生田「道重さんスパゲッティーを食べませんか?」7

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491名無し募集中。。。
朝、楽屋に入るとメンバーはまだ道重さんしか来てなかった。
2人だけなら少しイチャイチャできるかも?
そう心の内でガッツポーズしながら声をかけた。

「道重さん、おはようございます!!」
「・・・・・・・・・おはよう、生田」

あれ、昨日は衣梨奈や聖が道重さんからもらった服を着てきたから、
すごくご機嫌だったのに今日はどうしたと?

衣梨奈は首を傾げつつ、さゆみの隣に座ろうとした。


「昨日のあれ、どういうこと?」


さゆみの酷く冷たい声が楽屋に響いた。
「え?昨日の・・・・・・あれ、ですか?」
「・・・・・・言わなくても分かるよね」
さゆみは、静かに言葉を発していた。
それが故に、却って言葉の向こうに秘められた怒りの凄まじさが感じられた。
「あの・・・・・・・・・?」
「分からないの?」
さゆみの声はどんどん低くなっていく。
衣梨奈は、その声を聞いて、地の底へ引きずり込まれるような恐怖を覚えた。
青ざめ、震えて、最早言葉を発することも出来なくなった衣梨奈に、
さゆみは、ひた、と凍りつくような視線を当てる。
「ブログの写真、覚えてるでしょ?」
492名無し募集中。。。:2013/05/17(金) 00:10:23.38 0
「ブ、ブログ・・・・・・」
「・・・どうして、りほりほがあんなに安心し切ってあんたの肩で寝てたの?」
「あ、あの・・・り、り、里保は、いつも、寝ちゃう、から・・・・・・」
「そう。そして、あんたは・・・」
「・・・・・・」
「そんなりほりほの顔をドヤ顔で撮って・・・」
「・・・・・・」
「ブログにアップするんだね」
「み、みち、しげ、さん・・・・・・」
「そしてさゆみに見せつけるんだよね」
「お、怒ってるんですか?里保が、えりなの肩で寝てたから・・・」
「・・・別に」
「だって、お気に入りの里保が・・・」
そう言葉を発した瞬間、さゆみの顔がカッと紅潮した。
「りほりほは関係ないの!」

・・・・・・え?

怯えながらも訝しげな表情を浮かべた衣梨奈に、さゆみは怒鳴りながら言葉を紡いだ。
「良いよね、あんた達は!」
「あの・・・・・・」
「麗しい同期愛でさぁ!」
「みちし・・・・・・」
「あーあー、独りぼっちのさゆみなんか、だぁれにも気に掛けて貰えないんだよねぇ!」
493名無し募集中。。。:2013/05/17(金) 00:12:33.35 0
その声に衣梨奈は自分が間違いを犯したことに気付いた。
そうだったのか。
さゆみはずっと心の奥底に寂しさを抱えたままでいたのか。
それを自分はずっと気付かずにいたのか。

衣梨奈は、自分を殴り付けたくなる思いに駆られた。
確かに、さゆみの同期のれいなは、既に自分のバンドであるLavendeЯで手一杯だ。
卒業が決まって仕方が無いこととは言え、そして、れいなを気遣うさゆみであるが故に、
抱え込んだ寂しさが鬱屈して膿んでしまうのも考えられることだ。
さゆみに寂しい思いをさせまいと、傍に居ることを決めた筈なのに・・・・・・。

衣梨奈の眼から、ぽたり、と涙が零れた。
「ご、ごめんな、さい・・・・・・」
一度涙が零れると、後は次から次へと涙が溢れた。
道重さんが遠くに感じる。
こんなに近くに居るのに、何だか分厚い壁が二人を隔てているようだ。
駄目、このままじゃ道重さんがどこかに行っちゃう。
届かないかもしれないけど、傍に居たいって言わなくちゃ。
でも、でも・・・・・・。
泣いてちゃ駄目!言わなきゃ。
・・・・・・なのに言葉が出てこない。
道重さん、みちしげさん。
怒鳴っても、傷付けても良い。
お願い、戻ってきて!
494名無し募集中。。。:2013/05/17(金) 00:14:03.62 0
保温
495名無し募集中。。。:2013/05/17(金) 00:14:30.36 0
しゃくり上げる衣梨奈を見て、さゆみはハッと我に返った。
「い、生田・・・」
「みちしげ、さん。い、行かないで、ください」
「え?」
「自分に、閉じ篭らないで、ください」
「生田?」
「えりな、ずっと、居ますから」
「・・・・・・」
「えりな、道重さんの傍に居ますから・・・・・・」
虚を突かれたような表情を、さゆみは浮かべた。
同時に、目尻からスッと光るものが流れ落ちた。
「ごめん・・・生田。さゆみの八つ当たりだよね・・・・・・」
「えりなこそ、考えが足りなくて・・・・・・」
さゆみは流れ落ちる涙をぐっと堪えた。
そして、未だしゃくり上げる衣梨奈に声を掛けた。
「生田。そろそろ泣き止みな。他のコ達が訝しく思うよ」
「は、はい・・・」


