「インテリジェンス 武器なき戦争」(佐藤優、手嶋龍一著)を読んでみた

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1 【中国電 74.7 %】 ◆fveg1grntk
インテリジェンスとは単なる情報ではない
ポジティブインテリジェンス(諜報)、カウンターインテリジェンス(防諜)、宣伝、謀略と言った手段を駆使し
入手した生の情報を分析し、それを外交戦略上の武器として活用することである
情報と言ってもスパイ活動から得られる秘密情報ばかりではない
秘密情報の98%は公開情報の再整理再構築から得られるものである

残念ながら近年我が国は外交情報戦で敗北を続けている
インテリジェンス能力は国力つまりGDPと比例する
つまり世界3位のGDPを持つ日本は世界3位のインテリジェンス大国になるポテンシャルを持っている
しかし、そのインテリジェンスたちは外務省や警察組織などの各省庁やマスコミ、民間組織に分散してしまいそのポテンシャルを成果に結び付けられていない

現在の日本の外務省には無いインテリジェンスの文化を定着させるにはどうすれば良いか
まずはインテリジェンスを理解する人材を育成することである
最初にインテリジェンスを統括する組織を作るという発想になりがちだが、佐藤優はまず先に人を作る必要性を訴える
インテリジェンスについて理解できる人間がいない現在、組織を作っても機能しない
今後5年間で50人の専門家と250人の理解者を育てることが出来れば、新しい組織は成立すると言う提言は傾聴に値する

かつて外務省内でインテリジェンスオフィサーとして活躍するも「国家の罠」に嵌められてしまい、一線を退いている佐藤優氏
彼が再び日本にインテリジェンス文化を根付かせるための人材育成に何らかの形で関わることを切に願う