娘。小説書く！『魔法使いえりぽん』 9

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娘。小説書く！『魔法使いえりぽん』
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娘。小説書く！『魔法使いえりぽん』 8
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登場人物
生田衣梨奈 えりぽん。魔道士。家出して道重さんの家に居候中。世界一の魔法使いを目指している。
鞘師里保 りほりほ。協会魔道士。道重とえりぽんの監視役としてM13地区に出張中。
道重さゆみ M13地区に住む三大魔導士の一人。えりぽんの師匠。不老長寿の魔法を会得している。
譜久村聖 フクちゃん。えりぽんのクラスメイト。
鈴木香音 ズッキ。えりぽんのクラスメイト。
飯窪春菜 はるなん。黒猫。相当変な一般の魔道士。
新垣里沙　ガキさん。元執行局魔道士。すべての魔力をさゆみに託し、旅に出る。えりぽんの憧れの人。
工藤遥 どぅー。元協会魔道士。優樹を助けて逃亡しM13地区に入る。
佐藤優樹 まーちゃん。協会に追われている狗族の少女。遥とともにM13地区に入る。

娘。小説書く！『魔法使いえりぽん』 まとめサイト

http://www61.atwiki.jp/eriponmagi/

>>1乙

過去スレ読むなら（ログ速）

娘。小説書く！『魔法使いえりぽん』
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娘。小説書く！『魔法使いえりぽん』 8
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結局テンプレもまとめサイトの変更もやっちゃいましたが
ミスあったら修正してくらさい

前スレからの無駄ないスレ立て乙です

スレ立て乙です！

代案が出てなかったので前スレにあったあゆみんの人物紹介を改めて貼っておきます
問題なければ次スレを立てるとき1に加えてください

石田亜佑美 あゆみん。工藤、佐藤の友人。協会の施設で育つ。首席で執行魔道士に抜擢。

　 ★ﾉハヽヽ
　 ノﾉ�刀e _l‘）＜このスレは破廉恥なお話は少なめでいきたく存じます
＿(__つ/￣￣￣/＿ｶﾀｶﾀ
　　＼/　　　　 /

ハッピーバレンタイン！

無理なの
http://st73.storage.gree.jp/album/23/42/27952342/2cdf9541_640.jpg

さっそくのまとめ更新も乙です

新スレ乙！

川* ^_〉^)＜みにしげさんと生田さんのお話に心臓がポクポクしてきた

川*’ー’）＜みんながんばれ。私は今日旅立ちます。

このスレは小説時々変態でお送りいたします

川c’∀’)＜ワクワク

>>14
天使の少女＝高橋さん
２人組みの主人公たち＝他のメンバー
でチャゲあすのPVのアニメで妄想してます

>>17
On Your Mark懐かしいｗ

えりぽんが飛んでるっ！！

591 名前：名無し募集中。。。[] 投稿日：2014/02/14(金) 02:29:33.25 0
　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　ノノハヽ
..＼　　　　　　　　　　　　　　　　⊂||||9|‘_ゝ‘)⊃　
　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　〈／ﾌ'ﾌ
　　　 ＼　　　　　　　　 　　　　　∠∠／
　　　　　＼ 　
＼　　　　　＼　　　
　.＼　　　　　.＼　　　
　　 .＼＿／|￣￣￣￣￣|
　　 　 　 　 .|　　　　　　　.|

念動力で飛んでるのかこれは！

´ｰ´ﾘ

魔法って念動力なの？
この物語世界は西洋ファンタジーでいいの？科学文明の利器とかもあるけど

>>22
えりぽんが魔法を使って飛ぶときの方法が
スケボーに魔力を込めてそれを自在に動かして飛ぶという
念動力に近いやり方なのでこう表現しただけ

あとこの物語世界は西洋東洋というより
別世界のパラレルファンタジーでいいんじゃない？

ふむふむ
ありす

>>19
ずいぶんクラシカルスタイルだなw

エリキテル

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

現実のえりぽんはチョコ作ったのかな？

誰にあげるん？

もちろんガキさんだろ。

念動力とか細かい事はええねん

勝手ながらこの小説にハマリ、RPG風の紹介動画を作ってみました
ゲームにしたら面白そうと思い始めてみましたが、とても遊べるレベルには至っていません…
限定公開にさせてもらいましたが、作者様が大丈夫であれば公開にさせて頂きます

http://youtu.be/yxbD_mCUDnU

すごー！
バトルがあんまりないから
ミニゲームで遊べると良いよね

すごい！

はるなんクエストのひと？

>>32
すごすぎる！！！このゲームしたい！

>>32
すげー！感動した！
是非公開したって下さい！

あ、作者です

>>33
ミニゲーム入れるのは思いつかなかった・・・
いつかは実際に遊べるレベルまでしたいです

>>35
はるなんクエストの方とは全くの別人です
あのゲームをして凄いと思ったのも今回作成したきっかけですね
自分でストーリーまで考えるなんて到底無理orz

>>37
作者様ありがとうございます
公開にさせてもらいます
これから一層面白くなってきそうな展開なので楽しみにしてます！

>>前スレ997氏

スパ関係ならまとめあるよ

３スパゲッティー　517-519 - 川*^A^)ﾉ＜道重さん可愛いデス まとめwiki - Seesaa Wiki（ウィキ）
http://seesaawiki.jp/w/sayu_lin/d/%a3%b3%a5%b9%a5%d1%a5%b2%a5%c3%a5%c6%a5%a3%a1%bc%a1%a1517-519

凄い！明日は一話から読み直すことに決めた！ｗ

>>39
おお！ありがとうございます！！さっそく読んでみます

川c ’∀´)＜今日はバレンタイン！私の女子力を存分に発揮する時！！

〜先週に続く大雪で都心を中心に大混乱です〜

川c；’∀´) ＜え？また私のせい！？

今回は別に寒い事言ってないから
あゆみんのせいじゃない・・・はず

氷系最強の魔法使いか
しかもギルドに所属してないとかな感じ？

本編では何げにまだ蜘蛛男とまーどぅーとしかバトルしてないんだよな
５人の男たちはポイだし
32さんのゲームにゲーム性を持たせるにはどうしたもんかw

　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 　 ∋oノノハヽ　　ｌ　/　　　ノノハヽ
　　　　　　 　　　|||9|*＾_ゝ) 　　　 　　（･ ｡.･*从
　　　　　　　　　　/　｀つ田　　　　　　 （　　　）
　　　　　　　 　　 ヽ＿）_）　　　　　　　　し--J

RPGの形はとっていてもその中身はえりぽん主役の恋愛ゲーム

>>46
　　　　　　　　　 　　　　 γ⌒ヽ
　　　　　　　　.　　　　　 （( └ )）
　　　　　　　　　　.　　　　 |i'''''iｌ|
　　　　　　　　　　.　　　　 ||o,,i||
　　　　　　　　　　.　　　　 ｀ー゛
　　　　　　　　　　　.＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　| 　 1 　|　　　　　　
　　　　　　　　　　　 ￣∨￣
　　　　　　 　∋oノノハヽｎ　　　 　 　ノノハヽ
　　　　　　 　 　|||9|^_ゝ^)/　 　　　　（･ ｡.･*从
　　　　　　　　　ι　　　/　　　　　　 （っ田と）
　　　　　　　 　 　 し--J　　　　　　　　し--J

>>48

　　　　＼ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／

　　　　　　 　∋oノノハヽ　 　　 ノノハヽ
　　　　　　 　 　|||9|^_ゝ^)　 　　（･ ｡.･*从
　　　　　　　　＿(つ■と）＿＿_（つ■と）＿＿　　 　　　　　　 　　
　　　 　 　 ／　c[]　　 _.｡_ 　　　　　c[］　　　／|　　　　　　　　　　　
　　　 　 ／rｪｪｪ、　ｃ（＿_ｱrｪｪｪ、　　　　 ／ .,i|　　　　
　　　 ／＿||_||_||＿＿＿＿||_||_||＿＿_／　ノ|_」 　　
　　　:| .:. 　||_||_||_　　 　 　 ||_||_||_　　　|,ノ´　　　　　
　　　 ｀| |^ﾞ|＿__|7｀"＾⌒＾｀|＿__|7^'^1 |

>>50

　　n--──────────────---n　　　　　　　　　　　　　　　　
　 | |　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 | |　　　 _＿＿＿　　　　　　　　
　 | |　　　　　　　 　 ┌-ノノハヽ─┐　　　　　 | |　 　 .iヽ　　　　＼　　　　　　
　 | |　　＿＿＿＿＿i　.从*・ ｡.-)´　)＿＿_＿__| |　　　|　||二二二||　　　　　　:.
　 | |／　 　　/⌒⌒~｀`⌒⌒~゛￣⌒~￣"~ヽ_......_＼　　＼||二二二||　　　　　 .'
　 | ||　／￣~　""ノ .::　　ゝ;;ノ.;; ゛　 ヽ｀::　:: :: :ﾉ　 ~｀ヽ　　　　　　　　　　　　　,
　 | ||丿　　"　~　　　　.,;;ノ :: 　 ソ;::,,　i .　:;゛ヽ:;:::ヽ ::",, ヾ　　　　　　　　　　　　:
　 ||＼ゝ　　　　ノ　"　,,　　/ .::;;; ゝ.:;ソ::　ゞ l、;;;　;;　ン 　＼　　　　　　　　　 ;’
　 ||　 ＼ヽ　　　　　,,　 .::.　ノ丿 .:;;:;;;. .:;.　ヽ. ゛　 ::`;;;　:: :::.,,ヽ　　　　　　　　　 ':､
　　＼　　＼　> 　　　　ノ　.:: ,,　.:: i .:::　ゝ.:::　ゝ.::;　　;:: ::ン　_＼　　　　　　　　　 `:.
　　　 .＼　　＼ ヾ　::　,.,:　;:: __ ソ 　　:; _ ::　　,, :: :: ::　 　;:: :: ,,,...ヽ　　　　　　　_;:'
　　　　　 ＼　　＼ ;:: 　　　...　;::　ﾉ　　ハ　;::; .. 　　;; ;;　　　::__,、::）　　　　　　`';、
　　　　　　　＼　 γ~'ヾ、＿,.,.,..,.,へ、..,.,.,.__,.,ノ~"ヽ__,,,,ソ"~ 　 し´　　　　　　､;';`:.._　
　　　　　　　　 ＼_|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_＿＿| 　　　　　　/,,＿/

>>50のアンカー間違えたので終わり

その恋愛ゲームフクちゃんが攻略に必死になりそうな予感

ときめきエリキテルか
>>48
一番ってやってるえりぽんかわええ

>>46,48-50
和んだｗ

>>48
くぅ〜かわいいなあｗ

いまさらだけど「お話」っていい言葉だね
この小説自体も「お話」ってのが似合う

自分はさゆがたまに言う
「ありがとうが言えることはいいことだよ。」みたいなセリフが好きだ。

保

羽生君　金
★☆オメデト☆★ヘ(^^ヘ)(ノ^^)ノ★☆オメデト☆★

羽生の金でスレ乱立保全

ほ

ぜ

エリポンガー

ほ

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

みっしげさんっ

　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧　 ∧∧
　　∧∧＿＿＿＿_　∧∧　　　　　/"⌒ヽ ＿＿＿_∧∧　（ﾟ ゥ ﾟ*（ﾟ ゥ ﾟ*）
　（ﾟ ゥ ﾟ*）　　　　　（ﾟ ゥ ﾟ*）　　　 ./　　 ノ∪　　　（*ﾟ ゥ ﾟ）　￣￣￣￣￣
　⊂⊂,,---------と　　 つ　　 .∧∧ /------ ∧∧つつ
　　　　　　　　　　　　|　　|　 ⊂（ﾟ ゥ ﾟ*）つ　　　（ﾟ ゥ ﾟ*）"
　　　　　　∩∩　⊂_⌒ .ﾉ〜　　　　　　　　　　　∪∪,|
　　　　　　| ⌒〜　　∪"　　　　　　　　　　　　 　.|∧∧
　　　　　　|　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ﾟ ゥ ﾟ*）
　　　　　 ,ﾉ 　,,ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　/∪ ﾉ⊃
　　　　 ∧∧ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,,　 /
　　　 （ﾟ ゥ ﾟ*）　　　　　　　　　　　　　　　　〜（　__ ）
　　　　 ∪∪　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∪∪

ho

ze

nnnnn

川c ’∀´)＜実は主役は私です

川* ^_〉^)＜あゆみんじゃないもん　まさ知ってるんだから

羽生名人挑戦

あなたのはにゅーみんなのはにゅー

川c ’∀´)＜実はナイスバディです

ちっちゃいのにナイスバデーたまりません

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

ない 素 バティ

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

ほ

も

お

┌(┌^o^)┐

葛西選手銀メダルおめでとう

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

川c ’∀´)＜大阪やでぇ　肉まん肉まん♪

えりぽん

ほ

り

のうち

エリキテル

生田先生の次回作にご期待下さい

　
　　　　　　　　　　　　　　　ひとつ・・・ふたつ・・・みっつ・・・
　　　　　　　　　　　　　　　よっつ・・・いつつ・・・むっつ・・・ななつ・・・
　　　　 ∋oノノハヽ　　　　　　　　　oノハヽo
　　　　　　|||9|‘_ゝ‘)　　　　　　　　　(･ ｡.･*从　
　　　　　　 (　　　　)　　　　日　　　　 (　　　 )　　　
　　　　　　　 | 　|　|　　　　　||　　　　　 |　|　|　　
　　　　　　　(_＿)＿)　　　　||　　　　　(＿(＿)　

