさがった
それと同時に小田は呼吸が出来るようになった

工藤「誰・・・あの女の子」

佐藤「あぶないよ!早く逃げて!」

半透明の女の子は両手を横に広げて小田を守っている

小田「あなたは・・・桜ちゃん!」

佐藤・工藤「桜ちゃん!?」

牧野と羽賀も逃げる足を止めて桜を見ている

そして小田の頭の中に映像が流れ込んできた

小田(佐藤さんが何かを上に掲げてる
   あれは・・・佐藤さんがいつも大事に持っている御守り
   桜ちゃんが何かを念じてる・・・
   佐藤さんの御守りが光った
   前藤さんの目から赤い光が消えた・・・)

そこで映像は終わった

小田(これは桜ちゃんが私に見せたの?
   同じようにすれば助かるの?)

小田「佐藤さん!御守りを!」

佐藤「御守り?」
203娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:00:56.32 0
工藤「もしかして・・・そうか!
   まーちゃん!いつも持ってるあの御守りだよ!」

佐藤は御守りを取り出した

小田「御守りを上に掲げて下さい」

佐藤「掲げるってなに?」

工藤「上に持ち上げるってこと」

佐藤は言われたとおりに御守りを掲げた

桜が目を閉じて何かを念じている

すると突然御守りが光りだした

佐藤「え!?なに!?」

工藤「光りだした!」

そして御守りの光りが前藤に放たれた

前藤の目から赤い光が消えるとその場に倒れた

工藤「助かった・・・」

佐藤「この御守りにこんな力が?」

小田「良かった・・・桜ちゃんありがとう・・・」

牧野と羽賀も離れたところで抱き合って喜んでいる
204娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:01:42.68 0
桜は傍に倒れている鞘師を見ていた
そして再度目を閉じて何かを念じ始めた

桜(さくらちゃん)

突然小田の頭の中に声が響いた

小田(桜ちゃん・・・?)

この声は小田以外には聞こえていないようだった

桜(もうすぐみんな目を覚ますよ)

小田(目を覚ますって・・・生き返るって事!?)

桜(うん、私を助けてくれたお礼だよ)

小田(桜ちゃん・・・本当にありがとう!)

桜(あと前藤さんの事なんだけど
  この人は霊に殺されたんじゃないから生き返らせる方法が違うの)

小田(どうすれば・・・)

桜(前藤さんを殺してしまった香音ちゃんから
  少し寿命を頂かなくちゃいけないの・・・)

小田(寿命を・・・)

桜(それでもいいなら前藤さんを生き返らせることが出来る)

小田(鈴木さんに聞いてみないと・・・)
205娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:02:33.62 0
桜(ここにいる人以外みんな今は死んでるよ
  もうすぐ生き返るけどそれまで私は姿を現し続けられない)

小田(そんな・・・)

桜(だからさくらちゃん あなたが今決めて)

小田(鈴木さん・・・
   きっと鈴木さんも同じ考えですよね・・・
   前藤さんを生き返らせてもらっていいですよね・・・

   ・・・桜ちゃん!お願いします!前藤さんを生き返らせてください!)

桜(うん、分かった)

桜が目を瞑ると別荘の2階から小さな光りが飛んできて前藤の体に入った

桜(もうすぐみんな目覚めるよ
  さくらちゃん、また絶対会いに来てね
  ずっと楽しみに待ってるから)

桜の半透明の体はさらに薄くなりやがて消えた

小田(桜ちゃん・・・絶対また会いに来るからね)

佐藤「消えた!」

工藤「なんだったんだ・・・」

その時鞘師の体が動いた

鞘師「う・・・う〜ん」
206娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:03:13.78 0
小田「鞘師さん!!!」

それを見て他の4人も鞘師に駆け寄った

鞘師「みんな・・・もしかしてみんなも死んじゃったの?」

工藤「違いますよ!生き返ったんですよ!」

鞘師「えっ!?」

鞘師は手足を動かして体が動くことを確認した

小田「桜ちゃんが生き返らせてくれたんですよ!」

鞘師「桜ちゃんが???」

工藤「やっぱり桜ちゃんが・・・」

佐藤「マサの御守りが前藤さんやっつけたんだよ!」

鞘師「え?・・・え?・・・話しが見えない」

牧野「佐藤さん大活躍でしたね」

工藤「いや御守り掲げてただけだし!」

佐藤「違うもん!マサの御守りが無かったら助からなかったかもしれないでしょ!」

工藤「でもまーちゃんは何もしてないじゃん!」

佐藤「上に掲げてたもん!」
207娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:03:53.02 0
工藤「だから上に掲げてただけじゃん!
   あ・・・もしかして前藤さんがハル達を襲わなかったのは
   その御守りのおかげ・・・」

佐藤「ほら!マサのおかげじゃねーか!」

鞘師「何か分からないけど・・・私たち助かったのね・・・」

小田「はい!助かったんです!」

玄関から次々とメンバー達が外に出てきた

石田「急に息が止まったんですよ!もう苦しくて苦しくて」

生田「衣梨なんか後ろ振り向いたら2つの赤い光りがあったと!
   その瞬間息が出来なくなったとよ!」

譜久村「でもなんで生き返ったんだろう・・・」

生き返ったメンバー達は事態を把握できていなかった

佐藤「おーい!こっちこっち!」

鈴木「あ!みんないる!」

全員が集まると小田がすべての事を説明した

飯窪「でも前藤さんまだ生き返らないですね」

小田「すぐに生き返るって言ってたんですけど・・・」
208娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:05:01.48 0
前藤「う・・・う〜ん」

工藤「生き返った!」

前藤「あれ・・・わたし・・・」

鞘師「よかった・・・」

鈴木「前藤さん!本当にごめんなさい!」

鈴木はそのばで前藤に土下座した

前藤「そうだ・・・私は鈴木に倒されて・・・」

鈴木「許してください!ごめんなさい!」

それからしばらく鈴木は前藤に怒られ続けた


・・・・・・
209娘。たちの夜 赤目山編 ルートE@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:05:38.86 0
小田「なんか凄く不思議な気分ですね
   みなさん本当に生き返ったんですね」

工藤「怖い夢でも見ていたようなそんな感じ」

佐藤「きっと夢だったんだよ
   桜ちゃんが怖い夢から覚ましてくれた」

石田「私本当に一度死んだの?全然実感が無いんだけど」

生田「でもあの息が出来ない苦しさは本物やったね」

譜久村「もう絶対あんなのイヤ!」


結局前藤に何が起きたのか真相は分からなかった

しかし今こうして全員が生きている

それだけで充分だった

桜のおかげでモーニング娘。はこれからもモーニング娘。でいられる

モーニング娘。はこれからも走り続ける

                                   終わり
210名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:08:49.00 0
おつうううううううううううううううううううううう
211名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:12:38.39 0
乙カノン
212作者@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:13:33.94 0
読んでくれた方ありがとう

次作も考え中ですが
第2話になるのか別ルートになるのかもまだ決まってません
出来次第すぐに貼ります
スレが落ちていたらまたスレ立てます

前回から久々に書いたんですけどやっぱり楽しいですねw
みんなの反応も見ていて楽しいですw

拙い文章にお付き合い頂きありがとうございました!
213名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:16:23.18 0
おっつうううううううううううううううううう
じっくり考えてくれええええええええええええええええ
214名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:18:02.46 0
やっぱりオカルト編のまーちゃんつえーw
215名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:29:19.70 0
一体どうなるのか!?ってワクワクがまた楽しめるなんて幸せ
また避難所の推理スレも使わないとね
216名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:32:48.49 0
まだ伝家の宝刀ハンガーもオカルト編解決の必須アイテムである地方見聞録も使われてないからなw
楽しみにしてるぜ
217名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:35:39.75 0
復活を別のところで知って一気読みしました
続き楽しみにしてます
218作者@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:41:06.33 0
もっと推理し甲斐のあるストーリーを書きたいなw
みんなの推理を見て当たってると悔しいし
違ってるとニヤニヤしてるw

今回もいきなりズッキが怪しいとか言われて悔しかったわw

地方見聞録を使ったストーリーもまた書きたい
ハンガーもまだ出てきてないですねw
リンゴフラッシュは使えるかな・・・
鞘師の狂気も今回は出てきてませんし

次作も必ず書きますので!
219作者@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:45:23.63 0
それと12期はまだ浅いせいか人間性が把握しきれてないので
どうしても登場機会が少なくなってしまって申し訳ない

あとさゆがいないと書いてても何か違いますね
改めて存在の大きさを実感しました
220名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:47:02.19 0
尾形が本当にすっ転んでああなってたのか
それとも誰かに実は襲われたのかが気になる
221作者@転載は禁止:2015/02/07(土) 23:54:39.82 0
>>220
ズッキに激しく怒られ泣きながら真っ暗な外に飛び出し
飛び石に躓いて転倒死という設定ですが
実際に見ているメンバーがいないのと転倒死の証拠も無いので
話しの中では結局真相は分からずなんですよね
222名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/08(日) 00:10:28.24 0
派生への伏線にしといたらええやん
223名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/08(日) 00:34:56.36 0
鞘師が部屋覗いて回ってたとこが地味に怖い
224名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/08(日) 07:53:40.81 0
まーちゃんは相変わらず不思議な力を持っているなww
225名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/08(日) 13:06:00.25 0
上げとく
226名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/08(日) 15:27:42.66 0
次はどんなパターンなのかwktk
227名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/08(日) 16:22:08.73 0
おやぁ 今覗いたら終わってたwww

お疲れ様でした作者さん またお願いしますね
228名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/08(日) 19:42:15.61 0
ほほほ
229名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/08(日) 21:17:50.05 0
おかまたちの夜
230名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/09(月) 00:46:33.37 0
(0゚・∀・)wktk
231名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/09(月) 06:07:09.52 0
tktk
232名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/09(月) 06:42:29.45 0
次回作は来週かな もっとかかる?
233名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/09(月) 14:08:54.82 0
期待
234作者@転載は禁止:2015/02/09(月) 14:13:23.20 0
もう書き始めてるんで今週中には出来ると思いますよ
ただ書いてて面白くなかったら没る可能性もあるんで・・・w
235名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/09(月) 17:38:52.72 0
寒い日が続きますのでお身体を大事になさってくださいね
236作者@転載は禁止:2015/02/09(月) 18:32:15.16 0
風邪引いて仕事休めれば一気に書けるって考えも・・・w

そして次作は別ルートではなく第2話として違うストーリーになりました
舞台は同じ赤目山の別荘です
237名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/09(月) 21:44:54.08 0
楽しみにしてます!
238名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/09(月) 21:44:58.05 0
楽しみ〜♪
239名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/09(月) 22:27:30.75 0
楽しみにしてるピョン でもやはり風邪には注意です
240名無し募集中。。。@転載は禁止@転載は禁止:2015/02/09(月) 22:57:34.90 0
>>223に同意
絶対怪しいと思っていたけど完全に読み違いだった
241名無し募集中。。。@転載は禁止@転載は禁止:2015/02/10(火) 01:30:34.29 0
の夜
242名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/10(火) 09:29:30.28 0
おかま
243名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/10(火) 14:44:46.02 0
亀井たちの夜
244名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/10(火) 18:54:13.17 0
チーム亀さん
245名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/10(火) 19:22:34.88 0
まさかスレ復活してたとは
また楽しみにさせてもらいます
246作者@転載は禁止:2015/02/10(火) 21:47:34.43 0
すいませんまだもう数日かかりそうです・・・
247名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/10(火) 21:48:25.33 0
よかよか
248名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/10(火) 21:52:44.31 0
大丈夫 あせらずゆっくり書いてくだされ
249名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/11(水) 00:10:54.94 0
ノンビリ待ってるよ
250名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/11(水) 07:54:00.00 0
おはいたち
251名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/11(水) 10:20:52.79 0
くまいたち
252名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/11(水) 10:39:48.90 0
おかいたち
253名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/11(水) 13:55:02.42 0
すがいたち
254名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/11(水) 18:53:17.48 0
从*・ 。.・)<にゃー
255作者@転載は禁止:2015/02/11(水) 19:20:13.26 0
保全ばかりしてもらって申し訳ない
しっかりと書き進めてますのでもうしばらくお待ちを!
256名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/11(水) 21:23:38.12 0
ふじいたち
257名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/11(水) 22:08:00.06 0
ハンガー達
258作者@転載は禁止:2015/02/11(水) 22:11:29.48 0
明日には貼れそうです!
チェックして問題なければ今日少しは貼れるかもしれませんが
きっと問題あるので明日になると思いますw
259名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/11(水) 23:21:34.80 0
あい 了解です
260娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/11(水) 23:46:04.64 0
桜満開の峠道を1台の小型バスが走っている
すれ違う車は1台も無い
人里から遠く遠く離れたこの地は赤目山と呼ばれている
ここはもう譜久村家の私有地だった

赤目山の峠道を登り山を越えて下った所に譜久村家の別荘がある

この地を訪れたのは今回が初めてではない
去年の冬、卒業した道重と9期から11期までの10人で一度訪れていた

あの時は小田に異変が起き地下室から白骨死体が見つかるという出来事があった
遺体は「桜」という少女のもので
同じ名前で当時の年齢も近かった小田に自分を見つけて欲しいと願った(※娘。たちの夜小田編参照)

あれから1年と少し経ち
冬が明け春になるのを待って再びこの地を訪れた

目的は桜のお墓参りだった
桜の墓は別荘の庭の一角に建てられていて
薄暗く寒い地下室から暖かな陽が射す場所に桜の墓石は建てられた

小田が見た桜の記憶は皆聞かされていた
小田以外のメンバー達は白骨化した桜しか知らないが
小田は生きているときの桜の顔や声を桜の記憶を通して知っている
その為か今回桜の墓参りが決まったときの小田の喜び様は人一倍だった

残念ながら今回道重は参加できなかった
何度も来て欲しいと懇願したがどうしても予定が合わず
しかし今回は新たに12期の4人が参加した
261娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/11(水) 23:46:40.94 0
12期の4人も桜の話は小田に聞かされて知っていた
去年あの場に居なかったので他人の思い出話しなのだが
初めてのメンバーでの旅行という事で気持ちは高ぶっていた

そしてもう一人「前藤真希」という今年入ったばかりのマネージャーが付き添いとして参加している
歳は29歳で最近結婚したらしい
まだ入ったばかりのせいかメンバー達にきつい事を言ったりすることは無く
フレンドリーに接しているようだった

そしてこのバスを運転しているのは今回も譜久村の父だった
別荘の近く・・・と言っても車で数時間かかるが親戚が経営するホテルがあり
メンバー達を別荘に送り届けたあとはそのホテルに宿泊し
翌日迎えに来ることになっている

石田「見てっ!凄い桜!」


小田「ホントだ!綺麗!」

桜の花びらのシャワーが降り注ぐ中バスは進んだ
262娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/11(水) 23:47:17.26 0
別荘に到着するとバスを降りるなり建物に目が移った

工藤「あれ?なんか去年と変わってません?」

譜久村「そうなの、桜ちゃんのお墓を建てるときに別荘もリフォームしたの」

鞘師「すごく綺麗になってるね」

譜久村「中も大改造して間取りも変わって、まるで新築みたいになったんだよ」

譜久村父「またみんなが来ることになったとき喜んでもらえると思ってね
     聖もリーダーになったことだしそのお祝いも込めてね」

初めてここを訪れた12期の4人も浮かれ気分で飛び跳ねて喜んでいる

小田「あっ!桜ちゃんのお墓!」

建物を正面に見た右側の庭の一角に桜の墓はあった
墓の後ろには綺麗な桜の木があり桜の墓に花びらを降らせていた

佐藤「あそこならもう寂しい思いしなくて済むね」

鈴木「ずっと暗くて寒い土の中だったもんね
   桜ちゃん喜んでくれてるといいな」


今野「お待ちしておりましたお嬢様」

別荘の玄関扉が開き中から一人の女性が現れた

譜久村「あ、今野さん」
263娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/11(水) 23:48:21.90 0
今野「お待ちしておりましたお嬢様」

別荘の玄関扉が開き中から一人の女性が現れた

譜久村「あ、今野さん」

今野は譜久村家の使用人で今回メンバー達がこの別荘を訪れる事になり
前日から泊りがけで清掃や食料を買い揃えてくれていた
敷地の片隅に赤い軽自動車が止めてあり
今野はこの車で前日に別荘に来ていた

譜久村父「ご苦労さん、突然で申し訳なかったね」

今野「いえ、私もこんな素晴らしい所でお仕事できて嬉しかったです」

佐藤「ねぇ!早く中に入ろうよ!」

石田「うん!早く中も見てみたい!」

今野「既に清掃も終わってますのでどうぞお入りください」

メンバー達はなだれ込むように玄関に群がり
我先にと中に入ると全員から驚きの声が上がった
以前の面影はまるで無く本当に新築のように改装されていた


別荘の中をすべて見終わったあとに部屋割りを決めた

2階も間取りが変わり寝室の数が増えていて
12期が入りメンバーが増えていてもまったく問題なかった
http://i.imgur.com/33HTm5I.jpg  (間取り画像)
264娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/11(水) 23:48:51.77 0
譜久村・生田のポンポンコンビ
佐藤・工藤のまーどぅコンビ
一向に仲良しを認めない石田・小田のだーさくコンビ
鈴木・飯窪の組み合わせは珍しいかもしれない
鞘師は安定のひとりほりほ
収納庫の関係で多少狭くなっている2つの部屋には12期が入った
廊下の中央には吹き抜けがあり下を覗くとリビングが見える

1階は以前大きなリビングが1つだったが3つに分けられている
主に皆が集まるのは中央のリビングだ
北側の壁に大きなテレビがあり
中央には長方形の高価なテーブルがある
両側に3人掛けのソファが置かれ
長手には3人掛けと2人掛けのソファが並べて置かれ5人が座れる
テーブルをコの字に囲むように合わせて11人が座れるようになっている

応接間には6人掛けのテーブルと椅子がある
西側に大きなテレビもあり
応接間となっているがここでくつろぐ事も出来るようになっている

応接間の隣には和室がある
この建物に和室は似つかわしくないのだが譜久村の父の意向だろうか

リビングの西側に扉がありその先は小さな廊下になっていて
バス・トイレ・洗面・2階へ登る階段がある
265娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/11(水) 23:49:44.30 0
キッチンには最新のシステムキッチンが配備されていた
北側に勝手口
そして地下へ降りる階段もある
以前は地下へ行くには食器棚を動かさなければ行けないようになっていたが
今回のリフォームで地下には自由に行けるようになっていて
地下は大きな物置となっていた
しかし地下への階段の扉は一見普通の壁になっていて
壁を持ち上げると上がる隠しシャッターのようになっていた


一通り別荘の探検が終わるとリビングに集まった

譜久村父「じゃあそろそろ父さんは叔父さんのホテルへ行くことにするよ」

譜久村「うん、ありがとうお父さん」

メンバー達も礼を言いながら頭を下げた

譜久村父「今野君はこのまま東京に戻ってくれ」

今野「はい、かしこまりました」

譜久村「今野さんももう一泊されてはいかがですか?」

今野「いえ、折角のお嬢様達のご旅行ですからお邪魔しては申し訳ございません」

譜久村「そんな事気にしなくても大丈夫ですよ」

生田「ウチらは全然気にせんとよ」

譜久村父「今野君、聖達が言うなら構わんよ?」
266娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/11(水) 23:50:56.79 0
A 今野「いえいえ、お気持ちだけで充分です
     東京の本宅のお仕事もありますし・・・」       1話ルートへ
B 今野「でも・・・ご迷惑では?」                2話ルートへ  ←

工藤「迷惑だなんて思ってないですよ」

鈴木「そうだ!今野さんに美味しいディナーを作ってもらうってのはどう?」

石田「それいいかも!」

鞘師「うん!それはいいアイデア!」

佐藤「今野さん作ってくれますか?」

今野は譜久村の父を見ながら戸惑っている
そんな今野に譜久村の父は軽く頷く

今野「では・・・調理係ということで・・・」

佐藤「きゃああああ!やったぁ!」

譜久村父「じゃあ和室を使わせてもらいなさい」

今野「はい、そうさせていただきます」

鈴木「うふふ・・・ディナー楽しみ〜」

石田「良かったですね鈴木さん」

譜久村父「じゃあ父さんは叔父さんのホテルに戻るよ
     明日の昼頃に迎えに来るから」
267娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/11(水) 23:51:46.84 0
譜久村「うん分かった ありがとうお父さん」

『ありがとうございます』

メンバー達も頭を下げて礼を言った

・・・・・・

それから前藤を入れた14人で桜の墓参りをした
今野は別荘の中で雑務をこなしている

小田はあの時の事を思い出していた

メンバー達が殺された女の子達に見えてしまうという恐怖は
今思い出しても恐ろしかった

でもそうまでしても桜は小田に存在を気付いて欲しかった
150年もの長い間、土の中で心を通わせる事が出来る相手をずっと待っていた
あの時小田に気付いてもらうことが出来なければ
次はいつ見つけてもらえるチャンスが訪れるか分からない
だから桜は小田にあれほどの恐怖を与えながらも存在に気付いて欲しかった

小田は桜の願いに応えた
いや小田だけじゃない
メンバー達が不可解な現象について必死に調べ
桜を見つけ出すことが出来た

小田はうっすらと涙を浮かべた
生田はそれに気付いてそっと肩を抱いた

小田「桜ちゃん、ずっと来ることが出来なくてごめんね・・・」
268娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/11(水) 23:53:01.83 0
佐藤「桜ちゃんは喜んでるよ、見つけてくれただけじゃなくて
   明るくて暖かい場所に寝かせてくれてありがとうって言ってる」

石田「まーちゃん声が聞こえるの?」

佐藤「ううん、聞こえないけどなんか頭の中に言葉が浮かんできた」

飯窪「あゆみんももっと素直になれば桜ちゃんの言葉が聞こえるかもね(笑)」

小田「石田さん素直じゃないから・・・」

石田「小田?」


鈴木「それにしても桜の木の下に桜ちゃんのお墓とか聖ちゃんのお父さんも粋なことするね」

鞘師「散った桜がお墓にくっ付いてピンクのお墓みたいになってる」

工藤「春には必ず来たいですね」

譜久村「桜ちゃんもきっと待ってるしね」

小田「桜ちゃん 安らかにお眠りください・・・」


墓参りのあとはメンバーそれぞれ自由な時間を過ごした



18時
もうすぐ日が暮れるが外はまだ明るかった
269作者@転載は禁止:2015/02/11(水) 23:56:24.78 0
とりあえずここまで貼っておきます

今野さんが泊る事になりました
どうなるのかはまた明日
270名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 00:12:58.64 0
更新乙です!また今野さんが加わりどうなるのか・・・続きが楽しみ
271名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 03:42:49.59 0
そのうち出てくるであろう道軽さんを心待ちにしていますw
272名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 10:36:21.54 0
あるよ
273名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 14:11:20.33 0
何それ
274名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 19:02:22.84 0
夕飯
275作者@転載は禁止:2015/02/12(木) 19:14:43.34 0
いまテキストミス等がないかチェックしてるんで終わり次第始めますね
276名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 19:24:13.24 0
wktk
277娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 20:24:11.26 0
庭で10期の4人がボールで遊んでいる
時に笑い 時に怒り 時にふてくされ
仲が良いのか悪いのか