その日の夜、二人は久し振りにベッドの上で抱き合った。
唇を深く重ね、舌を絡ませ合った後、互いの口内を舌で味わい尽くす。
甘い甘い唾液を交換し合い、頭の芯まで蕩け切った衣梨奈に、さゆみは
「ねぇ、今日はちょっと痛いこと、するよ?」
衣梨奈の表情に、さっと怯えたような色が浮かんだ。

実は、さゆみは、衣梨奈に深く入ったことが無い。
「生田を傷つけちゃうから」
というのがさゆみの言い分だった。
本当のところは、衣梨奈がそのことを怖がっているのを知っているからだった。
それを衣梨奈も充分承知していた。
496名無し募集中。。。:2013/05/17(金) 00:16:06.14 0
が、今日ばかりは、いつもとは状況が違う。
さゆみが衣梨奈の全てを手に入れたいと思っても当たり前のことだろう。
何よりも、今日ばかりは、そのことを拒むことで、さゆみが離れていくのが嫌だった。
(・・・大丈夫。相手は道重さんっちゃもん)
嫌な相手に無理強いされる訳では無い。
むしろ大好きなひとのものになるのだ。
拒む理由など、何も無い、筈。
衣梨奈は、きゅっと唇を引き結んだ。
そして、足を大きく開き、さゆみの手を導いた。

さゆみは、怪訝な表情を浮かべた。
「何してるの?生田」
「え?だって道重さん、今・・・・・・」
怪訝な表情は、ゆっくりと苦笑に変わっていった。
「違う違う。それは未だ、良いから」
「?」
「もう少しして、あんたが怖くなくなってからで良いよ」
「え?じゃあ・・・・・・」
「生田、ちょっと近くに来て」
衣梨奈は、そっとさゆみの近くに体を寄せた。
さゆみの顔が衣梨奈の肩にすっと寄せられる。
と同時に、軽い痛みを感じた。
さゆみが顔を離すと、うっすらと歯形が残っていた。
「ね、生田」
「はい?」
「この跡が消える迄で良いからさ」
「はい」
「この肩に、さゆみ以外の誰も乗っけちゃ駄目だよ」
悪戯っぽくさゆみが笑う。
その笑みに誘われるように、衣梨奈もさゆみに顔を寄せた。
497名無し募集中。。。:2013/05/17(金) 00:17:25.47 0
谷間の中心・・・心臓の真上あたりを強く吸い、小さな跡を残す。
「道重さん」
「何?」
「この跡が消える迄、ずっとその言葉を守ります」
「・・・すぐ消えちゃうでしょ?こんなの」
「大丈夫です!えりな、この跡は絶対に消しませんから!」
「あのさ、それって・・・」
「何ですか?」
「今よりもっとさゆみのこと抱くってこと?」
顔を赤らめてさゆみが問う。
一瞬考え込んだ衣梨奈だが、ようやくそのことに思い至って顔を真っ赤に染める。
「何よぉ、今さら」
「いえ、改めて言葉にすると恥ずかしいな、って・・・」
「あんたねぇ・・・・・・ま、いっか」

さゆみはくるりと体勢を変え、潤んだ眼で衣梨奈を見上げた。
その眼に見詰められて、衣梨奈の背にぞくりとしたものが走る。
「じゃあさ、先ずは今、さゆみのこと、いつもみたいに気持ち良くして?」
衣梨奈は、背中からうなじ迄をすうっと撫で上げた。
そのまま脇腹に手を滑らせる。
さゆみは、切なそうな吐息を漏らす。
胸の双丘を見ると、既に頂は屹立していた。
衣梨奈は、頂を指で挟みながら片方の丘を掌で包み込み、もう片方の頂にそっと唇を寄せた・・・・・・。