　　　　　　　　　　　　　
　　　　 やっつー！　　　　　　　　　　　　　　oノハヽo 　　嫌な芸を
　　　　　　　 ∋oノノハヽ　　　　　　　　　　　(･´｡.`･*从　 　教えちゃったよなの・・・
　　　　　　 　　|||9| ^_ゝ^)　　　　　　　日　　　 (　　　 )　　　
　　　　　　　 /⌒V☆☆/⌒ヽ　　　　 || 　　　　|　|　|　　
　　　　　　　と_人＿☆＿∧_つ　 　　||　　　　(＿(＿)　
＿＿＿＿＿＿＿＿ ﾋﾟｶｰ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｱｧ､ｱｧ 　　　目の正月ﾔｼ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　★ﾉハヽヽ 　∋oノハヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(‘ l_‘*�祷ｸ 　ﾘＴｰＴ

にゃにゃ〜〜つ　ではないのか

さゆりほがサンデーで睦みあったり
ピンポンが焼肉でいちゃついたり（

現実がフィクション超えてくわー

▼


物凄いスピードで顔にぶつかる風に目も開けられずにいた衣梨奈は、
それでも里保を信じ、全力で魔力を注いでいた。
そうしているうち、だんだんと慣れ、目が開けられるようになる。
眼下には月明かりに照らされた美しい雲海が見えた。

「えりぽん、大丈夫？」

「うん、だいぶ慣れてきた」

少し肌寒かったけれど、半身でしがみついた里保の身体と
繋いだ手が暖かく、それが頼もしい。

小さい頃からずっと、こんな風に飛んでみたかった。
まだ自分の力で飛べたとは言えないけれど、それでも嬉しい。
それに、里保の魔法で落ち無いという安心感があるおかげで
自身でもバランスを取るコツが何となく分かってきた。
ちょうど、補助輪のついた自転車に乗る感じだろうか。

「凄いね。やっぱえりぽんってセンスあるんだね」

「なに、ちょー上から目線」

「や、違うよ。違うって」

軽口を言って笑い合う。
優樹と遥と初めて会った日から、里保の様子はずっとおかしくて、
衣梨奈はそれを心配しつつも中々踏み込めないでいた。
色々な事情がいっぺんに紐解けて
全部では無いにしろ、里保の苦しみが少しずつ見える。
多分それは何も解決していないけれど、少しでも知れたことが嬉しい。
優樹と遥のことも含めて、物凄く難しいことだけれども、
一緒に考えて、一緒に行動出来る。

衣梨奈は今更、一人で行こうとしたことを猛省していた。
また、同じように里保と離れてしまうところだった。
気持ちが離れてしまう。それはもう、絶対に嫌だ。


二人で飛ぶスピードは想像よりもずっと早くて
どんどんと雲が後ろに流れていく。
そしていつしか眼下の雲が晴れ、灯りが点々と連なる夜の街が広がっていた。

「りほ」

「うん？」

「えり、間違ってるかな？間違ってると思う？」

「うん」

即座に返された頷きに、衣梨奈が苦笑する。
頭に血が上って、考えなしに行動してしまうのは
何年経っても治らない悪い癖だと自覚している。
そんな時、冷静で慎重な里保が側に居てくれることが本当に有難い。

「『正解』じゃないと思う。でも、やっぱりえりぽんは凄い。
　うち、あのままだったら本当に何も出来なかったかもしれない。
　ずっと考えて考えて、道重さんの家で、何も出来ずにじっとしてたかも。
　だから、こうして動けるのが嬉しい。えりぽんに感謝してる。ある意味」

「里保…」

何だかんだいって、自分達はうまくバランスが取れているのかもしれない。
得意な分野も全然違う。性格も全然違う。
魔法だって、相性がいいとは言えない。
でも、何故だか昔から、二人でなら何でも出来る気がした。
一人一人よりも、ずっと大きな力が出せる。

二人共まだ子供。
でも、それでも随分と成長した。
これからももっももっと成長出来る気がする。
世界一の魔法使いと、世界二の魔法使いになれたら、
そんな二人が一緒なら無敵だ。

「でもうちを置いてこうとしたことは絶対許さないからね」

「ごめんってば。反省しとーとよ」

「本当に反省してる？」

「うん、してる」

「信用出来ない」

「えー」

「だからもう、絶対離さないから。覚悟しといてよ。ウチしつこいからね」

少し照れたように言う里保に、衣梨奈が笑う。
頼もしかったり、頼りなかったり、可愛らしかったり。
本当に面白い。
改めて、大好きな友人。

「うん！えりも里保のこと離さんけん！」

不意にバランスが崩れて、スケボーと衣梨奈と里保の身体が大きく揺れる。
それからきりもみして落下し、何とか体勢を立て直した。

「ちょ、ちょっとー里保。怖いっちゃん」

「ご、ごめん…だってえりぽんが…」

「信じとーけんね。頼むよ」

「う、うん」

そのまま真逆さまに落ちそうになっても衣梨奈は随分余裕で、
それは空中での動きにもう随分慣れたことと、里保への絶対の信頼のおかげだった。

夜の街の灯りも、北に向かうにつれ疎らになっていった。

里保は、出発前にさゆみと交わした話を衣梨奈に告げていた。
協会の目的のこと。それに、さゆみが目指す『正解』の話。


「誰もが幸せになる、誰も悲しまないですむ『正解』か…」

優樹が、遥が、悲しまないですむ方法だって難しい。
それに狗族の人達。さゆみの言葉は、協会だって幸せにしなければならない。
到底そんな方法がある気がしない。
でも、多分それは衣梨奈自身が目指すことでもあると感じた。

さゆみの元で魔法の研究をして、『世界一の魔法使い』に今一番近いのはさゆみだと思っている。
きっと、『世界一の魔法使い』は、そんな『正解』を選べる人。
みんなを幸せに出来る魔法使い。
改めて、そこまでの道のりは果てしなく遠い。
今は、目に映る人、里保や聖や香音、それに遥や優樹や春菜を守り幸せにすることだってままならない。
きっと、さゆみの寂しさを埋めることなんて今の自分には到底できやしない。
でも、目指す。
真っ直ぐにそれを目指している限り、少しでも近づけるはずだから。

「ウチには分かんない。
　てか、多分そんな『正解』に、あと数日のあいだに辿り着けるとは思えない。
　けれどやっぱり、少しでも納得出来る方法を選びたい」

「そうやね」

「狗族と一緒に戦うのも選択の一つだと思うけどさ…。ちゃんと、もっと知って、
　もうちょっと考えたい」

「……うん」

戦うのが、一番簡単な選択。
多分誰の得にもならない。
狗族が勝てるならいいけれど、相手は全国の協会員だから。
協会が諦めない限り、勝てない。諦めないなら、狗族が負けるか、いつまでも戦いが続くか。
執行局長の娘という立場もが何か役に立たないかとも思っていたけれど、
里保の話を聞く限りそれも無い。
それどころか、協会内での父の立場をますます悪くするだけかもしれない。

どうするのがいいのか。
考えは纏まらない。
里保も、ずっと考えているんだろう。

眼下に街灯りが殆ど見当たらなくなった頃、やおら空が白みはじめた。
風が随分と冷たくなり、高度を下げる。
スピードを落として荷物の中から地図を確認すると、
もう目的地付近についていた。

「この辺りだね」

「もう少しやね」

森と草原が連なる平野に、街から伸びる細い道が一つ。
その先に地図の上では狗族の郷がある。

郷の手前で、二人は一度道に降りた。
柔らかい匂い。草原に広がる朝の匂いが二人を包む。

「えりぽん、大丈夫？」

「ん、何が？」

「いや、ずっと何時間も全力で飛ばして来たじゃん」

「ああ、全然、まだまだいけるとよ」

「……凄いね」

夜明け前に目的地に辿りつけた。
二人でなければ到底無理だっただろう。

衣梨奈と里保は白む細道を歩き、狗族の郷へと向かった。



▲

ゲームが凄い面白そうなんだけど
この話バトルとか殆ど無くてなんか申し訳ないw

作者さんおつです！
しっかり信頼関係築いてる二人いいねぇ
頭ん中でWiLのリピートが止まらんｗ

やっぱこの二人いいなぁ・・・

えりも里保のこと離さんけん！
えりも里保のこと離さんけん！
えりも里保のこ…あぁたまらん

生鞘二人の正反対だからこそお互いを必要としてる関係いいな

俺はこの物語が好きだぁ〜〜

とってもいいシーンなのに最後の２人の会話に
別の意味合いを感じ取ってしまうのは
このスレのダメな一面に毒されすぎなのかｗ

ナマちゃんはまだまだやっつー状態なんだな

川c ’∀´)＜出番はまだかしら？

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／.'l.　　.ﾞ'┐　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　,､....,/⌒′　′　　.＼r
　-‐'^ﾞ^'''ｰv､..._,,､､.._　 __　　 ,/ .ﾉ′　　　 ,､　　　　 .)､　　　　　　　　　　　　　　 ,,rｰv.,,,___,,,,,,,,_
　　　　　　‐''^′　　￣￣^'''''ﾄ　　　　　　_ﾉ　　　　　　'v.,_　　　　　　_,､､､､､ノ''^^^'″　　　　　.⌒
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 えりぽん、大丈夫？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∋oノノハヽ　　　　　　ノノハヽ
　　　　　　　　　　　　ん、何が？　　　|||9|‘_ゝ‘) 　　　　 ﾘ｀ｰ｀*ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (　　　 ）　　　　 　（　　　）　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し--J　　　　　　　し--J　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いや、ずっと何時間も全力で飛ばして来たじゃん

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./!''^ﾞ'┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　,､....,/⌒′　′　　.＼r
　-‐'^ﾞ^'''ｰv､..._,,､､.._　 __　　 ,/ .ﾉ′　　　 ,､　　　　 .)､　　　　　　　　　　　　　　 ,,rｰv.,,,___,,,,,,,,_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∋oノノハヽ　　　　　 ノノハヽ
　　　　　　　　　ああ、全然、　 　　　G||9＾_ゝ＾)G　　　　 ﾘ｀ｰ｀*ﾘ
　　　　　　　　　まだまだいけるとよ　ヽ　　　 /　 　　　　（　　　）　　……凄いね
　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 　 　 し--Ｊ　 　 　　 　 し--J

本文作者様もＡＡ職人さんもおつですー

ってか生田ヤッツー状態。。
最後の2文が違う意味に。。。。

二人の信頼しきっている関係がいい！

>>105
今もゲーム続きを少しずつ作らせて頂いてます
今の所はバトル、ゲーム要素皆無ですがw
バトルが無くても話が面白いので作り甲斐があります＾＾

　　　 n　　　　 ..＿＿＿_. 　 ..||￣／／|§|
　 .,＜ﾆ＞、　 li'´￣ヽ_／l| 　 ||／＿＿|lｌﾛ|
　（,.＿＿ .,ア　ゝ._　　 _ノ　 .||￣￣￣￣￣.||
　..||~从~||..|~￣￣￣￣￣￣||□△＿∩■_||　　　　　　　　　　　　　　　　
　￣￣￣￣　　　 　　　　　 .|| 　 　0|0　　　||　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　|| 　 　 .|.　　　 ||　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　@ノノハ@ 　　どうしたの？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃∩ ノノハヽ 　　　　　　　(ﾟ ゥ ﾟ*ﾊ　　　　　まーちゃん
　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　 ⊂⌒ ﾊo´ ｡｀ﾙ 　　　　 　　o旦と　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ_っ⌒/⌒ｃ　　　　　　（_（,＿つ
　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　　　　　　⌒ ⌒
　　　　　　　　　　　　　 ／|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　.rｪｪｪ、　　　　／ .,.i|　　（　　
　＿＿||_||_||＿＿_／　ノ|_」　　ノノハヾ　　あゆみん？　　　　
　　　　||_||_||_　　　|,ノ´ ｸﾝｸﾝ (^〈_^*川 　　　　　　　　　　　
　⌒＾｀|＿__|7^'^1 | 　　　　　　 ＵＵ＿）　))　　　ｌ⌒Y⌒ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　⌒ ⌒
　

狗まーは嗅覚や聴覚もやっぱ犬並みなのかなぁ

バナナでも見つけたか？

どうでもいいが、はるなんの髪型がなんか変ｗ

ワクテカか何かの時の？

ナマちゃんはタフガイなんだな

もしもりほりほがエロ展開を続けていたら

物凄い快感に目も開けられずにいた衣梨奈は、
それでも里保を信じ、全力で魔力を注いでいた。
そうしているうち、だんだんと慣れ、目が開けられるようになる。
「えりぽん、大丈夫？」
「うん、だいぶ慣れてきた」
小さい頃からずっと、こんな風に飛ばしてみたかった。
まだ自分の力で飛ばしたとは言えないけれど、それでも嬉しい。
それに、里保の指だけでなくとフルーチェがあるという安心感のおかげで
自身でも気持ちのいい部分に当てるコツが何となく分かってきた。
ちょうど、のぼり棒を股に挟みながらすべり降りる感じだろうか。

「りほ」
「うん？」
「えり、いけるかな？いけると思う？」
「うん、でもうちを置いていこうとしたことは絶対許さないからね」
「ごめんってば。反省しとーとよ」
「本当に反省してる？」
「うん、してる」
「信用出来ない」
「えー」
「だからもう、絶対離さないから。覚悟しといてよ。ウチしつこいからね」
少し照れたように言う里保に、衣梨奈が笑う。
「うん！えりも里保のこと離さんけん！」