キッチンでは今野がディナーの下ごしらえをしている
そして鈴木と小田がその手伝いをしていた
しかし手伝いになっているのかどうか
ただ邪魔しているように見えなくもない

リビングには譜久村・生田・鞘師・前藤がいる
一緒には居るがやっている事はバラバラだった
生田はソファを独り占めして寝転がりながら携帯を弄り
譜久村と鞘師は夕方のニュースを見て
前藤は仕事の書類を見ている

12期の4人は別荘の北側にある森の中にいた
桜満開のピンクの森の中を走り回り
桜の花びらのシャワーの中で戯れていた

羽賀「わっ!ビックリした!」

突然羽賀が足元を取られた
地面の一部分の土がそこだけ軟らかくなっていて
右足がくるぶし辺りまで埋もれた

牧野「どうしたの?大丈夫?」

羽賀「うん、なんかここだけ柔らかくて足が入っちゃった」

尾形「靴が泥だらけやん!」
278娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 20:24:53.24 0
羽賀の靴の中にまで土が入っていた
右足の靴を脱ぐと左足だけで立ち靴の中の土を落とした

野中「ねぇ、これなんだろう・・・」

野中は羽賀の足が埋もれた部分をしゃがみ込んで見ていた

牧野「なに?」

野中「これ、土の中に何かあるよ」

羽賀の足が埋もれた部分だけ土が凹んでいる
そこに青い何かが見えた

尾形「なんやろ?」

羽賀「布みたい」

牧野「ちょっとこれで掘ってみようよ」

牧野は傍に落ちていた枝を使って少しずつ土を掘った
青い布らしきものの見える範囲が広がっていく

すると青い布にボタンが付いていた

野中「え・・・シャツ?」

布ではなくシャツだった
見えているのはシャツの袖の部分だった
279娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 20:25:24.48 0
羽賀「ねえもうやめよう・・・なんか気味悪い・・・」

牧野「そうだね、何か怖い」

尾形「ちょっと貸してみ」

尾形は牧野が持っている枝を取った
そしてもう少し土をどけてみた

その瞬間僅かだが人肌が見えた

『きゃあああああ!!!!!』

4人はその場から走って逃げた

しばらく走りさっきの場所が見えなくなるところまで来ると足を止めた

牧野「ねえ!今の!」

羽賀「人の・・・手?」

尾形「手やった・・・」

野中「人が埋まってる・・・」

羽賀「ねぇ怖いよ・・・」

さっきまで無邪気に笑ってた4人から既に笑顔は消え
恐怖と動揺の顔に変わっていた
280娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 20:25:53.56 0
牧野「とにかく先輩達に知らせたほうがいいよね?」

野中「前藤さんとか今野さんでも」

尾形「せやね、早く行かな!」

4人は必死に森を走り抜けて別荘に戻った

・・・・・・

飯窪「そろそろ日が暮れるから戻ろっか」

工藤「そうだね あ〜楽しかったぁ」

10期の4人は玄関に向かってゆっくり歩き出した

その時12期の4人が別荘の北側の森から出てきた
そして玄関に向かっている10期の4人を呼び止めた

石田「どうしたの?」

12期の4人の真剣な顔つきにただ事じゃない事を察した

佐藤「森で幽霊でもでも見た?」

全速力で走って来たためか12期の4人は息が上がっていた
281娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 20:26:27.05 0
尾形「あの・・・人が・・・」

牧野「埋まってるんです・・・」

10期「は???」

尾形「土の中に・・・人の手が見えたんです」

石田「ちょっと何言ってんの?」

工藤「ドッキリか何か?」

佐藤「先輩を驚かそうなんて10年早いぞ!」

野中「本当なんです!」

羽賀「青いシャツを着た手が見えたんです」

飯窪「本当なの?」

牧野「嘘じゃないです!本当なんです!」

尾形「信じてください!」

その真剣な表情に10期の4人も信じざるをえなかった

工藤「ちょっと待って、みんな呼んでくるから」

工藤は玄関から中に入るとリビングに居る4人を外に呼んだ
282娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 20:26:55.58 0
譜久村・生田・鞘師・前藤に12期の4人がもう一度説明する

前藤「その場所はどこなの?」

牧野「あっちの森の奥です」

牧野は北の森を指差した

前藤「分かった、行きましょう」

石田「行くんですか!?」

前藤「だってもし本当なら警察に連絡しないと」

飯窪「確かにそうですね
   でも今にも陽が暮れそうですよ
   行くなら早くしたほうが良いと思います」

佐藤「行くの?怖いよ・・・」

工藤「まーちゃん別荘で待っててもいいよ?」

佐藤「んー・・・行く・・・」

前藤「早く行きましょう!案内してくれる?」

牧野「はい、こっちです」

キッチンでディナーの下ごしらえをしている今野・鈴木・小田を残し
12期が先頭になって再度森の中へ入った
283娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 20:27:55.24 0
さっき入った森とは全く別の森に見えた
幻想的なピンクの森もうっすらと闇に覆われつつあった

羽賀「あれ・・・どっちだろう・・・」

全速力で森を脱出したせいであの場所が分からなくなっていた

野中「たぶんこっちだと思う」

何とか記憶を遡りあの場所に近づきつつあった
284娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 20:28:25.40 0
・・・・・・

鈴木「あれ?みんないなくなってる」

小田「え?どこ行ったんですか?」

鈴木「さぁ・・・」

今野「もう暗くなり始めてますね」

鈴木「そのうち帰ってくるでしょ」

小田「ですね」

今野「じゃあ鈴木さんこの鍋見ててください
   小田さんはこのお野菜を切ってください」

小田「分かりました」

鈴木「みんな帰ってきたらビックリするねこれ」

小田「ですね、いまから楽しみです」

今野「喜んでもらえるといいですね、頑張って作りましょうね」
285娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 21:06:14.93 0
・・・・・・

尾形「あそこちゃう?」

尾形が前方を指差した

牧野「あ!あそこ!」

野中「皆さんこっちです」

12期の後ろを他のメンバーが着いていく

尾形「ここです・・・」

尾形はそこを見ないようにして指を差した

そこを皆が覗き込む

石田「うそっ・・・」

工藤「まじかよ!」

生田「手・・・やね」

譜久村「怖い・・・」

飯窪「前藤さん!すぐ警察に!」

前藤「待って!」

飯窪「え?」
286娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 21:06:44.05 0
前藤「土を戻しましょう」

工藤「なんでですか?」

前藤「よく考えて、ここは譜久村家の土地よ」

石田「そうですけど・・・それがなにか?」

前藤「ここは本来なら譜久村家の関係者以外は入れない
   この別荘だけじゃない、この山一帯入れるのは関係者だけ」

鞘師「何が言いたいんです?」

前藤「譜久村家の土地から死体が出たら
   『モーニング娘。のリーダー譜久村の土地から死体』
   とメディアは報じる」

譜久村「そんな・・・」

前藤「そしたら世間からのイメージはどうなると思う?」

工藤「世間からのイメージ・・・」

鞘師「じゃあ・・・このまま見なかったことにするんですか?」

前藤「そう、それが一番いいと思うの」

牧野「え・・・」

飯窪「そんな・・・」
287娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 21:07:13.97 0
前藤「ここならきっとこれからもずっと誰にも見つかることは無い
   今見なかったことにすれば私たちには何の関係も無い」

工藤「本当に・・・それでいいのかな・・・」

前藤「戻りましょう!」

前藤は1人で来た道を戻り始めた

残されたメンバー達は本当にこれでいいのかと葛藤しながらも
仕方なく前藤のあとを追った


別荘に戻った頃には完全に陽が暮れていた

鈴木「おかえりっ!どこ行ってたの?急にいなくなったから・・・」

戻ってきたメンバー達の顔を見て鈴木の言葉が止まった

小田「どうしたんですか?顔が暗いですよ」

今野「お帰りなさいませ、もうすぐ夕食出来上がりますので」

前藤「ちょっとこっち来てくれる?今野さんもお願いします」

鈴木「あ・・・はい」

小田「何かあったんですか?」

今野も火を止めてリビングに入った
288娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 21:07:51.52 0
残っていた3人はただ事じゃない空気を感じ取っていた
帰ってきてから前藤以外は誰も口を開いていない

キッチンから来た3人はリビングに入ってすぐの所に立っている
前藤はテレビの前に立ち他のメンバーはソファに座って下を向いている

前藤はまず残っていた3人に事態を説明した

前藤「今森の中で人が埋まってるのを見つけたの」

鈴木「えええ!?」

小田「うそ・・・」

今野「人が・・・」

前藤「シャツの袖と手の一部しか見えなかったけど、おそらく人だと思います
   でも警察には連絡はしません」

小田「どうしてですか?」

前藤「この譜久村家の土地で死体が見つかったとなれば
   メディアがどう報道するか分かるでしょ?」

鈴木「メディアが・・・」

前藤「だから見なかったことにしましょう
   ここは譜久村家の関係者以外は立ち入らない場所
   私たちが見なかったことにすれば永久に見つからない」

小田「そういう事ですか・・・」
289娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 21:08:19.25 0
しかしメンバー達はまだ葛藤していた

飯窪「本当に誰も来ないんでしょうか」

前藤「だってここは私有地よ」

飯窪「でも実際誰かがここへやって来てあそこに埋めたんですよね?」

石田「そうですよ、入ろうと思えば誰だって入って来れると思います」

前藤「それは遺棄する目的があったからでしょ
   普通の人は私有地には入ってこないわ」

飯窪「確かに良識ある人は入っては来ないと思いますけど・・・」

野中「思ったんですけど犯人はどうやってこの別荘まで来たんでしょうか」

生田「車しかないやろ?」

野中「でも土地の入り口の道には大きな鉄の門があって
   鎖がグルグル巻かれて施錠されてましたよね
   鍵を持ってないと車では入って来れないと思います」

小田「そっか・・・確かに」

鞘師「私たちが来るときもフクちゃんのお父さんが鍵を自分で外したんだもんね」

石田「今野さんも鍵を持ってるんですか?」

今野「はい、私もスペアを預かりまして自分で鍵を開けて入りました」
290娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 21:08:49.29 0
工藤「土地の入り口からこの別荘までは峠道を通ったりして
   車でも1時間くらいかかりましたよ
   ここまで車以外で運ぶなんて無理だと思いますけど」

佐藤「でもさ、この山ぜーんぶ譜久村さんの土地なんですよね?」

譜久村「うん」

佐藤「道路以外の森の場所とかも全部フェンスとかやってるんですか?」

譜久村「全部・・・ではないかもしれない」

佐藤「じゃあ入ってこれる場所がどこかにあるのかも?」

工藤「でも道路じゃないと車は入って来れないでしょ」

飯窪「森の中は無理だよね」

佐藤「ここに来る道路ってあそこ1箇所だけですか?」

譜久村「うん、そのはず」

佐藤「う〜ん・・・」

小田「車無しに人をここまで運ぶなんて無理ですね」

石田「運ぶのが無理なら、ここで殺されたっていうのは?」

工藤「それにしたってここまで来るの無理だよ
   車で1時間だからね、歩いたらどんだけかかるのよ」
291娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 21:09:20.42 0
前藤「それにあの男性は埋まってるの
   埋まってるって事は犯人はスコップか何かを持ってたわけでしょ
   ここまで一緒に歩いてきて相手が意味も分からずスコップ持ってたら不自然よ」

飯窪「確かに不自然ですね」

鞘師「じゃあどうやってここに来たの?」

皆黙ってしまった

今野「その青いシャツの人は本当に人間なのでしょうか?
   人形ってことはありませんか?」

牧野「絶対にそうかと言われると自信ないですけど・・・」

生田「そもそも人形にしたってあそこに埋まってるのおかしいやろ」

石田「それは言えてますね」

前藤「もう考えるのやめましょう
   見なかったことにする、それが一番なの」

鈴木「本当に大丈夫なのかなぁ」

前藤「みんなもさっき言ってたじゃない
   車は入って来れない、歩いてくるのも無理
   絶対に見つかりようが無いわ」

確かに前藤の言うことには説得力があった
しかしメンバー達はどうしても不安だった
だがこれ以上前藤の言うことに反論できる言葉がなかった
292娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 21:09:46.66 0
今野「じゃあ私は夕飯の支度を続けますね」

前藤「今野さんお願いしますね」


19時頃、ディナーが出揃った

見た目と香りだけでもう美味しいことが分かった

とても素敵な楽しいディナー

・・・のはずだった

メンバー達は口数が少なかった

こんな状況になってしまっては無理もない

鈴木と小田はメンバー達の喜ぶ顔が楽しみだった

まさかこんなに重く沈んだディナーになるとは思ってもいなかった・・・

譜久村は隣にいる今野に小声で話しかけた

譜久村「今野さん・・・なんかごめんなさい
    せっかく作っていただいたのに・・・」

今野「いえ、こんな状況では仕方ありません」

飯窪「今野さんとても美味しいです ありがとうございます」

今野は軽く頭を下げた
293娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 21:10:13.68 0
ディナーが終わったあとも重い空気ではありながらもリビングや応接間で
メンバー達はそれなりに会話をしながら楽しんでいた

だが1人、また1人と2階の寝室の戻り
0時を迎えた頃には1階には今野を除いて誰もいなくなった
294娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 22:04:11.81 0
・・・・・・


生田「ねぇ聖・・・」

譜久村「なに?」

生田「ずっと思っとった事があるんやけど
   みんなの前では言えんやったけん聞いてくれへん?」

譜久村「思ってたこと?」

生田「すっごく言い難いんやけど・・・
   今野さんなら出来ると思わん?」

譜久村「今野さん!?どうして?」

生田「だって鍵持っとるんやろ?
   車で来たわけやし簡単にここまで運べるやん」

譜久村「それはそうだけど・・・」

生田「土に埋めるんやってここのスコップ使えばいいわけやん」

譜久村「でも今野さんそんな事する人じゃないよ・・・」

生田「ん〜まあ衣梨は今野さんの事よく知らんけん
   今野さんの事はよく分からんっちゃけどさ」
295娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 22:04:44.70 0
譜久村「今野さんとってもいい人だよ
    今日会ってそう思ったでしょ?」

生田「んーまぁ悪い人には見えんっちゃけどさ」

譜久村「今野さんとかありえないよ」

生田「いや・・・それだけじゃないんよ」

譜久村「え?」

生田「さっき話してるとき今野さん
   『その青いシャツの人は本当に人間なんでしょうか?』
   って言ったやろ」

譜久村「それがどうかしたの?」

生田「前藤さん説明しとるとき
   青いシャツとは一言も言ってないっちゃ」

譜久村「そうだった?」

生田「『シャツの袖と手の一部しか見えなかった』とは言ったっちゃけど
   青いシャツとは一言も言っとらんけん
   なのに今野さんはシャツが青だという事を知っとった
   おかしいと思わん?」

譜久村「・・・」
296娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 22:05:22.22 0
生田「今野さんならすべて辻褄が合うと思うんよ」

譜久村「でも証拠が・・・」

生田「証拠か・・・それが問題っちゃね・・・」

譜久村「今野さんが犯人だなんてどうしても信じられないよ」

生田「聖がそう思うのも無理はないっちゃけどさ
   衣梨の言う事も間違っとらんやろ?」

譜久村「うん・・・確かにシャツが青って知ってたのはおかしいよね・・・」

生田「それを知ってるのは犯人だけのはずやん?」

譜久村「今野さんが・・・」

生田「もしあの車で運んで来たんやったら
   調べたら何か証拠になる物出てきたりするんちゃうかな?」

譜久村「例えば・・・血痕とか?」

生田「血痕が出ればもう間違いないっちゃけどね」

譜久村「調べてみる?」

生田「大丈夫かいな
   調べてるところ今野さんに見られたりしたらヤバイんちゃうん?」

譜久村「疑ってるのはバレちゃうかもしれない」
297娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 22:06:14.66 0
生田「衣梨は別に構わんっちゃけど聖は平気なん?」

譜久村「ここまで来たらもう調べないわけにはいかないよ
    気になってしょうがないもん」

生田「じゃあ車調べようったい」

譜久村「うん!」

2人はそっと部屋を出て1階に降り
リビングにあるテレビ台の収納の中から懐中電灯を手に取り
庭に止めてある今野の車に向かった

・・・・・・

生田が懐中電灯を持ち後部座席を重点的に探した
外から光りを当てて覗き込む事しか出来ないので
細かく調べることは出来なかった

譜久村「どう?」

生田「ん〜血痕らしいものは見つからんっちゃね」

譜久村「そもそも血が出てたかどうかも分からないよね」

生田「まぁそうやけどね
   絞殺とかだったら血は付かんっちゃね」

譜久村「戻ろっか、何も無さそうだし」

生田「そうやね」
298娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 22:07:06.78 0
2人は戻ろうと思い別荘の方を向いた
その時和室の窓から今野がこちらを見ていた
思わず2人は足を止めた
その今野の顔が今まで見たことも無いような
恐ろしい形相・・・だったように見えた

今野は窓越しに頭を下げた
2人は何とか言い訳をしようと和室の窓の前まで歩いた
それを見て今野は窓を開けた

今野「どうかなさいましたか?」

譜久村「ううん、何でもないの」

生田「ちょっとドライブでも行きたいな〜なんて思ったけんさ・・・」

今野「ドライブですか?」

譜久村「そうそう、でも運転出来ないし諦めたところです」

今野「そうでしたか」

譜久村「そうだ!今野さん運転してくれませんか?」

今野「もちろんでございます」

譜久村「この先に凄く星が綺麗に見える場所があるんです
    よかったらそこ行きましょ!」
299娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 22:07:48.52 0
生田「星?ええやん!」

今野「それはいいですね
   では支度をいたしますので少々お待ちください」

譜久村「分かりました」


今野が支度を済ませて外へ出てくると
3人は車に乗り込み譜久村の言う星が綺麗な場所に向かった
運転席には今野、その後ろに譜久村、助手席の後ろに生田が座った

今野「どちらへ向かえばよろしいのですか?」

譜久村「来た道と反対に行ってください、もっと奥の方なんです」

今野「かしこまりました」

エンジンをかけて車を走らせ
別荘の門を出ると左に曲がった
300名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 22:25:12.66 0
ぽんぽん…
301名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 22:29:30.45 0
何の支度をしたんだぁー今野ぉ!
302名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 22:35:17.36 0
前っちんも怪しくないか?性べ...
303名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 22:54:14.75 0
新狼にまた推理スレ立てる?
304名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 22:55:42.76 0
前回の推理スレが生きてるよ
305名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 22:58:10.62 0
例えば娘。メンでかまいたちの夜みたいに@推理スレ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1402484756/
あるよ
306名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 23:00:43.60 0
おぉ!!ありがとう!!
307娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 23:27:05.16 0
・・・・・・


石田「ねぇ小田ちゃんどう思う?」

石田はベッドに横になりながら
隣のベッドで同じく横になっている小田に問いかけた

小田「なにがですか?」

お互いに目は見ずに別々の方向を見ながら話している

石田「見なかった事にするって・・・」

小田「そうですねぇ・・・
   前藤さんの言う事も分からなくないんですけど」

石田「まぁね・・・でも本当にそれでいいのかな?」

小田「譜久村家の土地で死体が発見されれば
   真っ先に疑われるのは譜久村家の人間ですからね」

石田「確かにそうなんだけどさ・・・」

小田「実際の所どうなんですか?」

石田「何が?」

小田「私は実際に見てないんで分からないんですけど
   今野さんが『本当に人間なのでしょうか?』って言ってたじゃないですか」
308娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 23:28:07.75 0
石田「絶対かと言われると私も自信ないかな・・・
   シャツの袖の部分と手の甲の一部が見えただけだし」

小田「その程度なんですか?
   手の部分は全部見えたのかと思ってました」

石田「ううん、まぁあの時はみんな冷静じゃなかったし
   見間違いの可能性もあるんだよね」

小田「でもさっきも言ってましたけど
   人形だとしてもあそこに埋まってるのは不自然ですよね」

石田「うん、それこそ何のために?ってなるよね」

小田は石田と話しながら携帯を弄り始めた

石田「それにしても前藤さん決断するの早かった」

小田「決断ですか?」

携帯の画面を何度もスライドさせながら聞き返した

石田「もう見てすぐだった
   見なかったことにしようって」

小田「そうなんですか?」

石田「土までかけなおして」

小田「何でですかね」

小田は携帯を見てるせいか言葉に心がこもってなかった
309娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 23:28:52.32 0
石田「戻りましょとか言って1人で帰り始めちゃうし」

小田「そうだったんですか」

石田「・・・ねぇちゃんと話し聞いてる?」

そこで石田は初めて小田を見た

小田「あっ・・・聞いてます聞いてます」

石田「もう!携帯見てんじゃん!」

小田「ちゃんと聞いてましたよ!」

石田「前藤さんはあれが人形だとは一瞬でも思わなかったのかな?」

・・・

・・・

・・・

小田はついに何も答えなくなった

石田「小田ぁ!」

小田はいつに無く真剣な顔で携帯の画面を見ていた

石田「・・・どうしたの?そんな真剣な顔して」
310娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 23:29:59.76 0
小田「石田さん・・・」

石田「ん?」

小田「ちょっとこのニュース読むので聞いててください」

石田「なんでよ」

小田「いいから聞いてください」

石田「もう!早くして!」

小田「『捜索願い提出中の家族が部屋で血痕を発見』
   これがタイトルです」

石田「捜索願い?」

小田「二日前から捜索願いが出されていた小川誠さんの部屋で
   家族が血痕を発見した
   部屋には財布や携帯電話などの所持品がそのまま置かれている状態で
   警察は事件の可能性も視野に入れて捜索を続けている
   小川さんが最後に目撃されたのは4日前
   友人の証言によると青い長袖のシャツに紺色のジーンズだったという
   警察は目撃情報等を求めている」

石田「青いシャツ・・・」

小田「もしかして・・・埋まっているのは・・・」

石田「オガワマコトさん・・・」

小田「もう警察は捜索を始めてるみたいです」
311娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 23:30:37.25 0
石田「いやいや、偶然でしょ?」

小田「こんな偶然ってあります?」

石田「偶然じゃないなら奇跡?」

小田「もし本当に小川さんだったら・・・」

石田「小川さんは部屋で殺されてここまで運ばれて来たって事だよね」

小田「でも・・・さっきも言ってましたけど
   ここに運んでくるなんて無理なんですよね」

石田「もし小川さんが私や小田ちゃんよりももっと小柄な人だったら?」

小田「いやそれは無いですよ、だって小川さん男性ですよ?」

石田「え?女性じゃないの?」

小田「いえ男性です
   マコトは『誠』って言う字なんで男性ですよ」

石田「そっか『真琴』だと思ったから女性だと思っちゃった
   男性じゃなおさら運んで来るなんて無理だね」

小田「そうですね
   ここで殺されたならもしかしたら?と思いましたけど
   部屋に血痕があるならそれはあり得ないですよね」

石田「ちょっと待って!」
312娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 23:31:49.24 0
小田「なんですか?」

