リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第80話

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1名無し募集中。。。
禁忌とされるのは、理由があるから。
でも。禁忌を破ってでも、勝たなくちゃいけなかったんだ。


   第79話 『リゾナンター・Χ(カイ)』 より

前回のお話はこちら↓
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第79話
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1361880974/

リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ@wiki
ttp://www39.atwiki.jp/resonant/

第1話から20話までのログまとめ
ttp://resonant.web.fc2.com/

まとめサイト(仮) (1話〜24話までの小説は収録完了。シリーズ作品のリンク作業をまったり進行中)
ttp://www45.atwiki.jp/papayaga0226/

まとめサイト Ver.2(25話〜43話)
ttp://resonanter.blog47.fc2.com/

リゾナントブルーAnother Vers(ry 暫定保管庫(まとめサイト3) (44話〜最新)
ttp://www35.atwiki.jp/marcher/

掲示板 (感想スレ、作品題名申請スレ、あとがきスレ他)
http://jbbs.livedoor.jp/music/22534/

テンプレ>>2-7くらいまで
2名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 08:26:59.71 0
3名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 08:27:39.97 0
4名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 08:28:56.31 0
【今まで出てきた能力まとめ】

高橋愛:精神感応(リーディング) /瞬間移動(テレポーテーション)/光使い(フォトン・マニピュレート)
新垣里沙:精神干渉(マインドコントロール)/鋼線使い
亀井絵里:傷の共有(インジュリー・シンクロナイズ) /風使い(ウィンド・マニピュレート)
道重さゆみ:治癒能力(ヒーリング)
  さえみ(姉人格):物質崩壊(イクサシブ・ヒーリング)
田中れいな:共鳴増幅能力(リゾナント・アンプリファイア)
久住小春:念写能力(ソートグラフィー) /幻術(ハルシネーション)/発電(エレクトロキネシス)
光井愛佳:予知能力(プリコグニション)/心の浄化(ハート・プリフィケイション) /水守(みまもり)
リンリン:念動力(サイコキネシス)/発火能力(パイロキネシス)
ジュンジュン:念動力(サイコキネシス)/獣化(メタモルフォシス(トゥ・ビーストorパンダ))

譜久村聖 :能力複写(リプロデュスエディション) /残留思念感知(サイコメトラー・オブジェクトリーディング)/液状化(リキュエファクション)
生田衣梨奈:精神妨害(マインドジャミング)/精神破壊(マインドデストロイ)/植物と会話(スピリチュアル・トーキング)/鷹の目(ホークアイ)/空間誘導(スキップ) 
鞘師里保 :水限定念動力(アクアキネシス)/水軍流の達人
鈴木香音 :非物質化(ディマテリアリゼーション)・物質透過(ペネトレイト)/超聴覚(ハイパー・ヒアリング)/獣化(マンティス)

飯窪春菜:五感共鳴(センス・リゾナント)/魔術(マジック)/粘液放出(アドヒア・セクレイト)
石田亜佑美:幻獣召喚(イリュージョナル・ビースト)/小石限定念動力(ペブルキネシス)/加速(アクセレレーション)
佐藤優樹:瞬間移動(テレポーテーション)/死霊魔術(ネクロマンシー)/音響分析(アナライズ)
工藤遥:千里眼(クレヤボンス)/精神??(マインド・ブラスト)

小田さくら:幻獣召喚(イリュージョナル・ビースト)/精神干渉(マインドコントロール)
5名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 08:30:18.02 0
ジュンジュン獣化参考画像
http://resonant.web.fc2.com/data/panda.jpg

喰らってくたばれ!
必殺!
http://resonant.web.fc2.com/data/toro17054.gif

【喫茶店リゾナントイメージ】
間取り
http://resonant.web.fc2.com/data/142-1.gif
本日のランチ
http://resonant.web.fc2.com/data/155-1.jpg http://resonant.web.fc2.com/data/thumb/thumb156-1.jpg
タウン誌紹介文
http://resonant.web.fc2.com/data/toro28378.jpg

【TV・映画イメージ】
リゾナンター予告イメージ
http://jp.youtube.com/watch?v=wSVKqpCYrQs
リゾナンター予告編・i914Ver.  ※血液等の映像が含まれますので苦手な方は見ないほうがいいです
http://jp.youtube.com/watch?v=TEsl4BjQ8sA
リゾナンターの予告編パート2/映画風
http://jp.youtube.com/watch?v=9Rvh02cQQoI&fmt=6
リゾナンター/共鳴セヨ
http://jp.youtube.com/watch?v=3m65hxrvduY
リゾナンター予告編/ダークネスVer.
http://jp.youtube.com/watch?v=OkFqDKBJUBg&fmt=6
リゾスレ一周年記念動画
http://www.youtube.com/watch?v=VBgPc_o1u0E&fmt=18
The loneliness of the girls
http://www.youtube.com/watch?v=4IAclB1_-zs
リゾナンターOP
http://jp.youtube.com/watch?v=EXNriFUNuUY
6名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 08:31:02.15 0
【まとめサイト(仮)で投稿日順に読む裏技】

裏技などございません。小説に関してはトップページからストーリー:スレ別分類のページに飛んでいただければ投下順に並べております
タグによる分類など作業中ですがいつ完成することやら(遠い目


【まとめサイトVer.2で投稿日順に読むには】

タグでスレごと(第○話)の作品群を見ることができます。
登録日の順になっているのでそこからたどっていけばおk

【暫定保管庫(まとめサイト3)で投稿日順に読むには】
トップページからスレ別分類に飛んで(ry
最近の作品に関しては簡単な解説のページもありますのでそちらも参考に

【代理投稿を依頼するときのお願い】

したらば掲示板のアク禁スレに作品を上げるときは対処方法の指示も書いてください
例えば
・規制食らったので転載してほしい
・レス数多いから掲載を手伝ってほしい
など

転載する人は必ず投下する旨をアク禁スレに宣言していってください
(投下かぶり防止のため。宣言が同タイミングなこともあるのでリロード&しばらく待つのも大事)
7名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 08:31:32.97 0
川*’ー’) < テンプレの設定やまとめサイトを参考にして自由に想像するやよ
ノ|c| ・e・) < 登場人物の能力やストーリーの背景・設定は作者さんの自由なのだ
ノノ*^ー^) < シリアル路線でもコメディ路線でもお好きなものどうぞ
从*・ 。.・) < AAを使ったものや1レス完結ものでもOKなの
从*´ ヮ`) < 他の作者さんの設定を流用するのもありっちゃ
ノリo´ゥ`リ < 気に入った話の続きや繋ぎの話を書いてみるのもありカナ☆
川=´┴`) < プロットを書いて他の作者さんにストーリーを書いてっておねだりしてもええで
川*^A^) < アーでも書いてくれるかは作者さん次第ヨ
川´・_o・) < ソッカー



作品投稿の際、10レスを越える場合は連続投稿規制(バイバイさるさん)がかかるので注意。
それから1レス当たり最大32行までしか入らないのでそれも注意。


http://resonant.web.fc2.com/data/toro18266.jpg

君の作品を待ってる



<※初めてスレを訪れた方へ>
 お勧めの作品やわからない用語については遠慮なく質問してみてください
 スレに何人もいるであろう「生き字引」が24時間以内に答えてくれるでしょう(多分)
8名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 08:32:35.37 0
以上テンプレ
9名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 09:58:58.98 O
スレ立てテンプレ乙です
さあ新しい伝説のはじまりだ!
10名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 11:43:50.84 0
>>1
今スレこそ何か書くんだ
11名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 12:55:19.63 0
スレ立ておめ
12名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 13:14:16.21 0
前スレ無事完走しました
13名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 13:26:02.97 O
おつ!
14名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 14:51:34.04 0
いよいよ5周年

…だよね?
15名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 15:13:27.96 0
あと二週間ほどだね
16名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 15:42:54.09 O
お祝い用になんか書くか
17名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 17:21:11.08 O
18名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 19:00:57.62 0
be ambitions
19名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 20:00:48.65 O
天使の羽を広げてよ
20名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 20:56:37.94 O
あげ
21名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 21:05:15.10 0
せっかく新スレなのに頭痛で考え事できない…
治してちゃゆ
22名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 21:58:18.90 O
物質崩壊で処置なの
23名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 23:09:09.40 O
その後>>21の姿を見たものはいない
24名無し募集中。。。:2013/03/30(土) 23:10:46.60 O
川*’ー’)<明日は雨だけど開店するやよ
25名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 00:26:10.21 O
おやぷみなさい
26名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 01:25:09.72 0
おやすみなさやし
27名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 03:39:17.59 0
ho
28名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 05:31:54.94 0
もうすぐ5周年とかスゲー
29名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 08:52:42.12 0
思えば長く続いたものだ
30名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 09:19:34.13 O
おぱょ
31名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 09:32:32.51 0
5年ずっといる人は何人いるのかな
32名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 09:59:16.29 0
4スレ目ぐらいからの週末ROMですがノシ
33名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 12:27:44.86 0
居着いたり離れたりで正味3年くらいだな
34名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 12:38:29.10 0
5周年の日にはいろいろ過去作について語ってほしいという新参の願い
35名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 12:59:00.05 0
5周年チャットでもできればおもしろいかもね
36名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 13:48:37.35 O
それだ!
37名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 16:10:28.98 0
ほぜなむ
38名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 17:32:28.64 0
39名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 19:00:03.56 0
命をすり減らしながら 帰り着く毎日
削れ落ちた命の欠片を燃やして 暗闇に小さな火を灯してる

明日が見えないから 未来が見えないから
今日の暗闇を少しでも 明るく灯す為に生き急いでる

そんなさえない日々を いつも僕らは
小説の主人公に重ね合わせて ドキドキしてる
本当はいつだって かざらない声で
恋や未来を 話してみたい

生き急ぐ僕らの鼓動
感じてる 命の震えを
込み上げる勇気のハーモニー
小さいけど 残っていた

会ったこともなかった僕らは
いくつもの思いを紡ぎだす 仲間かな
胸の高鳴る 同じ方向を目指すハートビート

命はきっといつか 燃えつきてしまう 夜明けの空にだって 鍵はかけられない
確めた鼓動と小さな勇気を 糧にしていくように 見えない明日へ向かう
40名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 19:01:08.32 0
>>39
「ハートビート」
41名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 20:58:57.96 O
緊急あげ
42名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 21:14:06.36 O
あげ
43名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 22:31:50.77 O
寝るのだよ
44名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 22:42:57.85 0
自分は初期辺りに書き手になってから
最近はROMっぽくなってるノ

>>34
今スレを知って読んでみてどうだったのかもちょっと聞いてみたい。
45名無し募集中。。。:2013/03/31(日) 23:28:42.22 0
ご要望があるなら簡易的なチャットの会場を提供するくらいでしたらできます
人が集まるのか うまく回るのかまでは分かりませんがw
46名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 00:02:10.22 O
参加しますよ!
47名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 00:12:13.88 0
おー初の試みかな?
48名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 01:00:05.44 O
おやす眠眠打破
49名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 01:06:19.71 0
ツイッターで(笑)
50名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 03:19:26.17 0
おやすみ
51名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 05:09:40.06 0
眠眠
52名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 05:11:21.40 O
おはやう
53名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 07:04:53.53 0
嘘だからの日
54名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 07:58:01.79 0
Χ(カイ)の人ってオリオン座の人?
55名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 08:34:22.76 0
そうだよ
56名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 09:30:25.93 0
なるほど
57名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 09:58:30.58 O
>>54
違うだろw
またのきかいがリゾナント作者だよ
58名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 12:07:28.57 0
最近長編書いてるのってほとんどΧ(カイ)の人な気がしてる
59名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 12:31:29.22 O
んなこたあない
New windの人も3×3+1の人もいるし
60名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 13:29:03.13 0
待機作者は何人いるんだろうな
61名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 15:00:29.46 0
>>57
何でわかんの
62名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 15:10:14.02 0
>またのきかいがリゾナント作者
どういう意味?
63名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 15:22:36.78 O
確かリホナンターの派生作で言ってた
64名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 16:34:25.30 0
>>63
これのこと?
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/705.html
そんなこと書いてないやん
65名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 17:42:48.42 0
ほぜなむ
66名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 18:39:32.27 O
セルフパロディてそういう意味じゃなかったのか
間違ってたらすまん
67名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 20:10:08.75 0
ほぜなむ
68名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 21:38:12.74 O
うえうえ
69 【大吉】 :2013/04/01(月) 22:33:23.52 0
 
70名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 23:39:40.02 0
うええおえ
71名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 23:58:36.29 I
ドサッ

「……こんなガキに、俺が負けた?」
「おじさん弱すぎ、バイバーイ」

コツコツコツコツ……

「話が違う……あいつ、ハメやがったな。何が『ガキだから余裕』だ……こいつの強さ、リゾナンター並じゃねーか」

コツ

「リゾナンター=H 何それ?」
「え、いや……」
「言わないなら、言わせるだけなんだけど?」

バチバチッ

──

「面白そうじゃん。会ってみたいな、そのリゾナンター≠チてのに」
72名無し募集中。。。:2013/04/01(月) 23:59:32.00 I
>>71
兼保全作
73名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 00:08:46.98 0
>>72
乙です
前スレからの連続作なんでしょうか
続きに期待です
74名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 00:17:03.33 0
能力複写(リプロデュスエディション)。

条件さえ揃えば、任意の相手の能力を複写・行使できる能力。
ただそれ故に、落とし穴があるのもまた事実。

リゾナンターとして2年の経験を積んだ譜久村聖もまた、その落とし穴にはまろうとしていた。
75名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 00:22:14.11 0
最近、自分の能力とはいったい何なのだろう。
そんな疑問が聖の頭の中を支配するようになった。

周りを見回しても、自分ほど不定型な能力の持ち主はいない。
里保なら水限定念動力(アクアキネシス)。
香音なら超聴覚(ハイパー・ヒアリング)。
そして衣梨奈は精神破壊(マインドデストロイ)。
いずれもはっきりとした、わかりやすい能力。

だけど、聖の力にはそういった”はっきりしたカタチ”がなかった。
自分の能力のカタチとはいったい……
その疑問が頂点に達した時。

聖は能力が使えなくなっていた。
76名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 00:29:48.02 0
慌てた聖は、リゾナンターのリーダーであるさゆみに相談した。
決して十分とは言えないメンバーの戦力の中で、聖が占めるウエイトは決して小さくなかった。

はじめは聖の話を聞き目を見開いていたさゆみだったが、やがて何かを悟ったような顔をして、

「大丈夫だよ、フクちゃんなら」

とだけ言った。

もちろん、当の聖には何が大丈夫なのかわからない。
そんな怪訝な表情から読み取ったのだろう、さゆみはこんな話をしてきた。

「昔の話なんだけど。そう、さゆみがリゾナンターになる前の話。自分の姿を自由自在に変えられる能力者がいて、その子は
色々な人に姿を変えて、周りの人たちの役に立ってたのね。けど、あまりに姿を変えすぎて、自分の姿を見失っちゃった。
そして本当の姿に戻ろうと無理をしているううちに、体が崩れてなくなっちゃったの。どうしてだと思う?」

聖は、ゆっくり首を振る。
確かにそのたとえ話の子は自分の境遇に似ていた。
似ていたからこそ、答えが出せなかった。
77名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 00:35:29.42 0
もちろん、さゆみは聖が答えが出せないことまで知っていた。
それは、”そういうものだから”。

「その子はね、自分に自信がなかった。だから、他人の姿を次々ととっていくうちに、本当のあるべき
自分の姿を忘れちゃった。そして、無理をして、最終的には自分の身を滅ぼした。けど」

さゆみはゆっくり瞳を閉じ、それから。

「でも、フクちゃんなら大丈夫。だって、フクちゃんは、本当の自分を持ってる。いつも見てるから、
さゆみにはわかるんだ。だから、無理に思い出そうとしないで。時が、解決してくれる」

なんだかさゆみにそう言われると、本当にそうなるような気がしてきた。
けれど、本当に自分は自分というもの、自分と言うカタチを持っているのだろうか。

その答えは、聖自身にしかわからないのだけれど。
78名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 00:36:44.23 0
>>74-77
兼保全作「自分のカタチ」
ぱぱっと書いただけなので特に続きがあるわけでもなくw
79名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 02:45:34.83 0
おやすみ
80名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 04:36:36.56 O
ねるなん
81名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 06:17:11.81 O
おはっす
82名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 07:54:40.29 0
おはπ
83名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 08:10:11.78 0
>>78
なんかしみじみしてイイね
84名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 08:39:00.72 0
>>78
フクπの「形」は変わっても「カタチ」は変わらない
そういうことですよね!(違

導く立場のさゆみ先輩がいいですね
色々な経験をしてきたんだろうなあと思わせてくれて
85名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 10:55:10.44 O
あげ
86名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 12:28:58.01 0
寄せて
87名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 14:02:04.34 0
詰める
88名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 14:17:57.69 O
偽乳特戦隊
89名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 15:35:09.64 O
ノォォォォォォ
規制されたッッ
90名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 17:27:23.41 0
ご愁傷様
91名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 18:54:53.41 0
支援
92名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 20:28:35.47 O
雨の夜
93s854031.xgsspn.imtp.tachikawa.spmode.ne.jp:2013/04/02(火) 20:51:52.16 0
書けるかな?
94名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 22:05:12.05 0
あげ
95名無し募集中。。。:2013/04/02(火) 23:23:10.78 O
作品待ち
96名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 00:06:22.06 0
全国同時共鳴会より帰着
97名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 01:24:51.38 O
おやす
98名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 03:06:10.39 O
眠眠打破
99名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 06:04:41.57 0
おはよう
100名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 07:13:43.83 0
100をもらり
101名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 09:09:23.68 0
101匹フクちゃん
102名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 10:31:14.64 O
なにその天国
103名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 12:40:22.14 0
104名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 15:04:38.53 O
105名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 17:00:47.75 0
たたかいのときはきた
106名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 17:18:57.61 0
リゾスレ5周年記念&80話記念チャット大会をもし本当にするなら・・・

@4月12日(金)の夜
A4月13日(土)の夜
B4月12日(金)の夜も13日(土)の夜も
C4月12日(金)〜14日(日)まで昼夜問わずぶっ続け

どれがいいですか?
107名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 18:57:55.84 0
A
108名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 20:25:13.98 O
Aかな
109名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 21:41:08.10 0
あげ
110名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 21:57:30.74 0
圧縮早いから注意
111名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 22:38:05.99 O
@だと参加できないです

チャット内容は後日保存して、
見れる用になりますか?
112名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 22:52:40.19 O
今のところ2があいてます
113名無し募集中。。。:2013/04/03(水) 23:12:58.92 0
2でいいよ
114名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 00:09:27.39 0
土曜が一番長く参加できます
昼間参加できるのは日曜だけかな
115名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 01:35:29.79 0
おやすみ
116名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 04:25:54.28 O
寝るダ
117名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 06:49:15.81 0
起きたダ
118名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 08:04:15.34 0
>>106ですみなさんどうもです
では5周年を迎えたその夜にということで
入口は多分したらばの方に設けると思います
119名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 09:10:27.27 0
オツナンデス
120名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 11:59:17.39 0
121名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 12:07:10.12 0
>>111
すみません答え損ねていました

>チャット内容は後日保存して、見れる用になりますか?
あまりに発言数が多くなると全部は残らないかもしれません
参加者のどなたかが保存していてくださればあるいは・・・
122名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 14:20:23.98 O
主催者様ありがとうございます
当日楽しみにしております
123名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 15:24:46.68 0
その日は参加できなかったらログで見させてもらおう
124名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 16:31:39.24 0
あげ
125名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 17:42:30.28 O
あげ
126名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 19:31:47.67 O
唐揚げちょうだい
127名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 19:31:57.29 O
ほぜなむ
128名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 20:07:50.52 0
 
;(´⌒;;     
⌒;(´⌒(´⌒;;       人 [ダークマター]
;´⌒;(´⌒;´⌒;´⌒; (*・ゥ・)ノ
(´⌒;´⌒;(´(´⌒;(´⌒; @
""""'""'''"´''´''""'""""""""'""'''"´''´''""'""""
129名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 20:58:16.48 O
ダーク股ですか
130名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 22:10:10.69 O
ほぜにゃんぱにゃにゃん
131名無し募集中。。。:2013/04/04(木) 23:18:54.71 O
早いけど寝るナント
132名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 00:22:20.76 O
寝るの早すぎ
133名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 00:52:59.98 I
「リゾナンターに1人、スパイを送り込もうかと」
「このタイミングでか?」
「メンバーも半分近く入れ替わり、しばらく経ったので」
「しかしなあ、子どもの力なんてまだまだ非力。わざわざスパイまで用意して調べる程の事は
「先日の交戦で、著しい成長が見られました。逐一情報を得る手段があっても良いかと」
「ふーん。わかった。で、スパイは誰にさせる?」
「エッグ≠ゥら選びました」
「ほう」
「入れ」

ガチャ

「失礼します」
「……こんな小さい子どもに、スパイを?」
「11歳ですが、相当の訓練を受けています。不足はないかと」
「……保有能力は?」
「透視≠ナす」
「透けて見えるだけか? それなら千里眼≠ュらいの方が
「大丈夫です」
「……あんたが言うなら。その子に任せるわ」
「ありがとうございます」
「じゃ」

ガチャ

「お前の任務は、リゾナンターに接触し逐一報告する事。特に4人の新入りについて詳しく頼む」
「わかりました」
「元エッグの譜久村だが、あいつの記憶からエッグに関する事を消してある。お前の事も覚えていないから、その点では心配ないだろう。しかし、新垣には気を付けろ。些細な事からお前がスパイだと見破られる可能性がある」
「はい。裏切りは許せませんが、今回は調査に専念します。粛清はその時まで、と言う事ですね」
「ああ」
「期待に添える様に頑張ります。全ては、ダークネスが創る能力者の理想の世界の為に」
134名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 00:54:16.98 I
>>133
兼保全作
135名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 01:23:58.19 O
>>134
乙です
11歳の子が誰だか気になりますね
年が近いのはマリア様かわださくちゃんですが
136名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 03:45:56.23 O
おやすみなさやし
137名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 06:27:19.54 0
おはりぞ
138名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 08:07:36.26 0
ーと
139名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 08:27:53.84 O
おはなんと
140名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 10:25:12.09 0
ぱにゃにゃんとびるー
141名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 11:44:38.29 0
ノハ*゚ ゥ ゚)川c ’∀´)
142名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 13:00:49.29 O
飯石
いいいし
いーいし
石井
143名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 14:02:48.45 O
昼ナント
144名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 15:10:28.68 O
ガキさんが殺人鬼に
145名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 15:31:11.15 0
146名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 16:56:27.08 O
だって、偶然だから…
147名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 17:03:17.79 0
昨日、しょーごさんと星のはなししてたんですけど
オリオン座の真ん中の3つの星には
ロマンチックな説があるらしいよ?
昨日は教えてくれなかったけど?
てゆか今日の食事会でも教えてくれなかったけど!明日絶対きこー?

空みると、時間わすれる?
いやなこともおっきく包んでくれるみたいで?ふあーってなれるから好きです?

そして
ひとを好きになった。
こんなに素敵な大人って
いるんだなあって
なんども思いました。
http://gree.jp/c_ute/blog/entry/602801146
148名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 17:07:23.06 0
俺の弟と同じ名前
149名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 17:16:47.63 0
なんのこっちゃ
150名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 17:18:05.64 0
いやん(はーと)
151名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 17:52:27.47 O
将を護ると書いてしょーごさんだぜかっけー
ってなんでしょーごスレになってんだよw
152名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 19:51:54.96 O
ほぜほぜ
153名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 20:00:23.52 O
ほぜなん
154名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 21:24:18.61 0
155名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 22:16:55.52 0
オリオン座限定で詳しい男とかキモいだろw
156名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 22:19:01.08 O
女ならいいのか
裏切るかもしれないのに
157名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 22:48:22.67 0
ノノ*^ー^)つーーー>>156
158名無し募集中。。。:2013/04/05(金) 23:55:51.21 T
おぢたんは兄重キュンになら遊ばれても良い保全
159名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 00:28:40.43 O
おやすみ保全
160名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 00:29:33.35 0
双方向クイズ見ないの?
161名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 00:41:29.10 O
仕事場からだから見れないのよおやすみ
162名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 01:08:32.52 T
>>161にうええおえええ丼テラ盛りを出前してあげて
163名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 01:15:22.20 O
下剋上されてもた
164名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 02:40:28.25 0
おやすみ
165名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 03:13:31.84 O
おやうに
166名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 07:29:02.81 I
ちまたでうわさのせくしー
167名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 07:49:30.75 0
おやじ
168名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 09:35:47.16 O
おはぽん
169名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 10:35:43.55 0
久々にhttp://www35.atwiki.jp/marcher/pages/725.htmlつづき投下します


れいなは周囲を見回した。
無間の闇とはよく言ったものだが、れいなを包み込んだのはまさにそれだった。
いったいなにが起きているのか、状況を把握するにはあまりに困難だった。

「さゆ……?」

れいなは闇に問いかけるが返事はなかった。
天上を仰ぐが、そこには先ほどまであった寿命が尽きそうな蛍光灯が存在しない。
床を見下ろしても、自分がそこに立っていることを自覚するには難しい闇が広がっていた。
いったいなんだ。此処は何処だ?なにが起きている?

「れいなは、耐えられるの?」
「え……?」
「この闇の中、ひとりで佇んでいられる?だれもいない中、れいなだけの世界で、生きていける?」

さゆみの声が遠く聞こえた。
彼女の話す意味が分からない。いったいなにを言っているのだ?
いやそれよりも、れいなを深く包み込んだこの闇はなんだ?
暗闇や夜の闇とは違う。擬似的につくり出されたような感覚ではあるが、どうしてそれが此処に出現しているのか理解できなかった。

「ねえ、れいな。どうする?」

さゆみの声が響いた。
れいなは方向感覚を見失いそうになるが、必死に奮い立たせた。
短くなる息を吐きながら、拳を握りしめる。

「私と、闘う?」

その声はまるで氷のように冷たくて、一瞬、さゆみであることを疑うほどであった。
170名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 10:36:21.34 0
-------

爆発のあった次の日の夜、さゆみはひとり、あの廃ビルの址に来ていた。
警察や消防が爆発の原因を調べているが、根幹にはたどり着かないだろうなとさゆみはくるりと踵を返す。
数メートル先の路地に入り、パソコンを起動させた。周辺地図を呼び出し、地下の下水道を確認する。
目当てのマンホールを見つけると、さゆみはそっとそれを持ち上げ、地下へと潜った。

下水道特有の匂いに鼻を曲げながら、あの地下室へとたどり着いた。
倒壊の危険も鑑みてか、建物内部には警官は待機させていないようだった。
さゆみは例の培養液の入っていたカプセルのあった、部屋の中心まで歩く。

「……ま、そうだよね」

カプセルは綺麗に粉砕し、跡形もない。
中に入っていた培養液も何処かに流れ去ったのか、存在しない。一通り部屋を見回すが、特に目新しい収穫はなかった。
報道によると、身元不明の遺体が数体、発見されたらしい。損傷も酷かったが、辛うじて、死後数日経過していたことが判明した。
つまり、少なくともその遺体は、里沙やあの科学者のものではなく、科学者が実験材料として使っていた人間だと分かる。
里沙が死んでいないことを喜ぶべきか、それとも死んでいた遺体に黙祷を捧げるべきか悩んだ。

「資料……」

結局そのどちらもすることなく、室内に保管されているであろう資料を探した。
爆発による損傷は酷いものの、なにか手掛かりがあるかもしれないと棚を開ける。
だが、ひしゃげた棚の中にあったファイルや書類は綺麗に焼け焦げ、読めるようなものはない。
ため息を吐きつつ、何人かの「実験体」が入っていた牢へと近づく。
171名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 10:36:53.18 0
鼻の曲がるような匂いを堪え、牢へと入った。
おおよそ食料とは思えないようなものが与えられていたことや、此処で排泄をさせていたことがなんとなく分かった。
あの科学者が大切にしていたものはデータそのものであって、被検体のことはどうでも良かったのだろう。
さゆみは下唇を噛みながら、牢を見回す。

一箇所、床の色が微妙に違うことに気付いた。
爆破の影響だろうかとも思ったが、どうもそうではない。
さゆみはその床を指で叩き、他の床と比較した。音が違う。なにかが此処に在ると直感した。
ひしゃげた鉄の棒を持ち、ゆっくりと力を込めて床を押すと、ガコンと穴が開いた。
そこは外へと通じる道、「抜け穴」になっていた。
此処を進めば、何処かに避難することはできる。里沙が此処を通って脱出した可能性も、ゼロではない。
しかし、あの爆発に巻き込まれたという可能性は依然として存在する。
さゆみは前髪をかきあげ、再び室内を歩いた。

多くのコンピュータが置いてあった机を確認する。
なにか資料はないかと探すが、先ほども確認したように、焼け焦げからはなにも発見できない。
下唇を噛みながら壁を叩くと、再び音が違う箇所があることに気付いた。
さゆみは思い切りその空洞音の箇所を殴ると、ボゴンと勢い良く凹んだ。壁の中にあったのは、いくつかのファイルだった。
良い収穫になりそうだと急いで確認する。
ぺらぺらと何枚か捲ると、そこには見たこともないような薬品の名前と効能が記されている。
此処で投与していた薬品も、そのひとつなのだろうと推測される。

「人権なんてあったもんじゃないの…」

あるファイルの最後のページを捲ると、そこにはSDカードがテープで貼られていた。
さゆみはそれを手にしていたパソコンに接続する。
早速パスワードを要求される。そこそこの信憑性はありそうだと、さゆみは座り込んだ。
172名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 10:37:24.73 0
-------

何重にも掛かっていたパスワードと格闘すること90分、さゆみは漸く、SDカードの本体に入り込むことに成功した。
これほどの厳重なセキュリティが罠であるとは考えにくい。
さゆみは慎重に、SDカードの中の情報を読み取っていく。

「これは………」

カード内にある情報はいくつかある。
薬品の名前、効能、そして、ここ数年、全国各地で発生していた立てこもり事件のデータだった。
実験に使う薬品のことが書いてあるのは分かるが、なぜ立てこもり事件をデータベース化しているのかが分からない。
しかもこれほどに厳重にロックをかける必要性が何処にある?
さゆみは資料をスクロールしていくと、その中に、あの日の事件の名前を見つけた。

「なんで……?」

それは絵里が離脱するきっかけとなった病院立てこもり事件だった。
あの事件は、病院長や外科部長たちに対する逆恨みが動機だった。犯人らはインターネットを通じて知り合い、犯行を実行した。
素人がなぜあのような爆薬や銃器を入手できたのか、警察の発表によると、主犯格の男が海外から持ち込んだというものだった。
だが、主犯格の男はそれを否定しているというニュースをさゆみは見ている。
ニュースを伝えたアナウンサーは冷ややかにそれを報じていたが、さゆみはそれに疑問を覚えた。
そんなバレるようなあからさまな嘘をつく必要が何処にある?

「まさか―――」
173名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 10:37:56.07 0
ふと、思った。
仮に主犯の男の供述が真実だとしたら?
報道によると、犯人らのメールには確かに主犯の男が爆薬や銃器を購入したことが記載されていた。
もしこれが、主犯の送信したものではなかったとしたら?
メールは別の人間が作成し、送信したもの。そして裏で操っていたものこそがダークネスだとしたら……?

「絵里を、絵里を傷つけたのは…」

絵里がリゾナンターを離脱する経緯となった事件の主軸が、一般市民の犯罪ではなく、ダークネスだったとしたら。
さゆみの怒りが急に沸点へと達す。
勢いよくパソコンのカバーを閉じた。
ずるずると膝を折った。呼吸が短くなる。心臓が早鐘を打つ。血が巡る。頭痛がする。奥歯を噛みしめる。

「絵里っ―――!」

この段階では仮定以外の何物でもない。だが、あの事件にダークネスが何らかの形でかかわっていたことは事実だった。
ダークネスに関係しない一般人の犯罪に、リゾナンターが干渉することは禁じられていた。
あのとき、上層部たちはさゆみたちに連絡のひとつも入れなかったため、れいなとさゆみは、この事件の犯人はダークネスとは無関係だと判断した。
だが、実際はそうではなかった。
本当に上層部が把握していなかっただけなのか。ダークネスの暗躍に気付いていなかっただけなのか。
それとも、本当は知っていたにも関わらずなんらかの理由でさゆみたちに連絡を入れなかったのか?

―“解体”を目的として………?

瞬間、ぞわりと背筋が凍った。
さゆみが顔を上げると、入り口には彼女が立っていた。
174名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 10:38:28.03 0
「あれ。気付かれないように近付いたはずなんだけどなー」

軽口を叩いた彼女にさゆみは身構えた。
しかし相手は大袈裟に肩を竦めたかと思うと、両手を挙げて丸腰であることをアピールした。

「こんな場所で闘うつもりはないよ。そういう目的で、此処に来たんじゃないから」

彼女の言うことにさゆみは耳を貸さなかった。
この状況で相手の言うことを信じる方がバカというものだ。
さゆみが真っ直ぐに彼女を射抜くと、彼女は困ったように笑って「まあいいから話を聞いてよ」と一歩近づいた。

「それ以上来ないで下さい」
「だから待ってってば。闘う気はないんだよ」
「一歩でも近づけば、攻撃します」
「もー。分かった。じゃあこの位置から話すよ。ちゃんと聞いてね?」

彼女―――氷の魔女はそうして立ち止まり、両手を下ろした。
さゆみは構えを崩すことなく、対峙する。
恐らくれいなであれば、迷うことなく飛び掛かったはずだ。だがなぜか、さゆみは躊躇した。

「そっち、いま大変みたいじゃん。半年間で人員減りすぎでしょ」
「それがどうしました?」
「事実を言ってるだけだよ。そんな怒らないでってば。で、これからどうしていくわけ?」

どうしていくか、という問いに、さゆみは言葉に詰まった。
小春に始まり、ジュンジュン、リンリン、絵里を失い、リーダーである愛、愛佳、里沙も去っていったいま、残されたのはさゆみとれいなだけだ。
残ったふたりで、これからの未来をどう生きていくかなど、考えたこともなかった。
175名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 10:38:59.80 0
「いまはあのヤンキーちゃんとふたりだけでしょ?そんなんでウチらに勝てるわけ?」
「そんなことあなたたちには関係ありません。ふたりしかいない絶好の機会ですから、闘いに来たんですか?」
「だから結論を急ぐなって。違うし。私はさ、シゲさんを誘いに来たんだよ」

彼女にはなぜか、シゲさんと呼ばれることが多いが、その呼び名は嫌いだ。
そんなことはどうでも良いのだが、「誘いに来た」とはどういうことだ?

「シゲさんさ、こっち側に来ない?」
「……なにを言ってるんですか?」
「そのまんまの意味だよ。リゾナンター抜けて、こっちに来ないかって言ってんの」

勧誘というものを、さゆみは初めて受けた。
こんなに可愛いというのに、街中を歩いていても、モデルや女優の誘いなんて一度も受けたことはない。
宗教の勧誘ですら受けたことはないのだが、それはかえってありがたかった。
そんなさゆみが生まれて初めて受けた勧誘は、敵対するダークネスの幹部クラスからのものだった。

「あり得ません。あなた方にも何のメリットがあるんですか?」
「これは私個人の意思だよ。上層部には関係ない」

氷の魔女はくるりと背中を向けるとまるで脚本を読むように芝居じみた風に話始めた。
ダークネスの目的は世界の統一と支配。
総帥を頂点とした能力者集団であるが、お世辞にも統率が取れているとは言えない。個人主義であり、実力主義が徹底されている。
魔女もまた、目的を共有しているのみで、総帥に絶対服従しているわけではなく、自由に動くことができる。

「シゲさんの治癒と破壊の両極な能力は、やっぱり欲しいわけよ私は」
「このチカラをあなたの為に使えと?」
「考えてもみなよ。いまシゲさんは泥船に乗っている。7つの大砲を撃ち込まれ、もうあとがない。それでもまだ、その船に乗りつづけるわけ?」
176名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 10:39:31.17 0
さゆみの拳は微かに震えた。
言い返せない自分がいることに腹が立っていた。
いま、リゾナンターにはふたりしかいない。もうだれも、残っていない。それでも尚、留まる意味があるというのか?
そもそもなぜ、この段階になってまで、私は此処に居るんだっけ?

「なにを考えてるか分からない上層部に仕えるより、こっちに来た方がその能力はもっと有効に使えると思うんだけど」
「……そんなことっ」
「いつまで“上”についていくつもり?やめときなって。自分の頭で考えて行動した方が絶対に良いよ。私みたいに」

矢継ぎ早に言われさらに閉口する。
口が達者だと自覚していたはずなのに、なにひとつ言い返せない。
魔女はくるりと振り返った。相変わらず笑ったまま、こちらを見ている。
冷たい微笑に、背筋が凍る。なにも考えていないようで、静かな意思を持った瞳に、震える。
これが氷の魔女と恐れられる所以なのだろうかと改めて感じた。

「時間をあげるよ。決心がついたらまた此処に来て」

さゆみが「行きません」と発する直前、冷たい風が飛び込んできた。
思わず腕で目を覆うと氷の粒が走ってくる。頬がかすり、傷ができた。血が微かに伝う。
目を開けるとそこにはもうだれもいなかった。室内の数ヶ所が凍りついている。
足元のパソコンを確認したが、こちらには何の問題もないようだ。
力がどっと抜け、さゆみはぺたりと腰を下ろした。
177名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 10:40:03.89 0
 
―――「リゾナンター抜けて、こっちに来ないかって言ってんの」


―――「シゲさんは泥船に乗っている。7つの大砲を撃ち込まれ、もうあとがない。それでもまだ、その船に乗りつづけるわけ?」


―――「自分の頭で考えて行動した方が絶対に良いよ」



先ほど魔女が残した言葉が頭をよぎった。
敵の言葉を真に受けて心を狂わせるなど愚か者のすることだ。そんなこと百も承知だった。
それなのに、考えないようにすればするほど、さゆみの心に巣食った闇は徐々に膨らみ、静かに侵食を深めていった。
パソコンを持ち、のろのろと立ち上がる。
もうこれ以上、この場に居てはいけないと、歩き出した。
帰ろう。早く、早く帰らなくては。

帰る?
何処に帰るというのだろう。もう、帰る場所なんてとっくにないのかもしれない。

小春の笑顔が、ジュンジュンの膨れっ面が、リンリンの驚いた顔が、絵里の寝顔が、愛のとぼけた顔が、愛佳の困った顔が、里沙の怒った顔が、浮かんでは消えた。

足を止めないように必死だった。
ずるずると重い体を引きずるように、さゆみは下水管へと消えていった。
178名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 10:40:37.20 0
 
>>169-177

ひとまず以上になります
れいな卒業まででに最後の景色が描けるか微妙ですがとにかくがんばります


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

以上転載しました
179名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 11:20:46.65 0
作者も代理も乙
なんな魂が打ち震えるような展開だねえ
180名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 12:09:54.00 O
>>178
更新乙です
れいな卒業までにどんな結末を迎えるんでしょうか…
181名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 14:03:38.34 0
あげ
182名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 15:34:30.04 O
更新と代理お疲れ様です
待ってた甲斐がありました
183名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 16:03:51.15 0
>>178
一番最初に描かれた場面に遂に繋がりつつありますね
あのときどこまで世界が浮かんでいたのか分かりませんがいよいよ大詰めでしょうか?
必ず最後まで見届けますので必ず最後まで描き切ってください
184名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 17:05:02.00 O
期待あげ
185名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 18:38:40.44 O
ほぜ
186名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 19:50:46.36 O
低気圧あげ
187名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 20:06:52.24 O
おつ!
一番初めに保全代わりとして投下された場面に繋がるのかな
最後の景色待ってます
188名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 21:28:16.62 0
落とさない
189名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 22:06:11.63 O
落とさせない
190名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 22:47:34.62 O
作者乙!代理乙!
そして、ど〜するちゃゆうぅぅ!
191名無し募集中。。。:2013/04/06(土) 23:49:32.67 I
スレが盛り上がってきたぜ!完結期待
192名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 00:15:38.36 O
たまにこういう期待の続きものサプライズがあるからリゾスレはやめられない
明日も滞ってた昔のシリーズとか復活しないかなと願いつつおやすみなさやし
193名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 01:31:08.97 O
寝るナント
194名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 04:39:53.22 0
おやすみ
195リゾナンターΧ(カイ):2013/04/07(日) 07:29:43.68 0
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/696.html の続きです



敵も、そして味方も。
次々に倒れていく。立っているのは自分と、敵方のリーダーだけ。
確かに、里保は彼女のと戦いを予感していた。けれど、こんな状況は決して望んではいなかった。

否。
これが戦闘、これが戦場。
味方の損傷が酷い。特に衣梨奈・春菜・聖・優樹は一刻を争う状況だろう。治癒の手段を持たない里保が唯一やれることは、相手を素早く切り伏せてこの異空間から離脱すること。
元の世界には愛佳もいる。ただ、事は一刻を争う。

だが、そんな里保の差し迫った思いを知ってか知らずか。
例のリーダーは鷹揚とした口調で言うのだった。

「ねえ、先にお互いの味方の手当て、しない?」
「えっ」
「だってさ。気になるでしょ」
「それは、そうですけど」

舞美の提案に口淀む里保。
水軍流兵法、いや、全ての集団戦闘において、相手が這い上がる隙は絶対に与えないのがセオリー。
増してや、わざわざ敵のメンバーに手当ての時間を与えるなどもっての外だ。

「異議なし。ってことで」

舞美が、にっと笑う。
この人は、本当にダークネスの手先なんだろうか。
里保の中にあった疑念が再び、頭をもたげる。
だが、今はそんなことを気にしてる場合じゃない。
慌てて、負傷して倒れているメンバーたちのもとへと走っていった。
196名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 07:30:34.99 0
水軍流にて止血法を会得していたため、里保は死の危険性から四人を遠ざける事に成功した。
ただ、ここから解放され次第すぐに治療を受けなければいけないことには変わりないが。

時を同じくして、舞美もまたメンバーたちの応急処置を終えていた。
目を閉じ横たわっている四人の仲間の顔に手をあて、それから声をかける。

「ごめんね。頼りないリーダーで。でも、やじ…みんなの分まで…頑張るから」

その言葉は、一つの決意。
決意を胸に、舞美は空間の中央へ歩き始めた。

そこには、里保がいた。
二つの瞳が、まっすぐに舞美を射抜く。

「・・・はじめよっか」
「遠慮は、しませんよ」

確かに、目の前の人物は甘い、けれど素晴らしい人なのかもしれない。
けれど、戦いの場において考慮すべき項目ではない。
雑音を遮断し、己の刃に意識を集中させる。
それが水軍流を継ぐものの、いや。リゾナンターの一員である自分がすべきこと。

決意を示すかのように、愛刀「驟雨環奔」を抜く。
一太刀目は、中段の薙ぎ。
避けるために後ずさる舞美を、さらに里保の斬撃が追う。

「若いのに、いい腕してるね」
「まだまだ、これからです!!」

大きく踏み込み、下段構えからの斬り上げ。
横にかわした舞美が、反撃に出る。里保の懐に飛び込み、そのまま正面からの掌底。
197名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 07:31:27.15 0
やっぱり、能力強化系!!

