>>81 「ちょっと…、なんで空き部屋とか知ってんの?」
「なんででしょう?」
まるで最初から計画していたかのように誰もいない倉庫部屋に連れてこられ
余裕の笑みで答える衣梨奈にさゆみは不機嫌そうに頬を膨らませた。
完全に衣梨奈のペースで進められているのが気に入らない。
「最初の頃は可愛かったのに……」
「えー、今が可愛くないみたいに言わないでくださいよ」
「おどおどして、ちょっと触っただけで目がうるうるしちゃってさぁ。
あーあ、あの頃の方が良かったなー」
「そんなぁ」
衣梨奈の眉がハの字になる。
やっぱりこうでないと、さゆみは一人ごちる。
余裕の表情でさゆみを抱く衣梨奈も嫌いではないが最初位は主導権を握っておきたい。
どうせすぐに何も考えられなくなるのだから。