生田「道重さんスパゲッティーを食べませんか?」2

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明日のスケジュールの確認のために道重の部屋を訪れた鞘師は、ドア越しに伝わる微かな話し声に思わずノックしようとした手を止めた。

(・・・えりぽんの声・・・?)

道重と一緒にいるのが同期の生田だと気づいた。ドア越しに聞き耳を立てるなんて、品のない事をしていると分かってはいたが
生田の声を認めた鞘師は吸い寄せられるようにドアに近づく。
鞘師は二人の密かな関係に気づいていた、ただ一人のメンバーだった。
二人は隠そうとしていたが、鞘師の目を欺けるはずもなかった。

鞘師は生田の事が好きだった。
表立って表したことは一度もないが、いつの頃からか生田に対して抱いてしまった恋心を持て余して悶々としている。
普段から密かに生田を見続けている鞘師は、二人の隠された関係にすぐに気づいたのだった。

ドア越しに聞こえる二人の声 ── とりわけ道重の声 ── に、時折、吐息が混じり始める。

(・・・!?・・・まさか・・・)

鞘師は無意識のうちにドアのレバーを握り締め、音がしないようにそっと引く。

鍵はかかっていなかった。


数センチだけ開けた空間から鞘師が見た景色 ── それは生田が道重を抱きしめ、激しく口づけている場面だった。