里保は、舞美の体格を一目見て、自らの筋力・瞬発力の強化が可能な能力者だと判断した。
見るからに鍛えられあげたと思しき肉体からもそれは明らかだった。
そして彼女の読みどおり、近接による格闘を仕掛けてきた。

バックステップをしつつ、里保は腰のホルダーからペットボトルを取り出す。
もう温存の必要は無い。中身の水を全て、周囲に振りまいた。

「水使い!」

舞美が気づいた時には、既に里保の周りを大小の水の玉が取り囲んでいた。
追撃のために加速した動きは止まらない。
里保の刀での攻撃を避けて、中断への攻撃を仕掛けるも、浮遊した水の塊が盾となりダメージを与えられない。
逆に、別の水球から打ち出される剃刀のような切れ味の水流をかわすために、相手との距離を取らざるを得ない。

攻防ともに隙のない戦闘スタイル。
近距離にも遠距離にも対応できる里保のスタイルは、舞美の近接攻撃を無効化した。
近づけば斬撃と水での攻撃の餌食、かと言って離れていても遠くから水が飛んで来る。

それでも舞美が取った選択肢は、攻撃を仕掛けること。
一旦離した距離を再び縮め、手技、足技の応酬。迎撃のために打ち出された水流を素手で弾き、蹴りで断つ。
当然、手足は水の鋭さで裂かれ、血飛沫が舞う。それでも、舞美の動きが止まることはない。ついには、里保の目の前まで近づいてしまう。
その勢いは激しく、刀身で受けでもしたら間違いなく、体格差により弾き飛ばされてしまう。結果、里保は身をかわすことでしか応戦できない。

しかし、いかに相手が体力自慢だとしても、今の勢いが続くわけがない。
当然のことながら、スタミナ切れを起こすはず。手足の損傷にしても、軽視できるものではない。
なのに、舞美は全身汗まみれになりながら、笑みすら浮かべて攻撃ラッシュをやめようとしない。
何か、あるはず。里保は反撃の期を窺いつつも、相手が出してくるであろう別の手について最大限に警戒していた。
198名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 07:32:00.40 0
「ま、こんなものかな」

突然のことだった。
舞美がひとりごちつつ、里保との間合いを大きく広げる。
もちろん、消耗したスタミナの回復のため、などとは里保も思ってはいなかった。
「驟雨環奔」を斜に構え、いつでも斬りかかれるような体勢を取る。

里保の集中力は、剣の切っ先に向けて高まり続ける。
それこそ風の僅かな動き、相手の呼吸を肌で感じ取れるほどに。
しかし肌を水滴が、二、三度打つ。それで彼女の集中力は乱れてしまった。
決して意識を緩めたわけではない。ただ、不可解なのだ。

舞美とのやり取りで身体を動かしたものの、汗が出るほどのものではない。
とすれば。里保の肌を落ちていったのは、何の水滴なのか。
答えは水滴の連続によって導かれる。雨だ。

「そんな、雨だなんて」

狐に化かされたかのような表情で、上を見上げる。 白い天井。なのに、そこから、雨が降り注がれる。
ここに自分達を導いた女は、ここが異空間だと言った。密閉空間の中で雨が降るのも、また異空間ならではのことなのか。

「ごめんね。私、雨女なんだ」

舞美の一言で、里保は思い出す。
彼女が喫茶店に現れた時、天気だった空が雲に覆われてにわか雨に見舞われたことを。
あれは、この人の力だったのか。彼女の真の能力は、自分と同じ「水使い」。
でも、部屋の中で雨を降らすなんて。どうして。

その理由は、舞美の過剰とも言うべき攻撃ラッシュにあった。
大量の汗をかくことで、雲を呼び、空気中の水分を寄せ集め雨とする。
無駄とすら思えた手数は、全てこの状況を作るためのものだったのだ。
そして雨は一段と激しく、里保の身体を打ち続ける。これは彼女にとって、あまりよくない状況だった
199名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 07:32:35.17 0
水を操る技術が熟練していない里保にとって、過剰な水の存在は自身が操る水のコントロールを不安定にする。
雨の激しさで張り付いてゆく額の髪を掻き分けながらも、その表情が曇ってゆく。

「あなたが雨女だろうと、関係ない」
「じゃあ、存分に戦えるね」

土砂降りになった雨の中で、舞美が微笑む。
全身が、かいた汗でなのか雨でなのかわからないくらいに濡れている。
そんな舞美を見ながら、里保は次の舞美の出方に気を払っていた。

水による遠距離攻撃か。
それか、先ほどのような肉弾戦を絡めた複合攻撃か。
どちらでもいいように頭の中でシミュレートしつつ、刀を携え駆け出した。

しかし舞美は微動だにしない。
防御の体勢を取らないということは、つまりそうする必要がないから。
何が出るか。攻めあぐねて隙を作るより、果敢に攻めたほうがいい場合もある。
里保は持ち前の戦闘センスで後者を選択し、舞美に斬りかかった。

綺麗に決まる、袈裟懸けの斬撃。
しかし曖昧な手ごたえが、刃に伝わる。その感触はいかにも不可解。
刀を素手で弾いたのか。いや、それにしては衝撃が鈍すぎる。

よく見ると、舞美の体全体を、雨が、水が覆っていた。
舞美は雨や汗で濡れていたのではない。むしろ、雨を纏っている状態。
先ほどの里保の斬撃は、言わば水の鎧によって完全に防御されていた。

「…今度はこっちから、行くよ」

絶大な防御能力を手に入れた舞美が、里保目がけ走る。
迂闊に近寄らせたらまずい。弾丸のように突っ込んでくる相手を、牽制する必要があった。
200名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 07:33:12.11 0
里保が周囲に漂わせていた水球から、打ち出される水流。
鋭く差し迫る水の銃弾を、舞美は避けもせずその身に喰らう。
まったくの無傷。勢いが完全に水の鎧によって殺されていた。

次に、里保は水球を自らの正面に繰り出す。
足止めができないのなら、水際で止めるしかない。
相手の攻撃を凌ぎつつ、その隙を窺うという次の一手のための防御でもあった。

だが、信じられない事に。
里保が張り出した水のバリアは、舞美の一撃の前にまったくの無力であった。
舞美を避けるかのように、二つに分かれる水の盾。里保は防御の体勢を取らせてもらえずに、強烈な拳をその体にめり込まされる。

後ろに大きく吹き飛ばされる里保。
インパクトの瞬間に体を後ろに逃がすことで、致命的なダメージを負うことはなかったものの。
自らの意にそぐわない、水の動き。

この場全体が、あの人に支配されつつある…!!

里保は今自分が対峙している相手の能力の高さと、自らの不甲斐なさに悔しさを隠せなかった。

同じ能力を持つものの戦いにおいて大きなウェイトを占めるのは、精神力。
この点において、里保は舞美に遅れを取っていた。
加えて降りしきる雨、水に囲まれた環境が、里保の精神状態に悪影響を与える。

焦りは苛立ちを生み、拙速な攻撃となって表に表れる。 苦し紛れに繰り出した一振りは、難なく舞美に避けられた。

「本気、出してないんだね。そんなに甘く見られてるのかな、私」
「・・・うるさいっ!!」

焦燥を刃に乗せ、胴を薙ぐ軌跡。
それも纏われた水の鎧を前にして、水面を掻くだけに終わる。
強い。これまで戦ったどの相手よりも。
201名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 07:33:45.45 0
それを痛感しつつも、安易な攻めを止める事ができない。
息は乱れ、防御より攻撃に大きく舵を取られる。里保は珍しく、冷静さを欠いていた。
そして考えなしの大振りがかわされ、がら空きの背後からの一撃を横腹に見舞われる。強い衝撃をまともに受けた里保は、水溜り
の上にもんどり打って倒れた。

「こんな、こんな攻撃で!!」

たった一撃で倒れるわけにいかない。
全身を濡らしながら、再び里保は舞美に立ち向かう。

刀を振るい、刃を交わしながらも、里保はある一つの大きな変化を感じていた。
水の支配権が、奪われはじめている。
同じ水を操る能力者が精神力の強さによって奪い合うものが、水の支配権。
これを相手方に握られてしまうと、水を操ることはおろか、形成さえ困難になってしまう。
それが、現実のものとなって里保の身に降りかかっていた。

その証拠に水の盾を形成することでさえ、体力の消耗が少なくない。
相手の水に対する影響力が里保にまで及んでいることの証拠だった。

こうなると最早攻撃手段としては手にした愛刀「驟雨環奔」による剣技のみ。
それにしたところで、今の里保の精神状態では技の冴えが鈍ってしまう。

どうしたら…いい?

追い詰められていた。
普段は冷静な里保が、自問自答することでしか現状に抗えない。
思考に偏り隙だらけの状態を、舞美は見逃さなかった。

素早く懐に飛び込んでの、ボディへの一撃。
骨が軋む。だが激痛に身を委ねる前に更なる攻撃が襲いかかる。
肝臓。胃。腎臓。そして心臓。降りしきる雨同様に矢継ぎ早に繰り出される拳に、里保の防御が追いつかない。
それぞれに大きなダメージを受けながら、再び水溜りに体を投げ出された。
202名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 07:34:19.69 0
一撃一撃が、意識が飛んでしまいそうなほどの威力。
そのぎりぎりで踏みとどまっていた里保だが、さっきまで手に握っていた刀の感触が失われていることに気づく。どうやら吹き飛
ばされた時に手放してしまったようだ。
よろよろと立ち上がる里保。刀を拾いに行こうと動いたその時。

「はい。素手じゃ、戦えないでしょ?」

ありえない。
舞美は、飛ばされた里保の刀を拾いに行き、あまつさえそれを手渡そうとしていたのだ。
外的要因、内的要因によってかき乱され続けてきた里保の感情が、ついに限界を迎える。

「なんで、何でですか!!」

怒りに任せ、舞美が手にしている「驟雨環奔」を叩き落す。
瞬時に奪い取り、そのまま斬り伏せる。そんなことを思いつかないくらいに、感情が昂ぶっていた。

「何となく、そうしたいと思ったから」
「あなたは、あなたは!ダークネスの手先じゃないですか!闇の手先なら闇の手先らしく、汚い手で私を殺せばいいのに!どうして、どうして!あなたみたいな人がどうして、ダークネスなんかに手を貸してるんですか!!!」

里保の叫びは、激しい雨音にかき消される。
少しの静寂。舞美は、ゆっくりと、けれど力強く語る。

「あたしたちには、やらなきゃいけないことがあるから」
「・・・・・・」
「ダークネスの目的は、能力者が虐げられない世界を作ること。だからあたしたちは博士に…ダークネスについていくことを決めた」
「嘘だ!!」

里保は当然の如く、反駁する。
虐げているのは、ダークネスのほう。能力を悪用し、闇の世界に君臨している。そのダークネスが『能力者が虐げられない世界』を作るなど。
しかし、舞美は首を振る。
203名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 07:34:58.64 0
「ダークネスは理想を叶えるため、そして世界を勝ち取るために、あたしたちみたいな身寄りのない子たちを人工能力者として戦力にしてる」
「えっ」
「訓練と称した人体実験。辛かったな。けど、ううん、だからこそ。これ以上、あたしたちみたいな子を作っちゃいけないんじゃないかって」

悲劇をこれ以上生まないために、悲劇に手を貸す。本末転倒。
だが、これ以上彼女の意見を否定することはできなかった。

その時里保が舞美に見たのは、揺るがない強い信念。
彼女の四人の仲間たちは、その強い信念に惹かれ、戦っていた。四人が舞美に寄せる思い、それはそのまま彼女の強さに繋がっている。

じゃあ、自分はどうなんだろう。
里保は自らの内に訊ねる。
リゾナンターのリーダーだった高橋愛に導かれ、リゾナンターとなり、ダークネスと戦う。
どうして自分達はダークネスと戦うのか。平和の為、能力者に脅かされない未来を作るため。それももちろんある。けれど、その根底にあるのは。

12月24日の惨劇。
その場にいた愛、里沙、さゆみ、れいな、絵里、小春、愛佳、ジュンジュン、リンリン。
彼女たちは深い傷を追った。時がたち体の傷は癒えても、心の傷は未だ癒えていない。
その時の無念は、今もリゾナンターとして現役であるさゆみやれいなから十分に伝わっていた。
なら里保たちを動かしているのは復讐か。いや、違う。

「私にだってやらなきゃいけないことは、ある!」

一度は自分で叩き落した「驟雨環奔」を再び手に取る。
里保が、いや新しくリゾナンターとなった全員がダークネスに立ち向かう理由。
皮肉な事に、舞美の強い意志に触れることでようやく見えてきた。
先々代のリーダーである愛が、リゾナントを去る日に残してくれた言葉を、思い出す。

― これ以上、あーしみたいな人間を増やしたら駄目だ。だから、ずっと戦ってきたんやよ ―
204名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 07:35:39.66 0
ダークネスによって踏みにじられる人間を、これ以上増やしてはならない。
相手に、守りたいものがある。けどそれは、自分達も一緒だ。
信念だけは、貫き通せ。自ら思い描いた言葉が、里保に力を与えた。

見出した覚悟とともにこれまでよりも力強く、舞美に向け踏み込む里保。
繰り出す鋭い一閃。水の鎧を裂くことはできなかったが、その動きはそれまでとは明らかに違っていた。

「・・・吹っ切れたみたいだね」
「おかげさまで」

とは言え、相変わらずの苦境であることには変わりない。
この空間にある水はおよそ舞美の支配権の下に置かれたと言っても過言ではない。
それを盛り返すのは、腕相撲で例えれば、倒されるぎりぎりの自らの腕を中央以上の位置に戻すくらいの労力が要される。
吹っ切れた勢いに任せて、という少年漫画の王道のようなやり方は里保向きではない。そのことは彼女自身が一番理解していた。

ならばどうする。
里保は刀を構えつつ、亜佑美ばりの高速移動で舞美をかく乱し始めた。
もちろん本家には及ばないものの、相手の目を眩ませるには十分の代物だ。

この場に私が操る事のできる水はない。だったら。

舞美を惑わしていたステップが、攻勢に転じる。
体を切り返し、距離を一気に縮めてきた。

これが、互いの最後の一撃になる。
里保の表情から、舞美はこれからの彼女の一手を計った。
牽制の意味を込めた右からのワンツーをかわし、低く屈んだ姿勢からの斬り上げ。
風を斬り雨を遮る鋭い軌跡が、舞美を襲った。

しかし、敵わず。
体力、そして精神力の消耗のせいだろうか。水面を鮮やかに割るはずの切っ先の軌跡は、水の抵抗に負けたかのように激しく波打った。
刀を振りぬいた里保のがら空きの体に、とどめの拳を喰らわせようとした舞美は、あることに気づく。
205名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 07:36:49.07 0
里保の手に握られているはずの刀が、見当たらない。
あるはずの刀は振り上げた勢いのままに宙を舞っている。

まさか、今の攻撃は囮?!

気づくのが遅かった。
刀を手放した里保が、体に捻りを加えながら舞美の側へ。
波立ち乱れた水の鎧に、渾身の力で右の掌を押し込む。

「うああああああっ!!!!」

全てを弾き、拒絶する強固な水のヴェール。
触れようものなら、手の水分と激しく結びつき、皮膚を突き破る。
一見無謀な攻撃。

「あなたの負けです」
「えっ?」

里保の言葉とともに、舞美を突き抜ける衝撃。
何が起こったかわからないという表情をすることしかできない舞美が、目にしたものは。
206名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 07:38:04.52 0
赤い、刃。
舞美の胸に突き立てられたそれは、里保の掌から伸びていた。

水を操り、我が物にする水軍流。その奥の手が、血の刃だった。
自らの血を水に見立て、水と同じように形成し操る。
本来ならば水のない場所において行使される、水使い最後の切り札。

「まいった…な。それは、思いつかなかった」

同じ水ならば、自らの支配下に置く事ができる。
だが、血はそうはいかない。増してや、血を水に見立て操る事のできない舞美には。

舞美を覆っていた水が、はじけ飛ぶように霧となり、消える。
それが、彼女が倒れる合図だった。
水しぶきを上げ、派手に沈む舞美。それは、里保の勝利を意味していた。

勝った。けど、私も、もう限…界…

里保の意識が途絶えるのと、異空間が歪んでゆくのは、ほぼ同時の出来事だった。
207名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 07:44:23.58 0
>>195-206
代理投稿完了
208名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 09:00:33.89 0
水の無い干からびた場所で絶体絶命の鞘師が自らの血を固めて作った刃で敵に止めを刺す話きたあああああ
209名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 09:17:22.57 0
>>207
乙です
強敵との戦いで戦士としての階段を上った鞘師が頼もしいですね
昨日のイベントも中止にさせた舞美の雨女ぶりがネタになってて面白かった
210名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 09:40:06.35 0
干からびた場所じゃなくむしろ水浸しの場所という捻りが効いてるね
211名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 11:06:49.41 O
>>207
投稿and代理乙です
りほりほの戦いぶり堪能させていただきました
212名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 13:02:33.93 O
昼あげ
213名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 14:35:33.28 O
昼下がりの保全
214名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 16:17:22.33 O
ほぜなん
215名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 18:08:09.82 0
支援
216名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 19:39:42.59 O
援助
217名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 20:13:03.24 0
助…助……助役
218名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 21:42:56.43 0
役不足
219名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 21:43:13.04 0
役員…あ、んがついた
220名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 21:44:11.94 0
>>218 ノオオオオオオ時間差ー!!!!
221名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 23:16:19.39 0
役満…あ、んがついた 
222名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 23:26:19.27 0
それ言ったら支援の段階で終わっとるがなw
223名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 23:38:34.85 I
>>218-222
何この流れw 自演だったらスゲーなw
224名無し募集中。。。:2013/04/07(日) 23:45:14.49 O
共鳴だよ
225名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 00:01:25.01 0
共鳴という病名
少なくとも自演ではないw
226p262220-ffoma1yoyogi.tokyo.ocn.ne.jp:2013/04/08(月) 00:01:33.57 I
>>224
さすがリゾスレ
227名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 00:34:05.04 O
共鳴しすぎて全裸になる能力ですか
228名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 02:00:08.18 O
おやすみなんと
229名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 04:31:34.54 O
寝るなん
230名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 05:19:50.79 O
おぱょ
231名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 07:04:21.94 0
朝の光
232名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 09:22:41.24 O
眩しい朝
233名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 09:34:23.59 O
今週はリゾスレ5周年ウィークですよっと
234名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 12:34:05.61 0
235名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 13:40:15.26 O
236名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 15:23:04.27 0
237名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 15:43:26.35 O
238名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 17:06:17.70 0
>>106です
したらばチャットスレにチャット大会に関するお知らせを書いておきましたので
参加を予定されていたり迷っていたりされる方はご参照のほどを
239名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 19:21:24.82 O
夜保全
240名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 19:30:34.31 O
ここ一年くらいのスレしか知らない新参なんだけどこれ読んでたらよりチャット楽しめる
そんな作品を教えてくれると助かります
241名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 19:36:05.96 0
>>240
個人的な意見を言うなら…事前に読むべきものは特にないのでは
新参さんばかりの可能性もあるしw
242名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 20:45:32.42 O
RとRは読んどけ
243名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 21:33:36.30 0
コワルスキーかな
244名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 22:08:04.60 0
リゾナンターの『過去』を描いた話かな
あと一周年記念動画も今更見ると胸が熱くなる
245名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 22:44:41.75 0
チャットでどんな作品が話題になるのか
長くこのスレ見てるんだけど予想がつかない

各リゾナンターの過去話はwikiの「リゾナンター」からそれぞれ辿れる…けどリンクが死んでるんだっけ^^;
まとめサイト(仮)を作品名で検索するしかないかなあ
246名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 22:50:34.71 0
ツイッター全盛の時代にチャットw
247名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 22:55:09.02 0
Twitterもやってるけど万能ではないよとマジレス
248名無し募集中。。。:2013/04/08(月) 22:56:34.15 0
ここ一年ぐらいしか知らないならたぶん9期以降のヲタさんだと思うんだけど
もうちょい前、9期加入したての頃に今とはちょっと違った設定で書かれてた作品群も面白かった記憶があるので
チャットとは関係なくおすすめしてみる
249名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 00:06:07.33 0
5年ともなると数がありすぎてどうしていいか分からんよねえw
250名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 00:07:49.94 O
とりあえず最初から読んでみます
まとめ2の期間だけは物理的に見れないんで許してにゃん
251名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 00:40:38.08 0
チャットの日は愛ちゃんの大名行列行くから微妙だなあ…。
252名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 00:50:56.20 0
このスレがたまたま目について一番最初に読んだのが蒼の共鳴だった
それ以来ちょこちょこ来るようになった
253名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 01:27:46.51 I
>>252に同じく
まあ自分は新参者ですがね
254名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 06:21:11.62 O
共鳴者好きでした
255名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 06:37:05.90 0
ここでやればいいだろ
256名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 06:40:09.40 O
なんで?
257名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 07:08:14.03 0
蒼の共鳴は女性向けかもね
258名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 09:20:38.48 O
リゾスレにも女性向け男性向けがあるのか
深いね
259名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 10:47:55.66 0
向けというか好む作風の傾向はやっぱりあるかもしれないね
もちろんあくまで傾向であって画一的なものじゃないけど
260名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 12:12:03.05 0
昼ムキッ
261名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 12:53:43.98 O
ほぜにゃん
262名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 15:03:19.62 0
おやつに食べたいのはだーれだ
263名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 15:22:31.70 O
りほりほなの
264名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 15:27:22.63 0
メンバーブログ見て今無性に豚骨ラーメンが食いたい…

ところで昔はかな〜り女性作者がいたけど今はどうなのだろうね 半分くらいは女性のような気がしてるけど
265名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 16:28:23.34 0
どうだろうね
作者が何人いるのかも分かんないけどw
266名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 17:08:17.31 O
リホナントやまたのきかいが女性作者じゃないのはわかるw
267名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 18:48:12.78 O
意外に女性だったりしてw
268名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 19:32:36.88 O
そんなやつおらんやろ〜
269名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 19:53:54.21 0
またのきかいって飼育の人でしょ?
270名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 20:16:04.23 O
元ネタが飼育だったってのは知ってるけど書いた本人かどうかは知らん
271名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 21:23:55.13 O
あげ
272名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 22:43:20.66 0
もう一度あげ
273名無し募集中。。。:2013/04/09(火) 22:53:49.36 O
またあげ
274名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 00:21:35.55 0
ぐっないくた
275名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 01:20:45.23 0
おやすみずき
276名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 03:45:55.48 0
おやすみ
277名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 04:31:22.01 O
寝るなんと
278名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 07:02:01.48 0
未来少女
279名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 09:05:14.45 O
おはなんと
280名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 10:59:56.28 O
ほぜ
281名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 12:30:24.73 0
昼飯少女
282名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 13:55:42.57 O
25〜43話で押さえたほうがいい話はあるかな?
まとめサイトで読めないんで検索で引っかけようかと
283名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 14:04:40.31 0
500くらいあるんだっけ?
284名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 15:48:03.28 0
パソコンだったらブラウザをファイアフォックスにしたら見れないかねえ
285名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 15:56:49.05 0
グーグルクロームでも見られたよ
286名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 16:30:31.11 0
スマホなら読めるんだけどガラケーは無理?
どちらにせよ作品探すのが大変か
287名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 16:54:44.76 0
>>282
どういう感じのが好みです?
誰が主体の話とか読んで好きだった話の系統とか
288名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 17:10:28.89 0
wikiによるとまとめサイト2は28話〜43話までのようなので
その間のシリーズ作はこれもwikiによるとこんな感じの模様

雨シリーズ
Reso_in_Island:光の抗争
“未来”への反逆者たち:出逢い編
少年の瞳
Have a good day!
ヴァリアントハンター外伝
蒼の共鳴-第二部-
「声」シリーズ
motorシリーズ
モーニング戦隊リゾナンターR
かなしみ戦隊:かなしみ戦隊リゾナンターミラクルズ
RとR:Dive into the“FUTURE”
Vanish
“未来”への反逆者たち:終幕編
〜コールド・ブラッド〜
SINNERS
かなしみ戦隊トリビュート


単発はたくさんありすぎて挙げるのが難しいね
289名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 18:45:56.14 0
さゆなんと
290名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 20:20:22.32 0
あげ
291名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 21:06:09.35 O
クローム入れて読めるようになりました
ありがとうありがとう
292名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 21:09:24.82 O
心が熱くなって
明日に向かって"おーー!!!"な話しありますか?
293名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 21:26:02.40 0
>>292
RとR
まだ未完だけど
294名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 21:56:44.04 O
>>293
ありがとうございます!
さっそく読んでみます
295名無し募集中。。。:2013/04/10(水) 23:26:03.03 0
>>288
当たり前だけど最初の9人の話ばっかりでなんだか遠い目をしてしまう…
296名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 00:31:49.72 0
かあなあしいみがあ
297名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 01:29:12.32 O
こおだあまあすうるう
298名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 03:46:38.31 O
とりあえずねる
299名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 06:36:03.62 0
起きる
300名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 08:51:41.40 i
君さえいたなら
301名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 09:37:24.36 0
カニもいらない

(V) ¶ ¶ (V)
302名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 10:52:35.69 O
カニのことは嫌いでもカニラのことは
303名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 12:24:37.60 0
フクムラカニラ
304名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 14:03:53.56 O
カニラ揚げ
305名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 14:24:28.56 0
306名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 16:53:03.74 0
あげ
307名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 18:47:44.44 0
セクシーうえうえ
308名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 19:43:59.78 O
うええおえ
309名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 20:44:38.94 0
どぅーん
310名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 22:17:34.53 0
今夜は冷えるな
311名無し募集中。。。:2013/04/11(木) 23:22:32.11 0
311
312名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 00:13:06.59 0
おやすみなさい
313名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 01:26:13.11 O
寝るなんと
314名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 04:12:23.52 O
おやすみなんと
315名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 06:24:35.68 i
寒いね。
316名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 06:28:42.20 O
おはようおはよう
317名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 07:23:34.81 0
誕生日まであと1日
318名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 11:02:04.79 O
5歳になるのかな?
319名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 11:32:10.01 0
あいきゅーいちよんより年上だね
320名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 13:18:07.34 0
あげ
321名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 14:09:08.25 O
i914はいくつ?w
322名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 14:45:59.18 0
>>321
↓このイメージだねw

(03)750 『光放つ、原罪』
http://www45.atwiki.jp/papayaga0226/pages/77.html


ほかにも↓とかRとRの 『A-gain 愛よ再び』 とかいくつか出てきていた記憶があります

(03)295 『さよならリゾナント』
http://www45.atwiki.jp/papayaga0226/pages/63.html
323名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 15:30:27.36 0
イチゴちょーだい
324名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 17:24:52.41 0
       ,.-、
        j;,;; ,.`、
     /;,; ,;;; ; ,ヽ.     i、  ,
     /;, ;,;; ,;, ;, .: 、 ,.:-‐=ヽV(/ヲ
     i,;; ;,;;, ,; ,;;;, ;. ;.〉': : ;:: :; : .`ヾ')
    l; ;,; ;,; ; ;,; ; ;,/:,. :: :, :;,: ,:,; :,゙ヒ>
      ゝ、;_;;_;;;_;_;/: : , ::: ,: ;:; ;:,. ;: !
      '⌒(/`ー^t';,.: .; , :, :; ;; ::;:.,: '
             !、_;;_;_;;_;;:=-‐'"
325名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 19:19:01.41 0
でっかいイチゴやよ〜
326名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 20:17:10.28 0
したらばも覗いておいてくださいね
327名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 21:14:08.39 O
さあ5周年まであと三時間
328名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 22:11:50.96 O
おお会場が出来上がってるw
明日仕事から間に合うようなら参加します
329名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 23:12:19.07 O
愛ちゃん…
330名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 23:12:48.07 0
心配だね
331名無し募集中。。。:2013/04/12(金) 23:27:49.46 O
喉は歌手だけでなく舞台でも大事
まずは完治を
332名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 00:15:38.77 O
おやすみなさやし
333名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 01:37:55.29 0
5周年おめでとう
娘。愛に満ちたこのスレがこれからも末永く続きますようにと祈りつつホゼナント
334名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 02:10:28.87 O
祝5周年!
新参者ながら祝わせてもらいます
335名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 02:46:38.72 O
五周年おめ
めでたいついでにしたらばのチャットログ見てた
最大同時参加者14名で6時間ぶっ続け
懐かしいなあと思いつつ明日は何人来てくれるだろうと思いつつ寝るナント
336名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 02:54:32.26 O
過去にもチャット企画あったんですね
明日が楽しみです
337名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 05:16:17.05 0
時間があれば参加する
338名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 07:43:46.38 0
新しい朝が来た
339名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 07:44:57.78 0
希望の朝だ
340名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 08:54:40.24 0
もしくは一人の朝
341名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 09:06:19.45 O
おはナント
342名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 10:43:23.50 0
愛ちゃんの大名行列行ってクルヨー。

チャットは何時までかは分からないけど
夜遅くまでやってるようなら参加しますノシ

>>322
i914設定はかなり好きだわー。
343名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 11:09:32.44 0
あいおーいちよんやよ
344名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 12:36:02.68 0
ふくまつり
345名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 12:44:27.19 O
5年間に投稿された作品を振り返りつつ…って全部読めてへんがな
346名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 12:53:44.33 0
一体何作品になったのだろう
347名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 13:59:24.77 O
一説によれば800以上とか
348名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 15:06:23.87 0
シリーズものを一話ごと別に考えるならそれどころじゃない数だね
349名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 17:08:40.93 O
会場オープン4時間前あげ
350名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 18:15:14.92 i
娘。の多幸感と切なさとを紡ぎたい
351名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 18:15:57.84 O
んだんだ
352名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 19:00:32.28 0
蛸感
353名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 20:01:53.32 O
いちじかんまえになりました
354名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 20:14:26.97 O
実際どれくらい集まるだろうね?
355名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 20:35:51.89 O
スレの住人が六人として三人集まればいいほうだと思ってる
356名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 20:50:04.07 O
もう開いてるね
357名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 20:56:38.45 O
さっきから入ろうとしてるのに全然はいれん
358名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 21:03:27.93 O
断念した
ろむってるからがんばって
359名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 21:04:49.26 0
>>358
パスワード打っても入れないということですか?
携帯からでも入れるはずなんですけれど…
360名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 22:10:34.74 O
从*´ ヮ`) <358さんでわないけど
「入室」を押すと、携帯がフリーズして
「戻る」ボタンしか効かなくなるっちゃん
家着いたらパソコンで参加します
361名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 22:13:48.04 0
>>360
ほんとですか申し訳ない…
362名無し募集中。。。:2013/04/13(土) 23:08:28.09 0
チャット盛り上がりナント
363名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 00:09:08.45 0
6年目突入
364名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 00:12:53.03 O
チャットが盛況だなあ入れないのがくやしいのれす
というわけで寝るナント
365名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 00:18:11.05 0
おや残念ですね… では 

またのきかいに〜
366名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 00:21:31.41 0
>>364
申し訳ないです
携帯では入れた方もいらっしゃるようでしたが…
367名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 01:24:42.72 I
みなさまチャット行き?肝心のスレ内がまじですかスカ!
368保全戦隊リゾナンター 「燃やせ、命の炎」:2013/04/14(日) 01:48:02.28 0
“史上最悪の能力者、小田さくらを警護しろ。”

突然下された指令に戸惑いながら、新幹線で目的地へ向かう譜久村聖率いる新生リゾナンター。
彼女たちの前に現れた組織からの刺客は…カマさんだった。

「小田ちゃんは渡してもらうわよ」

日焼けした肌を包むピンクのシャツ。 首元に絹のストールを巻いた素敵なヤツが手にしたアイフォンのアプリで不思議なメロディをかき鳴らす。

「ん、何か派手なシャツを着た禿げ上がったオッサンの姿が一瞬見えたような」
「あなたは千里眼を持つ工藤遥。 そうあなたには見えたのね、私の能力、キャンドル・イン・ザ・ウインドが」
「風の揺れるロウソクッ・・・」

突然突っ伏した遥を聖が抱き起こすが…。

「ホッホッホッ、無駄よ。 私の弾いたメロディを耳にしたあなたたちはもう逃れられない」

カマさんの能力、キャンドル・イン・ザ・ウインドは人間の脂肪を蝋燭のように燃やしていく能力だった。 体内の脂肪が尽きた時、生命の火も燃え尽きてしまう。

「そのショートカットのお嬢さんは体脂肪が少なめだったから、早く効果が出たみたいね。 でも遅かれ早かれあなたたちも」

カマさんの言葉通り聖を始めとする他のリゾナンターも次々に倒れてゆく。

「最近の女の子だったら体脂肪率、10パーセント台ってところかしら。ウフッひとたまりもないわね」

ミッションの成功を確信したカマさんの足首を誰かが掴んだ。
その掴む手は車内の床から生えている。

「3*(自粛)パーセントで悪いかぁぁぁぁぁ!!!!」

物質透過能力者、鈴木香音の活躍でリゾナンターは危機から抜け出して、スレも危機から救われた。
その代わりに大事な何かを失った気もするが、行けリゾナンター。未来は君たちのものだ。
369名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 01:56:39.78 0
ノノ刀e _l‘)<…い、意外と私も平気でしたわ…
370名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 01:56:49.50 0
オイw
371名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 02:04:19.18 I
>>369 乙ですw
372名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 02:46:08.83 O
保全作乙です
脂肪燃焼は乙女の嗜みですよねw
373名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 03:03:56.83 O
寝るぽ
374名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 06:19:03.23 0
チャット盛り上がってたな
375名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 07:54:54.55 0
>>369
おちゅ
キャンドル〜はダイアナ妃の葬儀でエルトンが歌った曲なんかね
エルトンとオカマ先生をうまくかけあわせたねw
376名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 08:30:24.38 0
>>195-206 の続きです


建設現場なのか解体現場なのか、わからなくなってしまうほどに荒れてしまった場所。
ばらばらになった鉄骨が地面のあちこちに突き刺さり、防護網は引き裂かれ、だらしなく垂れ下がっていた。恐らく、関係者のほ
うが上手く処理してくれるとは思うが。
さゆみは、その後の関係者からの叱責のことを想像し、顔をしかめた。

「せっかく勝ったのに、何渋い顔してると」

さゆみの背後から、聞きなれた声。
そうだ。自分は、この子を助ける事に成功したんだ。
先ほどまでの憂鬱はどこへやら。さゆみの心を喜びが満たしていった。

「れいなっ!!」
「うわっ!」

突然れいなの手を取るさゆみに慌てふためきながらも、互いの無事を喜ぶ。

「さゆみたち、勝ったんだよね」
「勝った。だからここにおる」
「そうだよね。さゆみと、れいなと」

言いながら、さゆみはあの時のことを思い浮かべる。
闇に呑まれそうになった時に、繋いでくれた手。きっとあれは。
377名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 08:31:09.16 0
「絵里が」
「え?」
「絵里が、助けてくれたっちゃんね、きっと」
「…そうだね」

れいなも、同じことを考えていた。
ベリーズが繰り出す荒ぶる闇に打ち克ったのは、紛れもなく、さゆみ・れいな、そして絵里の三人の絆。断ち切ることのできない
共鳴だった。
今も病院で眠っている絵里に、二人は思いを馳せた。

何かが崩れるような物音。
反射的に二人が音のしたほうへ向く。
突き刺さった鉄骨に体をもたせ掛けたベリーズのキャプテン・佐紀だった。

「あたしたちは、負けたんだね」
「そうったい。こてんぱんに」
「はは、あたしたちベリーズの絆は、共鳴は。あんたたちのそれに遠く及ばなかったってことか」

自嘲気味に笑う佐紀。
だがそれを、癒すような眼差しでさゆみが見ている。

「何?哀れみなら要らないよ」
「ううん。あなたたちの共鳴は、手ごわかった。さゆみたち以外に共鳴が使えるなんて、びっくりしたし。けどね。上手く言えないけど…あなたたちの共鳴には、何かが『足りなかった』んだと思う」

少しだけ怪訝な顔つきになる佐紀だが、すぐに何かを思いつく。
「足りなかった」何か、いや、「足りなかった」誰かを思い出したのだ。

「…そっか。あたしたちには『足りなかった』んだね。片時も忘れたことなんて、なかったはずなのに」

誰に言うでもなく、呟く佐紀。
その視線は、すっかり暗くなってしまった夜空に向けられていた。
378名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 08:31:53.31 0


ベリーズの七人は、その後警視庁特殊課の異能力対応チーム・通称PECTの隊員たちによって拘束された。
さゆみたちリゾナンターが能力者の起こした事件を解決した場合、その能力者のほとんどが彼らの手によって移送され、「適正な処理」をされる。
「適正な処理」と言っても、命に関わることではないらしい、ということしかさゆみたちは知らないが。

パトライトを回しながら遠くへと消えてゆく護送車を見送りながら、二人は大きくため息をついた。
さゆみがリーダーになって最初の、大仕事。それも、ダークネスがらみの。
「ベリーズ」たちを倒したからと言って、それは終わりではない。むしろ、長い戦いの幕開けとなるだろう。

「れいな、おぶって」
「はぁ?」
「力の使いすぎで疲れちょう。一歩も動けん」
「れいなやって動けんのに。しょうがないなあ」

さゆみが普段使わない地元の言葉を使うということは、相当疲弊してるはず。
れいなは、おぶる代わりにさゆみに肩を貸すことにした。

とは言え、れいなもベリーズとの戦いで疲弊しているのは確かだった。
その歩みは、亀よりも遅く。
それでもさゆみは、文句一つ言わずに体を委ねている。
と思いきや、すうすうと寝息を立てている。
379名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 08:32:29.28 0
「ったく…」

呆れつつも、れいなの頭にはさゆみと絵里と過ごした日々が甦る。
戦闘系に特化した能力を持ち、また格闘センスにも長けていたれいなは、瞬く間にリゾナンターの主戦力となっていた。
一方、後方支援のさゆみや、体の弱い絵里は二人して一緒に行動する事が多かった。
「役割が違うのだから」そう言い聞かせていたれいな自身、まったく寂しさを感じなかったと言えば嘘になる。

「さゆとは長いこと一緒やったっちゃけど、二人だけで戦うのははじめてだったかも。後輩も増えて、指導するので手一杯やったけん」

時は流れ、何時の間にかさゆみとれいなはリゾナントの最年長になっていた。
そして、リーダーの座がさゆみに巡る。その環境の変化は、様々な影響を与えてゆく。
時にリーダーとしての立場が、さゆみに厳しい表情をさせることも増えていた。

「愛ちゃんやガキさんがいなくなって。さゆがリーダーになって。さゆらしさがなくなったけん、れいなは寂しい。そんなこと思った時もあった。でも」

だが逆に言えば、問題に立ち向かい苦悩するさゆみの姿は、れいなにさゆみという人間の昨日までは見えてこなかった部分を見せることにもなった。

色々、ひっくるめて。
今なら、言える。
380名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 08:33:19.38 0
「さゆ。同じ年でリゾナントに入ってきて、長いこと経ったっちゃけど。今のさゆが、一番好き」

それは、さゆみが寝ている今だからこそ言える独り言。
のはずが、

「ありがと」

思わぬ反応。
さゆみは、寝たふりをしていたのだ。

「な!い、いつから聞いてたと!?」
「ふふふ、いつからだろうね」
「盗み聞きなんて、趣味悪いと!」
「うん。よく言われる」

鉄骨から落下して、あさっての方向を向いた投光器。
その光が、いつまでも二人の背を照らしていた。
381名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 08:34:05.16 0


目が覚める。
自分が寝ている場所があの正体不明の女が作り出した異空間ではなく、病室のベッドであることに気づいた時に、鞘師里保は一つ
の事実を実感していた。

私たち…勝ったんだよね?