石田「うる覚えなんだけどさ・・・」

小田「はい」

石田「さっき前藤さん
   『それにあの男性は埋まってるの』
   って言わなかった?」

小田「言いましたっけ?
   それがどうしたんですか?」

石田「何で男性って知ってるのよ・・・」

小田「あ・・・」

石田「青いシャツと手の甲の一部で男性って分かる?」

小田「実際石田さんはどうだったんですか?」

石田「分かるわけないよ」

小田「余程毛深い男性なら分かりますけどね」

石田「全然そんな感じじゃなかったよ」

小田「そうですか・・・」

石田「前藤さんが犯人って事?」
313娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 23:32:22.76 0
小田「いや、でも待って下さい
   前藤さんは私たちと一緒にここへ来たんですよ?
   人が入るような大きい荷物も持ってなかったですし」

石田「そうだよね・・・
   じゃあなんで男性って知ってるの?」

小田「なんででしょう・・・」

石田「もし性別が分からなかったら
   『あの人』とか『人間』とか他に言い方はたくさんあるよね
   なんで男性って言い切ったんだろう」

小田「確かにそうですね・・・
   でも前藤さんには絶対無理なんですよ」

石田「実は前の日に一度ここに来てたとか」

小田「昨日ずっと仕事で一緒だったじゃないですか」

石田「そっか・・・
   じゃあ一昨日は?
   4日前から行方が分からないんだよね?」

小田「そうですね
   捜索願いが二日前で
   最後に目撃されたのが4日前です」

石田「前藤さんと仕事したのって昨日と
   その前はいつだっけ?」

小田「その前はしばらく別のマネージャーさんでしたね」
314娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 23:33:51.74 0
石田「じゃあやっぱり!」

小田「石田さん肝心なこと忘れてます」

石田「何よ・・・」

小田「鍵が無いとこの土地には入って来れないんですよ」

石田「あ・・・そうだった」

小田「鍵を持ってるのは譜久村さんのお父さんと今野さんだけです」

・・・

・・・

・・・

石田・小田「今野さん!?」

石田「もし前藤さんと今野さんが共犯だとしたら?」

小田「今野さんの車でここまで運んで来れます」

石田「それなら辻褄が合うよね」

小田「2人が共犯・・・」

石田「実は顔見知りだった・・・」

小田「・・・でも1つだけ」
315娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 23:34:39.39 0
石田「え?」

小田「今野さんは昨日からここに来たんですよ
   でも昨日前藤さんは私たちとずっと一緒だったんです
   前藤さんがここに来れるのは一昨日以前です
   それだと前藤さんは鍵を持っていないのでここに来れません」

石田「今野さんも一昨日以前に一度来た可能性は?」

小田「鍵は譜久村さんのお父さんに渡されたんだと思うんです
   つまり昨日ここに来るときに渡された
   だから一昨日以前は鍵を持ってないと思うんです」

石田「でもそれは分からないよね?
   私たちが旅行で今日来ることはずっと前から分かってたわけで
   今野さんが前日に準備に来ることも前から決まってた
   だから鍵も前もって預かってた可能性もあるでしょ」

小田「確かにそうですね
   でもこればっかりは考えても分かりませんよ」

石田「まぁ確かにそうだね」

小田「でも前藤さんが男性と言い切ったのは確かに怪しいですよね」

石田「もし前藤さんが犯人だったら
   頑なに見なかったことにすると言った理由も説明できるよね」

小田「犯人なら当然死体が見つからない方がいいですからね」

石田「譜久村家が疑われるなんてもっともな事言ってたけどそれは口実で
   小川さんが発見されないように見なかった事にした」
316娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/12(木) 23:45:13.07 0
小田「全て自分のためだった・・・」

石田「小田ちゃん・・・確かめに行こっか」

小田「何をですか?」

石田「前藤さんに話を聞きに行くの」

小田「そんな!危ないですよ!」

石田「大丈夫・・・小田ちゃんも来てくれれば」

小田「私もですか!?」

石田「当たり前でしょ!」

小田「全然当たり前じゃないです・・・」

石田「小田・・・小田ちゃんは何期?」

小田「11期です」

石田「私は何期?」

小田「10期です」

石田「うん、そういう事」

小田「ぜんっぜん分かりません!
   先輩の立場を利用して強制することはとても悪・・・」

石田「小田っ!行くよ!」
317名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/12(木) 23:50:31.31 0
小川誠てw
318名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 00:13:34.67 0
下手するとNGにしてる人が居るかもそのまことだと
319名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 00:13:53.62 0
ドキドキ
320名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 03:45:24.57 0
あんた何年目?w
321名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 04:51:19.03 0
[NGWord:小川誠] 投稿日:あぼ〜ん
おれもやっちまってるwww
322作者@転載は禁止:2015/02/13(金) 06:06:12.16 0
名前なんかまずかったのかな?
知らずに使ってしまった・・・w
323名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 11:17:40.30 0
>>322
その名前で荒らししてるのが居るんですわ
324作者@転載は禁止:2015/02/13(金) 11:34:28.86 0
まじか・・・
平仮名で男でも女でもある名前ですぐ思いついたのがこれだったんで使ってしまった
325名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 14:06:48.90 0
あれま
作者さん知らなかったのか
326名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 14:22:32.33 0
わざとかと思ってたw
327名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 14:35:22.11 0
殺され役だからまあいいんじゃないかw
328名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 16:21:45.75 0
この次のシリーズではどんな名前が出てくるかが
逆に楽しみになってしまったw
329娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 18:25:06.25 0
・・・・・・


赤い軽自動車が真っ暗な山道を進んでいる
街灯などは1つもない
車のヘッドライトだけが唯一の灯りだった

走行中今野に怪しまれないように密かに車中の血痕を探していた
しかしそれらしきものは何もなかった

譜久村「そこです!そこを右に曲がってください」

舗装された道から右に曲がると砂利道に変わった

すると森の木々が突然なくなり空がひらけた

砂利道は行き止まりとなりその先は崖になっていた

譜久村「ここです、星が凄く綺麗に見える場所」

3人は車から降りて空を見上げた

生田「マジやん!こんな綺麗な星見たの初めてっちゃ」

今野「本当に綺麗ですね・・・」

譜久村「昔お父さんに一度だけ連れて来てもらったことがあるの
    その時の星が忘れられなくてもう一度見たいなぁって思ってたの」

生田「これは見たくなるわ・・・」
330娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 18:26:27.40 0
譜久村「次はいつ来れるか分からないから
    よく目に焼き付けておいてね」

生田「これマジでみんなにも見せてあげたいっちゃ・・・」

しばらく3人で綺麗な星空を見上げていた


今野「お嬢様・・・」

突然今野が口を開いた

譜久村「なに?」

今野「お探しの物は見つかりましたか?」

譜久村「え?」

今野「先ほどお2人で車の中を覗いてらっしゃったので」

譜久村「だからあれはドライブに行きたいなぁ〜って」

今野「ここに来る途中でも車の中で何かをお探しになられてましたね」

生田は今野の異変に気付き譜久村の盾になるように一歩前へ出た

生田「聖・・・下がって・・・」

今野「一体何をお探しに?」

生田「何も探してなんておらんとよ!」
331娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 18:27:10.04 0
今野「血・・・でもお探しですか?」

生田「血?何言っとるん?訳わからんっちゃ」

譜久村「今野さんどうしちゃったの?なんか変・・・」

今野「そうでしょうか?
   変なのはお嬢様達ではないですか?
   なぜ車の中を懐中電灯で見ていたのでしょうか」

譜久村「だからドライブに!」

今野「運転免許を持ってないお嬢様達がですか?
   車を覗くまで運転免許を持ってないことにお気付きにならなかったのですか?」

譜久村「だから今野さんに・・・」

今野「それならまずは私の所にいらっしゃる筈ですね」

譜久村「・・・」

生田「聖・・・もうよか」

今野は生田を真っ直ぐ見続ける

生田「今野さん、1つ聞きたいことがあるっちゃけど」

今野「なんでしょう?」

生田「森で埋まってた人が着ていた服・・・何色でしたっけ?」
332娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 18:27:45.25 0
今野「確か青いシャツと仰ってましたね」

生田「誰がですか?」

今野「前藤さんが仰ったと思いますが」

生田「前藤さんは『シャツ』としか言っとらんけん
   キッチンで料理してたはずの今野さんが
   なんでシャツの色知っとるとですか?」

今野「・・・そういうことですか」

譜久村「今野さん!あなたが犯人なの?」

今野「お嬢様達が知っても仕方のない事です」

譜久村「どうして!?」

今野は上着のポケットから折りたたみ式のナイフを取り出した

今野「ここで死ぬからです!」

譜久村よりも一歩前にいる生田目掛けてナイフを突き出した
生田は持ち前の瞬発力でナイフを避け
今野の腕を掴んだ

しかし思いの外今野の力も強く
生田と揉み合いになった

譜久村は怯えて見ていることしか出来なかった
333娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 18:30:19.48 0
しかしやっぱり生田は強かった
生田の力に押されて今野は後ろにジワジワと下がる
やがて今野は崖の際まで追い込まれた

生田「聖!手伝って!」

生田の声で譜久村は動き出すことが出来た
腕を掴まれている手を振り払うため暴れようとする今野を
譜久村と生田の2人で押さえつける

すると突然今野が笑みを浮かべた
そして2人を押し返している力をスッと弱めた

急に抵抗が無くなったため2人が今野を崖に押し出してしまう形になった

今野は不気味な笑みを浮かべながら崖下に転落した

譜久村「今野さん!!!」

生田「うそやん・・・」

譜久村は今野が落ちた崖下を覗き込んでいる

生田「衣梨たちが・・・殺してしまったん?・・・」

譜久村「違う!だって今野さんが聖たちを殺そうとしたんだもん!」

生田「でも・・・結果的に衣梨たちが・・・」

譜久村「聖たち悪くない!今野さんが急に力を抜いたから!・・・」
334娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 18:30:55.57 0
2人はその場にへたり込んだ

生田「どうすればええっちゃ・・・これじゃウチら人殺しやん・・・」

譜久村「イヤ・・・人殺しなんてイヤッ!!!」

しばらく2人はその場を動けなかった・・・
335名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 18:55:35.03 0
今野からは何も聞けなかったか
336娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 19:06:56.71 0
・・・・・・


石田と小田は前藤の部屋に行くために2階の廊下にいた

石田「小田ちゃんわかった?」

小田「わかりました」

石田「そこ間違えたらアウトだからね」

小田「大丈夫です」

2人は前藤の部屋まで来るとまずはドアに耳を当てた
すると前藤の声が聞こえた

前藤「電源切れてる・・・なにやってんのよ」

石田と小田は顔を見合わせて同時に頷いた

コンコン

石田がドアをノックする

前藤「はい」

石田「石田です、ちょっとお話しがありまして、よろしいですか?」

前藤「いいわよ」

2人はドアを開けて中に入った
337娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 19:08:05.11 0
前藤「話しって?」

小田「さっきの話しです」

前藤は呆れた表情を見せながら携帯をテーブルに置いた

前藤「だからそれは見なかった事にしましょうって言ったじゃない
   じゃないと譜久村家が疑わ・・・」

石田「分かってます」

石田が前藤の言葉を遮った

小田「それが一番いいのは分かってるんです
   でもそうも言ってられなくなったかもしれません」

前藤「どういうこと?」

石田「この件がもうインターネットでニュースになってるかもしれないんです」

前藤「本当なの?」

前藤の表情が一瞬曇った
338娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 19:08:49.64 0
小田「はい、そのニュース読みますね

   二日前から捜索願いが出されていた女性の部屋で
   家族が血痕を発見した
   部屋には財布や携帯電話などの所持品がそのまま置かれている状態で
   警察は事件の可能性も視野に入れて捜索を続けている
   女性が最後に目撃されたのは4日前
   友人の証言によると青い長袖のシャツに紺色のジーンズだったという
   警察は目撃情報等を求めている」

小川誠と書かれている部分を『女性』に変えてニュースを読んだ

石田「青いシャツですよ
   きっと森で埋められている女性じゃないですか?」

小田「もう警察が動き出しているならそのうち・・・」

前藤「何言ってるのよ・・・
   女性ってところでもう違うの分かるでしょ」

前藤は肩の力が抜けて少しホッとしたように見えた

石田「なぜです?」

前藤「なぜって・・・埋まってるのは男性でしょ」

石田「そうなんですか?」

前藤はここでようやく自分の失言に気付いた
339娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 19:09:28.43 0
小田「なぜ男性だと分かるんです?」

前藤「だって青いシャツよ
   きっと男性だと思ったの」

石田「青いシャツ・・・私も着ますけど」

小田「石田さんイメージカラーですからね」

石田「男性って言い切ってましたよね
   かもしれない・・・じゃなくて
   シャツの袖と手の甲の一部が見えただけで
   なぜ男性だと分かるんですか?」

小田「普通ならこのニュースが今回の件に関係あるのか無いのか
   関連性を考えるなら男性か女性かではなく
   青いシャツの方ですよね」

前藤「そうかしら・・・そうとも限らないんじゃない?」

小田「ちなみに捜索願いが出されてるこの方
   小川誠さんという名前のようです」

前藤「私は今日あなた達と一緒に初めてここに来たのよ
   あの人を森に埋める時間なんて無かったわ
   それにどうやって私があの人をここまで運ぶのよ」

石田「どうしたんですか?
   なぜ男性と知ってたのかを聞いただけですよ?」

前藤「だからそう思っただけよ」
340娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 19:10:28.74 0
小田「女性だという可能性も考えていたんですか?」

前藤「当たり前じゃない」

小田「ん〜だったら青いシャツという点も一致してるのに
   女性だからこのニュースが関係ないって言うのはおかしいです」

前藤「だから私が犯人ならどうやってあの人をここまで運んだというの?」

石田「誰も前藤さんが運んだなんて言ってませんよ」

前藤「じゃあ誰が運んだのよ」

石田「知りたいですか?」

前藤「・・・是非教えて欲しいわ」

石田はテーブルの上の携帯を指差した

石田「私の言うとおりに操作してください」

前藤は訝しげに携帯を手に取った

石田「電話 発信履歴
   ・・・最初に出てきた名前を読んでください」

前藤「・・・私は今日初めて今野さんと会ったのよ?」

石田「え?今野さんなんですか?」

前藤「・・・」
341娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 19:11:26.92 0
石田「なんで今日初めて会った今野さんに電話を?
   しかもすぐ下にいるのに・・・」

前藤「あんた達・・・私を弄んでそんなに楽しいの・・・」

小田「認めるんですね?前藤さんが犯人だって」

前藤は諦めたのか力なくベッドに座った

前藤「あさみとは昔からの親友なの」

石田「あさみ?」

前藤「今野の事よ、今野あさみ
   私が今の旦那と結婚する前、私は小川と付き合っていたの
   でも小川は親友のあさみとも関係を持っていた
   私とあさみはそんな事には気付きもしなかった
   
   でもその事実が分かったとき私は身を引いた
   あさみなら・・・そう思った
   
   その後私は今の旦那と結婚し
   あさみは小川と上手くやっている
   そう思ってた・・・
   
   でも小川はあさみと関係を持ちながらまた他の女と付き合っていた
   私とあさみは同じ男に・・・小川に遊ばれていた
   
   私は今の旦那と結婚し今は幸せよ
   でもあさみはあまりにもショックが大きかったようで
   小川を殺してしまった・・・それが四日前の事
342娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 19:12:31.06 0
   あさみが譜久村家で働いていることは知ってたの
   一週間くらい前から私はあなた達の旅行に帯同することは決まっていた
   その事をあさみに話したらあさみも到着前日から別荘に行くって聞いて
   2人で喜びながら色々話してた

   それがこんな事になって・・・

   小川をここに埋めることを提案したのは私
   あさみは昨日1人でここに来ることになってたから
   これしかないって思った
   ここなら絶対に見つからないって思ったし・・・

   あさみには幸せになって欲しいのよ
   だからお願い、見なかったことにして欲しいの・・・」

小田「事情はよく分かりました
   でももう警察が動き出してるんですよ」

石田「小川さんと今野さんがお付き合いしてた事だって
   警察はきっと調べますよ
   そうしたら働いていた譜久村家と繋がり
   そのうちこの別荘だって調べられるかもしれません」

前藤「それならそれで仕方ないわ
   でも自分から警察に通報なんてできないわ
   私だけの問題じゃない、あさみのためにも」

前藤はベッドから立ち上がった

前藤「お願い、今回は見逃してちょうだい
   それがダメなら・・・」
343娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 19:13:30.89 0
前藤は鞄の中から折り畳みナイフを取り出した

石田「ちょっと!何する気ですか!?」

前藤「見逃してくれないなら・・・ここで死んでもらうわ」

小田「待って下さい!」

前藤「さあ・・・どうするの?」

石田「こんな事してどうするつもりですか?
   前藤さんだってただじゃ済まないですよ!」

2人はジワジワと後ろに下がる
前藤は一歩ずつ距離を詰める

小田の背中がドアに当たった
後ろ手でドアノブを回してドアを開けた

前藤「見逃してくれないならみんな殺してあさみと逃げるわ」

2人は後ろに下がりながら廊下に出て吹き抜けの手すりまで下がってきた
前藤は部屋のドアから出たところに居る

前藤「これが最後よ・・・見逃してちょうだい」

石田「お・・・落ち着いてください」

小田「みんなを殺したら罪を重ねてしまうだけです」

前藤「・・・分からず屋ね」
344娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 19:14:36.88 0
そう言うと前藤はナイフを前に突き出して2人目掛けて走って来た
普段はあまり仲良くないと言ってはいるが
息ピッタリに左右に分かれて前藤をかわした

走って来た前藤は勢いがあったため吹き抜けの手すりに腹で乗り上げた
腹を支点にして頭が下に下がり足が持ち上がった

前藤「あっ!!!」

前藤は本気だった
このままじゃ殺されると思った2人は咄嗟の行動に出た
石田は前藤の左足、小田は右足をここでも息ピッタリ同時に持ち上げた
頭が完全に下になった前藤はそのまま1階のリビングに落ちた

ゴスッっと鈍い音がした

2人は吹き抜けから下を覗いた

前藤は運悪く重たく固い大理石のテーブルの角に頭から落ちた

2人ともあまりの出来事に声さえ出なかった

先に我に返ったのは石田だった
小田は未だに下を覗いたまま震えている

小田「どうしよう・・・前藤さんが・・・」

石田「小田ちゃん!」

石田は小田の手を掴み無理やり引っ張って自室に戻った
345娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 19:16:05.18 0
・・・・・・


鞘師は1人部屋でウトウトとしていたところ物音で目が覚めた

鞘師「今の音なに?」

鞘師は廊下を見てみようと思いベッドから立ち上がった
その時カーテンの隙間から光りが見えた

カーテンを少し捲って外を覗くと
2つの光りが真っ暗な庭に入ってきた

鞘師「なに?・・・車?」

その車は今野の赤い軽自動車だった

しかし外は街灯もない暗闇のため
鞘師には色は認識できなかった

ただ黒いシルエットが動いている状態だった

車が庭に停車するとライトが消されてさらに暗闇になる

そして2人のシルエットがこの別荘の玄関に向かって歩いてくる

鞘師「誰だろう・・・運転できるのは今野さんだよね
   どこに行ってたんだろう」

鞘師は大きなあくびをした

鞘師「まあいっか・・・寝よう・・・」
346娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 20:03:05.91 0
・・・・・・


譜久村と生田は車で帰ってきた

歩いて帰ってくるのは到底無理と判断し
生田が運転した

もちろん運転免許は持っていない

だが他の車も歩行者もいない
信号もない交差点もない山の一本道
以前スノーモービルも運転したと噂のある生田だ ※(娘。たちの夜 工藤編参照)
車の運転など朝飯前だった

音を立てないようにそっと玄関に入り
リビングに続くドアも人が居ないか確認するためにそっと開けた

すると目の前に信じられない光景があった

頭から血を流して前藤が死んでいた

2人は悲鳴を上げそうになったが口を押さえた

生田「何なん!?どういうこと!?」

なるべく小さい声で喋った

譜久村「なんで前藤さんが・・・」

生田「何があったと!?」
347娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 20:03:37.37 0
譜久村「みんなはどうしてるの!?」

生田「気付いとらんと!?」

譜久村「みんなに知らせなきゃ!」

生田「待って!ウチらが外に行っとった事バレたらヤバイやろ
   ずっと部屋に居たことにして誰かが気付くの待っとったほうがええっちゃ」

譜久村「そっか・・・じゃあ早く戻ろう」
348娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 20:04:08.61 0
・・・・・・


小田「石田さんどうするんですか!?」

石田「ウチら悪くない!だって前藤さんに殺されそうになったんだよ!?」

小田「やらなきゃ私たちが殺されてたかもしれない」

石田「そうだよ!これは正当防衛!私たちは悪くない・・・」

小田「私みなさんに知らせてきます」

石田「待って!1階には今野さんがいる
   落ちたときの音でもう気付いてると思う」

小田「そうでしたね・・・
   でも・・・静かですね」

石田「今野さん寝ちゃって気付いてないのかな」

小田「それもあり得ますね」

石田「小田ちゃんちょっとここで待ってて」

小田「どこ行くんですか?」

石田「ちょっと下覗いてみる」

石田は静かにドアを開けて廊下に出ようとした
その時丁度階段から譜久村と生田が上がって来たのが見えた
石田は慌ててドアを閉めた
349娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 20:04:37.24 0
小田「どうしたんですか?」

石田「シーッ」

石田は気付かれないようにドアを少しだけ開けて廊下を覗いた

譜久村と生田は何も喋らず足音も立てないように
静かに部屋に入って行った

石田「何でよ・・・」

石田はドアを閉めるとベッドに急いで戻って座った

石田「なんで!?」

小田「石田さん!どうしたんですか?」

石田「今譜久村さんと生田さんが階段を登ってきたの」

小田「それで?」

石田「それでって・・・おかしいでしょ?
   下から来たって事は前藤さんが死んでることに気付いてるはず
   なのに何も言わず静かに部屋に戻った・・・」

小田「そっか・・・確かにおかしいですね」

石田「どういうこと!?
   下で前藤さんが死んでるのに誰にも知らせず
   それどころか誰にも気付かれないように部屋に戻る理由ってなに?」
350娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 20:05:09.63 0
小田「何かまるで犯人のような行動・・・」

石田「だよね・・・なんであの2人がそんな事を?」

小田「まったく分かりません・・・」

石田「まるで誰かに見られるのを避けてるようなそんな感じだった・・・」

小田「でも石田さんもそんな感じですよ?
   なんで譜久村さんと生田さんが来たらドア閉めたんです?
   私たち何も悪い事してないはずですよね?」

石田「そうなんだけど・・・何か罪悪感が・・・」

小田「分かりますけど・・・
   だからこそ私たちが第一発見者になったほうがいいんじゃないですか?
   前藤さんは滑ってリビングに落ちたことにすればいいんです」

石田「でも待ってよ、小川さんの事件の真相知ってるのは私たちだけなんだよね
   その事はどうするつもり?」

小田「もちろん言うべきです」

石田「でもそうすると私たちは前藤さんと会話をしてたことになる
   疑われないかな?」

小田「それなら正当防衛だったって言えばいいんじゃないですか?」

石田「いくら正当防衛だとしても人を殺してしまったことには変わりないよ?
   私たちはモーニング娘。だよ
   そのメンバーが人を殺してしまったとなればどうなると思う?」
351娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 20:05:40.69 0
小田「正当防衛とはいえ人殺し・・・」

