「不思議な数πの伝記」(Alfred S. Posamentier 著, Ingmar Lehmann 著)を読んでみた

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円周率πの伝記・・・というよりもπのファンブックと言える一冊
小学生でも知っているこの数字には実に興味深い魅力が詰まっており、その魅力を最大限に引き出すためにπを全力で弄くり倒している

この数字を特徴付けているのは無限性と無循環性である

車輪と走行距離の測るという実用的な意味でも「円周の直径に対する比率」は太古から興味を持たれていた
本書では漠然と「3とちょっと」としか認識されていた時代から、コンピュータを使って算出した1兆桁を越える現代までの歴史を振り返っている
漠然としていたπの姿が徐々に明確になって行く経緯が描かれており、それはそのまま人類の計算技術の向上の軌跡である
ただし、1兆桁まで解析したところでπの本当の姿は分からない
なにせ相手は「無限」かつ「無循環」なのだから

πは円周率である
つまり、「円周の直径に対する比率」であり、円に関する幾何学分野で登場する数字のはずだ
しかし、数学の中でも一見、幾何学にも円にも関係しないような分野でπが頻繁に顔を出す
数学は様々な分野に分かれているが、1つの事象を異なる側面から見ているだけなのかもしれない

πは割り切れない、ゆえに、永遠に続くというのは有名な話である
加えてもう1つの特徴は無循環性だ
割り切れない数字の中にも小数点以下が循環するものもある(1/3=0.333・・・)
しかし、πは永遠に循環しない
つまり「循環しない数字がランダムに永遠に続く」ということである
これが何を意味しているかというと、「円周率はこの世に存在する全ての数列を含んでる」ということだ
あなたの家の電話番号も、あの子の生年月日も、1が100回連続で続く数列も、
テキストも画像も動画も全て0、1のデータに落としこんだとしたら
シェークスピアも、未発表のアイドルの新曲も、ポルノ動画も、全てπの中に含まれている

全宇宙の全情報はπの中に存在する
「だからなんなのですか?」と問われれば絶句するより他にないが・・・