半信半疑なのは、「キュート」のリーダーである舞美を倒した後、自らも意識を失ってしまったからだった。
それを現実のものに変えたのは、素っ頓狂な声をあげる来訪者だった。

「りほりほ!?」

病室を訪れたのは、リゾナンターのリーダー・道重さゆみ。
目を覚ました里保を見るや否や、猫まっしぐらの勢いでベッドに突進してきた。

「よかったぁ!やっと起きてくれたんだ!!」
「あの、道重さん?」
「もうさゆみがずっと看病してる間も撫でたり触ったりしても全然起きないから、心配したん…」
「道重さん。撫でたり触ったり、とは?」

急速に表情が無になっていく里保を目の当たりにし、大慌てでベッドから飛びのくさゆみ。

「あのっ!さゆみはただ治癒の力でりほりほをっ!別に変な意味とかなくて、最近りほりほはさゆみに『もしかしたら…』みたいなとこあるからやましい事は全然!!!」

あまりに必死に弁明するものだから、里保の顔に思わず笑みが出てしまう。
382名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 08:34:50.69 0
「まあ、道重さんがそういうタイプじゃないのは知ってますから。柱の影でこっそり見てるタイプですよね」
「そうそう、恐れ多くてついつい隠れちゃうの…ってちょっとりほりほ!!」
「…道重さん。私たち、勝ったんですよね?」
「うん。さゆみたちは、勝ったよ」

その後里保は、さゆみから事の顛末、現在の状況を聞いた。
里保が舞美に勝利した後、異空間から解放された八人を愛佳が病院搬送したこと。
敗北した「キュート」は警察に引き渡されたこと。
さゆみとれいなが「ベリーズ」を撃破したこと。
精神的に激しく消耗した遥、亜佑美。傷を負った香音、衣梨奈、春菜、優樹、聖。ともに回復し、最後に目覚めたのが里保であること。

「あれから『ダークネス』は」
「目立った動きはないよ。れいなが派手に暴れて町をめちゃくちゃにしちゃったから、あいつらも大っぴらに動けないんじゃないかな」

そこへ、破壊の張本人がやって来る。

「さゆ!人聞きの悪いこと、言わないの!!」
「だって事実じゃん。鉄骨ぐっちゃくちゃになって、PECTの人も『これをガス爆発事故にするのは無理が…』って言ってたし。絶対後で呼び出される」
「あーうるさいうるさい!れいなそんな手加減とかできんけん!!」
383名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 08:35:36.36 0
さらに、里保のお見舞いにやってきた同期たちが。

「あっ、里保ちゃん目が覚めたんだ」
「やっぱえりが毎朝お祈りしてたおかげっちゃね。さすが天才」
「えりちゃん何もしてないじゃん。寒いし」

続いて、後輩たち。

「鞘師さんよかった!!やっぱ鞘師さんあってのリゾナントですもんね!!」
「体の回復具合が計れなかったから、鞘師さんと稽古したかったんですよ、ってまだ早すぎますか」
「さやしすーん、おめでとうなう!!」
「またなうの使い方間違ってるし。あっ鞘師さんちぃーす!」

一気に賑やかになる病室。
「かしましい」と言った表現が的確な空間に、遅れてやってきた光井愛佳は思わず顔を顰める。
あんんたら鞘師は病人なんやから、と言おうとしたが思い直し、踵を返した。

ま、少しは水いらずってのもええやろ。

いつもは読むべき空気など何のその、と掻き分けて入る愛佳だが、今だけは一歩退くことにした。
今回の事は、あの10人が力を合わせて掴んだ、初めての勝利。
その姿を見て、愛佳は自分を含めた9人で力を合わせて戦ったかつての日々を思い出していた。
384名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 08:36:12.12 0
あの頃、みんなが手を取り合い、心を繋ぎ、そして共鳴していた。
それが、今の10人にも受け継がれている。だからこそ、勝つことができたのではないかと。

「光井さーん!」

後ろから元気な声が聞こえた。
愛佳に気づいた香音が、満面の笑みで迎える。

「里保ちゃんのために、でっかいケーキ買ってきたんです。みんなで食べましょ!!」
「はいはい、そんな強く手ぇ引っ張らんでも行くから」

ダークネスの手のものを退けての、つかの間の平和。
それが長く続かないことは愛佳も、そしてもちろんさゆみやれいなも知っているだろう。
こちらが力をつけつつあることを、気づかれてしまった。それを見過ごす甘い連中ではないことも。

だからこそ。
今は、羽を休めよう。
迫り来る危機に、万全の態勢で臨めるように。
愛佳は静かに、そして深くそう思った。
385名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 08:37:52.92 0
>>376-384
代理投稿終了

いい最終回だった(
ただもうちょっとだけ続くんじゃ、なので次回また更新いたしますw
386名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 10:35:22.77 0
あげ
387名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 10:40:03.43 0
>>385
代理乙でした
昨日から代理スレに上がってたんですね気づかなくて申し訳なかったです

いい最終回でした
総力戦同士を描き切られたことがまず素晴らしい!
しかも2箇所同時進行でというのは尊敬します

ひとまずの戦いは終幕したもののその背後に控えるあの癖のある面々との戦いも描かれるということでしょうか
非常に楽しみです!
388名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 11:59:00.44 0
>>385
作者さんも代理さんも乙でした
言いたいことは上の人に全部言ってしまわれましたが笑いもいれながら敵味方全員の個性を描ききっていて楽しませてくれました
続きも番外編も楽しみにしてます
389名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 13:16:43.88 O
>>385
乙です
ちょいちょいリアルネタを混ぜ込んでる感じが好きです
最終回wと言わずに続き期待しております
390名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 15:26:13.07 I
あげますずきかのん。
391名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 17:16:13.69 0
あげぽん
392名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 17:57:44.04 O
ほぜぽん
393名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 19:48:14.67 0
保全代行料2億円いただきますわ
394名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 20:30:41.92 O
フクちゃんバブリーすぎるよ
395名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 21:15:26.39 O
あげ
396名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 22:48:29.13 T
たらいま
397名無し募集中。。。:2013/04/14(日) 23:18:50.31 O
おかえりなー
398名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 00:25:10.00 0
あげ
399名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 01:12:25.95 O
おやすみなさやし
400名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 02:51:12.77 0
おやすみ
401名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 04:54:37.74 0
402名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 05:47:41.51 O
おはなん
403名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 07:05:58.48 0
一人の朝
404名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 09:25:44.21 0
一人じゃない
みんながいるよ
405名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 10:57:14.41 0
今ふと思ったんだけど>>368でくどぅーが見たのってしげるちゃん?w
406名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 11:53:49.98 i
ブレインホゼーナント
407名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 12:55:24.64 0
>>405
書いた人間としましてはキャンドル〜を歌ったエルトンジョンの姿がスタンドっぽく見えたという体でw
408名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 13:42:14.79 O
そう言えばエルトンジョンもカマさんだったw
409名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 13:45:17.57 0
エルトンジョンかw
近しい人で考えすぎたw
410名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 16:06:43.37 0
あげ
411名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 17:54:41.52 0
ほっ
412名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 18:57:20.48 O
ぜっ
413名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 19:47:12.16 O
なっ
414名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 21:11:02.25 0
あげ
415名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 22:28:39.71 0
夢じゃない
416名無し募集中。。。:2013/04/15(月) 23:39:30.88 0
あげとく
417名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 00:33:58.38 O
おやさゆみん
418名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 03:28:15.13 0
うええおええ
419名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 05:10:49.34 O
おはなんと
420名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 07:33:33.69 O
おはリゾナント
421名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 08:26:17.80 O
今日も絶好の投稿日和だな
422名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 10:26:37.41 0
作品来てるよ
423名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 12:06:20.30 O
上がってる小田設定のやつ面白そうだ
424名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 13:17:03.05 0
>>376-384  の続きです


暗闇に包まれた部屋に、12のモニターが僅かに光をもたらしていた。
しかし、時が経つにつれその光は一つ、また一つと消えてしまう。
やがて全てのモニターが沈黙し、部屋から光が失われた。

なるほど、そういう結果に終わりましたか。

リクライニングチェアを傾け、部屋の主である白衣の女性は呟く。
「ベリーズ」と「キュート」がリゾナンターたちと相見え、そして敗北するまでの全ての経過を、彼女はその瞳に、そして「叡智の集積」と呼ばれし頭脳に焼き付けていた。

当然の結果か。それとも誤算か。
彼女にとってはどちらにでも取れたし、またはどちらでもなかった。いや、それ以前にどちらでもいいことだったのかもしれない。
いずれにせよ、答えはない。
闇に溶け込むような眼鏡のレンズだけが、部屋の外から漏れ出す小さな光を反射していた。

何の前触れも無く、その光が大きく増す。暗かった部屋は、瞬く間に光によって白日の下に晒された。

「こんな暗い場所で何やってるんだか」

ノックもせず部屋に入ってきた侵入者は、あきれ返ったような言葉を白衣の女性 ― 紺野博士 ―に投げかけた。その表情は妹を見る姉のようでもあり、理解できないものを嘲笑うようでもあり。

「見ての通りですよ。あの子たちの奮闘ぶりを観察していました」
「で、結果は?」

黒コートの女性、「氷の魔女」の問いかけに、紺野はくるりと椅子を回して正対した。

「残念ながら、リゾナンターたちの実力のほうが上回っていたようです。やはり『擬似共鳴』はあくまでも擬似。本物の共鳴には及びませんでしたね」
「擬似…ああ、あのべりっ子たちのことね。あんたも残酷なことするねえ」
425名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 13:17:53.98 0
意地の悪い笑みを見せる「氷の魔女」。
残酷、ですか。紺野は心外だ、といった表情を見せた後に、

「私はただ、契機を与えたに過ぎません。力を最大限まで引き出せるかどうかは、彼女たち次第でした。それは『キュート』たちも同じ。ただ、結果はともあれ、次に繋がる良いデータは得られましたが」

と付け加えた。

「それってさ、ぶっちゃけ体のいい実験だよね。うわぁ、趣味悪」
「どう捉えていただいても構いませんよ。実験は、科学という世界において必要不可欠のものですからね」
「ふうん」

言葉では相槌を打ちつつ、実際は理解できないものとして明後日のほうに投げ捨てる「氷の魔女」。
そして先ほどまでの話題を他所に、意味ありげに部屋の中をうろつき始める。

「ところで。何の用でしょう。まだ結果が出たばかりなので、次回の会議には少々早すぎるような気がしますが」
「…さっき、『黒の粛清』がうきうきしながら出てったんだけど。音痴な鼻歌歌いながら。それはもうきしょいくらいに」
「ああ。きっと『敗者』を狩りに行ったんでしょう。確かこの前お会いした時に、勝手に話を進めあってたみたいですから」

包み隠すことなく、紺野は言った。
相手が一方的に決めたことに対し、隠し立てする義理は彼女にはない。
だが、散りばめられたキーワードに気づかないほど魔女の嗅覚は鈍感ではなかった。

「てことは、『勝者』は『赤の粛清』が狩るわけだ」
「そのようですね」

紺野の答えを聞く前に黒い外套を翻し、部屋を立ち去る「氷の魔女」。
扉が閉められ、再び闇が部屋に満ちる。それがまるで合図であるかのように、紺野はチェアから立ち上がった。
闇を泳ぐようにして歩き、扉が開くとともに光の向こうへと消える。
主がいなくなった後の部屋には、反応のないモニターが静かに深い闇を映し出していた。
426名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 13:18:47.78 0



一台の護送車が警視庁を出たのは、夜も深まった時のことだった。
PECT(exceptional power corresponding team)。文字通り、法を犯す能力者に対する警視庁の切り札とも言うべき存在。
しかしあくまでも隊員たちは普通の人間。組織に属さないはぐれの能力者ならいざ知らず、巨大化したダークネスのような組織に対しては、有名な怪盗三世に対する中年刑事のような役割しか望めないのが現状だ。

護送車の中には、麻酔薬を打たれ昏睡している「ベリーズ」「キュート」のメンバーたちが収容されている。
万が一のことを考え、護送車の中にはPECTきっての戦闘のプロが数名同行。
護送車の前後には、能力者が脱走した場合を想定し化学兵器を搭載した装甲車が伴走していた。

「警視庁の精鋭部隊が、これじゃただの運送屋だな」

護送車を運転している中年の男が、遠い目をしてぼやく。
助手席にいる、若い男が追随するように大きくため息をついた。

「しょうがないっすよ。あの現場見ました?あんなの、うちらの手にはとても負えませんって」
「確かに。あそこまでの破壊力は、ダークネスの幹部クラスでもないとそうそう出せないな」
「それが後ろでお寝んねしてるガキんちょの仕業だってんですから。参っちゃいますよ」

卑屈な笑みを浮かべる若い男の頭上に、唐突に中年の拳骨が降り注ぐ。

「あってえ!」
「見てくれで判断するんじゃない。現に、彼女たちを制圧したリゾナンターたちもお前の言うような『ガキんちょ』なんだからな」
「まあ、そうっすけど…」
「あいつらは、俺たちとは違う。あいつらは」

対向車のヘッドライトが、中年の男の顔を仄かに照らす。

「バケモンだ」
427名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 13:19:29.61 0
三台の車は都内を通過し、隣県の丘陵地に入っていった。
警視庁が所有する「能力者矯正施設」はその更に奥、人里離れた山村に存在する。

「それより先輩、知ってます?お偉方の肝いりで新しく作られた対能力者部隊の話」
「リゾナンターのOGの助言を参考にして編成された、あいつらのことか」

中年の男が渋い顔になる。
どうしたんすか、と言いたげな若い男の顔を見ることなく、呟いた。

「もしその部隊が本格的に始動したら、俺たちは長い夏休みを貰える事になるな」
「は?なんすかそれ」
「お払い箱になるってことだよ」

次のカーブを曲がろうと、中年の男がサイドミラーに目をやった時のことだった。ミラーが、激しく明滅したのだ。
思わずバックミラーを覗き込むと、後方についていた装甲車が大破、派手に炎上している光景が視界に飛び込んできた。

「敵襲!?」
「バカな、ロケット砲でもびくともしない車だぞ!!」

しかし現実に事は起こっている。
前方の装甲車に合図を送ると、急ブレーキで停車した車両からぞろぞろと武装した隊員たちが飛び出してきた。
襲撃相手がどんな装備を持っているかはわからないが、これだけの人数がいれば成すすべもなくなるはず。
現地到着が最優先任務。武装隊員が炎上した装甲車を取り囲むのを確認してから、中年男はアクセルを強く踏み込む。
轟音を上げて道路を走行する車、だが次の瞬間、男は信じられないものを目にすることになる。

「先輩!先輩!!」
「何だ、つまらんことなら後にしろ」
「ひっ、人が!人が!!」

後輩のあまりの逼迫した声に、思わず横を見る。
女が、車の横を走っていた。嬉しそうに。
いくつもの男の生首を抱えながら。全部が、男の見知った同僚たちのものだった。
428名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 13:20:14.89 0
暗闇に溶けそうな黒い肌をした女と、目が合う。
その女は嬉しそうな顔をして、口を動かした。

い・た・だ・く・わ・よ

次の瞬間、女の姿が消えた。
女が何者かは知らないが、戴かれる可能性があるとしたら護送車の中の能力者たちだ。
中年男は車載マイクで、収容スペースの「戦闘のプロ」たちに呼びかける。

「敵襲だ!速やかに応戦せよ!!」

速やかに車を停め、後方のドアを開け放つ。
中にはいくつもの海外の戦争を潜り抜けてきたと評判の、傭兵経験の豊富な隊員が武装して待ち構えている。
万一のことを考え、運転席に後輩を残して自らも車を降りる男。その間、いくつものうめき声を耳にし、一抹の不安を感じる男を待っていたのは。

一人の女の前に、血を流して倒れている屈強な男たちの姿。
全員、喉元が切り裂かれ、絶命していた。

「大の大人が、女一人に情けないわねえ」

黒のボンテージ姿の女は、ハイヒールで倒れた屍を踏みつけながら下卑た笑みを見せる。
その顔に、男は見覚えがあった。

「お前は…『R』か?!」
「だからさぁ。そういう未成年犯罪者みたいなイニシャルで呼ぶの、やめてよ」

気持ちの悪いしなを作る「R」こと「黒の粛清」。
PECTの指導部だけが目を通す事のできる極秘ファイル。男は、とある偶然からその一部を盗み見ていた。
ダークネスの幹部として名を連ねる、粛清人の写真とともに。
429名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 13:21:16.07 0
「なぜだ、お前のような大物が護送車の中の連中なんかに」
「なんかに、じゃないわよ。その子たちはあたしの大事な『プレゼント』だもの」

言っている意味がわからなかった。
だが確実なのは、このままでは能力者たちが奪われてしまうということ。

本能が、男が手にした拳銃の引金を引かせる。
数度の破裂音。まともに銃弾を喰らったはずの女が、にっこりと笑顔で掌を差し出す。その上には、ひしゃげた鉛の弾が。

「おい!車を早く出せ!!俺を置いていっても構わん!!」

もちろん、能力者の中でも桁違いな実力を持つ幹部の人間に、自分がまともに戦えるとは思わない。
発砲した隙を伺い、運転席の後輩に不意打ちの急発車をさせるつもりの行動。だが。

「あたしがそういう抜け道をそのままにしておくとでも、思った?」

「黒の粛清」の底意地の悪い、笑み。
男は悟る。運転席の後輩は既に始末されていることを。

「安心して。あんたたちのお仲間たちも全員、始末しておいたから。じゃあね」

放たれる強烈なエネルギーを身に受け、男は自らの全身が破壊されてゆくのを感じながら消えていった。

「さてと。ここからは、メインディッシュよね」

Dr.マルシェから一方的に取り付けた「約束」。リゾナンターと対決した「ベリーズ」「キュート」のうち、「敗者」の粛清は自らに。

「黒の粛清」の中では、既にどうやって彼女たちを始末するかの複数の案が浮かんでいた。
すやすやと寝ている中、いきなり心臓をひと突きにするか。
四肢を切断してから、そのあまりの激痛に歪み泣き叫ぶ顔を楽しみつつ命を奪うか。
普通に起こした後、少しずつ痛みを与えその過程を楽しむか。
430名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 13:22:05.10 0
うふふ、決めちゃった♪

最後の選択肢に魅力を感じた「黒の粛清」が、嬉々として護送車の中に入る。
が、そこには招かざる先客がいた。

「お久しぶりです。先輩」
「あ、あんたは!!」

そこには、「黒の粛清」のよく知る人物がいた。
かつての、敵対組織のリーダー。そしてかつての、同胞が。

「マメ…何でこんなところに」
「懐かしい呼び方ですね。でも、今は昔を思い出してる暇なんてないんです。速やかに、手を引いていただけますか?」

新垣里沙。
急遽上司に呼ばれ、能力者の護衛の命を受けていた彼女。
だが襲撃者が「黒の粛清」だったのは、想定外と言っても過言ではなかった。
それは「黒の粛清」にしても同じこと。ただし。

「よくもあたしの前にのこのこと姿を現せたわね…この裏切り者!」

相手にとっては、千載一遇のチャンスに映ったらしい。
裏切り者の始末は、粛清人の最も得意とするところだ。

「大人しく退いてはくれないみたいですね」
「あんた、私に勝てるって本気で思ってんの?」
「・・・負けませんよ」

格下に見ていた相手からの、挑発。
ダークネスの幹部の中でも極端な負けず嫌いでとにかく熱くなりやすいことで知られる彼女の性質、それに火を点けることはあまりにも容易い。
431名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 13:22:46.22 0
「誰に向かって口きいてんのよ!!」

想定した通りの、猪突猛進。
里沙は皮手袋から垂らしたピアノ線を前面に張ると同時に、精神干渉の触手を伸ばす。
が、精神干渉に関しては早々に諦めざるを得ない。

「バカじゃない?あたしとあんたの実力差で、精神干渉が効くとでも思った!?」

防御ラインとでも呼ぶべきピアノ線の結界が、次々と破壊されてゆく。
得意技の強烈な念動力は健在というわけか。
こちらに向かって突っ込んでくる「黒の粛清」に対し、距離を大きく取り念動力の圏外へと里沙は身を動かす。

「…今回は、あなたを倒すのが目的じゃない。足止めができれば十分ですから」
「今回は?足止め?」

「黒の粛清」のこめかみに、痙攣が走る。
里沙の言葉が、二重の意味で彼女を刺激したのだ。

「構成員風情が、幹部のあたしに向かって『足止め』ですって?!」
「・・・あたしも、あれから成長しましたから」
「だったら、あんたの命で証明してみせなよ!!」

言いながら、「黒の粛清」が里沙に向け掌を翳した。
強烈なエネルギーが、里沙の身に迫る。

そんな、ここまで届くの!?
ピアノ線を張り巡らせ、防御の体勢を取った里沙を、容赦なく念動力の衝撃が襲い掛かる。

まるで腹部を思い切り抉られるような感触。
骨は軋み、内臓がひしゃげる。蹲った里沙は激しく嘔吐した。
432名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 13:23:51.40 0
こつ、こつ、とヒールの踵がアスファルトを打つ音。
気がつけば、「黒の粛清」は里沙の目の前までやって来ていた。

「どう?これがあんたとあたしの実力差よ、マメぇ」
「くそっ!えいっ!」

追い詰められた里沙は苦し紛れに、道路脇の砂利を掴み、投げつける。
だが「黒の粛清」は避ける事さえせず、顔を凍りつかせている。

「現実がわかった途端に悪あがき?滑稽ねえ。でもいいわ。すぐに終わらせてあげるんだから!!」

手に込めた念動力を、尻餅をついたままの里沙に向け叩き込もうとしたまさにその時。
里沙が、ありえない速度で後退した。
いや、後退したのではない。何かの力によって高速に後ろへと引っ張られているのだ。

「言ったじゃないですか。足止めできれば十分だって」

里沙は。
「黒の粛清」と交戦している間に、運転席の死体にピアノ線を絡ませ操り人形のようにして車を発車させたのだ。必然的に、里沙の体は車とともに移動することとなる。

「甘いわね。あたしが車の速度なんかに遅れを取るわけが…な、なによこれ!!」

そしてもう一つ。
里沙が苦し紛れに投げつけていたように見えた小石にも、ピアノ線が巻きついていた。
あくまでも緩く纏わりつかせていただけのそれは、「黒の粛清」が動くと同時に激しく絡みつき、体を締め上げる。

「確かにあたしがあなたと渡り合うにはまだ早いかもしれません。けど、『足止め』程度ならできたみたいですよ、先輩」

遠ざかる里沙の姿。
しかし「黒の粛清」の瞳の黒い炎は消えてはいない。
433名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 13:25:17.01 0
「確かにあんたを舐めてた。いいわ、あたしの『取っておき』を見せてあげる!!」

言いながら、両拳を固める。
拘束していたピアノ線が、ぎりぎりと体に食い込む。
鋭い線が皮を裂き、肉に食い込もうとしている。だが、ピアノ線自体も内からの抵抗に対し限界を迎えようとしていた。

そして。「黒の粛清」の昏い力が一気に燃え上がったように里沙には感じられた。
これは。この力は以前どこかで感じたことがある。いや、忘れるはずもない。
この力の出し方は、まるでジュンジュンの…

ぶつっ!!

何かを切断するような大きな音。
絶叫とともに「黒の粛清」が倒れて地面を転げまわっていた。
片足から、おびただしい量の血が噴出している。

里沙の奥の手。
「黒の粛清」の足首と、車をピアノ線で結びつけておいたのだ。
しかも、時間差で線の長さが限界に達するように。
体の拘束が破られた時の、あくまで最後の手段だったのだが。

「ちくしょう!!覚えてなさいよ!!!!」

転げ落ちた足首を切断口に当てながら、絹が裂けるような高音で喚く「黒の粛清」。その傷口は白い煙を上げながらも、信じられない速さで繋がってゆく。

甲高い恨み節を遠くで聞きながら、護送車の天井に無事着地した里沙は改めて相手の底知れぬ実力を実感する。

「黒の衝撃」は能力を二つ持っている?
まさか。「ダブル」だなんて、ありえない。どちらにせよ。
あたしはまだまだ、強くならないといけない。

「黒の衝撃」の姿が見えなくなってからも、里沙はいつまでも暗闇の彼方を見つめ続けていた。
434名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 13:27:30.26 0
>>424-433
代理投稿終了

次回でとりあえず今回の話は最後です
435名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 13:59:47.29 O
>>434
更新代理共に乙です
ガキさんとRの組み合わせはどうしてもあの名作を思い出しますねw
436名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 15:11:41.62 0
>>434
乙でありんす
戦う目的を足止めに限定することで勝利したガキさんの戦略性が光った
次回も楽しみ
437名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 17:02:01.99 0
夕方
438名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 17:28:37.43 0
>>434
代理ともども乙でした

プラチナ舐めてんのかよ!な組合せのバトルw編からの 原点に引き戻されるような2人の対峙に胸熱でした
「黒幕」たちの背景がまだまだ闇に包まれているのがこの先どう明らかになっていくのか楽しみです

…最後何故に「衝撃」?
439名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 19:02:48.92 0
あげ
440名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 20:43:08.70 O
あげようか
441名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 22:05:58.03 0
俺も
442名無し募集中。。。:2013/04/16(火) 23:24:00.90 0
あげ
443名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 00:39:37.36 O
れいなが怒りで覚醒して光の能力を手に入れた模様
444名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 03:35:02.32 0
おやすみ
445名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 04:59:06.84 O
おはよう
446名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 07:19:28.87 0
あげ
447名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 10:51:36.96 0
今日は書けそう
448名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 11:13:43.92 O
期待してるぜよ
449名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 12:54:43.58 O
昼ナントデス
450名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 13:12:48.74 0
何となく>>368の続きというか
厳密に繋がってるわけでもないんですがw



「研究所に行くのなんかイヤだ」

目的地の最寄りの駅で降車したリゾナンター達の手を逃れて小田さくらが姿を消した。
二人一組のチームに分かれて行方を探すことになった。
ステーションビルの一角に差し掛かった石田亜佑美と工藤遥の前に一人の女が現れた。
男装の麗人と見紛う女は小田さくらを奪取するために派遣されたダークネスの能力者だった。

「…信じてください。給食費を盗んだのは私じゃありません」

女の妖しく光る瞳に射すくめられた亜佑美は意識を失い悪夢の中に堕とされた。

「私の能力は催眠(ヒュプノ)。 精神系能力繋がりで以前は新垣のやつに色々と教えてやったもんだがな、少年」

催眠によって支配された人々によって作られた結界の中で女は亜佑美にだけ催眠を行使した理由を告げる。

「そいつの能力、加速だの高速移動が厄介なこともあるが、お前の方が催眠でじっくりいたぶりがいがありそうだってのが大きい」

遥たちリゾナンターが撃破したキッズの立ち上げにも一枚噛んでいたという女はその報復の機会を窺っていたという。

「うちらのボス、女帝はお前らにえらくご執心で迂闊には手を出せないが、別件のどさくさに紛れてならバレやしねえって」

邪悪なオーラに身体を硬直させてしまう遥を見て女は嘲笑った。

「そうそれ、一見強気なお前の精神は実は弱いっ。男っぽく振舞ってるのもその弱さを隠すためだ。さあお前の一番恐れるものは何だ」

再び妖しく光り始めた女の瞳が捉えたものは、目を固く閉ざした遥の姿だった。
451名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 13:14:24.99 0
「あんたの言うとおり、はるはいろんなことが見え過ぎて、そのせいで怖気づいてしまう。だから…」
「だから目を閉じて催眠を防ぎながら戦いますってか。 甘いぜ、少年!!」

優雅なダンスのステップと見紛う足取りで遥に接近した女は脚を繰り出す。
遥はその気配を察して両腕でガードしたが、女は構わずガードごと蹴り上げる。

一発!
「わたしだって諜報部門の統括なんて願い下げだっつーの」
二発!!
「粛清人とか魔女みたいに派手に暴れてえんだよ」
三発!!!
「私はあいつらみたいな小洒落た二つ名なんて持ってねえけど、たまにこう呼ぶ人間がいるぜ」

「鋼脚」
腕の数倍の力を持つ脚から繰り出される強烈な蹴りで宙を舞い続けさせられていた遥の体が上空に飛んだ。
前蹴りのベクトルを利用して高く飛んだ遥が、高度差を利用した反撃をしかけてくると察知した女は地を蹴って宙に舞い上がった。
その勢いは鋼脚によって蹴られたビルのフロアが震えるほどだった。

戦いは常に敵の先を読まなきゃいけねえ
ビルの天井に到達してガキを迎え撃ち、地上に叩き落とし、そのまま踏み殺してやる

天井に着地した女は急接近した何者かを反射的に撃ち落とす。

今のは高速移動の女
うちの震脚で目を覚まさせちまったか
工藤っていうガキは…
ふん、地上で迎撃するつもりか
相変わらず目は瞑ったままでうちの攻めに対応できるとでも?

天井を蹴りその反動を利して地上の遥に飛来し始めるまでの刹那、女は持ち前の回転の早い頭を巡らせた。
452名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 13:15:58.47 0
落ちてくるあたしにに対応するために工藤のガキが目を開いたら、即座に催眠で堕とす
あいつの恐怖の根源を探って、覚めることのない悪夢の中で廃人にしてやる
あくまで目を閉ざしたままだったら、構いやしねえ
膝を脳天にぶち込んでやるさ
姐さんにはお目玉を喰らうだろうが、偶発的な戦いの中でのことなら許してくれる
中澤さんはそういう人だ

邪悪な計算を秘めた金色の瞳の魔人が、少年のような面持ちの遥に飛来した。
それは自然落下ではなく、物理の法則を無視した垂直方向の突進だった。
二つの影が交錯したその後、立っている姿は一人だけだった。
地上に無様な姿を晒した敗残者が息も絶え絶えに勝者に声をかける。

「…な、何故あんな動きが出来たんだ」

地を這う芋虫のような姿を晒しているのは圧倒的な優位に立っていたはずの女だった。
女の膝が遥の頭を蹴り砕こうとした瞬間の出来事だった。
遥は両腕で自分の身体を支え、逆立ちの状態で女を迎え撃ったのだ。、
遥の両脚が腹部に突き刺さった衝撃で口から血を吐いている。

「ただ何となくあんたのことが見えたから」

何となくだと
そんなあやふやなことでこの私がこんなガキに敗れたのか
確かにこいつの能力は千里眼とかいう話だったが

「そうかそういうことだったのか」

自分の導き出した一つの仮説に納得したのか血で汚れた口が緩む。

「お前の千里眼のことをわたしはただの透視能力の類だと思ってたけどどうやら違ってたみていだ」
453名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 13:17:15.70 0
こいつは視覚は勿論のこと、聴覚や触覚なんかの他の感覚、共鳴で繋がってる他の仲間の感覚から得た情報を最適化した上でビジュアルに再構築できるんだ
つまり最新のイージス艦の管制システムがこいつの中に備わってるみたいなもんだ

「肉眼で見てねえんだから、私の瞳の催眠の効果も発動はしねえわな」

くくくと自嘲の笑みを漏らす女は人並みの整理の為に設置されている金属製のポールとポールを繋ぐチェーンに縋って立ち上がろうとする。

「でどうするんだ、少年」
「どうするって」
「お前は私に勝った。 私が油断してたことはあるがそんなことは言い訳にもならねえ。お前は私に勝った」
「決まってる。あんたに邪魔されたけどさくらのことを探し続ける」

遥の返答を耳にした女は笑おうとしたが、痛みがそれを邪魔した。

「わかってねえな、お前は。 私をどうするつもりだって言ってんだよ。 これがウルトラマンや仮面ライダーだったら倒された悪は爆発して終わりだがお生憎様、私はこうして生きている」

おおっと警察に知らせるなんて台詞で私を失望させてくれるなよ、工藤遥
そのへんの警官の二三十人だったら今の私にだってどうとでもできる
能力者用の装備を保有するPECTを呼び寄せるにはちょいと時間がかかる
それに結界として利用している奴らにはまだ私の催眠は効いているっつーことは兵隊として使えるってことだ
四五十人がかりなら身体にダメージの残ってるお前とお前の相棒を制圧できる
つまり…

「お前は私を殺すしかねえんだよ。いや殺すまではいかなくとも再起不能になるぐらい痛めつけるしかねえ。汚すんだよお前のその手を私の血でな」

嘲るような女の言葉を耳にした遥はそれまで閉じていた目を開いた。

「そんなことはしない。戦えない今のアンタをこれ以上痛めつけるなんてことで断じて出来ない」
「はっ。ガキみてえなこと言うなよ。そうすることが大人への通過儀礼ってやつだ。人はいつまでも子供のままじゃいられないんだ」
454名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 13:18:26.68 0
遥のが破顔一笑した。

「はるはいつまでも少年のままだから」

邪気の無いその笑顔に反発した女の中に反攻の力が再び湧いてきた。

「へっ、気に食わねえな。じゃあ少年、お前は何を恐れている」

妖しく光る瞳の力で遥の精神をねじ伏せようとしたが…。

「人間の恐怖を利用するあんたの催眠はもうはるには効かない。 だってこれまではるにもわからなかったはるの一番恐れるものの正体があんたのお陰でわかったから」
「…あんだと」
「はるは自分が怖気付いたせいで仲間を失うことが一番怖い。でもその怖さは自分自身で克服できる」
「得体の知れない恐怖には勝てなくとも、正体の知れた恐怖なら立ち向かえるってわけだ」

迷いのない遥の瞳を目にした女はちっと舌打ちをした。

「行けよ、クソ忌々しいが完敗だ。 今日のところは大人しく引き上げてやる。こいつら一般ピープルにかけた催眠も解いてやるよ」
455名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 13:19:47.02 0
助け起こした亜佑美と連れ立って歩いていこうとする遥の為に人間の結界の一部を解放した。

「おい待てよ。 最後にサービスだ、とっておきの情報を教えてやるぜ。 あの小田さくらってのは相当に重要な存在らしい。私以外に複数の幹部級の能力者が出張ってきてる」

遥の顔が緊張に歪む。

「一体、何人ぐらい。それにどんなやつが」
「そこまで教えてやる筋合いはねえし、お前の能力ならそれを暴くことも出来るはずだ。 ただそうさな、少なくとも一人は私より冷酷残忍で凶暴なやつ、そしてもう一人は私なんかが足元にも及ばない存在だ」

小田さくらを探すために、仲間の危機を救うために遥は去っていった。

ちっ汚れのない瞳をしてやがったぜ、あの工藤ってガキ
私もかつてはあんな瞳をしてたんだろうか
正義の為に戦ってたんだろうか…

力の無い足取りでその場を去る女の瞳が何を映しているのかは誰にもわからなかった。
ただ過去と現在の間を彷徨っていることだけは確かだった。
456名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 13:21:36.46 0
>>450-455
以上『Boys will be boys』
一部「リゾナンターΧ」に出てくるワードを使わせてもらいやした
457名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 13:40:14.39 O
>>456
更新乙です
少年vs元お兄さん風の人の組み合わせ
堪能させていただきました
458名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 15:53:34.36 O
後で読む
459名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 17:30:51.19 0
>>456
あゆみんの扱いがひどいよw
見えすぎることの恐怖を克服した少年が凛々しいですな
460名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 18:31:56.34 O
>>450
過去に何があったんだよだーいしw
461名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 20:24:23.51 0
辛い過去があったんだねだーちゃんw
462名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 21:46:41.09 O
あげとくのだよ
463名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 22:54:06.19 0
俺も
464名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 22:57:21.32 0
>>424-433 の続きです


赤い。
赤い夕陽が地平に沈み、融けゆく。
病院のフェンスの縁に器用に腰掛けながら、彼女は目に滲む赤を黙って見つめていた。

「やっぱりここか」

声がした。
声をかけたほうの彼女には、振り向いた相手が強く射す夕陽のせいで切り絵に見えた。
切り絵の黒から、ひらひらと夕陽に似た色の赤いスカーフが靡いている。

「…『勝者』のご褒美。もらってるとでも思った?」

黒いコートを羽織った、ゴシックロリータの服装の女は、首を横に振る。

「あんたの性格、知ってるから。あいつらが回復するまで待ってるつもりでしょ?」
「さっすが永遠の相方、よくわかってる。だってさ、100パーの状態じゃないと、戦っても面白くないじゃん」

組織を代表する、二人の粛清人。
粛清を楽しむところに共通点はあるものの、そのベクトルはまるで違う。
「黒の粛清」が相手の恐怖や絶望を好むのに対し、彼女は強いものを打ち負かすことに興味を持っていた。
465名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 22:59:02.92 0
「さすがは戦闘狂」
「そうだよ?あたしは戦うためだけに作られた、ロボットだもん。ガーピー、ガーピー、アナタノオナマエ、ナンテーノ」

わざと平板な発音を作り、おどけてみせる「赤の粛清」。
「氷の魔女」は笑わなかった。赤い夕陽、作られた”ロボット”。そのキーワードは嫌でも、ある一人の人物を想起させるからだ。

「ダークネスの幹部なんて、どいつもこいつも闇に心を食われたロボットみたいなもんじゃん。能力者のためのパラダイス、なんて言葉に踊らされて規則正しく動いてるだけのフラワーロック」

「赤の粛清」は機械じかけの玩具のように、首を左右に揺らす。
まるで、そんなことはどうでもいいとばかりに。

「氷の魔女」と「赤の粛清」。
組織の幹部に昇格したのは、ほぼ同時だった。
コンビを組んで任務に当たった事も一度や二度ではない。そんな長い付き合いの中で、魔女は粛清人の病的とも言える強い執着に気づく。

i914。
ダークネスが生み出した人工能力者の最高傑作でありながら、組織を裏切り脱走した最大の「失敗作」。
「赤の粛清」は、その失敗作にとにかく拘った。
「氷の魔女」が二人の間にあった出来事を知ったのはそれからすぐのことで、そうして彼女は「赤の粛清」が強さというものに執着する理由を理解するのだった。

恐らく。
i914と「赤の粛清」がまともにぶつかりあった場合。
片方は間違いなくこの世から消滅し、そしてもう片方もそれに近い末路を迎えるだろう。
「氷の魔女」はその予想に確信に近いものを感じていた。
466名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 23:00:01.91 0
「けど…ロボットにだって、失いたくないものはある」

半ば独り言に近い魔女の言葉には答えず、粛清人は、

「ねえ、夕陽がなんで赤いか知ってる?」

と聞いてきた。

「さあ?」
「夕刻の赤い光は、古代の神話で太陽の流している血として例えられて来ました。昼に我々に恵みとして与えられる光を生み出すために、太陽は血を流し、苦しんでいるという神話です」
「…そういうことか」
「そういうこと」

まるでどこかの受け売りのような言葉に、気のない返事をする「氷の魔女」。
逆に、流れ出る血や苦しみをどうすれば止められるか。そんなわかりきった問いに答える意志もなければ、権利も持ち合わせていなかった。

「スペードは剣で、ハートは心臓」
「何それ」
「そのまんまの、意味だよ」

訝しがる魔女を尻目に、「赤の粛清」は夕陽の向こうの遠い過去に思いを寄せる。
はるか昔に交わした約束。
約束は、果たさなければならない。

スペードは剣で、ハートは心臓。

その言葉を口の中で転がすように、粛清人はもう一度だけ呟いた。
467名無し募集中。。。:2013/04/17(水) 23:01:20.46 0
>>464-466
代理投稿終了

当初赤い人の話は予定に無かったので、終わる終わる詐欺みたいであれですがあともう1回更新しますw
468名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 00:31:59.61 0
あげ
469名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 01:11:31.49 O
>>467
更新乙ですよ
ところどころに意味深なフレーズがありますが元ネタとかあるんでしょうか
470名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 02:34:11.20 0
それにしても彼女が「赤」のイメージで出てくるのは珍しい気がする
471名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 06:28:52.39 0
今読み終わったがリゾナンターカイ面白かったよ
ベリキューとのバトルも読み応えあった
472名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 08:29:01.56 0
>>467
新しくもありながらスレ初期のような空気も感じます
それにしてもこれだけの人数を動かしていくのはすごいなあ
473名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 10:22:31.42 O
元になった話と前回の更新から考えるとこれはAとAの対決を期待してもいいんですよね?w
474名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 10:26:33.50 0
愛亜弥クルーーーー!!!!
475名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 12:55:43.26 0
476名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 15:02:17.35 O
おやつ
477名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 17:04:55.64 0
夕方
478名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 19:23:21.62 O
あげるのだよ諸君
479名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 19:24:20.47 O
しゅわぽん
480名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 21:07:54.74 0
「ここのところリゾナンターΧ以外の作者もホゼナンターもたるんでるの」
「確かに作品の投下ベースも落ちて、一言保全が多い傾向にあるのは事実ですけど、そのおかげでスレが繋がってるんですよ」
「うえうえとかあげあげとかサルでもできるっていうの。 共鳴が絶える日がついにやってきたというの。 作者たちの想像の泉は尽きてしまったというの」
「そんなこと言うんだったらサルでも出来る一言保全すらやってなかった道重さんはいったい何なんですかはっしまった」

「さゆみはこの世界で一番かわいいうさちゃんだよぅ」
「お約束でもむかつく」
「さゆみ、頑張ったわよね」
「ははい?」

「さゆみ頑張ってたわよね?」
「え、ええ。 確かに昨年末から年始にかけてりほなんとがスレを席巻してた感はありますが、それも中途半端なところで止まってますし」
「あんなにさゆみ頑張ってたのに、何でスレが落ちちゃったの」
「そそれはホゼナンターの皆さんにだって守らなければならない日常があるんですって」

「ほんと一月にスレが落ちた時、さゆみ絶望したわ。そう二年前のクリスマスイブに銀翼の天使の襲撃を受けて以来の強い衝撃を感じたの」
「リゾナンターΧの設定にちゃっかり乗っかってるじゃないですか」
「りほりほ」
「何ですか改まって」

「さゆみはリゾナンターΧの設定よりもりほりほに乗っかりたいの」
「ちょそんないやらしい目で私を見るのはやめてください」
「でも乗っかるよりもむしろ乗っかられてりほりほに征服されたいかも」
「頼まれてもお断りです」
481名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 21:08:58.01 0
「いやむしろ後ろから寄り添って」
「やめてくださいってばほんと。 そういうのスレが荒れる原因になるんですから」
「スレが荒れて何が悪いの? さゆみが休んでたスレは荒れたって完走したじゃない。吹けよ荒らし、呼べよ荒らし」
「やめてくださいってば」

「もうこのスレにさゆみなんて必要ないの。いっそのことサプライズでれいなと一緒に卒業してしまおうかしら」
「そんなこと言わないでくださいよ〜」
「さゆみが抜けたリゾナンターは聖ちゃん。 スレの方は古参住人いいえ古参師匠に任せようと思うの」
「小さん師匠ってw ほんとにかまってちゃんだなあ」

「うふふ。だってうさぎは誰も構ってくれないと寂しすぎて死んじゃうんだよ」
「まったく〜。 とにかく住人の皆さんも作品が上がることを期待して保全で繋いでるんですから。 何もしてない道重さんがそれを否定するようなことは言っちゃいけないですよ」
「はっまさかりほりほはさゆみが一月から何もしないでいたとでも思ってるの」
「リホナンターとしては一切活動してませんでしたよね」

「りほりほ、そこに座りなさい」
「最初から座ってます」
「さゆみはね、誰かと戦って打ち勝つ強さはない。それは自分でもわかってる」
「み道重さん」

「でもそんな弱いさゆみでも戦ってる誰かを助けることはできる。 戦いを支援することはできる」
「そうかそうだったのか。まだスレでは明らかになってないけどリホナンターとして他の誰かの戦いをサポートしてたんですね」
「そう。日本から遠く離れたサンフランシスコの地で戦う28人の侍に声援を送って…」
「それってただWBCをテレビ観戦してただけですよね。どうせなら現地で応援しましょうよ」
482名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 21:10:28.42 0
「だって当初は東京ラウンドの突破も危ぶまれてたじゃない。 そんな状況で現地に行くなんてリスキー過ぎる」
「侍JAPANの選手もこんな人に応援されなくてよかったよ」
「だいたいメジャーの審判は外角を広めにとるんだから、長野みたいにベースから離れて打つバッターが通用する筈無いじゃないンゴ」
「に俄解説者、乙。でも道重さんが野球ファンだなんて知りませんでした」

「さゆみ別に野球が好きなわけじゃないの」
「だったら国の威信を賭けて戦う侍の姿に胸を撃ち抜かれたんですか」
「さゆみの胸を撃ち抜くのはりほりほしかいないの」
「だったらいったい?」

「侍JAPANの代表に一番多く選手が選ばれたチームは、セイ!」
「広島カープと言いたいところですが…巨人でしたね」
「そうその巨人のマスコットのジャビットは何の動物がモデルかセイ?」
「うさぎじゃないですかはまさか」

「そうさゆみは侍JAPANが巨人の選手の活躍でWBC優勝を遂げた暁には、うさぎつながりで世界一ピースをする予定だったのに、…何でダブルスチールなんかするかな」
「道重さんお言葉ですがいくら道重さんが頑張ったって私たちが巨人にくいこむ余地なんてないと思います」
「いいのよ。本チャンで絡めなくたってスポーツ紙の芸能欄の一段記事でもいいから。どんな無理筋でも露出しなくちゃ」
「道重さん」

「そんなさゆみのことりほりほは蔑むの」
「いえそんなことは」
「そこまでしなくたって自分たちはパフォーマンスで魅せればいいと思ってるんでしょ」
「もちろんパフォーマンスも大事ですがメディアの方に取り上げていただくのも大事なことだと思ってます」
483名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 21:12:16.91 0
「ほんの一秒でも発言するチャンスがあったら寒いと思われるとわかってても発言してきたそんなさゆみの生き様をりほりほは否定するというの」
「しませんってば」
「事務所のお金でトリートメントしてもらえる子は考えることが違うわね。さゆみなんかジュンジュンと髪型が被った時も」
「道重さ〜ん」

「何よ、あたふたして」
「流石にこの展開はまずいですよ」
「何がまずいの」
「これまではいくらハメを外してもリゾナンターというくくりを守ろうとしてきたリホナントなのに今回のネタはどう考えても私たちがモー娘。だということ前提ですよね」

「かかったわねりほりほ」
「何ですか満面の笑みを浮かべて」
「つこれをクリックリックhttp://resonant.web.fc2.com/log/1208090669.html
「これは記念すべき第一話の過去ログじゃないですか。この時点では私まだ故郷にいたんだなあ」

「>>1を見なさい」
「え〜っと黒服を来てダンス踊ってるのはモーニング戦隊リゾナンターなんだよ 」
「そうそれはつまりモーニング娘。=リゾナンターということを意味するの。だからモーニング娘。を語ることはリゾナンターを語ることを意味するの」
「え〜それは少し無理があるんじゃないですか〜」

「それはさゆみも感じてる。実を言うとそのくだりを勘違いして覚えてたのでここに至ってオチが成立しなくなって愕然としてるところよ」
「そそんな不完全なネタを投下するなんて」
「いいのよ。さゆみが言いたかったのは結果も大事だけど経過も大切だということよ」
「ごまかしてますよね」
「ごまかしているわ」




                                                               ・・・りほなんと
484名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 21:22:58.19 0
何てことをしてくれとんねんw
485名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 22:18:24.96 0
あげ
486名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 22:54:07.05 I
>>480 おかえりほなんと
487名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 23:08:08.64 O
うわぁ「しゅわぽん」レスしたの、怒られた気分だ〜
けどちょっとうれしいw
488名無し募集中。。。:2013/04/18(木) 23:29:08.02 O
久しぶりのリホナントキターーーーー!!!!!!!!
489名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 00:08:27.39 0
ノハ*゚ ゥ ゚)<その時にあゆみんが、“ちょっとクサいこと言うけど”
川c ’∀’)<うん(笑)
ノハ*゚ ゥ ゚)<“みんなそれぞれバラバラの土地に行ってるけど”(笑)
川c ’∀’)<アッハハハハ!!
ノハ*゚ ゥ ゚)<“空は一つにつながってるからね”ってwww
490名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 01:22:20.94 O
ねるなん
491名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 02:47:18.38 0
おやすみ
492名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 04:54:41.99 0
おはなんと
493名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 05:11:53.53 O
朝っす
494名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 07:11:01.58 0
スペードは剣
495名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 08:25:21.42 0
ハートは心臓
496名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 10:10:45.23 O
おぱょ
497名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 12:18:32.98 0
おはこんにちわ
498名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 15:14:39.65 O
ぽにょ
499名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 16:51:00.15 0
夕方
500名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 18:57:40.01 0
あげ
501名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 19:51:28.20 O
しゅわぽん
502名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 21:13:34.36 0
あげ
503名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 22:33:49.57 0
ぽん
504名無し募集中。。。:2013/04/19(金) 22:59:11.76 O
しゅわ
505名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 00:39:24.21 0
ぽく
506名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 02:10:32.02 0
おやすみ
507名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 04:32:34.43 O
なのだよ
508名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 04:58:59.78 O
おはナント
509名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 07:55:49.82 I
投下開始↓
510名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 07:56:49.21 I
ガシャーン!