石田「そんなイメージが付いたらもうモーニング娘。は終わりだよ」

小田「じゃあどうするんですか?
   小川さんの件も黙ってるんですか?」

石田「・・・それしかないと思う」

小田「石田さん!」

石田「だってモーニング娘。のためだもん!」

小田「・・・」

石田「モーニング娘。は私たちだけのものじゃないの
   OGの先輩が繋いでくれた
   ファンのみんなが支えてくれた
   そして私たちは後輩達へ繋いで行かなくちゃいけない
   小川さんには悪いけど私はモーニング娘。を選ぶ」

小田「・・・分かりました
   石田さんの言うとおりです
   私どうかしてました・・・」

石田「小田ちゃん・・・」

小田「本当に守るべきものは何なのか
   ちょっと見失ってました・・・」
352娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 20:06:07.69 0
石田「だから前藤さんの話しは闇に葬ろう」

小田「そうですね
   それで・・・これからどうするんです?」

石田「誰かが前藤さんを見つけるまでこの部屋で待ってよう
   この部屋から私たちは一度も出てない
   そういう事にするの」

小田「わかりました」
353名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 20:14:03.45 0
ゴクリ
354名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 20:25:43.18 0
どうなるんだろうね
355名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 20:28:04.29 0
こういう風にいろんな人の思惑が絡み合って事態が複雑化していく話つくるのうまいね〜
期待以上におもしろいよ
356名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 20:35:56.53 0
おおっ思ったよりも深いのだ
357名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 20:58:57.44 0
生田万能でふいたw
358娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 21:01:59.16 0
・・・・・・


譜久村「ねぇ衣梨ぽん・・・何がどうなってるの?」

生田「さっぱりわからんっちゃ・・・」

譜久村「なんで前藤さんが死んでるの!」

生田「今野さんが犯人だった、それでもう終わってるはずやん
   なんで前藤さんが・・・」

譜久村「今野さんの件に前藤さんは何か関係あるのかな?」

生田「どうなんやろ・・・」

譜久村「わけ分からないよ」

生田「ちょっと待って・・・
   今野さんは死んだ・・・前藤さんも死んだ・・・
   残ってるのって・・・」

譜久村「メンバーだけ・・・」

生田「うそやん・・・」

譜久村「そんなのあり得ない!
    みんなが前藤さんを殺すなんてあり得ないよ!」

生田「じゃあ前藤さんは誰に殺されたん?」

譜久村「・・・」
359娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 21:04:05.09 0
生田「メンバーしかおらんやん?」

譜久村「聖はそんな事信じない!」

生田「衣梨だってそんな事思いたくないっちゃ!
   でも他に説明できんやろ?」

譜久村「モーニング娘。・・・どうなっちゃうの?・・・」

生田「聖・・・」

譜久村「やっとリーダーになれたのに・・・
    私の代で終わっちゃう・・・」

生田は頭を抱えた

譜久村「OGの先輩達に合わす顔がないよ・・・
    ファンのみんなにだって・・・」

しばらく生田は何も答えなかった
だが突然抱えていた頭を上げた

生田「ねぇ聖・・・今野さんがやった事にできんかな?」
   
譜久村「え?」

生田「今野さんが前藤さんを殺して崖から飛び降りて自殺・・・」

譜久村「そっか・・・そうすれば聖たちも・・・」

生田「衣梨たちだけじゃないけん
   前藤さんを殺した誰かも救われるっちゃ」
360娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 21:04:53.15 0
譜久村「そうしよう・・・それしかないよ!」

生田「でもちょっと心配な事があるんよ」

譜久村「なに?」

生田「さっき2階に戻って来たとき・・・見られたかもしれん」

譜久村「うそ・・・誰に?」

生田「見られたかどうかははっきりとは分からんっちゃけど
   階段を登りきったときにあゆみちゃんとさくらちゃんの部屋のドアが閉まったんよ」

譜久村「閉まったって事は部屋に戻ったって事でしょ?
    なら見られてないんじゃない?」

生田「分からんっちゃけど・・・」

譜久村「ねぇ待って・・・部屋に戻ったって事はそれまでどこかに行ってたんだよね
    前藤さんが死んでることに気付かなかったのかな?」

生田「2階のトイレに行ったんやったら吹き抜けから下を覗かなければ気付かないかもしれん
   でももし気付いてるのに部屋に戻ったんやったら怪しいっちゃね・・・」

譜久村「あの2人が・・・」

生田「仮にもしそうやったとしても
   今野さんが前藤さんを殺してから崖から自殺したことにすれば」

譜久村「メンバーは誰もは犯罪者にはならない・・・」

生田「完璧やろ?」
361娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 21:05:20.26 0
譜久村「それと、今野さんが森に人を埋めたことはどうするの?」

生田「聞かなかった事にするしかないやろ
   衣梨達はこの部屋から出てない事にしなくちゃいけない
   今野さんと会話した事は知られたくない
   怪しまれるけんね・・・」

譜久村「前藤さんが言う通り何も見なかったことにするしかないんだね」

生田「それが一番やと思う」

譜久村「じゃあこれからどうするの?」

生田「誰かが前藤さんを見つけるまでこの部屋で待機やね」
   そしてずっと部屋に居たことにする」

譜久村「わかった」
362娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 21:06:02.77 0
・・・・・・


『きゃあああああ!!!!』

1時間もしないうちに廊下から悲鳴が聞こえた

寝ていたメンバーもその悲鳴に飛び起き
次々と廊下に出てきた

今の悲鳴は牧野だった
吹き抜けの手すりの前で座り込んでいる

工藤「どうした牧野ちゃん!!!」

牧野は何も言わず吹き抜けの下を指差した

『きゃああああああ!!!!!!!』

再度複数の悲鳴が別荘に響き渡る
もちろん前藤が死んでいる事を知っている4人も悲鳴を上げていた

生田「前藤さん!!!」

生田は階段を駆け下りリビングで死んでいる前藤の元に向かった

石田(・・・生田さん、それ演技ですよね?
   死んでるの既に知ってますもんね)

石田と小田は生田の演技を最後まで見届けることにした
363娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 21:06:33.07 0
生田「死んどるやん・・・」

鈴木「なんで!?何があったの!?なんで前藤さんが!!!」

小田「もしかして誤ってここから落ちたんじゃ・・・」

石田「うん、そうかもしれない」

譜久村は前藤について何か知っているかもしれない石田と小田を見ていた

飯窪「こんな高い手すりがあるのに?」

鞘師「今野さん!今野さん呼ぼうよ!」

鈴木「そうだね!衣梨ちゃん今野さん呼んで!」

下にいる生田に呼びかけると
生田は今野がいるはずの和室に向かった

生田「おらん!今野さんがおらん!」

声だけが2階にいる皆に聞こえた

譜久村「どういう事?」

石田「こんな時間にどこか行ったんですか!?」

鈴木「うそでしょ・・・出掛けるってどこに?」

工藤「この別荘以外何も無いですよ
   コンビニも無ければ自動販売機もない」
364娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 21:07:03.66 0
小田「行くところなんて無いですよね」

佐藤「お風呂に入ってるとか?」

工藤「こんな時間に?」

鞘師「一応見てみたほうがいいんじゃない?」

鈴木「衣梨ちゃん!お風呂も見てきて!」

生田は和室からバスルームに向かった

生田「真っ暗で誰もおらん!」

また声だけが聞こえる

譜久村「もう!こんな時にどこ行ったの!」

小田「出かけたのは間違いなさそうですね」

工藤「マジかよ・・・」

12期は牧野を囲むように固まって震えている

生田が階段を登って2階に戻ってきた
吹き抜けを中心にして囲むようにメンバー達がいる
365娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 21:09:09.27 0
生田「どうするん?」

工藤「とりあえず警察に連絡します?」

譜久村「ちょっと待って!今野さんの行方が分かってからのほうが・・・」

工藤「なんでですか?」

譜久村「もしかしたら・・・もしかしたらだけど
    ひょっとして今野さんが・・・」

工藤「前藤さんを殺したとでも!?まさか!」

石田「今野さんが前藤さんを!?
   そうだよ!絶対そうだよ!突然居なくなるなんておかしいもん!」

生田(この段階で絶対って言い切るんかいな・・・
   もしもあゆみちゃんが前藤さんを殺したんやったら
   今野さんのせいになれば願ったり叶ったりやん
   だからそこまで聖の言うことに同意したって事も考えられるっちゃね)

石田(上手く行けば前藤さんを殺したのは今野さんって事に・・・
   でも今野さんは本当にどこに行ったんだろう)
366娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 21:09:41.45 0
小田(今野さんが消えたことを知ったのはたった今だよね
   あの2人がさっき前藤さんが死んでるのを見たときは
   今野さんがどうなってるのかは知らなかったはず
   それなのに今野さんが殺したって言うって事は
   あの時から既に今野さんが消えたことを知っていた・・・?
   実際に今野さんが前藤さんを殺した所は見てないはず
   だって殺したのは私たちだから
   2人が初めに前藤さんが死んでいるのを見たときから
   今野さんが犯人だと思った
   だから今野さんを庇って前藤さんが死んでいる事を無視した
   考えすぎかな・・・)
   

鈴木「いや決め付けるのはまだ早いって」

工藤「そうだよ、ここから落ちてしまった事故かもしれないし」

飯窪「んーこの手すりから?・・・落ちるかなぁ・・・」

小田「下を覗いてて手すりにかけていた手が滑って落ちてしまったとか」

飯窪は実際に手すりに手を掛けて滑った様子を再現してみた

飯窪「ちょっと無理があるんじゃない?」

小田「そうですかね・・・?」

工藤「それは警察が調べれば分かるじゃん
   早く連絡しようよ!」

譜久村「お願い待って!・・・今野さんが心配なの」
367娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 21:10:40.77 0
工藤「それは分かりますけど・・・あんまり理由になってないというか・・・」

生田「聖にしか分からん想いがあるんとちゃう?
   ウチらは今日始めて会ったけど聖は前から知っとるわけやしさ」

石田(警察を呼ぶことに頑なに反対する譜久村さん
   前藤さんを殺したのが今野さんだと思ってる
   でも今野さんが居なくなったことを知ったのはついさっき
   あの時前藤さんが死んだことを無視して
   静かに逃げるように部屋に戻った理由はなんだろう・・・)

佐藤「滑って落ちたとしてじゃあ今野さんはどこに行ったの?
   前藤さんが死んでるのを見て何も言わずに出掛けたの?」

飯窪「前藤さんが死ぬ前に出掛けたって可能性もあるよ?」

工藤「絶対そうでしょ
   死んでるのを見てそのまま出かける理由が分からない」

譜久村「もし殺したのが今野さんだったら?」

工藤「ですから、出掛けたってだけでなんで前藤さんを殺したなんて決め付けるんですか!」

譜久村「決め付けてる訳じゃない!もしかしたらって事」

飯窪「つまり今野さんは前藤さんを殺した後
   ここから逃げた可能性があるって言いたいんですよね?」

譜久村「うん・・・」
368名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 21:47:32.69 0
さるかな?
369娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 22:01:26.37 0
佐藤「車は?いま庭に車はある?」

飯窪「どうだろう・・・」

石田「私見てきます!」

石田は部屋に戻ると南側の窓から庭を見た
だが車はちゃんと庭にあった

石田「車ありますね」

鈴木「逃げるなら当然車だよね」

工藤「逃げたんじゃなくてもちょっと出掛けるだけでも
   ここからは車じゃないとどこにも行けないですよ」

生田「って事はどこか近くにおるって事やろ」

鞘師「あ・・・車で思い出した」

小田「なんです?」

鞘師「さっき車帰ってきた」

譜久村・生田(え!?・・・)

鈴木「いや、端的過ぎて全然意味分からないよ里保ちゃん」

石田「もうちょっと詳しく教えてもらってもいいですか?」

鞘師「さっき車がここに帰ってきたのを窓から見たの
   2人だった」
370娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 22:01:53.84 0
譜久村(聖たち・・・)

生田(見られとった・・・)

石田・小田(もしかしてあの2人?・・・)

工藤「2人って誰ですか?」

鞘師「暗くて顔は分からなかった」

譜久村(良かった!顔は見られてない!)

小田「一人は運転できる今野さんですよね
   もう1人って誰ですか?」

メンバー達が顔を見合わせる

鈴木「誰もいないっておかしいでしょ!
   ここには私たちしか居ないのに」

野中「前藤さんじゃないでしょうか・・・」

鈴木「そっか、どこ行ってたんだろうね」

工藤「帰ってきてから前藤さんは死んで
   今野さんはまたどこかに行った
   しかも車は使わず歩いて」

譜久村「帰ってきてから今野さんが前藤さんを殺してどこかに・・・」

生田(聖・・・ちょっと強引に持って行き過ぎちゃうかな・・・
   逆に怪しまれるっちゃ・・・)
371娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 22:02:45.13 0
石田(なんかどうしても譜久村さんは
   前藤さんを殺したのが今野さんって事にしたがってるような・・・)

飯窪「あのちょっといいですか
   見たくない方は見なくて結構です
   下を見てもらえますか」

佐藤と12期以外が下を見た

テーブルの北西側の角に血痕が付着している
そのテーブルの角のすぐ下に前藤の頭があり
洗面の方向に足が倒れていてうつ伏せになっている

飯窪「前藤さんは頭の頭頂部から激しく出血してます
   例えば前藤さんと今野さんが争いになって
   何かの拍子に前藤さんが倒れてあそこの角に頭を打ったとします
   倒れて頭を打ったなら頭頂部を打つっておかしいと思いません?」

工藤「確かに、前藤さんはうつ伏せに倒れている
   それなら額の辺りを角に打つはずだね」

鞘師「つまりどういうこと?」

飯窪「さっきはここから落ちるのは無理って言いましたけど
   頭頂部って事はやっぱりここから頭から転落したんだと思います
   そうすると前藤さんは事故死で
   今野さんが殺したっていうのは違うと思うんです」

小田(事故死でも今野さんが殺したんだとしても私たちは構わないんだけど・・・)

生田「ここから落ちたなら和室にいる今野さん気付くやろ」
372娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 22:03:26.05 0
石田「はるなんの言う通りここから落ちたのは間違いないと思います
   頭頂部を打つなんて他に考えられませんし
   それで今野さんが気付かないならその時にはもういなかったんじゃないですか?」

譜久村「前藤さんが死ぬ前に今野さんが居なくなる意味が分からないよ
    しかも歩きでどこかへ行くなんて」

鈴木「そうなんだよね・・・
   辻褄としては今野さんが前藤さんを殺して逃げたって言うのが一番合うんだけど」

飯窪「でも状況的に前藤さんは転落死です」

工藤「じゃあ今野さんはどこに・・・」

鞘師「そういえばさ、車が帰ってくるとき何か音がしたんだよね
   ドンッ!みたいな
   あの音って前藤さんが落ちた音だったのかな・・」

石田(音がしてから車が帰ってきた・・・
   タイミング的にその音は前藤さんが落ちた音で
   車の2人はやっぱり譜久村さんと生田さん
   どこ行ってたんだろう・・・
   しかも2人とも免許持ってないのに・・・)

譜久村(聖たちが帰って来るすぐ前に前藤さんは落ちたんだ
    だとすると聖たちが2階に上がったとき部屋に戻った
    あゆみちゃんとさくらちゃんって・・・)
373娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 22:04:03.32 0
生田(あゆみちゃんとさくらちゃんは前藤さんが落ちたとき
   部屋の外にいたと?
   ちょっと待って、前藤さんは本当に事故でここから落ちたと?
   部屋の外にいたあゆみちゃんとさくらちゃん・・・
   どっちか1人かもしれんっちゃけど
   前藤さんが落ちたことに気付かないってどう考えてもおかしいやろ)

小田(鞘師さんが音に気が付いたのに和室に居るはずの今野さんが気付かない訳ないよね
   やっぱりその時にはもう今野さんは居なかった
   そして今野さんの車で帰ってきた譜久村さんと生田さん・・・
   やっぱり2人がやってる事はおかしい
   前藤さんを殺したのが私たちじゃなくて今野さんなら
   今野さんを庇って二人が今野さんを逃がしたって事も考えられる
   でも前藤さんを殺したのは私たち・・・)

工藤「え?ちょっと待って下さいよ、前藤さんがその時落ちたのなら
   車に乗っていた2人は今野さんと誰ですか?」

鈴木「前藤さんじゃないならメンバーの中の誰かって事になるけど・・・」

佐藤「誰か嘘ついてるの?」

飯窪「え・・・あれ・・・?」

石田「はるなん?」

飯窪「車から降りて戻ってきた2人は転落して死んでいる前藤さんを見ているはず」

石田(それは譜久村さんと生田さんなの・・・でも2人は見て見ぬフリをしたの・・・
   何でだと思う?・・・それは私が聞きたいよ・・・はるなん)
374娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 22:04:39.32 0
工藤「そっか、そういうことになるよね
   この中の誰かがその時に前藤さんが死んでいるのを既に知っていた」

生田(ちょっとこれヤバイ展開なんちゃうん?)

譜久村(これじゃ今野さんが前藤さんを殺して自殺したことに出来ない!)

鞘師「既に知っていたのに言わなかった理由は何なの?」

佐藤「外に行っていたのを知られたくないから?」

譜久村(違う・・・聖たちじゃないもん!)

生田(何なのこの優樹ちゃんの直感力・・・)

小田(そうなんですよ、2人は外に行っていた事を隠してるんです)

石田(外に行っていたことを隠す理由・・・
   まさか・・・2人は今野さんを・・・
   ・・・まさかね)

飯窪「何でだろう・・・」

工藤「あ・・・もしかして・・・」

鈴木「なによ・・・」

工藤「今野さんも・・・」

石田(どぅーやめて!)

工藤「死んでるんじゃ・・・」
375娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 22:05:09.19 0
鈴木「何でよ・・・」

工藤「分かりませんけど」

鞘師「つまり今野さんを殺してしまったから
   外に出ていたことがバレると怪しまれるから隠してるって事?」

鈴木「待ってよ、なんで今野さんが死んだことになるの」

工藤「だってどう考えてもおかしいですよ
   ここから車無しでどこかへ行くことは考えられません
   殺されたと考えれば鞘師さんが今言った理由が当てはまるんです」

生田「いくらなんでもこじ付け過ぎやろ
   そもそも今野さんが殺される理由なんて無いやん」

飯窪「それに今野さんがまだ生きてるときに車で戻ってきてるんだよ?
   今野さんを殺してしまったから外に行ったことを隠すって矛盾してるよ」

譜久村「うん、どぅーの言ってることはおかしいよ」

工藤「そもそも車で帰ってきたのが今野さんと誰かっていうのも分からないからね」

佐藤「でも今野さんしか運転出来ないよ?」

工藤「道路交通法ではね」

飯窪「どういうこと?」

工藤「運転なら誰でも出来るってこと
   違反にはなるけどね」
376娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 22:06:00.27 0
生田(何なん!この子達こんなに頭良くなかったやん!
   なんでこんな時だけそんなに頭冴えとると?)

石田(生田さん・・・ちょっと動揺してるような・・・
   本当に今野さんを殺してしまったの?でも何で?
   もしかして私たちと同じように小川さんの事に気付いたのかな
   私たちは前藤さんだったけど譜久村さんと生田さんは
   今野さんの不審な点に気付いた?
   そして今野さんを外に呼び出して話をしているうちに・・・
   あり得ない話じゃないよね?
   でももしそうだとしたら2人を守ってあげなくちゃ
   そもそもモーニング娘。を守るために私と小田ちゃんも
   前藤さんを死なせてしまった事を隠してる
   ここで譜久村さんと生田さんを守れなかったら
   結局同じ事になっちゃう・・・)

小田(石田さんが何か考えてる・・・
   私と同じ事かな・・・
   多分譜久村さんと生田さんは今野さんを殺してしまった
   だから外に出ていたことを隠してる
   そうじゃないと前藤さんを見なかったことにする理由が無い
   でも譜久村さんと生田を守るべきですよね
   そうじゃないとモーニング娘。が・・・)

譜久村(もうだめ・・・どうしよう衣梨ぽん・・・
    このままじゃそのうち全部バレちゃうよ・・・)

飯窪「運転していたのが今野さんじゃないとなると
   メンバーの中の2人ってことになっちゃうけど・・・」
377娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 22:06:36.28 0
鈴木「ねぇみんなどうしたのよ・・・ちょっと変なことが続きすぎて
   頭おかしくなってない?
   今野さんを殺す動機は何よ?
   今日初めて会ったのよ?」

その時皆の視線が一箇所に集まった

譜久村「なに!?・・・なんで聖を見るの!?」

工藤「いや、譜久村さんは初めてじゃないなって思っただけです」

譜久村「それだけの理由で聖が疑われるの?そんなのひどいよ!」

石田「そんなことで疑うなんて譜久村さんに失礼だよ!」

小田「そうですよ!譜久村さんがそんな事するわけ無いです!」

工藤「すいません・・・
   なんかハルおかしくなっちゃったのかな・・・・
   メンバーの事疑いたくなんかないのに・・・」

飯窪「疑いたくはないけど事実を知りたい
   そういう事なんじゃないのかな」

鈴木「事実を・・・」

飯窪「例えばもしメンバーの誰かが犯人だったら
   私は・・・その人を庇うと思う
   だってモーニング娘。だもん」
378娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 22:07:24.46 0
工藤「そうだね
   モーニング娘。のためにその人を守る
   モーニング娘。を守ることは自分のためでもあるからね」

飯窪「そのためには事実を知らなくちゃならないでしょ
   犯人を探し出して警察に通報するとかそういう事じゃなくて」

鈴木「その人を守るために事実を知りたいって事ね」

石田(事実・・・か・・・
   私と小田ちゃんが前藤さんを殺してしまった事を言ったら
   みんなは庇ってくれるのかな・・・)

生田(言ってもええんかな・・・
   みんなを信用してすべてを打ち明けてもよかと?・・・)

譜久村(もし庇ってくれたとしても
    それ以降ずっとメンバーから人殺しとして見られることには変わりないよ
    それに私はリーダーなの
    リーダーはみんなに尊敬されなくちゃいけないの
    人殺しとして弱みを握られるリーダーになんてなりたくない!
    私がなりたかったリーダーはそんなんじゃないもん!)


尾形「あの!あれ見て下さい!」

今まで牧野に寄り添ってずっと黙っていた尾形が突然吹き抜けの下を指差した
皆の視線が指差した先に向けられる
379名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 22:21:06.32 0
C
380娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 23:00:47.48 0
尾形「あのソファの下です!」

尾形が言うソファとは西側の3人掛けのソファだった

しかしメンバー達には見えない

尾形「あれナイフとちゃいますか!?」

工藤「ナイフ!?」

ソファの下にはナイフの剣先が僅かに見えていた
だが廊下の東側にいた尾形からの角度からでなければ見えなかった

石田と小田は目が合った
前藤が転落死した事だけに意識が向いてしまい
前藤が持っていたナイフの存在をすっかり忘れていた

石田(ナイフの事忘れてた・・・)

小田(やばくないですか?
   ナイフがあるということはただの転落事故とは言えなくなってしまいます・・・)

2人の動揺を生田は見逃さなかった

生田(やっぱりあの2人おかしいっちゃ!)

