「羽生必敗の法則―あなたにも天才が倒せます」(田中寅彦著)を読んでみた [転載禁止]©2ch.net

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1 【中国電 68.7 %】 ◆fveg1grntk @転載は禁止
棋書というより奇書と言った方が相応しい時代が生んだ悪ふざけ本
本書が発売されたのは1996年、つまり羽生フィーバーの真っ只中である
七冠を獲得し、その後、棋聖を三浦に奪われたが依然六冠王として君臨していた時代
この絶好の商機をあの田中寅彦が逃すはずが無い
本書の表紙に記載されている田中の肩書は「九段、対羽生勝率八割」
九段の棋士は少ないながらも何人かいるが、それよりも何倍もインパクトがあるのは「対羽生勝率八割」
当時の羽生の通算勝率は.759である
そんな中、対羽生八割(たった5戦のサンプルで4勝1敗と言うことは置いといて)なのだから有頂天で本の1冊も出したくなる気持ちも理解できよう

本書は「とんでもなく強い羽生にどうやって勝つか?」がテーマ
そのため田中は羽生の数少ない敗局にターゲットを絞って分析して、羽生必敗の法則を導き出している
それなりに頷けるものもあるが、やはり印象に残るのはオカルト的なしょうもない法則である
対局者の血液型、星座(O型・山羊&水瓶座が苦手)はありがちだが、当時よく比較されていたイチロー所属するオリックスの勝敗、
羽生の出身地が埼玉なので浦和レッズの福田正博選手がゴールした日などこじつけにしても時代を感じるとともに「よく調べたな」と感心する
最終的には駒に鼻糞を付ければ羽生は駒を取れずに時間を消費するといった極めてエキセントリックな提案までしている
少なくともイチロー所属球団の勝敗は羽生の将棋には影響していないと断言できる
何故ならマリナーズが連戦連敗を続けていた時代も羽生は勝ちまくっていたからだ

そう、本書には「時の流れ」がもたらしてくれる楽しみがある
発売当時から20年が経ち、法則の「答え合わせ」をすることが出来るのだ

羽生が当時苦手とされているのは以下の通り
ちなみに苦手と言ってもほとんど勝率6割以上はある
ただ勝率7割以上の男にとって6割は十分「苦手」の範疇である

それでは答え合わせをしてみよう

(続く1/3)