──なんで!

バリーン!

──こんな!

ドーン!

──ことになってんだよ!

「逃げろ逃げろ〜氷漬けにしちゃうよ〜」
「ハルが、あんたに何したってんだよ!」
「別に〜」
「ふざけんなよ!」
「お喋りしてる場合?」

ヒュン!

氷の塊が飛んで来る!

「くそ!」

姿勢を低くして避ける

ガシャーン!

「いい反応じゃん。運動能力も高いね。でも、いつまで避けられるかな」

ヒュン!
ガシャーン!
511名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 08:01:22.42 I
「夜に街灯の少ない広ーい公園で鬼ごっこ。ガキにはワクワクするシチュエーションなんじゃない?」
「命賭けてまでする事じゃねーし!」

ヒュンヒュンヒュン!!!

「危な!」

ガシャーン!!!
バラバラ……

「ちょっとやり過ぎちゃったかな……あれ、どこに行ったのかな〜?」

体がちっちゃくて良かった
なんとか花壇に隠れられたけど

「今度はかくれんぼ〜?」

いつかは見つかるだろうし

「10数えた方がいい〜?」

あいつを倒せる様な能力は持ってないし、どうする?

「かくれんぼより鬼ごっこがいいな〜」

しかも、夏なのにスッゲー寒いし……
あいつがやたらと氷を作ってるせいか?

「早く出て来ないと、公園全部氷漬けにしちゃうよ〜?」

ヤバイ!
こんなところでやられる訳にはいかないのに……
512名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 08:06:40.11 I
「じゃあ、こっちから凍らせよっかな」

──透視──トランスペアレント

やった!
あいつ、こっちに背中を向けてる!
今のうちに……

「見〜つけた」

あいつが振り返って真っ直ぐこっちを見る
気付かれた?

「上手く隠れたつもりだけど、相手が悪かったね」

物音を立ててないし、花壇に隠れたまま様子を見たのに

コツコツコツ

あいつが真っ直ぐこっちに近づいて来る
あいつも花壇越しに見えてるのか?

「隠れてても無駄なんだから、出ておいでよ」

立ち上がり姿を見せる

「あんたも透視≠ェ使えるのか?」
「違うよ」
「じゃあ、何で見つけられたんだよ?」
「美貴の能力は熱制御≠ネの。特に冷却≠ェ得意なんだ」

……どういうことだ?
513名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 08:10:04.06 I
「難しいかな〜? 熱を奪う能力でこの公園の気温を下げたの。今の気温はだいたい0度くらいかな。で、冷たい空気の中で温かい空気は上昇する。ヒトの体温は37度くらいでしょ?」

……さっぱりわかんねぇ

「つまり、気流の変化で居場所がわかるの。便利でしょ?」

もう目の前まで近付いてる

「かくれんぼは美貴の勝ち。さ、美貴と一緒においで?」
「嫌だね! こっちにだって都合があるんだ!」
「わがままだなあ。じゃ、氷漬けにしちゃうよ?」
「待ちなさい!」
514名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 08:22:20.52 I
>>510-513 投下完了

『地球の平和を本気で願ってるんだよ!』1
515名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 08:30:17.59 I
>>514

以前投下した『Help me!!』の過去です。



スレを越えてしまいましたが、返信です。
「第二章っぽいのも〜」とお言葉を頂き、図に乗り書きました。稚拙ですが、楽しんで頂ける様に頑張ります。
保管庫様、タイトル変更ありがとうございます。大変な手間をお掛けしました。今回もよろしくお願いいたします。
516名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 09:16:24.61 O
続き待ってたよ!
さて新たに出てくるのは誰なんでしょう
517名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 09:41:16.84 0
寒いと思ったら魔女のお出ましか
518名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 12:12:56.53 O
緊急浮上
519名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 14:34:43.72 0
急急如律令
520名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 15:16:02.14 O
今日も寒いすなあ
521名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 16:14:20.15 0
今日も共鳴集会に行けなかった…
522名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 18:15:44.03 0
>>514
更新お疲れ様です
新作は新旧の狂犬対決ですかw
ひょっとしたら10期メンが仲間入りする話なのか
続きを待ってます
523名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 20:01:59.66 0
さああげていきましょうか
524名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 20:55:37.12 O
保全だろうが
525名無し募集中。。。:2013/04/20(土) 22:32:24.44 0
あげ
526名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 00:20:13.70 0
おやすす
527名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 00:41:05.00 O
明日も作品投下ありますように
なむなむ
528名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 01:08:12.17 0
オリコン一位取ったらきっと・・・
529名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 02:34:17.39 0
おやすみ
530名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 07:37:51.59 O
おはなんと
531名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 09:23:12.10 O
おはっす
532名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 10:03:34.42 0
>>464-466 の続き



ダークネスの本拠地。
メイン棟から離れた場所にひっそり建っているのが、研究棟。
ダークネスの中でも科学部門を統括する紺野博士と研究員以外は立入る事すらままならない、まさに「叡智の集積」の中枢だ。

メイン棟にある幹部の部屋に勝るとも劣らないレベルのセキュリティが施された、実験室。
紺野はそこに向かって、歩いていた。
「彼女」が目覚めたとの報告を受けたのは、つい数時間前。リゾナンターと「キッズ」の戦いを見届けた後、すぐに「彼女」に会うことに決めた。

実験室の扉を開けるや否や、数人の研究員が出迎える。

「Dr.マルシェ。お待ちしてました。『彼女』は、そこに」
「ありがとう」

紺野が研究員の指したほうを見ると、数人の白衣の男に囲まれた少女を確認することができた。
切りそろえた前髪に、伏目がちな大きい瞳。
華奢な体を、病院着のような白い衣服が包んでいた。

あれが、そうなのか。
遠目では、どこにでもいるただの少女にしか見えない。
だが、紺野は本能で感じていた。あの少女こそが、自らが作り出した最高傑作であることを。

「…は、どうかね?」
「だいじょうぶです」
「…ということはないかね?」
「それは、わかりません」
533名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 10:04:46.90 0
レポート用紙をめくりながら、やりとりの詳細を書き写してゆく研究員たち。
その後ろでは、ファインダーが彼女に狙いを定めている。
ありとあらゆるデータは数値化され、そして紺野の元に届くことになっていた。
少女は大人たちに取り囲まれるという異様な光景の中にいながら、まったく動じない様子で質問に答えている。
これは期待できそうだ。紺野は研究員の一人に声をかけ、そして少女の目の前に立った。

「はじめまして、お嬢さん」
「はい。はじめまして」

肩にかかるくらいの長さの、黒い髪。
儚げな顔をした少女は、

やはり、どことなく似ている。@914に。
近くで少女を見た、第一印象。それもそのはず。彼女は、前任者が残したi914のデータを元に作られたのだから。
紺野はダークネスを去って行った少女に思いを馳せる。

「これから、あなたが生きていくために。我々は、最大限のサポートをしていこうと考えています。だから、あなたにも我々の手伝いをしてもらう。交換条件というやつです。それは、わかりますよね」

少女は、小さく頷く。
その瞳には、一片の疑いすらない。
彼女もまた、本能で悟っているのだ。目の前に現れた女性が、自分を作り出した「生みの親」であることを。

紺野は、少女の小さな肩に手をかける。
そして眼鏡の奥の瞳で、強く訴えかけた。

「あなたには、力がある。素晴らしい力だ。力は、在るべき場所に流れなければならない。太陽が、力強く大地を照らすように。そして。闇が、夜の静寂を満たすように」
「でも、どうすれば」
「道は。先輩たちが示してくれます。最初は、その道標を頼りに歩いていけばいい。
 今度、先輩のみなさんにお会いすることになると思いますよ。それまで、この白衣のおじさんたちの言うことをよく聞いていてくださいね」
534名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 10:05:43.96 0
それだけ言うと、踵を返す紺野。
研究員の一人が、怪訝そうに声をかけた。

「もうよろしいんですか、Dr.マルシェ」
「ええ、十分です。お披露目、いや会議の日が楽しみになってきましたよ」
「は?それはどういう」
「いや、こちらの話です」

紺野は上機嫌だった。
少女と交わした数回の言葉のやりとりだけで、これから実行することになる計画のすべてを脳裏に描き出していた。
犠牲は決して小さくはない。けれど、得るものも大きいだろう。そう確信していた。

「あの」
「まだ何かありますか?」
「今回の素体の呼称についてですが」
「ああ、そのことですか」

紺野は少し考え、そして。

「今の時期は桜が綺麗に咲いてますから、『さくら』というのはどうでしょう」
「え…しかし通例では素体にはアルファベットと数字で」
「呼び名を簡素にすることでしか効率化を図れないのは、凡百の人間です。そういう名前をつけたいのなら、どうぞご自由に」

白衣を翻し、実験室を出る。

計画は動き出した。もう、誰にも止められない。

紺野の夢は、少しずつ、けれど確実に実現しようとしていた。
ただそれは、彼女自身のみぞ知ることなのだが。
535名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 10:07:37.26 0
>>532-534
代理投稿終了

これで「リゾナンターX(カイ)」は終了です
新章までにいくつか番外編を投下するかと思いますが、その際はよろしくお願いします
536名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 12:39:26.61 T
読む前に保!
537名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 14:13:31.26 O
>>535
乙です
やっぱり彼女だったんですね
これからのストーリーにどう絡んでいくのか楽しみです
新章も期待してます
538名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 15:33:52.47 O
あげ
539名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 17:33:36.06 0
夕方
540名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 18:51:41.88 0
>>535
代理さんも作者さんも乙
24みたいな海外ドラマのシーズン終わりっぽい感じがしてカッコ良かった
番外編も楽しみです
541名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 20:01:44.99 0
>>535
ひとまずの完結お疲れ様でした!
新章ではさらに登場人物も増えていきそうで楽しみです

>「呼び名を簡素にすることでしか効率化を図れないのは、凡百の人間です。そういう名前をつけたいのなら、どうぞご自由に」
ここ好きでした
それと同時にうまいなーと感心しました
次のシーズンへの期待が膨らみます
542名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 21:18:31.36 0
あげ
543名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 21:18:40.13 O
ほぜ
544名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 21:57:20.56 O
なん
545名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 23:22:31.55 T
揚げ保是納
546名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 23:26:06.31 O
>>535
紺野の夢、気になるぅ〜
乙です
547名無し募集中。。。:2013/04/21(日) 23:28:41.47 I
>>535 小田ちゃんの扱いがスゲー!これまでも面白かったけどこれからも面白そうだ!期待大!一番好き!
548名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 00:50:05.86 0
寝るぜ
549名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 01:09:38.50 O
寝るナント
550名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 04:19:52.27 O
眠い
551名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 07:51:56.34 0
蓬莱の肉まんうふふ…
552名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 10:55:18.05 0
あげ
553名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 12:45:18.82 0
おださく楽しみ
554名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 14:11:53.94 0
 
このスレを愛していればこそ書いたものだということをくれぐれもご理解ください
そして最大限の広い心で読んでください
作者はリゾナンターオリメンの活躍する話が大好きです
現在のリゾナンターやその他のメンバーが活躍する話も大好きです
本当です

※参照作品
(70) 292 『共鳴戦隊リゾナンター 参上』 http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/618.html
(74) 214 『共鳴戦隊リゾナンター 再来』 http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/691.html
(79) 665 『共鳴戦隊リゾナンター 三度』 http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/761.html
555名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 14:12:33.47 0
 
「まるで犬っころねwほら、わんわんって言ってみなさいよ」

ここではないどこかの世界。
その世界は危機に瀕していた。
「闇の帝国・ダークネス」を名乗る組織が、世界を闇に呑みこまんと再び動き出したのであった。

今日も、一つの街がダークネスの一個師団によって襲撃されていた。

「この粛清人Rを前にして生きてられる人間はいないのよ!」

師団を率いているのは、ボンデージスーツ設定…というか「粛清人」という設定自体がさすがにそろそろ痛い粛清人R。

「うっさい!こっちも好きでやってんじゃないのよ!っていうかちょっと前にも書いてる作者さんもいるのに痛いとか言うな!」

「またΧ(カイ)の話かオンドレァ!!」
「!?」

のっけから嫉妬の感情も露わに、粛清人Rの前にいつものごとく女性たちが姿を現す。

「煌めく光の共鳴!リゾナントイエロー!」
「吹き荒ぶ風の共鳴!リゾナントオレンジ!」
「轟く雷の共鳴!リゾナントレッド!」
「滾る水の共鳴!リゾナントパープル!」
「燃え盛る炎の共鳴!リゾナントグリーン!」
「猛ルパンダノ共鳴!リゾナントインディゴ!」

「6人揃って…」
「「「「「「共鳴戦隊・リゾナンター!!!!!」」」」」」

そして、もはやここをちゃんと読んでいる人など誰一人いないであろう、名乗りとポーズという名のコピペが決まる。
556名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 14:14:22.33 0
 
「コピペってはっきり言うなよ!」 
「黙れファッキン脇役が!誰も読んでないのにこんなもん毎回わざわざ書いてるわけないやろ!」
「逆ギレすぎるんですけど!」
「愛ちゃんは最近出番がないことにいたくお怒りみたいですよ?」
「でもしょうがないじゃんそれは。時代は流れてるんだから」
「アホか!ほんならなんでお前は出とんねん!お前だけちゃうわ!ここのとこの作品の登場人物言うてみい!」
「はぁ?えっと…こんこんにさくらちゃんでしょ>>535、その前がミキティと工藤遥ちゃん>>514、さゆと鞘師ちゃん>>480-483、ミキティとあやや>>467、よっすぃーと工藤ちゃんと石田>>456…」
「もうええ!腐れババアどもとかカス新人どもとかケッタクソ悪い名前ばっかり出しやがって!」
「いやあんたが言えっつったんでしょうが!」
「もう一回言うけどさ、プラチナ舐めてんの?小春の踏み台期間を舐めてんの?」
「あんたが一番舐めてんでしょうよそれ!っていうか蒸し返すなって言ってんの!」
「スレタイ読めナイ人間のアツマリデスかココは!石川サンはリゾナントブルーAnother Versに出ていマスか!?」
「その議論ももういいから!飽きたから!」
「何故出テイナノイカ。ソレハオ前ガソノ少シ前ニ小栗デ脱退シタカラダ!」
「それあたしじゃない!あたしはあのときむしろ迷惑かけられた方!」
「矢口サンは迷惑な先輩……と」
「メモるな!言葉の綾だから!」
「しまいにはエルトン・ジョンって!あーしらさしおいてオカマって!」
「それは…まあ…若干同情を禁じ得ない部分もあるけど…」
「リゾナンターオリメン全無視とかどうなってんですかって話ですよ?」
「いや全無視じゃないって。上でもさゆの名前出てきてるし、『Χ(カイ)』であたしと対決したのは――」
「あいつ仲間とちゃうやん。スパイやん」
「早っ!まだ名前も出してないのに否定!?」
「オ前ノ小栗トノ交際ハシッパイダ!」
「だからあたしじゃないっつってんでしょうが!それに今はそれぞれ幸せにやってんだから蒸し返さないであげて!」
「石川サンの幸せはどこに転がってるんでショウね」
「ほっとけ!って何の話なのよ一体!何しに来たのよあんたたち!」
「石川さん倒しに来たに決まってんじゃん。言っとくけど小春はあんな鋼線使いとはわけがちがうよ、特におっぱい」
「そこは大して変わんないから!とにかくそっちがその気ならわかったわよ!やってやろうじゃないのあぁん!?」

戦闘モードに入った粛清人Rのこめかみに血管が浮かぶ。
557名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 14:15:40.95 0
 
「後悔してんじゃないわよ?あたしの念動力にかかればあんたらなんか赤子の手を捻るようなもんだからね!」
「なんやて……?何言うた!もういっぺん言うてみい!」
「あら?プライドに触ったかしら?何度でも言ってやるわよ。あんたらなんか赤子の手を捻るより簡単に……」
「赤ちゃんの手を捻る?なんて外道!恥を知ってください!」
「そっち!?」
「あの小さくて…かよわくて…罪のない柔らかい手を!言うに事欠いて捻るやと!?どんだけ非道やねん!お前はあれか!悪の組織か!闇の人間か!」
「そうですけど!?そういう設定ですけど!?…いやそれは紛れもなくそうなんだけど……なんかごめんなさい」
「ごめんで済んだらリゾナンターは要りマセン!」
「知るか!よく考えたらなんであたしが謝らないといけないのよ!」
「リゾナンターハ要ルダロ!」
「だから知るか!要らないっつたのそっちでしょうが!」
「そうやってうちらオンリーメン追い出す気やろ!そうはいくか!主役はうちらや!」
「追い出そうとなんてしてないって言ってんのに!っていうか光井、あんたも『Χ(カイ)』のラストの方出てたよね?」
「う、いや……それは……」
「出てたよね?戦いの締めのいいとこ持ってってた――」
「せいやっ!」
「きゃっ!あぶない!何すんのよ!あんたそれチェーンソーじゃないの!」
「何回言わすんや!これは我が家に代々伝わる破魔・除霊道具の『キラーソー』や言うとるやろ!」
「それ違うシリーズのやつじゃないの!このhttp://www35.atwiki.jp/marcher/pages/167.htmlシリーズのアイテムでしょ?」
「やかましわ!リゾナントや!これがこのスレの醍醐味リゾナントや!」
「その言葉にこれ以上自分たちで泥を塗るのはやめた方が……ってひぃっ!待ちなさいって!殺す気!?」
「悪は根絶やしにしてこそ正義や!その遂行のためには赤子の手ぇも迷わず捻り倒すんがほんまもんの正義や!」
「外道すぎ!」
「ベリキューとか吉澤とかにくだらん情けかけとる似非正義のカスジャリどもと一緒にすんなせいやっ!」
「ふひゃぁっ!そりゃ出番もなくなるわ!ってぎやあああああっっ!」
「以下コピペや!」
558名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 14:16:20.98 0
 
 
 
 
 
かくして、ダークネスの野望は今日も食い止められたのであった。
共鳴という名の絆により、街の平和は守られたのであった。
代わりに何かが失われた気がすることには触らない約束になっているのであった。



明日も力を合わせて戦えリゾナンター!
世界の未来を希望で満たせリゾナンター!


共鳴戦隊リゾナンターの勇姿は今でもみんなの心の中に!
いつまでもみんなの心の中に!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



>>554-558

本当にごめんなさい・・・
ちゃんとした作品待ちの保全なので許して下さい
559名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 14:24:51.08 O
なにふざけたこと言ってんだよ!!
>>558 も立派な人気シリーズだぜ!!!
560名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 14:59:09.58 0
>>558タイトルコピペし忘れましたw
どっちにしろ内容と同じくものすごいやっつけタイトルですけど

『共鳴戦隊リゾナンター 四度』


>>559
ありがとう!
でも冷静になって!w
561名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 16:56:43.67 0
あいかわらずヒドくて面白い
562名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 19:03:31.00 T
読む前に保!
563名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 19:27:33.39 0
564名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 19:38:06.00 O
五度や六度も期待してます
565名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 21:18:52.44 0
あげ
566名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 22:40:19.34 O
ぽん
567名無し募集中。。。:2013/04/22(月) 23:49:03.61 O
しゅわ
568名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 00:31:45.16 O
おやさゆみん
569名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 00:57:53.38 0
大規模規制?
570名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 01:02:52.55 O
それはやばい
571名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 02:48:06.53 O
寝るナント
572名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 07:33:07.60 I
ウィークリー
573名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 07:57:16.26 0
574名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 10:07:37.22 O
だって嘘だから…
575名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 11:56:28.91 O
新しい風が吹いている
576名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 12:22:31.74 O
そろそろ新しい風が恋しくなってきたな
577名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 14:14:14.73 O
臭いがイヤなの防虫剤は
578名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 17:18:01.39 0
夕暮れほぜなんと
579名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 18:45:52.38 O
ほぜぽん
580名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 20:28:05.24 0
圧縮早いから注意
581名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 21:13:58.89 0
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/696.html の番外編です


アジアの大国・中国が誇る国家機関「刃千吏」。
彼らの手がける仕事は国のトップシークレットに関わるものから、些細なものまで多様に渡る。
それ故、敵も多い。
最近では、上海に進出してきたという日本を拠点とする犯罪者組織との敵対が表面化し、彼らが差し向けるクローン兵器との争いは熾烈を極めていた。

とある任務のため、中国辺境部の飯店に滞在していた「刃千吏」の副官・リンリンこと銭琳は、真夜中の招かざる訪問を受けていた。
部屋のソファーに腰掛ける、二人の少女。テーブル越しにリンリンを見る目は、ただの訪問者としては似つかわしくないものがあった。

「まあ固いことは抜きにしましょうか、副長官。あんたが首を縦に振るだけでええねん。別に、うちらあんたんとこのシマ盗ろうなんて思ってへんし」

訪問者である二人組のうちの髪の短い、シャープな顔立ちのほうが言う。
この女の言葉のイントネーションは、聞き覚えがある。リンリンは、かつて共に戦った仲間の一人のことを思い出す。
だが、親交を深めるにつれ屈託の無い笑顔を見せるようになった彼女とは違い、目の前の女の瞳には闇の色しか見えない。
582名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 21:14:41.80 0
「上海を、あなたタチの好きナようにサセろと?」
「ありていに言えばそうなります」
「断る、と言っタら」
「お仲間さんみたいになりますよ?」

髪の長い、柔和な顔立ちのほうがにっこり笑いながら後方を指さす。
まるで壁掛けのタペストリーのように、体を壁部に癒着させぶら下がっている護衛官たち。
床に流れ落ちてる血の量から、すでに命を落としているのは明白だった。

「ずいブン早い対応ダ」
「話は早いほうがええやろ。うちらかて観光ではるばる大阪から来たんと違いますから。「是(はい)」か「不是(いいえ)」か。
あんたに与えられた選択肢は、これだけや」
「・・・発音ガ下手だ。一から勉強しなおシテ来い」
「あんたの日本語も大概やけどなあ」

横で茶化すおっとり顔に、きつい顔のほうがそんなこと言うてる場合と違うやろ、と突っ込む。
リンリンの好きなお笑い番組と一緒だ。今はそんなことを考えている暇もなさそうだが。

「その言葉は、否定の言葉と受け取ってええんかな」
「不用説(言うまでもない)」

リンリンの返事が、戦闘開始の合図となった。
二人が座っていたソファーが、炎に包まれる。リンリンの能力「発火」。その炎に襲われた対象物は、灰と化す。
しかしむざむざ焼き殺されるような相手でないことは、リンリン自身が承知していた。
583名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 21:15:11.88 0
「これが噂の『発火能力』か。ここまでごっついの、初めて見るわ」
「ええ塩タンが焼けそうやな」
「アホ!ぼけっとしてたらうちらのほうが焼肉になるで」

言葉では畏怖したふりをしながらも、リンリンを挟む陣形を崩さない二人。
相当戦い慣れている。少しずつ、後ずさりながらも背後の壁に立てかけてあった戟刀を手に取る。
「刃千吏」の総帥となる運命を背負った銭家の人間は、幼い頃からスパルタとも言うべき厳しい修練を施される。
それは武術においても同様で、中国を含む東洋、西洋ありとあらゆる武具に熟練することを強いられていた。

客室に置物同然に飾られた戟刀だが、こと一対二の対戦となると心強い武器となる。
威嚇するように長い戟刀を振り回し、締めの構えとして手のひらと戟刀を相手に向けるリンリン。
戟刀の穂先からは、リンリンが操る炎が迸っている。

「さあ。どこからデモかかっテ来い。お前ら、科学技術局局長ダッたアイツが作っタ連中ダロ。確か、エーケー…」
「違う違う。うちらは改良型のエヌ…何やったっけ?」
「そんなん、今はどうでもええわ」

例の組織の手のものなら、それが例え本物だろうがそのクローンだろうと何らかの能力を保有しているのは間違いない。
しかしそんなものは、リンリンに言わせれば「使う前に倒せばいい」だけの話。
584名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 21:15:50.48 0
だが、相手の二人はそんなリンリンを見て嘲りの表情を見せる。
まるで、今の状況が彼女たちにとって好都合かのように。

「その槍、しっかり握っときや」
「唖!?」

シャープな顔立ちの女が、翳した手を手繰り寄せるような仕草を見せた。
と同時に、リンリンが手にしていた戟刀に強烈な力が掛かる。
諦めるしかない。リンリンは咄嗟に武器の放棄を決意する。力に抗っている間に、後方の女に不意打ちをされるかもしれない。
致命的な隙を作るより、相手に武器を与えてしまったほうが遥かにいい。

リンリンの手からあっさりと離れた戟刀は、通常ではありえない勢いで女の横の壁に突き刺さった。その動きを見て、リンリンは相手の能力を理解する。

「お前…『磁力操作』の能力者か?」
「へえ。賢いな。たったこんだけでうちの力、見破るなんて」
「しゃくれた顎がそれっぽいもんなあ」
「何で顎で能力がわかるねん!てかそんなにしゃくれてへんわ!!」

またしても妙なやりとりをする襲撃者たち。
あっちの人間は日常会話が漫才やねんで。リンリンと数年間をともにした仲間、光井愛佳から教えられたことだ。しかし。

「もうお前ラの漫才に付き合ってル時間はナイ」

掌から激しく燃え上がる、炎。
585名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 21:16:24.98 0
「そんな連れないこと言わんといて。これからもっと楽しんでもらわんとな」

柔和な顔立ちの女が、体勢を低くして床に手を当てる。
こちらのほうがどんな能力を持っているか。今は分からないが、二人組で行動しているところを見ると相方のサポート的な能力だろうことは推測できた。

ただ幸いなことに、この部屋には金属でできているものは存在しない。ベッドも木製、テレビなどの電子機器もおいてない。
強いて言えば天井についている裸電球のソケットは金属でできているが、そんなものを落としたところでたかが知れている。

ならば、こちらの女を潰すほうが先決か。
リンリンは大きく体を翻し、しゃがんでいる女に回し蹴りを食らわせようとする。

足を思い切り振り抜いたリンリン、しかしそれは女の左手によって防がれる。
さらに。

「触ったぁ」

うれしそうな、女の顔。
とともに、急にリンリンの体を得体のしれない力が押さえつける。

「こ、こレは!!」
「うちの能力なあ、『磁化』言うんよ。触ったもん、何でも磁石になる」

言うとおり、足が床から離れない。
ついには、体全体が床に吸い付いてしまった。
586名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 21:16:55.32 0
「もう終いか。何やあっけないなあ」
「それだけうちらの力が強力ちゅうことやろ。あんたらが葬ってきたクローンたちとは、モノが違うねん」

地に這いつくばったリンリンを見て、勝ち誇る二人。
シャープな顔立ちの女が、床に転がっていた戟刀を手に取り、リンリンに向けた。

「うちが手を離せば強烈な磁力で、これはあんたの体を串刺しにする」
「『刃千吏』の副官で元リゾナンター。殺ったとなったら、うちらの階級も上がるやろなあ。本店さんは色々あって上のほうもガタガタみたいやし」

強烈な磁力に抗う事もなく、身を任せているリンリン。
そして、ゆっくりと口を開いた。

「お前らノ名前は・・・?」

それが最後の遺言か、とばかりに顔を見合わせる二人。

「名乗るほどでもないけどな。ま、18番と19番て覚えてもらったらええわ。てか何でそんなこと聞くねん」
「閻魔さんの土産話にでもするんやろ」
「…墓標ニ刻ムためノ、名前ダ!!」

リンリンの体から、炎が噴き出す。
先ほどの炎とは明らかに違う、緑色の炎。
587名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 21:17:29.78 0
「な!!」
「ほ、炎が緑やて!?」

予想外の出来事に焦る女が、戟刀をリンリンに投げつける。
しかし炎に触れた穂先はまるで火に炙った飴細工のようにくにゃりと曲がり、リンリンの手によって払い落とされた。

「この炎ノ色ハ…銭家が代々受けツいダ魂の色。たダの炎と思ったラ、痛イ目見ることになル」

ゆっくりと立ち上がるリンリン。
そのことで、二人はある変化に気づく。磁力が、消えていることに。

「高熱ノ中デは、磁力は働かナい。お前ら、学校デ習わなかっタのか」

鮮やかな緑の炎を手のひらで転がしながら、ゆっくりと二人に近づくリンリン。
仲間内で見せる明るい笑顔とはまったく別の、「刃千吏」の護衛官を束ねる非情な一面。

「…頃合やな」
「よっしゃ、任しとき」

ほんの僅かな目配せの後。
シャープな顔立ちの女が、懐から何かを取り出して床に投げつけた。
瞬く間に、部屋中が煙に包まれる。
588名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 21:18:00.04 0
「煙幕カ!小賢シい!!」

煙に紛れてこの場から逃げ出そうとする襲撃者。
だがそんなものを、リンリンが見逃すはずもない。両手の緑炎は狂ったように渦を巻きながら、煙の向こうの人影を飲み込む。
煙が晴れた後には、黒焦げになった死体が二つ、転がっているのみだった。

丸焦げになった死体の側にしゃがんだリンリンは、悔しげに舌打ちした。

「何ダ、クローンか」

同時に、急速に二つの大きな気が遠ざかっていくのを感じる。
どうやら、煙幕に紛れて自分達のクローンを身代わりにしてこの場から逃げおおせたようだった。

「銭副官!ご無事で!!」

異変に気づいたのか、隣の飯店で待機していた別動隊の護衛官たちが、客室に駆けつける。
床に転がっている黒焦げを目にし、敵の襲来があったことに気づく。

「お前ら、遅かっタな」
「それより副官、大変なことが…」

護衛官の一人が、リンリンに耳打ちする。
その内容とは…
589名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 21:18:30.20 0
「ナニ!『あれ』を盗マれタ!?」
「はい。すっかり油断してました。まさか盗まれるとは…」

本命はそっちか。
組織のナンバー持ちを囮に使うとは。本拠地で荒稼ぎしていると噂されるだけのことはある。
しかし。リンリンはしてやられた気持ちに襲われる。
リンリンの裏をかいた襲撃者たちのことではない。盗まれた「あれ」のことだ。

珍しく任務に志願してきたと思ったら、このチャンスを待っていたのか。
旧知の仲とは言え、少々甘やかしすぎたのかもしれない。
リンリンは大きく、肩で息をつく。

「見え透いた手を…「あいつ」は、わざト盗マれタんだ」

この忙しいのに厄介なことを。
リンリンはすぐに、東京行きのチケットを部下に手配させるのだった。
590名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 21:20:00.60 0
>>581-589
代理投稿終了
591名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 21:33:26.23 O
>>590
更新と代理乙です
盗まれたモノ?人?多分リンリンの相方さんだとは思いますが続き?が楽しみです
592名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 22:26:39.90 0
あげ
593名無し募集中。。。:2013/04/23(火) 23:18:52.22 I
フジで超能力系やってますが
594名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 00:03:02.93 O
ほぜほぜ
595名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 00:30:44.35 O
おやさゆみん
596名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 02:20:53.33 O
寝るナント
597名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 06:18:27.24 0
>>590
更新乙
大人びた振る舞いをするリンリンがイイですね
東京で何が待っているのか
続きを待ってます
598名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 08:23:19.85 0
おぱよん
599名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 11:10:13.79 O
ほぜ
600名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 12:53:37.32 0
ひる〜
601名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 13:11:41.50 O
新作珍作お待ちしてます
602名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 14:49:58.54 O
おやつ〜
603名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 16:30:06.96 O
ゆうがた〜
604名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 18:33:35.05 O
よるなんと
605名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 18:43:48.11 O
やばい
規制で誰も書き込まん
606名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 18:53:58.69 0
四月の風
607名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 20:23:36.87 0
ほす
608名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 21:33:17.23 O
スーパーリンリンマン ゴッド ハハハ♪
609名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 22:39:45.82 0
あげ
610名無し募集中。。。:2013/04/24(水) 23:55:29.60 T
おやさゆみん
611名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 00:43:01.15 I
油断するとおちそうな最近
612名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 01:44:11.01 O
おやすみなんと
613名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 04:33:03.37 O
寝るナント
614名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 07:18:29.18 0
うぇうぇ
615名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 08:23:44.49 0
今日はいい天気
616名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 08:42:42.00 O
おはよう
617名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 11:22:27.01 0
あげ
618名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 12:04:19.74 0
 ―― 神が犬に成り果て、生きることが悪へと反転するとき…… ■■■は七つの大罪の一「憤怒」へとその姿を変貌させるであろう ―――

「……何これ?」

喫茶リゾナントに常時置かれているメッセージノート。
なにげなくパラパラとそれをめくるうちにそんな一文が目に入り、里保はページをめくる手を止めて思わず呟いた。
字体こそかわいらしいものだが、その中身はあまりにも暗く、重い。
お気楽で明るいメッセージが並ぶ中、明らかに異質な文章であると言わざるをえない。

「どうしたの?里保ちゃん」

泡の立ち昇るサイダーの入ったグラスをトレイからテーブルに移動しながら、聖が首を傾げてノートを覗き込む。

「…ああ、それのことか」

そして、里保が答えるよりも早く、納得したように笑みを浮かべながら頷いた。

「それ、この前光井さんが来たときに書いてたやつだよ」
「光井さんが?じゃあ……未来の……?」

予知能力を持つ光井愛佳によって書かれた意味ありげなメッセージ。
ならば、これはもしかするとこれから起こる何かを表したものなのかもしれない。

「……どうかな」

僅かな間と微かな笑みとともにそれだけを言うと、聖はトレイを片手にカウンターの中へと戻っていった。
明らかにこの文章の持つ意味を知っている様子の聖に、そしてそのどこか挑戦的な態度にムッとなる。
「里保ちゃんには分かるかな」と言わんばかりのその背中に向かって、メラメラと対抗心が燃え上がってきた。

「おもしろい…!この謎、絶対解いてやるけぇのう!水軍流の達人と言われたじいちゃまの名にかけて!」
                                                                        【1レス保全】
619名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 13:47:26.30 0
フクちゃんにこの謎が解けるとは思えないw
愛佳に意味は教えてもらったんだな
620名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 15:46:46.25 0
一瞬■■シリーズの新作かと思った
621名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 18:02:54.49 O
某田一の事件簿みたいな感じになってきましたね
622名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 19:50:15.24 O
623名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 21:37:57.79 O
624名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 23:16:22.87 0
625名無し募集中。。。:2013/04/25(木) 23:28:38.90 O
626名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 00:09:09.48 I
──

「なんて夢や……冗談にもほどがあるやろ……」
「みっつぃー?」
「あ、新垣さん」
「どうかしたの?」
「……夢を見ました」
「もしかして未来≠フ?」
「おそらくは」
「……そう」
「内容、聞かへんのですか?」
「話す必要があるなら、きっと愛佳から話すでしょう。だから無理には聞かない。愛佳に押し付けてる様だけど
「わかってますよ。まったく、敵いませんわ。信用してくれてはるんですよね、愛佳の事」
「うん」
「……言いにくかったんは、見た夢に新垣さんが出てきはったんです」
「私?」
「新垣さんが先頭に立って、みんなでダークネスと戦ってて……ほんで、新垣さんが──



『──死んでしまうんです』
「にーがきさんが、死んじゃう?」
627名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 00:09:47.35 I
>>626
兼保全作
628名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 01:37:49.46 0
おやすみ
629名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 07:24:25.25 O
夢から醒めて
630名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 09:59:25.73 O
保全乙
予知能力が続きますね
631名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 12:47:59.55 0
>>618
じいちゃま別に名探偵でも国語学者でもないだろw
632名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 13:29:14.58 0
『リゾナンターΧ(Χ)』http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/696.html の番外編です

新宿・歌舞伎町。
日本有数の繁華街として知れた街には、同じく日本有数の犯罪の坩堝としての面があった。
闇ギャンブル、違法風俗、ドラッグや拳銃の売買。
そういう場所こそが、「組織」が根を伸ばすのに最適な場所となる。

毒々しいネオン、行き交う人々の喧騒、車のクラクション。
一見賑やかな街も、少し場所を外れればそこは闇の領域。
メイン通りを外れた、薄暗い路地。
周りから打ち捨てられたような小さな公園の隅に、妖しい闇が溢れ出す。
闇から姿を現したのは、二つの人影。似たような背格好だが、片方には「小さな大人」という言葉が良く似合っていた。

「やっと制御装置が直ったって聞いたから移動が楽になると思ったら、よりによってこんなくっさい場所に転送されるなんて。
マルシェのやつ、わざとやってんじゃないだろうな…」

牛柄のだぼっとしたパーカーを着た、金髪の小さな女。
巨大犯罪組織「ダークネス」の幹部、「詐術師」の二つ名を持つ彼女は、誰に言うとでもなく不満を漏らす。
そして、後ろにいる少女に顔を向け、

「はぁ。めんどくさいなあ。何が『教育だと思って仕事場に連れて行ってください』だよ。何でおいらがそんなことしなきゃ…
まあいいや。とっとと終わらすから、ついて来な」

とこれまた面倒そうに声をかけた。

先日開かれた、ダークネスの幹部会議。
そこでいつものように遅れてやってきたDr.マルシェが連れてきたのが、この少女だった。
さらに幹部全員に依頼された、「新人教育」。本来ならばこの「詐術師」が一番嫌う子供の世話を引き受けたのは、それが組織にとって重要な任務として位置づけられたから。

「詐術師」の少女への印象は、一言で言えば陰気臭いガキ。
どっかの二人組と違って大人しいのはいいが、その顔を見ているとこちらまで暗くなる。
仕事はハッピーがモットー、そんなふざけたキャッチフレーズを身上としていた女と少女の相性はあまりいいとは言えなかった。
633名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 13:30:12.28 0
複雑に入り組む路地裏を縫うように、二人は目的の場所へと進んでゆく。
少女にとってはもちろん初めての場所ではあるが、戸惑う事もなく黙々と「詐術師」の後をついて来ていた。
そんな様子を背中で感じながら、「詐術師」は思う。

何なんだこいつ。まるで緊張してないじゃんか。

新人教育など、例の隔離施設に送られた二人は別としてもやったことのない彼女ではあったが、それでも組織に入った新人が任務を前にがたがたと震えている姿は腐るほど見てきた。
だが、この少女の表情には、少しの緊張も見られない。

「ったく。入りたてはいい年こいたオッサンですらビビっちまうのに。お前、とんでもない強心臓かバカのどっちかだな」

言いつつ、足を止める。
それは、標的のいる雑居ビルに到着したことを意味していた。
昭和末期に建てられたであろうその建物は、すっかり色あせてしまい、陰気な雰囲気をかもし出している。

「いいか。この中にいる腐れやくざは、おいらたちが稼がせてやった金を丸パクして海外へ高飛びしようとしてるクズ野郎だ。つまり」
「つまり?」
「消されたところで、何の文句も言えない奴らさ」

そんな台詞をどや顔とともに決めてみせる「詐術師」。しかし少女はそんなものはお構いなくビルの中に入ってゆく。

「ちょっと、おい!」
「…行かないんですか?」

不思議そうな顔をする少女。
何だよこのクソ度胸は。呆れつつ、「詐術師」は少女に続きビルに入っていった。

「川添興業」と書かれたプレートが打ち付けられた鉄扉。
いかにもやくざの事務所らしい、と鼻で嗤った「詐術師」が、思い切り扉を蹴りつけた。
只ならぬ音に、開かれる扉と共に出てくるチンピラらしき数人の男。
634名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 13:30:59.72 0
「なっ、てめえら何の用…」
「雑魚には用はない」

問答無用で、「詐術師」は銃を抜き男たちの眉間を寸分の狂いもなく打ち抜く。
彼女の保有する能力からすれば、攻撃手段は正確であればあるほどよい。必然的に、彼女の銃捌きは達人クラスに達していた。

折り重なる屍を踏み越え、奥の部屋へと進む。
そこには意外なほど平然とした組長が、悠然と背凭れ椅子に腰掛けていた。

「『組織の者』って言ったら、わかるよな?」
「ああ。ただ、お前らみたいな小娘どもだとは思わなかったけどな」

左右に流した長めの髪を整髪料で固めた、一見身なりの正しい男。
しかしその目は、凶暴なぎらつきを湛えていた。

「結論から言ってやる。大人しく例の一件で得た金、全部おいらに寄越しな。そしたら命だけは助けてやるよ」

パーカーに両手を突っ込み、相手を挑発するような物言いで語りかける詐術師。
しかし。

「てめえ、誰に向かって口利いてんだ!?」

突然激昂した組長が、目の前のデスクを蹴り飛ばした。
それが、彼に余裕を持たせていた切り札を登場させる、合図。

現れたのは、屈強な肉体を誇示するかのようなタンクトップ姿の男。
しかし、彼の自慢の武器はそれだけではないらしい。

「知ってんだよ。お前らがわけわかんねえ力を使う”バケモノ”だってのはよ。だから…同じようなバケモノを当てがってやるよ」
「ひどいなあ、組長」
635名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 13:31:38.10 0
にやにやと笑う、男。おそらく能力者だろう。
組長の明らかに馬鹿にした態度はこれが原因か。
しかし「詐術師」にとっては、むしろ好都合な相手だった。

「おいデカブツ。おいらにその鼻が曲がるようなくっせえ能力、使ってみろよ」
「…舐めやがって。すぐにぼろぼろの雑巾みてえにしてやる」

男が、両手に力を込める。
強力な念動が、「詐術師」の体を捻り引きちぎり、血飛沫が舞う。はずだった。
ところが当の本人は涼しい顔。

「どうした?早く始末しろ!」
「なにっ、くそっ!どうなってんだ!?」

いつもは鮮やかに決まる殺人芸が、今日はまったく発動しない。
焦る男に、「詐術師」が言う。

「体の調子でも悪いんじゃね?キャハハ、おい、初仕事だ。やっちゃっていいぞ」
「わかりました」

うろたえている、能力を封じられた男を拳銃で打ち抜くだけの楽な仕事。
だが、あの巨躯だ。下手に掴み掛られでもしたらお気に入りの牛柄パーカーが汚れてしまう。
要するに面倒臭がって、自分でできる仕事を押し付けたのだ。

少女が一歩だけ、前に踏み出す。
「詐術師」がそれに気を取られたほんの一瞬の出来事。もう、全てが片付いていた。

ひしゃげた部屋のロッカーに首を突っ込み、倒れている男。
組長は、座ったままの姿で気絶していた。
少女は元いた場所から、微動だにせず佇んでいる。
636名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 13:32:12.43 0
は…?こいつ、何をしたんだ?

