4話
ノハ*゚ ゥ ゚)<スマイレージの彩ちゃんと……パ ス タ を わ け わ け
「はっ、はるなん!? まさかはるなんも……」
スパスレをチェックしていたら思いもよらぬ文章を発見した。
ついこないだくどぅーのブログでもスパゲッティネタが書かれていたようだけど
あの子はそういうタイプじゃないから釣りだと思わなかった。
でもはるなんなら、はるなんなら……。
「どう思う? 里保」
「えりぽん…」
「なん?」
「狼脳もほどほどに」
「むぅ」
里保はああ言っとったけど、はるなんの普段の言動を考えると狼くらい見ててもおかしくない。
というよりヲタク系の子は大体見てるイメージ。
まあ聖は見てないっちゃけど。
「よし! はるなんに聞いてみよう」
思い立ったが吉日とばかりに自販機でジュースを何本か買い込んでいるはるなんを呼び止めた。
「はるなん、お…おおおお…」
「? …っ!…ゴゴゴゴゴ…!」
ネタ振りだと思ったらしく慌ててスチャッと顔に手を当ててジョジョ立ちで返される。
「違うっ。どもっただけっちゃ」
「あ、すみません。つい」
「あの…ほら、お…」
「お?」
怪訝な顔で言葉を待つはるなん。
もうそのポーズ解除していいっちゃけど。
首を傾げてるからちょっと怖い。
「は、はるなんってさ、もしかして……狼見とお?」
「……な…なん…だと…?」
「そういうのいいけん答えて」
「YES,I AM!」
なんで英語?
これも何かのネタなんかな。
「やっぱそうか。パスタがどうとかって言うから」
「パスタ?」
「そう。和田さんとスパゲッティやろ?」
「スパ……あー、そういう事ですか」
「違うん?」
「そういうつもりは無かったんですが、まあ狼は見てますよ」
「書き込んだりしとお?」
「いえ、私はROM専なので」
「おー衣梨も衣梨も!」
仲間が増えてちょっと嬉しい。
これで狼のこと話せる子が里保以外にも出来たんだ。
ちゃんと聞けて安心したのもあってニヤニヤと口元が緩む。
「スパゲッティが通じたけど、はるなんはカプスレとかも見ると?」
「ええ、一通りは把握してます」
「へぇ、じゃあやっぱ鍋スレは常駐?」
「うふふ。あゆみんの立ち位置がおかしくて」
「わかるー。あゆみんの貧乏ネタちょーウケるっちゃ」
「フ。しかし生田さん」
「うん?」
ずいっと顔を寄せられて少し怯む。
何か企むような顔でニヤリ。
その手の顔似合いすぎるからやめて欲しい。
「私はさゆみずき派、スパ・ぽんぽんとは敵対する存在なのです!」
「へ?」
「生田さんは道重さんと譜久村さんを見てなんとも思いませんか?」
「なんとも…って」
「もし私がマリみてを実写化するならあの二人をスールとしてキャスティングします。容×祥で」
「え…まりみて? ってなん??」
「二人に漂う正統派百合のオーラ! あれぞ至高! そこに痺れる憧れるぅぅぅ」
「ごめん、言ってること全然わからん」
「今度お貸ししますので、是非読んでみてください」
「あ、うん。漫画か」
「小説です。漫画版もありますが、そちらの方がいいですか?」
「え、そうやね。小説より漫画の方が…」
「わかりました。では!」
「あ、はい」
「くどぅ〜、オレンジジュースを買ってキマシタワー!!」
「うわ、なにそのテンション」
遠くから聞こえるくどぅーの困惑した声を尻目に、衣梨も困惑して固まっていた。
途中からはるなんの言ってることがまともに理解できんかった。
とりあえず痺れる漫画を貸してくれるらしい。
"仲間がふえたよ!! やったね、えりぽん!"
と里保の声で呑気なセリフが再生されたが、
仲間というにはなんか色々と違う気がするっちゃ。