なぜか母乳が出るようになった譜久村聖 [転載禁止]©2ch.net
118 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:
なんで・・・さっき出かけていったはずなのに・・・現状を脳が理解するよりも先に心臓を鷲掴みにされた。
「道重・・・さん・・・」震える唇で絞り出すと道重と目が合った。
そして道重の目が自分の乱れた姿をとらえているという事実をいま脳が処理した。
「いやああああああああああああああ!!!!!!」
はだけた衣服を抑えて体を丸める。最低だ。自分は最低だ。もう生きていけない。もう二度と道重と顔をあわせることもできない。
死んだほうがましだ。死にたい。死んでしまいたい。
もしもここが中央線のプラットフォームなら(もっともプラットフォームでこんなことをするわけないが)
入線してきたオレンジラインの電車にためらいもなく飛び込んでその若い命を散らし
何千何万という人に多大なる迷惑とストレスを与える自爆テロを敢行していたことだろう。
もしもいまが火曜サスペンス劇場の22時40分頃なら(土曜ワイド劇場でもいいが)
不幸な生い立ちや犯行に至る動機や経緯などを長々と語る見せ場をあっさり放棄して眼前の崖下に身を投げ
尺の余った名探偵や名刑事共を手持ち無沙汰にさせていたことだろう。
「ふくちゃん聞いて!」道重が譜久村の元に駆け寄り言葉をかける。
が、もちろん譜久村は聞く耳をもたない。それどころかこんな醜い生き物に道重が近づいてる状況にさえ嫌悪する。
ここは東京にあるごくごく普通のマンションの一室であり茶色い線路もなければ波立つ海もない。
ならばいっそのこと舌を噛み切って死んでしまおうか。このままだと本当にそうしてしまいそうな勢いだった。
道重もそれを察知したのか肩を両手でがっしりとつかんでまっすぐ目を見つめて叫んだ。
「ふくちゃん違うの!さゆみの話を聞いて!お願い!ふくちゃんはなにも悪くないから!」
その迫力に押されて譜久村は体を止め道重を見た。
そこには自分の部屋でふしだらな破廉恥行為に溺れる後輩を軽蔑するような眼差しは見て取れない。
むしろ謝罪と戸惑いをたたえる慈悲の瞳だった。
「ふくちゃんのせいじゃないの!さゆみが悪いの!先に言うとね、さっきふくちゃんはさゆみの淹れたお茶を飲んでたでしょ。
あれは催淫効果があるものだったの。」譜久村はキョトンとした。サイインて・・・「眠くなるやつですか?」
「それは催眠ね。催淫てのは要するにエッチな気分になっちゃうやつなの」
エッチな気分・・・先ほど道重のベッドの下でアレを見つけたあたりから急激に体に異変が生じたのはそのせいだったのか。
自分が淫乱なせいじゃない・・・それを思うと少しだけ肩の荷が下りた気がした。でもなんで・・・
「なんでそんなものを・・・?」もっともな問いに道重が答えづらそうに口を開いた。
119 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2014/12/28(日) 01:31:10.50 0
「順番に説明するとね、秋ツアーのさゆみとふくちゃんとはるなんのMCで
ホテルの部屋でなにをしてるのかって話題になったことあったけど覚えてる?」
「はい、大阪の時ですね」もちろん忘れるわけがない。
「その時にさゆみがふくちゃんに『ふくちゃんはホテルでなにしてるの?してること全部言っちゃいなよ』
ってちょっといやらしい口調で言ったじゃん?」「はい、冗談ぽく言っててお客さんにもウケてましたよね」
鮮明に覚えている。その冗談のせいで譜久村はその日の夜にホテルの浴室で自慰に耽ることになるのだから。
「実はね・・・ふくちゃんが以前からホテルのお風呂でああいうことしてるの、さゆみ知ってたの」
「ええっ!?」譜久村は驚愕した。なぜ?まさか隠しカメラや盗聴器が?