生田はすかさず1階に降りた
そしてソファの下を覗きこんだ
その様子をメンバー達は吹き抜けから見ている

生田「あったとよ!ナイフっちゃ!」
381娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 23:01:21.33 0
鈴木「なんでそんなところにナイフが!?」

前藤が転落した際にナイフはソファの下に転がっていた

譜久村(やっぱりあゆみちゃんとさくらちゃんは前藤さんと何かあったんだ
    じゃないとナイフが落ちてるなんておかしいもん
    もし今野さんを殺したことがバレるような事になれば
    ずっとメンバーに人殺しと思われ続ける
    だったらあゆみちゃんとさくらちゃんも道連れに・・・)

飯窪「ただの転落死じゃないって事ですか!?」

工藤「ナイフがあるということは・・・」

鞘師「殺人が行われようとしてたってこと?」

佐藤「前藤さんのナイフかな?」

工藤「多分・・・そうだと思う」

飯窪「前藤さんが誰かを殺そうとしてた・・・」

鞘師「でも返り討ちにあったってことかな?」

生田がナイフを持って2階に戻ってきた

生田(あゆみちゃんとさくらちゃんのナイフなら
   必ずこのナイフは回収するはずっちゃ
   このナイフは前藤さんのもの
   前藤さんは2人を殺そうとしたん?
   そして逆に2人にここから落とされて死んだとかいな
   でもなんで2人を殺そうとしたんやろ・・・)
382娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 23:02:16.53 0
譜久村(ここであゆみちゃんとさくらちゃんの名前を出すのは簡単
    でもそれは聖たちが部屋の外に出ていたことの証明にもなっちゃう)

鈴木「ねぇ誰よ!前藤さんに殺されそうになった人この中に居るはずでしょ?」

石田と小田は黙っていた

鈴木「真実が知りたいだけなの!責めたりしないから名乗り出てよ!」

石田と小田は心が揺らいでいるのは確かだった
正当防衛を主張すればきっと分かってくれるだろう
しかし言った瞬間から正当防衛とはいえ人を殺してしまった者として
ずっとメンバーに思われ続ける事になる
悪いことをしたわけではない
そう思ってはいても心のどこかで殺人者と思われ続ける
それが嫌だった

牧野「車から戻ってきた2人と前藤さんがグルだったってことはないですかね?
   それなら前藤さんが死んでいるのを見ても誰にも言えなかったって理由になりませんか?」

譜久村(なにを言い出すの!?前藤さんとは関係ない!)

生田(いやいや!絶対違うけんね!)

工藤「車の2人は今野さんを殺し
   前藤さんはメンバーの誰かを殺す予定だった・・・」

飯窪「でも前藤さんは逆に死んでしまい計画は崩れた」

佐藤「もしかして森に人が埋められてたことと関係ある?」
383娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 23:02:49.20 0
鞘師「そっか、もしその犯人が前藤さんと車の2人だったとして
   今野さんと殺されそうになった人はその事に気付いたんじゃない?」

工藤「だから口封じのためにって事ですか」

鈴木「でも今野さんは犯人が分かってるのに
   どうしてその犯人に着いて行ったんだろう」

佐藤「犯人であっても親しい人なら着いていくかも
   話せばわかる、そう思って」

飯窪「今野さんと親しい人・・・」

また皆の視線が譜久村に集まった

譜久村「なんで聖を見るの!」

工藤「譜久村さん、怒らないで聞いてください
   これは仮の話しです
   今野さんは譜久村家の使用人です
   譜久村さんの言うことなら何でも聞くと思います
   それがたとえ無理なお願いでも・・・」

譜久村「何が言いたいの?」

生田(聖!落ち着くっちゃ!変なこと言わんといてよ!)

工藤「夜中にどこかへ連れて行って欲しいと言われれば断れないと思います
   たとえ譜久村さんが犯人でも・・・」

譜久村「森に埋まってる人を殺したのが聖だって言いたいの!?」
384娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 23:03:43.19 0
工藤「怒らないでください、これは仮の話しです
   もし譜久村さんに『前日に別荘に行って埋めて』と言われたら
   今野さんはどうしますかね?」

飯窪「雇い主の言うことならそうするしかないんですかね・・・」

工藤「もちろん人によると思いますけど
   今野さんはそれを断れる人じゃないと思うんです」

譜久村「今日初めて会ったあなたに何が分かるの!」

工藤「今野さんの事について分からないことの方が多いと思います
   でも人に会ってまず最初に分かる事って
   この人がどんな性格の人か・・・だと思うんですよ
   今野さんは譜久村家の人間が言うことには絶対逆らわない人
   ハルはそう感じました」

生田「どぅーちょっと仮の話しにしては酷いんちゃう?」

工藤「酷いことを言ってるのは分かってます
   もし譜久村さんが犯人じゃなければ・・・ですが」

譜久村「聖は犯人じゃない!」

工藤「今野さんは夜中にいきなり車を出して欲しいと頼まれたんだと思います
   みんなにちょっと聞きたいんだけどさ
   今日初めて会った今野さんに夜も遅くに車を出して欲しいなんて言える?」

飯窪「私は申し訳なくて言えないかも」

鞘師「さすがに夜中はね・・・次の日まで待つと思う」
385娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 23:05:02.58 0
工藤「でも譜久村さんなら無理が言えるんですよ
   そしてその無理を聞き入れて実行するのが今野さんの仕事なんです」

鈴木「聖ちゃん・・・私は聖ちゃんの味方だよ
   同じ9期としてずっと頑張ってきたからね
   私は何があっても聖ちゃんを助ける、だから事実を知りたいの」

鞘師「フクちゃん大丈夫だから私たちに全部打ち明けてよ
   森に埋まってる人や今野さんを殺したのは・・・」

譜久村「森の人は聖じゃない!!!」

生田(聖!ダメ!!!」

佐藤「森の人は?」

譜久村(あ・・・)

小田(譜久村さん・・・言っちゃった・・・)

石田(引っ掛かっちゃった・・・言葉って難しい・・・)

飯窪「今野さんは否定しないんですか・・・」

鞘師「フクちゃん・・・」

譜久村「違う!・・・今野さんも違う!」

譜久村(もうダメ・・・もう終わり・・・
    聖はこれからずっとみんなに人殺しのリーダーとして見られるんだ・・・
    せっかくリーダーになれたのに・・・
    信頼されるリーダーになりたかったのに・・・)
386娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/13(金) 23:06:09.97 0
工藤「譜久村さん、みんな譜久村さんの味方です!
   そうだ!今野さんが前藤さんを殺して自殺してしまった
   そういう事にできませんかね?」

鞘師「それいいかも!それならフクちゃんもモーニング娘。も助かる」

飯窪「凄くいいと思う!何とかしていい案を考えましょう」

譜久村(違うの・・・そういう事じゃないの・・・
    聖は・・・みんなに本当は人殺しと思われることが嫌なの・・・
    だからもう何をしても無理なの・・・)

生田「ちょっと待って!今のは仮の話しやろ?
   なんでそれで聖が犯人になるん?」

鈴木「衣梨ちゃん、仮の話しでも森の人は違うって発言はおかしいんだよ」

生田「なんで!?納得がいかん!」

譜久村(聖だけ人殺しになるなんてイヤ・・・
    なんで聖だけが・・・
    他にも人殺しいるもん!)

譜久村「あゆみちゃんとさくらちゃんだって・・・」

生田(聖ダメ!!!認めることなるっちゃ!!!)

石田「え?」

小田「なんですか?」

譜久村「前藤さん殺したのこの2人だもん!」
387名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/13(金) 23:47:32.02 0
ふくちゃあああああああん!
388娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:01:20.38 0
石田「ちょっと・・・譜久村さん何言ってるんですか?」

小田「どうして私たちが?」

生田(言っちゃった・・・もう終わりやん・・・)

譜久村「前藤さんが死んだ後
    衣梨ぽんがこの2人の部屋のドアが閉まるのを見たって!」

生田(聖・・・そうっちゃね・・・衣梨も道連れっちゃね)

石田(うそ・・・)

小田(見られてた・・・)

工藤「生田さんが?・・・っていうか生田さん廊下にいたんですか?」

生田「いや・・・」

飯窪「あゆみん?小田ちゃん?どういうこと?」

佐藤「あゆみとオダベチカが前藤さんを?」

石田「違う!絶対違うからっ!」

小田「デタラメ言わないでください!」

生田(聖・・・この状況どうするん・・・
   モーニング娘。終わりやん・・・)
389娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:02:07.61 0
譜久村「この2人が前藤さん殺したの!
    部屋から出てたのに前藤さんが死んでるの気付かないなんておかしい!」

石田(確かに出てたけど・・・譜久村さんたちが帰ってきたときは出てないんだけどなぁ・・・
   出ようとしてすぐ戻ったところ見られちゃったのか・・・)

小田「そんな・・・決め付けないで下さい!」

鈴木「もう何がどうなってるのよ!」

工藤「つまりこういう事ですか
   譜久村さんと生田さんは今野さんを殺して車で戻ってきた
   その時にリビングで前藤さんが死んでいるのを見つける
   2階に上がるとあゆみんと小田ちゃんの部屋のドアが閉まるのが見えた」

誰も何も言わない

工藤「否定しないって事はそうなんですね・・・」

生田「もういいっちゃろ・・・もうやめようや
   メンバー同士で疑ったり探り合ったり
   もう疲れたわ・・・」

石田「生田さん・・・」

小田「そうですね・・・」

佐藤「全部認めるの?」

生田「もう終わりにしたいから全部話すわ・・・」
390娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:03:00.21 0
生田は今野の事も含め全てを皆に話した
そして石田と小田も前藤が話した森の埋められた死体
今野との関係、前藤の死
すべてを話した

工藤「譜久村さんと生田さんも
   あゆみんと小田ちゃんも
   みんな正当防衛じゃん!
   なんでもっと早く言ってくれなかったんですか!」

飯窪「私たちが警察に言ってしまうとでも思った?
   信用できなかった?」

石田「そうじゃないよはるなん・・・
   メンバーのみんなだから・・・知られたくなかった」

飯窪「どうして?」

石田「だってみんなとはこれからもずっと一緒に頑張っていくんだよ
   だから余計に『正当防衛とはいえ人を殺した人』って思われたくなかった」

生田「一番知られたくないのは・・・実はメンバーだったんよ
   仲間だと思ってるから、だから知られたくない事ってあるやろ」

小田「話せばきっと分かってくれる・・・そう思ってました
   でもメンバーに知られることが一番辛かったんです」

石田「でも・・・なんか気が楽になりました
   ずっと隠し続けるのも大変だなって思いました」

鈴木「そっか・・・でも私たちからすれば
   もっと早く言って欲しかったかな」
391娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:03:59.10 0
工藤「メンバーを疑いの目で見るのも嫌なもんっすよ」

飯窪「あとは私たちに任せて!
   今野さんが前藤さんを殺して崖から身を投げた
   こうなるように色々やってみる」

鞘師「そうだね、私たちが助けてあげないとね」


・・・・・・


譜久村は笑っていた

譜久村(人殺しは私だけじゃなくなった
    リーダーだけが人殺しなんてダメだよ
    他にも人殺しのメンバーがいれば
    私だけが変な目で見られることはない
    ふふふ・・・全部バラしちゃってごめんね
    でもしょうがないよ、聖リーダーだもん
    弱みを握られてるリーダーなんてみんなも嫌でしょ?
    みんな見ててね、聖は今まででも1番のリーダーになるから)
392娘。たちの夜 赤目山編 第2話@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:04:45.22 0
・・・・・・


その後メンバー達の思惑通り
今野が前藤を殺して自殺という事になった

森に埋まった死体は未だに見つかっていない


仲間だから知られたくない事もある

しかしいざ打ち明けると隠し続ける事の方が辛かった
    
その辛さから開放された・・・そう思った


しかし新たにメンバー全員が暗くて重い隠し事を背負ってしまった

モーニング娘。としてだけではなく
一生背負っていかなければならない隠し事

メンバー達がその事に気付くのは遠い先の事ではないだろう


                            終わり
393名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:07:07.19 0
後味悪いわ〜(いい意味で)
394名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:10:45.37 0
バッドエンディングじゃないけど…バッドだなwこれをどう選択してハッピーエンドにするのか・・・真のエンディングあるんだろうね?
395名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:11:08.36 0
頭脳戦が来たなしかし譜久村は腹黒すぎるw
396名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:11:53.21 0
作者さんちょっと言っていいか?

めちゃめちゃおもしれええええええええええええ
本物のゲームやってるみたいにおもしろかったぜ
そして>>385-386のふくちゃん部分が秀逸だったわ
マジうめえわ
397作者@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:13:13.37 0
長くなってしまいましたが読んでくれた方ありがとう!

書き始めたときは実は終わりが決まってないまま書き始めたんだけど
書いているうちにこれフクちゃん色々と不利だよな〜と思い
この状況になったときに一番精神的に脆いのもフクちゃんかなと(あくまでも個人的な勝手な思い込みです)

このハッピーエンドはまだ考えてませんが
ん〜難しいなw
398名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:13:44.92 0
おつうううううう
ハラハラしながら読みましたたのしかったです
399名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:14:26.22 0
ハッピーエンドは完全犯罪にして事件を利用して活動していく事か?
400作者@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:16:48.40 0
一番いいのは前藤と今野が死ぬ前に白状させることなんだろうけど
それだと物語として楽しめるのかなって思うんだよね・・・w
401作者@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:19:16.14 0
>>396
そう言ってもらえると次作を作る糧になります
ありがとう!
402名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 00:30:50.02 0
この流れでハッピーエンドは難しいだろうから思いきってサイキック編とか?某スレみたくなっちゃうけどw
403名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 07:11:30.49 0
きっとハンガーさんがハッピーエンドに導いてくれるはず!
404名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 07:30:50.67 0
黒村さーーーん!!!
405名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 11:58:38.55 0
寄せて上げ
406名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 12:31:41.65 0
だーさくはハンガーあれば前藤さん殺さずに済みそう
407名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 12:49:44.25 0
何だろう・・・だーいし=ハンガーの違和感のなさw
408名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 16:17:14.07 0
にゃーお
409作者@転載は禁止:2015/02/14(土) 17:05:39.76 0
リアルに高熱出してダウンしたので次作はちょっと間隔空いてしまいそう
もしスレ落ちてたら立て直しますので
410名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 17:09:08.86 0
つ[よく焼いた太ネギ]
おしりにぶっ刺してグッスリンリン
411名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 17:22:40.46 0
>>409
まさかももちなのか!
412名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 20:11:48.63 0
グッスリンリンじゃねえよw
413名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 20:42:08.35 0
川*^A^)<呼んだデスカー
414名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 22:03:04.09 0
困難にみんなで立ち向かい絆を深めつつ誰も死なないハッピーエンドを望みます!

ものごっつう我儘ですがwww
415名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 22:38:29.57 0
えりぽんが今野さん説得して何だかんだで神として崇められる展開待ってます(マテ
416名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/14(土) 23:12:06.19 0
無理やりにでも鞘師がそこにいない道重を殺そうとする展開で
417名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/15(日) 01:52:08.63 0
おやすす
418名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/15(日) 09:03:17.11 0
おはよう
419名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/15(日) 14:27:59.14 0
小川さんを救うのはムリやろなぁ
でも今野さんが死ぬ前に笑ったのも気になる
崖から落ちただけで死体確認できてないならワンチャンあるのでは?
420名無し募集中。。。@転載は禁止@転載は禁止:2015/02/15(日) 16:29:26.23 0
ハロプロに対して何らかの悪意を持つ存在でも現れるのか?
421名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/15(日) 19:03:59.99 0
スパイ編的なのなら死なせずに心理戦オンリーでいけそう
422名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/15(日) 20:50:38.21 0
犯人はヤシ
423名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/15(日) 23:48:35.14 0
振り返ればヤシがいる
424作者@転載は禁止:2015/02/16(月) 06:46:13.40 0
平熱キター!
ってことで書き始めますw
425名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/16(月) 08:17:38.90 0
無理しないでね
426名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/16(月) 13:02:54.83 0
作者さんのももち疑惑
427名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/16(月) 17:51:15.75 0
熱が下がって良かったです
428作者@転載は禁止:2015/02/16(月) 19:06:10.39 0
熱で寝込んでいるときもストーリー考えてましたw
いま2話のルートB書いてるんで明日には貼れそうです
もう少しお待ちください・・・
429名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/16(月) 19:59:48.08 0
無理しなさんなよ?
430名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/16(月) 20:52:15.18 0
なかなかのヤッタルチャンだけど
がんばらなくてもええねんで?
431作者@転載は禁止:2015/02/16(月) 21:27:51.65 0
好きでやってるから大丈夫よ〜
3話目ももう頭の中でストーリ出来上がってるんでw
432名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/16(月) 22:14:04.67 0
こりゃ期待せざるおえないw楽しみに待ってます〜
433名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/17(火) 02:16:41.56 0
おやすみなさい
434名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/17(火) 10:12:13.28 0
おはす
435名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/17(火) 15:48:04.88 0
おやつ
436娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 18:41:24.99 0
>>333からの分岐


A 生田「聖!手伝って!」    ルートAへ
B 生田「聖!逃げて!」     ルートBへ  ←

しかし譜久村は足がすくんで動けない

生田「衣梨が押さえとうけん早よするっちゃ!」

譜久村「でも!・・・でも!・・・」

生田はナイフが握られている今野の右手を両手で押さえつけている

今野は左手を上着のポケットに入れるともう一本ナイフを取り出した
そして左手のナイフで生田を刺した

譜久村「衣梨ぽん!!!
    どうして!・・・どうしてこんな事!!!」

生田「聖・・・」

徐々に全身の力が抜けていった生田はその場に倒れて動かなくなった

今野は動けないでいる譜久村に向き直ってゆっくりと歩き始めた

今野「お嬢様・・・申し訳ありません
   ・・・ここで死んで頂きます!」
437娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 18:42:08.24 0
譜久村「イヤ・・・やめて!・・・お願いだから!」

譜久村は後ずさろうとするも足が思うように動かず
その場で尻餅をついた

譜久村「やめて・・・やめてええええええ!!!」

今野は叫ぶ譜久村にナイフを突き刺した
438娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 18:42:58.89 0
・・・・・・


石田と小田は前藤の部屋に行くために2階の廊下にいた

石田「小田ちゃんわかった?」

小田「わかりました」

石田「そこ間違えたらアウトだからね」

小田「大丈夫です」

2人は前藤の部屋まで来るとまずはドアに耳を当てた
すると前藤の声が聞こえた

前藤「そう・・・分かったわ
   そうするしかないようね」

石田と小田は顔を見合わせて同時に頷いた

コンコン

石田がドアをノックする

前藤「誰か来たから一度切るわね・・・」

石田「石田です、ちょっとお話しがありまして、よろしいですか?」

前藤「いいわよ」

2人はドアを開けて中に入った
439娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 18:43:53.60 0
前藤「話しって?」

小田「さっきの話しです」

前藤は呆れた表情を見せながら携帯をテーブルに置いた

前藤「だからそれは見なかった事にしましょうって言ったじゃない
   じゃないと譜久村家が疑わ・・・」

石田「分かってます」

石田が前藤の言葉を遮った

小田「それが一番いいのは分かってるんです
   でもそうも言ってられなくなったかもしれません」

前藤「どういうこと?」

石田「この件がもうインターネットでニュースになってるかもしれないんです」

前藤「そう・・・」

前藤は特に驚きもせず無表情だった

前藤「もう手遅れなのね」

小田「手遅れ?」

前藤はバッグの中に手を入れて何かを取り出した

石田「え!?どういうつもりですか!?」
440娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 18:45:15.91 0
折りたたみ式ナイフの刃を出すと二人に向けた

小田「前藤さん!やっぱりあなたが!」

前藤「そうよ!全部私とあさみがやった事!」

石田「あさみというのは今野さんの事ですね?」

前藤「そう、それともう1つあなた達に教えてあげる
   譜久村と生田が死んだわ」

石田・小田「え・・・」

前藤「2人が気付いたみたいだったからあさみが始末したのよ
   もう何もかも終わり、全員を殺して私たちは身を隠すことにしたわ」

石田「そんな・・・譜久村さんと生田さんが・・・」

小田「どうしてそこまでするんですか!そんな事したって・・・」

前藤「もう決めたのよ、後戻りはできないの」

前藤はナイフを突き出して2人に向かって走り出した
石田と小田は綺麗に左右に分かれてそれをかわす
石田はドア側に逃げ小田はその反対に逃げた

前藤は部屋から逃げられなくなった小田にターゲットを絞った
小田はジリジリと後ろへ下がりやがて背中が壁に当たる

小田「石田さん!早くみんなを!」

石田「でも!」
441娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 18:46:16.46 0
小田「早く!」

苦渋の決断ではあったが石田は部屋を飛び出した

各部屋のドアを叩いて叫んで回った
なぜかこういう時に限って皆鍵をかけている
この別荘は自分達しかいないのだから
鍵をかける必要などないのに・・・

小田「いやあああああああ!!!!!!」

小田の叫び声が響いた

石田「・・・小田ちゃん!!!」

前藤が部屋から出てきた
返り血だろうか服は血に染まっていた

石田「イヤ・・・みんな起きて!出てきてよ!!!」

前藤が部屋を出てきたと同時に階段から頭が見えて
上がってくるにしたがって顔が見えた
今野だった・・・
さっきまで見ていた優しい顔の今野ではなかった

前藤は吹き抜けの北側を、今野は南側を通って
廊下の東側にいる石田に向かって歩いてくる

石田(みんな鍵を掛けてる
   このまま部屋に閉じ篭ってくれていれば逆に安全かも・・・)

もうすぐ石田は前藤と今野に挟まれてしまう
442娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 18:47:41.77 0
その時石田は咄嗟の行動に出た
持ち前の身軽さを活かして吹き抜けの手すりを飛び越えた
そしてリビングの大理石テーブルの上に綺麗に着地した

前藤「くそっ!」

石田は和室に入った
今野のバッグの中を探っている

石田(これだ!)

