397 :
名無し募集中。。。:
豪華なソファに腰を下ろし、ミズキはふう、と息を吐いた。
ベッドの上にはミチシ原人の使いであるダーイシが横たわっている。
「予想通り、なかなか美味しかったですわ〜」ミズキは東の国から取り寄せた怪しい煙草をくゆらせ満足げに微笑む。
ダーイシの目は虚ろである。先ほどの情事で消耗し尽くしてしまったのであろう。
「私の包容力(むしろここではπパワーと呼ぼうかしら)を目の当たりにして私の下僕にならなかった者はいない。
以前のオデン近衛長しかり。ウフフフ・・・フ・・・アァ、アァ」
先ほどの情事の余韻に浸っているのかそれとも怪しい煙草の作用なのか、
ミズキがトリップ状態に陥る中、ようやくダーイシがベッドの上でモゾ、モゾと動き出した。
「おめざめ?じゃあ、ミチシ原人族のことをたくさん聞いちゃおうかしら」
ミズキの夜はこれからである。満月の女王。いや、この子(ダーイシ)にはまだマン毛は生えてなかったわね、ウフフ・・・
ところが、ミズキの予想とは異なりダーイシはそそくさと荷物をまとめだした。
「では、私はサユミ様のもとへ帰ります。ミズキ女王、こうまでしてもらってあなたには感謝の言葉では言い表せません」
「ちょ、ちょっと」
ミズキは慌てた。今までミズキのπパワーに堕ちなかった女などいない。
せっかく新しい夜伽の相手を作るチャンスなのだ。ここで手放すわけにはいかない。
「ミズキ女王。正直、二人きりと言われたとき、あなたを討とうかと考えました。しかしそれは間違いでした。申し訳ありませんでした」
「だったら!」
ミズキはダーイシの腕をつかんだ。自分を討つとか、そんな非礼はどうでもいい。
今までそんな輩は何人もいた。その度にミズキπパワーで黙らせてきたのだ。
それに、正直いってダーイシの胸(ここではロリパワーと呼ぼうかしら)はミズキにとってタイプだった。
ダーイシをつかむ腕によほど力が入ったのか、その時、ダーイシの服からハラリと一枚の写真が落ちた。
「あ・・・・」ダーイシとともにミズキもその写真を目で追う。それは族長サユミの写真であった。
398 :
名無し募集中。。。:2013/03/16(土) 20:10:19.62 0
いても立ってもいられずにクドゥー将軍はミズキの部屋へ向かっていた。
あのような蛮族を女王に会わせるなど。
オデンは大丈夫と言っていたが、もし女王に何かあったら。
長い階段を上ると、王室の扉の前にオデンがいた。
「おお、オデン。やはりお前も心配だったか。さあ、一緒に入ろう」
「いや・・・もう終わったようだ」
終わった?何がだ、とクドゥーが言おうとしたところで扉が重々しく開いた。
「女王!無事でしたか」
「クドゥー将軍、それにオデン近衛隊長も。ちょうどいいわ。この子を送ってあげて」
ミズキの手からダーイシを受け取ると、クドゥーはひとまず女王の無事を安心した。
他に言いたい事がないわけでもないが、ミズキの妙にスッキリした顔を見ると言わない方が良さそうだった。
「それと、重大発表があります」ミズキは続ける。
「重大発表?」ポカンとするクドゥーの手の中で、ダーイシがビクッと震える。
「ミチシ原人を討ちます」
おお、思わずクドゥーの口から歓喜の声が漏れた。「ついにやりますか」
「ただし、条件があります」
「条件?」クドゥーとオデンが顔を見合わせる中、ミズキは言う。
「族長サユミを、生け捕りにして私の前に連れてくるのです。体に傷ひとつつける事も許しません。いいですね」
「なんと!?」クドゥーが困惑する中、オデンは見た。
ミズキの瞳の中に、先ほどダーイシを眺めている時と同じ、怪しい光がさし込んでいるのを。
それは、どす黒い性欲の炎が蛮族の長に向けられたことを示すものだった。
399 :
名無し募集中。。。:2013/03/16(土) 20:11:02.65 0
その頃、窓から外を見上げながら王女エリーナはつぶやいた。
「あれ、この流れだと私の出番って来ないっちゃない?」