不意にバランスが崩れて、やっつーと衣梨奈と里保の身体が大きく揺れる。
里保はやっつーをきりもみしつつ衣梨奈を責める体勢に取り直した。

「ちょ、ちょっとー里保。激しいっちゃん」
「ご、ごめん…だってえりぽんが…」
「がまんできんけんね。頼むよ」
「う、うん」

街灯りが殆ど消えていき、空が白みはじめた。
やっつーが随分と熱くなり、硬度を上げる。
里保が責めるスピードを上げて衣梨奈の表情を確認すると
もうピンポンに近づいていた。

「この辺りだね」
「もう少しやね」

柔らかい匂い。港町に広がるするめの匂いが二人を包む。

「えりぽん、大丈夫？」
「ん、何が？」
「いや、ずっと何時間も全力で飛ばして来たじゃん」
「ああ、全然、まだまだいけるとよ」
「……凄いね」

官能小説w

ばかすぎるｗｗｗ

＞もうピンポンに近づいていた。

やかましいわｗ

SS職人もAA職人も変態職人も各々素晴らしいなｗ

するめの匂いwww

えりぽん

エクソシストの人は忙しいのかな。。

阿呆すぎる
でも素晴らしい

次はサヤちゃんの準備をしてナマちゃんを収めようか

川c ’∀´)＜２人がいない間に道重さん家に…

サヤちゃんにジャストフィットのナマちゃんです

保

健

体

が疼きますわ

フクちゃんのフクちゃんが疼いているのかｗ

保

田

そうだねエクソシズム書かなくちゃなー

age

えりも里保のこと離さんけん！

ﾉﾘ*´ｰ´ﾘ＜夏焼さんの鎖骨が好き♪

肉体は正直なEROSだから仕方ない

実は一番の浮気者はヤシ子

エリポンガー！
みっしげさん！
あぁーフクちゃんの柔肌！
あゆみちゃんの唇ドゥフフフ・・・
夏焼さんの鎖骨！！←NEW

えりぽんは意外（？）と一途である

新垣さーーん

ハナマルキ♪

>>32
ニコに転載していいですか？

川c ’∀´)＜静かですね

ヒザガード

真夜中のひゃっほーい

目の付けどころがSAYASHI

保

>>153
転載動画であるのを記載していただければ平気です
自由に使っちゃってください

おぱよ

あげ

ほ

昼ご飯はフルーチェスパゲッティ

保

|||9|‘_ゝ‘)

えりぽん

http://www.nicovideo.jp/watch/sm22916004
転載させてもらいましたー

ＧＪ

川c ’∀´)

おっと

ぽん

Ｓ

ﾉﾘ*´ｰ´ﾘ

おやぷみなさい

おやすみずき

おはよ

復活おめ

このまま安定してくれるかな・・・

保持スレが300に減ったらしいね

>>179
マジか
厳しいな

現在スレ数400弱
徐々に戻ってはきてるな

深夜に見れなくて何事かと思ったの

重さんは夜更かししない方が良いぞ
おばさんが夜更かしするとお肌に響く

>>167
転載ありがとうございます！
考えてみたら自分もアカウント持ってたので
つづきは自分で投稿していきます

>>183
失礼な人ﾔｼね

おばさんにおばさんって言ってなにが悪いんだw

ノﾉ�刀e _l‘）＜まーちゃんの絵柄は狼内のまーちゃん漫画のスレからパク・・・お借りしました

从*・ ｡.・）＜そろそろホノボノ路線に戻りたいのだけれど

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4885944.jpg

やっつー漫画の人ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━ !!!!!

ズッキのトイレの真似レベルたけーｗ

くそぅ…３コマとも突っ込み所が満載でツッコミきれねぇ…ｗ

聖ちゃんは、本当にわかりやすい。

「えりぽん、嬉しそうだったね」

「3年ぶりに会ったんだもんね」

はしゃぐえりちゃんの様子を思い出してか、自分も嬉しそうに、
そして心なしか寂しそうな表情も浮かべる聖ちゃん。
ただでさえ裏表のない子なのが、とりわけえりちゃんのことになると
一目瞭然に感情が顔に浮かび上がるのが面白い。

「なんかえりちゃんと里保ちゃんって、ただの幼馴染って感じじゃないよね。
　学校でも里保ちゃんあんまり喋って無かったし」

そして悪戯っぽく付け加えてみる。

「謎の美少女転校生か。聖ちゃんのライバル出現だね、こりゃ」

こんなにわかりやすく弄ってるつもりなのに、そこで首を傾げるのが聖ちゃんだ。

「聖と里保ちゃんがライバル？なんで？」

「なんでもない」

まさに暖簾に腕押し。
聖ちゃんの天然っぷりを堪能しつつ、ここは素直に撤退することにした。

「ま、でも仲良くなれそうかな」

「うん、そうだね。里保ちゃん、ちょっと大人っぽいけど凄くいい子みたい」

日差しが雲に遮られ、肌を撫でる風が梅雨の訪れを告げる。

「降るかな？早く行こ、聖ちゃん？」

あたしが振り返ると、聖ちゃんは紫陽花の花をじっと見つめていた。

「あんな嬉しそうなえりぽん、初めて見たかも……」

思わず苦笑して聖ちゃんの手を取る。

「こりゃ重症だわ……」

「え？香音ちゃんどこか悪いの？」

返答まで完璧、見事に百点満点だ。
これ以上あえて弄る気にもならず、呆れた笑みで聖ちゃんの手を引き、
そしてうちらは再び家路へと歩き出した。


○

「へぇ、里保ちゃんとえりちゃんって一緒の家で育ったんだ。
じゃあね、じゃあ、生田が家出したっていうのは本当？」

里保ちゃんのプライベートについて、こんな興味津々に食いつくのは、
もちろん自分自身の好奇心もあるけど、気になってもあまり踏み込んだ質問は
できないだろう聖ちゃんに聞かせたいという、援護射撃の意味もある。

比較的冷静に話をしてくれた里保ちゃんが、えりちゃんの家出について
語りだしてから思いがけずヒートアップしてきた。
クールで大人びた印象だったのが、感情とともに一気に歳相応の子供っぽさが顔を出す。

里保ちゃんもえりちゃんが大好きなんだなということがよく伝わってきて、
これは本当に聖ちゃんのライバル出現かもなんて思うとともに、
里保ちゃんとも仲良くなれそうだという、そんな予感がこれで確信に変わった。

その後、えりちゃんの乱入と魔法のくだりで一頻り笑わせてもらい、
すっかり脱力状態の里保ちゃんに声をかける。

「生田は魔法使いだから。えりちゃんって昔からああなの？」

「いや、昔はもうちょっと、なんていうか、おとなしかった」

「ふふふ、でも聖えりぽんのあれ結構好きかも」

やっぱり聖ちゃんは聖ちゃんだ。
里保ちゃんと見合わせたあたしの顔は、おそらく里保ちゃんと同じように
「信じられない」という感情がこぼれ落ちそうになっているだろう。

「……その時えりぽんが飛んで来てくれてさ、保健室連れてってくれて
ふふっ、その時ね、足撫でてくれたの。そしたらね、凄く痛かったのに、
凄い痛かったんだよ？それが急に、痛くなくなったの」

興奮したように語る聖ちゃんを眺めながら、思わず呆れた声で呟く。

「あーはいはい、それは気持ちの問題だわ」

こんなにもわかりやすいのに、その感情に自覚がないというのはほとんど奇跡だと思う。
でも、聖ちゃんはずっとこのままでいてもらいたい。そんな気持ちもある。
聖ちゃんにはいつまでも純粋なままでいてほしいし、聖ちゃんの自覚とともに、
今の３人の、いや里保ちゃんも加えて４人の関係に変化が生じ、
この心地よい空気感が失われてしまうというのはちょっと寂しい。

もちろんそれは、聖ちゃんの恋心に進展がないのとイコールだから、
自分勝手な願望だというのは十分わかってるんだけど。
聖ちゃんには幸せになってもらいたいなと思いながらも、
ついそんなことを考えてしまうのは、きっとあたしが贅沢者だからなんだろう。


○

短編でまとめるつもりが気づけば１０レスをオーバーしてしまい
全部を一気に投下すると途中でサルさん必至のため
いったんここで切って一時間後に残りを投下します

おつです
リアルタイムで読めてうれしかった

続き待ってます^^

「えりたち、実は魔法使いなんよ」

えりちゃんの話す内容は、あまりにも突飛で、にわかには信じがたいものだった。
でも。

「香音ちゃん、どう？生田の話、信じられる？」

「正直全くえりちゃんの話は分かんないんですけど。
でも、えりちゃんの目が、あーほんとなんだなって感じです。別に最初から疑って無いんですけどね」

それ以上に気になるのが、聖ちゃんのこと。
なんで聖ちゃんはえりちゃんの話で涙を流しているんだろう？
直接声をかけるような状況でもないので、横目で様子を伺うことしかできないけど、
道重さん達と会話しながらも、どうにも集中しきれない自分を感じていた。

「ちなみに」

唐突に発せられる道重さんの声。

「生田もりほりほも馴染み過ぎててすっかり忘れてるみたいだけれど、
生田のお母さんは魔法使いじゃないからね」

気のせいかそれは、聖ちゃんに向けられたもののように感じられた。
そして、これまで瞼を抑えながら黙って聞いていた聖ちゃんが、
その言葉を受けて初めて、道重さんに不思議な疑問を投げかける。

「聖やっぱり、そうなんでしょうか…」

「さあ。それはフクちゃん自身の気持ちと相談しないと。
さすがのさゆみも無責任なことは言えないなぁ」

傍で聞いているだけではまったく理解できないやりとりだったけど、
２人の間ではそれだけで確かに伝わっていた。
そして、なぜかはわからないけど、理屈は全く抜きでそれはあたしにも伝わっていた。

聖ちゃんが朝の学校で呟いていた「大人の階段」という謎の言葉。
どうやら聖ちゃんは、その階段を一段、登ったらしい。

そう、聖ちゃんはついに、えりちゃんに対する自分の気持ちに気付いてしまった。

……「しまった」？　なんであたしはこんなネガティブな表現をしてるんだろう。
それに、チクリと胸を刺すこの痛みは一体なんなんだろう。

「なん？何の話か全くわからんっちゃけど…」

「お子ちゃまには分からない話よ。ね、香音ちゃん」

「そうですね」

いきなり道重さんに話を振られ、あたしは冷静を装って苦笑いで答える。
道重さんには、あたしにも聖ちゃんのことが伝わっていると先刻承知らしい。
それどころか、今のこの内心の混乱も全部見透かされているのかもしれない。
そんなことを思うと、訳も分からず急に恥ずかしくなってきた。

その後、工藤ちゃんと佐藤ちゃんの話、そして２人のために部屋の片付けを手伝ったりと、
気づけばあっという間に一日が過ぎていった。
魔法を目の前で初めて見るなど、たくさんの未知の体験に心を躍らせたけど、
それでも胸を刺す痛みはずっと消えずに残ったままだった。

明日の買い物に聖ちゃんとあたしも同行することを約束し、
暗くなる前に道重さんの家を辞することにする。

「今日は部屋の片付けを伝ってくれたし、
それに驚くような話もいっぱい聞かされたから疲れたでしょう。
色々思うことはあるだろうけど、今夜はゆっくり休んでね」

「はい！」

元気な声で答える聖ちゃんは、あの時泣いていたのが嘘みたいに吹っ切れた顔をしている。

「香音ちゃんもね」

「は、はい」

聖ちゃんに気を取られていたところに、
道重さんに人差し指であたしの額をちょこんと押され、慌てて返事をする。
心なしか、押された部分を中心に頭全体がほんわかと暖かくなったような気がする。
そして、道重さんの微笑みがなにやら意味ありげに見えたのは、ただの考えすぎだろうか。


○

「ねぇ香音ちゃん。聖ね、大人の階段を登ったんだ」

聖ちゃんが満面の笑みで語りかける。
「おめでとう」と声をかけるつもりが、胸が一際大きくズキリと痛み、思わず口を閉ざす。
聖ちゃんが自分の本心に気づいたときは、素直に祝福しそして応援してあげようと
前々から思っていたはずなのに、一体あたしはどうしてしまったんだろう。

「香音ちゃんは登らないの？大人の階段」

……あたしにとっての大人の階段ってなんだろう？
わからない。わかるのは、この疼くような胸の痛みだけ。

「香音ちゃん……？」

言葉を止めた聖ちゃんが、あたしに問いかける。
不安そうな表情で見つめられ、何事かと思ったけれど
すぐに聖ちゃんの表情の意味が分かった。

あたしの頬を、いつからか涙が伝っていた。
あたしは慌てて手の甲でそれを拭って、出来るだけ明るい笑顔を作った。

「香音ちゃん、ごめん…」

「ううん。何でもないよ、ごめん」

この涙。このやりとり。
あの時の聖ちゃんとおんなじだ。
今のあたしはあの時の聖ちゃんとおんなじ。
涙を流す理由も、胸が痛む理由も、きっと全部がおんなじ。

そう。聖ちゃんにとっての大人の階段が、えりちゃんへの想いだったように、
あたしにとっての大人の階段は、聖ちゃんだったんだ。

あたしが聖ちゃんにずっと自覚のないままでいてもらいたかった理由。
「気付いてしまった」なんてネガティブな表現をした理由。
そしてこれまであたし自身がこの感情に無自覚だった理由。
それらが自分の中ですべて氷解した。

