生田「道重さんスパゲッティーを食べませんか?」2

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ふうっと、息を吐くさゆみのうなじから、衣梨奈は目が離せずにいた。
ホテル備え付けのシャンプーの香りに、頭の芯がくらくらと酔いそうだ。
風呂上がりのさゆみの顔は、ほんのりピンクに染まっている。
(道重さん、無防備過ぎっちゃろぉ・・・)
鼓動は、心臓が破れそうな程に高鳴っている。
まとめていた髪がはらりと解かれる。
「あ・・・・・・」
うなじが、隠れてしまう。
思わず、手を伸ばして首筋に添えた。そのまま、掌を滑らせ、頬を撫で、顎をつまんだ。
驚いた表情をして見せたさゆみに口づける。が、唇を合わせる以上のことを知らない幼いキスは、一瞬で離れてしまう。
潤んださゆみの眼が、刹那、妖しい光を湛えた。
「こう、よ」
「え?」
「生田、ちょっとあーんして」
訳も分からず少しだけ口を開けた衣梨奈の視界が塞がれた。口腔にするっと何かが入ってくる。それは、舌に絡み、頬や歯の内側をなぞり、唾液を絡め取る。それがさゆみの舌だと認識したときには、既に衣梨奈も舌を伸ばして甘いさゆみの唾液に酔い痴れていた。