>>944 「したいからって、そ…んな」
「"新垣さん"じゃないから嫌?」
「ちが…そういう意味じゃ…」
「じゃあいいよね」
素っ気なく返され、言葉に詰まる。
どう言えば行為をやめて貰えるのか経験不足の衣梨奈には分からない。
黙り込んだ衣梨奈を見て了承と受け取ったのか
さゆみはにんまりと笑い手の動きを再開させた。
「ねぇ、顔真っ赤だよ。のぼせちゃった?それとも恥ずかしいの?」
手を忙しなく動かしながら、さゆみの目は衣梨奈から一瞬たりとも離れない。
耐え切れず視線を少し逸らした途端、指先でずっと弄んでいた箇所を抓られ体が跳ねる。
「ぁっ!」
「よそ見しないで」
「……ぅ…」
「泣いちゃうの? 生田は本当にすぐ泣くね」
突き放すような言葉。
怖い、悲しい、情けない、様々な感情が言葉にならず涙となって溢れ出した。
「っふ……っうぇ…」
零れ落ちた雫を舐めとられるのを感じる。
ゆっくりと上下する濡れた感触にぞわりと背筋が震えた。