ついにあたしは、大人の階段を一歩、踏み出してしまった。
でも、この先に何があるというのか。

あたしの視線の先にいる聖ちゃん。
その視線の先にいるのはえりちゃんだけ。
そこに決してあたしの姿は映らない。

それがわかっていたからこそ、あたしは無意識のうちにこの感情を押し殺し、
ただひたすらに目を背けてきたというのに。

溢れ出す涙が止まらない。胸の痛みも治まることはない。
報われることのないこんな想いを抱えたままで、
あたしはこの先どうすればいいんだろう。どうしろというんだろう。

「さあ。それは香音ちゃん自身の気持ちと相談しないと。
さすがのさゆみも無責任なことは言えないなぁ」

不意に道重さんの声が脳裏に響いた。

あたし自身の気持ち？
そうだよ。聖ちゃんが誰を想ってるかなんて、本当は二の次のこと。
一番大切なのは、あたし自身の気持ちなんだ。

あたしは……そうあたしは！
聖ちゃんに幸せになってほしい！！

いつも側にいて聖ちゃんのことを見守り、
聖ちゃんの幸せのために今のあたしができることをする。
もしえりちゃんが聖ちゃんのことを幸せにしてくれるのなら、
たとえこの胸が痛んだとしても、それはあたしにとっての幸せでもあるんだ。

そして……。
もし、えりちゃんが聖ちゃんのことを幸せにできないのであれば。
その時こそ、あたし自身の手で聖ちゃんを幸せにしてみせる。

でも、それは階段のもう一段上の話。今考えることじゃない。

「聖ちゃん。あたしも登ったよ、大人の階段」

「おめでとう香音ちゃん！」

ホッとした顔で微笑んだ聖ちゃんが、あたしに抱きついてくる。
この温もり。やっと気づいた、あたしにとってのかけがえのない存在。

こっちこそおめでとう。そして、ありがとう聖ちゃん。

…
…
…

そしてあたしは、窓から差し込む朝の光とともに、長い夢から目覚めた。

そっと目元に手を触れると、流した涙の跡が感じられた。
泣いてスッキリしたからか、気づけば胸の痛みも消えている。

夢の内容は、覚えていない。
わかっているけど、覚えていない。
だから、落ち着いたらまた自分の気持ちと相談してみよう。
これから、きちんと。

でも、今のあたしにはやるべきことがある。
聖ちゃんに、えりちゃんや里保ちゃんやみんなの元に会いに行かなくちゃ！


こうして、階段のほんの一段分だけ大人になったあたしは、
両手で自分の頬を叩いて気合を入れると、勢いよくベッドから飛び起きた。


（おしまい）

すごくいい！
以前の話の視点が変わるだけでまた面白いとは

これはまさかの組み合わせ！香音ちゃん気持ち考えると切ないくも甘酸っぱい気分になるね

みずっき来たか

キャラがしっかり立ってるからできることだね
うまいわ

大人の階段を上りつつある鈍感純情少女のふくちゃんと
自作レーベルMIZUKIを立ち上げる妄想変態少女のふくちゃん
どっちが本当のふくちゃんなのかしら・・・なの

君はまだシンデレラさ

H2Oがいるな

>>187
はるなんｗｗｗ

大人になりすぎというより変態になりすぎｗ

そこはほら・・・東の悪い魔女に影響されて

某スレでちゃんと絵柄借用の挨拶をしているとは律儀だな
でももし「こんな漫画です」と貼ったりすると
某スレの風紀を乱してしまうのが残念ではあるｗ

ホントやｗ

借用の挨拶に対する「ちょっと嬉しい」というレスが
はたして実際この漫画を見た上での感想なのか
とても気になるところだｗ

保

えりぽん

ぽんぽんぽんぽん

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

おは

保

田

口

荘

口

唇

に奪われた

川c ’∀´)

|||9|＾_ゝ＾)

エリキテル

　　∧∧
　（*´ﾟ ゥ ﾟ）ﾊｧﾊｧ

狗まーは猫はるなんを襲ったりしないんだろうか

ﾔｯﾂｰ

ハレンチなー（喜）

あげとく

そのときは人間態のはるなんで活動するから大丈夫

人間になっても襲われｒ

ハレンチなー（喜）（喜）

川* ^_〉^)G ＜へたれヨレヨレ猫を、座りおろし〜！

Σ（*ﾟ ゥ ﾟ）

ｱｶﾝｗ

子供２人のお守りがこんなにキツイとは思わなかった。
春菜は一人掛けのソファーに深く身体を沈めると、静かにため息をついた。
工藤と優樹は、遊び疲れてソファーベッドで仲良く並んでお昼寝している。
春菜も２人につられるように、そのまま微睡みの世界に引き込まれていった。

目の前に誰かの気配を感じ、春菜はうっすらと目を開ける。
そこに立っていたのは優樹だった。上気した顔で春菜の顔をジッと見つめる優樹。
そしておもむろに春菜の膝の上にまたがると、そのまま覆いかかるように抱きついてきた。

「ま、まーちゃん！？」

「寝ているはるにゃんこの顔を見てたら、胸がドキドキして、なんか我慢できなくって……」

春菜のシンプルボディをギュッと抱きしめ、腰をグイグイと押し付ける優樹。
突然の出来事に頭がついていかず固まる春菜。
チラリとソファーベットを窺うと、工藤はまったく気づかぬ様子で爆睡している。
このままじゃいけない。でも一体私はどうすれば？

優樹の荒い息遣いと、本能のままに腰を振る姿に春菜の胸も高鳴り、
いつしか優樹に対して愛おしさのような感情が湧き上がってくる。

そして、春菜はついに。

その豊富な知識の中から、ある情報を導き出した。

【マウンティング】
相手に馬乗りになり腰を振る行為。犬を始め動物の中で比較的多く見られる示威行為で、
乗った相手に対し自分の立場が上であるとアピールする。オスメスの区別なく行われる。

　 ﾉハ；ﾟ ゥ ﾟ)＜つまり私は今、まーちゃんに下に見られてるってこと！？

（おしまい）

エリキテル

ﾔｼ

http://stat.ameba.jp/user_images/20140221/00/sayumimichishige-blog/13/e0/j/o0480064012852930776.jpg
http://stat.ameba.jp/user_images/20140221/00/sayumimichishige-blog/15/09/j/o0480064012852930810.jpg

この写真だとﾔｼのシジミ目がよく分らないな

ちょっとまて
そいつは変態だ

从*･ ｡.･）＜誰か呼んだかしら？

jjﾘ`ー')jj＜どーも　つんく♀です。

从*･ ｡.･）＜浜ちゃんだよね？

>>243
犬の順位性ってやつかｗ

保

ﾔｼ

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

>>243
フクちゃん相手になら…
http://tenq.rash.jp/img/tenq2436.gif

川* ^_〉^)＜ぬくむらさんもまさより下！

あげ

動画きたー！ｗ

RPG風動画の続きをアップしましたー
ニコ動は分割が必要だったため画質が落ちてます

http://youtu.be/FLLnxB_VZBQ

http://www.nicovideo.jp/watch/sm22938916
http://www.nicovideo.jp/watch/sm22939036

動画良かったーなんかほのぼのするね〜香音ちゃんの写真良いね！
m9从;*´◇｀）<じゃあ、里保ちゃんでいい？

>>260
おーすげーｗ乙です
これちゃんとゲームとして完成させてほしいな

>>260
ﾔｼに会ってﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ跳ねるえりぽん可愛いｗｗ

素敵だぁ
このスレで色んな才能に出会えた事に感動している

http://www66.tok2.com/home2/hum/up/src/maturi52_0310.jpg

ひとえに作者さんの文章力のおかげだろうな
俺もスレ初期から存在は知ってたけど「今どき小説スレ？」って思ってしばらく読まなかったんだけど
その後やたら伸びてたから暇なときに覗いたら一気にハマったし

http://stat.ameba.jp/user_images/20140221/23/morningmusume-10ki/05/88/j/o0315047212853817625.jpg

保

ゼロゼロゼロパスワードイズゼロ♪

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

おぱよ

エリ娘

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

みっしげさんっ

|||9|‘_ゝ‘)

この小説がテレビドラマ化されるのが俺の夢

えりぽん

テレビドラマ版「魔法使いえりぽん」

道重さゆみ役　・・・石原さとみ
生田衣梨奈役　・・・剛力彩芽
鞘師里保役　・・・武井壮
譜久村聖役　・・・安めぐみ
鈴木香音役　・・・篠崎愛
飯窪春菜　・・・中川翔子
工藤遥役　・・・生田斗真
佐藤優樹役　・・・上野樹里

本人に演じて欲しいんだけどｗｗ

はるなんをショコタンが演じるのかw

>>278
おい、鞘師ムッキムキじゃねーか

>>278
工藤役の生田斗真は昔のショタ時代ならはまったんだろうけどなぁ

石原さとみがあの役を受けてくれるのか
盗撮したりする変態魔女の役をwwww

川c ’∀´)＜あたしの役は！？

吟遊詩人

小田ちゃんは妙な色気があるから壇蜜で

フクちゃんこそ壇蜜やろー

>>278
武井咲じゃねーのかよｗ

>>278
ﾉﾘ*´ｰ´ﾘ＜フクちゃんの倒し方！
とか毎回やるのかｗ

はるなんが猫の時の倒し方とか教えてくれるんですね

ほ

ﾉﾘ*´ｰ´ﾘ

　
　　　　　　　　　　　　　　は〜い二人とも〜　
　　　　∋oノノハヽ　　　コレが有名なエリキテルだよ〜　　　　　
　　　　　|||9|^_ゝ^)　　　　ノノハヽ
　　　　|￣￣￣￣|　　　从*・ ｡.・)
　　　　|　 　　　　|　　　　(　　　)
　　　　|　 　　つ　| 　　　　|　|　| 　　　　　　　やったー！　ﾔｯｼｰ
　　　　|　　　　　　|　　　　(＿)＿) 　　　　　　　　（‘l_‘�祷ｸﾘ｀ｰ｀*ﾘ

　
　　　　∋oノノハヽ　　　　　　　　　　　
　　　　　|||9|^_ゝ^)ノノハヽ 　　はい〜、
　　　　|￣￣￣￣(･ ｡.･*从　　　　　このレバーを回すと〜？
　　　 |　　　　⊂　　　　 )
　　　　|　 　　つ　| |　|　| 　　　　　　　　　　　わーい　　どうなるどうなる〜？
　　　　|　　　　　　　(＿(＿)　　　　　　　　　　　　　（‘l_‘�祷ｸﾘ｀ｰ｀*ﾘ

　
　　　　∋oノノハヽ　　　　　　　　:,∴・゜・゜・:,
　　　　　|||9|^_ゝ^)　　　　:,∴・゜・・:,゜・∴~・:・∴・
　　　　|￣￣￣￣|　　,.:∴~・:,゜・~・:,゜・　:,∴,゜・~・:,゜・・∴・゜゜・
　　　　|　 　　つ ~~‘∴・゜゜・・∴~・:,゜・・∴・゜゜・∴~゜゜゜ 　
　　　　|　　　　　　|(＿(＿)　　　　　　　　　　　　　（>l_<�祷ｸﾘ｀ｰ｀*ﾘ

ﾊﾞｶｽｗｗｗ

なんか出て来た〜ｗ

∋oノノハヽ　ノノハヽ
　||9|*‘_ゝ‘) （･ ｡.･*从
　（　　i┸i i┸i　 　　）

卑猥！猥褻！

从*･ ｡.･)＜弟子たちと写真を撮ったの

http://st73.storage.gree.jp/album/23/42/27952342/130dcb08_640.jpg

http://stat.ameba.jp/user_images/20140222/23/sayumimichishige-blog/93/5b/j/o0480032112854846587.jpg

>>276
勿論出演は生田で！

衣梨奈が主役やけん

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

エリキテル

エリジウム

ここで聞くのもあれだが
最近の魔法使い系漫画かイラストでほうきにシートやら馬鹿デカイエンジン（マフラー6本くらい出てる）やら付いてたり
空中魔方陣多用したり狙撃ライフルみたいなの弁慶みたいに持ってたりてキャラが色々いる作品知ってるなら教えて

魔砲少女？

>>307
検索してみてるがようわからん

そんなの有るんだ
エンジンつきのほうきならえりぽんでも
バランスに集中できるから飛べそうだなw

保

宏

|||9|;‘_ゝ‘)＜地の底の闇に澱みし諸々の欲望よ
　　　　　　　　血となり肉となり我が力と変ぜよっ！
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　|||9|＾_ゝ＾)＜やっつー、里保おいで〜♪


　　　 　∩

ﾉﾘ；´ｰ´ﾘ＜えりぽん　山がはみ出てるよ

行くのか！？行かないのか！？

ぐずぐずしてると
出番を欲してるだーいしに奪われるぞ

川c ’∀´)

ジュルッ・・・

216 名前：名無し募集中。。。 投稿日：2014/02/23(日) 17:48:43.40 O
「メンバー意識調査！」
Ｑ・きっと結婚できないんだろうなあというメンバーがいる？
10人中9人がイエス
「私が男だったら生田と結婚するのは恥ずかしい」道重と判明
道重「だって生田と結婚なんて恥ずかしいでしょ？」
生田「なんでですか！？」
道重「自分の行動を考えてみて」
飯窪「しゅうとめさんとうまくいかなそう」

「鞘師は主婦ができることをなに一つできなそう」Fさんからの意見
またも鞘師で「部屋の片付けできない料理できない家庭的なイメージ一切ない」
その後もみんなからけちょんけちょんに言われる鞘師に
道重「大丈夫だよさゆみがもらってあげるから」（客歓声）
生田「私！？」
道重「ムリムリ」（客笑い）