「詐術師」は短時間で、いや一瞬で起こった出来事を整理する。
こいつの能力は。そう言えばマルシェは「こいつ自身の能力については」何も語らなかった。一体、何をした。瞬間移動か。
いや、それならおいらの目にも映るはず。何なんだよ、これ。

「は、きゃ、キャハハハ。何だかんだ言っても新人だな。詰めが甘いっつーの!」

動揺を悟られないよう、上から目線を誇張し、懐から銃を抜き出して倒れている男の体に数発。
頭と心臓を打ち抜かれたそれは、数度痙攣し、それから動かなくなった。

それを、じっと見つめている少女。
さすがに「殺し」は衝撃的過ぎたか。
「詐術師」は少女が身じろぎしないのを、初めて人間が命を奪われる現場にショックを受けているのと思った。しかし。

数度の、はじける音。

少女は、いつの間にか「詐術師」から拳銃を奪い取っていた少女は。
事も無げに、椅子に凭れかかっていた組長の頭と心臓を、正確無比に撃ち抜いていた。

「これで…いいんですよね?」

そこで、初めて少女がにこりと微笑む。
学習したことを実践したのを、評価して欲しいかのごとく。

「あ、ああ。合格点…なんじゃね?」

「詐術師」は、そう言って見せるのが精一杯だった。
637名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 13:32:50.94 0
>>632-636
代理投稿終了
638名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 14:09:44.69 0
>>637
乙です
おださくの無感情というか常識離れした感覚が端的に描かれていて悲しさを感じた
彼女が人間らしい感情を手に入れるまでがΧの次章なのかと推測してみたり
639名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 14:09:58.74 O
>>637
更新代理乙
おださくかっけぇ……
640名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 17:21:06.29 O
読む前ほ
641名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 19:04:21.27 0
小田ちゃんの能力はいったい何なんだ
642名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 21:24:04.82 O
小田ちゃんはとりあえずダークネスサイドなのか
643名無し募集中。。。:2013/04/26(金) 23:21:51.76 O
ほぜむ
644名無し募集中。。。:2013/04/27(土) 01:23:19.73 O
おやすみなさやし
645名無し募集中。。。:2013/04/27(土) 04:56:03.30 0
おはよっしー
646名無し募集中。。。:2013/04/27(土) 07:21:53.01 0
おはるなん
647名無し募集中。。。:2013/04/27(土) 09:58:50.31 O
今日も規制に負けず更新日和
648名無し募集中。。。:2013/04/27(土) 12:17:45.71 O
ひるあげ
649名無し募集中。。。:2013/04/27(土) 15:36:28.76 0
あげ
650名無し募集中。。。:2013/04/27(土) 18:14:21.48 O
夕方あげ
651名無し募集中。。。:2013/04/27(土) 21:11:37.03 0
夜あげ
652名無し募集中。。。:2013/04/27(土) 22:32:11.22 O
人がいないのぉ
653名無し募集中。。。:2013/04/27(土) 22:39:57.07 O
規制がきついんだよ
654名無し募集中。。。:2013/04/27(土) 23:12:37.39 O
作品の転載ができないのが悔しい
655名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 00:59:03.89 0
656名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 01:40:58.07 O
おやすみずき
657名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 07:17:11.65 O
規制中につき
658名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 07:17:20.40 I
おはさくら
659名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 08:30:36.62 0
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/771.htmlつづき投下します


-------

げほっと痰の絡んだ咳をした。
今日もまた、れいなは鍛錬場に籠っていた。
とはいえ、トレーニングをすることもなく、ただ床に横になって、真白い天井を眺めていた。
最後にトレーニングをしたのはいつだろう。里沙があの崩落に巻き込まれてから、していないのではないか。
最後にご飯を食べたのはいつだろう。ロクに動いていないせいか、空腹をあまり感じない。
最後にさゆみと話したのはいつだろう。……いつだっけ?

「………どうしよ」

れいなは勢いをつけて上体だけ起こした。
脚を投げ出したまま、いまの状況を整理した。
里沙は行方不明のまま、連絡も取れない。れいなも個人的にあの崩落したビルに行ったが、警備があるために、中に入ることはしなかった。
さゆみの力を借りようかとも思ったが、なんとなく話しかけづらかったためにそれをしていない。

里沙がいなくなってもう2週間が経つが、一向に上層部からの連絡はない。
“上”と連絡が取れるのは代々、リゾナンターの長だけであり、長以外は連絡先を知らない。
愛から里沙にリーダーが引き継がれたときに、専用の携帯電話を受け取っていたが、その電話もあの崩落に巻き込まれてしまった。
里沙がいないことはとうに上層部も知っているはずだから、向こうからアクションを起こすだろうと思っていたが、今日の今日まで、それはない。

いまのところダークネスに大きな動きはない。
下位構成員たちが街で暴れているようなニュースは目にするが、れいなたちが出る幕もなく、警察が動いている。
660名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 08:31:30.09 0
結果、なにもせずにただ喫茶リゾナントにいるだけの日々がつづいていた。
なにをやっているのだろうと自分に対して辟易するが、どうしても一歩が踏み出せない。
このままで良いはずはない。この状況を打破するには、さゆみとしっかり話す以外にない。
それなのに、れいなは今日まで、さゆみに声をかけることができない。
彼女もまた、資料室か自室にこもり、あまり外に出ることはなくなった。

「壊れとーのかな…もう、れなたち」

自嘲気味にれいなは笑った。
生まれも、境遇も、年齢も、国籍も、なにもかも違う9人が集まった。
デコボコで、バラバラで、衝突もあったけれど、目的を共有し、ただ自らのチカラを鍛え上げ、自分の信じる正義のために闘った。
捨て猫だったあの日から、れいなは此処で生きる意味を見つけた。
だけどもう、そんな日はつづかない。このまままた、捨て猫に戻るだけなのかもしれないなと天を仰ぐ。

「お似合いやろ……」

夢を見て必死に走り抜けてきた捨て猫は、仲間を失い、また捨て猫に戻りましたとさ。
めでたしめでたし。

れいなはごろんと再び横になった。
真白い天井が迫って来るようで、妙に腹立たしい。
げほ・ごほとまた咳をする。
この咳の原因がよく分からない。
3週間ほど前から妙に喉が痛くなり、血を吐くようなこともなんどかあった。
病院嫌いなれいなは、原因は気になるものの、通院することはしていない。とはいえ、このまま放置するのも良くないのだろうか。
661名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 08:32:30.07 0
腕で目を覆い、ぐるぐると回る思考を止める。もうなにも、考えたくない。
さゆみと話さなきゃいけないと分かっているのに、動きたくない。もうこのまま、終わってしまいたい。
なにもかも捨てて、もう、このまま、この息を止めて。すべてを、無に―――


―――「れーなは、闘うの、好き?」


ふいに彼女の声が甦った。
いつだったか、彼女の見舞いに病院に行ったときに投げられた言葉だ。
闘うことに存在意義を見出していたれいなを鋭く抉った言葉に、素直に応えられなかったあの日。
まるで子どものように拗ねて、目を逸らして、そして黙って病室を出て行った
どうしてあんな話になったんだっけ?それまで彼女となんの話をしていたんだっけ?

記憶をゆっくりと掘り起こしていく。
あれ。なんでこんなことをしているんだろう。思考を止めたかったはずなのに。
ずいぶんと矛盾しているのに、どうしてか、れいなはやめようとはしなかった。

ゆっくりと、あの日のことを思い返す。
白くて狭い、殺風景な部屋の中心に、彼女はいた。
ベッドの上に上体を起こして、ぼんやりと窓の外を見つめている。
四角く切り取られた空は温かいオレンジ色に染まっていた。
662名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 08:33:10.82 0
そうだ、あの日は夕陽が妙に綺麗だった。
今日の終わりを告げ、夜の始まりを教えるその色が、まるでれいなを笑っているようで、それが嫌で逃げ出したんだ。


―――「この心臓が治るよりもね、闘わないで良い世界を見たいっていうのが、絵里の夢なんだぁ」


心臓病を患い、静かに時を過ごしている彼女の口から「闘い」という言葉が出てくるだけで胸が痛んだ。
それでも彼女は真っ直ぐに、れいなを射抜いている。
唐突に彼女は自らの夢を語った。胸元に手をやり、ぎゅうと握り締めて、夢を語った。
あのとき彼女は、れいなになにを云いたかったのだろう。なにを伝えたかったのだろう。
彼女は、絵里は、あのとき―――

「っ―――」

瞬間、右手が熱を帯びたような感覚に捉われた。
ふと右手を翳すが、変化はない。
気のせいかとも思ったが、この熱の感覚は本物だ。

れいなは上体を起こし、改めて右手を確認する。一見すると変化はない。だがなにかがおかしい。
ぎゅうと握りしめ、ぱっと放す。もういちど握りしめ、放す。静かに繰り返す。
手の平を大きく開き、ゆっくりと虚空に円を描く。
そのとき、見えないはずの円が、はっきりと見えた。
見間違いではない。まるで水面にできた航跡のように、れいなの右手に沿って、円が浮かび上がっている。
眉間に皺を刻みながらも、れいなは真っ直ぐにその右手を見た。
なにかが、なにかが此処に在る。
663名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 08:34:17.58 0
-------

さゆみは部屋にこもり、パソコンのディスプレイを食い入るように見ていた。
何重にも掛かっていたパスワードの奥にあったものは、あまりにも膨大な量の資料だった。
なんどもなんども繰り返し読み、仮定をつくっては突き崩す。
氷の魔女に遭遇してからもう2週間が経っているが、さゆみの脳内には相変わらず、彼女の言葉がこびりついて離れない。
忘れようとするのに、あの声が壊れたレコードのようにまわりつづける。

息が短くなるのを感じ、ぐっと伸びをした。
すっかり冷えた紅茶を飲み干す。味なんてあったもんじゃない。
立てこもり事件のデータベースを閉じる。思考を切り替えようと別のファイルを開く。
実験に使われていたであろう薬品のファイルを開いた。
ずらりと並んだ見知らぬ名称たちに辟易しながらもスクロールしていく。
効能も併せて読むとさらにうんざりした。抵抗力を弱めるもの、脳を麻痺させるもの、痛覚を倍にするもの、自白剤のようなものなど、さまざまだ。
なぜこれほど非道なものをつくれるのか、さゆみには理解できないし、理解したくもなかった。

スクロールしていた指は、あるひとつの文字列を発見したことでぴたりと止まる。

「これは……」

その名称に見覚えがあった。
さゆみは椅子を引き、三段目の引き出しを開ける。
奥に入れてあった鍵のかかった小さな箱を取り出して机上に置いた。鍵をあけると、そこには小さな瓶が入っている。
黒い蓋に「Corridor」とラベルが貼ってある小瓶と、ディスプレイに浮かんだ文字列を見比べる。
それはひとつの間違いもなく、一致していた。
廃ビルと化したあの部屋で、さゆみの目の前に転がってきた小瓶。捨てることなく、ポケットの中に入れたそれがいま、目の前にある。
ごくりと生唾を呑み込み、効能を見る。
664名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 08:34:49.00 0
文字を追いながら、ぐるぐると思考を展開させる。これを使えば、世界は変わる、かもしれない。
自分の周囲にある「世界」。
信じていたもの、普通にあると思って疑わなかったもの、ずっと変わらない日常だったはずだ。
だが、ある日突然にして地図は変わった。自分の立ち位置を見失い、座標は消えゆく。
さゆみは手を組み、額に持っていく。
じっと目を閉じて深く思考の海に潜りながら、ふと、在りし日のことを思い出していた。


-------

―――「今日の17時、喫茶リゾナントに集合」

絵文字も何もない、たった一文のメールが送られてきたのはその日の昼過ぎのことだった。
何事かと、リゾナンターのメンバーは、高橋愛の指示通り、17時に喫茶リゾナントに集まった。
肝心の呼び出した本人は、16時過ぎからリゾナントの厨房に立って、なにか料理をつくっていた。

「え、なんなの?」

新垣里沙は眉を顰め愛に話しかけたが、彼女は意味深に笑うだけでなにも答えなかった。
呼び出されて集合したは良いものの、待ちぼうけを喰らうことになり、亀井絵里は「ふああ」とあくびをする。
黙々と具材を切っていく愛をさゆみは不思議そうに見つめ、れいなもまた、分からないと言わんばかりに肩を竦めた。

「ヴィジョン視たら?」
「そう易々と能力行使させようとするのやめません?」
「コーシってなに?」
「……もうええです」

久住小春に円らな瞳で覗き込まれ、光井愛佳は逃げるように雑誌を捲った。
手伝った方が良いのかもしれないが、厨房に立った愛は「良いから座っとき」と強く言われたので、我関せずの態度を一貫している。
ジュンジュンはアイスコーヒーを片手に立ち上がり、厨房の愛を覗き込むが、しばらくすると席についた。
落ち着かないのは彼女もいっしょなのだろう。くるくるとストローを意味もなく回している。
665名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 08:35:34.63 0
普段とは少し違った空気が喫茶リゾナントに流れていた。
この店のマスターである愛がキッチンで料理をすることなど珍しくもない。
だが、あれほど大量の具材を買い込み、ひとりで厨房に立つのは珍しい。
しかも営業時間にもかかわらず、リンリンに頼んで「CLOSED」の札を出させてまでのことである。
リンリンは不可解に思いながらも、「OPEN」の札を返した。そして始まったのが彼女の料理ショーだ。
こめかみを掻きながらも「楽しみデスネ〜」と適当なことを言って場を和ませる。
各々がそれぞれの想いを抱えながら、喫茶リゾナントに少しだけ「非日常的な」緩やかな時間が流れていた。


「よーし、かんせいっ!!」

彼女が厨房に立って、何分が経過しただろう。
たまたま時計を見ていたさゆみは、優に1時間半が経過していたことに驚いた。

「ほら、全員集合!」

愛はテーブルにガスコンロをセットし終えるとそう声をかけた。
その場にいた全員が「それ」を予想したが、同時に、「それ」はないだろうと否定もした。
だが、結局彼女が「それ」を厨房から持ってきたせいで、その予想は当たることとなった。

「鍋かよ!」
「そう、鍋やよ、ガキさん」

愛はそうして厨房から鍋を3つほど持ってきた。
里沙の向かって右からキムチ鍋、石狩鍋、もつ鍋が並んでいる。

「あんだけ勿体ぶったのに鍋なの?」
「鍋おいしそ〜!」
「石狩鍋とか、凝ってますやん」
「鍋おいしそうです、ハイハイ」

テーブルを囲うように8人が集まり、愛は嬉しそうにお玉で具材を掬った。
666名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 08:36:21.95 0
「はい、もつ鍋が良い人〜?」
「れいなそれがいい!絶対もつ!」
「モツってナンダ?」
「って人の話を聞けぇ!!」

愛は里沙のツッコミなど聞かずに人数分の鍋を注いでいく。
白い湯気を立てたそれは、実に美味しそうだ。
さゆみも皆に倣ってもつ鍋を受け取る。そういえばもつ鍋って食べたことないかもしれない。

「ねえ愛ちゃん。なんで鍋なの?」
「はい、皆受け取った?受け取った?よし、じゃあ、いただきまぁーす!」
「だから聞けってば!」

とにかく現状を把握したい里沙がどんと机を叩いて立ち上がった。
能天気に箸を持った小春も、さすがにこの空気の中でキムチを食べる勇気はなく、ゆっくりと箸を置く。

「なに考えてんのよ愛ちゃん」
「……だってさ、こうやって9人で揃ってご飯食べるの、久し振りやん」

白菜を口にしながら愛はそうして笑った。
里沙は「はぁ?」と眉間に皺を寄せたが、さゆみはふと、そういえばそうかもしれないと思った。
ここ数ヶ月、全員が顔を揃えて食事をともにすることはなかった。
ダークネスの急襲、不穏な動き、殺伐とした毎日がつづくなかで、のんびりと9人で食事なんて、考えられなかった。
667名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 08:37:13.42 0
「たまにはこういう日も大事やと思って」
「そのために、わざわざ呼び出したの?」
「よく言うやん。何気ない日常がいちばん大切やって」

軽く口にした言葉は、妙に心に刺さった。
いつまでもつづく平和なんてない。リゾナンターである以上、常に死と隣り合わせで、この9人の生命の保障はない。
だからこそ、9人で必死に闘って、前に進んできた。
同じ、共鳴という絆で結ばれた仲間だから。

「今日は9人でさ、ぱーっと盛り上がろうよ!」

不確かな日常。確証のない未来。
だけど、この9人なら進めると思った。
年齢も、境遇も、国籍も、全く違う9人だけど、不思議と自信があった。
絶対に負けないと、胸を張って断言できた。

「じゃあ乾杯デスヨ!」
「絵里オレンジジュースがほしいー」
「あ、冷蔵庫取ってきますよ、田中さんなにがええですか?」
「じゃあグレープジュース」
「小春は麦茶ー」
「あんたは自分で取ってくるの」
「鍋美味しいダ」

凍った空気が再び動き出す。
慌ただしくなったメンバーを尻目に、愛は豚肉を頬張った。
里沙はわざとらしく肩を竦めて椅子に座り、キムチ鍋に手を伸ばした。
668名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 08:38:09.99 0
「きみはよく分からないよ」
「まあ分からないから良いってもんやない?」
「……さあね」

いつの間にか、目の前に紙コップが並べられていた。
愛と里沙は仲良く麦茶を手にし、右手で持つ。

「じゃあ、リゾナンターにかんぱーい!!」

威勢よく発した小春の声とともに、9人での宴が始まった。
だれかの誕生日であるとか、記念日であるとか、そんなことはまるでない。
ただの日常の、ありふれた夜でしかなかった。
だけどそれは、とても特別で、妙に忘れがたい夜となった。


-------

目を開けると、目の前にはディスプレイの暗くなったパソコンが置いてあった。
あの9人で鍋を食べたのはいつのことだっただろう。次に皆で鍋を囲んだのは、高橋愛がリゾナンターを離れる前日のことだった。
思えば、すべては節目の日だった。
大切な想い出。大切な過去。忘れることのできない夜。

さゆみは背もたれに体を預け、ぼんやりと天井を見上げた。ごきっと背骨が鳴る。
右脚が少しだけ軋んだむ。病院にも、行かなくてはならない。そう思うけれど、体が動かない。
勢い良く体を戻し、再びパソコンを見る。
「Corrido」の効能の書かれたページを確認しながら、黒い蓋の瓶を手にする。
魔女の言葉、上層部の不穏な動き、薬品、人体実験、行方の知れない里沙。
考えることは山積みで、だけどもうなにも考えたくなかった。
頭の中に浮かぶのは、大切な仲間たちの笑顔。
669名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 08:38:50.28 0
―――「よく言うやん。何気ない日常がいちばん大切やって」


自信があった。
あの9人でなら何処までも走っていけると、そう信じていた。
過去の記憶との邂逅は、心を掻き乱し、捉え、波を起こして襲いかかる。
さゆみは再び、目を閉じる。
信じていた世界。何処までも、永遠につづくと信じていた、日常。あの9人での、記憶。


―――「これでもさぁ、信じてるんだよ、きみのこと?」


唐突に、彼女の言葉が甦った。
舌足らずで、甘ったるくて、へらへらふわふわと、だれにも捕まらない自由な風のような彼女は、文字通り、風のように消えていった。
その割にいつも本質を突いて、ぐさりとさゆみの心を抉る。
力強くて、立派で、そして残酷で、だけどだれよりも暖かな風を吹かせる彼女が、好きだった。


―――「争うことのない、平和な世界。そういうの、見てみたいんだ。きっとね、さゆたちならできると思うの」


あれはいつのことだっただろう。
白くて狭い病室に、彼女の好きな花を持っていった夕方、彼女は病室の窓から空を見ていた。
四角く切り取られた小さな青に向かって、彼女は真っ直ぐに腕を伸ばしていた。
天高く上った太陽を掴まんとするその仕草は、まるで子どもで、どうしようもなく、大人だった。
670名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 08:39:30.95 0
―――「きっと、さゆならだいじょうぶ。だから、だから、諦めないでほしいんだ。絵里のためにも、絶対にさ」


太陽を掴むことなく、腕はだらりと垂れ下がった。
さゆみに向き直った彼女の笑顔は、眩しかった。
あの言葉の意味を、さゆみが問いただすことはなかったし、できなかった。
彼女が一体なにを云いたかったのか、その真意をさゆみが知ることはなかった。
だからさゆみはいまでも、彼女の想いをその両の腕に抱えたままで生きていくしかない。

「なにを、諦めないでいればいいの、絵里……」

ぎゅうと瓶を握りしめて、さゆみは立ち上がった。右脚が軋む。
パソコンを閉じ、右脚を引き摺りながらも部屋をあとにする。
もう、後戻りはできないと、ぼんやり思った。
671名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 08:41:21.50 0
>>659-670 とりあえず此処までです

れいな卒業までに最後の景色…は難しいですが必死に頑張ります

---------------------------------------------------------ここまで代理投稿
672名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 09:32:34.66 0
作者さんも代理さんも乙です
2人っきりになったのに離れてるれいなとさゆが切ねーです
続き待ってます
673名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 10:50:55.51 I
>>671 乙です。先がよめん…続きが楽しみすぎます!
674名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 12:37:56.35 O
あとで読む!
675名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 14:13:04.35 O
これから変化を見せるのか不幸な結末へと進むのか
どちらにせよ楽しみにしてます
676名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 16:36:02.48 O
あげ
677名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 19:15:15.62 O
あげ
678名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 20:15:58.03 0
>>671
各章のサブタイトルには離脱したメンバーの名が入ってるわけだがこの章は誰の名が銘されるのか気になるわ〜
679名無し募集中。。。:2013/04/28(日) 22:16:41.93 O
ほぜなんと
680名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 00:09:37.05 O
ほにょ
681名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 02:05:35.24 O
>>678
さゆれなの名前なのか、果ては別の名前なのかも考えると楽しくもあり切ない
682名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 02:53:13.81 O
おやさゆみん
683名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 06:59:08.84 0
おはさゆみん
684名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 07:21:53.67 0
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/696.html の番外編です


ダークネスの、本拠地。
「目覚めの日」から程なくして与えられた、少女の個室。
簡易なベッドと机以外は何も無い、殺風景な部屋ではあるが、少女にとって特に困ることはない。
ごろりと無造作にベッドに寝転がると、窓から煌々と輝く月が見えた。

部屋の扉をノックする音が聞こえてくる。
また、「体験学習」だろうか。
少女は一番最初に経験した「殺し」のことを思い描く。

小さくうるさい先輩に言われるまま、撃鉄を引いた。
撃たれた相手は、あっけなく死んでしまう。
とは言え、先輩にそう言われただけで、実際にどういう状態を「死んだ」というのか、少女自身よく理解していなかった。

のそりと起き上がり、扉を開ける。
そこには黒のライダースーツ姿の女性が立っていた。
一目見て男装の麗人と見まごうばかりの造形、しかしスーツから無造作に下ろされたジッパーから顔を覗かせる透き通る白い肌は間違いなく女性のものだ。

「仕事だ。行くぞ」
「はい」

その女性は、現れた時の端正な顔立ちを崩し、笑いかける。
これからツーリングにでも行こうぜ、とでも言いそうな雰囲気で。
685名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 07:22:38.38 0
ダークネスの本拠地に設置してある機械によって、制御される「ゲート」。
能力者、それも高位の人間しか使うことのできないそれは、簡単に言うと隔地間転送。
機械に行きたい場所の座標を入力する事により、その場所へのショートカットが開通する仕組みとなっている。

「普通の人は、使えないんですか?」
「ああ。弱いやつはここを通るだけで精神に異常をきたすって話だ。ダークネスの幹部クラスでそんなやつはいないけどな」

女性の言葉で、改めて自分が「普通の人間ではない」ことを実感する少女。
白衣を着た、ふくよかな頬の博士は自分のことを「特別な力を持っている」と言った。その特別な力とは何なのだろう。
この前、小さな大人の前で使ってみせた力のことなのだろうか。

思いを馳せている間に、目の前が明るくなる。
どうやら目的の場所に運ばれたようだ。

「…いきなり敵さんの集会場所かよ。コンコンもやること、えげつねえなぁ」

苦笑する女性の言うとおり、二人は柄の悪そうな連中たちが取り囲む輪の中心に出現していた。
突如現れた二人の女子供に驚く、男たち。
いわゆる特攻服というやつに身を包んだ、社会の枠から外れた境遇にいるものばかりだった。

「な、なんだお前ら!どこから出て来た!!」

男のリーダーらしき人物が、しゃがれ声で喚きたてる。
黒い特攻服、背に「天上天下唯我独尊」の刺繍、着ている本人は間違いなく意味がわかっていない、そう思わせるほどに男の顔立ちには知性が見られなかった。
686名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 07:23:14.18 0
少女が、辺りを見回す。ここは屋外、そして大きな駐車場。

「『組織』の指示に対する、数々の命令違反。これだけ言えば、うちらが何しにきたか、わかるだろ?」
「まさかてめえら!」
「お前らに恨みはないけど、死んでくれ」

言いながら、戦闘態勢を取る女。
抜き差しならない状況に気づいたリーダーが、

「構う事ねえ、こいつらブッ殺せ!!」

と叫ぶ。鉄パイプや釘バットを手にする手下、自慢のバイクにまたがる手下、その数約30ほど。

「能力者は、なしか。すぐに済みそうだ。お前は、後ろで見てな」
「…手伝わなくて、いいんですか?」
「ああ。必要ない」

それだけ言うと、女が得物を手にした男たちに飛びかかる。

まさに、流れるようなスムーズな出来事だった。
一斉に襲いかかる男たちを、大きく足払いでなぎ倒す。一撃で足の骨を粉砕された男たちは蹲り、その後に加えられた二撃で気絶した。
687名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 07:23:50.28 0
さらに数度、別の男たちが襲い掛かるも、同じように女の蹴りの前に地を舐める。
その破壊力の前に立ち塞がるものなし。彼女が「鋼脚」と呼ばれる由縁だ。

突然、派手なクラクションと排気音が轟いた。
女を挟む込むように突っ込んでくる、二台のバイク。片手には金属バットを携え、振り回す。
だが、「鋼脚」は回避行動の素振りさえも見せない。
そしてすれ違いざまに相手が打撃を叩き込もうとするのを、上空への飛躍で交わしつつの、強烈な回し蹴りから
の連脚。ライダーたちは路上に放り出され、御者を失ったバイクは派手に転倒し炎上した。

「あ…ああ…うそ、だろ?」

あっと言う間に手下を失った集団のリーダーは、その場にへたり込む。腰が抜けて、動く事もできないようだった。
自慢のロングリーゼントも、情けなく垂れ下がっている。
そこへ、一歩、また一歩と「鋼脚」が近づいてゆく。

「あたしはさ、許せないんだよね。『裏切り者』ってやつが」
「ゆ、許してくれ!あんたたちとは別の「組織」に脅されただけなんだよ!!」
「言い訳は閻魔様にでもするんだな」

「鋼脚」が放ったミドルキックが、男の側頭部にヒットする。
その威力の凄まじさは頭蓋骨を叩き潰すだけでは飽き足らず、首の骨をも千切り飛ばす。
男の頭はまるでサッカーボールのように、弧を描きながら遠くへ飛んでいった。
688名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 07:24:27.95 0
「かーっ、えらく飛ぶな。やっぱバカは頭軽いのかね」

ボールが飛んでいった遥か彼方を見る仕草をしてみせる、「鋼脚」。
その姿をじっと見ている、少女。
視線に気づいたのか、「鋼脚」は少女に近づく。

「お前さ、これから予定とかあんの?」
「いえ、特には」
「そっか。じゃ、ちょっと寄り道してくっか」
「寄り道、ですか?」

首を傾げる少女に、「鋼脚」はさも面白そうに、少女の頭をわしゃわしゃと撫でる。

「そうそう。直行直帰なんてつまんないだろ?お姉さんについてきな。奢ってやるから」

そう言うと、「鋼脚」は軽やかな足取りで駐車場の奥へと歩いてゆく。
もちろん、少女には「ついてゆく」という選択肢しかない。
断る理由もなければ、意味もない。
ただ、目の前の女性が何だか楽しそうなことだけは伝わった。
689名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 07:25:04.18 0



例の集団が集会場にしていた駐車場は、大きなスーパーの所有しているものだった。
大きなスーパー、とは言えこんな夜更けにはとっくに閉店している。
屋上の塔屋に二人の女が座っていても、誰も気づかないだろう。

「ほら、お前の分」

「鋼脚」が、隣の少女に缶ジュースを投げて渡す。
慌てた少女がそれをキャッチしようとしたが間に合わず、缶は下の駐車場へと真っ逆さま。
のはずだったが、次の瞬間にはなぜか缶ジュースは少女の小さな掌に収まっていた。

「なんだそれ。変なやつ」
「…驚かないんですか?」
「ああ。あたしは他人の能力にそんなに興味、ないから」

ぷしゅ、と小気味よい音を立てて「鋼脚」は自らの缶ビールを空ける。豪快にぐびぐび飲み干し、そして大げさにプハーッと言って見せた。

「やっぱ仕事のあとの一杯は美味いよなあ」
「あの、『鋼脚』さん」
「ん?」
「駐車場で倒れてる人たち、始末しなくていいんですか?」

あどけない少女から発せられる、冷酷な言葉。
「鋼脚」は、やれやれと肩を竦める。
690名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 07:25:53.09 0
「潰すのはヘッド一人で十分だから。闇に心を食われたからって、無駄な殺生はしたくないんだよな。化けて出てこられても困るし」
「でも、面倒なことにならないんですか?『詐術師』さんが前にそんなこと、言ってました」
「大丈夫だよ。どの道あいつら、今日のことなんて何ひとつ覚えちゃいないさ」

言葉の意味は少女にはわからなかった。
ただ、引っ掛かることが、一つ。

「私が。私たちが殺した人たちは、どこに行くんでしょうか」
「何だよ。意外と哲学者タイプなのか?」

少女の頭を、からかうようにくしゃくしゃと撫でる「鋼脚」。
それから少し考え、空になった缶を足元に広がる闇に向け投げ捨てた

「死んだやつは、穴の中に消えて…さよならだ」
「穴の中?」
「あたしたちの、知らない世界だよ。きっとそれ以上でも、それ以下でもない」
691名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 07:26:30.78 0
少女が自分の部屋で見たときには白く輝いていた月が、大きく、赤く沈もうとしていた。
そんな赤い月を見ながら。

「『裏切り者』って人も…『鋼脚』さんの知らない世界に、行っちゃったんですか?」
「は?」
「さっき、『裏切り者』は許さない、って」
「あーあー、そのことか」

「鋼脚」が、赤く膨れた月へと視線を移す。
それは、睨んでいるようにも、諦めているようにも見えた。

「ある意味、そうなのかもな。でも、はいさよなら、で済む話でもないわな」

地表に近づくにつれ、赤く、大きくなっていった月。
それはやがて、低い場所を漂っていた雲に飲まれるようにして消えていった。
692名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 07:27:47.51 0
>>684-691
更新完了。
恐れ入りますが代理投稿お願いします。
実は私もれいな卒業に向け焦っている作者の一人ですw

--------------------------------------------------ここまで
693名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 10:20:07.30 0
とりあえずあげとくねとりあえず
694名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 10:54:32.76 0
小田ちゃんはやはり時間操作系の能力者なのか
695名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 12:55:20.76 0
>>692
乙です
鋼脚と裏切り者の間に何があったのか想像力を刺激されますね
次もおださくの勉強シリーズになるのかしら
696名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 13:23:32.84 O
おださくの軌跡を描くとともにダークネスメンのことにも言及するシリーズなんかね
次回も期待
697名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 15:19:15.48 O
読む前保
698名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 17:00:54.28 0
連休中もホゼナン
699名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 18:56:26.60 0
あげとく
700名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 19:35:22.79 O
あげ
701名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 21:23:45.64 O
>>692
更新代理乙です
古くて新しい世界観は配役の妙でしょうか
次回も期待しております
702名無し募集中。。。:2013/04/29(月) 23:04:02.95 0
あげ
703名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 00:31:48.29 O
おやさゆみん
704名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 03:47:25.14 O
おやすみずき
705名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 06:22:01.72 0
雨が降りそう
706名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 06:43:56.90 O
おはるなん
707名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 07:13:23.98 0
土砂降りでんがな
708名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 11:27:32.13 0
せやけど昨晩の予報に比べたら大したことあらへん
709名無しリホナンター。。。:2013/04/30(火) 12:28:38.99 0
「ゴメンねりほりほゴメンね」
「どうしたんですか道重さん。 いきなり私を地下鍛練場に呼び出して謝ったりして」
「さゆみリーダー失格よね。リホナンターも失格よね。りほりほにあんなに辛い思いをさせたりしてゴメンねゴメンね」
「ちょ待ってくださいって。いったい何のことなのか」

「さゆみ気づいてなかったんだ。 りほりほがあんなにマカンコウサッポウをやりたがってただなんて知らなかったんだ」
「あっそのことですか(汗」
「で誰がいけないの。私のりほりほをマカンコウサッポウに誘わなかったのは誰が悪いの。はるなんなの?はるなんなの?はるなんなのね!」
「いや別に誰が悪いとかじゃなくてタイミングが合わなかっただけなんで」

「ウソおっしゃい。 ああさゆみのかわいいりほりほを仲間はずれにするなんてあのいもうと倶楽部上がりのアバズレ女が」
「ちょそれは流石にスレ的にNGですって」
「あのラブベリーがそのつもりならさゆみにも考えがあるから。 バラエティ番組で煽てて二階に上げといてハシゴを外して全国に醜態を晒してやるわ」
「ホントやめてください。このリホナントがなんだかんだ言いながらスレの皆さんに認めていただいていたのもスレ初期の設定をさりげなく散りばめたりしていたからなのに…」

「…なのに?」
「前回といい今回といいリゾナンターとか関係のないネタじゃないですか」
「そうやって話題を逸らそうとするなんてそんなにマカンコウサッポウの撮影からはぶれられたことが心の傷になってるのね」
「なってませんってば。 それはみんなで飛ばされてる中に入ったら楽しいでしょうけど、楽しんでる皆を見てても十分幸せですし」
710名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 12:30:44.75 0
「健気よのう。でもホントはダーッて飛ばされちゃいたいんでしょ」
「え?」
「りほりほは真面目でしっかりしてるし実力もある。 れいな亡き後リゾナンターの大いなる意志を継承するのはりほりほだと思ってる」
「田中さん亡き後っていうのが聞き捨てなりませんけど、後半は…まあありがとうございます」

「でもねりほりほ。 りほりほはまだ十四歳よ。 たまにはエースの責任感を忘れて弾けちゃった方がいいと思うの」
「かもしれませんね。肝に銘じておきます」
「それがいけないの。だからさゆみとマカンコウサッポウしましょ。 そしてその画像でさゆみのこと萌えさせて欲しい」
「結局自分のことになるんですか。 …でも道重さんがそんなに言うんだったらちょっとやってみようかなってどうしたんです道重さんいきなり膝まづいてデジカメを構えて」

「股間旨〜」
「へ?」
「りほりほの股間旨〜(コカンウマ〜)」
「さささ最低です」


                                                                     …りほなんと
711名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 12:54:01.66 O
股間交擦法ですか
新しい必殺技ですね
712名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 14:06:12.57 0
>>709-710
最低だあんた





                                    もっとやれ
713名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 15:41:15.67 0
ちょっとイイ話になりそうだと思ったら最後の最後w
714名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 18:30:54.29 0
あげ
715名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 20:00:48.39 O
ノハ*゚ ゥ ゚)<みちしげさん!はるなにもマカンコやって下さい!!!
716名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 21:44:37.52 0
やめなさいw
717名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 22:26:31.79 O
変態の共鳴や
718名無し募集中。。。:2013/04/30(火) 23:58:24.16 O
やめんかw
719名無し募集中。。。:2013/05/01(水) 01:38:38.94 0
おやすみ
720名無し募集中。。。:2013/05/01(水) 04:32:09.38 O
おはよう
721名無し募集中。。。:2013/05/01(水) 08:07:46.45 0
はいおはよう
722名無し募集中。。。:2013/05/01(水) 11:25:48.41 0
あげ
723名無し募集中。。。:2013/05/01(水) 12:11:34.37 O
ほぜ
724名無し募集中。。。:2013/05/01(水) 14:49:58.23 O
3時
725名無し募集中。。。:2013/05/01(水) 18:10:12.01 0
6時
726名無し募集中。。。:2013/05/01(水) 20:32:10.89 O
雨の20:30
727名無し募集中。。。:2013/05/01(水) 22:11:43.16 I
GWの中弛み
728名無し募集中。。。:2013/05/01(水) 23:56:24.84 0
あげ
729名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 00:34:13.01 O
寝るなんと
730名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 03:04:30.73 0
おやすみ
731名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 04:53:00.92 0
連休モード
732名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 04:53:14.99 O
おはみずき
733名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 09:08:15.74 0
おはよう
734名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 11:30:08.72 0
あげ
735名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 12:11:44.50 O
736名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 15:06:14.28 O
おやつ
737名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 15:35:20.75 O
738名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 17:05:15.40 0
懐かしいなあ
739名無しリホナンター。。。:2013/05/02(木) 18:43:42.72 0
「今日という今日は言ってもらいますからね」
「えっイってもいいの。 もしかしてりほりほがイカせてくれるの?」
「ち違うそうじゃなくて今度という今度は話してもらいますから」
「離すなんてりほりほと離れるなんてやなのやなの」

「ああもうじれったいなあ道重さん何か大事なことを忘れてませんか?」
「りほりほをはぶったはるなんを公開処刑にする件ならもちろん忘れてないから期待してて(笑」
「いやそれは忘れてくださいというかはぶられてませんから。スレの皆さんに対して何か忘れてはいませんか道重さん」
「スレのみんなに対して?あいかわらずサルでもできるような保全ばっかし」

「わぁぁぁぁぁ言っちゃダメ規制の中頑張ってる人たちにそんなこと言っちゃダメ」
「ダメなのイっちゃだめなの?」
「いいかげんにしてください道重さん例の件新垣さんの件ですよ」
「ガキさんがいったいどうしたというの」

「またとぼけちゃって。みなさんの記憶を改竄した新垣さんがどうやってリゾナントに戻ってきたのかという話ですよ」
「ァ」
「え何まさか素で忘れてたんですか。去年の暮れあれだけ思わせぶりなことを言っておいて」
「ねえりほりほ。さゆみにイカせ、じゃなくて言わせて」

「何を仰りたいんですか」
「イヤ〜ンりほりほ。お尻をやりたいだなんて」
「言ってませんから。そんなこと言ってませんから」
「イってないんならさゆみがイカせてあ・げ・て・も・い・い・ん・だ・よ」
740名無しリホナンター。。。:2013/05/02(木) 18:44:40.45 0
「つつしんでお・こ・と・わ・り・し・ま・す」
「今さゆみがお尻をやりたいと言った時りほりほはどんなことを想像したの」
「ちょマジやめてくださいってそういうの」
「とにかくさゆみが言いたかったのはね、人は過去に囚われていては未来に向かって一歩も踏み出せないってことなの」

「ものすごく立派なこと言ってるみたいですけど要するに中途半端なところで投げ出すつまた何してるんですか」
「チュー」
「チューを投げたんですかはぁ。まったく考えもなしにネタを書き捨てにして」
「りほりほは勘違いしてるみたいだけどガキさんがリゾナントを出ていってから云々はネタじゃないわ。紛れもない真実なの」

「だったらちゃんと最後まで語りましょうよ。スレも絶賛的に過疎ってますしいい保全になりますよ」
「りほりほがそんなに言うなら語ってもいいけどどうせ需要もないだキャッ何するの」
「道重さんのバカーーーーッ」
「りほりほがぶった。りほりほがさゆみのことをぶった」

「需要があるとか無いとかそんなこと言ってためらってる所為でスレから勢いが失くなっていくんじゃないですか」
「りほりほ」
「たとえレスが無くたっていいじゃないですか。 一度心の中に浮かんだ光景なら最後まで完成させましょうよ」
「さっきも言ったけどガキさん云々はさゆみが想像したことじゃなくて実際にあったことだから」

「そこはこだわるんですね」
「スレを保全するのがホゼナンター。 りほりほをりほるのがリホナンター」
「りほるっていうのがイマイチ意味がわからないんですけど」
「りほりほがそんなにあの忌まわしい裏切り者の最期を知りたいなら、リホナンターとして教えないわけにはいかないわよね」

「いや新垣さんの最期とか知りたくはないですけどもご健在ですし」
「スレの住人の為なんかじゃなくりほりほのためにあの憎むべき裏切り者のユダ野郎、新垣里沙の断末魔を語ってあげるけどその前に」
「その前に何ですか?」
「ひとつ教えて欲しいことがあるの。あ別にりほりほの下着の色とかスリーサイズとか唇の味とかじゃないの。 其の辺は全部知ってるし」
741名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 18:46:19.15 0
「ねえりほりほ。一体どうしたら抹茶の話題なんかで盛り上がれるの」
「コノヒトハイキナリナニヲイイダスンダ」
「目が泳いでるわよりほりほ。確かにりほりほぐらいの年頃ならちょっとしたことで会話が盛り上がることもあるでしょうけれどスイーツやアイドルの話題でなく抹茶の話題なんかでどう盛り上がれるの」
「やめましょう道重さん。スレの皆さんも何のことかわからないでしょうし」

「スレの皆さん、私たちリゾナンターはつい先日関西方面に出動しました。お世話になった方その節はどうもありがとうございましたさありほりほもお礼を」
「あありがとうございました」
「リゾナントに帰還する際には鉄道を利用しました。スレ的にはまーちゃんのテレポーテーションを使った方が良かったのかも知れませんがその辺はまーちゃんも疲れてたということにしておいてください」
「ややめましょうよ」

「新幹線ではさゆみはれいなとまーちゃんとで一緒の座席に座りました。さゆみの心情的にはりほりほと一緒に座りたかったというよりもりほりほがさゆみに座って欲しかったのですが皆さまもご存知の通り、田中れいなちゃんがあとわずかでリゾナンターを巣立っていきます」
「べ別にモー娘。を卒業したからってリゾナンターも卒業っていう決まりなんかありませんからね作者の皆さん」
「なぜさゆみがりほりほとでなく一田中れいなちゃんと一緒の座席についたかと言いますと」
「それは十年間共に戦ってきた仲間との別れを惜しんでるんですよね、ね、ね」

「在学中一言も話す機会の無かっクラスメートと修学旅行の移動時間に仕方なく話してみたら意外と面白かったみたいなノリです(笑」
「ちょ何気にひどいことを言ってますよ」
「あくまで卒業という非日常の中だから実現したことです。 田中れいなちゃんが卒業してしまえばもう二度と話すことは無いと思うと少しだけ寂しいです」
「ヒドいヒドすぎる」

「あ、まーちゃんはれいなのオマケでついてきました(笑」
「この話題をこれ以上続けても誰も得しませんよ道重さん。早く新垣さんの話の続きを」
「さゆみがれいなやまーちゃんと一緒の座席に座っている間、りほりほはれいなちゃん率いる別働隊LovendoЯの一員である魚住有希さん、宮澤茉凛さんと同じ列に座ってました」
「ええそうですよ。お二人の戦法とか興味あったんで」
742名無しリホナンター。。。:2013/05/02(木) 18:47:40.86 0
「あひょっとしたらりほりほがはるなんにはぶられてLovendoЯの二人と同じ席に座らされたのではと心配されている方もいるかもしれません」
「だからはぶられてなんかいませんってば」
「その点は無かったことだけは声を大にして言いたいと思います」
「別に声を大にしなくてもいいですよ。 私みんなと仲良いですし」

「もしも誰かがさゆみのりほりほを悲しい目に遭わせたならその人間は社会的生命を失うということだけは言っておきます」
「せ正義の味方の言うことじゃありませんよ」
「伊達に休日はネット廃人やってるわけじゃありません。 特にリア充気取ってる奴らには生き地獄を見せてやります」
「えっと光井さんの活躍で新垣さんが消えたことに気がついたんですよね」

「さて前置きが長くなりましたが、移動中りほりほは魚住さんといろんな雑談で盛り上がったそうです」
「ええそうなんですよ。いや〜盛り上がったな〜」
「特に抹茶」
「そうそうなんです。魚住さんも抹茶が好きだったみたいでいや〜盛り上がったな」

「後でこの話をりほりほのブログで知って、さゆみが傍にいなことで寂しかったに違いないりほりほの相手をしてくださった魚住さんにとても感謝したものです」
「そんなに気を使ってもらわなくてもいいですよ」
「が」
「がって」

「LovendoЯのもう一人のメンバーである岡田さんがブログに新幹線の中で熟睡してる魚住さんと宮澤さんのツーショットを掲載していたのを見てしまったのです」
「それはずっと盛り上がりっぱなしというわけにもいきませんしね」
「そもそも年頃の女の子が抹茶の話題で盛り上がるなんてあり得るでしょうか」
「べ別に抹茶ケーキとか抹茶アイスとかもあるじゃないですか」
743名無しリホナンター。。。:2013/05/02(木) 18:49:12.75 0
「のようなことを鞘師容疑者は供述しているようですが」
「容疑者!私容疑者になっちゃったんですか」
「魚住さんが抹茶で盛り上がるとしたら、焼酎の抹茶割りぐらいのものです」
「ちょほんとに盛り上がったんですから」

「ああ寝ている人間に話かけて盛り上がっただなんて病んでしまったりほりほ」
「病んでませんってば」
「さゆみのりほりほをそんな風にしてしまった人間には死よりも辛い罰を与えてやります。これは本当です」
「そんなことを言うんだったら自分を罰しなきゃいけませんよ道重さん」

「そしてどんなに病んでしまってもさゆみはりほりほを愛しぬくことをここに宣言します」
「いいかげんにしてください。 それは魚住さんとはずっと話していたわけじゃありませんけど私的に盛り上がったのは事実なんですから」
「そう盛り上がった盛り上がらなかったは人それぞれです」
「その通りですよ道重さん。では例の話の続きをそろそろ始めましょうよ」

「それぞれなのにファミ席のお客様は盛り上がっていないと受け取られかねない言い方をしたイクタはアホです」
「ヨウヤクワダイガソレテクレタイクチャンアリガトネ」
「次に本部に呼ばれて管理官から異動を告げられるのは生田に決定です!!」
「ちょ何そのまさかの『the new WIND―――生田衣梨奈』って出てない。私たちあの話に出てませんから」


                                        ……りほなんと
744名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 19:42:47.18 O
リホナント乙です
リアルのネタと連結させるその手腕gj
745名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 20:17:55.01 0
リアルネタ路線に変わりつつあるのかな
ただガキさんの件も需要ありますから
746名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 21:58:35.88 I
747名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 22:00:27.64 I
「久し振り、ガキさん」

美貴って奴の視線の先に、女の人が立っている

「……氷の魔女=v

ガキさんって人が、スゲー目つきで睨んでる
氷の魔女≠チて、あだ名か?