そして石田は助けを呼びに行くために外に出た
警察に連絡してから警察と一緒にまた別荘に戻ってくるつもりだった
その為に土地の入り口にある鉄の扉の鍵を開ける必要がある
今野のバッグから取り出した鍵はその鍵だった

土地の入り口にある扉まで走っていくしかない
往復でどれくらい掛かるかわからないが
方法はそれしかなかった

玄関から道路に向かって庭を走っているとき
今野の車の脇を通った
すると鍵が挿したままになっているのが見えた

石田(鍵・・・でも私運転できないし・・・)

しかし迷っている暇はなかった
意を決すると石田は車に乗り込んだ

石田(みんな・・・どうか無事で・・・)

だが石田の願いは届かなかった・・・
443娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 19:00:22.66 0
・・・・・・

前藤と今野が各部屋を回って鍵が開いている部屋を探していると

ガチャ

部屋のドアが開いた

姿を見せたのは牧野だった

廊下に前藤と今野の姿がある
2人に軽く頭を下げてトイレに向かおうとした
しかし前藤の服に血が大量に付いているのを見て異変に気付いた

だが気付いたときには遅かった
牧野は既に佐藤・工藤の部屋の前で2人に挟まれていた
2人の手にはナイフが握られている

牧野「やめてください!・・・イヤ!!!・・・イヤアアアアアア!!!!!!」

牧野は廊下に倒れた

そして今野はドアが開いた牧野と羽賀の部屋に入った
ベッドの上では事態を知らない羽賀がスヤスヤと眠っている
羽賀は悲鳴さえ上げる暇もなかった
今野は眠っている羽賀にナイフを突き立てた

部屋の前で牧野が悲鳴を上げたことで
工藤が目を覚ましてしまった

工藤「なんだ今の悲鳴・・・」
444娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 19:01:37.69 0
隣の佐藤はぐっすり眠っている

工藤「まーちゃん起きて!・・・まーちゃん!」

佐藤「ん〜」

工藤「なんか悲鳴が聞こえたんだけど・・・」

佐藤「・・・」

工藤「まーちゃん!起きろよ!」

佐藤「っさいなぁ!」

工藤「ちょっと様子見てくる」

工藤はドアに向かって歩きロックを外してそっとドアを開けた
すると目の前に牧野が血を流して倒れていた

工藤「うわっ!牧野ちゃん!」

佐藤「どうした?」

工藤「牧野ちゃんが血を流して・・・」

その時工藤の前に前藤が姿を見せた
手には血で染まったナイフが握られている

状況を察した工藤は急いでドアを閉めようとした
しかし前藤は右足を入れてそれをさせなかった

ドアを力ずくで押し開けると部屋の中に入ってきた
445娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 19:03:10.23 0
工藤「何してるんですかっ!なんでこんな事!!!」

前藤のナイフが佐藤の視界に入った

佐藤「キャアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

今日一番の悲鳴が別荘内に響き渡った
この悲鳴でメンバー全員が目を覚ましてしまった


廊下に鞘師・鈴木・飯窪・尾形・野中が姿を現すと同時に
牧野・羽賀の部屋からナイフを持った今野が出てきた

飯窪「今野さん!・・・」

鞘師「何してるんですか!?」

今野「皆様には死んで頂きます・・・」

鈴木「え・・・」

牧野が倒れている姿を見て今野の言葉が本気なのは分かった

鞘師は階段に向かって走り出した

今野「これ以上逃がさない」

今野は鞘師を追って走り出した
446娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 19:03:42.83 0
工藤と佐藤は部屋の隅まで追い込まれていた

工藤「やめろ!なんでこんな事!!!」

前藤「・・・逃げるためよ」

工藤「もしかして・・・森に埋まってた死体は・・・」

前藤「そう、私たちがやったのよ」

佐藤「たち?」

前藤「そんな事どうでもいいの
   だってあなた達ここで死ぬんだから」

工藤「やめろ・・・やめろおおおおお!!!!」

前藤はナイフを突き出して2人に迫った
447娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 19:04:32.57 0
・・・・・・


石田は車を運転しながら来た道を引き返していた

既に警察には連絡した
運転しながらの電話は違反だが今はそんな事を気にしている場合ではなかった

電話をしながら初めての運転は難しかった
しかも峠道、既に何度かガードレールに車をぶつけていた

警察はこちらにすぐ向かうとの事だった
土地の入り口の大きな鉄の扉の鍵は警察が機械で簡単に切り落とせる
だから安全な場所に身を隠していなさい
・・・との事だった

しかし石田は別荘に戻る事を選んだ

石田(お願い・・・みんな無事でいて・・・)
448娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 19:05:57.51 0
・・・・・

鞘師は階段を降りるとキッチンに駆け込んだ
そして包丁を手に取った
そこに鞘師を追ってきた今野が現れた

鞘師は包丁を今野に向ける

今野「諦めてください、もうお仲間は何人も死にました」

鞘師「え・・・」

今野「お嬢様、生田様、小田様、牧野様に羽賀様・・・
   もうモーニング娘は終わりなのです」

鞘師「そんな・・・」

今野「そして鞘師様、あなたもここで死ぬのです」

鞘師「イヤよ!私は死なない!」

鞘師は包丁を今野に向けているがその手は震えていた

今野「震えてますよ、でももう大丈夫、私がこの恐怖から開放してあげます」

今野は鞘師にナイフを振り下ろす
しかし鞘師はナイフをかわす

今野は何度もナイフを振るが
鞘師はHELP MEのコの字ダンスで華麗にかわす

その後も一進一退の攻防がキッチンで繰り広げられた
449娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 19:06:52.54 0
・・・・・・


工藤が部屋から飛び出した
それを追うように前藤が部屋から出てくる
部屋の中では佐藤が血を流して倒れていた

飯窪「どぅー!」

鈴木「何なの!?何が起こってるの!?」

工藤「みんな早く逃げて!!!」

しかし前藤がすかさず階段の前に向かい逃げ道を塞がれた

鈴木「私たちをどうするつもりですか!」

前藤「皆殺しよ」

飯窪「皆・・・殺し・・・」

工藤「こいつが森に埋めてあった死体の犯人だ」

飯窪「本当?」

前藤「そうよ、私が言ったとおり見なかったことにしておけば
   こんな事にはならなかった」

工藤「だからってなんで殺すんですか!」

前藤「逃げるためよ
   あなた達を殺して私たちは身を隠すの」
450娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 19:07:31.56 0
鈴木「このクズが!」

前藤「そうね、私たちはクズね」

飯窪「もうこんな事やめてください!」

尾形「もしかして今ここにいない人はもう・・・」

前藤「みんな死んだわ」

野中「そんな・・・」

前藤「あ、石田以外はね
   石田は1人でどこかへ逃げたわ
   あなた達を見捨ててね」

工藤「あゆみんが・・・」

飯窪「私たちを見捨てて逃げた・・・」

前藤「モーニング娘。の絆なんて所詮こんなものよ
   自分さえ助かればそれでいいの」

鈴木「信じられない・・・」

前藤「さぁ誰から殺そうかしら・・・」

前藤が階段の降り口で
それ以外のメンバーは廊下の東側
吹き抜けを挟んで睨み合う形になった
451名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/17(火) 19:58:34.77 0
続ききたwktk
452娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 20:01:31.19 0
・・・・・・

鞘師と今野の攻防はキッチンからリビングに移動していた

その様子は吹き抜けを通して2階に居る人たちから見ることが出来た

工藤「鞘師さん!頑張れ!!!」

鈴木「里保ちゃん絶対に負けるな!」

人を殺す事に抵抗のある鞘師とそうでない今野では
後者が優勢だった

鞘師は防戦一方で押され続けている

既に腕にはいくつも切り傷が刻まれていた

そして今新たに深い切り傷が腕に刻まれた

鞘師(このままじゃ・・・そのうち殺される・・・
   どうしたらいいの・・・
   私にはまだやらなきゃならない事がたくさんあるの!
   こんな所で死ねないのに・・・
   やるしか・・・やるしかない!)

鞘師は今野に何度も包丁で切り付けるが
心のどこかで人を殺す事に迷いがあるのだろう
包丁は間一髪のところで今野に当たらない

今野「やっと本気出されましたね
   でもそれでは私には当たりませんよ
   人を殺すときはこうするのです」
453娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 20:02:23.63 0
そう言うと今野は今まで以上に激しく鞘師に切りかかった

鞘師はまたもや防戦一方になり後ずさる

そのとき鞘師の足にテーブルが当たりそのままテーブルの上に倒れた

今野は鞘師の上に乗り上げた

今野「ようやく終わりのようですね」

鞘師「やめて・・・やめてええええええええ」

今野はナイフを逆手に持って上に振り上げた

工藤「鞘師さん!!!」

飯窪「いやああああ!!!!」

鈴木「里保ちゃん!!!!!」

誰もが諦めた

シュシュシュシュシュッ!・・・バチン!

その時今野が振り上げた右手に何かが当たった
今野は思わずナイフを手放した

ハンガーだった
木製のハンガーがどこからともなく飛んできて
今野の右手にヒットした
454娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 20:03:14.93 0
???「鞘師さん今です!!!」

2階からは姿が見えなかったが声だけでそれが誰だか分かった

『あゆみん!!!』『あゆみちゃん!!!』『石田さん!!!』

前藤「石田・・・」

リビングと玄関のドアの所に石田が立っていた

これまで幾度となくメンバーの危機を救ってきただーいしハンガー
そのハンガーが今回も鞘師の危機を救った
ただそのハンガーをどこから持ってきたのかは謎のままだ

石田「鞘師さん早く!!!」

鞘師「あゆみちゃん・・・」

鞘師は倒れながらも持っていた包丁を強く握り締めた

鞘師「私は負けない!まだ死なない!
   私は・・・私は!!!」

そして今野に向かってその包丁を突き刺した

前藤「あさみ!!!」

今野はテーブルの上から転げ落ちた

石田「鞘師さん!」

石田はテーブルの上で倒れている鞘師を抱き起こした
455娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 20:04:18.81 0
鞘師「あゆみちゃん・・・ありがとう!」

工藤「あゆみん!ナイス!」

飯窪「やっぱりあゆみんは逃げてなんていなかった・・・」

飯窪は目からたくさんの涙を流していた

鈴木「流石あゆみちゃん!」

石田は吹き抜け越しにガッツポーズした

石田「イェア!」

鞘師「早く!2階にはまだ前藤さんが!」

鞘師と石田は階段を登って2階に向かう

2人が上ってくる階段の前にいる前藤は
ナイフを構えて立っている

そして階段の踊り場と階段の上で見合う形になった

前藤「よくもあさみを・・・」

石田「もう諦めてください!すぐに警察が来ます!
   さっき私が通報しました!」

鞘師「ナイフを置いてください!さもないと・・・」

鞘師は包丁を強く握り締める
456娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 20:05:13.12 0
前藤は目を閉じて何かを考えている

階段を向いて廊下に背を向けている間に静かに忍び寄る人がいた

前藤は意を決したのかナイフを自分の首に向けた

前藤「捕まるくらいならここで死んだほうがマシよ!」

その時前藤の足に激痛が走った

鈴木のローキックだった

鈴木は何度もローキックを放ち
前藤はついに立っていることが困難になり膝をついた

工藤「今だ!押さえろ!」

メンバー達が一斉に前藤を押さえつけた

前藤「放して!お願い死なせて!!!」

飯窪「死んで楽になろうとでも思ってるんですか!」

鈴木「死んだみんなを返してよ!!!」

工藤「あんたにはしっかりと罪を償ってもらいます
   死んで終わりなんて事は絶対にさせません!」

収納庫にあるロープで前藤を縛り動けない状態にし
廊下に座らせた
457娘。たちの夜 赤目山編 第2話 ルートB@転載は禁止:2015/02/17(火) 20:07:06.28 0
廊下で死んでいる牧野
前藤の部屋で小田
佐藤・工藤の部屋で佐藤
牧野・羽賀の部屋で羽賀
4人が死んでいる事を確認した

工藤「譜久村さんと生田さんは・・・」

石田「もう死んでると・・・前藤さんが言ってた・・・」

全員涙が止まらなかった
まさかこの旅行で6人ものメンバーを失うなんて思いもしなかった


・・・・・・

しばらくして警察が到着し前藤は連行された

譜久村と生田も別荘からさらに奥に行った崖で発見された


一夜にして約半数のメンバーを失ったモーニング娘。
これからどうなってしまうのか今の段階では分からない

失意のどん底にいる生き残ったメンバー達
今はただただ涙を流すばかり
死んでしまったメンバーの分も頑張ろう
そんな強気な思いには到底なれなかった

モーニング娘。はこれからどうなってしまうのだろうか・・・

                               BAD END
458作者@転載は禁止:2015/02/17(火) 20:09:36.43 0
スピーディーな展開でお届けしましたw

もうすぐ3話書き終わります
今日さわりの部分くらいは貼れると思います
459名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/17(火) 20:16:19.75 0
乙…!
460名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/17(火) 20:27:37.39 0
どこからともなくあらわれるハンガーさんかっこいいです(笑)
461名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/17(火) 20:28:49.08 0
やはりのだーいしハンガー!!wでも半分も死んじゃうなんて涙
飯窪リーダー鈴木サブリーダーで再出発か…?それはそれで見てみたいけど
462名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/17(火) 20:31:53.36 0
ローキックキターりんごフラッシュも待ってます
463名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/17(火) 22:24:27.41 0
うーん後味が悪い話ですね・・・
464名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/17(火) 22:38:36.01 0
悲しい内容だけど娘。メンバーが人殺しになるよりは良いかな
465娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 22:47:41.24 0
桜満開の峠道を1台の小型バスが走っている
すれ違う車は1台も無い
人里から遠く遠く離れたこの地は赤目山と呼ばれている
ここはもう譜久村家の私有地だった

赤目山の峠道を登り山を越えて下った所に譜久村家の別荘がある

この地を訪れたのは今回が初めてではない
去年の冬、卒業した道重と9期から11期までの10人で一度訪れていた

あの時は小田に異変が起き地下室から白骨死体が見つかるという出来事があった
遺体は「桜」という少女のもので
同じ名前で当時の年齢も近かった小田に自分を見つけて欲しいと願った(※娘。たちの夜小田編参照)

あれから1年と少し経ち
冬が明け春になるのを待って再びこの地を訪れた

目的は桜のお墓参りだった
桜の墓は別荘の庭の一角に建てられていて
薄暗く寒い地下室から暖かな陽が射す場所に桜の墓石は建てられた

小田が見た桜の記憶は皆聞かされていた
小田以外のメンバー達は白骨化した桜しか知らないが
小田は生きているときの桜の顔や声を桜の記憶を通して知っている
その為か今回桜の墓参りが決まったときの小田の喜び様は人一倍だった

残念ながら今回道重は参加できなかった
何度も来て欲しいと懇願したがどうしても予定が合わず
しかし今回は新たに12期の4人が参加した
466娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 22:48:39.40 0
12期の4人も桜の話は小田に聞かされて知っていた
去年あの場に居なかったので他人の思い出話しなのだが
初めてのメンバーでの旅行という事で気持ちは高ぶっていた

そしてもう一人「前藤真希」という今年入ったばかりのマネージャーが付き添いとして参加している
歳は29歳で最近結婚したらしい
まだ入ったばかりのせいかメンバー達にきつい事を言ったりすることは無く
フレンドリーに接しているようだった

そしてこのバスを運転しているのは今回も譜久村の父だった
別荘の近く・・・と言っても車で数時間かかるが親戚が経営するホテルがあり
メンバー達を別荘に送り届けたあとはそのホテルに宿泊し
翌日迎えに来ることになっている

石田「見てっ!凄い桜!」


小田「ホントだ!綺麗!」

桜の花びらのシャワーが降り注ぐ中バスは進んだ
467娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 22:49:12.01 0
・・・・・


別荘に到着するとバスを降りるなり建物に目が移った

工藤「あれ?なんか去年と変わってません?」

譜久村「そうなの、桜ちゃんのお墓を建てるときに別荘もリフォームしたの」

鞘師「すごく綺麗になってるね」

譜久村「中も大改造して間取りも変わって、まるで新築みたいになったんだよ」

譜久村父「またみんなが来ることになったとき喜んでもらえると思ってね
     聖もリーダーになったことだしそのお祝いも込めてね」

初めてここを訪れた12期の4人も浮かれ気分で飛び跳ねて喜んでいる

小田「あっ!桜ちゃんのお墓!」

建物を正面に見た右側の庭の一角に桜の墓はあった
墓の後ろには綺麗な桜の木があり桜の墓に花びらを降らせていた

佐藤「あそこならもう寂しい思いしなくて済むね」

鈴木「ずっと暗くて寒い土の中だったもんね
   桜ちゃん喜んでくれてるといいな」


今野「お待ちしておりましたお嬢様」

別荘の玄関扉が開き中から一人の女性が現れた
468娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 22:49:46.09 0
譜久村「あ、今野さん」

今野は譜久村家の使用人で今回メンバー達がこの別荘を訪れる事になり
前日から泊りがけで清掃や食料を買い揃えてくれていた
敷地の片隅に赤い軽自動車が止めてあり
今野はこの車で前日に別荘に来ていた

譜久村父「ご苦労さん、突然で申し訳なかったね」

今野「いえ、私もこんな素晴らしい所でお仕事できて嬉しかったです」

佐藤「ねぇ!早く中に入ろうよ!」

石田「うん!早く中も見てみたい!」

今野「既に清掃も終わってますのでどうぞお入りください」

メンバー達はなだれ込むように玄関に群がり
我先にと中に入ると全員から驚きの声が上がった
以前の面影はまるで無く本当に新築のように改装されていた


別荘の中をすべて見終わったあとに部屋割りを決めた

2階も間取りが変わり寝室の数が増えていて
12期が入りメンバーが増えていてもまったく問題なかった
http://i.imgur.com/33HTm5I.jpg  (間取り画像)
469娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 22:50:20.73 0
譜久村・生田のポンポンコンビ
佐藤・工藤のまーどぅコンビ
一向に仲良しを認めない石田・小田のだーさくコンビ
鈴木・飯窪の組み合わせは珍しいかもしれない
鞘師は安定のひとりほりほ
収納庫の関係で多少狭くなっている2つの部屋には12期が入った
廊下の中央には吹き抜けがあり下を覗くとリビングが見える

1階は以前大きなリビングが1つだったが3つに分けられている
主に皆が集まるのは中央のリビングだ
北側の壁に大きなテレビがあり
中央には長方形の高価なテーブルがある
両側に3人掛けのソファが置かれ
長手には3人掛けと2人掛けのソファが並べて置かれ5人が座れる
テーブルをコの字に囲むように合わせて11人が座れるようになっている

応接間には6人掛けのテーブルと椅子がある
西側に大きなテレビもあり
応接間となっているがここでくつろぐ事も出来るようになっている

応接間の隣には和室がある
この建物に和室は似つかわしくないのだが譜久村の父の意向だろうか

リビングの西側に扉がありその先は小さな廊下になっていて
バス・トイレ・洗面・2階へ登る階段がある
470娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 22:50:54.60 0
キッチンには最新のシステムキッチンが配備されていた
北側に勝手口
そして地下へ降りる階段もある
以前は地下へ行くには食器棚を動かさなければ行けないようになっていたが
今回のリフォームで地下には自由に行けるようになっていて
地下は大きな物置となっていた
しかし地下への階段の扉は一見普通の壁になっていて
壁を持ち上げると上がる隠しシャッターのようになっていた


一通り別荘の探検が終わるとリビングに集まった

譜久村父「じゃあそろそろ父さんは叔父さんのホテルへ行くことにするよ」

譜久村「うん、ありがとうお父さん」

メンバー達も礼を言いながら頭を下げた

譜久村父「今野君はこのまま東京に戻ってくれ」

今野「はい、かしこまりました」

譜久村「今野さんももう一泊されてはいかがですか?」

今野「いえ、折角のお嬢様達のご旅行ですからお邪魔しては申し訳ございません」

譜久村「そんな事気にしなくても大丈夫ですよ」

生田「ウチらは全然気にせんとよ」

譜久村父「今野君、聖達が言うなら構わんよ?」
471娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 22:52:13.47 0
A 今野「いえいえ、お気持ちだけで充分です
     東京の本宅のお仕事もありますし・・・」       1話ルートへ
B 今野「でも・・・ご迷惑では?」                2話ルートへ
C 今野「明日はお仕事もお休みを頂いて
     人と会う約束をしていまして」             3話ルートへ   ←


譜久村「そうですか・・・」

生田「あっ!もしかしてコレっちゃろ!」

生田は親指をピンと立てた

今野「い・・・いえ!そんなんじゃありません!」

しかし今野の顔がみるみるうちに赤く染まっていく

生田「やっぱりそうっちゃ!顔真っ赤やけん!」

石田「ヒューヒュー!」

飯窪「デートじゃ仕方ないですね」

鈴木「大好きな彼にはかないませんわー」

譜久村「楽しんで来てくださいね今野さん」

今野「は・・・はい」

生田「認めよった(笑)」

工藤「本当だったんだ!」
472娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 22:53:04.82 0
譜久村父「こらこら、冷やかしもそのくらいにしてあげなさい」

そういう譜久村の父もニコニコと笑っていた

譜久村父「じゃあ父さんはまた明日迎えに来るから」

譜久村の父はそう言うと別荘を出て小型バスに乗り込み親戚のホテルへ向かった

今野「では私もそろそろ・・・」
   
その時突然前藤の携帯が鳴った

前藤「え!?本当ですか!?・・・はい!分かりました何とかします」

そう言うと前藤は電話を切った

譜久村「何かあったんですか?」

前藤「例の新人で入ったマネージャー
   またやらかしたらしくて・・・先方に謝りに行かないと」

鞘師「前藤さんが行くんですか!?」

前藤「他の人はいま別の現場行ってるから私しかいないのよ」

小田「でもここから戻ってからじゃ相当時間かかりますよ?」

前藤「それでも他の現場が終わるの待ってるより早いわ」

石田「そんな・・・」
473娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 22:55:03.67 0
前藤「今野さん・・・申し訳ないんですが・・・
   東京まで一緒に乗せてもらえませんか?」

今野「はい、もちろんでございます」

前藤「って事で私は一足先に戻るわ」

譜久村「はい、分かりました
    今野さん、車の運転気をつけて下さいね」

今野「はい、皆様も存分にお楽しみください」

前藤と今野は別荘をあとにした
474名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/17(火) 22:59:38.27 0
おぉ〜ようやく娘。たちだけだ
475娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 23:02:29.70 0
・・・・・・


それから13人で桜の墓参りをした

小田はあの時の事を思い出していた

メンバー達が殺された女の子達に見えてしまうという恐怖は
今思い出しても恐ろしかった

でもそうまでしても桜は小田に存在を気付いて欲しかった
150年もの長い間、土の中で心を通わせる事が出来る相手をずっと待っていた
あの時小田に気付いてもらうことが出来なければ
次はいつ見つけてもらえるチャンスが訪れるか分からない
だから桜は小田にあれほどの恐怖を与えながらも存在に気付いて欲しかった

小田は桜の願いに応えた
いや小田だけじゃない
メンバー達が不可解な現象について必死に調べ
桜を見つけ出すことが出来た

小田はうっすらと涙を浮かべた
生田はそれに気付いてそっと肩を抱いた

小田「桜ちゃん、ずっと来ることが出来なくてごめんね・・・」

佐藤「桜ちゃんは喜んでるよ、見つけてくれただけじゃなくて
   明るくて暖かい場所に寝かせてくれてありがとうって言ってる」

石田「まーちゃん声が聞こえるの?」
476娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 23:03:00.71 0
佐藤「ううん、聞こえないけどなんか頭の中に言葉が浮かんできた」

飯窪「あゆみんももっと素直になれば桜ちゃんの言葉が聞こえるかもね(笑)」

小田「石田さん素直じゃないから・・・」

石田「小田?」


鈴木「それにしても桜の木の下に桜ちゃんのお墓とか聖ちゃんのお父さんも粋なことするね」

鞘師「散った桜がお墓にくっ付いてピンクのお墓みたいになってる」

工藤「春には必ず来たいですね」

譜久村「桜ちゃんもきっと待ってるしね」

小田「桜ちゃん 安らかにお眠りください・・・」


墓参りのあとはメンバーそれぞれ自由な時間を過ごした
477娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 23:04:09.27 0
17時
陽が徐々に傾きつつあった