飯窪という意見「ガチでなにもできないクズです」
みんな一斉に工藤を見るが工藤「クズっていう言葉だけで私って決めないでください」
実は飯窪自身だった

220 名前：名無し募集中。。。 投稿日：2014/02/23(日) 17:55:04.18 O
Ｑ・まだ距離感があるメンバーがいる？
10人中7人がイエス
「Kさんより、小田と話がかみ合ってるか不安」
工藤「趣味はあうんですけど会話がすれ違うというか、別の道から答えがくるんです」
佐藤「（小田は）不思議ちゃんだからね」（みんなおまえが言うなという空気に）
道重「独特だよね」

「道重さんとは緊張するのでもっと話したい」
道重「鞘師？でもりほりほは違う意味で緊張させてるかも」（客笑い）

「全員。まだ誰も腹をわってくれない」
誰か探すとなんと道重
道重「みんな道重さんかわいいとか美しいとか言ってくれるけど本当はなんだこの体力ないオバサンと思ってるんじゃないかと」
メンバー「そんなこと思ってないです！！！」
啓太「それは逆に道重さんが心を開いてないんじゃないですか？生田さんな『えりみんなと仲良しでーす！』」（客メンバー笑い）

狼でのID表示に賛成か反対か投票してね
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/vote/1393126989/

みんな仲良しで楽しそうだなぁ(ほのぼの)

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

ヲタは推しに似るっていうからなあ
狼でくだらない叩き合いとか煽り合いしてる輩は
少なくとも14ヲタじゃないんだろうね

|||9|＾_ゝ＾)＜明日からもがんばって生田〜〜

生田がガキさんに似て歌もダンスも出来るようになるのはいつかな〜
ってここ生ガキスレじゃなかった

>>325
从;*･ ｡.･)＜不老不死の術を会得しても歌とダンスは無理なの

あげ

さゆの孤独な戦いに感じる今日この頃

約一ヶ月ぶりぐらいの更新かもー？

・・・あれから数分後・・・



生田衣梨奈と飯窪春菜は児童福祉司２人組の後を尾行していた
気付かれないように距離を取って後を追い、春菜にいたってはばれないように軽く変装までして・・・
顔に灰色のスカーフを巻き口にマスクを付けサングラスをかけ、黒革のコートを纏い黒革の手袋をして、電柱の陰から顔を出して双眼鏡で２人組を監視し・・・
まるで安物のサスペンスドラマ、スパイ映画みたいないでたち
そんな春菜の横で衣梨奈は冷ややかな目で春菜を見ていた

何もそこまでしなくてもいいのに・・・
衣梨奈は正直にそう思った、これではいかにも私は怪しい人ですと言ってるようなものである
春菜は衣梨奈を変わった子だと思っているが、衣梨奈からして見ても春菜も、ちょっと変わった子である
人の事を言えた義理かと衣梨奈は内心そう思っているのであった
とは言え春菜は衣梨奈よりも年上で先輩だから素直に言いたい事も言えないのであるが・・・

「今のところ変わった様子は無さそうですね、でも気を抜けないわ」

春菜はいつにも増して衣梨奈のお姉ちゃんらしさを発揮して衣梨奈を引っ張っていこうとしてる

「さぁ！　生田さん行きましょう！」

まるで私について来なさいと言わないばかりにリーダーシップを執ろうとしている
それから本当に大丈夫かと衣梨奈は思っていたが渋々、春菜に促されるままついて行くことにしている
下手に不満を口にしてもこじれてしまうだけだから・・・

しばらく後を尾けていると児童福祉司の男は女の方と別れて歩き始め
５階建ての立体駐車場の中へと足を踏み入れていった
おそらく自分の愛車を取りに行くはず
自動車に乗られたら自分たちの足の速さでは尾けられないだろう

そのため白昼堂々と魔法の力で空を飛んで尾けるしかないが、飛んでる姿を多くの人々に目撃されることを考えたらそれは出来ない
それならば彼が自動車に乗るのを阻止しなければならないが、それも不自然なような気がする
他の手では、まるで映画みたいにタクシーに乗車して運転手さんに「あの車を尾けてください」と、お願いして尾行するとか・・・
でも魔導士とはいえ、まだ学生・・・今の衣梨奈の少ない手持ちのお小遣いでは、それも厳しいタクシー料金払えないだろうし
運転手さんも言うとおり車の後を尾けて走らないだろう、何を言ってるんだろう、この子はと断られるのがオチである
しかし、このままでは児童福祉司の男は自分の愛車に乗って行ってしまうだろう

どうしたら良いのか衣梨奈は悩んでいたが、春菜は悩んでいないのか悩む衣梨奈を残して立体駐車場まで走りだしていた

「待って、はるなん！」

衣梨奈は慌てて前を走る春菜の背中を追っていった

途中、通りすがる人々に衣梨奈と春菜は怪訝そうな目で見られた
はたから見ても自分達は変な子達だと思われているようだ
特に、はるなんは変だ！

「生田さん遅いですよ！早く！」

分かっていると衣梨奈は想って立体駐車場の中に入っていく

児童福祉司の男は今まさにエレベータに乗っていくところだった
衣梨奈と春菜は隣のエレベータに乗り込んで男の後を追う
彼が何回で降りるのか分からないから２階から５階までの全てのボタンを押してエレベータは動き出す

まずは２階にエレベータは止まり２人は、すぐさま開く扉から外を見たが彼の姿は見えず
彼はこの階には降りていないと判断し閉じるボタンを押して扉を閉めた
そうして３階、４階とエレベータが止まるたび外を確認したけど彼はいずれの階にも降りていなかった
結局、最上階である５階が降りる階のようだ
エレベータが５階に着くと開かれた扉から２人は降りると、さっきエレベータを降りた後の男が５メートルぐらい先を歩いているのが見える

彼が自動車のキーのボタンを押すと近くに停めていた自動車の鍵が開く音がした
今にも愛車に乗り込もうとしているところだったのだ
あの人は呪われている、このまま行かせるわけにはいかない
そう想って衣梨奈が彼に声をかけようとした、その時！

急に駐車場の中、アンパンマンのテーマが鳴り響いた
何事かと春菜は衣梨奈の方を見ると、どうやら衣梨奈のスマフォから鳴っているようだと分かった
衣梨奈はコートのポケットからスマフォを取り出す
衣梨奈は想った、この自分で設定した着信音指定のメロディでかかってくる相手は聖しかいない
スマフォの画面を見て”譜久村　聖”という着信名を確認すると衣梨奈は電話に出た

「あっ！聖、今は手が離せないっちゃ、また後でかけな・・・」

衣梨奈はそう言ったが、聴こえていなかったのか聖の陽気な声が聴こえてきた

「えりぽん、今何してるの？　今日、暇？」

「あのね聖、えり今とても忙しいの、また今度にしてくれん？」

「えぇー！？　つまんなーい！！今からどこかに遊びに行こうよ！」

そこに春菜が衣梨奈と聖の通話に割り込んできた

「ちょっと生田さん！　今はそれどころじゃありませんよ！」

「？　今の声って、はるなん？」

「ごめん！　聖！！」

衣梨奈は強制的に聖との通話を切った

「生田さん何やってるんですか！　尾行中はケータイの電源切ってくださいよ！！」

「ごめんね、はるなん」

その時またスマフォの着信音が鳴った！
しかし今度は衣梨奈のスマフォではなく春菜のスマフォからだった

「はぁ？」

「あ・・・いや・・・あの・・・」

春菜はバツの悪そうな顔でスマフォの画面を見た
かけてきた相手は”和田　彩花”からだった
しかし、尾行中はケータイの電源切れと言ったのに自分のケータイの電源を切ってなかったことに春菜は苦虫を潰したような顔になった

「尾行中はケータイの電源切れと言ったのに、はるなんも電源切ってないじゃん！」

「ごめんなさい！！」

そうこうしている内に近くの方で自動車のエンジンがかかる音が聴こえた

「しまった！？」

エンジン音がした音の方に２人は目を向けると児童福祉司の男はハンドルを回して自動車を走らせようとしていた
言い争っている間に、あの人を引き止めることを忘れていたと後悔したが
もうすでに自動車は駐車場の通路を走っている

「待って！！」

春菜は手をこまねいている衣梨奈をよそに通路の真ん中へと躍り出て両手を広げて迫り来る自動車の前に立ちはだかった
児童福祉司の男は突然目の前に現れた少女に驚き急ブレーキを踏む
路面にタイヤを擦る音が響き自動車は春菜の前で停まった

「待ってください！話を聞いてください！！」

春菜は車中の男にそう呼びかけたが
呼びかけられた男は自動車の前に両手を広げて立っている少女に、すぐに不信感を抱いた
なにせ顔にスカーフを巻き、口にマスク、目にサングラス、黒手袋、黒革のコートの少女の姿はいかにも怪しげで
不審者だと思うなというのは無理がある

「何だね君は！？　危ないじゃないか！！」

児童福祉司の男はドアを開け自動車から出てきたので、さらに春菜は彼に呼びかけた

「危ないのはあなたです！　今あなたは呪われています！　近いうちに危険な事があなたの身に起こる可能性があるんです」

「はぁ？」

急に、そんな事を聞かされて信じるような人もいないだろう
男は明らかに不信感の色を強くさせて、それが表情に表れている

やっぱり、そんな、はるなんの格好じゃ相手に不審者だと思われるだけ
衣梨奈はそう考え春菜に代わって自分が説明するべきだと想い
今度は衣梨奈が春菜の前に進み出て男を説得しようと声を上げた

「急なことで申し訳ございません、だけど信じられないかもしれないけど信じてください私達は魔法使いなんです」

「魔法使い？」

男は魔法使いだと名乗るもう１人の少女に、さらに不安の色を濃くさせた

「（駄目・・・明らかに変な子を見るような目で見ているっちゃ）」

男は逃げるようにまたドアを閉めて車中に戻り自動車を発進させた
説得失敗・・・２人は待ってくださいと自動車の周りで制止させようとしたが構わず走っていく
きっと異常者や怪しい宗教の人かと思われたんだ
ごく一部の人達以外は一般人に本物の魔導士がいることは知らない
知らない人達にとっては魔導士は、おどき話の中の存在で本物がいることを信じられるわけがない
しょうがない事なんだけど、この人を放っておいたらおそらく危険である

衣梨奈は自分の横を自動車が通り過ぎる一瞬
自動車の窓の中の男の首に後ろから手を回して抱きついている赤いドレスの女の子の人形ようなものの姿を見た

「（人形！？）」

衣梨奈には人形のように見えた、おそらく自動車を運転している男もその存在にも気付いていないし見えてもいないだろう
ただ一つ言えることは、その人形らしきものからは、おぞましいほど負のオーラを発散させていたということ

「あの人が危ない！！」

「えっ！？」

春菜には見えていなかったのだろう、よく分からないといった反応をした
見えていたのは自分だけだったのだ
衣梨奈は全速力で走り去ろうとする自動車を走って追いかけた
走りながら目の前の自動車を眺めていると自動車の周りから黒いもやのような気が出始め
その黒いもやのような気は急速に濃くなり自動車を取り囲んでいく

「（まずいっちゃ・・・このままじゃ、あの人は・・・）」

何だったんだあの子達は？・・・数秒前までそう毒づいていた男は車中で新しい危機に直面していた
急に動かすことができないほどハンドルは固く重たくなり操作がきかない、さらにアクセルを踏んでいないのに自動車の速度は加速し続けている
男は急な異常事態に頭が真っ白になりパニック状態に陥っていた
メーターを見ると時速は１２０Kmを指している
狭い駐車場の中でこの速度は危険だと男は分かっていたが、不思議なことに必死に足でブレーキを何回踏んでもブレーキがかかることはなかった
加速する速度の中、高速の重圧を一身に受け男は自分の死を連想した
目の前には先が無く迫り来るコンクリートの手すりの向こうに見える白い空が見えた



衣梨奈は走りながら目の前で自動車がコンクリートの手すりを突き破り下へと落ちていくのを見た
間に合わなかったと後悔の念を少し感じながら走り続け
壊れて手すりの無くなった場所から衣梨奈は下を見ると、自動車が落ちていったところの駐車場の下は広く長い川になっていて
川の茶色い水に中に沈んでいく彼の自動車が見えた
落ちた先が地面ではなかったのは幸いだった、あれならばまだ彼は生きている可能性がある
早く水中から救い出さなければ、”でもどうやって？”っと衣梨奈は考えている中
後ろから遅れてやって来た春菜は考えるよりも先に行動に移していた
顔からスカーフとマスクとサングラスを取り去ると現在の５階から下の川へと飛び降りていったのだ
衣梨奈は春菜の、その迷いの無い行動力に目を見開いて驚いた
衣梨奈は飛び込んでいく春菜の姿を上から何も出来ずに見ていると、空中で春菜は猫の姿へと変身した後に消えた

「（消えた！？）」

見間違いではない、間違いなく春菜は猫になった後に空中で一瞬の内に姿を消したのだ

川に沈むゆく車中、男は開いたエアバッグに顔を埋めて気絶していた
割れた窓ガラスの隙間から水が車中へと浸入し始め、男がこのまま溺れて命を落とすのは時間の問題であった
しかし、その時、後部座席の空間から猫の春菜が突然出現し、運転席の気絶した哀れな男を確認すると
男の首の後ろのスーツの襟を口で噛んで春菜は念じると、次の瞬間車中から春菜と共に男の姿が消した