「冷たいなぁ。昔みたいにもっさんって呼ん

──精神干渉──ライン・マニピュレート

シュン!

「危なっ!」

ガキさんの手元から細い線が、氷の魔女に向かって伸びた
氷の魔女はギリギリの所で避けた
あれはワイヤー?

「いきなり攻撃なんてひどいなぁ。いつからそんなに血の気が多くなったのさ」
「黙りなさい! あんた達のせいで、カメ達が……」
「あんた達って、ガキさんも仲間だったじゃん」

カメ達?
仲間だった=H
748名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 22:02:17.32 I
「だから! 私が止める!」
「強気だね。でも、ガキさんが美貴に勝てるかな?」
「そこのあなた!」

え、ハル?

「あなたはどこかに隠れてて!」
「人の心配してる場合?」

──熱制御──コールド

氷の魔女が手をかざすと、無数の氷の塊が現れた

よくわかんねーけど、隠れて様子を視るか

「この数、避けてみなよ」

ヒュンヒュンヒュンヒュン!!!!

氷の塊がスゲー速さでガキさんに向かって飛んでいく

「いつまでも、昔のままだと思わないで!」

──熱制御──ヒート

ジュウ……

あんだけあった氷の塊が、一瞬で消えた
蒸発したみたいだ

「ちょっと待ってよ! 美貴と逆だけど、その力って……ガキさんダブル≠ノなったの!?」
749名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 22:03:50.77 I
ダブル=H

「2つくらいで何を驚いてんのよ! 愛ちゃんなんて3つ使えるでしょうが!」

使える能力の数?
2つ使えるからダブル?
それに、3つも使える能力者もいるのか?
何なんだこいつら

シュン!

ワイヤーが氷の魔女を追いかける

「いや、愛ちゃんは特別だし」

カンカン!

氷の塊でワイヤーを撃ち落とす氷の魔女

「まさかガキさんがね。その力で美貴達とやり直さない?」

シュルルル!

ガキさんがワイヤーを手元に戻した

「冗談じゃないわよ! 絶対にあんた達の企みを止める! もう、悲しみは増やさせない!」
「あ、そう。じゃあ、やってみなよ」

ヒュンヒュンヒュンヒュン!!!!

氷の塊がガキさんに向かって飛んでいく
750名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 22:06:35.74 I
ジュウ……

いくつかは蒸発して消えたけど、残った分は避けてる

「ダブルには驚いたけど、まだまだ使いこなせてないみたいじゃん。そんなんで、美貴を止められると思ってるの?」

氷の魔女が、右手に氷の剣を作り出した

「誰かが止めなきゃ、終わらない!」

ガキさんの右手にワイヤーが巻き付き、ドリルみたいな剣になった

「だから……私が!」

ガキさんが氷の魔女に向かって走り出す

「珍しいっちゃね」
「え?」

声がした方に振り向くと、ハルの側にヤンキーみたいな雰囲気の人がいた

「あんなに熱くなるなんて」

「誰?」
「君はここにおって」

ダッ!

ヤンキーが2人に向かって猛スピードで走って行く

「ワイヤーってそうやって使う事も出来るんだね。面白ーい」
「覚悟しなさい!」
751名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 22:07:40.96 I
「そこまでっちゃ!」

──共鳴出力──コンプレッサー

ヤンキーが2人の間に割り込み腕を掴む

「田中っち!?」
「田中ちゃん?」

いつの間にか、ドリル状のワイヤーは解けていた

「なんで止めるのよ!」
「今のガキさんの戦い方は違うと思うと」
「だけど、こいつらは!」
「ガキさん」
「……ゴメン」

ガキさんが腕を下ろす
氷の魔女も氷の剣を消して腕を下ろした

「……美貴は、田中ちゃんにお礼を言うべき?」
「いらん」
「あ、そう」
「充分楽しんだけん、もうよかろ」
「……そうだね。決着は今度って事で」
「一生大人しくしてるっちゃ」
「フフ、楽しみにしてるよ、リゾナンター」

リゾナンター!?

「またねー」
752名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 22:08:52.87 I
氷の魔女が消えた
テレポート?

「あいつら、今度は何をするつもりなの!」
「わからんっちゃけど、気を付けた方がよかね」
「当然よ! ダークネス≠フ野望は必ず止める!」

ダークネス!?

「で、あの子が追い掛けられてた子ったい?」
「そう」

2人がハルの所に来た

「君、大丈夫と?」
「あ、はい」
「怪我はなか?」
「はい、大丈夫です」
「さっきの戦いを見てても、そんなに驚かんっちゃね。もしかして君も能力者?」

……バラして良いのか?
いや、すぐにバレるか

「……はい」
「だから襲われたと?」
「……わかりません」
753名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 22:10:52.89 I
「そうったい……うーん。この辺の子? 家まで送って行くけん
「待って田中っち。ダークネスの目的がわからないのに、この子を帰すのは危険だわ」

田中っち

「あなたのご両親は、あなたの能力の事を知ってるの?」
「ハルは施設にいるので親はいません」
「そっか……ゴメンね」
「いえ、大丈夫です」

ダークネスの仲間だった

「その施設には、能力が使える人はいる?」
「多分いないと思います」
「そう……だったら、しばらく私達の所に来ない?」
「え?」
「ガキさん?」

ガキさん

「私達と一緒にいれば襲われてもあなたを守れるし、施設の人も巻き込まれないし」
「良いんですか?」
「狭い所だけど、あなたくらいの子達もいるし、遠慮しなくていいから」
「4人も5人も変わらんっちゃ」

4人≠フ同世代

「ありがとうございます。しばらく、お世話になります」
「あなたの事、私達がちゃんと守るからね。私は新垣里沙」
「れいなは田中れいな。君は?」

……そう言う事か
754名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 22:11:45.87 I
「工藤遥です」
「よろしくったい」
「そうだ。あなたの施設の人に断りを入れないと……」
「それならハルが連絡します。これでも信用あるんで」

携帯を取り出しながら2人から離れる

「ちょっと待っててくださいね」

まったく

「もしもし、これから外泊します」
 
これって全部

「優しいお姉さん達ですよ。ハルが困ってる所を助けてもらいました」

予定通りなんですか?

「社会勉強? まあ、そうですね。色んな話を聞いてきますよ。お姉さん達の事や──能力の事を」

傀儡師様
755名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 22:15:14.99 I
投下完了↑

『この地球の平和を本気で願ってるんだよ!』2
前回、タイトルを間違えておりました……大変失礼いたしました。
756名無し募集中。。。:2013/05/02(木) 23:42:48.69 0
>>755
流れるような展開が心地よいですな
次は工藤を掘り下げるのか他の十期を掘り下げるのか
757名無し募集中。。。:2013/05/03(金) 02:17:39.35 0
おやすみ
758名無し募集中。。。:2013/05/03(金) 05:29:16.42 O
>>755
更新乙です
最後のやり取りが意味深ですね……
759名無し募集中。。。:2013/05/03(金) 07:16:02.26 0
なるほど普通の施設じゃなくてそういう施設だったわけね
他の仲間もそこにいるのかしら
760名無し募集中。。。:2013/05/03(金) 10:23:01.72 0
あげ
761名無し募集中。。。:2013/05/03(金) 12:15:20.03 0
昼飯ほぜなん
762名無し募集中。。。:2013/05/03(金) 12:58:05.56 0
とぅー
763名無し募集中。。。:2013/05/03(金) 15:10:47.95 0
あげ
764名無し募集中。。。:2013/05/03(金) 17:43:19.17 0
帰宅ほぜなん
765名無し募集中。。。:2013/05/03(金) 20:35:35.95 O
ぬん
766名無し募集中。。。:2013/05/03(金) 21:05:00.54 O
夜公演帰宅中
くどぅ〜の右足の片方だけに肌色のストッキングだった
けど、ダンスはバッチリ踊ってたw
767名無し募集中。。。:2013/05/03(金) 21:06:24.27 O
誤爆しました
768名無し募集中。。。:2013/05/03(金) 23:14:25.43 0
あげ
769名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 00:19:23.14 I
>>756
ありがたきお言葉、励みになります。

>>758
ありがとうございます。今回の投稿で解が出るでしょうか?

投下開始↓
770名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 00:20:32.81 I
「よっちゃんさん!」

バン!

「あー、おかえりー」

怒声がしたかと思ったら、部屋のドアが勢いよく開けられた

「ノックくらいして
「美貴聞いてないんだけど!」

勢いそのままに、氷の魔女が迫る

「何が?」
「ガキさん達の事!」
「ん?」
「ガキさん、美貴と同じ能力が使える様になってたんだけど!」
「へえ」
「田中ちゃんも、矢口さんみたいな能力を使ってたみたいだし! 諜報部から何の報告も無かったんだけど!?」
「ふーん」
「そもそも、あの子供を襲えって言ったのはよっちゃんさんでしょ!? 理由くらい教えてよ!」
「どーしよっかなー」
「……よっちゃん」

あたしをめっちゃ睨んでる

──熱制御──コールド

ヒュン!

氷の魔女が氷塊を飛ばしてきた
771名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 00:21:32.72 I
「おおっと。報告が無いのは当然だって。あたしが報告して無いんだからさ」

ブンッ!

今度は氷の剣で襲いかかってきた

バキンッ!

自慢の蹴りで剣を折る

「落ち着けって。ちゃんと話すから」

新しく作り始めてた氷の剣を消して、近くにあった椅子に座る氷の魔女

「……で?」
「ガキさんの新しい能力熱制御≠ノついて、前回の交戦でその片鱗があった。でも、確証が無かった。だから報告はしなかった」
「田中ちゃんの能力は?」
「れいなも同じさ。前回は矢口さんもいたから、どちらの能力の影響か判断が出来なかった」
「で、あの子供は?」
「あいつは

ブーンブーンブーン

「ちょうど良かった。ちょっと待ってな」

ピッ

「もしもし。どうだ、上手くいきそうか? そっか、しっかり話を聞いて社会勉強しなよ。おう、頼んだよ」

ピッ
772名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 00:22:31.34 I
「と、言う訳だ」
「いや、美貴サッパリなんですけど」
「あの子供はエッグ≠ゥら選出したダークネスのスパイ、あたしの部下さ」
「じゃあ、美貴に襲わせたのは?」
「リゾナンターの方から、あいつを側におく様にする為」
「へえー、美貴はまんまと騙されたんだ」
「敵を騙すにはまず味方から、ってね」
「スパイを送り込みながら、リゾナンターの能力を確認するなんて」
「効率良いだろう?」
「さすが、諜報部のリーダー鋼脚@l」
「それは前の呼び名だ。今の名は──



──傀儡師≠ウ」
773名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 00:24:56.58 I
投下完了↑

>>770-772
『この地球の平和を本気で願ってるんだよ!』3

短いですが。
774名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 03:00:06.74 0
乙ですよ
劇画調というか光景が浮かんでくる感じですね
775名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 05:25:01.90 O
面白い
776名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 10:25:05.96 O
危ない
777名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 12:35:19.91 0
>>773
昔からいる人間にとっては今更のスパイ設定だけど魅力あるんだよね
工藤がどんな風にして仲間になっていくのか
続き待ってます
778名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 13:17:23.91 0
吉澤の綱脚という呼び名も定着したのかな
779名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 14:06:22.03 0
連休後半もほぜなん
780名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 16:00:49.53 0
静かだね〜
781名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 18:58:34.67 O
うん
782名無しリホナンター。。。:2013/05/04(土) 20:41:35.35 0
「まさかあの娘がスパイだなんて思わなかったわ」
「え?」
「工藤がスパイだなんて思わなかったって言っているの」
「あぁ>>773のことですね」

「わたしとしたことが迂闊だったわ。 あの娘のことはなんでも知っているつもりだったのに」
「自分を責めないでください道重さん」
「あの娘のスリーサイズはもちろんインナーの好みとか寝顔とか知りつくしていたというのに」
「えぇっそっち。自分を責めてくださいというか恥じてください道重さん」

「あの娘がさゆみ好みに熟してくるまで手を出さないでおこうと自重したのが仇になったわね」
「まだ言いますか。 盗撮とかストーカーとか犯罪ですからね」
「さしずめさゆみは恋の罪人というわけね」
「いいえただの性犯罪者予備軍です。それとくどぅーのことですけど確かに以前はスパイだったかもしれたせんけど今は掛け替えのない仲間ですから」

「えっそうだったの」
「ええ現に『Help me!! 』http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/728.htmlではさくらちゃんを助けるために頑張ってたじゃないですか〜」
「ほんとゴメンさゆみその現場見てなかったからホントわからないから」
「ちょ確かにあの場に道重さんはいませんでしたけれどでも」

「そうねまーちゃんがテレポートする時もたもたしてた置いてけぼりを喰らったさゆみがイケないのよね」
「そんなことありませんってば〜」
「ええそうでしょうともどうせさゆみが行ったってみんなの足を引っ張るだけでしょうよ。おとなしくリゾナントで待機してみんなを治癒する薬箱の代わりしかさゆみにはできないでしょうよ」
「そんなことない!」
783名無しリホナンター。。。:2013/05/04(土) 20:44:31.21 0
「りほりほ…」
「確かにあの時道重さんはいなかったけど道重さんは私たちの心の中にいて私たちを勇気づけてくれただから…」
「りほりほ」
「だから足を引っ張るとかそんなこと言わないでくださいわたしわたし」

「ごめんねりほりほ。さゆみリーダーのくせに取り乱してみっともなかったね」
「道重さん」
「なんか疲れてたのかもしれない」
「気分転換にドラマでも見たらどうです。 だいぶ撮りだめてあるんでしょう」

「そうねとりあえず色々録画してあるけど今期は何が面白いのかしら。 りほりほはどのドラマがおすすめ?」
「さああそうだ。確か私たちみたいな能力者を題材にしたドラマもやってますよね。 タイトルは確か…」
「みみみ3714」
「みな、そうそう『みんな!エスパーだよ!』っていうドラマ見たことあります?」

「3714。3714。3714。3714」
「ちょ道重さんどうしたんですか。首をそんなに高速で振って髪の毛が舞い上がってまるで呪いの市松人形みたいこわいこわいやめてください落ち着いてください」
「はぁはぁはぁだから見ないから。そんなドラマ見たことないから」
「ハァーン。何となくわかりました「半分エスパー」の時は結構盛り上がったスレが今回のドラマに関してはなんの言及もしない時点で空気を読むべきでした」

「わかってくれたのりほりほ」
「とりあえず一線を画したいという道重さんの思いは伝わりました」
「そうじゃあ今回も少し内容は薄いけどスレの保全も出来たみたいだし」
「新垣さんの件、期待してますから」




                                      


                                                               ……見ないよ
784名無し募集中。。。:2013/05/04(土) 23:15:22.19 0
リホナンター乙
785名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 00:26:47.54 I
>>772
魅力あるスパイが描けるか……プレッシャーですね。

>>782-783
まさか拾っていただけるとは……大変恐縮です。

投下開始↓
786名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 00:28:12.04 I
「いらっしゃいませ!」

……暇だ

「ココアお2つですね、かしこまりました」

……暇すぎる

「3名様ですね。すみません、カウンター席でも良いですか?」

……する事がない

「お会計は880円です」

いや、何もしてなくはないんだけど……

「工藤、お客さん1人相席してもいいと?」
「あ、はい!」

ハルが座っているのは、リゾナントのテーブル席
空いてた向かいの席にジッチャンが座ってきた
このジッチャン、昨日も来てなかったか?

「お邪魔するね、お嬢ちゃん。食べたらすぐ出るから」
「いえ、お構いなく……」

今は小学校の宿題をしてるけど、宿題の為に喫茶リゾナント≠ノいるんじゃないんだって!
リゾナンターの現状を調査して報告しなきゃいけないのに……
787名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 00:29:21.62 I
「お待たせしました。誰かねえねえ誰かパフェです」

つーか、戦闘がなきゃ能力の調査なんて無理だろ!
日常で能力を使わないんだから調べられないっつーの!

「ハア……どうしよう」
「どうしたと? どっかわからん?」

田中れいな

リゾナンターの戦闘要員
能力を使わずに中級能力者と渡り合える程の格闘センスの持ち主
保有能力は、他の能力者の力を増幅させるアンプリファイア
ただし、対象となる能力者と精神的な同調≒共鳴しなければ発動しない
この前の氷の魔女との戦闘から能力阻害≠ゥ、それに似た能力も保有している可能性があるとの事
リゾナンターでは高橋愛に次いで危険な存在

「そうなんです。この問題が解けなくて」

調査も大事だけど、今は宿題をしてるふりをしないと
怪しまれたらアウトなんだから

「どれどれ……あー、れいな中卒やけん、わからんと」
「あの……これ、小6の教科書なんですけど」
「え、あ、そうったい? えーと……あー、れいな洗い物するけん、後で見てあげるっちゃ」

そそくさと去って行く

学力は低い、っと

……って、こんな情報どーでもいーだろ!
マジで何とかしないと、傀儡師様に何て言われるか……
788名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 00:31:01.99 I
「田中っちー、表の看板しまってディナー用に書き直しておいてー」

新垣里沙

元ダークネスのスパイで、今はリゾナンターのサブリーダー
ダークネスで得た知識・経験を利用し、新しく入った4人の能力者の教育係を務めている、らしい
保有能力はマインド・コントロール
他人の精神に干渉し、思いのままに操る
この能力を応用して、ワイヤーを操って攻撃する事も出来る
さらに、氷の魔女と同様に熱制御≠熾ロ有している
こちらは加熱≠ェ得意らしい
でも、まだ使い慣れていないみたい

「ありがとうございました! また来てくださいね」

裏切り者め……無能力者にヘラヘラ媚び売りやがって!

「お、お、お嬢ちゃん……あっちの席が空いたから、おじさん、移動するね?」
「え、あ、はい」

向かいの席のジッチャンが、苦笑いしながら移動してった
なんだ?
789名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 00:32:07.97 I
「ちょっと」

裏切り者が話しかけて来た

「目付きの鋭さが半端じゃなかったわよ。常連さんが怯えてるじゃない。そんなに宿題がわかんなかったの?」

ヤベー……
つい表情に出ちゃったんだな
変に目立たない様にしないと……

ハア……

こんな日がいつまで続くのやら……
790名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 00:34:52.01 I
投下完了↑

『この地球の平和を本気で願ってるんだよ!』4

保管庫様、タイトル修正ありがとうございます。
いつも迅速なご対応感謝です。
791名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 00:48:53.91 O
更新乙
9期末加入後10期加入前の時期の話は最近レアなんで楽しみです
792名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 02:47:00.57 0
おやすみ
793名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 03:12:27.04 0
>>790
乙ですた
工藤のスパイ視点が新鮮で面白かった
794名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 08:20:44.57 O
おはなんと
795名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 10:29:50.91 0
>>790
乙おつ
意外とユルいスパイっぷりに頬が緩んだ
この調子で他のリゾナンターの人物評価をどぅーがしていくのか
まあ続き待ってます
796名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 13:28:19.96 O
連休なのに仕事あげ
797名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 15:27:42.36 O
あげ
798名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 16:10:10.21 0
浮上せよ
799名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 18:05:48.03 O
ほぜなん
800名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 18:06:28.45 I
>>790 新垣と違うスパイ感ですなー子供らしいとゆうか
801名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 19:01:27.38 0
ノリというかテイストは「スパイの憂鬱」に近いかもw
802名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 20:58:28.10 0
大型連休もあと1日
803名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 21:45:12.14 O
俺の大長編が火を吹くぜ
804名無し募集中。。。:2013/05/05(日) 23:24:05.01 0
あげ
805名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 00:35:50.16 O
さらにあげ
806名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 01:56:04.95 O
ねるなんと
807名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 05:07:06.95 O
おはなんと
808名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 08:46:43.71 O
さあ今日は大量投稿期待してまっせ
809名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 10:33:27.48 O
朝からあげ
810名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 10:43:08.65 0
胸を悪くするぞ
811名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 12:14:17.26 0
明日から仕事・・・
812名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 13:25:04.88 0
会社行きたくない
813名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 15:43:15.61 O
今日も余裕で仕事だせ
814名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 18:52:41.19 O
落とさん
815名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 19:48:35.30 0
「とても勇ましいお嬢さんたちだね。 でも君たちはわたしのことを傷つけられない」

鞘師里保と鈴木香音。
リゾナンターの若き精鋭は喫茶リゾナントのある町の駅を見下ろすマンションの屋上で一人の能力者と激闘を繰り広げていた。
その能力者の名は安倍なつみ。
“銀翼の天使”としてその名を馳せた彼女に付けられしもう一つの名は“言霊使い”。

きっかけは里保と香音の二人が駅前にある業務スーパーへ買い出しにやってきたことから始まった。
JRの駅から降りてくる家族連れの父親が尽く暗い顔をしているのだ。
大型連休の旅先で楽しい思い出を作ったであろうにもかかわらず思いつめたような顔をしている父親たちの姿に里保は違和感を覚えた。

「帰省からのUターンで疲れてるのかもしれないけどちょっと極端すぎると思わない、香音ちゃん」
「確かに明日から仕事が始まるけど…」

一家の大黒柱の暗い表情は他の家族の顔にも暗い影を差している。
幼い子供たちの心配そうな顔は里保の心を締め付ける。
幾つもの家族を悲しみで覆うような大事故や災害が起こったのかどうかを確認するためにスマフォでポータルサイトを開いてみたがそれらしいニュースは無い。

・・・まさか精神干渉?あるいは催眠?

能力者による攻撃を疑った里保に耳を澄ませていた香音が話しかける。

「誰かが囁いてるよ。 明日から仕事、会社には行きたくないって」

その囁きが父親たちを見舞った異変と関係するかどうかはわからないが、真相を突き止めるために二人は香音の超聴力を頼りに声の主の居場所を探すことにした。
そして行き当たったマンションの屋上にいたのが安倍なつみだった。
明るい春物のワンピースの上にカーディガンを羽織っている安倍なつみの姿は悪の組織の幹部とはとても思えない。
もしも何かに例えるなら幸せな若奥様といったところか。
816名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 19:49:59.99 0
「あのお父さんたちから表情を奪っているのはあなたの囁きなんですか!」

目尻を吊り上げて詰問する里保に安倍なつみは穏やかな笑顔を向ける。

「ああ見つかっちゃったんだね。あ、そうかそっちの香音ちゃんっていう子の超聴力で嗅ぎつけられちゃったんだ」
「今すぐやめてください。それだけじゃなくあの人たちを元に戻して」

腰に提げていたホルダーから外したペットボトルのキャップに手をかけながら能力の解除を要求する里保に安倍なつみは困ったような顔をした。

「ゴメンねそれはできないんだ。 ガキさんみたく精神に干渉したわけじゃなくただ囁いただけだから解除の仕方なんてわからなくて」
「ふざけないでください。じゃあどうしてあんなことをしたんですか」

里保以上に険しい顔をした香音の剣幕に安倍なつみは及び腰だ。

「ただ何となく面白そうかなって。でも別に命に別状はないんだからいいじゃんさあ」
「面白そうだって。 自分が面白そうだからだってそれだけの理由で貴重なGW最後の一日にあんなにたくさんの家族から笑顔を奪ったあなたなんか天使なんかじゃない」

悪魔だと糾弾する香音に対して安倍なつみは困り果てた顔を見せた。

「別に自分で自分のことを天使だって言った覚えはないしね。それに君は知っている? キリスト教で悪魔とは堕落した天使のことを意味するって」
「あなたが天使だろうと悪魔だろうと関係ありません。 みんなの笑顔を奪うのをやめないならあなたを倒して止めさせるだけです」

自分に対して戦意を向けてくる二人のことを愉快げに見つめながら安倍なつみは託宣した。

「かわいらしいヒーローさんたち、君たちに言霊の力って奴を見せてあげるよ。 君たちは私を傷つけることはできない。 天使だろうと悪魔だろうと翼で翔ける者に君たちの手は届かない」


 …的な保全w
817名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 22:07:51.32 0
あげ
818名無し募集中。。。:2013/05/06(月) 23:05:43.39 O
更新乙です
9期と安倍さんの対決なんてまだまだ先の話かと思ってましたが
対決するならするでどんな展開になるだろうと想像を膨らませてくれるいい保全でした
819名無し募集中。。。:2013/05/07(火) 00:09:31.43 I
>>815-816 保全レベルじゃない作品w
820名無し募集中。。。:2013/05/07(火) 03:27:23.49 0
おやすみ
821名無し募集中。。。:2013/05/07(火) 04:40:07.04 O
ねるなんと
822名無し募集中。。。:2013/05/07(火) 06:20:14.55 0
おぱよん
823名無し募集中。。。:2013/05/07(火) 08:27:19.49 0
はいおはようさん
824名無し募集中。。。:2013/05/07(火) 08:50:11.18 O
仕事いきたくねえのれす
825名無し募集中。。。:2013/05/07(火) 12:13:50.70 0
連休明けもほぜなん
826名無し募集中。。。:2013/05/07(火) 15:29:31.77 ID:DqwffglPO
次元
827名無し募集中。。。:2013/05/07(火) 16:49:10.32 ID:gj77Y2CKO
風が冷たい
828名無し募集中。。。:2013/05/07(火) 18:02:42.99 ID:DqwffglPO
829名無し募集中。。。:2013/05/07(火) 19:48:40.97 0
あげておくか
830名無し募集中。。。:2013/05/07(火) 21:26:45.88 0
俺もあげとく
831名無し募集中。。。:2013/05/07(火) 21:40:36.84 O
あげ
832名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 00:58:09.32 0
833名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 07:29:34.72 0
おはよう
834名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 10:10:06.49 I
835名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 13:44:09.71 O
昼保全
836名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 15:02:55.74 0
「謎は解けたの?りほりほ」
「はい?」
「謎は解けたのか訊いてるのりほりほ」
「な謎っていったい何のことですか道重さん」

「忘れたとは言わさない>>618の謎は解けたかセイ!」
「あ、そこに行きましたか」
「そうさゆみはアソコでイクのさありほりほの固い鞘でさゆみのことをイカセて欲しいの」
「いい加減にしてください道重さんスレの皆さんもこの展開にはうんざりだと思います」

「うんざりだなんてヒドい」
「だってそうでしょうこんなことをもうどれだけ続けてると思います」
「りほりほがさゆみのアソコにあきたというなら別のところでチャレンジしてくれてもいいんだよ」
「しませんそんなに潤んだ目で見たってわたし知りませんから」

「さゆみの気持ちはわかってるはずなのに」
「わかってたらどうだというんですかそんな不純な気持ち>>618の謎についてはう〜んどうなんでしょうね(笑」
「笑ってもごまかされないわよ愛佳がメッセージノートに書き残した謎は解けたのかセイ!」
「それはわたしがどうこう言う問題じゃないと思います作者さん解決編待ってま〜す」

「そうやって他人任せでほったらかしにしておいて恥ずかしくないの」
「だって作者さんが解決編を上げないのに他の人間が勝手にかき回しても失礼じゃないですか」
「りほりほはおじいさまのことを裏切るの?」
「はい?」
837名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 15:04:09.81 0
「りほりほはおじいさまの名にかけてと言った自分の言葉を裏切るつもりなのと言ってるのよ」
「ああそれはじっちゃまの名にかけてとか調子こいて言っちゃいましたけどあしまった」
「コイてイっちゃったりほりほがコイてイっちゃっただめ〜さゆみも一緒にイカせて」
「もういいかげんにしてください道重さんそういう発言はスレから人を遠ざける一因になり得ることを自覚すべきです」

「ささゆみは全然平気だよ」
「なにが平気なんですか?」
「リゾナンターもリゾスレもさゆみとりほりほさえいれば他に誰もいなくたって」
「ちょまじでやめてくださいそんなことを言ってほんとに人がいなくなったらどうするんですか」

「まるで沈みゆく豪華客船に取り残されたカップルみたいでロマンチックじゃない」
「カップルって」
「手錠が外れないからさゆみはもう助からないりほりほだけでも逃げて」
「どうして手錠なんかしてたんですかまったかく」

「りほりほの気持ちは嬉しいけどさゆみと一緒に死んじゃうんだなんてダメお願いだからりほりほは生きて」
「はいはいじゃあ遠慮なく」
「ふぅやっと行ったわねホントは離れたくないくせにあんなに冷たく装って」
「・・・・・」


「りほりほと出会えてほんと幸せだった」
「・・・・・」
「さゆみの生きていた中でりほりほと一緒にいた時間は決して長くはないけどとても充実してた」
「・・・・・」
838名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 15:05:38.43 0
「さゆみきっとりほりほと出会うために生まれてきたんだね」
「・・・・・」
「りほりほはもう救命ボートのところまで辿りついたかしら。振り返っちゃダメだよりほりほはさゆみの分まで生きて」
「・・・・・」

「ああ船体が軋み始めている海水が流れ込んでくる音がするもうじきさゆみこの世とお別れなのね」
「・・・・・」
「変ねりほりほの声がするまさかさゆみのことを助けに戻ってきたのううん違うわねさゆみがりほりほのことを思い過ぎてるから幻聴が聞こえたのね」
「・・・・・」

「あれ変ねりほりほがさゆみを呼ぶ声がするそんなはずないわねりほりほはもう救命ボートに乗り込んでいるはずきっとこれは愛の幻」
「・・・・・」
「あれおかしいぞりほりほがさゆみの名前を大声で呼んでいる声がする幻にしてはとても鮮明過ぎてううん違う」
「・・・・・」

「ちょっとどうして助けに来ないの(涙」
「申し訳ありません道重さん今の私のスキルではとても踏み込むことができませんでした」
「フツー助けに来るでしょタイタニック見たことないの」
「道重さんの遺志を受け継いでいこうと」

「もう遺志とか勝手に殺さないで」
「gdgdですがスレも保全できたのでこの辺で」
「ちょっと待ってりほりほそれで>>618の謎は解けたの?」
「ですから>>618の謎は>>618さんが解くのが筋でしょう私たちが勝手に解決したって」
839名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 15:07:13.84 0
「りほりほはおじいさまの名前に泥を塗るの」
「またそこに戻りますか確かにその場のノリでじっちゃまの名にかけてとは言いましたけど私のじっちゃいや祖父は職人なんで」
「知っているわ表の顔は刀装具の職人裏では水軍流の達人。■■シリーズを何回読んだと思っているの」
「だったらわかっておられると思いますけど祖父は別に探偵さんじゃなかったんで謎が解けなくたって祖父の名前に泥を塗ることにはならないと思います」

「りほりほはわかっていない」
「何がわかってないというんですか」
「探偵がどんな仕事なのかわかっていない。いいりほりほ探偵っていうのはねラブホテルの前で張り込んだり調査対象をずっとを尾行したりするそういう仕事よ」
「い意外と地道な仕事なんですね」

「つまり探偵を職業にしているから謎を解くんじゃない謎に挑む時人は皆名探偵になるの。だからりほりほのおじいさまが鞘職人だったからといってりほりほが>>618の謎から逃げていい理由にはならないおわかりセイ!」
>>618ってそこまで大げさに言うほどの謎じゃないと思うんですけど」
「だったら解いてみなさいりほりほ。おじいさまの名にかけて」
「別にいいですけど>>618さんが気を悪くしないかなあもしも規制に遭ってたりして書き込めないんだったら」

「狼に書けないんだったら代行スレに書き込めばいいじゃない」
「うわっマリーアントワネットみたいな言い方ですねでもな〜」
「何をそんなにためらっているのはは〜んさては謎が解けないんでしょ」
「何ですって(怒」

「謎が解けないのが恥ずかしくてそうやって誤魔化してるんでしょう」
「ち違いますそれは全部はわからなかあったけど途中までわたし」
「フクちゃんが解けた謎がわからないなんてもしかしてりほりほはおバカさんなのかなあ(笑」
「違いますって。それに聖ちゃんだって自分の力で解いたかどうかわからないじゃないですか」
840名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 15:09:19.64 0
「りほりほは鉄が熱いうちに打てって言葉を知ってる?」
「知ってますよっていうか刀装具職人を祖父に持つ私に訊きます(笑」
「そう熱くなった撮り鉄は容赦なく打てというこの世の真理を言い表した格言だけど」
「違いますよ〜(汗 確かに熱くなった撮り鉄さんは迷惑ですけどそれに暴力を振るっちゃいけませんからね」

「そう物事は関係者の熱意があるうちに運ばないと後になったら誰にも見向きもされなくなるという意味なんだけど」
「わわかってて私をからかったんですか」
「このスレも終盤よ」
「そうですねってまさか」

「そう>>618が投下されてから二週間近く。果たしてこのスレが立っている間に果たしてオリジナルの解決編が投下されるかどうか」
>>618さん待ってま〜す」
「このままではいざ解決編が投下されてもホゼナンターがチンプンカンプンだなんてこともありえるし」
「いや〜熱心な方もおられますしそれはないでしょうけど」

「とにかく鉄は熱いうちに打て、熱くなった撮り鉄は容赦なく撃ちまくれ」
「いやさっきよりホントに容赦なくなってますし。 その言葉気に入ったんですか? 言いたいだけでしょう」
「さゆみが言いたいのはここでさゆみたちが打つことで>>618への関心の熱も保たれるということなの」
「それはわからなくもないですか」

「だからりほりほ>>618の謎を解きなさい。おじいさまの名にかけて」
「わかりました。そこまで言われたら謎に挑まないわけにはいきませんね。 もしかしたらほんとうの真実にはたどり着けないかもしれませんけど」
「大丈夫りほりほならきっとできるよ」

                                                      ……りほなんと
841名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 17:25:51.98 0
りほなんと乙
謎を解き明かしていまうのかw
842名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 19:56:13.80 0
「とりあえず原文を掲載させていただきますが」

―― 神が犬に成り果て、生きることが悪へと反転するとき…… ■■■は七つの大罪の一「憤怒」へとその姿を変貌させるであろう ―――

「神が犬に成り果てるなんて何て背徳的な」
「神(GOD)が犬(DOG)に成り果てるっていうところまではすぐわかったんですが」
「ェ」
「エって道重さん。まさかわかってなかったんですか。 殆どの方は読んだ直後にわかったと思いますけど」

「わかっていたに決まってるじゃないりほりほ。 さゆみもう今年の誕生日で二十四になるんだよ」
「そうですよね。小学生でもわかりそうな謎をリゾナンターのリーダーである道重さんがわからないはずがありませんよね。で次の生きることが悪へと反転するの件ですけど」
「これはさゆみに任せて。さゆみこういうの得意なのっていうかここはさゆみの出番なの。お姉ちゃんの名にかけてこの謎は解いてみせる」
「じゃあお任せします」

「生きることはの生は生田を意味するの。生田が悪に反転つまり度重なる暴言で生田の印象が悪くなるということを意味するのんどうしたの」
「コノヒトハナンテコトヲイイダスンダ」
「え、ええっまさか違ってるの」
「生きる(LIVE)ことが悪(EVIL)へと反転するだと…思うんですけどあどうしたんですか道重さんいきなり部屋の隅で体育座りなんかして」

「消えたい…さゆみ消えたいっていうか消えて。このスレも世界もみんな消してよさえみお姉ちゃん……消え失せよ全ての…」
「わぁぁやめてください。さえみさんごっこはやめてください。わかってましたよ道重さんがわざとふざけて私のことリラックスさせようとしてくれてことは」
「そ、そう。わかってくれてたんだ」
「それはもうわかりますよ。道重さんは私のことを守ってくれるリホナンターなんですから」

「そうわかってくれたんだ。リホナントするのはさゆみの使命なんだけどたまにごくたまにだけど辛くなることもあるんだ」
「いやあスレを保全するのがホゼナンターなら私を守るのがリホナンターなんですよね」
「スレを守るのがリゾナンター!! りほりほをりほるのがリホナンター!! エヴリバディセイ!!」
「ツカレルナアホント」
843名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 19:57:13.71 0
「ん何か言ったりほりほ」
「いえ別に。悪へと反転の部分までは合ってると思うんですけど」
「じゃあとは簡単じゃん。憤怒という言葉の英語の綴りを反転させれば■■■の部分が判明するわけでしょ」
「ええ私もそう思ったんですけど…」

「最大の謎は憤怒ってどういう読み方でどういう意味なのかってことよね。でないと英語に訳することもできないし」
「憤怒(ふんぬ)とか憤怒(ふんど)って読むんですけどね」
「えっそうだったんだ」
「私もすんなり読めたわけじゃないですけどコピーしてヤフーの検索バーに張り付ければ読み方もわかあっどうしたんですか道重さんカウンターの下に隠れたりして」

「知ってたし」
「はい?」
「別に憤怒の読み方とか知ってたし」
「そそうですよね〜」

「それに読めない文字をコピペして調べるって常識じゃん。さゆみのネット歴舐めてんの」
「いや別に舐めてませんしむしろ道重さんのそういうスキルが日々の活動に大変役に立ってますし」
「知ってる? さゆみ休みの日は一日中ベッドの上で膝にノートパソコン置いて巡回三昧なんだよ」
「お食事の時とか以外はベッドで寝ながらインターネットをしてるんでしたっけ」

「食事もベッドの上だし。それにちょっと汚い話だけどおトイレだってベッドの上で」
「ちょやめてください。イメージが崩れてしまいますホントやめてください」
「別にベッドに直にお漏らししてるわけじゃないから。りほりほは知ってる1.5?のペットボトルってね…」
「うわぁぁぁぁぁ言っちゃだめたとえネタでも言っちゃだめ」
844名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 19:58:14.71 0
「りほりほがそこまで言うなら言わないけど。でもそこまでわかってるなら憤怒って言葉を英訳して逆さまから読めば解決でしょ」
「それはそうなんですけど調べたところでは憤怒って英語では、rageとかwrathって綴るみたいなんですけど」
「謎はすべて解けた。答えはegarだ」
「いやそれはちょっと(苦」

「じゃあ犯人はhtarwさん、あなたです」
「いつの間に犯人探しになったんですか。意味が通らないんですよね」
「ええ、そうなの」
「多分意味のある言葉が浮かんでくるはずなんですよね。 これだけ凝った問題文なんですからその答えも絶対意味があるはずなんですよ」

「そうね、あの愛佳が残したダイイングメッセージなんだからきっと意味があるはず」
「健在ですから。「リゾナンターΧ(カイ)では光井さんの作戦のおかげで勝てたようなもんですから。 光井さ〜んお元気ですか」
「じゃあこの謎は一体」
「憤怒の部分は他の国の読み方にしてみるか。色々ネットで調べてみるしかないんですかね(チラ」

「ピコーン」
「どうしたんですか道重さん。満面の笑みを浮かべて、ままさか謎が解けたんですか」
「わかったのよりほりほ。この問題文を眺めてたらさゆみ謎が全部わかっちゃったのよ」
「さ流石です。でも本当に正解だったら>>618さんに悪いですし」

