18 :
名無し募集中。。。:
>>1 乙です
御礼代わりに前スレ592-595の続きをお目汚しに・・・
本当に、どうしたんだろう・・・。
あの日から、あの人から目が離せなくなってしまった・・・。
夢の中で、ぽたり、と熱いものが頬を伝わったのは覚えている。
ふっと目を覚ましたとき、体にはガウンが掛けられ、ガウンから出ている足はバスタオルでぐるぐる巻きにされていて驚いたのも覚えている。
そして、恐らく、不器用な手つきでそれをした人が、涙の痕を頬に残し、一糸纏わぬ姿で自分の側で眠っていたことも。月と星の明かりの中で見たその人は、白い肌が輝いて、光の中に溶けて消えてしまいそうな気がしたのも・・・。
綺麗だと、思った。かぐや姫もこんなに綺麗だったのかな。
その瞬間、はっと我に返った。寝ぼけた頭に冷水を浴びせられたような気がした。
慌てて揺すったその肌は、血の気が通っていないかのように冷たかった。
本当に月に溶けて消えてしまいそうで、怖かった。
19 :
名無し募集中。。。:2013/02/05(火) 21:32:09.10 0
揺する手に力を込め、必死の思いで叫んだ。
「み、道重さん!」
「んぅー、何?」
・・・良かった。返事をしてくれた。この人は、此処に居る。
「風邪、引きますよ?そんな恰好じゃ」
「んー?・・・ああ、そうだねぇ。じゃあ、お布団で寝よっか」
「はい!」
二人して同じ布団に包まり、衣梨奈はさゆみをぎゅっと抱き締めた。
「どうしたのぉ、生田」
「・・・」
「甘えんぼ」
「・・・」
「ま、いいや。生田、湯たんぽみたいにあったかぁい」
すうっと眠りに入ったさゆみを、何も言わず、衣梨奈は抱き締め続けた。
せめて自分の体温がさゆみをこの世に引き留めてくれるように、と。
20 :
名無し募集中。。。:2013/02/05(火) 21:33:28.39 0
「・・・りぽん、えりぽん!」
「わ!・・・何だ、聖か」
「何だじゃないでしょ。何怖い顔してるのよ」
「えっ?」
「何かをじいっと見てたかと思ったけど違うのよね。あっち、道重さんしかいないじゃん」
「う、うん」
視線の先では、さゆみが台本を片手に立ち位置を確認していた。
翌朝から普段通りに振る舞っているさゆみを見ていると、あの夜のことが夢だったかのように思えてくる。そのくせ、こんなにも鮮やかに記憶が蘇ってくるのに。
吸い付くような白い肌の感触も。
ケーキみたいに甘く柔らかい唇も。
頭に血が上って引っ込みがつかない自分を、むしろ宥めるかのように触れてイかせた長く細い指も。
そういえば、あれも夢だったのかな。
行為の最中に、たった一度だけ、腕を掴まれ、引き寄せられてキスをした。
そのときに、聞こえた気がした、さゆみの声。
ソ・バ・ニ・イ・テ