川に落ちた自動車からそう遠くない距離にある川岸
今度は、その川岸の空中からスーツの襟を噛んだ春菜と男が現れて砂利の上へと着地した
そして春菜は襟から口を離し男の無事を確認すると気だるそうに呟いた

「やれやれだぜ・・・」

春菜が大好きな某漫画の主人公の口癖が自分にも移ってしまっていて、つい女の子らしくない言葉を時々発してしまう

続く！

一体いつ以来の更新だろう
この小説覚えている方はいらっしゃるのでしょうか？

久々の乙です
変な格好だけどはるなんｶｺｲｲｗ

大丈夫
みんなが忘れてしまっても
みんなが覚えているから

覚えていてくれる方がいて良かった救われたｗ

覚えてるよー！
ありがとー！

ありがとー

そしてせっかくはるなんに電話したのに電話に出てくれなくて寂しくなるあやちょであった

ｗ

ｴﾘｷﾃﾙ

ふくちゃんとあやちょが今
団結する！！！！

|||9|‘_ゝ‘)＜ちちんぷいぷい

映画の１シーン的に脳内再生完了ＧＪ

エリキテルの魔法にかかった

あやちょ…

そしておでんは唐揚げを投げつけられるのであった

とんだ、とばっちりｗ

呪文て呪いの文言てことだもんなあ怖いわ
呪紋だと呪いの紋様で魔方陣などのことになるのかもしれん
まじないって呪いなんだな漢字にすると

はるなん…なんてことを

エリポンガー

えりぽん　気を付けてくれよ

えりぽんとの情事がばれるとやばいﾔｼ・・・

>>353
「のろい」も「まじない」も漢字で書くとどちらも呪いという漢字で書かれるけど
同じ漢字でも読み方の異なる「のろい」と「まじない」では意味合いも違うよ
のろいはのろいだけど、まじないは願掛けとか占いとかって意味だよ

それから呪文の呪は「のろい」って意味じゃないっす

川c ’∀´)＜鞘師さん歩くのがのろいですよ

川c ’∀´)＜その遅さはまじないです、なんちゃって

のろいのろい

>>360
おいコラ石田

>>358
ありがと
確かに意味の重みというのかな？強さといえるかもしれないが違うな

>>359
そうだよね
呪いそのものではないよね
呪いという文字を使ってるからと短絡的なのはいかんかった

>>363
意味そのものが違うな

まーちゃんも空を飛べる
魔法ではない
「オーラ力（おーらか）」という精神力で揚力を得る
おーらりょくではない

元ネタあるけど

まじ‐ない 〔‐なひ〕 【▽呪い】
神仏その他不可思議なものの威力を借りて、災いや病気などを起こしたり、また除いたりする術。「―をかける」「人前でもあがらないお―」

のろい 〔のろひ〕 【呪い／×詛い】
のろうこと。呪詛(じゅそ)。「―をかける」「―をとく」

じゅ‐そ 【呪×詛／呪×咀】
［名］(スル)《古くは「しゅそ」》神仏や悪霊などに祈願して相手に災いが及ぶようにすること。のろうこと。「身の不運を―する」

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

シワシワポン

|||9|‘_ゝ‘)

ﾔｼ

はるなんの変身は仮面ライダー牙やウィザードみたいに魔方陣くぐって変身と脳内再生してる
瞬間移動も魔方陣がどこでもドアみたいな扱いでそこから飛び出てきたり
吸い込まれてキュッって魔方陣が小さく締まって消えるそんな感じ

|||9|‘_ゝ‘)

从*･ ｡.･从

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

ｴﾘｷﾃﾙ

ﾉハ*ﾟ ゥ ﾟ)＜ふぅ・・・やれやれだぜ

从*･ ｡.･从＜ふぅ・・・やれやれだぜ
ﾉハ;ﾟ ゥ ﾟ)＜!!

保

これはまずい事になったのだ。。。

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

>>379
なにもまずくはない
粛々と疑惑メンを早期卒業させるだけ

ほ

り

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

エレキテルじゃないよエリキテルだよ

|||9|‘_ゝ‘)

えり保°ん

ﾘﾎｶﾞｰ

a

え里保ﾟん

遅くなったー
切りどころが分からなくてちょい長め
2回か3回に分けるっす

▼



「りほ」

歩く道すがら、衣梨奈が思い出したように里保を呼び止めた。
立ち止まった里保は衣梨奈の視線が自分の腕に注がれていることに気付く。

「それ…」

「うん」

里保の腕には協会の紋章。
これをつけて狗族の郷に入ることが、どういうことを意味するかくらい
里保にも充分わかっていた。

里保は暫しそれを見つめた後、スッと取り外し
ポケットの中に押し込んだ。
今まで、どんな時もそれを外すことはしなかった。
それが無くなった腕がやけに軽い。
そして、心許なくて、寂しくなった。
自分のことを、自分で決めなければならない。
協会のせいにして、局長の責任にして生きることは辞める。
それでも、寂しい。

軽くなった腕を見て佇む里保の肩に、そっと衣梨奈が触れた。
少し不安気なその顔を見上げる。

里保はもう一度強く頷いて、再び歩を進めた。

狗族の郷は、何か想像していたよりも随分普通の町だった。
公道に町の入口の道路看板があって、門のような物もなく奥に続いている。
民家はまばらで広大な土地に田畑が広がっているけれど、道の脇には自動販売機もあるし、
まだ開店していない煙草屋さんも目に入った。

それでも町を覆う魔力は、その外とは全然違っている。
それはM13地区のような無秩序ではなく、一つの色を持っていた。
その魔力が、町独特の匂いのように二人を優しく包む。

「そういや、めっちゃ朝早いっちゃんね」

「そうだね。まだ誰も居ないかも」

夜が明けたばかりの早朝。
太陽はもう出ているけれど、風は少し冷たい。
柔らかい風が、畑に生い茂った知らない作物の葉を撫ぜ
さらさらと心地いい音楽を奏でていた。
鳥の囀りが美しく、空気が美味しい。

来てはみたものの、どこをどう目指し誰の元へ行けばいいのか
まるで考えていなかったことに気付いた。
仕方がないので、人が起き出す時間まで町を散策して、
出会った人に用件を話そうと相談する。
でも、そんな考えはすぐに要らなくなった。

町に入っていくらも歩かないうちに人影が見えた。
前から、中年の男性が歩いてきている。
ラフな格好で、散歩という風だけれど、その身に纏う魔力が
魔道士だということを知らせてくれる。
里保は、仄かに男性から優樹と似た雰囲気を感じ取っていた。
狗族に違いない。

男性は二人の前で立ち止まると
どこか強ばった、それでも人のいい笑顔で声を出した。

「おはよう」

里保と衣梨奈も慌てて返事をする。

「お、おはようございます」

よくよく顔を見ると、中年というよりずっと若い男の人だった。

「こんな所にお客さんなんて珍しいね。
　それも可愛らしい魔道士が二人。どんな用だい？
　特に見るものも無い場所だが、もしかして道に迷ったんかい？」

「いえ…」

少し身構え、返事に窮していた里保の横で
衣梨奈が一つ大きく息を吸い、声を出す。

「あの、ここは『狗族の郷』ですよね？」

「そうだが…？」

「えりたち、皆さんの力になりたくて来たんです。
　魔道士協会が、この町を狙ってるんです」

男性の顔が不意に険しくなった。

「帰りな」

「え？でも…」

「それは君らには関係ない。俺らの問題だ。
　余計なお世話って奴だよ」

威嚇するように、諭すように男性が告げる。
真正面からの拒絶に面食らって、衣梨奈が口を噤んだ。

「君らを町に入れるわけにはいかん。さあ、早く帰れ」

なおも畳み掛ける言葉に、衣梨奈はすっかり萎縮している。

まるで取り付く島もない。
里保は何とか話だけでも聞いて貰えないかと頭を巡らし、
咄嗟に浮かんだ名前を口に出した。

「優樹ちゃん、佐藤優樹ちゃんのことご存知ですか？
　私たち、優樹ちゃんの友達なんです。お話だけでも聞いて貰えませんか？」

優樹の名前を聞いて、男性の表情は変わった。
険しい顔の中に、悲しい色が浮かび上がる。

「そうか、優樹の…」

暫しの沈黙。
東の空から伸びた光が平原を突き抜け、３人の横顔を強く照りつけた。

「話だけ、だな。族長の所に案内する。ついて来なさい」

男が踵を返し歩き始める。
里保と衣梨奈は一度顔を見合わせ頷き合い、それから慌ててその後に続いた。

案内された家は、古民家風の大きなお家だった。
男性はそのまま家に上がり込み、二人に少し待つように言って和室に通した。
促されるまま、遠慮がちに部屋に入る。

暫く待っていると襖が開き、柔和な中年の女性が入ってきた。
軽く会釈をして、二人にお茶を出してくれる。
里保と衣梨奈は遠慮しいしい受け取り頭を下げた。
この女性からも、やはり同じような魔力を感じる。

女性が下がり、気まずい静寂の中で
里保と衣梨奈は少しずつお茶を啜った。

程なく、また襖が開き、今度は大柄な男性が入ってきた。
先の男性よりいくらか歳が上の、どこか威厳のある魔力を纏った男性。
里保と衣梨奈は、すぐにこの人物が狗族の族長だと直感した。

「待たせたな。
　俺がこの町の長だ。そして狗族の族長でもある」

予想通り。
族長は、強く張った眉の間にどこか疲労と憔悴を残しながらも
磊落そうな大きな声で言った。

「生田衣梨奈です」

「鞘師里保です」

緊張含みに名乗ると、族長は少し気を緩めたようにふっと笑った。

「優樹の友達だってな。今どうしてるのか俺らも気にしてた。
　知っているんだな？」

「はい」

里保と衣梨奈が視線を交わし、里保が頷いた。

「優樹ちゃんは今、M１３地区…”大魔女”道重さゆみの所にいます」

「ふむ…間違いないのか？」

「はい、間違いありません。昨夜ここに向かうまで、私たちも一緒にいました」

「なるほど、そうか……」

族長の顔から、少し力が抜け、その表情は子を思う親のようなそれに変わった。
まだ緊張の抜けきらなかった里保と衣梨奈も、一瞬見えた顔貌に
どこかほっとして肩の力を抜く。

「有難う。いや、俺らもM13地区に入ったというのは聞き及んではいたんだが。
　何せ情報に確証は無いし、”大魔女”の膝下だから安全だとも言えんし、
　やっぱり心配でな。でも、君らが『友達』というからには、
　辛い目に合っているわけじゃないと考えていいんだな」

里保は、昨夜一連の話を聞き蒼白になって倒れた優樹の姿を思い出した。
辛い思いをしていないといえば嘘になる。
でも、少なくともさゆみに庇護されている限り安全であることは間違い無い。

「…はい。道重さんは、優樹ちゃんと、一緒に街に入った工藤遥のことを気に入って
　暫く自分の家に住むよう取り計らってくれました。少なくとも協会が手出し出来る状況にはありません」


「……よかった。本当に良かった」

族長がますます表情を崩し、浮かび上がる疲労の色もより濃くなった。
それでも、心底から安堵し、気持ちが晴れているのが伝わってくる。

「それだけ聞ければ充分だ。本当に有難うお二人さん」

「いえ…」

「そうそう、その工藤という少年のことも聞いてるよ。
　あっちで優樹と親しくなって、今回のことでは身を張って優樹を助けてくれたとか」

嬉しそうに族長が言った。
衣梨奈がそれを受け口を開く。

「そうです。どぅー…工藤ちゃんは、本当に優樹ちゃんのこと大切に思ってるみたいで、
　優樹ちゃんも凄い信頼してるのが見てて分かりました。
　だから二人共無事に道重さんの家にこれて本当に良かったです」

「うんうん。優樹と同じ年頃の少年だってな。
　それで協会を敵に回して惚れた女を助けようってんだから、たいした男だ。
　一度会ってみたいもんだな。その少年になら、優樹を嫁にやってもいいかもしれん」

気分が高揚しているのか、族長は嬉しそうに捲し立てる。
流石にここで遥は女の子だと告げることも出来ず、里保と衣梨奈は曖昧に笑い返した。

▲

また後で
二回で収まりそう

乙です
男の子w

▼


「だが、残念ながら優樹の嫁入り姿は見れんだろうな…」

不意に声のトーンを下げ、族長は自嘲気味に言葉をこぼした。

狗族達は一体どんな気持ちで居るのか、里保はそれが気になっていた。
ここに来て三人狗族に会ったけれど、それがまだ読み取れない。
緊張感は伝わる。
でも、朝早いとはいえ来る戦いの準備を進めているようにも思えない。

「君らはどこまで知っているんだ？聞けば、『狗族の力になる為に来た』なんて言ったらしいが」

障子の奥から仄かに風が吹き込み
どこかで風鈴の揺れる音が聞こえた。
しんとしていた家の中にも、少しずつ人の気配が増し始める。

どう話したものかと思案する衣梨奈の膝に手を乗せ、里保は口を開いた。

「優樹ちゃんが協会員と揉め事を起こしたことを理由に、
　協会が狗族に対し制裁を加えようとしていること。それに応じない場合
　強制的に武力を行使しようとしていること。
　……その本当の目的が、狗族の魔法を『奪う』為だということです」