「もう止められない。真実を覆い隠すことなんて誰にもできないのよりほりほ」
「まあ仮に同じ解答だったとしても書いているのが別人だったらテイストも違うでしょうしいっか」
「謎の真相をりほりほに教えてあげるよ。じゃとりあえずそこで逆立ちしてみようか」
「はい?」
845名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 19:59:56.39 0
「そのメッセージノートの置いてある場所の前で逆立ちしなさいって言っているの!」
「何故に逆立ちをしなくてはいけないんですか?」
「神が犬に成り果てるとか生きることが悪へと反転するとかカッコつけて言ってるけど要するに言葉を逆立ちさせてるだけじゃん」
「それはそうですけど…」

「つまりこの文の真意を知りたいなら解く人間も逆立ちしてみろって言ってるの。つまりメッセージノートを置いてある場所で逆立ちすればきっと本当のメッセージが目に入ってくるはず」
「う〜ん不思議だ。行き当たりばったりのめちゃくちゃな推理なのにどこか真実っぽく感じられてしまう自分が不思議でたまらない」
「名探偵道重さゆみの辞書に迷宮入りの三文字は無い! さあ、ハイ」
「光井さんが謎解きゲーム感覚でメッセージを残したなら、逆立ちした時にわかるように解答を残しているかもしれないなぁ」

「何をブツブツ言ってるの、ハイ」
「はい?」
「怖がらずに、ハイ」
「何を言ってるんですか道重さん」

「躊躇わずに、ハイ」
「何を身構えてハイハイって言ってるんですか」
「りほりほは真実にたどり着きたくはないの」
「それはどうせなら知りたいですけど」

「だから逆立ちしなさいりほりほ。大丈夫怖がらかくてもりほりほが倒れて怪我したりしないようにさゆみがちゃんと支えてあげるから」
「壁にもたれていいんだったら別に支えがなくても出来ますし」
「だったらなおのことハイ」
「だから目を血走らせないでくださいよ。私まだ制服を着替えてないんでちゃんとスパッツとかに着替えてから一度逆立ちしてみますから」
846名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 20:01:14.81 0
「りほりほは鉄は熱いうちに打てって言葉を知らないの」
「知ってますよ。さっき言ってたじゃないですか」
「そうダイヤ改正で運行を止めた列車からせしめた鉄道グッズはブームが熱いうちに売ってしまえっていう格言だなんだけど」
「ダメですよ、せしめるとかそんなことしちゃダメですよ。 列車の部品とか正式なルートとかで入手しなくちゃいけませんよ」

「熱いの」
「はい?」
「今さゆみの中で逆立ちが熱いの。火照ってるのだから今のうちにさあ逆立ちなさい。大丈夫さゆみ以外に誰もいないから制服で逆立ちしたって全然構わないから」
「とんでもない変態を目の前にしてスカート姿で逆立ちしろとでも」

「りほりほは真実を知りたくはないの?」
「それは知りたいですけどでも逆立ちしたから真実がわかるとは決まってませんし」
「ふ〜ん。成果を得られるという確証がなければ身体を動かさないんだ。 見返りが得られるという保証がなければ汗を流さないんだ」
「ちょそんな言い方やめてください」

「変わったりほりほは変わってしまった。 あの尾道の空と海を映していた純粋な瞳は何処へ行ってしまったの」
「すいません私尾道出身じゃありませんから」
「神様返してよ。 私のりほりほを返してよ。お願いだから時間をあの頃まで戻してよ」
「やめてくださいほんとうに。 そこまで道重さんの中で逆立ちが熱いなら道重さんが逆立ちすればいいでしょう」

「えっさゆみが逆立ちするの。だってさゆみスカート履いてるし」
「私もスカートなんですけど。 私の制服より丈が長いんだからちゃっとやっちゃって足の間に挟んじゃえば大丈夫ですよ」
「でも〜」
「大丈夫ですよ。道重さんはちゃんと私が支えますし。絶対怪我はさせませんし。それに私変態じゃないですし」
847名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 20:02:06.39 0
「りほりほが逆立ちしたさゆみを支えてくれる。 これすなわちさゆみのお尻のすぐ近くにりほりほの顔が…グハッ」
「どうしたんですか急に頬を赤らめて」
「…お願いだから優しくしてね」
「ここから見た人が誤解するような表現はやめてください」

「じゃあもしかしたらさゆみのこと重たく感じるかもしれないけど笑わないでね」
「ハイハイ笑ったりしませんから。 さあどうぞ」
「エイッ! ………アレッ」
「・・・・・」

「ヤーッ! ………アレッ」
「・・・・・」
「オカシイナ も一度エイッ! ………アレッ」
「まだですか」

「もう一回だけトライさせて」
「早くしてくださいよ」

                                   …りほなんと
848名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 21:27:57.68 O
リホナント乙
相変わらずの変1ぶりは最早安定感を通り越して水戸黄門の領域に突入してますねw
849名無し募集中。。。:2013/05/08(水) 23:02:21.78 O
解答編は作者さんのブログに上がってる件
850名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 00:58:59.65 O
あげ
851名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 02:38:56.51 O
おやす
852名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 06:24:19.86 0
おは
853名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 09:40:31.72 O
携帯多いな
規制されてるからか
854名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 11:26:04.96 O
昼保
855名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 11:43:31.35 0
>>847
乙っす
あんたにイベントとかの台本書いて欲しいわw
856名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 12:04:06.36 0
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/777.html の続きです


東京湾に面する、とある埠頭。
倉庫群の聳える道路を、1台のトラックが闇を照らしながら走っていた。

「いい取引だったな」
「ああ、ボスもお喜びになる」

運転手の男と、助手席の男。
ともに不健康で、光とは縁のなさそうな表情をしていた。

国内の主要都市に拠点を持つ有名な組織の構成員が、男たちの弱小組織に接触したのは昨日の午後。
「中国でとある獣を捕獲した。大変希少価値の高い獣だが、ぜひあなたたちにお譲りしたい」という触れ込みで、話を詳しく聞くと絶滅寸前の動物だという。
相手が提示した金額は決して安いものではなかったが、絶滅危惧種とあらば捌きようによっては巨額の利益を手に入れることができる。
彼らのボスは二つ返事で了承し、そして先ほど倉庫内で契約は結ばれた。

取引現場の倉庫で彼らが見たものは、絶滅危惧種とは言え、見慣れた動物。
しかし、表のルートでさえ「レンタル料」として数千万の金額が動くこの生き物。闇のルートに流せばその数倍の価値はある。
対象自体は期待外れであったものの、男たちは満足して動物を檻ごとトラックに載せて倉庫街を出発した。
857名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 12:04:44.13 0
車が倉庫街を抜け、湾岸道路に差し掛かったあたり。
最初に荷台のほうから何かがばりばりと音を立て壊れるのを聞いたのは、助手席の男だった。

「おい、今何か音が」
「あ?お前のいつもの臭い屁のことか?」
「違うよ馬鹿野郎!後ろから何か変な音が聞こえたんだよ!」
「もしかして。お前、あの『動物』が檻ブッ壊して逃げ出したとか思ってんのか?」
「そうじゃねえよ!」
「顔、ひきつってるぜ?安心しろよ、あの檻はたとえ大型のクマでも…」

そこで再び、大きな音。
おまけに獣の声のようなものまで聞こえてくる。

さすがにおかしいと思ったのか、車を止める男。
互いに万が一のことを考え持参した麻酔銃を手にし、車を降りて荷台の中を確かめようと後部の扉を開けようとしたその時だった。

真っ暗な闇の中に、光る二つの点。
獣の唸る、低い声。生ぬるい空気。獣が檻から逃げ出しているのは明白だった。

「くそっ!逃げ出しやがった!!」
「撃て!!」

慌てて銃を構え、狙いをつける男たち。
破裂音が数度、鳴り響く。
普通ならこれで、眠りにつくはず。
だが、そんな軟な弾で貫けるような獣の体ではなかった。

赤い眼光の獣が勢いよく荷台を飛び出し、男たちをなぎ倒す。
まるで車にでも跳ね飛ばされたかのような衝撃に、男たちは気を失い地に伏した。
そして獣は、道路脇の闇へと走り去っていった。
858名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 12:05:33.85 0



仕事机に置いてあった携帯が震え、かたかたと音を立てる。
パソコンでの作業に集中していた光井愛佳は、携帯の画面を見る。
非通知。
こんな時間にこの携帯に非通知でかけてくる相手。
依頼者、か。

「もしもし。小さなことから大きなことまで。安心丁寧がモットーの何でも屋愛佳ですけど」
「早速デ悪いンだガ、依頼しタイことがアル」

いきなり本題か。何やねん、こいつ。
それに妙なカタコト。相手の素性を危ぶみつつも、愛佳は話を聞いてみることにした。

「いったいどんな内容ですの?」
「我々ガ所有していタ『猛獣』が逃ゲ出しタ。事を大キクすることナく、そいツを生ケ捕りにしテほしイ」
「猛獣?あのガオーッちゅう奴ですか。そんなん警察とか日本野鳥の会に頼んだらええんと違います?」
「頼ム。公ニしタくなイんダ。光井サンにしカ頼めナイ」
859名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 12:06:22.04 0
まるで自分のことを知っているかのような物言い。
それはいいとしても、愛佳としては確認しなければならないことがある。

「猛獣捕獲なんて、危険な作業や。報酬は、それなりにいただけるんでしょうな」
「ソりゃもう。バッチリンリ…いヤ、安心してホしい」

明らかに怪しい。
今、どこかで聞いたようなフレーズを言いかけたんと違うんか、こいつ。
しかし、いかなる事情があっても、相手の素性については詳しく聞かないのがこの業界のルールでもある。
愛佳は仔細了承し、一通りの手掛かりを聞いた後に電話を切る。

猛獣捕獲か。あいつらでもできるやろ。

愛佳は思いついた数人に依頼をかけるべく、再び携帯を手にした。
860名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 12:07:45.29 0



同時刻。
東京某所の高級ホテルの客室。
「刃千吏」の副官であるリンリンこと銭琳は、携帯の通話ボタンを切ると大きくため息をついた。

「フウ…素性ヲ隠すノも一苦労ダな」

光井サーンお久しブリでース、と電話での再会を喜べないのは寂しいが仕方ない。
そもそもが今回の来日はイレギュラーで、かつお忍びでの強行軍。組織の副官という立場が、リンリンを気安くあの喫茶店へと立ち寄れないものにしていた。

「仕方ありません。まさか○○が自ら脱走…いや盗まれたとあってはそうそう公言できることじゃありませんからね」
「まっタク世話のヤける。『アイツ』にハ後デきつイお灸をスエないトな」

リンリンは、今回の出来事の全てを把握していた。
中国で例の組織が自分たちを襲った本当の目的は、「アイツ」だったこと。
さらに、前から日本に行きたかった「アイツ」はわざと盗まれその身を委ねたこと。
そしておそらく今は組織の手を逃れ、例のモノを求めてひた走っているであろうということ。

ただ、自分たちが捕獲に向かうわけにはいかない。
「刃千吏」の副官ともあろう人間が、わざわざ表に出ることの危険性。
さらに部下を使ったとしても、部下を動かしたという事実からこのことが露見する可能性は決して小さくない。
その結果の、苦肉の策。
とは言え、「アイツ」がどこに向かっているのかは把握している。それは、愛佳に教えた。
場所さえわかれば、そう難しい問題ではない。

しかし。
リンリンが想定しているより、事態は複雑に、そして面倒臭く展開していくのであった。
861名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 12:08:31.14 0
1時間後。
愛佳のマンションに、4人の少女が集う。

「よう来てくれたな、って」

揃った顔ぶれを見て、思わず突っ込みを入れてしまいそうになる。

攻撃力になるのが、鞘師しかおらへんやん!

愛佳がそう言いそうになってしまうのも無理はない。
水使いの里保はともかくとして、残りの3人は。
千里眼の持ち主、遥。高速移動の亜佑美。そして、ぽんこつ瞬間移動の優樹。
だが、この戦力で戦略を立てるより他にない。

「依頼については、電話で話した通りや。ある場所に出没する獣を、生け捕りにしてほしい」
「みついさーん。けものって、何ですか?」
「動物のことだよ、まーちゃん」

元気よく挙手し質問する優樹に、お姉さん役の亜佑美がやさしく教えてあげる。
動物、という言葉に優樹のテンションが早くも上がってくる。

「動物ってどんな動物だろ?なんか楽しみ〜」
「何言ってんだよ。猛獣だぞ?近づいたらまーちゃんなんて頭かじられるっての」
「だいじょうぶだって。まさの近所に出てきたくまさんだって優しかったし」

優樹を脅かそうとする遥に、なぜか自信たっぷりな優樹。
そんな二人を尻目に、里保が具体的なことを聞いてくる。
862名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 12:09:09.88 0
「光井さん。その獣のことなんですけど。やっぱり傷つけずに捕獲しなきゃいけないんですか?」
「まあ先方さんの希望やしな。極力無傷で頼むわ」

猛獣を傷つけることなく制圧する。
確かに水軍流には相手に傷を負わせずに組み伏せる体術も存在する。
が、それはあくまでも対人戦の話。

あれを試すいい機会なのかも…

ベリキューとの戦いから、1か月が経過しようとしていた。
自分たちの力不足を痛感した若きリゾナンターたちは、自らの能力の向上を新たな目標に据える。
それは、新メンバー随一の能力者である里保とて同じこと。

愛佳から獣の出没が予想される場所を教えてもらい、四人は目的の場所に向かうべく部屋を出ていく。
その背中に、愛佳は後輩たちの成長を確かに感じていた。

あれから1か月。
リゾナンターたちがあの日の教訓を胸に、各々の能力を磨いていることはさゆみやれいなから聞いていた。
確かに今回のような依頼は、対能力者戦と比べれば造作もない事柄なのかもしれない。
だが、逆にそういった一見単純に思える仕事の中にこそ、ステップアップのチャンスは隠されている。

ダークネスとの決戦が、近づいている。
それは、あの小憎たらしい白衣の博士や、リゾナンターを蹂躙した「銀翼の天使」たちとの対決を意味していた。

勝てるんやろうか…いや、勝たなあかんのや。

愛佳は改めて自らの予知能力が失われたことを、複雑な思いで実感していた。
能力があれば、決戦後の未来が見えていたかもしれない。
けれど、未来が見えないからこそできること、感じることができることもある。
彼女は文字通り、新しいリゾナンターに未来を託していた。
863名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 12:09:48.62 0


「あっ。あいつら、マンションから出てきたよ!」

愛佳のマンションとは道路を隔てて反対側に位置する、古びた2階建てのアパート。
道路に面した、六畳一間の狭い部屋のベランダで。
髪をショートにした青色のTシャツを着た少女が、双眼鏡で四人の少女たちを捉えていた。

「あそこに呼ばれて、出てきた。仕事のニオイがするね」

ピンクのTシャツを着た暑苦しい少女が、ショートカットの少女から双眼鏡を奪い、言う。
さらに双眼鏡は別の手によってひったくられる。

「へへっ、いいじゃん。あいつらから仕事、ぶん盗っちゃおうよ」

にやりと微笑む、緑Tシャツの少女。
少女は柔和な顔立ちをしていたが、瞳の中には「黒さ」が透けて見えている。

「どうする?動く?」

部屋の中央にいる年長らしき人物に、紫色のTシャツを着た少女が訊ねる。
緊張からか、それとも部屋が蒸し暑いからか。少女の全身から異常な量の汗がしたたり落ちていた。
864名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 12:10:30.91 0
「もちろん。それがあたしたちが生き残る、唯一の手段だから」

集団のリーダーと思しき赤いTシャツを着た少女が、その場にいた全員を見回す。
共に戦い、修羅場を潜り、苦汁を舐めさせられてきた仲間たちだった。

「…私が出よう」

黄色いTシャツを着た少女が立ち上がった。何かの武道をしているのだろう、すらりとした体は適度な筋肉に包まれている。

部屋の扉が、開けられた。
外から聞こえてくる、「ワンワン」「ワン」「ワオーン」「クーン」「バウワウ」「ウー」「キャン」「オン」という犬たちの声。
飼い犬にえさをやりに外に出ていた、オレンジ色のTシャツを着た少女が戻ってきたのだ。

「じゃああたしも。あの子たちの『能力』を使えば先回りすることもできるし」
「他は?」
「向こうが四人だから、こっちも四人で行こうよ。あたしとあやのんが出る」

機関車トーマスみたいな顔をしたピンク色のTシャツが、後ろにいた紫色のTシャツを指して言う。

「これはただの仕事の横取りじゃない。上の人間に、あたしたちを捨てたやつらにあたしたちを認めさせるチャンスだよ。
そのためにも、失敗は許されない。頼んだよ」

赤Tシャツの言葉に、無言でうなずく四人だった。
865名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 12:11:48.24 0
>>856-864
代理投稿完了


思った以上に長くなってしまったので一旦切ります
続きは次回に
866名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 12:45:01.63 O
まさかのアプガキターーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
867名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 13:11:00.98 O
>>865
更新代理乙です
逃げ出した獣にそれを横取りしようとするガチンコ7人組
続きが楽しみです
868名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 16:18:21.18 O
ほぜ
869名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 17:22:57.37 0
>>865
作者さんと代理さん乙でした
新キャラは3×に出てた人たちなんですかね
各々の思惑が絡んでどんな風に話が動いていくのか
続き待ってます
870名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 19:51:38.52 O
読む前保
871名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 21:23:23.46 0
週の半ばもほぜなん
872名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 22:44:29.95 O
まだまだ保全
873名無し募集中。。。:2013/05/09(木) 23:01:49.85 0
圧縮早いから注意
874名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 00:35:04.19 0
あげ
875名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 01:52:20.11 O
おやすみずき
876名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 05:48:15.56 0
おはよう
877名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 09:32:24.62 O
878名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 10:57:04.06 0
>>842-847
とりあえず「Dies Irae」をタイトルに使いたくなったがどんな話にしたものか
879名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 13:13:46.10 0
カッコよさそうなタイトルではあるが
880名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 15:09:24.84 0
規制がエラいことになっとりますな
881名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 16:05:07.59 O
負けんじゃねえぜ負けんじゃねえぜ
YO!規制に
882名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 18:19:07.97 0
落ちにくいともいえるのか
883名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 19:42:18.28 0
金曜夜もほぜなん
884名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 19:43:34.47 0
「もちろん。それがあたしたちが生き残る、唯一の手段だから」

集団のリーダーと思しき赤いTシャツを着た少女が、その場にいた全員を見回す。
共に戦い、修羅場を潜り、苦汁を舐めさせられてきた仲間たちだった。

「…私が出よう」

黄色いTシャツを着た少女が立ち上がった。何かの武道をしているのだろう、すらりとした体は適度な筋肉に包まれている。

部屋の扉が、開けられた。
外から聞こえてくる、「ワンワン」「ワン」「ワオーン」「クーン」「バウワウ」「ウー」「キャン」「オン」という犬たちの声。
飼い犬にえさをやりに外に出ていた、オレンジ色のTシャツを着た少女が戻ってきたのだ。

「じゃああたしも。あの子たちの『能力』を使えば先回りすることもできるし」
「他は?」
「向こうが四人だから、こっちも四人で行こうよ。あたしとあやのんが出る」

機関車トーマスみたいな顔をしたピンク色のTシャツが、後ろにいた紫色のTシャツを指して言う。

「これはただの仕事の横取りじゃない。上の人間に、あたしたちを捨てたやつらにあたしたちを認めさせるチャンスだよ。
そのためにも、失敗は許されない。頼んだよ」

赤Tシャツの言葉に、無言でうなずく四人だった。
885名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 19:43:56.90 0


「あっ。あいつら、マンションから出てきたよ!」

愛佳のマンションとは道路を隔てて反対側に位置する、古びた2階建てのアパート。
道路に面した、六畳一間の狭い部屋のベランダで。
髪をショートにした青色のTシャツを着た少女が、双眼鏡で四人の少女たちを捉えていた。

「あそこに呼ばれて、出てきた。仕事のニオイがするね」

ピンクのTシャツを着た暑苦しい少女が、ショートカットの少女から双眼鏡を奪い、言う。
さらに双眼鏡は別の手によってひったくられる。

「へへっ、いいじゃん。あいつらから仕事、ぶん盗っちゃおうよ」

にやりと微笑む、緑Tシャツの少女。
少女は柔和な顔立ちをしていたが、瞳の中には「黒さ」が透けて見えている。

「どうする?動く?」

部屋の中央にいる年長らしき人物に、紫色のTシャツを着た少女が訊ねる。
緊張からか、それとも部屋が蒸し暑いからか。少女の全身から異常な量の汗がしたたり落ちていた。
886名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 19:44:56.83 0
東京某所の高級ホテルの客室。
「刃千吏」の副官であるリンリンこと銭琳は、携帯の通話ボタンを切ると大きくため息をついた。

「フウ…素性ヲ隠すノも一苦労ダな」

光井サーンお久しブリでース、と電話での再会を喜べないのは寂しいが仕方ない。
そもそもが今回の来日はイレギュラーで、かつお忍びでの強行軍。組織の副官という立場が、リンリンを気安くあの喫茶店へと立ち寄れないものにしていた。

「仕方ありません。まさか○○が自ら脱走…いや盗まれたとあってはそうそう公言できることじゃありませんからね」
「まっタク世話のヤける。『アイツ』にハ後デきつイお灸をスエないトな」

リンリンは、今回の出来事の全てを把握していた。
中国で例の組織が自分たちを襲った本当の目的は、「アイツ」だったこと。
さらに、前から日本に行きたかった「アイツ」はわざと盗まれその身を委ねたこと。
そしておそらく今は組織の手を逃れ、例のモノを求めてひた走っているであろうということ。

ただ、自分たちが捕獲に向かうわけにはいかない。
「刃千吏」の副官ともあろう人間が、わざわざ表に出ることの危険性。
さらに部下を使ったとしても、部下を動かしたという事実からこのことが露見する可能性は決して小さくない。
その結果の、苦肉の策。
とは言え、「アイツ」がどこに向かっているのかは把握している。それは、愛佳に教えた。
場所さえわかれば、そう難しい問題ではない。

しかし。
リンリンが想定しているより、事態は複雑に、そして面倒臭く展開していくのであった。
887名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 19:45:20.99 0
車が倉庫街を抜け、湾岸道路に差し掛かったあたり。
最初に荷台のほうから何かがばりばりと音を立て壊れるのを聞いたのは、助手席の男だった。

「おい、今何か音が」
「あ?お前のいつもの臭い屁のことか?」
「違うよ馬鹿野郎!後ろから何か変な音が聞こえたんだよ!」
「もしかして。お前、あの『動物』が檻ブッ壊して逃げ出したとか思ってんのか?」
「そうじゃねえよ!」
「顔、ひきつってるぜ?安心しろよ、あの檻はたとえ大型のクマでも…」

そこで再び、大きな音。
おまけに獣の声のようなものまで聞こえてくる。

さすがにおかしいと思ったのか、車を止める男。
互いに万が一のことを考え持参した麻酔銃を手にし、車を降りて荷台の中を確かめようと後部の扉を開けようとしたその時だった。

真っ暗な闇の中に、光る二つの点。
獣の唸る、低い声。生ぬるい空気。獣が檻から逃げ出しているのは明白だった。

「くそっ!逃げ出しやがった!!」
「撃て!!」

慌てて銃を構え、狙いをつける男たち。
破裂音が数度、鳴り響く。
普通ならこれで、眠りにつくはず。
だが、そんな軟な弾で貫けるような獣の体ではなかった。

赤い眼光の獣が勢いよく荷台を飛び出し、男たちをなぎ倒す。
まるで車にでも跳ね飛ばされたかのような衝撃に、男たちは気を失い地に伏した。
そして獣は、道路脇の闇へと走り去っていった。
888名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 19:45:36.73 0
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/777.html の続きです


東京湾に面する、とある埠頭。
倉庫群の聳える道路を、1台のトラックが闇を照らしながら走っていた。

「いい取引だったな」
「ああ、ボスもお喜びになる」

運転手の男と、助手席の男。
ともに不健康で、光とは縁のなさそうな表情をしていた。

国内の主要都市に拠点を持つ有名な組織の構成員が、男たちの弱小組織に接触したのは昨日の午後。
「中国でとある獣を捕獲した。大変希少価値の高い獣だが、ぜひあなたたちにお譲りしたい」という触れ込みで、話を詳しく聞くと絶滅寸前の動物だという。
相手が提示した金額は決して安いものではなかったが、絶滅危惧種とあらば捌きようによっては巨額の利益を手に入れることができる。
彼らのボスは二つ返事で了承し、そして先ほど倉庫内で契約は結ばれた。

取引現場の倉庫で彼らが見たものは、絶滅危惧種とは言え、見慣れた動物。
しかし、表のルートでさえ「レンタル料」として数千万の金額が動くこの生き物。闇のルートに流せばその数倍の価値はある。
対象自体は期待外れであったものの、男たちは満足して動物を檻ごとトラックに載せて倉庫街を出発した。
889名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 19:45:52.87 0
「りほりほが逆立ちしたさゆみを支えてくれる。 これすなわちさゆみのお尻のすぐ近くにりほりほの顔が…グハッ」
「どうしたんですか急に頬を赤らめて」
「…お願いだから優しくしてね」
「ここから見た人が誤解するような表現はやめてください」

「じゃあもしかしたらさゆみのこと重たく感じるかもしれないけど笑わないでね」
「ハイハイ笑ったりしませんから。 さあどうぞ」
「エイッ! ………アレッ」
「・・・・・」

「ヤーッ! ………アレッ」
「・・・・・」
「オカシイナ も一度エイッ! ………アレッ」
「まだですか」

「もう一回だけトライさせて」
「早くしてくださいよ」

                                   …りほなんと
890名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 19:46:39.29 0
「りほりほは鉄は熱いうちに打てって言葉を知らないの」
「知ってますよ。さっき言ってたじゃないですか」
「そうダイヤ改正で運行を止めた列車からせしめた鉄道グッズはブームが熱いうちに売ってしまえっていう格言だなんだけど」
「ダメですよ、せしめるとかそんなことしちゃダメですよ。 列車の部品とか正式なルートとかで入手しなくちゃいけませんよ」

「熱いの」
「はい?」
「今さゆみの中で逆立ちが熱いの。火照ってるのだから今のうちにさあ逆立ちなさい。大丈夫さゆみ以外に誰もいないから制服で逆立ちしたって全然構わないから」
「とんでもない変態を目の前にしてスカート姿で逆立ちしろとでも」

「りほりほは真実を知りたくはないの?」
「それは知りたいですけどでも逆立ちしたから真実がわかるとは決まってませんし」
「ふ〜ん。成果を得られるという確証がなければ身体を動かさないんだ。 見返りが得られるという保証がなければ汗を流さないんだ」
「ちょそんな言い方やめてください」

「変わったりほりほは変わってしまった。 あの尾道の空と海を映していた純粋な瞳は何処へ行ってしまったの」
「すいません私尾道出身じゃありませんから」
「神様返してよ。 私のりほりほを返してよ。お願いだから時間をあの頃まで戻してよ」
「やめてくださいほんとうに。 そこまで道重さんの中で逆立ちが熱いなら道重さんが逆立ちすればいいでしょう」

「えっさゆみが逆立ちするの。だってさゆみスカート履いてるし」
「私もスカートなんですけど。 私の制服より丈が長いんだからちゃっとやっちゃって足の間に挟んじゃえば大丈夫ですよ」
「でも〜」
「大丈夫ですよ。道重さんはちゃんと私が支えますし。絶対怪我はさせませんし。それに私変態じゃないですし」
891名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 19:47:07.19 0
「そのメッセージノートの置いてある場所の前で逆立ちしなさいって言っているの!」
「何故に逆立ちをしなくてはいけないんですか?」
「神が犬に成り果てるとか生きることが悪へと反転するとかカッコつけて言ってるけど要するに言葉を逆立ちさせてるだけじゃん」
「それはそうですけど…」

「つまりこの文の真意を知りたいなら解く人間も逆立ちしてみろって言ってるの。つまりメッセージノートを置いてある場所で逆立ちすればきっと本当のメッセージが目に入ってくるはず」
「う〜ん不思議だ。行き当たりばったりのめちゃくちゃな推理なのにどこか真実っぽく感じられてしまう自分が不思議でたまらない」
「名探偵道重さゆみの辞書に迷宮入りの三文字は無い! さあ、ハイ」
「光井さんが謎解きゲーム感覚でメッセージを残したなら、逆立ちした時にわかるように解答を残しているかもしれないなぁ」

「何をブツブツ言ってるの、ハイ」
「はい?」
「怖がらずに、ハイ」
「何を言ってるんですか道重さん」

「躊躇わずに、ハイ」
「何を身構えてハイハイって言ってるんですか」
「りほりほは真実にたどり着きたくはないの」
「それはどうせなら知りたいですけど」

「だから逆立ちしなさいりほりほ。大丈夫怖がらかくてもりほりほが倒れて怪我したりしないようにさゆみがちゃんと支えてあげるから」
「壁にもたれていいんだったら別に支えがなくても出来ますし」
「だったらなおのことハイ」
「だから目を血走らせないでくださいよ。私まだ制服を着替えてないんでちゃんとスパッツとかに着替えてから一度逆立ちしてみますから」
892名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 19:47:27.46 0
「りほりほがそこまで言うなら言わないけど。でもそこまでわかってるなら憤怒って言葉を英訳して逆さまから読めば解決でしょ」
「それはそうなんですけど調べたところでは憤怒って英語では、rageとかwrathって綴るみたいなんですけど」
「謎はすべて解けた。答えはegarだ」
「いやそれはちょっと(苦」

「じゃあ犯人はhtarwさん、あなたです」
「いつの間に犯人探しになったんですか。意味が通らないんですよね」
「ええ、そうなの」
「多分意味のある言葉が浮かんでくるはずなんですよね。 これだけ凝った問題文なんですからその答えも絶対意味があるはずなんですよ」

「そうね、あの愛佳が残したダイイングメッセージなんだからきっと意味があるはず」
「健在ですから。「リゾナンターΧ(カイ)では光井さんの作戦のおかげで勝てたようなもんですから。 光井さ〜んお元気ですか」
「じゃあこの謎は一体」
「憤怒の部分は他の国の読み方にしてみるか。色々ネットで調べてみるしかないんですかね(チラ」

「ピコーン」
「どうしたんですか道重さん。満面の笑みを浮かべて、ままさか謎が解けたんですか」
「わかったのよりほりほ。この問題文を眺めてたらさゆみ謎が全部わかっちゃったのよ」
「さ流石です。でも本当に正解だったら>>618さんに悪いですし」

「もう止められない。真実を覆い隠すことなんて誰にもできないのよりほりほ」
「まあ仮に同じ解答だったとしても書いているのが別人だったらテイストも違うでしょうしいっか」
「謎の真相をりほりほに教えてあげるよ。じゃとりあえずそこで逆立ちしてみようか」
「はい?」
893名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 20:29:17.52 0
スクリプトか何かなのか?
894名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 20:30:39.94 0


「あっ。あいつら、マンションから出てきたよ!」

愛佳のマンションとは道路を隔てて反対側に位置する、古びた2階建てのアパート。
道路に面した、六畳一間の狭い部屋のベランダで。
髪をショートにした青色のTシャツを着た少女が、双眼鏡で四人の少女たちを捉えていた。

「あそこに呼ばれて、出てきた。仕事のニオイがするね」

ピンクのTシャツを着た暑苦しい少女が、ショートカットの少女から双眼鏡を奪い、言う。
さらに双眼鏡は別の手によってひったくられる。

「へへっ、いいじゃん。あいつらから仕事、ぶん盗っちゃおうよ」

にやりと微笑む、緑Tシャツの少女。
少女は柔和な顔立ちをしていたが、瞳の中には「黒さ」が透けて見えている。

「どうする?動く?」

部屋の中央にいる年長らしき人物に、紫色のTシャツを着た少女が訊ねる。
緊張からか、それとも部屋が蒸し暑いからか。少女の全身から異常な量の汗がしたたり落ちていた。
895名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 20:30:43.28 O
何がどうした
896名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 20:31:09.75 0
「りほりほは鉄が熱いうちに打てって言葉を知ってる?」
「知ってますよっていうか刀装具職人を祖父に持つ私に訊きます(笑」
「そう熱くなった撮り鉄は容赦なく打てというこの世の真理を言い表した格言だけど」
「違いますよ〜(汗 確かに熱くなった撮り鉄さんは迷惑ですけどそれに暴力を振るっちゃいけませんからね」

「そう物事は関係者の熱意があるうちに運ばないと後になったら誰にも見向きもされなくなるという意味なんだけど」
「わわかってて私をからかったんですか」
「このスレも終盤よ」
「そうですねってまさか」

「そう>>618が投下されてから二週間近く。果たしてこのスレが立っている間に果たしてオリジナルの解決編が投下されるかどうか」
>>618さん待ってま〜す」
「このままではいざ解決編が投下されてもホゼナンターがチンプンカンプンだなんてこともありえるし」
「いや〜熱心な方もおられますしそれはないでしょうけど」

「とにかく鉄は熱いうちに打て、熱くなった撮り鉄は容赦なく撃ちまくれ」
「いやさっきよりホントに容赦なくなってますし。 その言葉気に入ったんですか? 言いたいだけでしょう」
「さゆみが言いたいのはここでさゆみたちが打つことで>>618への関心の熱も保たれるということなの」
「それはわからなくもないですか」

「だからりほりほ>>618の謎を解きなさい。おじいさまの名にかけて」
「わかりました。そこまで言われたら謎に挑まないわけにはいきませんね。 もしかしたらほんとうの真実にはたどり着けないかもしれませんけど」
                            ……りほなんと
897名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 20:31:34.17 0
「さゆみきっとりほりほと出会うために生まれてきたんだね」
「・・・・・」
「りほりほはもう救命ボートのところまで辿りついたかしら。振り返っちゃダメだよりほりほはさゆみの分まで生きて」
「・・・・・」

「ああ船体が軋み始めている海水が流れ込んでくる音がするもうじきさゆみこの世とお別れなのね」
「・・・・・」
「変ねりほりほの声がするまさかさゆみのことを助けに戻ってきたのううん違うわねさゆみがりほりほのことを思い過ぎてるから幻聴が聞こえたのね」
「・・・・・」

「あれ変ねりほりほがさゆみを呼ぶ声がするそんなはずないわねりほりほはもう救命ボートに乗り込んでいるはずきっとこれは愛の幻」
「・・・・・」
「あれおかしいぞりほりほがさゆみの名前を大声で呼んでいる声がする幻にしてはとても鮮明過ぎてううん違う」
「・・・・・」

「ちょっとどうして助けに来ないの(涙」
「申し訳ありません道重さん今の私のスキルではとても踏み込むことができませんでした」
「フツー助けに来るでしょタイタニック見たことないの」
「道重さんの遺志を受け継いでいこうと」

「もう遺志とか勝手に殺さないで」
「gdgdですがスレも保全できたのでこの辺で」
「ちょっと待ってりほりほそれで>>618の謎は解けたの?」
「ですから>>618の謎は>>618さんが解くのが筋でしょう私たちが勝手に解決したって」
898名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 20:31:53.17 0
「あのお父さんたちから表情を奪っているのはあなたの囁きなんですか!」

目尻を吊り上げて詰問する里保に安倍なつみは穏やかな笑顔を向ける。

「ああ見つかっちゃったんだね。あ、そうかそっちの香音ちゃんっていう子の超聴力で嗅ぎつけられちゃったんだ」
「今すぐやめてください。それだけじゃなくあの人たちを元に戻して」

腰に提げていたホルダーから外したペットボトルのキャップに手をかけながら能力の解除を要求する里保に安倍なつみは困ったような顔をした。

「ゴメンねそれはできないんだ。 ガキさんみたく精神に干渉したわけじゃなくただ囁いただけだから解除の仕方なんてわからなくて」
「ふざけないでください。じゃあどうしてあんなことをしたんですか」

里保以上に険しい顔をした香音の剣幕に安倍なつみは及び腰だ。

「ただ何となく面白そうかなって。でも別に命に別状はないんだからいいじゃんさあ」
「面白そうだって。 自分が面白そうだからだってそれだけの理由で貴重なGW最後の一日にあんなにたくさんの家族から笑顔を奪ったあなたなんか天使なんかじゃない」

悪魔だと糾弾する香音に対して安倍なつみは困り果てた顔を見せた。

「別に自分で自分のことを天使だって言った覚えはないしね。それに君は知っている? キリスト教で悪魔とは堕落した天使のことを意味するって」
「あなたが天使だろうと悪魔だろうと関係ありません。 みんなの笑顔を奪うのをやめないならあなたを倒して止めさせるだけです」

自分に対して戦意を向けてくる二人のことを愉快げに見つめながら安倍なつみは託宣した。

「かわいらしいヒーローさんたち、君たちに言霊の力って奴を見せてあげるよ。 君たちは私を傷つけることはできない。 天使だろうと悪魔だろうと翼で翔ける者に君たちの手は届かない」


 …的な保全w
899名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 20:32:13.99 0
「田中っちー、表の看板しまってディナー用に書き直しておいてー」

新垣里沙

元ダークネスのスパイで、今はリゾナンターのサブリーダー
ダークネスで得た知識・経験を利用し、新しく入った4人の能力者の教育係を務めている、らしい
保有能力はマインド・コントロール
他人の精神に干渉し、思いのままに操る
この能力を応用して、ワイヤーを操って攻撃する事も出来る
さらに、氷の魔女と同様に熱制御≠熾ロ有している
こちらは加熱≠ェ得意らしい
でも、まだ使い慣れていないみたい

「ありがとうございました! また来てくださいね」

裏切り者め……無能力者にヘラヘラ媚び売りやがって!