いやいくら道重と言えどもそんなことをするわけが・・・しかし道重なら実際にしてもおかしくは・・・
「大阪より前にホテルに泊まった時にふくちゃんの部屋の前を通ったらドアがほんの少しだけ開いててロックされてなかったの。
どうやらカーペットがちょっとめくれててひっかかってたみたいで。これは危ないから知らせようとドアを開けてふくちゃんを呼んだんだけど見当たらなくて
お風呂かなと思ってお風呂のドアに近づいたら・・・その・・・声が聞こえてきて・・・」
まさかあの時の声が聞かれてたなんて。窓も玄関の扉もしっかり閉めているから聞こえるはずがないと思い込んで油断していた。
「そりゃふくちゃんもそういう年頃だしそういうことしててもおかしくはないんだけど・・・声がすっごい声でね
ちょっと心配になっちゃってほんの少しだけドアを開けて中を見たの・・・そしたらふくちゃんが自分の胸から・・・」
淫らな嬌声ばかりかはしたない肢体、さらには絶対に秘密にしていたかったことまで目撃されていたとは。
譜久村の頭にここ1ヶ月ほどの道重との会話や接触がよみがえってくる。道重はことあるごとに譜久村を気にかけてくれていた。
それはどちらかと言えばおとなしくておっとりタイプの譜久村がリーダー職を務めることへのフォローなのだと思っていたのだが。
120 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2014/12/28(日) 01:32:07.48 0
「でね・・・さゆみちょっと悔しかったの」
えっ?譜久村は耳を疑った。高性能スマホでも予想変換で出てこないであろう単語に譜久村も困惑する。
「なんでさゆみには相談してくれなかったんだろうって。そりゃ相談されたところでさゆみがどうこうできる話じゃないかも知れないけど
そんなに頼りないリーダーなのかなって。確かに歌もダンスも10年たっても全然だし
なにより自分の卒業コンサートで足つってみんなに大迷惑かけちゃうような人だしふくちゃんに頼られないのもわかるけど」
道重がよく言う『私ソロパート全然なくて吐息だけなんですう〜』という笑いの自虐ネタとはまったく違う自嘲の口調に
譜久村もどんな顔をしていいかわからなくなる。
「本当に誰にも相談してないのかなって考えたんだけど、もしかしたらあの人には?って思いついて、お見舞いも兼ねて久しぶりに会いに行って」
そこからはバラエティ番組としゃべりの超大御所との数年間のラジオで鍛え上げたトークで見事につんくから譜久村に相談されたことを引き出した。
「つんくさんを責めないでね。つんくさんだってもちろんふくちゃんの秘密を守ってあげたかったはずだけど
それ以上に解決したいという気持ちがあったからさゆみに言ってくれたと思うから」
譜久村にはつんくを責める気などまったく起こらなかった。そもそも自分がつんくだけにではなく道重にも相談しておけば済んだことだ。
しかしなぜか道重に相談しないまま今まで来た。せっかくの卒業ツアーの真っ最中に余計な気を遣わせたくなかったというのもあったし
道重が卒業した今であっても同じ女であるからこそ逆に言いたくなかったのかも知れない。
121 :
名無し募集中。。。@転載は禁止:2014/12/28(日) 01:33:17.24 0
「それでね、なんとかふくちゃんから言ってもらいたくってこんなことしたの。
特製のお茶を淹れて、買い物に出かけたふりをしてこっそり家の中に隠れて。もちろんベッドの下に置いてあったアレも仕込みだからね。
この年まで恋愛経験も交際経験もゼロだと誰とどうやって付き合ったらいいかすらわかんないしw」
道重の顔に久しぶりに笑みが戻る。譜久村への申し訳なさも混じったぎこちない笑顔ではあるが。
「でもまさかここまでのことになるなんて・・・ほんとごめんね」譜久村の体を正面からギュッと抱きしめる。
「さゆみがバカだったね・・・こんなことしなくてもまっすぐ言えばよかったね・・・」
道重のぬくもりと心からの謝罪が正面から伝わってくる。譜久村も道重の背中に手を回しその感触に身を委ねた。
───するとなぜか譜久村は天井を見ていた。「えっ?」天井を見る、つまり床に仰向けに倒れている。
誰かと抱き合った状態でそうなるということは抱き合った相手は。相手、道重が顔を上げて譜久村を見下ろす。
先ほどまでの眉間にシワを寄せて後悔と反省の念に苛まれている遠慮がちな前リーダーの顔は消え
そこには妖しい目で見下ろす一人の女が。
「上から見下ろすふくちゃんはやっぱりいいねえ。ふくちゃんまだ途中だったよね。それにこれのせいで溜まったりしがちなんでしょ。
だから今日はさ、すべてを忘れて思う存分スッキリしていいから───」
「ちょ、待ってくだ」譜久村が口にし終わるより先にすぐ目の前にあった道重の顔が消え、
生まれて初めて自分の乳首を誰かに吸われる感触に譜久村は先ほどの絶叫に勝るとも劣らない声をあげた。