まだ幼い容姿の里保の口からはっきりと放たれた言葉に
族長は少し驚き、しかしすぐに険しい顔に戻った。

「……俺たちの認識と同じだな。
　何でそんなことを知っているのか…。
　愚問だな。大魔女の元に居るんだ、それくらいは分かるか」

里保は、尋ねられれば自分が協会員であることも
上司が執行局の局長であることも告げるつもりだったけれど、
族長が独り合点してくれたことにどこかほっとしていた。

「ということは優樹の耳にも…」

「はい…」

「そうか……」

族長の眉間に浮かぶ苦悶が、一層深くなったと感じる。


「あの子にも辛い思いをさせてしまうな…」

族長はどこか遠くを見つめ、独り言のように呟いた。
それから視線を二人に戻し、言葉を繋ぐ。

「俺たちの取るべき道は変わらん。
　協会が攻めてくるというなら戦うだけだ」

「勝てるんですか…？」

衣梨奈が思わず漏らし、それからはっとして口を噤んだ。
バツの悪そうな表情を浮かべた衣梨奈を見て、族長が小さく笑う。

「それは分からんさ。
　まだ戦ってもない。まあ戦力で言えばかなり分は悪いがね。
　しかし俺らも『狗族』だ。戦う為の魔道士として、引くわけにもいかん」

「それなら…えりも、えりも手伝います！
　全然納得出来ないんです、こんなこと…」

「嬢ちゃんも協会と戦うって…？」

「…はい」

里保は衣梨奈の言葉を黙って聞いていた。
今衣梨奈が勢いで口にした言葉は、短絡的ではあっても本心だろう。
勿論衣梨奈を戦わせたくは無い。
でも、前に座る族長の顔を見ていると、そんなことにはならないと思えた。

「嬢ちゃんも協会と何かあったのかい？」

「…いえ」

「じゃあ、巻き込むわけにはいかん」

「でも…」

「気持ちは嬉しいよ。俺らの為に、優樹の為に言ってくれてるんだろう。
　でもな、やっぱりこれは俺たちと協会の問題なんだ。
　人事に首を突っ込むなとは言わんが、人の事で何かを憎むのはいかん。
　そういう風にして生まれた憎しみは、消えることなくどんどん広がってしまう」

族長は優しい口調で語り始めた。

「優しいお嬢ちゃん。もし、納得出来なくてもどかしい気持ちが消えないなら、
　それを怒りにするんじゃなくて、ぐっと我慢して、優しい気持ちに変えてみてくれんか？」

「優しい気持ちに…？」

「優樹は、辛い思いをしてるだろう。これからも、その思いを引きずるかもしれん。
　怒りや憎しみに身をやつして戦うのは俺たちだけで充分。それ以外に道は無いしな。
　でも嬢ちゃん達には、優樹の側に居ることも、優樹を幸せにしてやることも
　出来るかもしれんだろ？」

隙間を吹き抜ける夏のそよ風と共に注がれた言葉は
衣梨奈の勢いを冷まし、穏やかにその心に届いた。

少し目元を潤ませ俯いた衣梨奈の横顔を、里保は暫く眺めていた。
　
族長の言葉は優しく、優樹のことは勿論、さっき会ったばかりの衣梨奈にも暖かい。
優樹を育んだ狗族の大きな心。それが里保には好ましく、
それだけに協会への憤りは消えてくれない。
怒りを優しさに。それはとても難しいことだと感じた。
けれど、族長から語られたその言葉は、切実な彼らの願いでもあると感じる。
きっと優樹にも優しく幸せに育って欲しいと思っているのだ。

暫く沈黙が続いた。
里保がそれを破る。

「本当に、他に選択肢は無いんでしょうか…？」

「というと？」

「例えば逃げるとか、戦うこと以外に皆さんが選択出来る道が何か…」

族長は今度は里保に視線を固定し、変わらぬ優しい表情を見せた。

「勿論いろんな選択肢がある。俺たちの中でも意見はいくつか出たよ。
　戦うのだって、町の全員じゃない。まだ幼い子供だっている。
　その子らを育てる為の大人も必要だしな。
　だから何人かは逃げることを選択する。そうさせた」

「ならば、いっそ…」

皆で逃げてしまえばいいのではないか。
それは、協会の制裁の一部、郷の土地や建物を没収するということを
受け入れることにもなるけれど、それでも人が傷付き、
奪われるよりはいくらかマシ。里保はそう考えた。

族長は少し言葉を溜め、一つ息を吐いてから続けた。

「狗族のことを優樹から詳しく聞いているかい？」

「いえ…」

「ふふ。あの子もあんまり知らんかもしれんがな。
　この町が無くなったら、やっぱり俺たち狗族は滅びるんだよ」

「…え？」

「他の魔道士からしたら変な話かもしれんが、
　俺たちの力は血によって受け継がれる。
　それも、三代で完全に途絶えるような、薄い血なんだ。
　優樹のように郷を離れて暮らす狗族も沢山いる。
　でもそいつらが一族以外の人と結婚して子供を作ったとして
　その子供には殆どの場合『狗族の力』は受け継がれないんだ」

遺伝の話、だろうか。
たしか学校で習ったような気もする。
里保と衣梨奈は、何となくそれを思い出した。

「勿論そういう子らも大切な親戚には違いないが、やはり『狗族』では無い。
　この郷が『狗族』としての血と力を保存していなければ、すぐに無くなってしまうんだ。
　別に郷から出ることも一族以外と結ばれることも禁止してはいないが、
　本能というのかな、いつの時代も一定の仲間がこの郷にとどまって力を継いできた。
　だから遡れば狗族の血が混ざってる人間も結構沢山いるんだよ。
　ただ、やはり変身できなければただの人と同じだからね」

里保は今更ながら、局長が『狗族が滅びる』と言った意味を知った。
どこかで、狗族が離散を受け入れさえすれば戦いが避けられると思っていた。
でもそれが本当に、狗族が途絶えてしまうことを意味するのだとしたら
それを受け入れることは到底出来ない。
協会が過去から引き継がれた組織を維持する為に動くように、
狗族だって代々引き継いだ血を、ここで失うわけにはいかないはず。
さゆみの言葉を借りるなら「そういうもの」なのだと思えた。

族長は変わらず穏やかに言葉を継いだ。

「俺たちだって戦いたいわけじゃない。
　勝てる見込みなんてない。
　だが、戦うための力として受け継いだこの力を
　戦わずに途絶えさせるなんて、やっぱり出来んなぁ。
　先祖に顔向け出来ん。
　…そういうことなんだ。嬢ちゃんが言うことも分かるし
　俺の言ってることは分からんかもしれんが、俺たちは逃げることは出来ない」

「……いえ、分かります」

ますます、回避する方法が分からなくなる。
やっぱりもう戦うしか無いのだろうか。

こうして言葉を交わすにつけ、里保は狗族のことが好きになっていた。
戦う為の力を守る、それでも優しい民族。
優樹の優しさの源でもあるこの人達が、理不尽に奪われることがどうしても嫌だ。
実際に会って、ますますその気持ちが膨らむ。

「かといって、優樹を差し出すなんてありえないからな。
　それだけは町の連中、全会一致だったよ」

族長が笑う。

「他のことは我慢出来ても、そんなことは絶対に無理だ。
　優樹にだけは、幸せになって貰いたいが…」

衣梨奈はその呟きを聞きじっと何かを考え始めた。

里保は未だどうすればいいのか考えが纏まらず
族長の呟きを最後に、それ以上の言葉をぶつけることが出来なくなった。

話はそこで途切れ、族長は一区切りとばかりに話題を変えた。
今朝押しかけたばかりの里保達に親しみを込め、よもやま話を語りかけてくれる。
里保も一度肩の力を抜き、それに応じた。
魔法のことやさゆみのこと。
会話の中で、里保は自分が協会魔道士であり執行局局長の直属の部下であることも話した。
族長はさして驚きもせず、穏やかにその話を聞いてくれた。

すっかり打ち解け、日も高くなった頃
二人は朝ごはんをご馳走になり、他の狗族達とも対面した。
みな感じのいい人達で、招かれざる客である里保と衣梨奈を随分ともてなし、
口々に優樹の安否を尋ねてきた。

後に、通された家が町の集会所のような場所だということも知った。

「すみません、すっかりお世話になってしまって…」

「なに、気にすんな。
　町の連中も優樹の話が聞けて喜んでるよ。
　町が明るいのも久しぶりだからね」

いつまでもこうして世話になっているわけにも行かない。
衣梨奈の協力は頑として受け入れられなかったし、
衣梨奈自身も族長の言葉に迷っているから、ここに留まるのも悪い。

さゆみにも言われたことだし、一度戻ろうと思う。
そう切り出すと、町の人達が名残惜しむように見送りに集まってくれた。

「また来てくれと言えんのが辛いが…」

族長が苦笑しながら言う。

「まだ、考えてみます。
　ギリギリまで。それと、優樹ちゃんのことは私たちが守ります」

「ああ、頼むよ」

別れの刻。
それまで口数を減らしていた衣梨奈が言った。

「族長さん、あの…」

「ん？」

「えり達に、優樹ちゃんを幸せにすることが出来ると思いますか…？」

どこか恐る恐る発せられた言葉。
里保にはその意図が分からなかった。

「そうだな…。信じられるよ。君たちなら」

「優樹ちゃんが幸せになる。それと、狗族が滅びない。
　もしそんな方法があったら……他の事、他に色んな辛いことがあっても我慢できますか？」

謎かけのような衣梨奈の言葉が、取り囲む人達の中に小さなざわめきを起こした。
族長もその意味は分からなかっただろう。それでも真っ直ぐに衣梨奈を見て答えた。

「……俺が我慢するだけでいいんなら、そんなに幸せなことはない」

「わかりました。本当に有難うございました」

二人はもう一度族長と狗族の皆に深く礼を告げ
町を後にした。　


▲

ギリギリだった
春までにまーどぅー編終わりたいと思ってたがもう２月終わる…

続きが気になるーーーー！！

続きｷﾀ━(ﾟ∀ﾟ)━!
話に引き込まれます

一気に更新乙です！！
生田の謎の言葉が気になる・・・

えりぽん何閃いたのーー！

行ってみたくなるわ郷

あー続きが気になってしょうがない
早く春になればいいのに

生田直談判か？

狗族全員が道重M13地区に引っ越すとか？

さすがにM１３地区も郷の住人全員を移住できるほどの
スペース的な余裕はないんじゃないか
さゆの魔法の力を借りれば方法も思いつかなくはないけど

今は憶測で書かないほうがいいと思うっちゃ

戦闘突入かと思いきや！？

明後日読みますあるがとう

続きが気になって仕方ないよ

狗族の変身した姿ってやっぱりもののけ姫のモロの君とか山犬みたいな感じだろうか

ワーウルフみたいなのかも

おいらは沖縄のシーサーを想像してた

狛犬って言うから

まーどぅー結婚おめでとう

住処は１DK狛江のアパートだな

2羽のインコを飼うのか

狛犬さんっていえばSS書いてる人いたなぁ

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

えりぽん　頼んだぞ

ﾊo´ ｡｀ﾙ＜嫁？

保

作品に引き込まれるわあ
乙です＼(^o^)／

>>434
あー

いちごま

佐藤を連れ出して駆け落ちしたんだから工藤はちゃんと責任とって幸せにしてやるんだぞ

決意したエリポンが奇跡を起こす！

お昼っちゃ

平賀源内

川c ’∀’)＜電話しなきゃ♪

ｴﾘﾎﾟﾝｶﾞｰ

みっしげさんっ

エリキテル

ジリリキテル

飛車

穴熊で中飛車てことですね

えりぽんの棒銀
ふくちゃんのカニカニ銀
まーちゃんのゴキゲン中飛車

中飛車は素人が打つ手やろw

上手い人は瞬殺で決めるけど

こないだの王将戦で渡辺二冠が採用してたぞ中飛車

保全

>>442
恋の始発列車に飛び乗ったんですね
分かります

http://i.imgur.com/U6IXcyB.jpg

裸の裸の裸のセックス

保

田

大

明

神

襲

今日もどこかで「エリポンガー」

明日もどこがで「エリポンガー」

くどぅー「やれやれだぜ」

えりぽん

ﾔｼ

ｶﾞｰ

>>454
実は10年くらい前から>>453にある「ゴキゲン中飛車」という戦法が出てきて
プロでもよく指されています
なので、今は「中飛車＝縁台将棋」ではないです

|||9|‘_ゝ‘)

魔法使い6人パーティーとか想像してニヤニヤ
4人は待機組

賢者・从*･ ｡.･)

白魔導士・ノﾉ�刀e _l‘）

魔法戦士・从*´◇｀）

魔法剣士・|||9|＾_ゝ＾)

黴魔導士・ﾉﾘ*´ｰ´ﾘ

黒魔導士・ﾉハ*ﾟ ゥ ﾟ）

青魔導士・川c*’∀´)

召喚術士・川* ^_〉^)

赤魔導士・ﾊo*´ ｡｀ﾙ

黒魔術士・从 ´ﾟeﾟ ﾘ

何で里保だけ変なんだｗ
黴ｗ

なんて読むんだ？ｗ

カビｗ

化学兵器なみにやっかいだｗ
戦うならよそでやってくれー

菌糸でバインドとか
飲食系のアイテム黴らせるとか

>>480
飲食系のアイテム腐らせるとか不思議のダンジョンシリーズなら活躍できそうだな
敵としてだけどｗ

パーティーに入れられないなｗ
回復系アイテムを使ったら逆にダメージ食らうとかｗｗ

ただ一人
迷宮を駆け抜ける
りほりほ

ただし里保のカビなら美味しいブルーチーズやカマンベールチーズを作れるかも

注）鞘師里保の料理の腕前はチョコパイを作ろうとしてファミチキを作っちゃうレベルです

カビ魔法最強はミントという魔法

>>484
里保のがチ−ズ臭いだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!