庭で10期と小田がボールで遊んでいる
時に笑い 時に怒り 時にふてくされ 小田を弄り
仲が良いのか悪いのか

リビングには9期の4人がいる
一緒には居るがやっている事はバラバラだった
生田はソファを独り占めして寝転がりながら携帯を弄り
譜久村と鞘師は夕方のニュースを見て
鈴木はお菓子を食べている

12期の4人は別荘の北側にある森の中にいた
桜満開のピンクの森の中を走り回り
桜の花びらのシャワーの中で戯れていた


羽賀「わっ!ビックリした!」

突然羽賀が足元を取られた
森の沼地に足を入れてしまった

牧野「どうしたの?大丈夫?」

羽賀「足が沼に入っちゃった・・・」

沼の水面には散った桜の花びらが敷き詰まって浮かんでいた
そのため気付かずに足を入れてしまった

尾形「靴がびしょ濡れやん・・・」
478娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 23:06:22.36 0
羽賀「きゃあああ!!!!」

突然羽賀が悲鳴を上げた
突然何かに掴まれた右足が徐々に沼の中へ入っていく
羽賀はその場に倒れ地面を掴もうと指に力を入れる

羽賀「助けて!!!」

他の3人が羽賀の腕を掴んで引き戻そうと引っ張る

尾形「何なんこれ!?」

野中「もっと強く引っ張って!!!」

牧野「みんな頑張って!!!」

羽賀の右足はふくらはぎまで沼に浸かっている

尾形「みんなで一斉に力入れよか!」

野中「分かった!」

『せーの!!!』

羽賀の右足を掴んでいた何かは無くなり
沼の外に出すことが出来た

羽賀「はぁ・・・はぁ・・・」

牧野「何だったの今の・・・」

野中「あかねちん大丈夫?」
479娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/17(火) 23:07:19.57 0
羽賀はコクリと頷く

尾形「みんな見てみ!足首が真っ赤や!」

羽賀の足首は人の手形が赤くクッキリと残っていた

羽賀「やっぱり・・・掴まれたんだ・・・」

野中「あかねちんを沼に引きずり込もうとしたって事?」

羽賀「怖いよぉ・・・」

牧野「とにかくここから離れようよ」

尾形「せやな」

野中「あかねちん立てる?」

羽賀「うん・・・」

12期の4人はその沼から離れる事にした
480作者@転載は禁止:2015/02/17(火) 23:10:26.22 0
とりあえずここまで貼っておきます
続きはまた明日

もうお気付きだと思いますがオカルト編です
やっとアレを使うときが来ました!w
481名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/17(火) 23:11:19.25 0
見聞録クルー
482名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 01:01:56.71 0
ついにきた!見聞録w何気にオカルト編が一番好きだから嬉しい
483名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 01:04:00.34 0
見聞録まってたぞ
484名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 02:40:30.96 0
うおー楽しみ〜
485名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 09:06:07.74 0
おはようさん
486名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 14:31:35.02 0
そろそろおやつ
487名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 17:59:11.42 0
菅井ちゃんの夜
488娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 19:17:45.25 0
・・・・・・


夕食後12期の4人と小田は和室で談笑していた

尾形「そういえばさっきの何やったんやろな」

野中「幽霊・・・なのかな?」

小田「なにそれ?」

牧野「実はさっき森で・・・」

牧野は森の沼であった出来事を小田に説明した

羽賀は右足首を小田に見せた

羽賀「痕がこんなに残ってるんです」

小田「なにこれ!?・・・思いっきり手形じゃん!」

羽賀「も〜気持ち悪いよぉ・・・」

小田「ちょっと待ってて!」

小田は突然和室を出ると工藤を引き連れて戻ってきた

工藤「何!・・・何よ!」

小田「これです!この痕見て下さい!」

工藤は羽賀の右足首を見た
489娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 19:18:29.28 0
工藤「うわ・・・なんだこれ・・・」

羽賀「ギュッと掴まれて沼に引き込まれそうになったんです」

工藤「確かに手の形・・・だよね・・・」

小田「工藤さん霊感強いから何か感じるかなって思ったんですけど」

工藤「ん〜今の所はよく分からないなぁ・・・」

小田「そうですか・・・」

工藤「もう二度とその沼に近づかなければ大丈夫だと思うよ」

羽賀「はい、もう絶対行きません」
490娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 19:19:27.59 0
・・・・・・


深夜・・・皆が既に眠りに入っている頃・・・

コン・・・コン・・・コン・・・

不思議な物音に工藤は目を覚ました

工藤「何だ・・・この音・・・」

コン・・・コン・・・

そして工藤は背筋に悪寒が走った

工藤「うわ・・・なんだこの嫌な気・・・」

隣では佐藤がぐっすりと眠っている
佐藤を起こさないようにそっとベッドを降り
ドアを開けて廊下を覗いてみた

・・・しかし誰もいない

コン・・・

工藤「またあの音・・・」

音は階段から聞こえてくることが分かった

廊下に出てそっとドアを閉めて階段に向かった
491娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 19:20:39.77 0
すると鞘師がバンザイをした状態で
足を階段の下、頭を上にして階段をズリ落ちていた
一段ズリ落ちるごとに頭が階段に当たり
コン・・・コン・・・と音を立てていた

工藤「もう・・・鞘師さん・・・何やってるんっすか・・・
   寝ぼけるのも程々にしてくださいよ・・・
   これだけ頭打ってても起きないって相当っすよ・・・」

工藤は階段の中腹まで降りてバンザイしている鞘師の手を掴んだ

しかし工藤が手を引っ張っているにも関わらず鞘師は止まらなかった

工藤「え!?・・・鞘師さんこんなに重かったっけ?」

さらに力を入れて引っ張るが鞘師は止まらない
まるで何かに足を引っ張られているような
そんな感じだった

工藤はふと羽賀の話しを思い出した

工藤「まさか!?
   鞘師さん!!!起きて!!!」

しかし鞘師は目を覚まさない

工藤「鞘師さん!!!このままじゃ引き込まれる!!!」

鞘師は階段の下まで引きずられリビングに入ろうとしていた
492娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 19:22:12.04 0
工藤「鞘師さん!!!」

鞘師「ん〜うるさい・・・」

工藤「うるさいじゃないですよ!いい加減目を覚まして!!!」

鞘師「ん・・・え・・・なに!?」

鞘師はやっと目を覚ました

鞘師「何これ!?ヤダ!助けて!」

工藤「ずっと上から引きずられてるんですよ!」

鞘師「うそ!?気付かない訳無いじゃない!」

工藤「それが気付かなかったんですよ!」

鞘師「ヤダ!!!助けて!!!」

工藤「ああ〜もうハルだけじゃ無理だぁ!!!」

丁度吹き抜けの真下を通ったとき二人は同時に叫んだ

『誰か助けてぇ!!!!!!!!』

するとようやく数人のメンバーが声に気付いて廊下に出て
吹き抜けから顔を出した

譜久村「里保ちゃん!」

小田「どうしたんですか!?」
493娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 19:23:27.84 0
野中「引きずられてる・・・もしかして!」

鞘師は尚も引きずられリビングと玄関のドアまで来てしまった

野中「すいません!手伝ってください!」

野中は譜久村と小田に言うと鞘師の元に走った
2人は訳が分からぬまま野中の後を追った

リビングと玄関のドアを通り過ぎようとするとき
鞘師は咄嗟にドアの枠を掴んだ

鞘師「なんなのよこれ!!!痛い!足が痛い!!!」

工藤「頑張って!!!」

そこに野中たち3人が駆けつけて一緒に鞘師を引っ張る

手足を逆方向に引っ張られている鞘師は激痛に叫んだ

鞘師「いたいあああああああああい!!!」

工藤「鞘師さん頑張れ!!!」

譜久村「里保ちゃん!!!」

するとようやく足を引っ張る力が無くなった

4人で引っ張っていたため鞘師を含めた5人は
リビングの方向に飛んだ
494娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 19:24:33.79 0
工藤「いってぇ・・・」

小田「もしかして今のって・・・」

野中「はい・・・あかねちんと一緒です」

譜久村「何の話し?」

野中「実はさっき・・・」

野中は事情を話した

譜久村「どうしてもっと早く言わないの!」

工藤「すいません、ハルも話しは聞いてたんで言うべきでした」

鞘師「いててててて・・・」

鞘師は掴まれていた右足を見た

すると手形がクッキリと赤く残っていた

鞘師「なにこれ!?」

小田「手形が・・・」

野中「あかねちんと一緒です!」

工藤「鞘師さんをここから沼まで引きずっていく気だったのかな」

譜久村「怖い・・・」
495娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 19:25:33.87 0
5人は朝まで寝ずにリビングで過ごした
寝たくても寝れなかった・・・

寝ている間にまた足をつかまれて引きずられるかもしれない
その恐怖を考えたらとてもじゃないが寝れなかった
496名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 19:57:02.28 0
さるかな?
支援
497娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:04:12.35 0
・・・・・・


翌朝になり目覚めたメンバー達が次々とリビングに降りて来た

鞘師は氷水を入れたビニール袋で足首を冷やしていた

石田「え!?鞘師さんどうしたんですかその足!」

佐藤「すごい真っ赤ですよ!」

メンバー達が鞘師の足首を覗きこむ

工藤「実はね・・・」

工藤がまだ事情を知らないメンバー達に説明した

鈴木「なにそれ・・・めっちゃ怖いんだけど・・・」

羽賀「私の足も真っ赤です」

生田「うわぁ・・・痛そうっちゃね・・・」

工藤「それにしても鞘師さん
   部屋からリビングまで引きずられてるの気付かないって・・・」

鞘師「ごめん・・・本当に気付かなかったの・・・」

工藤「必死に引っ張りながら起こしてるのに
   うるさいって言われましたからね!」

石田「あ・・・なんかそれ私も言われたことあるような・・・」
498娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:05:01.68 0
鞘師「ごめんなさい・・・」

工藤「今だから笑えますけど
   階段落ちるたびに頭がコン・・・コン・・・て」

飯窪「え!?それで起きなかったんですか!?」

生田「流石里保!ブレんっちゃね!」

鞘師「あははは・・・」

もう笑うしかなかった

佐藤「鞘師さん!右足だけ伸びてる!!!」

石田「あっ!ホンマや!」

鞘師「え!?・・・うそ!?・・・」

鞘師は立ち上がって足の長さを確認した

佐藤「なんちゃってぇ!
   ギャハハハハハハハ!」

怖い体験だったとはいえ難を逃れたということで
メンバー達は笑いに包まれていた

小田「でもなんか気になりますね・・・その沼」

羽賀「森の中にポツンとあったんですよ」

尾形「確かに気味悪かったわ〜」
499娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:05:46.57 0
鈴木「聖ちゃんその沼知らないの?」

譜久村「聖も見たこと無い」

鈴木「そっかぁ・・・」

譜久村「あっ・・・」

小田「どうしました?」

譜久村「そういえば昔お爺ちゃんに
    森の沼の話を聞いたことあるような・・・」

工藤「それだ!それですよ絶対!」

譜久村「森の沼には絶対近づいちゃダメって・・・
    ・・・ちょっと待ってて!」

譜久村は立ち上がると応接間にある本棚に走った

譜久村「えっと・・・これだ!」

本棚から古くて分厚い本を手に取るとパンパンと埃を叩き
リビングに戻った

工藤「それはもしかして!」

『地方見聞録!!!』

メンバー達の声が揃った
500娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:06:27.45 0
牧野「地方見聞録?」

12期の4人は地方見聞録(別名郷土史見聞録)の存在をまだ知らなかった

譜久村「この地方見聞録にはね
    昔この辺りで起こった事柄が書いてあるの
    もしかしたらその沼の事も書いてあるかもしれない」

小田「そうですね!早速見てみましょうよ!」

譜久村「確かお爺ちゃんはこの地方見聞録を見ながら
    この沼には近づいちゃいけないよって言ってた気がする」

譜久村は地方見聞録をテーブルの真ん中にバンッと置いた

工藤「見てもいいですか?」

譜久村「どうぞ」

1ページずつ丁寧に
本が傷まないよう慎重に
見逃さないよう隅々まで目を通す

この分厚い本を最後まで読みきるには相当な時間を要する

石田「これも違う・・・」

鈴木「あ・・・違うか・・・」

飯窪「これは・・・あ〜違いますね」
501娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:07:42.53 0
小田「『赤目山名称の由来』
   これ桜ちゃんを助けるきっかけになった記事ですね」※(娘。たちの夜 小田編参照)

生田「懐かしいっちゃね」

鞘師「ねぇ・・・これは?
   『死後に結ばれる沼』・・・だって」

佐藤「どういう事?」

野中「沼って事は何か関係があるかもしれません」

鞘師「はい」

鞘師はそう言って工藤が読みやすいように本の方向を変えた

工藤「はいって・・・」

石田「いつもの事でしょ、諦めて」

工藤「なぁんで毎回ハルが読むんっすかっ!」

声を裏返しながら鞘師に抗議する

鞘師「だっていつもの事だもの」

工藤「いつもの事って・・・
   鞘師さんが無理やりハルに読ませてるんじゃないっすかぁ!」

鞘師「読むの?読まないの?どっち?」
502娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:08:32.85 0
工藤「・・・もう!読みますよ!
   1回しか読まないからちゃんと聞いてて下さいよ!」

佐藤「早くしろよどぅー」

佐藤はそう言った後に声を出さずに爆笑している
工藤は分厚い地方見聞録を自分の前まで引き寄せた

工藤「戦時中、この地には小さな村があった
   以前記述した赤目山賊に襲われた村ではない
   その後に新しく作られた村だ
   
   人口30人ほどの本当に小さな村
   そこに雅吉という若者と花鈴(かりん)という娘がいた
   2人は結婚を約束した仲だったが時代が2人を引き裂こうとした

   この小さな村にも容赦なく赤紙が届いたのだ
   雅吉の配属先は今まさに前線で戦っている部隊

   それが何を意味するのか・・・
   生きて帰れる事は奇跡に近い・・・という事だった

   雅吉は花鈴に別れを告げる決心をした
   いつまでも待っていて欲しい
   戦争の前線部隊に配属になる雅吉にとって
   そんな無責任なことは言えなかった

   しかし花鈴は雅吉の言葉を受け入れず
   別れるくらいなら命を絶つとまで言った

   お国のために配属になるのだ分かってくれと説得したが
   花鈴はお国よりも大切なのは雅吉だと別れを拒んだ
503娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:09:24.77 0
   雅吉もそうしたかった
   しかし徴兵令を拒否すれば結局は非国民として殺される
   どちらにしても花鈴との別れは避けられなかった

   この村には以前から語り継がれている伝説がある
   それは『死後の虹沼(こうしょう)』伝説だった

   『互いの形見を持ちしまま死後の虹沼に身を投じ 
   手を取り合ひて底に辿り着かば
   死後の夫婦(めおと)が約束されよう』

   と言うものだった
   雅吉と花鈴は意を決した
   このままではどの道を選択しても別れが待っている
   それならば選ぶ道は1つしか無かった

   そして出征の前日
   雅吉は花鈴の髪飾りを
   花鈴は雅吉の懐中時計を形見として持ち
   そして死後の虹沼に身を投じたという・・・」


小田「悲しいお話ですね・・・」

生田「ん〜切ないなぁ・・・」

飯窪「雅吉さんと花鈴さんは結ばれたんですかね?」

鞘師「ここの文
   『手を取り合ひて底に辿り着かば』ってところ
   もし手が離れてしまって一人が底まで辿り着かなかったらどうなるんだろう」
504娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:10:23.01 0
石田「身を投げても二人は結ばれないって事ですかね・・・」

鈴木「それは辛いなぁ・・・」

譜久村「これが今回の事に関係してるとしたらどんな事だろう」

佐藤「鞘師さんか羽賀ちゃんとあの世で結ばれたいって事かな?」

鞘師「ちょっと待ってよ!なんで私が知らない誰かと身を投げなきゃならないの!」

羽賀「そんなのイヤです・・・」

工藤「もしかして・・・花鈴さんは沼の底まで行けなかったとか・・・」

石田「可能性はあるかもしれないけど
   羽賀ちゃんと鞘師さんを沼に引きずり込む理由になってないよね?」

工藤「沼の深さがどれくらいか分からないけど
   もし途中で止まっていたとしたら
   助けて欲しいんじゃないのかな?」

飯窪「助けるって言っても・・・」

工藤「底まで連れて行ってほしいとか」

佐藤「そんなの無理だよ!」

工藤「まぁ・・・無理だよね」

生田「どぅーならやれるんちゃう?」

工藤「何を言い出すんですかいきなり!」
505娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:12:10.52 0
生田「だって水泳得意やろ?」

工藤「得意ですけどそれとこれとは話しが違・・・」

生田「いこか!」

工藤「ちょっと待って下さい!無茶ですよそんなの!
そもそも水泳と潜水じゃ違うんですから!」

鈴木「衣梨ちゃん流石にそれは無理だよ」

生田「ノリ悪いっちゃね・・・」

工藤「いやノリとかそういう簡単な問題じゃ・・・」

小田「でも・・・もし本当に底に辿り着けず
   2人で身を投げたのにあの世で結ばれてなかったとしたら
   可哀想ですね・・・」

飯窪「うん・・・そうだねぇ・・・」

石田「それこそ死んでも死に切れないってやつだよね・・・」

小田「何とかして助けてあげたいけど・・・」

工藤は全員の視線を感じた

工藤「ちょっと・・・なんでハルの事見るんっすか!」

鞘師「出来るとしたら・・・どぅーかな・・・って」
506娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:14:13.13 0
工藤「イヤ本当に無理ですから!
   そもそも本当に途中で止まっちゃって
   底に行けなかったのかどうかなんて分からないじゃないですか!」

生田「だから確かめるんやろ?」

工藤「もし仮にいたとしても困りますよ!
   戦時中の事ですよ?
   とっくに白骨化してるわけじゃないですか!
   それをハルが下まで運ぶんですか!?
   冗談も休み休み言ってください!
   いくら先輩の言うことでもこれは出来ません!
   絶対に無理です!」

鞘師「休み休み言えばいいの?
   じゃあちょっと休んでからまた言うね」

工藤「そういう事じゃないんですよ!
   いいですか?そもそもですよ!
   この格好で沼に入れって言うんですか?
   服が汚れるじゃないですか!
   綺麗に洗ったって沼に入った服なんてもう着る気にならないですよ!」

譜久村「ダイバースーツあるよ」

工藤「え・・・」

工藤の必死の抵抗が譜久村のたった一言で無残に散ったことでメンバーは爆笑した
507名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:19:38.79 0
ふくちゃんヒドイw
508名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:51:53.47 0
何この工藤竜平を中心とした団体芸w
509名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:57:06.46 0
見聞録きたー!!てかなんでダイバースーツあるんだよw
510名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:00:47.26 0
全裸水泳かと思ったりしてないよ
511娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:00:45.60 0
工藤「なんであるんっすか・・・海全然近くにないですよね・・・」

譜久村「他にも空気タンクとレギュレーターとフィンとマスクもある」

工藤「いやいや・・・おかしいですって・・・
   なんでこの別荘に海に潜る装備があるんですか」

譜久村「さぁ・・・」

メンバー達は笑いを堪えるのに必死だった

工藤「なんでみんな笑ってんだよ!
   潜るの自分じゃないからってさ!」

牧野「あっ・・・なに!?・・・イヤ!!!」

突然牧野が声を上げた
牧野は足を引っ張られて玄関の方へ引きずられていく

牧野「助けて!!!」

生田「みんな押さえるっちゃ!!!」

生田の掛け声で全員が牧野を押さえた

全員で押さえているせいか引きずられることはないが
足はずっと引っ張られ続けている

牧野「足が・・・痛い!」

小田「頑張って!」
512娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:01:41.59 0
『た・・・す・・・け・・・て・・・』

どこからともなく声が聞こえた
全員に聞こえたのだろう顔を見合わせている

鞘師「聞こえた?」

石田「聞こえました!」

佐藤「助けてって!」

気が付くと牧野の足を掴んでいる力も消えていた
牧野はホッと胸を撫で下ろした

飯窪「やっぱり助けて欲しいみたいですね」

石田「ねぇどぅー、一度でいいから潜ってみてくれない?
   どぅーしかできないのよ・・・」

鈴木「今まで3人に助けを求めてるんだよ
   このまま放って帰るわけにはいかなくない?」

生田「わっ!ちょっ!・・・今度は衣梨かいな!!!」

間髪入れずに今度は生田が玄関に引きずられる
メンバー達も慣れてきたのか、すかさず生田を押さえる

やがて足を引っ張る力は消えた

鞘師「ねぇどぅー!もう行くしかないよ!
   このままじゃまた誰かが・・・」
513娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:02:30.49 0
工藤「・・・わかりました
   もうやるしかないみたいですね」

鈴木「行ってくれるの?」

工藤「その代わり1回だけですからね
   これだけは約束してください!」

鞘師「うん!約束する!」

こうして工藤は死後の虹沼に潜ることになった
514娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:03:14.11 0
・・・・・・


12期の案内で森の奥にある死後の虹沼にやって来た

工藤「あの・・・もう一度聞きますけど
   なんでこの装備があるんすか?」

譜久村「さぁ・・・」

工藤「もういいっす・・・」

メンバー達の目の前には比較的小さな沼があった

小田「ここに潜るんですか・・・」

石田「沼って言うだけあって綺麗とは言えないね・・・」

佐藤「どぅー本当に潜れるの?」

工藤「潜らなきゃみんな納得しないでしょ
   ここまできたらやってやるよ」

鞘師「カッコイイ・・・イケメン!」

生田「衣梨負けたわ・・・今回はどぅーの勝ちっちゃね」

やると決めてからの工藤の意気込みは凄かった
既に沼に足を踏み入れ準備は万全だった

譜久村「どぅー無理はしないでね」
515娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:04:14.19 0
飯窪「無理そうだったら戻って来てもいいんだからね」

工藤「うん、分かってる・・・じゃあ行ってくるよ」

小田「気をつけて下さい」

工藤は沼が一番深いであろう中心部まで泳いだ
元々小さい沼なので中心と言っても5メートル程行った所だろうか

中心部まで泳ぐと工藤は『ココ』と指差した

鈴木「ここで潜るよって事だね」

飯窪「うんそうみたいですね」

工藤は頭を沼の中に潜らせて足は上を向いた

しかし腰の辺りまで潜ったものの足が沼に入らない
もがいているのだろうか、足を曲げたり伸ばしたりを繰り返し
まるで逆立ちで屈伸運動をしているようだった

石田「なにやってるの(笑)」

佐藤「キャハハハハハハ!!!!!」

やがて工藤はその場で立ち上がった

鞘師「あれ・・・立ってる」

工藤「もう!浅いじゃないっすか!
   これじゃ底に辿り着けないも何も無いっすよ!」
516娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:04:49.97 0
メンバー達は岸で大爆笑した

石田「自分でそこ選んだんでしょ!(笑)」

飯窪「私達に怒られても(笑)」

鈴木「ちょー面白い(笑)」

小田「さっきの動き逆さになったカエルみたいでした(笑)」

メンバー達が大爆笑している中、工藤は岸まで戻ってきた

工藤「せっかくあそこまで行ってやったのに!」

佐藤「ごめんごめん!ありがとうどぅー
   ・・・・・プッ・・・キャハハハハッハ!!!」

工藤「もういいよ!」

工藤は怒りながら別荘まで一人で帰ってしまった

飯窪「ちょっと・・・笑いすぎちゃったかな・・・」

小田「ですかね・・・」

石田「せっかくあそこまで行ってくれたんだもんね・・・」

譜久村「戻ったらみんなで謝ろっか」

鞘師「そうだね」
517娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:06:05.98 0
・・・・・・

メンバー達は工藤に遅れて別荘に戻った

工藤は沼に入ったためシャワーを浴びていた
出てくるまでリビングで待つ事にした

小田「でも中心部であんなに浅いんじゃ工藤さんの言うとおり
   底に辿り着けないも何もないですね」

生田「うん・・・何やろな」

飯窪「そもそも沼ってそんなに深いものじゃないと思うんですよ」

佐藤「底なし沼ってあるじゃん」

飯窪「底なしって言っても本当に底が無いわけじゃないよまーちゃん
   底だと思った所がヘドロで足が少しずつ埋まって下にどんどん落ちて
   ヘドロで本当の底が分からない状態の事を
   底なし沼って言うんだと思う」

佐藤「へー」

飯窪「それでね、沼ってそこまで深いものじゃないから
   底まで辿り着けなかったって事は無いと思うんですよ」

石田「じゃあ・・・何なの?」

飯窪「それよりもこっちの文」

飯窪はテーブルに置いたままになっている地方見聞録見て
ある一文を指差した
518娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:07:29.89 0
飯窪「『互いの形見を持ちしまま死後の虹沼に身を投じ』
   この形見を持ちしままってところ
   底に辿り着けなかったよりも途中で形見を手放してしまった
   この方があり得る話しだと思うんです」

生田「うん、そうっちゃね
   実際に今でも白骨化した死体があると考えるよりそっちの方が説得力あるけん」

飯窪「沼って沈水植物とかが中にたくさん生えてるじゃないですか
   森の木々に囲まれてるなら木の根が出てるところもあるかもしれません
   それらに今も形見が引っ掛かったままになっているとか考えられません?」

鈴木「もしそうだとしたら引っ掛かってる形見をちゃんと底に置いてあげればいいんだ」

小田「でも待って下さい
   沼が縦長ならどこかに引っ掛かってるって言うのも分かりますけど
   あの沼は直径10メートルくらいです
   それで水深が1メートルって・・・どこで引っ掛かるんですか?

