737 :
名無し募集中。。。:
「うおお〜!昼休みじゃ〜!」
「売店の明太フランスパンはワシのモンじゃ〜!」
4限目のチャイムが鳴るや否や生田と鈴木が勢いよく教室を飛び出す。
「二人とも、仕方ないのう」いつものように呆れる鞘師を、これまたいつものように譜久村が諭す。
「フッフフ。奴等にとってはこれだけが楽しみなのだろう。許してやれい」
ここは江田島光男が経営する私立「娘塾。」。普通の学校に進めない問題児たちが集まるゴンダクレ校であり最後の受け皿でもある。
生田、鈴木、鞘師、譜久村はそこの2号生であり、譜久村は2号生筆頭を任されていた。
「それより鞘師、お前もサイダーが欲しいんじゃないのか?」
そう尋ねる譜久村に鞘師はバレたかと言わんばかりに頭をボリボリ掻く。
「さすがじゃのう聖は。実はさっきからノドがカラカラポンなんじゃ」
「フッフフ。鞘師は仕方のないやつじゃのう」
738 :
名無し募集中。。。:2013/03/24(日) 00:18:12.43 0
「うおおー!一番乗りじゃー!」
生田は駆け足のまま売店へ辿り着いた。鈴木は途中で脱落してしまったらしい。
「えーと、明太フランスパンは・・・と。あった!」
最後の1個となった明太フランスパン。生田がそれをつかんだ瞬間、もう一つの手が同じ明太フランスパンを掴んでいた。
ゴゴゴゴゴゴ
「なんね?ウチが先やし!手をどけり!」生田が叫ぶ。
そこへ鈴木が到着する。「い、生田!?その人は・・・・」
「ああ〜ん?知っているのか鈴木?」
大食漢の鈴木の普段は見せない狼狽っぷりに生田も思わずパンを掴んでいる相手を見る。
「その人は、娘塾。3号生筆頭にして娘塾。総代、娘塾。の帝王こと道重さゆみさんじゃあ!」鈴木が叫ぶ。
「な、なんだってー!」生田も驚く。
噂には聞いたことがある。娘塾。に在学すること十余年。その長期にわたってこの塾を支配しているという帝王。
一説には、その余りの影響力のため光男達も手は出せないという。
「この人が!」
立ち尽くす生田に向けて道重の重々しい口が開く。
「小娘。あんた何年?私十余年」