ハレンチな！

フレンチな！

あゆ先生！

a

ge

ma

n

復活ﾔｼ

自分だけじゃなかったのか

ﾔｼ

ちちんぷいぷい魔法にか〜ｋ・・・やっぱやめた

朝と昼間見れなくて何事かと思った

RPG風動画をアップロードさせてもらいました
まだ先にはなりますが、ゲームをどのタイミングで公開するか悩み中です…
個人的には導入編が終了する辺りまで完成したらと考えてます

http://youtu.be/JUgHwIluPQg

http://www.nicovideo.jp/watch/sm22987860

>>500
おお！ゲームとして出来るの？そりゃあ楽しみ！！でも戦闘の無いRPG…画期的かも？ｗ

楽しみだ
無理しない程度に頑張って
しかしAAに外伝の次はゲームまでとは
これも下地になる本編が良作だからだね

>>500
魔法のところが生田ボイスでわろたｗ
楽しみにしてます！

このスレがいつまでも続いて欲しい

ゲーム細部まで凝ってて凄いな
めっちゃ楽しみだ

▼


町から離れ、小径を暫く歩く。
里保は最後の衣梨奈の言葉の意味を考えていた。
何か方法を思いついたのだろうか。
しかし、横を歩く衣梨奈の顔は決して明るいものでは無かった。

「えりぽん、何か思いついたの？」

里保の声に、衣梨奈は神妙な顔を向け
微かに頷いた。

「とにかく、一回戻ろ？」

言って衣梨奈が懐からスケボーを取り出す。
魔力を込めだした衣梨奈を里保が制止した。

「まって。ちょっと休もう。
　うちら昨日から全然寝てないし、このまま飛ぶの、危ない」

いくら衣梨奈の魔力が尽きなくても
高速でしかも長時間飛ぶには二人ともに集中力がいる。
空では少しの乱れが大怪我の元になる。
空を飛ぶことに慣れている里保は
その危険さをよく承知していた。

衣梨奈は真剣な里保の目を見返し、少し笑って頷いた。

「そうやね。言われたらめっちゃ眠くなってきたと」

それからスケボーを仕舞おうとした衣梨奈が
何か思い出したようにもう一度それを取り出す。

訝る里保に衣梨奈が言った。

「ねえ、里保。ちょっと見ててくれん。
　えりここまで飛んで来てさ、何かバランス取るコツを掴んだ気がすると」

里保の魔法と制御で、落ちることは無い、という安心感を頼りに
衣梨奈も衣梨奈なりの方法を模索していた。
空中での魔力の運用。姿勢の制御。
そんなものを、往路で学びとっていたらしい。

里保は少し微笑んで頷いた。

「いちおう、『マグネットの魔法』かけとく？」

「ううん、いい。でも落ちそうになったら助けて」

少し照れくさそうに言う衣梨奈に
里保はニコリと笑い頷いた。

衣梨奈が慎重に魔力を練り直し、再びスケボーを浮かせる。
その上に腰掛けると、ふわりと舞い上がった。
里保は少し離れてその様子を見つめ、いつでも飛び出せるよう構える。

空中を遊覧しながら、衣梨奈が徐々にスピードを上げる。
いつしかその速度は随分速くなって、群れて飛んでいた小鳥を追い越した。
衣梨奈はうまくバランスを取ってスピードに乗り
器用に空を飛び回った。

少し体勢が崩れ、慌てた衣梨奈がスピードを落とすとその拍子に乱れ、身体が投げ出される。
上手くスケボーに片手を掛けて、地上に投げ出されずにすんだ衣梨奈を
準備していた里保がすぐに飛び出し、抱き上げた。

「ありがと、里保」

「凄い！えりぽんもう飛べるじゃん！」

「うーん、でもやっぱり気を抜くとダメやね」

「あとは加速と減速だね。でも、そこまで来たらもうすぐだよ」

ゆっくりと地上に降下しながら
衣梨奈がくしゃりと顔を崩し笑う。

「うん。めっちゃ嬉しい…」

ずっと捉えあぐねていたコツが漸く掴めた。
ここまでになれば、自由自在に飛べるようになるのもすぐだ。
まだ心配ではあるけれど。
里保はいつか言っていた衣梨奈の夢、
里保と衣梨奈が並び空を飛ぶことが、もうすぐにでも実現しそうなことに胸を高鳴らせた。

衣梨奈も初めて自分だけの力である程度飛行出来たことに言いようのない感動を覚えていた。

「じゃあ取り敢えず休んで、それから飛んでいこう」

「うん。でも流石に帰りはまだ里保と一緒に飛んだ方がいいっちゃんね」

「そりゃね。二人で飛んだ方がずっと早いし、ずっと安全だもん」

「でも、いつかは並んで飛びたいけん」

「うん、うちも」

興奮気味に話しながら二人はもう一度道を歩き始めた。

どこか休める場所を探そうと考えて、少し歩き
よくよく考えれば町も宿も暫くは無いことを思い出した。
結局スピードを抑え、近くの街まで飛ぶことにした。

また里保の『マグネットの魔法』と衣梨奈のスケボー
それに風の魔法を合わせて浮かび上がる。
昨夜初めて使った方法だけれども、もうすっかり慣れたもので
互いに安心して身を任せることができた。
ずっと親しんだ魔法のように、里保と衣梨奈にとって一番しっくりくる、
身体に馴染む飛行魔法になっていた。

近くの街に降り立ち、宿を探す為に歩き回る。
けれども、今は真昼間で、休むだけの為に使わせてくれる宿は中々見当たらない。

「里保、あのお城みたいなとこ、ホテルって書いてあるとよ？営業中って」

「ダメだよ。あれは多分凄い高いホテルだから。うちそんなにお金持ってきてない。えりぽんは？」

「えりも、電車代くらいしか無いっちゃん…」

狗族の郷から程近い街は、それほど大きくも無くて
結局歩き回って疲れた二人は公園のベンチで仮眠することに落ち着いた。
本当はお布団で眠りたいところだけれど仕方ない。
それに少し眠るだけでも大分違うはず。

太陽が高くなってもそれほど蒸し暑さを感じない。
M13地区に比べても、随分夏を過ごしやすい場所だと感じた。
陽気と風が気持ちよくて、ベンチに腰掛けると直ぐに睡魔が襲ってきた。

衣梨奈が里保の肩に頭を乗せ
里保も衣梨奈に身体を預ける。
近くの道路を走る車の音、奥の広場で子供がはしゃぐ声。
だんだん音が遠のいていく。

「…里保」

「うん？」

「えりちょっと考えたっちゃけど」

「うん」

「起きたら、聞いて？」

「うん」

「おやすみ」

「おやすみ、えりぽん」

二人は身を寄せ合い、小さな寝息をたてはじめた。



▲

短くてごめん
あと何気に２０万字超えてた
だらだらと長くてなんかほんとごめん

更新乙です！
ごめんどころかもっともっと長く続けてくださいな


＞あのお城みたいなとこ

そこはお金以前の問題で色々アウトだからｗ

続いてほしい

ラブホ？ｗｗｗ

二人がラブホの存在を知らないようでなんだか安心したw

お城みたいなホテルに泊まった外伝をお願い致します

ノﾉ�刀e _l‘）＜ところがドッコイまんぐり返し　そのお城は普通のホテルよりお安くってよ

更新乙ですー

きっとそこは凄く高くないし短期間の休憩も出来るから是非行くのだ！

とある市にホテル「やすだ」というホテルがあってだないやあったのだが今はない名前変わった

もしお城みたいなホテルに行くことになったら
というイフ外伝を書けという振りだな

お前らそこに感想集中しすぎｗ

お城＝お前らホイホイ

こっちのお城は変態の巣窟ｗ

モーニング娘。譜久村聖のミズキングダムVol10
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1393422392/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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AAキター

早っｗ

すごーｗ
ホテルの名前ｗ

『HOTEL NANO』
道重さん幅広くしてるなぁｗ

確実に道重さんスポットやん

入ってしまえばよかったのに…ｗ

道重邸から監視カメラモニターされてんだろうなｗｗ

そのホテルの中で体が火照るヤシであった

だーいしがいるな

あゆみんの母上が掃除婦として登場

ぱにゃにゃん

|||9|＾_ゝ＾)

>>536
あゆみん自身はまだ電話出演だけなのにｗ

だーいしは施設で育てられたのだから
生き別れの母かも知れんぞ

あげﾔｼ

あげあげﾔｼ

ほ

りょ

う

えりぽんよ魔法でふくちゃんを…！

ちちんぷいぷい
聖が元気になりますよーに！

聖「あ、治っちゃたぁ！！」

聖「というわけで、えりぽん！私、元気になったから、今晩どう？」

誘うなｗ

寝てなさいｗ

ノﾉ�刀e _l‘)＜今晩どう？
http://www25.tok2.com/home2/ojcql/up/src/maturi53_1064.jpg

ハレンチﾔｼ

シリアスもほのぼのも変態に蹂躙される運命。。

寝るﾔｼ

川c ’∀’)＜ねるねるねーるね

川* ^_〉^)＜いひひひ♪

おはぽん

ほ

しゅわ

シワ

从#~∀~从

魔同士協会の創始者か

そういえば聞いたことがある
魔力を練ると胸から痩せていくらしい

どおりでふくちゃんとズッキは巨乳なわけだ

フッフッフッ

雨の魔法

転載
魔道士っぽいBerryz工房のイラスト
http://pbs.twimg.com/media/BhnI8CDCAAAvwC_.jpg:orig?.jpg

今日寒いのは誰のせいですか？

川c ’∀´)＜ほんとうにだれのせいだろうね〜？
|

今日このスレ知って今やっと読み終わった
仲の良いまーどぅー書いてくれて作者さんありがとう
最近リアルな関係はイマイチみたいだから悲しい

>>571
先週のプレモニの音源を6公演全部聴いたけど
まーちゃん終始どぅーどぅーどぅーどぅー言ってたよ

イマイチというか熟年夫婦のそれだと考えるんだ

作者さんはどのカップリングが好きなんだっけ？
シュワポクだったっけ？

たしかそう

今日のチェキ会のまーどぅー3ショットが大人気だったみたいだな
他の列の3倍くらい並んでたらしい

一人で行くモーニング娘。'14 『笑顔の君は太陽さ/君の代わりは居やしない/What is LOVE?』 発売記念個別握手チェキ会【大阪東京愛知】�@
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1393676176/

↑このスレを読めば>>571は幸せになれるかも
　

作者さまはシュワポクヲタだったんかー
完全にピンポンだと思ってた
でも各メンバーを大差無く愛情注いで書けるって凄いわ

>>572 >>576
ありがとう！まーどぅーヲタのおれ嬉しくて泣きそう

375 名前：名無し募集中。。。[] 投稿日：2014/03/02(日) 17:53:10.29 0
@【個別まーちゃん】
ち「まーちゃんは最近どぅーとさくらちゃんどっちと仲いいですか？」
ま「どぅーだよぉ！(即答)」
ち「そーなんですか！これからもどぅーと仲良くしてあげてください」
ま「んーどーしよっかなー？(首かしげ)」
まーどぅーだった！！！

シュワポクネッガー

そういえば小田ちゃんの登場はどうなってんだ？
ここの住人誰も小田ちゃんに期待してないし

>>580
小田ちゃんの出番はもう決まってるって作者が言ってただろ
ていうか小田ちゃん好きな奴もいるんだから２行目は書くなよ・・・

>>581
いやスマンおれがその小田ちゃん好きな奴なんだが…
だーいしへの期待感が凄かったから寂しくなって書いたんだよ

小田ちゃんなら今俺の横でスヤスヤツイッターやってるよ

卑屈になるのは勝手だがいちいち書くなや

小田ちゃんはﾋﾟﾝﾎﾟﾝスレでよくﾔｼに絡んでるのを見るなｗ

おれはodskの登場を待ちわびてるよ

ウチは待ちわびてないﾔｼ

コラッ

>>582
だーいしの場合は期待を極限まで煽っておいた方がどんな登場であれオイシイだろ
小田ちゃんの場合どうすればオイシイだろうかというよりどんな役で登場するのかって方が楽しみだから
期待してる！みたいなレスも少なめなんじゃないかな

えりぽんにちょっかいを出さないなら小田ちゃん登場も歓迎するﾔｼ

まーちゃんにちょっかい出さないなら小田ちゃん登場も歓迎するﾄﾞｩｰ

ﾔｼ使い自重

小田は悪役が似合いそう

（ 田小田）＜私が今の協会魔道士筆頭です。ｻﾔｼさん？ああ、先代のｗよろしく、オバサ・・・先輩ｗ

小田ちゃん同じ年齢なのにｗ

そんな小田ちゃんヤダｗ

>>590-591
被害者の会ｗ

えりぽんは爽やかイケメンなイメージ強いのに
さくらはなぜか小悪魔なイメージ強いのはなぜなんだろうｗ

色気があるからだろうね

川c ’∀´)＜私と同じですね！

色気というよりもおっぱ・・・

川c ’∀´)＜やっぱり私と同じですね！

ﾉﾘ*´ｰ´ﾘ＜華麗にスルー

あゆみん・・・ハウス！！

eﾟ ﾘ＜出番の終わった石田姉さんはオヤスミになるといいですよｸｯｸｯｸ

小田ぁ！

えりぽんに引っ付いて甘える小田ちゃんか悪くないな・・・

だーいしは本編に出るとリアルで吹雪が起こるからもう出せないのかな

吹雪を起こしたらマズイよなあ･･･
春までお預けかなｗｗ