佐藤「つまりコップみたいな形の沼ならどこかで引っ掛かっても
   フライパンみたいな沼じゃ引っ掛かりようがないって事?」

小田「そう!そういう事です」

飯窪「そうだよねぇ・・・」
   
石田「あの・・・関係あるかどうか分からないんですけど」

鞘師「なに?」

石田「虹沼って書いてあるじゃないですか
   なんで虹なんですかね?」
519娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:08:20.18 0
鈴木「虹かぁ・・・」

佐藤「虹が出てるときに水面に虹が写って
   だからそう呼ばれてるとか」

石田「う〜んそれだけかなぁ・・・」

鞘師は地方見聞録をペラペラと捲りだした

飯窪「何か探してるんですか?」

鞘師「虹沼の名称の由来・・・みたいなのないかなぁ〜って思って」

その時工藤がバスルームから出てきた

石田「どぅーさっきはごめんね・・・ちょっと笑いすぎちゃった」

鈴木「頑張ってくれたのにごめんね」

佐藤「どぅー!もう笑わない!だから許せ!」

工藤「別にいいけどさ・・・で?なんでまたそれ見てるの?」

小田「虹沼の虹というのが気になって調べてたんです」

工藤「虹ねぇ・・・」

小田「それとさっき話してたんですけど
   底まで辿り着けなかったんじゃなくて
   途中で形見を手放してしまったんじゃないかって」
520娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:09:43.32 0
工藤「だからさっき見たでしょ
   深さは1メートルくらいだったじゃん
   手放したってすぐに底に落ちるよ」

小田「まぁそうなんですけど・・・」

鞘師「ん?・・・・・・おおおおお!?」

地方見聞録を見ていた鞘師が突然声を上げた

石田「何かありました!?」

鞘師「これ!『虹色に光る沼』だって!」

生田「それやん!」

譜久村「絶対これだよ!」

鞘師は何も言わずに地方見聞録を工藤の目の前に置いた

工藤「・・・はいはい」

石田「もう諦めたんだね」

工藤は地方見聞録を手前に引き寄せ読み始めた
521名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:29:00.45 0
紫煙
522娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:01:17.84 0
工藤「以前『死後の虹沼』伝説について記述したが
   それから調査を進めるにつれて新たなことが分かった

   虹沼と言うからにはきっと虹色に輝く沼と誰もが思うだろう
   しかし実際は緑色に濁ったただの沼だ

   では何故虹沼と呼ばれているのだろうか
   私は数年かけてやっとこの謎を解いた
   沼が虹色に輝くには条件があったのだ

   私が偶然にも虹色に輝く沼を見ることが出来たのは
   よく晴れた日の夕刻、17時から18時の間だった

   だがこの条件で私は何度もこの沼を訪れている
   しかし沼が虹色に輝いているのは今回が初めてだ

   今までと何が違うのか・・・
   違うものが1つだけあった・・・

   それは満開の桜だった

   桜の花びらと花びらの隙間を通り
   ほぼ真横から差し込む花洩れ陽(かもれび)
   その花洩れ陽が沼を照らしていたのだ

   緑色に濁った沼が
   まるで女神でも現れるのではないかと思うほど虹色に輝き
   幻想的な空間を創り出していた

   やがて陽が傾き花洩れ陽が無くなると
   沼は輝きを失い緑色に濁った沼に戻った
523娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:02:13.52 0
   死後の虹沼伝説
   それは沼が虹色に輝いている間に二人で身を投じれば
   死後の夫婦(めおと)が約束される

   という事ではないのだろうか・・・」

小田「そういう事だったんだ・・・」

飯窪「女神でも現れるような虹色の輝き・・・」

羽賀「見てみたい・・・」

尾形「・・・虹沼が現れる条件・・・ピッタリなんちゃいます?」

佐藤「よく晴れてる!桜満開!後は時間だけ!」

生田「聖!お父さんに電話っちゃ!迎えの時間遅らせるったい!」

譜久村「う、うん!分かった!」

鞘師「そうだよ・・・きっとそうだよ!
   虹色に輝いてる間だけ沼が深くなるんだよ!
   だって身を投げるってくらいの沼だよ?
   深さ1メートルだけなんてあり得ないもん!」

小田「自然科学的にそんなのあり得ませんけど
   もうあり得ない事たくさん経験してきましたからね」

石田「きっと深くなったどこかに形見があるんですよ!」

飯窪「その形見をちゃんと底に届けてあげればきっと!」
524娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:03:08.93 0
工藤「ちょっと待って!・・・」

鞘師「・・・なに?」

工藤「もうハル潜りませんよ」

『はぁ???』

工藤「はぁ???じゃないですよ!一回だけって約束しましたよね?
   鞘師さん約束するって言いましたよね???」

鞘師「私・・・知らないよ・・・」

工藤「すっとぼける気ですか!?」

鞘師「覚えてないわぁ〜」

工藤「冗談じゃないですよ!!!またあの沼に入れって言うんですか!?
   もうシャワーも浴びて綺麗にしたのに何の意味も無いじゃないですか!!!
   そもそも一回だけって言うから仕方なく潜ったんですよ!!!
   なんで今回もハルが潜る事前提で話し進めてるんですか!!!
   みんなしてそうやっ・・・」

飯窪「どぅー?」

飯窪が工藤の止まらない怒りの暴走を遮った

飯窪「女神になれるかもしれないよ?」

工藤「え?・・・」
525娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:04:16.23 0
飯窪「まるで女神でも現れるかのような虹色の輝き
   その中にどぅーがいたらきっと女神のように見えるんだろうなぁ・・・」

佐藤「マサも女神になりたい・・・でもどぅーみたいに泳げないし・・・
   女神になれるチャンスがあるのどぅーだけなんだよねぇ・・・」

石田「どぅーが女神になって虹色の輝きの中にいたら
   すごく綺麗で可愛くて見てる私たちウットリしちゃうんだろうなぁ・・・」

工藤「そ・・・そう・・・かな?・・・」

生田「どうすると?やめて帰ると?」

譜久村「それならもう一度お父さんに電話してお昼に来てもらうけど」

工藤「やって・・・みようかな」

10期の3人は背を向けてガッツポーズした

飯窪「単純〜(笑)」

石田「やっぱまだまだ子供(笑)」

佐藤「ちょろいもんよ(笑)」

鈴木「そうと決まったら夕方まで待機だね!」

工藤「女神・・・か・・・」

工藤の頭の中では自分が綺麗な純白のドレスを着た女神になった姿しか想像できていなかった
526娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:05:17.67 0
・・・・・・


もうすぐ17時になろうかという頃
メンバー達は死後の虹沼の目の前でその時を待っていた

沼はまだ緑に濁ったままだった
だが天気は快晴、桜も満開
既に沼には花洩れ陽が差し込んでいる
この花洩れ陽が陽の傾きによってほぼ真横から差し込むようになれば
沼が虹色にに輝くという話しだが・・・

工藤「あのさぁ・・・
   この格好でどうやって女神になるんですかっ!!!」

工藤は既にダイバースーツを装着しタンクを背負っていた

工藤「こんな格好した女神いないでしょ!!!」

メンバー達は大爆笑していた

飯窪「そ・・・そうかなぁ?
   虹色の輝きの中に入ったら女神に見えるんじゃないかなぁ?」

工藤「見えないよ!!!」

石田「う・・・うらやましいなぁ」

佐藤「きっと綺麗なんだろうなぁ」

生田「同期にまんまと騙されよったな」
527娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:06:13.53 0
譜久村「もうすぐ17時になるよ!」

その言葉を聞いて皆息を呑んだ

鈴木「もうすぐ見れるよ!」

譜久村「17時回った」

尚もメンバー達は待ち続ける

1分・・・2分・・・3分・・・

しかし沼に変化はない

石田「・・・あれ?」

鞘師「変わらない・・・ね・・・」

小田「もう少し待ってみましょうよ」

さらに1分・・・2分・・・
メンバー達はその時を待った・・・そして遂に

飯窪「あっ!あそこ見て下さい!中心部!赤く光り始めました!」

中心部で小さく赤く光りだした輝きはやがて沼一面を覆った

石田「凄い!沼が赤く輝いてますよ!」

譜久村「え?こっちは黄色に輝いてるんだけど・・・」

鞘師「え!?私にはオレンジに見えるんだけど・・・」
528娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:07:01.54 0
工藤「ハルも赤く見えてます・・・どういう事???」

牧野「私には青く光ってるように見えます」

羽賀「私は紫に見えます」

不思議だった
見る人によって色が違う
こんな事があり得るのだろうか

小田「なんでみなさん色が違うんですか!?」

佐藤「はっ!もしかして!」

突然佐藤は沼の周囲を走り出した

生田「優樹ちゃん何しとう?」

佐藤「やっぱりー!」

石田「なになに?」

佐藤「見る方向で色が違うよー!」

『えええ!!!』

メンバー達は次々と沼の周囲を移動し始める

鈴木「ホントだー!黄色!オレンジ!赤!すごーい!」

尾形「紫!藍色!青!ホンマや!」
529娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:08:06.15 0
野中「緑!黄色!オレンジ!なにこれー!」

色を叫びながら沼を何週も回った

石田「全色の写真撮ったよ!」

小田「私も撮りたい!ブログに上げたらみんなビックリしますよこれ!」

飯窪「虹沼・・・こういう事だったんだ・・・」

鞘師「初めは沼が7色に輝くのかと思ったけど
   これはこれで凄く面白い!」

鈴木「でもずっと動いてなきゃいけないの疲れるわ!」

鞘師「確かにそうだね」

工藤「よし!じゃあそろそろ行こうかな!」

石田「あれ?すごくやる気になってる!」

工藤「今のでちょっと感動して見れて良かったって思ったから」

飯窪「どぅーが絶対入らない!って言って帰ってたら見れなかったもんね」

生田「騙してくれた同期に感謝せんと」

工藤「今となってはそうっすね・・・
   じゃあ・・・行きます!」

工藤は足を一歩沼に踏み入れた
530娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:10:19.49 0
譜久村「気をつけてね!」

鞘師「途中でいきなり深くなってるかもしれないからね!」

工藤「分かってまーす!」

3メートルほど進んだがまだ工藤は膝の辺りまでしか沼に浸かっていない

メンバー達は岸で一箇所に集まってその様子を見守る

4メートル・・・もうすぐで腰まで浸りそうだった、そしてマスクを装着した

石田「そろそろ気をつけてよ!」

工藤は右手を上げてOKの合図をした

そしてまた一歩進む

工藤「わぁあああ!!!!!!!」

突然マスク越しに工藤の悲鳴が聞こえ
工藤の体が急降下して頭まで完全に沈んでしまった

『どぅー!!!』『工藤さん!!!』
531名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:20:21.84 0
読んでてニヤニヤがとまんねーw作者さんも楽しんで書いてるのが伝わってくる
532娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:01:01.53 0
佐藤「どうしよう!・・・ねぇどうしよう!」

しかし工藤はすぐに立ち泳ぎの状態で顔を出した
そして沼の底を指差している

飯窪「深くなってるの!?」

工藤は大きく2回頷いた

鞘師「やっぱり!」

石田「潜れそう?」

また2回大きく頷く

工藤は一度気合を入れなおして再度潜り始めた

さっきまで水深1メートル程の沼だったが
中心部に幅2メートル程の縦穴が出来ていた
水が濁っているせいで底は見えない

縦穴の壁面には沈水植物が生い茂っていて
中にはどこかの木の根の先端が飛び出していた

工藤(うわ・・・視界悪いなぁ・・・何も見えないよ)

壁面に何か形見のようなものが引っ掛かってないか
よく目を凝らしながら下へ下へと潜る

10メートル程下がったところで工藤の視界に何かが入った
それは小さな根に鎖が引っ掛かっている懐中時計だった
533娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:02:02.27 0
工藤(これだ!花鈴さんが雅吉さんの懐中時計を手放してしまったんだ!)

鎖を小さな根から丁寧に外し懐中時計を手に取った

工藤(これを底まで届けるのか・・・
   でも視界が悪すぎて底までどれくらいあるのかさっぱり分からない・・・)

しかしもうここまで来て迷っている暇はなかった

工藤(行くしかないよね・・・)

意を決しさらに下へ潜り進んだ

そしてさらに10メートル程潜ったところで
突然工藤の視界にガイコツが見えた

工藤(うわっ!!!うわああああ!!!!!!)


岸ではメンバー達が心配そうに工藤の帰りを待っていた

鞘師「見てあれ!」

沼の中心部を指差した

ブクブク・・・ボコボコ・・・ボコボコボコボコボコ

大量の気泡が下から湧き上がって来た

譜久村「どうしたんだろう・・・」

生田「大丈夫かいな・・・」
534娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:02:39.28 0
佐藤「どぅー屁こいた?」

石田「アハハハ!」

飯窪「こらっ!どぅー頑張ってるんだから!」


工藤は気絶しそうになったが何とか持ち直し
勇気を振り絞ってもう一度沼の底を見た

するといくつもの白骨死体が積み重なっていた
その数は数え切れないほど・・・

工藤(こんなにもたくさんの人たちが死後の虹沼に・・・
   死んでから夫婦になる事を信じて・・・)

工藤は懐中時計をそっと白骨死体の上に置いた

そしてそっと手を合わせて冥福を祈った
535娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:03:25.64 0
・・・・・・


18時過ぎ
陽は暮れて外は暗くなっていた

メンバー達はリビングで虹沼の話しに花を咲かせていた

工藤はまたバスルームでシャワーを浴びている

譜久村父「本当なのか!?虹沼を見たのか!?」

つい先程譜久村の父が迎えにやって来た

譜久村父「父さんまだ一度も見たことが無いぞ!」

譜久村「見るには条件があるんだって!でも教えてあげな〜い!」

譜久村父「教えてくれてもいいじゃないかぁ!」

譜久村「自分で調べてくださ〜い!」

父娘をやり取りをメンバー達は笑って見ている

そこへバスルームから工藤が出てきた

佐藤「どぅーおつかれ!」

パシンとハイタッチをした

石田「ねぇ見て!どぅーが女神になった瞬間の写真」
536娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:03:59.87 0
石田は工藤に携帯の画面を見せた

それは突然沼が深くなりバンザイをしながら急降下する瞬間の工藤の写真だった

工藤「なんだよこれ!!!」

石田「ナイスタイミングじゃない?」

飯窪「いいなぁ〜女神になりたかったなぁ〜」

工藤「消してやる!」

石田「あっ!ちょっと!ダメ!!!」

石田と工藤は携帯の奪い合いでリビングを走り回った
537娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:04:53.20 0
19時

譜久村「みんな忘れ物ない?」

鞘師「大丈夫〜!」

次々と玄関から外へ出るメンバー達

小田「私桜ちゃんにお別れ言ってきます!」

小田は小走りで桜の墓に向かい墓前で手を合わせた
そして戻ってくる途中森の方を見て突然立ち止まった

鈴木「どうしたの?」

小田「あそこに・・・誰かいます」

メンバー達は小田が指差したほうを見た

すると森の入り口で若い男女がこちらを見ている

『ありがとうございました・・・』

メンバー達には確かに声が聞こえた
2人は一緒に頭を下げると振り返り
腕を組んで幸せそうに森の奥へ消えた

小田「もしかして・・・雅吉さんと花鈴さん」

工藤「たぶんそうだと思う」

牧野「お礼をしに来てくれたんだ!」
538娘。たちの夜 赤目山編 第3話@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:05:55.62 0
飯窪「って事は無事に夫婦になれたって事なのかな?」

鞘師「そうだね・・・きっとそう」

工藤「良かった・・・」

佐藤「どぅーのおかげだね!め・が・み!」

工藤「もう〜それやめろぉ!」



花鈴は手放してしまった懐中時計を自分の元に届けて欲しかった
やり方は強引だが気付いてもらうにはこの方法しかなかった

メンバー達は怖い思いもした
足を引っ張られて痛い思いもした

でもあの幻想的な虹沼を見ることができた事は一生の思い出になる

そして雅吉と花鈴があの世でやっと再会することが出来て
その幸せそうな姿を最後に見ることも出来た

今回の出来事は絶対に忘れる事の無い宝物になった


                                       終わり
539名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:08:13.46 0
こういう話っていいねぇギャグも適度に盛り込まれているし
540作者@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:12:14.15 0
読んでくれた方ありがとう

あまりホラー要素のないオカルト編でした
南国編の海底洞窟と似た感じですかね

それにしても地方見聞録はとても使い勝手がいいですw
541名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:12:19.70 0
おおっつううううううううううううう
これなにか元ネタになった話とかあるのかな?全部自分で考えたのならすごいけど
あとメンバーたちの会話がいつもうまくて吹くわ
笑いを狙うとこじゃないセリフも特徴つかんでてそれがより一層話に引き込ませるよ
542作者@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:16:31.87 0
虹沼って言うのは福島にある五色沼からヒントを得ました
身を投げて死後に結ばれるっていうのは自分で考えましたね
似たようなお話は既にあるかもしれませんがw
543名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:29:58.83 0
ハッピーエンド良かった〜肩の力向いて読めるwところで雅吉と花鈴は誰をイメージしてたんだろ?
544作者@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:37:38.39 0
名前をもじっただけなんですが
夏焼雅(雅吉)と宮本佳林(花鈴)ですねw
545名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/19(木) 00:03:36.69 0
政吉予想外過ぎたw花鈴は佳林って予測出来たけどまさかの雅だったとはw
546名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/19(木) 00:10:52.87 0
まーちゃんのまさきちで佳林とジュリンコンビなのかなって思ってたw
547名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/19(木) 00:44:58.26 0
地方見聞録アニキおつかれっした!!
548名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/19(木) 03:47:18.27 0
まくし立てる工藤の声が簡単に脳内変換できるw
549名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/19(木) 09:08:42.43 0
カラフルレインボー
550名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/19(木) 13:58:04.09 0
大団円で良かったです!
551作者@転載は禁止:2015/02/19(木) 17:50:45.82 0
ここで一度終わりにしようと思います
仕事が忙しくなりそうなのと体調があまり良くないので

またいつか書ける時が来たらスレ立てます!
ここまで拙い文章にお付き合い頂いた方々本当にありがとうございました!
552名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/19(木) 17:52:29.18 0
あらお疲れ様
楽しませてもらいました
553名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/19(木) 17:58:39.25 0
乙カノンでしたまた譜久村家の別荘でお待ちしていますw
554名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/19(木) 18:43:46.57 0
お疲れさま??
555名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/19(木) 20:52:34.76 0
お疲れ様です
556名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/19(木) 20:52:48.46 0
お疲れさまでした!
ありがとう!
557名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/19(木) 22:49:48.61 0
作者さんお疲れちゃん♪
ありがとう&お大事に
558名無し募集中。。。@転載は禁止@転載は禁止:2015/02/19(木) 23:06:10.46 0
楽しかったです
有難うございました
559名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/20(金) 00:55:26.14 0
お疲れ様でした!
スレ立て時から見てたので感慨深い
560名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/20(金) 01:41:40.80 0
楽しい小説をありがとう
ひとまずゆっくり休んでください
また楽しみにしてます
561名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/20(金) 06:46:09.20 0
おはよう朝起きたら新作来てたぁw 作者さんお疲れ様でした
ゆっくり読ませてもらいます
562名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/20(金) 12:09:58.62 0
おっつー
563名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/20(金) 19:44:32.11 0
986
564名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/20(金) 19:59:07.96 0
    oノハヽo
☆ノハ从*・ 。.・)< Age
ノリ*´ ⊂   ⊃
 ( つ  ノノ
 |(_)_)
 (__)_)
565名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/20(金) 21:16:52.48 0
作者さん完結乙です!また楽しみがなくなっちゃったな…誰か新たな分岐作って続き書かないかな?
566名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/20(金) 22:50:09.48 0
ピンクのおしり'15か
桜ちゃんの力で透明化した鞘師と雅吉&花鈴の力でピンク化したメンバー....鞘師のお部屋訪問で鞘師が見たものは!後世に残る譜久村家ピンクの見聞録
ある者達はディープな世界にある者達は揉めたり揉めなかったり...本音を言えずに喧嘩気味だっり、とっーても気持イイですな展開に

しかし鞘師は知らなかった力によるリバウンドを.....
567名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/20(金) 23:09:35.72 0
568名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/21(土) 09:29:50.15 0
569名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/21(土) 15:08:23.01 0
570名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/21(土) 15:40:17.08 O
571名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/21(土) 16:51:33.63 0
572名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/21(土) 21:36:51.50 0
573名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/22(日) 01:04:45.94 0
574名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/22(日) 10:26:48.18 0
575名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/22(日) 14:28:20.12 0
576名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/22(日) 18:27:09.09 0
577名無し募集中。。。@転載は禁止:2015/02/22(日) 23:00:47.45 0
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