「お、お、お嬢ちゃん……あっちの席が空いたから、おじさん、移動するね?」
「え、あ、はい」

向かいの席のジッチャンが、苦笑いしながら移動してった
なんだ?
900名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 20:32:50.56 0
「と、言う訳だ」
「いや、美貴サッパリなんですけど」
「あの子供はエッグ≠ゥら選出したダークネスのスパイ、あたしの部下さ」
「じゃあ、美貴に襲わせたのは?」
「リゾナンターの方から、あいつを側におく様にする為」
「へえー、美貴はまんまと騙されたんだ」
「敵を騙すにはまず味方から、ってね」
「スパイを送り込みながら、リゾナンターの能力を確認するなんて」
「効率良いだろう?」
「さすが、諜報部のリーダー鋼脚@l」
「それは前の呼び名だ。今の名は──



──傀儡師≠ウ」
901名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 20:33:09.99 0
「そうったい……うーん。この辺の子? 家まで送って行くけん
「待って田中っち。ダークネスの目的がわからないのに、この子を帰すのは危険だわ」

田中っち

「あなたのご両親は、あなたの能力の事を知ってるの?」
「ハルは施設にいるので親はいません」
「そっか……ゴメンね」
「いえ、大丈夫です」

ダークネスの仲間だった

「その施設には、能力が使える人はいる?」
「多分いないと思います」
「そう……だったら、しばらく私達の所に来ない?」
「え?」
「ガキさん?」

ガキさん

「私達と一緒にいれば襲われてもあなたを守れるし、施設の人も巻き込まれないし」
「良いんですか?」
「狭い所だけど、あなたくらいの子達もいるし、遠慮しなくていいから」
「4人も5人も変わらんっちゃ」

4人≠フ同世代

「ありがとうございます。しばらく、お世話になります」
「あなたの事、私達がちゃんと守るからね。私は新垣里沙」
「れいなは田中れいな。君は?」

……そう言う事か
902名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 20:33:27.39 0
「あひょっとしたらりほりほがはるなんにはぶられてLovendoЯの二人と同じ席に座らされたのではと心配されている方もいるかもしれません」
「だからはぶられてなんかいませんってば」
「その点は無かったことだけは声を大にして言いたいと思います」
「別に声を大にしなくてもいいですよ。 私みんなと仲良いですし」

「もしも誰かがさゆみのりほりほを悲しい目に遭わせたならその人間は社会的生命を失うということだけは言っておきます」
「せ正義の味方の言うことじゃありませんよ」
「伊達に休日はネット廃人やってるわけじゃありません。 特にリア充気取ってる奴らには生き地獄を見せてやります」
「えっと光井さんの活躍で新垣さんが消えたことに気がついたんですよね」

「さて前置きが長くなりましたが、移動中りほりほは魚住さんといろんな雑談で盛り上がったそうです」
「ええそうなんですよ。いや〜盛り上がったな〜」
「特に抹茶」
「そうそうなんです。魚住さんも抹茶が好きだったみたいでいや〜盛り上がったな」

「後でこの話をりほりほのブログで知って、さゆみが傍にいなことで寂しかったに違いないりほりほの相手をしてくださった魚住さんにとても感謝したものです」
「そんなに気を使ってもらわなくてもいいですよ」
「が」
「がって」

「LovendoЯのもう一人のメンバーである岡田さんがブログに新幹線の中で熟睡してる魚住さんと宮澤さんのツーショットを掲載していたのを見てしまったのです」
「それはずっと盛り上がりっぱなしというわけにもいきませんしね」
「そもそも年頃の女の子が抹茶の話題で盛り上がるなんてあり得るでしょうか」
「べ別に抹茶ケーキとか抹茶アイスとかもあるじゃないですか」
903名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 20:41:10.19 0
あちしの出番かしらんうっふん
904名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 20:42:21.47 0
AKB48
905名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 20:53:44.78 O
これってもしかして荒らされてんの?
906名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 21:10:07.59 O
昔一人スレにもこんな荒らしいたよね
907名無し募集中。。。:2013/05/10(金) 23:11:55.29 O
ほぜなむ
908名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 00:50:59.79 O
ぱななむ
909名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 02:35:08.26 O
ねるなんと
910名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 07:02:04.71 0
>>856-864 の続きです


すっかり寝静まった、商店街の一角。
里保たちは、とある大型スーパー裏手の搬入口に来ていた。

「ほんとにこんな場所に獣が出没するんですかね?」

亜佑美の疑問ももっともだ。
愛佳の話によると獣はかなり大型のものだという。そんな大きな獣が、深夜とは言え商店街の中にあるスーパーの敷地に出没するだろうか。
しかし、依頼主がそう断言しているのだ。手がかりを持たないこちら側としては、それを信じるしかない。

「とにかく、姿を見たらまーちゃん以外の全員で襲いかかって制圧する。時間をかけると、獣を傷つけちゃうかもしれないから」
「了解っ。ま、ハルの千里眼にかかったら猛獣なんて大したことないっすよ」
「…まーちゃん、眠いです」
「は?お前さっきまでクソガキみたいにワクワクしてたじゃんかよ!」

慌てて優樹を揺さぶり起こす遥。
何だか心配になってきた。里保はこれからの展開に一抹の不安を覚えるのだった。

突然、静かだった搬入口から、がらがらと音がする。
搬入口のシャッターが開かれ、中から従業員らしき中年の男が現れた。両手には、何か黄色いものが入ったビニール袋。

「こんな時間に、ゴミ捨て?」

里保はそう思いかけるが、すぐにその不自然さに気づく。
大抵のスーパーなら、建物内に専用のごみ捨て場があるはず。では、一体。
911名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 07:02:36.73 0
答えは意外。
すぐに、近くの茂みから黒い、もっさりとした影が出てきた。
遠めからはよくわからないが、明らかに人とは違う生き物。

「あれか!」
「あの従業員のおじさんがあぶない!!」

しかしその不安は見事に外れる。
獣は従業員に襲いかかるどころか、のそりのそりと近づくだけ。
また、従業員も特に恐れる様子はなく、手にしたビニール袋を獣の前に差し出した。

「何あれ?どうなっちゃってんの?」
「とにかく、捕獲しないと!まーちゃんお願い!!」

亜佑美が優樹に指示を出す。
優樹の背後に現れる、二つの大きな白い手袋をした手。
十本の指を大きく広げ、そして里保、亜佑美、遥の三人を包み込む。
次の瞬間、三人の体は獣の前に瞬間移動した。

「おいお前、何の獣か知らないけど大人しく…って、あれ?」

勢い勇んだ遥が拍子抜けするのも無理は無い。
目の前にいる動物、白と黒のコントラストが抜けた印象を与える、遥もよく知っている動物だったからだ。

「え?何、もしかしてこれ…」
「パンダ?!」

まさか捕まえて来いと言われた動物がパンダだったとは。
しかしパンダとは言え、獣は獣。近縁種のクマと同じく、力も相当強いという情報を里保は持っていた。すぐに捕まえなければ。
その意志が、亜佑美と遥にも伝わる。
912名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 07:03:31.58 0
三方に散り、パンダを取り囲む里保たち。
パンダも自らの身が危険に晒されてると知るや、野生の獣らしく唸り声を上げて威嚇をはじめた。

「私が囮になります!鞘師さんとくどぅーはその間に!!」

亜佑美が、パンダの前に立ち塞がる。
右へ、左へ。ステップを踏みながらの高速移動。亜佑美の動きに気を取られている隙に、残りの二人が攻勢に出る。

「鞘師さん、そいつの前足を狙って!!」

遥が千里眼でパンダをスキャニング。
前足付近に弱点があると判断し、大声で叫んだ。
パンダの死角から、里保が愛刀「驟雨環奔」を抜きながら迫り来る。勢いに任せ、隙のある前足を刀の側面で平打ち。
たまらず後ろ足で立ち上がるパンダ、しかしこれは攻撃態勢でもある危険な体勢。

「これを出す時が来たか…」

里保は、刀を握っている手とは反対の手で、懐のペットボトルを指を使い開栓した。
あふれ出した水はやがて、刀に似た細長い形となって里保の手に握られる。

キュートのリーダーである舞美との戦いで、里保は学んだ。
水を操るものは、攻撃のバリエーションをいくつも持つべきだということを。
そして思考の末に導き出されたのが、「水の刀」。二刀流での戦いは、故郷で嫌と言うほど祖父から叩き込まれた。扱いに困るようなことはない。

右に「驟雨環奔」、左に水の刀を携えた里保が、パンダ目がけ大きく跳躍。
強烈な前足での一撃を食らわそうとするパンダだが、振り翳した刀によって行く手を阻まれる。そしてさらに里保は水の刀を
パンダのがら空きになった胴に叩き込む。
913名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 07:04:06.34 0
「ガウッ…」

怯みかけるパンダ。しかしダメージは強靭な肉体によりあまり伝わっていない。
逆に、水の刀は弾き返され、元の飛沫に戻ってしまう。

「鞘師さん!!」

今度は里保がピンチに陥る番だ。
右の刀はパンダが前足で止めている。この状態で逆の前足の攻撃が来たら。
亜佑美と遥が同時に動きかけたその時だった。

「ガッ、ガアアアアアッ!!!」

弾き返されたと思われた水が、再び形を成し、パンダの体に絡みつく。
刀を崩したのはわざとで、次の捕縛に向けたカムフラージュだったのだ。

「すごい鞘師さん、いつの間にこんなことを!」
「さっすが次世代エース、かっこいい!!」

パンダの動きは水の鎖によって完全に封じられた。
一仕事終えた里保を労おうと、亜佑美と遥が里保に駆け寄ろうとしたその瞬間。

「ウガアアッ!!!!!!」

その場に居る全員が、目を疑った。
雁字搦めに体を拘束していたはずの水の鎖が、パンダの剛力によってばらばらに引き千切られたのだ。その圧倒的なパワーに、
改めて一筋縄ではいかない相手だと認識する。
914名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 07:04:39.93 0
自由の身となったパンダが、三人を睨む。
じり、じりと間合いを詰めてゆくその姿はまるで人間のよう。そして、パンダの視線が里保の前で止まる。
まずは一番実力を持っているものを倒す、動物には凡そ見合わないセオリーで里保にその巨体を被せようとしていた。

が、突如現れた四人の影。
パンダを取り囲むように姿を現した、紫、黄色、オレンジ、ピンクのTシャツを着た少女たち。

「悪いけど、こいつはあたしらが戴くよ!」

高らかに、そして暑苦しく宣言するピンクT。
さらに、

「おいで!テレポートお願い!!」

とオレンジ色のTシャツを着た少女が叫ぶ。
はるか向こうから走ってくるのは、八匹の犬。あっという間にパンダを取り囲んだ犬たちが、キャンキャン鳴きながら何やら不思議な力を発揮しはじめる。
最後に八匹が声を揃えて「ワン!」とひと鳴きすると、パンダの巨体が空間から掻き消えた。

「えっ!?」
「消えた!!」
「あれ?まだこの子達力使ってないのに!!」
「あず、どういうことそれ!」

互いに混乱する両陣営。
すると、ある光景を見つけた黄色のTシャツが、

「あっちだ。向こうのほうに逃げた」

と指を指す。
そこには、パンダの背に乗りはるか遠くへと走り去っていく優樹の姿が。
915名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 07:05:26.43 0
「まーちゃんの瞬間移動!」
「何だよあいつ、おいしいとこだけ持ってきやがって!」

喜ぶ亜佑美と、なぜか悔しがる遥。

「あたしが先回りする!みんなはこいつらを!」
「わかった!!」

オレンジ色Tは再び犬を呼び寄せ、自らの姿をかき消させる。
彼女の使役する犬は、八匹揃い力を合わせることで瞬間移動能力を発動する事ができるのだ。

「まーちゃんが危ない!うちらも追うよ!!」
「おっと。そうはさせないよ」

里保、亜佑美、遥の前に立ち塞がる三人の少女。
とてもではないが、話し合いが通用しそうな感じではない。

「あのパンダはあたしたちがもらう」
「それからあんたたちには、依頼主について教えてもらうよ」
「力づくでもな」

三対三。
少女たちの真夜中のバトルが今、始まろうとしていた。
916名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 07:06:03.43 0
一方。
優樹を背に乗せてひた走るパンダ。
優樹自身は先のことはまったく考えずにパンダを瞬間移動させたのだが、先のことなどお構いなしにパンダ・ドライビングに夢中な様子。

「それーっ、走れ走れー」

この状況下においてさえ楽しめる人物、それが佐藤優樹だった。
真夜中の街を走る、ふかふかのパンダ。その白と黒の毛を触っているうちに、どこからともなく声がするのを優樹は感じていた。

(おまえら、私をどうするつもりだった)

「まさたちはね、パンダさんの飼い主に頼まれてパンダさんを迎えに来たんだよ」

(・・・そうか。ん?私の言葉がわかるのか?)

「すごいでしょー。いひひ」

(なるほどな。まあ、「あれ」さえ手に入れれば戻るつもりだった。いいだろう。一緒に帰るとするか)

「マジで?やったぁ!!」

なぜかパンダと意思疎通ができてしまった優樹。
交渉成立で一件落着、と思いきやパンダたちの行く先にはオレンジTシャツの少女が先回りしていた。

「ごくろうさま。そのパンダ、ここで貰うわよ」
917名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 07:06:43.62 0
少女を前にし、その場に立ち止まるパンダ。
優樹は少女が先ほど乱入してきた四人組の一人だということに気付く。

「うわっ。さっきの、苦労が顔に滲み出てる人たちの一人!!」
「誰が苦労人顔よ!あたしをバカにしたこと、後悔させてあげる」

少女がおもむろに眉間に指を当てる。
精神操作。それが彼女の能力だった。

「目的のためなら非情になれる。それが小悪魔1年生の心意気よ!」
「えー、だったらまさは小天使1年生だもん!」

ただ、精神操作を受けたはずの優樹の様子に変化はない。
それもそのはず。オレンジTの狙いは、

「ガアアアアッ!!!!」

パンダのほう。
この凶暴な動物さえ操れれば、目の前にいる弱そうな少女など物の数ではない。
錯乱したパンダを前に、にやりとほくそ笑むオレンジT。しかし。

(お前ごときの精神操作で、私が操れるとでも思ったか!!)

怒れるパンダの一撃が、少女を襲う。
どうしてあたしの精神操作が効かないの・・・?
精神操作に耐えうるのは、能力者のみ。
自らの能力が通用しなかった理由を知ることなく、少女の意識は吹き飛ばされた体と共に遠くへ消えていった。
918名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 07:07:49.69 0
>>910-917
更新終了
お手数ですが代理投稿お願いいたします

あと1回更新でこの話は終われそうです

---------------------------------------------ここまで代理
919名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 07:27:25.80 I
>>918 続き来たー!明けから乙です。
920名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 08:14:45.43 0
>>918
更新乙です
賑やかで面白いですなあ
921名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 09:41:32.89 O
パンダ!
あの人確定ですねw
922名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 11:56:23.16 O
やっぱり(仮)の人たちでしたか
923名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 12:28:10.54 0
八匹の犬つうのがよくわからん
他のは全部元ネタがあるからこれも何かあるのかと思ったが
924名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 12:49:18.13 O
犬は恐らくこれが元ネタ
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/678.html
925名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 15:44:41.21 0
>>924
や、それにしても何か元があるのかなと
実際に本人が8匹飼ってるとか
926名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 17:54:58.66 0
あげ
927名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 18:39:49.83 0
土曜夕方もほぜなん
928名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 19:41:46.75 O
>>925
実際に8匹飼ってるみたいよ
長野出身らしいから家が広いのかもね
929名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 21:53:16.01 0
あげ
930名無し募集中。。。:2013/05/11(土) 23:23:25.28 O
さらにあげ
931名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 01:28:52.22 I
いろいろあったが80話も終わりに近づくあげ
932名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 07:34:19.06 O
おは
933名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 09:45:25.52 0
>>910-917の続きです



その頃、すでに里保たちとTシャツ姿の敵との戦いが既に始まっていた。
里保とピンク、亜佑美と紫、遥と黄色が激しい火花を散らす。

「うおおおおおおっ!!!」

ピンク色の暑苦しい少女が雄たけびを上げる。
すると、里保の肌に焼け付くような刺激が走った。

「これは」
「あたしは熱く!苦しいほどに全力投球!!」

ピンクが得意とするのは、熱操作。上位互換である発火能力と比べると威力はやや落ちるが、それでも能力によって熱された空気は対象を火傷に追い込み、息を吸えば呼吸困難に陥れる。

ただそれは。
水を操る里保には通じなかった。
熱の影響をまるで受けていない里保の大きな踏み込みが、少女の鳩尾に一撃を与える。
刀の柄で強く突かれた少女は、そのまま気を失った。

「ふう。あの舞美って人との戦いが、ここまで役立つなんて」

里保はあらためてあの戦いで得ることができたものの多さを感じる。
先ほどの熱攻撃を遮断したのは、里保自身が身にまとっていた水のヴェール。
さすがに舞美ほどの防御力はないものの、周囲の熱をシャットアウトするには十分の代物だった。

他の二人はうまくやってるかな。
自らの戦いが終わり余裕の出た里保が、周囲を見やる。
しかしそこには相手の能力に苦戦する亜佑美と遥の姿があった。
934名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 09:45:59.33 0
「どうしたの?少しずつ、動きが鈍くなってるみたいだけど」
「う、うるさいっ!!」

自らの高速移動を駆使し、序盤はむしろ紫Tシャツの少女を追い込んでいた亜佑美だったが、戦いが進むにつれて妙な感覚に苛まれ始めていることに気付き始めていた。

体の動きが、重くなっている?

瞬速の動きからの蹴りを、拳を相手にヒットさせるごとに削られてゆく、自らの体力。
相手の様子には変化がない。強いて言えば、夥しい量の汗をかいているくらいだ。
奪われるスタミナ、しかし亜佑美は攻撃の手を休めない。

力を振り絞り紫にさらなる一撃を仕掛けようした時。
思わぬ方向からの攻撃を受けることになる。

浴びせかけられた、大量の水飛沫。
里保からのものだった。

「亜佑美ちゃん!闇雲に戦ってたら、いつかバテちゃうよ!!」

年下の先輩からのアドバイスと、冷たい水の感触が、亜佑美に冷静さを取り戻させていた。
まずは拙速な攻撃をせず、相手の出方を見ることが大事。
攻撃をやめ、構えの姿勢だけ崩さずに相手を見ていると、紫が明らかに苛立っているのが見て取れた。

「かかってこないなら、こっちから攻撃するまで!!」

言いながら、右手を振りかざし何かを飛ばしてくる。
飛来してくるそれに対し不穏なものを感じた亜佑美は、高速の動きで回避する。
亜佑美の立っていた地面に降りかかる、液体。そこであることに気付く。
935名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 09:47:03.01 0
今飛ばしたのは、汗?
そう言えば、彼女は全身汗まみれになっているし。もしかして、汗が武器?
さっきも攻撃、つまり相手の体に触れるたびに体力が削られた。もしかしたらあの子の汗にそういう効果があるのかもしれない。
ということは、相手に直接触れずに攻撃することができれば!!

紫の少女が、間髪入れずに汗を飛ばしてくる。
それをよけつつあるものを探していた亜佑美だが、ついにお誂えのものを発見する。
どさくさまぎれに飛び込んだ資材置き場から、彼女が手にしたのは、身の丈ほどはあろうかという鉄パイプ。

「さあ、これから反撃だよっ!!」

持ち前の高速移動で瞬時に紫Tの懐に飛び込んだ亜佑美が、その肩に強烈な一撃。
苦し紛れに相手が飛ばす汗を、今度はパイプを回転させ全て弾く。

「くそ、こうなったらこうしてやる!!」

猛突進で、亜佑美の体に組み付こうとする紫T。しかし高速移動を身上とする亜佑美の体を捉えられるはずもなく。
鉄パイプに足を攫われたところを、背中への強烈な打撃。ぐえっ、という声とともに少女はぐったりしてしまった。

その一方で、遥は黄色Tシャツ相手に完全に劣勢となっていた。
亜佑美ほどではないにしろ、俊敏さを利用して、千里眼によって浮き彫りにされた弱点を突く。それが遥の戦い方。
しかしそれが、黄Tにはまったく通用しない。

「ヤアッ!!」

少女が繰り出す正拳が、遥を追い詰める。
空手によって極限まで鍛え上げられた肉体に、弱点と言う弱点はないに等しい。
しかも辛うじて見つけた弱点も、遥の攻撃力では相手の強靭な肉体にダメージを与えられない。
遥にとって、この少女との相性は最悪と言ってもよかった。
936名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 09:47:46.19 0
右に避けられれば右に回り込み、そこからの回し蹴りをかわされれば隙を見せることなく後ろ蹴りを繰り出す。
流れるような攻撃の連続に、遥の体力は徐々に消耗していた。

そしてついに黄色Tシャツの少女のローキックが、遥の腿を捉える。ハンマーを打ち付けたかのような衝撃に、思わず膝をつく。
痛みに身を屈めた遥は、まさに次の蹴りの格好の的。顔面目がけ、フルスイングの蹴りが飛んでくる。

「ガウッ!!」

そこに飛び込んできたのが、優樹を背に乗せたパンダ。
巨体を駆使したタックルに、黄色Tは受け身も取れずに突き飛ばされた。

「どぅー、助けに来たよぉ!」
「べっ、別にまーちゃんに助けに来てもらわなくても!!」

口ではそう言いつつも、正直危なかったというのが遥の本音だった。
しかし、意地でもそれを口にするわけにはいかない。

「まーちゃん、くどぅー!!」

突然現れた優樹とパンダに驚きつつも、近くに駆け寄る里保と亜佑美。
しかし戦いはまだ、終わってはいなかった。

「くそっ、これくらいのことで!!」

言うなれば、乗用車に追突されたくらいの衝撃を受けたにも関わらず、黄Tに身を包んだ武道家は立ち上がった。
日々の鍛錬で鍛え上げられた肉体が、ダメージを最小限に留めたのだ。

「かの大山倍達は猛牛を素手で打ち殺したという。ならばパンダごときに、私の武術が遅れをとるはずがない!!」

少女が自らの気合を放出するかのように叫ぶ。
パンダもまた相手を剛の者と認めたのか、ゆっくりと近づき、そして二足立ちとなった。
パンダと空手家、決して交わる事のなかった二つの星が今、激突する。
937名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 09:48:20.35 0
鬼気迫る表情で先に攻撃を仕掛けたのは、少女。
いきなりの前蹴り、をフェイントにした後方回し蹴り。まともにくらったパンダに、はじめて苦しげな表情が浮かぶ。
しかしパンダもやられたままではない。身に食い込んだ少女の脚を掴むと、恐ろしい勢いで地面に叩き付ける。
この攻撃はさすがに堪えたらしく、インパクトの瞬間に少女が吐血した。

よろよろと立ち上がる、少女。
今のやり取りで相手との実力差を知ったのだろう。前傾姿勢を取り、勝機を捨て身の一発に賭けた。
対するパンダは、身構える事もなくその場に立っている。

里保も、亜佑美も、遥も。そして優樹さえも。
張り詰めた空気に息を呑む事しかできないでいた。

止まっていたかのような時が、動き出す。
少女は大きく間合いをとると、パンダに背を向けつつ左足を振り上げ、 勢いで宙へ逆さまになりながら右足での回転蹴りを繰り出した。
振り子の勢いと回転の力が加わり、まともに喰らえば人間なら腕などいとも容易くへし折れるほどの威力。

しかし。
パンダは自らの両腕を交差させ、少女の蹴りを受け止めた。
行き場をなくし体勢を崩す少女に、パンダの無慈悲な一撃。丸太のように太い腕の攻撃を受けた少女は無念の表情を浮かべ、ついに落ちた。

「やった!パンダさんが勝ったよ!!」

大喜びでパンダに駆け寄り、抱きつく優樹。
優樹に続けとばかりに身を乗り出した遥を、亜佑美が止める。

「くどぅー、私たちの目的」
「いっけね、忘れてた」

そう。
彼女たちに与えられた任務は「パンダの捕獲」。邪魔が入り妙なことになってしまったが、その本筋は外してはならない。
里保は既に、どう状況が変化してもいいように自らの刀の鍔に指をかけていた。
938名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 09:49:03.42 0
再び三人がパンダを取り囲もうとしたその時だった。
優樹がパンダの前に立ち、両手を広げる。

「ダメ!!」
「まーちゃん?」
「お前さあ、ハルたちがどういう任務でここに来てるか覚えてる?」

先ほどまで自分も任務を忘れかけていたのを棚に上げ、優樹を窘める遥。
それでも、頑なに優樹はその場所を動かない。

「…オ前は優しイ子ダな」

そう言いながら、優樹の頭を撫でるものがあった。
振り向くと、そこには一人の大柄な女性が立っていた。

「パンダさん?」
「よくわかっタな。獣化しタ私ノ言葉がわカるだけノことはあル」

目を丸くして、パンダ、いや女性のことを見ている優樹。
パンダは、かつてリゾナンターであったジュンジュンが獣化した姿だったのだ。

ただ、それ以上に驚愕しているのが里保たち三人。
パンダだと思っていたのが、段々と姿が変化して人間になったのだ。驚くなというほうが無理に違いない。

ジュンジュンは、四人の少女たちの顔を見回し、そして言う。

「お前ラ。リゾナンター、だロ」
「!!」

第三者からリゾナンターという単語が飛び出した場合。
想定されるのは、警察関係者。そして、ダークネス。
939名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 09:50:27.90 0
「何者なんですか、あなたは」
「…昔のリゾナンターノ、友達ダ。オ前らがリゾナンターなのハ、匂いでワかる。特ニお前は、道重サンの匂イが強い」

里保の警戒心などどこ吹く風、ジュンジュンはさらりとそんなことを言ってのけた。
りほりほ膝擦りむいてるじゃない、さゆみが治療してあげる。フッフフフ。だめだめ、隅々まで触らないと怪我の治りが遅れるの。スー
里保は何となく、げんなりとした顔をした。

「心配すルな。自分デ『飼い主』ノもとへ帰ル。『飼い主』かラお前らノボスに連絡がイくだろうし問題ナイ。あと、お目当テのもノも貰っタし」

そう言って、足元に落ちているぱんぱんに膨れたビニール袋を指すジュンジュン。中には。
これでもかと言うくらいに大量に詰め込まれたバナナが。

両手にバナナの入った袋を抱え、去っていくジュンジュン。
しかしあることに気づいたのか、袋を置いてこちらに戻ってきた。

「私ガジュンジュンだっタことハ、内緒ナ。ソノ代わり、いいコとを教えテやる」

そう言って、優樹を除く三人に次々と耳打ちするジュンジュン。
表情を引き締める者、困惑する者、落胆する者。三者三様の表情がそこにあった。
ねーまーちゃんは?まーちゃんは?と期待の目で見つめてくる優樹には、「お前ハそのままデいい」という微妙なコメントが。

そして今度こそ、ジュンジュンは颯爽と立ち去って行った。
その雄大な背中を眺めつつ、遥が言う。

「あの人…」
「どうしたの、くどぅー」
「全裸だったんだけど、大丈夫っすかね」

大事なことに気付くも、すでにジュンジュンは遥か遠く。
異国からやって来たストリーキンガーを、四人はただ見守るしか術はなかった。
940名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 09:51:25.77 0



数日後。
飛行機は雲を突き抜け、目にしみるような青い空を飛ぶ。
ジュンジュンとリンリンはとある伝手でチャーターされた特別機に乗って中国への帰路についていた。

「まっタく。タかがバナナのタめに日本マデ来るナんて」
「何言っテる。バナナ、大事。バナナ食べラれなイと死んジャう」

空の旅を楽しむ、ファーストクラス。
用意されたバナナのデザートを摘みつつ深刻な表情で訴える、ジュンジュン。

「バナナなんて、中国にいっぱいある」
「だめだめ。日本のバナナ、おいしい。特にあそこのスーパーの廃棄処分寸前のバナナは最高だ」
「…わかった。『刃千吏』の日本支部に頼んで、空輸するから。とにかくこういうことはこれっきりにしてほしいね」

組織の副官としては、「御神体」の勝手な行動は認めるわけにはいかない。
とは言え、御神体あっての「刃千吏」というのもまた事実。
窓の外の雲を眺めながら、これからも訪れるであろうトラブルにリンリンは肩を落とす。

「にシテも」
「なんダ?」
「私たチの後輩は、順調に育っテいル」

ジュンジュンの表情が、緩む。
偶然かはたまた必然か。はじまりのリゾナンターと、今をひた走る新しいリゾナンターの邂逅。
軽く手合わせしただけのようなものだが、それでもジュンジュンは若手の将来性を感じていた。

「そウか。ジュンジュンはアノ子たちニ直接会っタンだナ」
「特に目ノ小さイちびっこ。アれは将来強クなる。もう一人の貧乏くさイ子も楽シミだ」
「私タチがいナクてモ、もう大丈夫カ」
941名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 09:51:57.19 0
リンリンが小さくため息をつく。
日本を発つことを決めた時。もちろん、後ろ髪が引かれなかったわけではない。喫茶店に残りメンバーを支えてゆくという選択肢もあったはず。
しかし結果として、彼女は本国での任務を選んだ。

「悲しイことヲ言うナ。ジュンジュンたちハ、たとエ遠く離れてタって、リゾナンターだ」
「そうだナ。あノ日、愛ちゃんモそう言っテた」

日本最後の日。
空港で見送りに来てくれたのは、その日たまたま体が空いていた愛だけだった。
他のメンバーは突発的に発生した事件のせいで、空港に来ることができなかったのだ。
しかし、二人のメンバーに寄せる思いは、愛も含めて一緒だった。「あーしたちは、いつまでもリゾナンターやよ」。
この言葉は、今もリンリンとジュンジュンの心に深く刻み込まれている。

「アノ不思議な子はパンダにナったジュンジュンノ言葉、理解デキた。心が繋ガッていレば、いつでモ分かり合エる。そのコトを改メて教えテもらっタヨ」

ジュンジュンの言葉を、黙って聞いているリンリン。
リンリンは、経緯はどうあれ、日本にやってきたことは決して無駄ではないのかもしれない。そう思った。
942名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 09:52:55.73 0
>>933-941
代理投稿完了
943名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 11:43:15.53 0
>>942
パンダと空手家との対決とかお約束のジュンジュン全裸とか楽しい話乙でした
去り際にジュンジュンが三人に残した言葉は今後の展開につながっていくのか
944名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 12:34:02.41 O
佐保ちゃん…
945名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 14:18:56.97 0
>>942
Χ作者さんも代理さんも乙です
離れていても心は繋がっている様子が伝わってきました
946名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 16:19:32.32 0
日曜午後もほぜなん
947名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 17:47:56.16 0
あげとく
948名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 18:03:27.66 O
>>942
更新代理乙です
リゾナンターオリメンの思いと若きリゾナンターの成長が楽しめました
949名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 20:47:32.55 O
ほぜなんと
950名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 21:49:51.32 O
日曜が終わってしまうよ保全
951名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 23:12:44.11 0
あげ
952名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 23:26:09.00 I
>>786-789 続きです

>>791
既存は良作ばかりで、自分としては非常に困っています。楽しんで頂ける様に頑張ります。

>>793
新鮮だけで終わらぬ様に頑張ります。

>>795
スパイですが小6なので、あの様になりました。マンネリにならない様に頑張ります。

>>800
2人の一番の違いは年齢と思い、あの様になりました。

>>801
名作ですね。無意識ですが、これがリゾナントでしょうか。

みなさまありがとうございます。自惚れて自分宛でない返信でない事を願います。

投下開始↓
953名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 23:28:05.38 I
「──分数と整数のかけ算は」

……暇だ

「分子と整数でかけ算をするんだ」

……暇すぎる

「間違って分母とかけ算するなよ」

……する事がない

「では1問解いてもらおうかな」

いや、何もしてなくはないんだけど……

「工藤ー、次の問題を解いてくれ」
「え、はい!」

ハルが座っているのは、教室のど真ん中の席
ちょっと気を抜くと、すぐ先生に当てられるんだよな
この先生、昨日もハルを当ててなかったか?

「どうした工藤ー、わからないのか?」

ええ、聴いてませんでしたよ
でも、ハルならわかるんだよね

──透視──トランスペアレント

……ふーん、なるほどね
954名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 23:32:34.02 I
「1と3分の1でーす」

ハルの席の前には優等生がいるからね
そいつ越しにノートを視れば、わからなくても全然へっちゃら

「……正解」

ハルに恥かかそうったってそうはいかないもんね!
能力者をなめんなよ!

キーンコーンカーンコーン

よっしゃ!
授業終わり!
955名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 23:34:27.16 I
──
956名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 23:35:13.75 I
「工藤、お疲れー」

校門を出ると、田中れいながいた

「やっぱランドセルを背負ってると、小学生って感じっちゃね」

ハルが学校に行く日は、必ず送り迎えをしてくる
護衛って事なんだけど、正直ウザい

「さ、帰るったい」

リゾナントに向かって歩き出す

「工藤が襲われてからもう2週間経つっちゃけど、何も起こらんっちゃね」
「……そうですね」

そのせいで、調査が全く進まないんだって!
あんたと新垣もだけど、4人の新入りの能力なんて1回も見てないし!

「ま、れいながおるけん、手出し出来んって事っちゃろ」

ダークネスが本気出せば、リゾナンターなんてイチコロだっつーの!

「けど、何で工藤が狙われたと?」
「さあ、ハルにもサッパリ……」
「あいつらのする事もよくわからんっちゃね」

リゾナンターに潜入する為に、傀儡師様が考えた作戦なんだよ!
バカにすんな!
957名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 23:37:28.51 I
わかんねーのはお前らだ
能力者のくせにダークネスの邪魔をして
無能力者と仲良くして

無能力者はハル達の敵だ
あいつらと一緒にいられる訳がない

ハルを助けてくれたのはダークネスだけだった
だから、ハルはダークネスの為に何でもするんだ

辛い訓練だって耐えた
憎い敵集団にだって潜入する

全ては、ダークネスが創る能力者の理想の世界の為に──

「工藤」
「えっ、は、はい?」

田中が立ち止まった
ハルも慌てて立ち止まり、田中を見る

「──」

真剣な目でハルを視る、田中れいな

「──あ…の、田中さん?」
「守ってやるったい、絶対に」
「あ……ありがとう、ございます……」

まあ……ハルが危ない目に遭う事は、ないだろうけどさ……

「じゃあ、守って見せてよ」
958名無し募集中。。。:2013/05/12(日) 23:40:25.34 I
投下完了↑

>>953-957
『この地球の平和を本気で願ってるんだよ!』5

名作の合間の投下……大変お邪魔しました。
959名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 00:26:15.61 O
更新乙
工藤と田中の関係がどうなっていくのか気になるとこですな
960名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 02:03:44.42 O
ねるなんと
961名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 05:06:31.75 0
>>958
乙です
れいなを始めとするリゾナンターとの交流をきっかけに工藤は更正するのかしら
次回は新スレになりますかね
続きを待ってます
962名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 05:28:06.34 0
工藤目線なのが面白いw
963名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 07:06:22.88 0
〜♪

「ん?あれ、生田からやん。珍しい」

通話ボタンを押すれいな。

「はい、なに?」
「…」
「生田?」
「…」
「ちょっと、生田?」
「…」

電話の向こうからは何も声は聞こえない。
おそらく、持ち歩いているうちに何らかのはずみで電話がかかったのだろう。
そう思い、れいなは電話を切った。

カランコローン

「こんにちはー!」
「おー鈴木!」
「ねー田中さん、さっきえりちゃんから変な電話がかかってきたんですよ」
「変な電話?」
「そう、何も言ってこないんです。いたずらかとも思ったんですけど、えりちゃんだって分かってるのに無言電話するのもおかしいし」
「えー、さっきそれれーなもかかってきたとよ」
「え!?本当ですか!?何してんだろえりちゃん…」
「きっとあれよ、何かの拍子でボタンが押ささったんよ」
964名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 07:08:12.88 0
〜♪

その時、またれいなの携帯が鳴った。

「…生田や」
「あ、間違えてかけちゃったからゴメンなさいの電話じゃないですか?」
「そうよね」

ピッ

「はい?」
「…」
「生田?」
「…」
「あれ、またですか?」
「そうみたいやねw」
「じゃあこうしません?」
「何?」
「このまま繋いでおきましょうよw いつか電話をとるから、その時に大声出してえりちゃん驚かせましょうw」
「ええねw どうせ電話代かかるの生田やしw」

スピーカーホンにして、衣梨奈の声がするのを待つ2人。
数分後、やや大きな物音がした。

「あ、きっと電話持ちましたよ」
「そうやね、そろそろやねw」
965名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 07:09:24.14 0
聞き耳を立てる2人。
ところが、衣梨奈の声はしない。ただ、何らかの物音は聞こえてくる。音量を最大に上げる。
継続的に聞こえる、鈍い衝撃音。その間に漏れ聞こえる、悲鳴とも呻き声ともつかない女性の短い声。
その声の主が衣梨奈だと分かるのに、時間はかからなかった。

「生田!!何しとう!?」
「えりちゃんどうしたの!?」

大声で電話の向こうに呼び掛ける2人。
鈍い衝撃音が止む。

ブツッ プー プー プー

そして、電話は切れた。

「鈴木!今日生田がどこに行くかとか知っとう!?」
「えっ、分からないです…。どうしよう田中さん、えりちゃんが…」
「とにかく、生田がどこにおるか!集中して!共鳴を感じて!」
966名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 07:11:49.27 0
数十分後、2人は雑居ビルの非常階段を上がっていた。
そしてその屋上には、横たわる衣梨奈の姿があった。

「生田!」
「えりちゃん!!大丈夫!?しっかり!」

衣梨奈は気を失い、応答はない。
またその身体は、ひどく痛めつけられていた。

「ヒドい…」
「鈴木!生田を連れて、すぐさゆに連絡して!」
「えっ!?田中さんは?」
「…近くにおる。やっつけてやらんと、気が済まん」
「田中さん、それなら私だって…」
「じゃあ誰が生田を連れて行くと!? …見守ること、寄り添うことも戦いやからね」
「…はい」
「よし、じゃあ生田を頼んだとよ」

衣梨奈を連れた香音は、物陰に潜んだ。
967名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 07:13:14.84 0
「ん…うん…」
「えりちゃん!気がついた!?大丈夫!?」
「あれ…?香音ちゃん…?」
「もう大丈夫だよ。田中さんも来てくれてるし、もうすぐ道重さんも来るから」
「そっか…よかったぁ… グスッ」
「え!?ちょっと、えりちゃん泣いてんの?」
「怖かったと…。それに、誰も来てくれないんじゃないかって…」
「え〜?何言ってんのさw」
「衣梨奈ね、こないだ失敗したっちゃん」
「あぁ…、あったね」
「だからさ、何とか挽回したいなって…」
「1人で抱えないでほしいなー」
「え?」
「みんな同じ人間だから共感できたりする人は必ず居ると思うよ。…私だってさ、うまくいかない事ばかりだったことあったし」
「…。」
「田中さんも道重さんも、他の先輩達も、私達も聞いてないような、色んなことがあったと思うんだ。だけどさ、私達にはああして笑顔で優しく、時には厳しく、けじめはしっかりしてるなぁって」
「…。」
「なんか私が言えるような立場じゃ無いと思うけどさ、そういう人になりたいし、ならなきゃって思う。身体も心も、いっぱい傷ついてきてると思う。だけど、優しさで照らしあって、太陽のように強くなってきたんだなって思うんだ」
「うん。良いこと言うね香音ちゃん」
「そう?へへへ」
968名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 07:14:32.98 0
「あ!生田気がついたと!?」
「田中さん!」
「田中さん大丈夫でしたか?」
「全っ然。なんで生田あんなのにやられたと?」
「え〜〜?」
「生田はまだまだ隙があり過ぎるっちゃん。まだまだ鍛えてやらんといけんね」
「ええええ〜〜〜〜!?」
「そこはお願いしますでしょ、えりちゃんw」
「え〜〜?香音ちゃんまで〜〜w」
「そういやえりちゃん、なんで私と田中さんに電話くれたの?」
「それはもちろん、頼りにしてくれとるからやろ」
「いや〜、それはその〜、適当に誰でも、たまたまかかったっていうか…」
「は?」
「は?」
「あ…」
「行こ、鈴木」
「はい」
「え〜〜!ゴメンなさいゴメンなさい!待って下さ〜い!」
969名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 07:27:22.38 0
>>963-968
「傷だらけの太陽」
話の構想は結構前からあったのですが、展開や登場人物が二転三転してなかなかの難産でしたw
誰と戦っていたかはあえてボカし、れいなが本当に楽勝だったのか、それとも実は苦戦してたのか、その辺も読み手の想像にお任せします
970名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 10:55:25.46 O
>>969
更新乙です
タイトルは生田のことなのか田中のことなのか
いろいろ想像させてくれる楽しい話でした
971名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 13:15:40.98 O
ほぜ
972名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 15:28:15.21 0
>>969
先輩のように強く有りたいという思いは生田も香音ちゃんも一緒なんだろうけど実現までのプロセスが違っていて
その違いが各々のキャラらしいと思いますた
973名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 15:33:52.31 0
生きる理由を考えてしまうのは何故だろう。
なぜ生まれ、なぜ生きているのか。
考えなくてもいいはずの理由を、考える。

 【私】を創ったヤツらは知っている。

でも、私はそれを否定した。
否定するために逃げて、そして戦って、生きて。
そして、死ぬ。

 十数年で、死んでしまう。
 
なんて不完全な命だ。
【私】をそんな風に作り出してしまったヤツらは、人間でいう「親」ではない。
父と母らしきモノを固体として限定できるほど、私の中身は純粋にできていない。

 無機質な製造番号によって、名前すら存在しない。

様々な遺伝情報をぶち込まれた細胞で構築されている【私】。
それが嫌で、嫌でいやでイヤデ。

 死にたくなくて

だから【私】は、ヤツらに反旗を翻した。
多かれ少なかれ、私の肉体には私が憎悪する"ヤツ"の肉体情報が入っている。
母は哀れな犠牲者だった。
憎い、憎い、憎い!
この世界に、こんな風に産み落とした原因を、この世界から抹殺したい!
それが【私】の行動理念。
それ以外にやりたいことなんて、無かった。
974名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 15:34:23.63 0
 なかった。
 無かった。
 なかったのに。

―― 本当は、ある。
他にもしたいことが、たくさん、たくさん出来た。

でも、ヤツへの復讐以外のことを、考えてはいけなかった。
何もせず、何もできずに、ただただ恨みの言葉を吐いて死んでいった仲間たちの為にも。
私の寿命だって、いつ尽きるのか分からないのに。

……あと、何年生きられる?
今日も明日も明後日も生きていたいのに。

 死にたくない。死にたくないよ。

だけど、明日死んでもおかしくない、不完全な命。
もしも明日、この命がなくなるとしたら。

 きっと私は、この心の底にある願いを叶えにいくのかもしれない。
 この願いを叶えられたらきっと、きっと、私、は――

 *

あの日、あの時、あの頃。
審判の保留が行われてから数年。
多次元の世界の一つ。
終結を迎えたものも多い。
だが、誰かは紡いでしまう。―― 少女の結末は未だ、其処にあると。
975名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 15:35:05.25 0
『異能力 -Following the end-』


来週と迫って来たのでもう一度挑ませてください。
…多分覚えてる方もだいぶ少ないと思いますが(汗
とりあえずプロローグだけ。
次スレから投下させて頂きます(平伏

--------------------------------------------------ここまで代行
976名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 15:38:15.72 O
まさかの復活!!
いやほんとに待ってました
期待してもいいんですよね?
977:2013/05/13(月) 17:28:34.90 0
>>975
代行乙
異能さんはやる人だと思ってました

今晩にでも新スレ立ててみますかね
978名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 20:09:26.46 O
読む前ほ
979名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 21:44:34.92 0
あげ
980名無し募集中。。。:2013/05/13(月) 23:20:42.93 0
981名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 00:47:39.36 I
81話も盛り上がりそうだ保
982名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 04:23:35.40 O
>>976
更新代理乙です
諦めかけていたんで再開してくれてありがとうとゆいたいです
次スレも楽しみにしてます
983名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 07:28:00.23 0
今日の昼過ぎに次スレ立てときます
その時点でしたらばの【スレ立て宣言&テンプレ】スレにも次スレのURL貼っときますので
984名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 10:45:02.26 O
おはなん
985名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 13:06:14.98 0
とりあえず立ててはみたが

リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第81話
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1368503823/
986名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 15:08:30.68 O
異能力の人の復活嬉しいです。また楽しみが増えたぜ
987名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 15:13:59.33 0
「別に気を使わなくてもいいから」
「はぃ?」
「さゆみ全然気にしてなんかいないから、ホント気を使うことなんかないから」
「い一体誰に何を言っているんですか道重さん」

>>952さんが良作ばかりの中に投下したことを気にしているみたいだから気にしなくてもいいのよって言ってあげてるのよ。さゆみ全然気を悪くしてないから」
「まさか道重さんはりほなんとが良作に含まれてると思ってるんですか」
「それにいろんな作品があったほうが賑やかで面白いじゃない。ほら枯れ木も山の賑わいってよく」
「この痴れ者がぁぁぁぁ。すいません、つい声を荒げてしまいました。 道重さんはもっと他の作者さんに気をつかうことを学んだほうがいいと思います」

「この第80話も色々あったわよね」
「何の資格があってまとめに入ってるんですか」
「『リゾナンターΧ』は第一章が完結。『HELP ME』 の作者さんの新作『地球の平和を本気で願ってるんだよ!』 もスタート」
「どんどん新しい世界が紡がれていきますね」

「『the new WIND―――』も佳境に突入しているし、でもなんといっても最上級のサプライズといえば…」
「『異能力』シリーズの復活ですよね。 私たち9期以降のメンバーが登場するかどうかわからないですけど楽しみにしてます」
「何を言っているのりほりほ。 最大級のサプライズといえばこのりほなんとが復活したことじゃない」
「よく恥ずかしげもなくそんなことが言えますね」

「規制ラッシュでどうなることかと危ぶんでいたけどどうにか次スレへと繋がっていきそうね」
「これも道重さんがいつも毒舌を吐く一言保全をしてくれている住人さんのおかげですけどね。お礼ぐらい言ったらどうなんですか」
「…わかったわよ。 >>986 テメーはさゆみがこれまで見た中で一番使える携帯だぜ」
「ちょ何悪態ついてるんですかまったく(汗 住人の皆さん嘘ですからね」
988名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 15:15:01.48 0
「それにしても迂闊だったわ」
「もうこのベタなしゃべくり漫才みたいな展開もいいかげんにしませんか」
「あんなにあからさまに犯行予告をしてたというのに見逃していたなんて」
「何の犯行予告なんですか?」

「この>>133はどうみても『地球の平和を本気で願ってるんだよ!』のプロローグじゃないの。こんなに堂々と潜入予告をするなんて舐められたものだわ」
「まあでもそんないきさつがあったどぅも今ではかけがえのない仲間でってどうしたんですか道重さん。そんなに冷たい目をして」
「何を言っているのりほりほ。 スパイに情けをかけるなんてどうかしてるわ」
「い、いや前にも言った覚えがあるんですがどぅはさくらちゃんを助けるときにも頑張ってましたし」

「それを言うならガキさんだって頑張ってたわ。 サブリーダーとして頑張ってた陰でさゆみたちの情報をダークネスに流してたわ」
「ちょまだそれを言います」
「大体工藤はいつ改心したの。 何月何日の何時何分にダークネスと縁を切って心からリゾナンターに仲間入りしたの?」
「そそれは『地球の平和を本気で願ってるんだよ!』 の続きで、ね」

「ガキさんといい工藤といいほんとうにスパイってやつははっ」
「どうしたんですか目を輝かせて」
「りほりほは思い当たらない。 ガキさんと工藤の二人に共通する肉体的な特徴」
「ままさかスレの終盤で今更そんなネタを言い出します」

「今、確信したわ。 スパイをする人間なんて心が貧しいってことは胸も貧弱なのよ。はっということはまさかれいなもスパイだった?」
「何を言い出すんですかそのトンデモ設定。 晴れの門出が近づいている長年の戦友になんてことを」
「もうさゆみ誰を信じたらいいの。 信じられるのりほりほだけだよ」
「私は道重さんのことだけを信じられません」

                                                              ……りほなんと
989名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 15:40:48.27 0
990名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 16:47:31.01 O
りほなんと乙
991名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 17:49:31.44 0
>>988
その理屈だと鞘師もスパイだといやなんでも
992名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 18:11:16.70 T!
スパイばっかりじゃないか
993名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 18:30:42.67 0
すっぱいね。。。
994名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 18:42:59.98 O
小春にガキさんにどぅー……
スパイ設定ある人はむねたいらさんばかりだな
995名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 18:49:55.64 0
どぅーの酸っぱい匂いの帽子ハァハァ
996名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 19:52:36.26 O
もうすぐ完走か
997名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 21:32:14.06 T!
もうすぐ>>1000ね♪
998名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 22:56:29.04 0
ノノ*^ー^) <このスレの半分をあなたにあげますね
999名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 23:00:20.58 0
リゾスレの半分はやらしさでできています
1000名無し募集中。。。:2013/05/14(火) 23:10:31.62 0
嘘だから…
10011001
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。